JP2004193902A - 車載通信システム及び中継装置 - Google Patents

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明展 吉村
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Abstract

【課題】送信先の利用目的に応じて画像形式の変更が可能な車載通信システム及び中継装置の提供。
【解決手段】通信ポートに入力されたパケットの通信ヘッダを参照して、車両間通信用のパケットであるか否かを判断し(S2)、車両間通信用のパケットである場合には、車両間通信用の圧縮方式を設定するとともに(S3)、画像形式を変更するための制御信号を撮像装置へ送信し、外部へ送信すべき映像データの画像形式を変更する。一方、車両間通信用のパケットでない場合には、送信先で画質優先が求められているか否かの判断をして(S4)、その判断結果に応じて圧縮方式を変更するとともに、前述と同様に撮像装置へ画像形式の変更を求める制御信号を送信する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用目的に応じて送信する画像データの圧縮率、フレームレート等を変更することができる車載通信システム及び中継装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、運転支援の目的で、ドライバの死角となるような領域を撮像した映像データを外部から提供する運転支援システムの開発がなされている(例えば、特許文献1参照)。
図7は従来の運転支援システムの構成を説明する模式図である。図中202,207は道路を走行中の車両であり、図の白抜矢符の方向へ右折しようとしている車両201のドライバにとって、車両202は目視が可能であるが、車両207は車両202の死角に入っている。そこで、従来は、交差点近傍に死角領域を撮像できるようなカメラ204を設置し、当該カメラ204により得られた映像データを通信装置205へ伝送する。そして、通信装置205と車両201との路車間通信により、車両201のドライバは死角領域の映像を取得していた。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−270097号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通信装置205が送信する映像データの圧縮率は変更できるものではなく一定であるため、ドライバ等の利用目的に応じて情報量を調整した映像データの送受信が可能なシステムの構築が望まれていた。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、撮像装置により得られた画像データを中継装置を介して車外へ送信する際、その送信経路を特定し、特定した経路に応じて送信すべき画像データに対する圧縮方式を選択し、選択した圧縮方式にて圧縮した画像データを送信する構成とすることにより、送信先での利用目的に応じてた画像データを送信することができる車載通信システム及び中継装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車載通信システムは、1又は複数の車載通信装置を備え、該車載通信装置により車外の通信装置と通信可能になしてある車載通信システムにおいて、車外を撮像する撮像装置と、該撮像装置及び前記車載通信装置へ接続された中継装置とを備え、前記撮像装置は、撮像して得られた画像データを前記中継装置へ送信する手段を備え、前記中継装置は、画像データの圧縮方式に係る情報を複数記憶する記憶手段と、前記撮像装置から送信された画像データを受信する受信手段と、前記画像データを送信すべき送信経路を特定する経路特定手段と、該経路特定手段が特定した送信経路に応じて、前記画像データに対する圧縮方式を前記記憶手段に記憶された情報から選択する選択手段と、選択した圧縮方式にて前記画像データを圧縮する圧縮手段とを備え、前記中継装置は、前記送信経路に従い、前記圧縮手段により圧縮された画像データを前記車載通信装置を介して車外の通信装置へ送信すべくなしてあることを特徴とする。
【0007】
第2発明に係る車載通信システムは、第1発明に係る車載通信システムにおいて、前記車載通信装置の1つは、他車との通信を可能になしてある車両間通信装置であることを特徴とする。
【0008】
第3発明に係る車載通信システムは、第2発明に係る車載通信システムにおいて、前記車載通信装置による通信方式の1つは、DSRC方式であることを特徴とする。
【0009】
第4発明に係る車載通信システムは、第1発明乃至第3発明の何れかの車載通信システムにおいて、前記中継装置は、前記車載通信装置と車外の通信装置との接続状態を検出する検出手段を更に備え、前記経路特定手段は、前記検出手段の検出結果に基づき、画像データを送信すべき送信経路を特定すべくなしてあることを特徴とする。
