JP2004193054A - カードコネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】カードが不慮に排出されてしまうという事態を起こらなくする。スライダのロック状態を維持するための突出片の先端部とスライダの係合面との掛り幅を、当該カードコネクタを厚肉化することなく大きくする。
【解決手段】筐体1の内部に初期位置に向けて常時弾発付勢したスライダ4を配備する。カードロック手段と、スライダロック手段と、ロック解除手段とを有する。カードロック手段が、カード100の係合部120に対して出退自在な係合体5と、筐体1に具備させた係合体逃がし空間23と、筐体1に具備させた係合体支持面24と、筐体1に具備させたガイド面25と、係合体付勢手段35とを有する。スライダロック手段が、スライダ4側の係合面44と、カバー3側の係合部材32とを有する。
【選択図】 図4
【解決手段】筐体1の内部に初期位置に向けて常時弾発付勢したスライダ4を配備する。カードロック手段と、スライダロック手段と、ロック解除手段とを有する。カードロック手段が、カード100の係合部120に対して出退自在な係合体5と、筐体1に具備させた係合体逃がし空間23と、筐体1に具備させた係合体支持面24と、筐体1に具備させたガイド面25と、係合体付勢手段35とを有する。スライダロック手段が、スライダ4側の係合面44と、カバー3側の係合部材32とを有する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カードコネクタ、特に、筐体のカードスロットに挿入されたカードによって押し込まれたスライダが、カードセット位置に対応する位置で筐体に保持されてロックされると共に、上記カードスロットに挿入されたカードもスライダに保持されてロックされるようになっていて、筐体に対するスライダのロック状態がイジェクト操作(カード排出操作)によって解除され、かつ、スライダに対するカードのロック状態がカードの引抜き操作によって解除されるようになっているカードコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に従来のカードコネクタが開示されている。このカードコネクタでは、スライダを筐体に保持させるためのスライダロック手段が、細い線材を折り曲げて形成したカムピンとこのカムピンを案内するカム溝とを有し、カムピンがスライダに保持され、カム溝が筐体側に設けられている。そして、スライダを初期位置に向けて常時弾発付勢している付勢力を利用して、カムピンを、カム溝に具備させた段付面に係止させることによって筐体に対するスライダのロック状態が得られるようになっていると共に、その段付面からカムピンが不慮に外れてロック解除されてしまうことを防ぐためにカムピンを板ばねで押し付けるという構成が採用されている。また、スライダロック手段によるロック状態を解除するときには、カードを押し込んでスライダを移動させることにより、カム溝の段付面からカムピンを逃がすという操作を通じて行っている。一方、カードをスライダに連結するためのカードロック手段は、スライダに取り付けた板ばねの山形部を、その板ばねの弾性を利用してカードの幅方向一端部に備わっている凹入状の係合部に嵌合させることにより行っていて、このカードロック手段によるロック状態はいわゆるハーフロック状態であって、カードに大きな引抜き力を加えることによって板ばねの山形部を乗り越えさせてカードを引き抜くことができるようなロック状態である。
【0003】
【特許文献1】
特許第3248068号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカードコネクタでは、人為的なカードの無理抜きにより筐体に対するスライダのロック状態が不慮に解除されてしまい、カード側電極と筐体側コンコクトとの電気的接続が不慮に遮断されて機器側の電子電気機器に悪影響が及んだりするという問題があった。
【0005】
