JP6642462B2 - 回転電機の温度推定システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された回転電機のステータコイルの温度を推定する温度推定システムに関する。
従来から、ハイブリッド自動車や電気自動車等の電動車両には、車輪を駆動させるための回転電機が搭載されている。このような回転電機は使用時に高温になるため、回転電機を収容したケース内に冷媒を供給することで、冷却が行われている。また、回転電機のステータコイル等の温度を温度センサで検出し、検出された温度が高温の場合には回転電機の出力を制限するように駆動を制御することで、回転電機の温度上昇を抑制し構成部品を保護している。
ステータコイルの温度を温度センサで検出した場合には、検出温度が実温度(実際の温度)と乖離することがあるため、従来から検出温度を補正して実温度を推定することが行われている。
特許文献1には、ステータコイルの温度を検出する温度センサを有する回転電機の温度推定システムにおいて、回転電機のトルク指令値及び温度センサの検出温度の変化量に関係付けられた温度補正値を用いて、温度センサの検出温度を補正してステータコイルの実温度を推定することが開示されている。特許文献1では、車両の傾斜状態に応じて、回転電機を収容したケース内に供給された冷媒の温度センサへの接触の仕方が変化することを考慮して、温度補正値を決定している。
特開2015−33995号公報
ところで、ケース内に供給された冷媒(例えば、冷却油)は回転電機の構成部品(ステータコイル等)を冷却した後、ケースの下部に溜まり、その溜まった冷媒は、ケース外に吸引されて、ポンプにより再びケース内に供給されることになる。このように、冷媒はケースの下部に一旦溜まるため、ステータコイルに温度センサ(例えば、サーミスタ)が取り付けられている場合には、車両の走行状況によって、その温度センサが冷媒に浸漬したり、しなかったりする(冷媒の中に油没したり、しなかったりする)。よって、温度センサの検出温度が変化し、検出温度と実温度との乖離状態が変化する。従来の温度センサの検出温度と実温度との乖離を埋める為の補正量は、浸漬状態(浸漬有無や浸漬の程度)によって変化しないため、改善の余地がある。
そこで、本発明は、ステータコイルの温度センサの冷媒への浸漬状態(浸漬有無や浸漬の程度)によって、温度センサの検出温度と実温度との乖離状態が変化した場合であっても、検出温度を精度良く補正して、正確な実温度を推定できるようにすることを目的とする。
本発明の回転電機の温度推定システムは、車両に搭載される回転電機であり、ケース内に収容される回転電機であって、前記ケース内に冷媒が供給されることで冷却されるステータコイルを有する回転電機の温度推定システムであって、前記ステータコイルの温度を検出するコイル温度センサと、予め定められた周期で、前記コイル温度センサの検出温度と前記ステータコイルの実温度との乖離を低減する又は無くす為の補正量を算出し、算出した前記補正量によって前記コイル温度センサの検出温度を補正して前記ステータコイルの実温度推定値を求める実温度推定部と、を備え、前記コイル温度センサは前記冷媒に浸漬し得る位置に設けられており、前記実温度推定部は、前記コイル温度センサの前記冷媒への浸漬状態を表す指標となる前記車両の速度または前記回転電機の回転数と、前記コイル温度センサの検出温度の変化量とに応じて変化する前記補正量を算出する、ことを特徴とする。
本発明の回転電機の温度推定システムにおいて、前記乖離の前記補正量は、前記回転電機のトルク指令値に応じて変化する、としても好適である。
本発明の回転電機の温度推定システムにおいて、前記乖離の前記補正量は、前記各周期において算出する補正量変動を積算して求める、としても好適である。
本発明の回転電機の温度推定システムにおいて、前記コイル温度センサの検出温度の変化量と、前記トルク指令値とに対応する仮の補正量変動が設定されたマップであり、前記車両の速度の違いに対応した複数のマップを予め記憶しており、前記複数のマップの各々から、現在の前記変化量及び前記トルク指令値に対応する仮の補正量変動を読み出し、前記読み出された仮の補正量変動の各々と、それらが読み出された前記マップの前記車両の速度との関係を用いて、現在の前記車両の速度に対応した前記補正量変動を算出する、としても好適である。