【0010】
第5発明に係る車載通信システムは、第1発明乃至第4発明の何れかの車載通信システムにおいて、前記中継装置は、前記経路特定手段が特定した送信経路に応じて、前記撮像装置から送信される画像データの画像形式に対する変更要求情報を生成する手段と、生成した変更要求情報を前記撮像装置へ送信する手段とを更に備え、前記撮像装置は、前記中継装置から送信された変更要求情報を受信する手段と、受信した変更要求情報に基づき画像データの画像形式を変更する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
第6発明に係る車載通信システムは、第5発明に係る車載通信システムにおいて、前記画像形式は、画像データの画像寸法及びフレームレートを含むことを特徴とする。
【0012】
第7発明に係る中継装置は、車外の通信装置と通信可能になしてある車載通信装置、及び車外を撮像して得られた画像データを送信する手段を備えた撮像装置へ接続されており、画像データの圧縮方式に係る情報を複数記憶する記憶手段と、前記撮像装置から送信された画像データを受信する受信手段と、前記画像データを送信すべき送信経路を特定する経路特定手段と、該経路特定手段が特定した送信経路に応じて、前記画像データに対する圧縮方式を前記記憶手段に記憶された情報から選択する選択手段と、選択した圧縮方式にて前記画像データを圧縮する圧縮手段とを備え、前記送信経路に従い、前記圧縮手段により圧縮された画像データを前記車載通信装置を介して車外の通信装置へ送信すべくなしてあることを特徴とする。
【0013】
第8発明に係る中継装置は、第7発明に係る中継装置において、前記車載通信装置と車外の通信装置との接続状態を検出する検出手段を更に備え、前記経路特定手段は、前記検出手段の検出結果に基づき、画像データを送信すべき送信経路を特定すべくなしてあることを特徴とする。
【0014】
第9発明に係る中継装置は、第7発明又は第8発明に係る中継装置において、前記経路特定手段が特定した送信経路に応じて、前記撮像装置から送信される画像データの画像形式に対する変更要求情報を生成する手段と、生成した変更要求情報を前記撮像装置へ送信する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0015】
第10発明に係る中継装置は、第7発明乃至第9発明の何れかの中継装置において、前記画像形式は、画像データの画像寸法及びフレームレートを含むことを特徴とする。
【0016】
第1発明及び第7発明にあっては、撮像装置により得られた画像データを車載通信装置を通じて車外へ送信する際、その送信経路を特定し、送信経路に応じて予め記憶された複数の圧縮方式の中から一の圧縮方式を選択し、選択した圧縮方式に従って画像データを圧縮した後、画像データを送信するようにしている。したがって、送信先での利用目的に応じて画像データの圧縮率を変更して提供することができる。例えば、送信先において、提供された画像データに基づいて時々刻々と車両の検出を行う必要がある場合、圧縮率を高くする代わりに高フレームレートの画像データを生成して提供することができる。また、単に交通状況を報知するために交通管制センタへ画像データを提供す場合、フレームレートを低くする代わりに圧縮率を低くして高品質の画像データを提供することも可能である。
【0017】
第2発明にあっては、車載通信装置の1つとして他車との通信を可能にした車両間通信装置を利用している。したがって、近傍の車両には、その車両にとって死角となる領域を撮像した画像データ等を提供することができ、一方、遠方の車両には、交通状況を報知するための画像データ等を提供することができる。その際、画像データの圧縮率、フレームレート等を調節することによって、提供先での利用目的に適した画像データを送信することが可能となる。
【0018】
第3発明にあっては、車載通信装置による通信方式の1つとして、DSRC方式を利用している。したがって、DCRC方式を用いた車両間通信により、近傍の車両に画像データの送信が可能になる。
【0019】
第4発明及び第8発明にあっては、車載通信装置と車外の通信装置との接続状態を検出し、その検出結果に基づいて画像データを送信すべき送信経路を特定するようにしている。したがって、画像データの送信経路が路車間を利用した経路であるか、又は車両間を利用した経路であるかを特定することができ、特定した経路に応じて画像データの提供先での利用目的を知ることができる。また、提供先の利用目的に応じて、送信すべき画像データの圧縮率、フレームレート等の変更が可能となる。
【0020】