また、カムピンと段付面との掛り幅が小さい状態でスライダが筐体にロックされているときもあり、そのような場合には比較的小さな衝撃や振動、あるいは人為的なカードの無理抜きによりスライダのロック状態が不慮に解除されてしまうという事態の起こるおそれがあった。さらに、近時の小形化薄形化に対応した小形カードコネクタでは、スライダロック手段のカムピンとカム溝の段付面との掛り幅を0.2〜0.3mmというきわめて短い寸法に定めることを余儀なくされているため、板ばねでカムピンを押し付けているとしても、カードコネクタあるいはそのカードコネクタを取り付けた機器が落下衝撃を受けた場合などに、その衝撃によって段付面からカムピンが外れてロック解除されてしまうおそれがあった。そして、筐体に対するスライダのロック状態が不慮に解除されたりすると、初期位置に向けて常時弾発付勢されているスライダが初期位置まで勢いよく後退し、その影響でカードが筐体から不慮に飛び出してしまい、カード側電極と筐体側コンコクトとの電気的接続が不慮に遮断されてしまって機器側の電子電気機器に悪影響が及んだり、カードが筐体から飛び出して傷ついたりするという問題があった。
【0006】
ところで、カードはカードロック手段によってスライダにロックされているけれども、カードとスライダとのロック状態は上記したようなハーフロック状態であるため、上記のような落下衝撃などに伴ってスライダが初期位置まで勢いよく後退したような場合には、そのときの慣性などによってカードに大きな引抜き方向の力が作用してハーフロック状態が解除され、カードが筐体の外に飛び出してしまうという可能性がある。
【0007】
本発明は以上の状況や問題に鑑みてなされたものであり、カードセット位置に挿入されているカードに引抜き方向の大きな力が加わっても、そのような力によってカードが容易に引き抜かれないようになるカードコネクタを提供することを目的とする。
【0008】
また、カードセット位置からのカードの排出を、筐体に対するスライダのロック状態を解除することによって行うという方式を採用しているカードコネクタにおいて、落下衝撃や振動などによって筐体に対するスライダのロック状態が不慮に解除されてしまうという状況を生じにくいカードコネクタを提供することを目的とする。
【0009】
さらに、スライダと筐体とのロック状態を解除する操作を人為的に行った場合において、そのロック解除操作に伴ってカードが筐体の外に飛び出してしまうという状況が生じにくいカードコネクタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカードコネクタは、カードスロットを形成する筐体の内部に、そのカードスロットに挿入されたカードに押されて初期位置からカードセット位置に対応する押込み位置まで移動しかつ初期位置に向けて常時弾発付勢されたスライダが配備されていると共に、カードを上記スライダに連結することによってカードをこのスライダに保持させるカードロック手段と、上記スライダを上記押込み位置で上記筐体に連結することによってこのスライダを上記筐体に保持させるスライダロック手段と、このスライダロック手段によって筐体に保持された上記スライダのロック状態を解除するロック解除手段と、を有する。
【0011】
そして、上記カードロック手段が、上記スライダに保持されて上記カードに具備された凹入状の係合部に対して出退自在な係合体と、上記筐体に具備されて上記スライダの押込み位置よりも手前側位置でカードの上記係合部に対する上記係合体の出退動作を許容する係合体逃がし空間と、上記筐体に具備されて上記スライダの押込み位置でカードの上記係合部に嵌合した上記係合体に重なり合うことによりその係合部からの上記係合体の後退を阻止する係合体支持面と、上記筐体に具備されて上記スライダが初期位置から押込み位置に向けて移動する途中で上記係合体を上記係合体逃がし空間から上記係合体支持面との重なり箇所へ案内するガイド面と、上記係合体逃がし空間に位置する上記係合体を上記スライダの初期位置でそのスライダに重なり合ったカードの上記係合部に突出させかつカードを引抜き方向に移動させる動作によってカードの上記係合部から上記係合体が後退することを許容する係合体付勢手段と、を有している。さらに、上記スライダロック手段が、上記スライダに具備された係合面と、上記筐体に具備されて押込み位置に移動したスライダの上記係合面に係合してそのスライダの初期位置側への移動を阻止する係合部材とを有している。
【0012】