本発明の回転電機の温度推定システムにおいて、前記コイル温度センサの検出温度の変化量と、前記トルク指令値とに対応する仮の補正量変動が設定されたマップであり、前記回転電機の回転数の違いに対応した複数のマップを予め記憶しており、前記複数のマップの各々から、現在の前記変化量及び前記トルク指令値に対応する仮の補正量変動を読み出し、前記読み出された仮の補正量変動の各々と、それらが読み出された前記マップの前記回転電機の回転数との関係を用いて、現在の前記回転電機の回転数に対応した前記補正量変動を算出する、としても好適である。
本発明によれば、車両の速度(車速)または回転電機の回転数をステータコイルの温度センサ(コイル温度センサ)の冷媒への浸漬状態(浸漬有無や浸漬の程度)を表す指標として用い、浸漬状態によって変化する温度センサの検出温度とステータコイルの実温度との乖離状態を考慮して、温度センサの検出温度の補正が行われるので、正確なステータコイルの実温度を推定することができる。
本発明の実施形態における回転電機の温度推定システムの構成の一例を示す図である。 コイル温度センサが冷媒に浸漬した様子を示す図である。 本発明の実施形態におけるステータコイルの実温度推定値の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるステータコイルの実温度推定値の算出処理で用いる第1マップを示す図である。 本発明の実施形態におけるステータコイルの実温度推定値の算出処理で用いる第2マップを示す図である。 本発明の実施形態におけるステータコイルの実温度推定値の算出処理で用いる第3マップを示す図である。 本発明の実施形態における乖離量(補正量変動)の算出方法を説明するための図である。 本発明の別の実施形態における回転電機の温度推定システムの構成の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の回転電機の温度推定システム10の構成の一例を示す図である。図1には、回転電機の温度推定システム10の他、バッテリ20、インバータ22、回転電機30、冷却部50も合わせて示されており、回転電機30はその構成が分かるように断面図で示されている。
本実施形態の回転電機30は、ハイブリッド車両や電気自動車などの電動車両に搭載されている。回転電機30は、力行時にはバッテリ20からインバータ22を介して供給された電力によりモータとして機能して電動車両の車輪を駆動し、制動時には発電機として機能して回生エネルギーを回収し、インバータ22を介してバッテリ20を充電する。バッテリ20は、リチウムイオン電池等の二次電池である。
図1に示すように、回転電機30はケース48内に収容されている。冷却部50は、ケース48内に冷媒を供給することで、ステータコイル36を含む回転電機30の構成部品を冷却する。なお、冷媒は、例えば、ATF(Automatic Transmission Fluid)と呼ばれる冷却油である。
回転電機の温度推定システム10は、制御部12と、回転電機30のステータコイル36の温度を検出する温度センサ40(以降、コイル温度センサ40と言う)と、車両の速度(車速)を検出する車速センサ42とを備えている。制御部12は、マイクロプロセッサを含み、プログラムを実行することによって、ステータコイル36の実温度を推定する(実温度推定値を算出する)実温度推定部14として機能する。また、制御部12は、後述するステータコイル36の実温度推定値の算出処理で用いるマップ等を記憶する記憶部18を有している。制御部12には、コイル温度センサ40の検出温度Tctと、車速センサ42の検出信号(車速v)が入力されている。
本実施形態の回転電機の温度推定システム10は、制御部12の実温度推定部14が、予め定められた周期tc1で、コイル温度センサ40の検出温度Tctとステータコイル36の実温度との乖離を低減する又は無くす為の補正量を算出し、算出した補正量によってコイル温度センサ40の検出温度Tctを補正してステータコイル36の実温度推定値を求める。この詳細については、後述する。