第5発明及び第9発明にあっては、画像データの送信経路に応じて、車外へ送信する画像データの画像形式の変更を求める変更要求情報を撮像装置に送信して、撮像装置にて画像データの画像形式を変更するようにしている。したがって、提供先での利用目的に応じた画像形式の画像データを生成することができる。
【0021】
第6発明及び第10発明にあっては、撮像装置にて変更できる画像形式として画像寸法及びフレームレートを含んでいるため、提供先での利用目的に応じて画像寸法及びフレームレートの変更が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本実施の形態に係る車載通信システムを利用した通信の概要を説明する模式図である。図中1〜3は本車載通信システムを搭載した車両であり、各車両1〜3は交通管制センタ9又は遠方の車両と通信をするための携帯電話機、及び近辺の車両と通信するためのDSRC無線機を備えている(図2参照)。
車両1は、車外を撮像するための撮像装置(図2参照)を備えており、撮像して得られた映像データを外部に送信する。例えば、図1(a)に示した如く、車両1が一般道路又は高速道路を走行している場合、無線局8及び通信ネットワークNを通じて交通管制センタ9に映像データを提供することが可能である。また、車両1の遠方を走行している車両2にも映像データを送信することが可能である。
一方、図1(b)に示した如く、車両1が交差点近傍を走行している場合、車両1の前方を撮像した映像データを近傍の車両3へ送信することができる。車両1から送信されてくる映像データは、車両3からみて死角となる領域の映像データであり、車両3のドライバは当該映像データにより衝突事故を回避し得る情報を取得することができる。
また、受信した映像データを解析して走行車両の有無を検出し、走行車両がある場合にドライバに報知するシステムを各車両1〜3に構築してもよい。
【0023】
図2は本実施の形態に係る車載通信システムの構成を示すブロック図である。車両1は、車外の通信装置と通信をするためのDSRC無線機12及び携帯電話機13がゲートウェイ装置11を介して車内LAN15に接続されている。車内LAN15としては、車載用に特化したIDB−1394等のIEEE1394規格に準拠した通信網を利用することができ、当該車内LAN15にはモニタ装置16、ナビゲーション装置17、撮像装置18等の車載器が接続されている。また、DSRC無線機12及び携帯電話機13とゲートウェイ装置11との接続にも、IEEE1394を利用することができるが、USB(Universal Serial
Bus)を利用してもよい。
【0024】
モニタ装置16は、液晶ディスプレイのような表示部、各種ハードウェアキー又はソフトウェアキーを有する操作部(不図示)を備えており、撮像装置18により得られた映像データ、ナビゲーション装置17により得られたナビゲーション情報、DSRC無線機12,携帯電話機13を通じて外部から得た各種の情報を表示することができる。
ナビゲーション装置17は、車両1の例えばトランク内に設置されており、GPS(Global Positioning System)で利用される人工衛星からのGPS信号を受信するためにGPS受信部(不図示)を備えている。また、地図データ等を記録してあるCD−ROM、DVD等の記録媒体から地図データを読取るための読取装置を備えている。ナビゲーション装置17では、GPS受信部にて受信したGPS信号に基づき、車両1の現在位置に関する情報を算出して、算出した位置情報が含まれる地図データを前記記録媒体から読取る。そして、ナビゲーション装置17は、算出した位置情報及び該位置情報が含まれる地図データをナビゲーション情報としてモニタ装置16へ送信する。
撮像装置18は車両1の適宜箇所に設置されており、例えば、CCD素子のような撮像素子により車両1の前方を撮像して映像データを取得する。本実施の形態では、1台の撮像装置18を設ける構成としたが、2台以上の撮像装置18を設けた構成でも良く、車両1の前方以外に車両の側方又は後方を撮像する構成としてもよい。
【0025】
撮像装置18により撮像された映像データはゲートウェイ装置11へ送信された後、DSRC無線機12又は携帯電話機13を介して車外へ送信される。車内LAN15としてIEEE1394規格に準拠した通信網を利用している場合、撮像装置18とゲートウェイ装置11との間の映像データの伝送に、IEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様(IIDC仕様)による通信プロトコルを利用することができる。また、前記通信プロトコルを利用することによって、特別な処理を施すことなく800×480画素(ワイドVGA)等の高解像度の映像データを伝送することが可能である。
【0026】