この構成を備えているカードコネクタによれば、スライダがカードに押されて押込み位置まで移動したときには、スライダの係合面に係合部材が係合してスライダの初期位置側への移動を阻止する。しかも、カードによってスライダが初期位置から押込み位置まで押し込まれるのに伴って、係合体付勢手段の作用によってカードの係合部に突出している係合体が係合体逃がし空間からガイド面を経て係合体支持面との重なり箇所へ移動し、係合体支持面との重なり箇所では、係合体が、カードセット位置まで挿入されているカードの凹入状の係合部に突出する。このため、カードセット位置では、スライダの初期位置側への移動が係合部材によって阻止され、併せて、カードに引抜き力が加わっても、係合体が、カードの係合部から後退せずにカードをスライダに連結して保持するという作用を発揮するので、カードがカードセット位置から無理抜きされるという事態が起こらない。
【0013】
また、筐体に対するスライダのロック状態をロック解除手段によって解除すると、スライダが弾発付勢力により初期位置側に向けて移動し、係合体が係合体支持面との重なり箇所から離れて係合体逃がし空間に移動し、係合体がカードの係合部から後退することができる状態になる。しかも、スライダの初期位置では、係合体付勢手段が、カードを引抜き方向に移動させる動作によってカードの上記係合部から上記係合体が後退することを許容するので、スライダが初期位置に位置しているときには、カードに引抜き力を加えて係合体をカードの係合部から後退させることによりカードを引き抜くことができるようになる。
【0014】
本発明では、上記筐体が、合成樹脂成形体でなる上面開放のボディとこのボディに装着されてその上面開放部を覆う上板部を備えた板金製のカバーとでなり、このカバーの上記上板部の一部を内向きに切起して形成したばね性を有する片持ち状の突出片によって上記係合部材が形成されていると共に、その突出片の先端部がその突出片のばね性によって押込み位置に移動したスライダの上記係合面との対向位置に変位するようになっていることが望ましい。これによれば、別部品で係合部材を構成する必要がないので組立工数を減らして価格を安く抑えることが可能であり、しかも、スライダの移動と係合部材の動作とを連携させる機構を設ける必要がないという利点もある。
【0015】
本発明では、上記ロック解除手段が、上記筐体に押引き自在に取り付けられかつ押込み操作によって上記係合面との対向位置に変位している上記突出片の先端部を上記係合面からの退避箇所に変位させて上記スライダをロック解除するレバーでなる、という構成を採用することが望ましく、これによれば、レバーの押込み操作でカードを排出すくことが可能になる。
【0016】
本発明では、上記スライダの初期位置と押込み位置との間での移動ストロークが、上記レバーの押込み操作による最大押込みストロークよりも長くなっていることが望ましい。これによれば、たとえば当該カードコネクタが落下した衝撃によってレバーが押し込まれた場合でも、そのレバーによってスライダのロック状態が解除されてしまうという事態が起こらないので、落下衝撃の影響によるレバーの作用・反作用の法則によってスライダのロック状態が解除されるという誤作動が起こらなくなる。
【0017】
本発明では、上記レバーに、初期位置に向けて常時弾発付勢された上記スライダがロック解除されて初期位置側へ移動したときにそのスライダに突き当たってそのスライダを初期位置に達する前に停止させるスライダ受部が備わっていることが望ましい。これによれば、レバーを押し込んでスライダのロック状態を解除するのと同時に初期位置側に向けて瞬時に移動するスライダが、初期位置に達する前にレバーのスライダ受部によって受け止められ、その後、レバーを押しながら初期位置に達するようになる。このため、スライダが初期位置に復帰するときの衝撃が緩和され、そのことがカードの飛出しを防ぐことに役立つ。
【0018】
本発明では、上記カバーにその上板部の端縁に曲成された側板部が具備され、その側板部に、上記係合体逃がし空間に位置する上記係合体を、上記スライダに重なり合って幅方向一端部側に上記係合部を備える上記カードの幅方向一端部側に向けて常時弾発付勢するばね片が切起し形成され、このばね片によって上記係合体付勢手段が形成されていることが望ましい。これによれば、別部品で係合体付勢手段を構成する必要がないので組立工数を減らして価格を安く抑えることが可能である。
【0019】