次に、回転電機30の構成について説明する。図1に示すように、回転電機30は、ロータ32とステータ34とを備えている。ロータ32は、ケース48に対して回転可能に支持されている駆動軸31に接続されており、駆動軸31の外周部に設けられたロータコア33を有している。ロータコア33には、複数の永久磁石39が配設されている。ステータ34は、ステータコア35を備えている。このステータコア35は、内周側が空隙を空けてロータ32と対向配置された状態で、ケース48に保持されている。また、ステータコア35に設けられた複数のスロット37のそれぞれにステータコイル36が巻回されている。ステータコイル36には、インバータ22から駆動電流が供給され、この駆動電流によってステータコイル36に発生した電磁力により、ステータ34に対してロータ32が回転する。
ステータコイル36には、ステータコイル36の温度を検出する温度センサ40(コイル温度センサ40)が取り付けられている。コイル温度センサ40は、後述するように、冷媒に浸漬し得る(冷媒の中に油没し得る)位置に取り付けられている。コイル温度センサ40は、例えば、サーミスタである。コイル温度センサ40の検出温度Tctは、制御部12に出力されている。なお、コイル温度センサ40は、ステータコイル36が巻回されているスロット37付近のステータコア35に取り付けられていても良い。
次に、冷却部50の構成について説明する。図1に示すように、冷却部50は、ケース48の外部に設けられた冷媒流路52と、冷媒流路52に接続されケース48内部の上端に設けられた冷媒パイプ44とを有している。冷媒パイプ44は、駆動軸31の軸方向に延びて存在している。冷媒流路52は、冷媒ポンプ54を有し、ケース48の下部に溜まった冷媒Fを吸引して、冷媒パイプ44に循環供給する。冷媒パイプ44は、冷媒Fを下方に噴出させる複数の噴出口46を有しており、その複数の噴出口46から冷媒Fを噴出することで、冷媒Fが流下しながらステータコイル36に接触し、ステータコイル36が冷却される。ステータコイル36を冷却した後の冷媒Fは、再びケース48の下部に溜まることになる。なお、冷却部50に冷却用熱交換部を設けて、より効果的に冷媒を冷却してもよい。冷却用熱交換部は、外部を流れる空気と内部を流れる冷媒との間で熱交換を行って、冷媒を冷却する。
上記したように、ケース48の下部には冷媒が溜まっているため、車両の速度等によって、コイル温度センサ40が冷媒に浸漬したり、しなかったりする(冷媒の中に油没したり、しなかったりする)。図1には、コイル温度センサ40が冷媒に浸漬していない様子が示されている。図2は、コイル温度センサ40が冷媒に浸漬している様子を示す図であり、図1に示した部材と同じ部材には同じ符号を付してある。回転電機30は、回転効率を上げるため、回転電機30の回転数、すなわち、車両の速度が上昇するに伴って冷媒がギヤで掻き揚げられ、ケース48下部の冷媒の量が少なくなる。つまり、車両の速度(車速)が速いときには、ケース48下部の冷媒の量が減り、図1のようにコイル温度センサ40が冷媒に浸漬しない。一方、車速が遅いときには、ケース48下部の冷媒の量が増え、図2のようにコイル温度センサ40が冷媒に浸漬する。
コイル温度センサ40が冷媒に浸漬している場合には、コイル温度センサ40により低めの温度が検出され、コイル温度センサ40が冷媒に浸漬していない場合には、コイル温度センサ40により高めの温度が検出される。すなわち、コイル温度センサ40の冷媒への浸漬状態(浸漬有無や浸漬の程度)によって、コイル温度センサ40の検出温度Tctとステータコイル36の実際の温度(実温度)との乖離状態が変化する。
そこで、本実施形態の回転電機の温度推定システム10は、コイル温度センサ40の冷媒への浸漬状態によって変化するコイル温度センサ40の検出温度Tctとステータコイル36の実温度との乖離状態を考慮して、コイル温度センサ40の検出温度Tctを補正することで、正確なステータコイル36の実温度を推定する(実温度推定値を求める)。