本実施の形態では、映像データの提供先での利用目的に応じて、その圧縮率、フレームレート等を変更した後、DSRC無線機12又は携帯電話機13を介して映像データを送信するようにしている。例えば、交差点、事故多発地点等において、近接車両の検出するために利用される映像データを提供する場合、リアルタイム性が要求されるため、圧縮率を高くしてデータ量を少なくする代わりに、高フレームレートの映像データを送信する。また、交通管制センタ9へ交通情報用の映像データとして提供する場合、必ずしも秒単位のリアルタイム性は必要はないため、フレームレートを低くする代わりに低圧縮率の映像データを送信する。更に、遠方の車両2へ交通情報用の映像データを提供する場合、リアルタイム性が要求されることはなく、しかも高画質である必要ではないため、高圧縮の映像データを低フレームレートで送信する。
また、交通管制センタ9又は遠方の車両2へ映像データを提供する必要がない場合、静止画像を所定時間毎に提供するようにしてもよい。
【0027】
図3はゲートウェイ装置11の内部構成を示すブロック図である。ゲートウェイ装置11は、MPUを有するマイクロコンピュータ111を備えており、マイクロコンピュータ111には、バス112を介してROM113,RAM114,及び中継LSI115が接続されている。
中継LSI115には、第1通信インタフェース(第1通信IF)116、及びCODEC118を介した第2通信インタフェース(第2通信IF)119が接続されている。第1通信インタフェース116には、DSRC無線機12に対する通信ポート117a、携帯電話機13に対する通信ポート117bが接続されており、第2通信インタフェース119には、車内LAN15を接続するための通信ポート120が接続されている。
【0028】
ROM113には、通信制御を行うための各種制御プログラムが記憶されており、マイクロコンピュータ111が当該制御プログラムを実行することで、ゲートウェイ装置11として機能する。また、RAM114は、マイクロコンピュータ111の演算処理中に発生したデータ、第1通信インタフェース116,第2通信インタフェース119を通じて送受信したデータ等を一時的に記憶する。
第1通信インタフェース116及び第2通信インタフェース119では、主として物理層及びデータリンク層の処理を行う。また、中継LSI115は、中継するデータのネットワーク層、トランスポート層の通信ヘッダをチェックして、データの転送処理、及びヘッダにおけるIPアドレス、ポート番号の付け替え処理を行う。
また、CODEC118では、通信ポート117a,117bを通じて受信した映像データの解凍処理を行うとともに、通信ポート120を通じて入力された映像データの圧縮処理を行う。
映像データを圧縮する際の圧縮率は、送信先での利用目的に応じてマイクロコンピュータ111により定められ、CODEC118は、マイクロコンピュータ111の指示に従って映像データの圧縮処理を行う。
【0029】
図4は本実施の形態に係る車載通信システムによる映像データの送信手順を説明するフローチャートである。
まず、ゲートウェイ装置11のマイクロコンピュータ111は、映像データを外部へ送信するために通信が開始されたか否かを判断する(ステップS1)。通信が開始されていない場合(S1:NO)、通信が開始されるまで待機する。通信が開始されたか否かの判断は、映像データを外部へ送信するためのパケットが通信ポート120に入力されたか否かを判断することによって行う。
【0030】
通信が開始されたと判断した場合(S1:YES)、通信ポート120に入力されたパケットの通信ヘッダを参照し、映像データの送出先がDSRC無線機12であるか否かを判断することによって、車両間通信であるか否かを判断する(ステップS2)。車両間通信であると判断した場合(S2:YES)、車両間通信用の圧縮方式を設定する(ステップS3)。また、GPS信号に基づいて自車が交差点近傍を走行中であるか否かを判断し、交差点近傍を走行している場合には、映像データを車両間通信により送信すると定めてもよい。DSRC無線機12を利用して近距離の車両に映像データを提供する場合、その映像データが車両検出に利用されると判断して、高圧縮率、高フレームレートの圧縮方式に設定する。設定された圧縮方式はRAM114に記憶される。
【0031】
通信ポート120に入力されたパケットの通信ヘッダを参照した結果、車両間通信でないと判断した場合(S2:NO)映像データの送出先が携帯電話機13であるか否かを判断し、更に映像データの提供先が交通管制センタ9であるか、又は遠方の車両2であるかを判断することによって、提供すべき映像データが画質優先の映像データであるか否かを判断する(ステップS4)。
提供すべき映像データが画質優先の映像データであると判断した場合(S4:YES)、画質優先用の圧縮方式を設定する(ステップS5)。すなわち、映像データの提供先が交通管制センタ9であると判断した場合、送信する映像データは、交通管制センタ9にて交通情報用として利用されると判断して、低圧縮、低フレームレートの圧縮方式に設定する。設定された圧縮方式はRAM114に記憶される。