本発明では、上記係合体逃がし空間内で上記係合体が上記ばね片により弾発付勢されて上記カードの係合部に対し突出しているときに、カードに加えられた引抜き力によって上記係合体をカードの係合部から後退させる係合体退避手段を備えていることが望ましい。これによれば、スライダが初期位置に位置している状態でのカードの引抜きを円滑を行うことができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1(A)は本発明に係るカードコネクタの実施形態を示した全体平面図、同(B)は(A)のIB矢視図、図2(A)はスライダ4がロックされている状態をカバー3を省略して示した概略平面図、同(B)はイジェクト操作直後の状態をカバー3を省略して示した概略平面図、図3はスライダ4と係合体5とを示した概略斜視図、図4(A)はスライダ4がロックされている状態を示した概略縦断側面図、同(B)はスライダ4のロックを解除した直後の状態を示した概略縦断側面図、同(C)はレバー6のスライダ受部61がスライダを受け止めた状態を示した概略縦断側面図、図5(A)はカードセット位置でのスライダ4に対するカードのロック状態を示した要部の概略横断平面図、同(B)はカード挿入初期の状態を示した要部の概略横断平面図、図6は図5(A)のVI部拡大図、図7はカード引抜き時の状態を示した要部の概略横断平面図、図8は図5(B)のVIII部拡大図である。
【0021】
図1又は図2のように、このカードコネクタの筐体1は、上面が開放された合成樹脂成形体でなるボディ2とこのボディ2に装着されてその上面開放部を覆う板金製のカバー3とでなり、カバー3の上板部31とボディ2の底板部21とによりカードスロットが形成されて、カード100がこのカードスロットに対して挿抜されるようになっている。そして、カードスロットに挿入されたカード100が図2に示したカードセット位置に達すると、そのカード100に備わっているカード側電極(不図示)が、ボディ2のヘッド部22に取り付けられている複数のコンタクトにCに弾接して電気的接続が行われる。
【0022】
図2のように、筐体1の内部には、上記カードスロットの側部に位置する前後移動自在な細長いスライダ4が配備されていて、このスライダ4がコイルばねでなるばね体41によって初期位置に向けて常時弾発付勢されている。ここで、スライダ4の初期位置は、スライダ4が後述するレバー6の先端部であるスライダ受部61に突き当たることによって規制され、また、スライダ4の押込み位置は後述するスライダロック手段によって規制される。
【0023】
図3のように、スライダ4は、前端部に具備されてカード100(図2又は図3参照)の片側コーナ部110が突き当たるカード受部42と、後端部に具備された入隅部43の立上り面によって形成された段付状の係合面44とを有していると共に、その入隅部43につながる溝部45を備え、その溝部45の端面が後述するレバー6(図3には仮想線で示してある)に対する突当り面46として形成されている。また、スライダ4には、係合体5を内外方向に変位可能に収容する凹入部47が備わっていて、この凹入部47に収容保持された係合体5が内外方向に変位することによってその係合体5の突出部51がカードスロットに対して出退するようになっている。
【0024】
図5〜図8に示したように、上記筐体1の内部のスライダ配備箇所には、係合体逃がし空間23と、この係合体逃がし空間23よりも前側に位置する係合体支持面24と、この係合体支持面24から斜め外向きに後方へ延び出たガイド面25とが設けられている。ここで、係合体支持面24とガイド面25とは、ボディ2の底板部21に設けられたリブ状の隆起部26の表面によって形成されているのに対し、係合体逃がし空間23は、その隆起部26の前側に確保された空間によって形成されている。これに対し、図3に示したように、上記スライダ4には上記隆起部26を収容する凹所48が形成されていて、スライダ4は、その凹所48に隆起部26を収容した状態で前後に移動することができるように筐体1の内部に配備されている。
【0025】
また、図2又は図3のように、ボディ2の前端部片側に形成された孔部27にレバー6が押引き自在に挿入されていて、そのレバー6がスライダ4の突当り面46に対峙している。そして、図2(B)のようにレバー6の先端部によって形成されたスライダ受部61にスライダ4の突当り面46が突き当たることによってスライダ4の初期位置が規制されるようになっている。なお、レバー6には操作部62と抜止め用のストッパ63とが備わっている。
【0026】
次に、図1(A)のようにカバー3の上板部31に、その一部を内向きに切り起こして形成してばね性を有する前向き片持ち状の突出片32aが備わっており、その突出片32の先端部32aが、図4のようにスライダ4の係合面44に対峙している。そして、図4(A)のように突出片32の先端部32aにスライダ4の係合面44が係合することによってスライダ4の押込み位置が規制されるようになっている。