具体的には、次のようにしてステータコイル36の実温度推定値を求める。前述したように、回転電機の温度推定システム10の実温度推定部14は、予め定められた周期tc1で、ステータコイル36の実温度推定値Tceを算出する。実温度推定部14は、車速センサ42で検出された車速v(=V1)をコイル温度センサ40の冷媒への浸漬状態(浸漬有無や浸漬の程度)を表す指標として用いる。車速V1が低い値の場合には、コイル温度センサ40は冷媒へ浸漬している可能性が高く、車速V1が高い値の場合には、コイル温度センサ40は冷媒へ浸漬していない可能性が高いことを意味する。そして、実温度推定部14は、車速V1、すなわち、浸漬状態に対応した、1周期あたりの(時間間隔tc1における)コイル温度センサ40の検出温度Tctとステータコイル36の実温度の乖離量Tn1を算出する。本実施形態では、この乖離量Tn1を補正量変動Tn1とも言う。そして、前回の周期までの乖離量の積算値(乖離積算量)ITnに、算出された乖離量Tn1(補正量変動Tn1)を加算して乖離積算量ITnを更新し、この乖離積算量ITnを補正量として用いて、コイル温度センサ40の検出温度Tctを補正し、ステータコイル36の実温度推定値を求める。
なお、1周期あたりの(時間間隔tc1における)コイル温度センサ40の検出温度Tctとステータコイル36の実温度の乖離量Tn1は、1周期あたりの(時間間隔tc1における)コイル温度センサ40の検出温度の変化量ΔTctと、回転電機30のトルク指令値TRQによっても変化する。そこで、本実施形態では、変化量ΔTct及びトルク指令値TRQも考慮して、すなわち、変化量ΔTct及びトルク指令値TRQに応じて、乖離量Tn1(補正量変動Tn1)を変化させる。
次に、本実施形態の実温度推定部14が行うステータコイル36の実温度推定値の算出処理について詳細に説明する。図3は、実温度推定部14が行うステータコイル36の実温度推定値の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。実温度推定部14は、予め定められた周期tc1で、図3のフローを実行する。なお、図3のフローでは、ステータコイル36の実温度推定値を、「コイル実温度推定値」と言う。
図3に示すよう、まず、S100で、実温度推定部14は、コイル温度センサ40の検出温度Tctを取得する。次に、S102で、前回の周期で得られたコイル温度センサ40の検出温度PTctを取得する。PTctは、例えば、前回の周期の時に制御部12の記憶部18に記憶しておき、それを読み出すことで取得する。なお、図3のフローが最初に実行される時は、PTctを、S100で取得されたTctと同じ値にするようにしても良い。
次に、S104で、実温度推定部14は、コイル温度センサ40の検出温度の変化量ΔTctを算出する。ΔTctは、S100で取得された今回の周期の検出温度Tctから、S102で取得された前回の周期の検出温度PTctを差し引くことで算出する。このΔTctは、1周期あたりの(時間間隔tc1における)コイル温度センサ40の検出温度Tctの変化量である。
次に、S106で、実温度推定部14は、回転電機30のトルク指令値TRQを取得する。トルク指令値TRQは、例えば、不図示のアクセルペダルセンサや、車速センサ42の検出信号から算出された回転電機30のトルク値である。
S106の後は、S108で、実温度推定部14は、S104で算出された変化量ΔTctと、S106で取得されたトルク指令値TRQとを用いて、複数のマップの各々から仮乖離量(仮補正量変動)を取得する。本実施形態では、車両の速度(車速)が予め定められた速度(後述するVa等)である場合における、1周期(時間間隔tc1)あたりのコイル温度センサ40の検出温度Tctとステータコイル36の実温度の乖離量が設定されたマップを用いて、仮乖離量を取得する。具体的には、車速がVaであった場合における乖離量Tnaが設定された第1マップMaと、車速がVbであった場合における乖離量Tnbが設定された第2マップMbと、車速がVcであった場合における乖離量Tncが設定された第3マップMcとの3つのマップを用いる。なお、Va<Vb<Vcの関係がある。
図4Aは第1マップMaを示す図であり、図4Bは第2マップMbを示す図であり、図4Cは第3マップMcを示す図である。図4A〜図4Cに示すように、各マップには、コイル温度センサ40の検出温度の変化量ΔTctと、トルク指令値TRQとに応じた乖離量が設定されている。これらの乖離量は、予め実験等により、各々のマップの車速(Va,Vb,Vc)における、コイル温度センサ40の検出温度の変化量ΔTctと、トルク指令値TRQとに応じた乖離量を調べることで設定されている。なお、乖離量は、正負の値をとる。第1マップMa〜第3マップMcは、予め、制御部12の記憶部18に記憶されている。