【0032】
ステップS4において、提供すべき映像データが画質優先の映像データでないと判断した場合(S4:NO)、遠方車両用の圧縮方式を設定する(ステップS6)。すなわち、映像データの提供先が遠方の車両2であると判断した場合、送信する映像データは、遠方の車両2にて交通情報用として利用されると判断して、高圧縮、低フレームレートの圧縮方式に設定する。設定された圧縮方式はRAM114に一時的に記憶される。
【0033】
次いで、マイクロコンピュータ111は、ステップS3,S5,S6の各ステップにおいて設定された圧縮方式に従って、フレームレート,フォーマット等の映像データの情報量に関する制御信号を撮像装置18へ送信する(ステップS7)。撮像装置18は、ゲートウェイ装置11から送信された制御信号を受信した場合、当該制御信号に基づいてフレームレート、画像フォーマット等の変更をした後、映像データをゲートウェイ装置11へ送信する。
次いで、マイクロコンピュータ111は、映像データが通信ポート120に入力されたか否かを判断し(ステップS8)、映像データの入力がない場合(S8:NO)、映像データの入力があるまで待機する。
【0034】
通信ポート120に映像データが入力された場合(S8:YES)、CODEC118は、ステップS3,S5,S6の各ステップにおいて設定された圧縮方式に従って映像データを圧縮する(ステップS9)。例えば、車両間通信用の圧縮方式が設定されている場合、又は遠方車両用の圧縮方式が設定されている場合、映像データを高圧縮してデータ量の低減化を図り、中継LSI115に映像データを送出する。また、画質優先用の圧縮方式が設定されている場合、映像データをあまり圧縮せずに、高画質の映像データを中継LSI115に映像データを送出する。
【0035】
次いで、中継LSI115は、CODEC118から受付けた映像データのパケットフォーマットを変換する(ステップS10)。前述したように撮像装置18は、例えば、IIDC仕様に対応した車内LAN15を通じて映像データを送信するようにしており、ゲートウェイ装置11では、撮像装置18から受信したパケットをIIDC仕様のものからIPパケット用のものに変換する必要がある。中継LSI115では、マイクロコンピュータ111の指示に応じてパケットの変換を行う。
次いで、マイクロコンピュータ111は、パケットフォーマットを変換した後の映像データをDSRC無線機12を通じて近傍の車両3へ送信するか、又は携帯電話機13を通じて交通管制センタ9、遠方の車両2の何れかへ送信する(ステップS11)。
【0036】
実施の形態2.
実施の形態1では、GPSの信号に基づき自車の走行位置を把握し、走行地点が交差点近傍である場合には、近傍の車両3にリアルタイム性を優先させた映像データを送信するようにしていた。また、自車の走行位置が交差点近傍以外の場合には、交通管制センタ9,又は遠方の車両2へ交通状況を報知するために適した映像データを送信するようにしていた。
しかしながら、例えば、見通しが悪いカーブ、事故が多発する地点を走行している場合、死角となるような領域を撮像した映像データの提供が望まれる場合もある。図5は本実施の形態に係る車載通信システムを利用した通信の概要を説明する模式図である。本実施の形態では、見通しが悪いカーブ、事故が多発する地点にDSRC無線機7を設置し、通りがかった車両1との間にDSRCのコネクションを形成させ、近傍の車両3に映像データを送信するようにしている。
なお、本実施の形態においても、車載通信システムの構成、ゲートウェイ装置11の構成は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0037】
図6は本実施の形態に係る車載通信システムによる映像データの送信手順を説明するフローチャートである。
まず、ゲートウェイ装置11のマイクロコンピュータ111は、DSRCのコネクションが形成されたか否かを判断する(ステップS21)。DSRCのコネクションが形成されていない場合(S21:NO)、コネクションが形成されるまで待機する。DSRCのコネクションが形成されたか否かの判断は、DSRC無線機12にてコネクション要求の信号を外部から受信し、それに対して応答したか否かを判断することによって行う。
【0038】
DSRCのコネクションが形成されたと判断した場合(S21:YES)、映像データの送信経路がDSRC無線機12を利用した車両間通信の経路であると判断して、車両間通信用の圧縮方式を設定する(ステップS22)。具体的には、送信先の車両3において車両検出のために利用されることを想定し、高圧縮率、高フレームレートの圧縮方式に設定する。設定された圧縮方式はRAM114に記憶される。
【0039】