【0027】
また、カバー3には、上板部31の左右両側の端縁に曲成された側板部33,34が備わっていて、これらの側板部33,34がボディ2側の係止爪28に係止されることによってカバー3がボディ2に結合されている(図1(A)(B)参照)。そして、図5〜図8のように、片側の側板部33には、ばね片35が切起し形成されていて、そのばね片35の山形状の先端部36が上記係合体逃がし空間23内に位置している。このため、その係合体逃がし空間23に係合体5が位置しているときには、その係合体5が、ばね片35の先端部36によって左右方向内側に向けて弾発付勢される。
【0028】
図6〜図8に示したように、スライダ4の凹入部47に収容保持されている係合体5は、その突出部51の前面52が係合体5の矩形の基部53から直角に突き出ているのに対し、突出部51の後面54は傾斜面になっている。また、基部53は上記凹入部47内に遊び空間Sを保って収容されていて、その遊び空間Sの広さに見合うだけ前後に傾動することができるようになっている。
【0029】
以上説明したカードコネクタは、カード100をスライダ4に連結することによってカード100をこのスライダ4に保持させるカードロック手段Aと、スライダ4を押込み位置で筐体1に連結することによってこのスライダ4を筐体1に保持させるスライダロック手段Bと、このスライダロック手段Bによって筐体に保持されたスライダ4のロック状態を解除するロック解除手段Cとを有している。そして、カードロック手段Aが、係合体5と、係合体逃がし空間47と、係合体支持面24と、ガイド面25と、ばね片35でなる係合体付勢手段とを有している。また、スライダロック手段Bが、スライダ4に備わっている係合面44と、突出片32でなる係合部材とを有している。さらに、ロック解除手段Cがレバー6を有している。
【0030】
以上説明したカードコネクタにおいて、図2(B)に示したスライダ4の初期位置と押込み位置との間での移動ストロークS1は、レバーの押込み操作による最大押込みストロークS2よりも長くなっている(S1>S2)。
【0031】
次に作用を説明する。
【0032】
カードスロットに対するカード未挿入状態では、ばね体41の付勢によってスライダ4の後方へ向けて弾発付勢されているので、そのスライダ4の突当り面46がレバー6の先端部であるスライダ受部61に突き当たり、レバー6のストッパ63が筐体1側の孔部27に押し付けられている。この状態でスライダ4が初期位置に規制されている。
【0033】
スライダ4が初期位置に位置しているときに、カードスロットにカード100が正規姿勢で挿入されると、カード100の片側コーナ部110が、係合体逃がし空間S内でばね片35によって付勢されている係合体5の突出部51に乗上がった後、スライダ4の係止部42に当たる。このときには、ばね片35の付勢によって、係合体5の突出部51が、カード100の幅方向一端部側に備わっている凹入状の係合部120に嵌合する。これにより、カード100が係合体5を介しスライダ4に連結されてカード100がスライダ4に対してハーフロックされる。このようなロック状態では、図7に示したようにカード100を引抜き方向(矢印F)に引張ると、ばね片35の付勢に抗して、係合部120が係合体5を凹入部47内で傾動させながら後退させる。そのため、カード100が係合体5を乗り越えてカードスロットから排出される。
【0034】
カード100が初期位置のスライダ4にハーフロックされた状態からさらにカード100を押し込むと、スライダ4がカード100に押されて図4(A)に示した押込み位置に向けて移動する。そして、スライダ4が押込み位置に到達すると、同図のように突出片32の先端部32aがその突出片32の弾性によってスライダ4の入隅部43に入り込んで係合面44との対向位置に変位する。このため、カード100の押込みを止めると、ばね体41の付勢力によってスライダ4の係合面44が突出片32の先端部32aに係合してスライダ4が押込み位置で筐体1に対してロックされる。
【0035】