S108で、実温度推定部14は、各マップから、コイル温度センサ40の検出温度の変化量ΔTctと、トルク指令値TRQとに対応付けられた乖離量を、仮乖離量として取得する。すなわち、第1マップMa(図4A)からは仮乖離量Tnaを、第2マップMb(図4B)からは仮乖離量Tnbを、第3マップMc(図4C)からは仮乖離量Tncを取得する。
なお、本実施形態では、車速が遅い(低い値)程、すなわち、コイル温度センサ40が冷媒へ浸漬している可能性が高い程、乖離量(補正量変動)が大きく設定されている。すなわち、Vaの第1マップMaと、Vbの第2マップMbと、Vcの第3マップMc(Va<Vb<Vc)の同一変化量ΔTct、同一トルク指令値TRQでの乖離量を比較した場合、一般的に、第1マップMaの乖離量が最も高い値となっており、第3マップMcの乖離量が最も低い値となっている。
また、各マップにおいて、トルク指令値TRQが高くなる程、乖離量が大きくなるように設定されている。また、各マップにおいて、コイル温度センサ40の検出温度の変化量ΔTctが負値の場合には正値の場合に比べて、乖離量が大きく設定されている。
図3のS108で仮乖離量を取得した後は、S110に進む。S110で、実温度推定部14は、コイル温度センサ40の冷媒への浸漬状態を表す指標である車速v(=V1)を、車速センサ42から取得する。
次に、S112で、実温度推定部14は、S110で取得した車速V1に対応した乖離量Tn1を算出する。すなわち、コイル温度センサ40の冷媒への浸漬状態に対応した1周期あたりの(時間間隔tc1における)コイル温度センサ40の検出温度Tctとステータコイル36の実温度との乖離量Tn1(補正量変動Tn1)を算出する。
図5は、乖離量Tn1の算出方法を説明するための図である。図5に示すように、乖離量Tn1は、S108で各マップから取得された仮乖離量Tna,Tnb,Tncの値を線形補間することで算出する。具体的には、まず、仮乖離量Tna,Tnb,Tncの各々と、それらが読み出された各マップの車速Va,Vb,Vcとの関係を、「車速v−乖離量Tn」座標上にプロットする。そして、プロットされた各点を線形補間することで、車速V1に対応する乖離量Tn1を算出する。
次に、S114で、実温度推定部14は、乖離積算量ITnを更新する。乖離積算量ITnは、各周期において算出された乖離量を積算したものである。実温度推定部14は、前回の周期までの乖離積算量ITnに、今回の周期において算出された乖離量Tn1を加算することで、乖離積算量ITnを更新する。この更新された乖離積算量ITnが、コイル温度センサ40の検出温度Tctの補正量となる。
次に、S116で、実温度推定部14は、コイル温度センサ40の検出温度Tctに、S114で求められた乖離積算量ITn(補正量)を加算することで、検出温度Tctを補正し、ステータコイル36のコイル実温度推定値Tceを算出する。
以上説明した実温度推定値の算出処理を、実温度推定部14が、予め定められた周期tc1で行うことで、コイル実温度推定値Tceを更新していく。
なお、算出されたコイル実温度推定値Tceは、例えば、回転電機30の負荷率の設定(出力制限)に用いられる。具体的には、コイル実温度推定値Tceが高温になった際に、制御部12がインバータ22を制御して回転電機30の負荷率を低減させて、すなわち、出力制限を行って、回転電機30の構成部品を保護する。
以上説明した実施形態の回転電機の温度推定システム10によれば、車速によってコイル温度センサ40の冷媒への浸漬状態(浸漬有無や浸漬の程度)を推定し、浸漬状態によって変化するコイル温度センサ40の検出温度Tctとステータコイルの実温度との乖離状態を考慮してコイル温度センサ40の検出温度Tctの補正が行われるため、正確なステータコイル36の実温度推定値を得ることができる。
よって、このステータコイル36の実温度推定値を用いて回転電機30の出力制限を行うことで的確に回転電機30の構成部品の保護が行えると共に、コイル温度センサ40の検出温度Tctとステータコイル36の実温度との乖離を考慮してマージンを大きくとって出力制限を行う(過剰な出力制限を行う)必要が無くなることで、回転電機30の性能を十分に発揮することができる。