次いで、マイクロコンピュータ111は、設定された圧縮方式に従って、フレームレート、フォーマット等の映像データの情報量に関する制御信号を撮像装置18へ送信する(ステップS23)。撮像装置18は、ゲートウェイ装置11から送信された制御信号を受信した場合、当該制御信号に基づいてフレームレート、画像フォーマット等の変更をした後、映像データをゲートウェイ装置11へ送信する。
次いで、マイクロコンピュータ111は、映像データが通信ポート120に入力されたか否かを判断し(ステップS24)、映像データの入力がない場合(S24:NO)、映像データの入力があるまで待機する。
【0040】
通信ポート120に映像データが入力された場合(S24:YES)、CODEC118は、ステップS22において設定された圧縮方式に従って映像データを圧縮する(ステップS25)。本実施の形態では、車両間通信用の圧縮方式に設定されているため、映像データを高圧縮してデータ量の低減化を図り、中継LSI115に映像データを送出する。
【0041】
次いで、中継LSI115は、CODEC118から受付けた映像データのパケットフォーマットを変換する(ステップS26)。前述したように撮像装置18は、例えば、IIDC仕様に対応した車内LAN15を通じて映像データを送信するようにしており、ゲートウェイ装置11では、撮像装置18から受信したパケットをIIDC仕様のものからIPパケット用のものに変換する必要がある。中継LSI115では、マイクロコンピュータ111の指示に応じてパケットの変換を行う。
次いで、マイクロコンピュータ111は、パケットフォーマットを変換した後の映像データをDSRC無線機12を通じて近傍の車両3へ送信する(ステップS27)。
【0042】
【発明の効果】
以上、詳述したように、第1発明及び第7発明による場合は、撮像装置により得られた画像データを車載通信装置を通じて車外へ送信する際、その送信経路を特定し、送信経路に応じて予め記憶された複数の圧縮方式の中から一の圧縮方式を選択し、選択した圧縮方式に従って画像データを圧縮した後、画像データを送信するようにしている。したがって、送信先での利用目的に応じて画像データの圧縮率を変更して提供することができる。例えば、送信先において、提供された画像データに基づいて時々刻々と車両の検出を行う必要がある場合、圧縮率を高くする代わりに高フレームレートの画像データを生成して提供することができる。また、単に交通状況を報知するために交通管制センタへ画像データを提供す場合、フレームレートを低くする代わりに圧縮率を低くして高品質の画像データを提供することも可能である。
【0043】
第2発明による場合は、車載通信装置の1つとして他車との通信を可能にした車両間通信装置を利用している。したがって、近傍の車両には、その車両にとって死角となる領域を撮像した画像データ等を提供することができ、一方、遠方の車両には、交通状況を報知するための画像データ等を提供することができる。その際、画像データの圧縮率、フレームレート等を調節することによって、提供先での利用目的に適した画像データを送信することが可能となる。
【0044】
第3発明による場合は、車載通信装置による通信方式の1つとして、DSRC方式を利用している。したがって、DCRC方式を用いた車両間通信により、近傍の車両に画像データの送信が可能になる。
【0045】
第4発明及び第8発明による場合は、車載通信装置と車外の通信装置との接続状態を検出し、その検出結果に基づいて画像データを送信すべき送信経路を特定するようにしている。したがって、画像データの送信経路が路車間を利用した経路であるか、又は車両間を利用した経路であるかを特定することができ、特定した経路に応じて画像データの提供先での利用目的を知ることができる。また、提供先の利用目的に応じて、送信すべき画像データの圧縮率、フレームレート等の変更が可能となる。
【0046】
第5発明及び第9発明による場合は、画像データの送信経路に応じて、車外へ送信する画像データの画像形式の変更を求める変更要求情報を撮像装置に送信して、撮像装置にて画像データの画像形式を変更するようにしている。したがって、送信経路に応じて画像データの利用目的を知ることができ、提供先での利用目的に応じて画像寸法、フレームレート等の画像形式の変更が可能となる。
【0047】
第6発明及び第10発明による場合は、撮像装置にて変更できる画像形式として画像寸法及びフレームレートを含んでいるため、提供先での利用目的に応じて画像寸法及びフレームレートの変更が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る車載通信システムを利用した通信の概要を説明する模式図である。
【図2】本実施の形態に係る車載通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】ゲートウェイ装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る車載通信システムによる映像データの送信手順を説明するフローチャートである。
【図5】本実施の形態に係る車載通信システムを利用した通信の概要を説明する模式図である。
【図6】本実施の形態に係る車載通信システムによる映像データの送信手順を説明するフローチャートである。
【図7】従来の運転支援システムの構成を説明する模式図である。
【符号の説明】
1,2,3 車両
8 無線局
9 交通管制センタ
11 ゲートウェイ装置
12 DSRC無線機
13 携帯電話機
15 車内LAN
16 モニタ装置
17 ナビゲーション装置
18 撮像装置
N 通信網

Claims (10)

  1. 1又は複数の車載通信装置を備え、該車載通信装置により車外の通信装置と通信可能になしてある車載通信システムにおいて、
    車外を撮像する撮像装置と、該撮像装置及び前記車載通信装置へ接続された中継装置とを備え、前記撮像装置は、撮像して得られた画像データを前記中継装置へ送信する手段を備え、前記中継装置は、画像データの圧縮方式に係る情報を複数記憶する記憶手段と、前記撮像装置から送信された画像データを受信する受信手段と、前記画像データを送信すべき送信経路を特定する経路特定手段と、該経路特定手段が特定した送信経路に応じて、前記画像データに対する圧縮方式を前記記憶手段に記憶された情報から選択する選択手段と、選択した圧縮方式にて前記画像データを圧縮する圧縮手段とを備え、前記中継装置は、前記送信経路に従い、前記圧縮手段により圧縮された画像データを前記車載通信装置を介して車外の通信装置へ送信すべくなしてあることを特徴とする車載通信システム。
  2. 前記車載通信装置の1つは、他車との通信を可能になしてある車両間通信装置であることを特徴とする請求項1に記載の車載通信システム。
  3. 前記車載通信装置による通信方式の1つは、DSRC方式(Dedicated Short Range Communication)であることを特徴とする請求項2に記載の車載通信システム。
  4. 前記中継装置は、前記車載通信装置と車外の通信装置との接続状態を検出する検出手段を更に備え、前記経路特定手段は、前記検出手段の検出結果に基づき、画像データを送信すべき送信経路を特定すべくなしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車載通信システム。
  5. 前記中継装置は、前記経路特定手段が特定した送信経路に応じて、前記撮像装置から送信される画像データの画像形式に対する変更要求情報を生成する手段と、生成した変更要求情報を前記撮像装置へ送信する手段とを更に備え、前記撮像装置は、前記中継装置から送信された変更要求情報を受信する手段と、受信した変更要求情報に基づき画像データの画像形式を変更する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車載通信システム。
  6. 前記画像形式は、画像データの画像寸法及びフレームレートを含むことを特徴とする請求項5に記載の車載通信システム。
  7. 車外の通信装置と通信可能になしてある車載通信装置、及び車外を撮像して得られた画像データを送信する手段を備えた撮像装置へ接続されており、画像データの圧縮方式に係る情報を複数記憶する記憶手段と、前記撮像装置から送信された画像データを受信する受信手段と、前記画像データを送信すべき送信経路を特定する経路特定手段と、該経路特定手段が特定した送信経路に応じて、前記画像データに対する圧縮方式を前記記憶手段に記憶された情報から選択する選択手段と、選択した圧縮方式にて前記画像データを圧縮する圧縮手段とを備え、前記送信経路に従い、前記圧縮手段により圧縮された画像データを前記車載通信装置を介して車外の通信装置へ送信すべくなしてあることを特徴とする中継装置。
  8. 前記車載通信装置と車外の通信装置との接続状態を検出する検出手段を更に備え、前記経路特定手段は、前記検出手段の検出結果に基づき、画像データを送信すべき送信経路を特定すべくなしてあることを特徴とする請求項7に記載の中継装置。
  9. 前記経路特定手段が特定した送信経路に応じて、前記撮像装置から送信される画像データの画像形式に対する変更要求情報を生成する手段と、生成した変更要求情報を前記撮像装置へ送信する手段とを更に備えることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の中継装置。
  10. 前記画像形式は、画像データの画像寸法及びフレームレートを含むことを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れかに記載の中継装置。
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