また、以上説明した実施形態の回転電機の温度推定システム10によれば、コイル温度センサ40の冷媒への浸漬状態を得るために、新たにセンサ等を設ける必要がなく、そのセンサ等のワイヤーハーネスの配索も不要であり、専用の回路等も不要である。よって、簡易にシステムを構成することができる。なお、以上説明した実施形態の回転電機の温度推定システム10では、車速センサ42により車速を取得したが、車速センサ42以外の手段により車速を把握することができる場合には、車速センサ42を設けない構成であっても良い。
以上説明した実施形態の回転電機の温度推定システム10は、3つのマップを用いて乖離量Tn1を算出した。しかし、マップの数は3つに限られず、その他の数のマップを用いて、乖離量Tn1を算出しても良い。また、マップを用いるのではなく、算出式により仮乖離量を求め、乖離量Tn1を算出しても良い。
以上説明した実施形態の回転電機の温度推定システム10(10a)は、コイル温度センサ40の冷媒への浸漬状態を表す指標として車速を用いた。しかし、コイル温度センサ40の冷媒への浸漬状態を表す指標として回転電機30の回転数(例えば、1分間あたりの回転電機30のロータ32の回転数)を用いても良い。図6は、回転電機30の回転数をコイル温度センサ40の冷媒への浸漬状態を表す指標として用いる実施形態における回転電機の温度推定システム10(10b)の構成の一例を示す図である。図6の回転電機の温度推定システム10bは、図1の回転電機の温度推定システム10aにおける車速センサ42が回転数センサ43に置き換わっており、それ以外は図1の回転電機の温度推定システム10aの構成と同じである。図6では、図1に示した部材と同じ部材には同じ符号を付してある。
図6の回転電機の温度推定システム10bでは、制御部12に、回転数センサ43の検出信号(回転電機30の回転数rt)が入力されている。図6の回転電機の温度推定システム10bは、図3〜図5を用いて説明したステータコイル36の実温度推定値の算出処理において、車速の代わりに回転電機30の回転数を用いる。すなわち、車速の違いに対応した複数のマップMa〜Mcの代わりに、回転電機30の回転数の違いに対応した複数のマップを予め用意しておく。そして、ステータコイル36の実温度推定値の算出処理において、それらのマップの各々から仮乖離量(仮補正量変動)を取得し、それら仮乖離量を用いて、回転数センサ43から取得された回転電機30の回転数rt(=RT1)に対応した乖離量(補正量変動)を算出する。なお、例えば、回転電機30に供給される電力等から回転数を把握できる場合には、回転数センサ43を設けない構成であっても良い。
10,10a,10b 回転電機の温度推定システム、12 制御部、14 実温度推定部、18 記憶部、20 バッテリ、22 インバータ、30 回転電機、31 駆動軸、32 ロータ、33 ロータコア、34 ステータ、35 ステータコア、36 ステータコイル、37 スロット、39 永久磁石、40 温度センサ(コイル温度センサ)、42 車速センサ、43 回転数センサ、44 冷媒パイプ、46 噴出口、48 ケース、50 冷却部、52 冷媒流路、54 冷媒ポンプ。

Claims (1)

  1. 車両に搭載される回転電機であり、ケース内に収容される回転電機であって、前記ケース内に冷媒が供給されることで冷却されるステータコイルを有する回転電機の温度推定システムであって、
    前記ステータコイルの温度を検出するコイル温度センサと、
    予め定められた周期で、前記コイル温度センサの検出温度と前記ステータコイルの実温度との乖離を低減する又は無くす為の補正量を算出し、算出した前記補正量によって前記コイル温度センサの検出温度を補正して前記ステータコイルの実温度推定値を求める実温度推定部と、を備え、
    前記コイル温度センサは前記冷媒に浸漬し得る位置に設けられており、
    前記実温度推定部は、
    前記コイル温度センサの前記冷媒への浸漬状態を表す指標となる前記車両の速度または前記回転電機の回転数と、前記コイル温度センサの検出温度の変化量とに応じて変化する前記補正量を算出する、
    ことを特徴とする回転電機の温度推定システム。
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