ここで、入隅部43の深さ、すなわち係合面44の高さを、冒頭で説明した特許文献1に見られるカムピンとカム溝の段付面との掛り幅よりも長くすることが可能であり、そのように係合面44の高さを長くしても、当該カードコネクタが従来例のものに比べて厚肉にせざるを得なくなるという事態は生じない。具体的には、係合面44の高さを0.7〜1mmに定めることが可能であり、この高さは従来例のカムピンとカム溝の段付面との掛り幅である0.2〜0.3mmに比べて3倍以上になる。したがって、図4(A)のように、係合面44が突出片32の先端部32aに係合してスライダ4が押込み位置で筐体1に対してロックされている状態では、振動や落下衝撃によっても突出片32の先端部32aが係合面44から外れにくく、スライダ4のロック状態が振動や落下衝撃によって不慮に解除されるという事態が抑制される。
【0036】
上記のように、スライダ4が押込み位置でロックされているときには、カード100が図2(A)のようにカードセット位置に位置し、カード100の電極がコンタクトC(図2(B)参照)に弾接して両者が電気的接続される。
【0037】
また、スライダ4が初期位置から押込み位置まで押し込まれるときには、スライダ4の凹入部47に収容保持されている係合体5がガイド面25を摺動して図5又は図6のように係合体支持面24に乗り上がり、カード100がカードセット位置に位置したときには、係合体支持面24に係合体5が重なり合ってその係合体5の後退が係合体支持面24によって阻止された状態になる。このため、カードセット位置でカード100に引抜き方向の力が加えられても、係合体5の突出部51がカード100の係合部120から抜け出るという事態が起こらない。したがって、カードセット位置からのカード100の無理抜きが防止されるだけでなく、カード100がカードセット位置に位置しているときに落下衝撃などが加わっても、カード100がスライダ4から離脱して排出されてしまうという事態が起こらない。
【0038】
スライダ4が押込み位置でロックされているときに、レバー6を押し込むと、レバー6が図4(B)のように突出片32の下側に進入してその突出片32の先端部32aをすくい上げるので、その先端部32aがスライダ4の係合面44から外れる。これに伴い、ばね体41(図2参照)で付勢されているスライダ4が瞬時に後退するけれども、レバー6が突出片32の先端部32aをすくい上げた時点では、そのレバー6に対する押込み操作力が持続しているので、上記のように瞬時後退したスライダ4の突き当たり面46が図4(C)のようにレバー6のスライダ受部61に突き当たってスライダ4の後退が停止する。そして、その間のスライダ4の後退量は短いので、スライダ4の突き当たり面46がレバー6のスライダ受部61に突き当たったときの衝撃はそれほど大きくはならない。したがって、スライダ4の突き当たり面46がレバー6のスライダ受部61に突き当たったときに、係合体5が係合体逃がし空間47に到達したとしても、その係合体5によるカード100のハーフロック状態が解除されるという事態が起こるおそれはない。したがって、その後、レバー6の押込み操作力を解放してスライダ4がばね体41の付勢力で初期位置に復帰しても、その復帰の衝撃が緩和されてカード100がカードスロットから外に飛び出すという事態が起こらない。
【0039】
スライダ4が初期位置に復帰した後、カード100に引抜き力を加えると、図7を参照して既述したようにカード100に対するハーフロック状態が解除され、カード100が図8のように係合体5に乗り上がって排出される。
【0040】
以上説明した実施形態では、係合体5の突出部51の前面52を係合体5の矩形の基部53から直角に突き出しているため、基部53をスライダ4の凹入部47内に遊び空間Sを保って収容し、それによって、カード引抜き時に係合体5が傾動するようにしておく必要がある。しかし、この点は、係合体の突出部の前面を傾斜面として形成しておけば、カード引抜き時に係合体を傾動させる必要はない。この事例を図9及び図10に示してある。
【0041】
すなわち、図9はスライダ4が押込み位置でロックされている状態での要部の概略横断平面図、図10はスライダ4が初期位置に位置している状態でのカード100の排出動作を示した要部の概略横断平面図である。
【0042】
図9及び図10のように、この実施形態では、係合体5の突出部51が山形に形成されていて、その前面52が傾斜面になっている。また、係合体5の基部53は、スライダ4の凹入部47の前後の壁面47a,47bに摺動可能に接触している。このものによると、図9のように係合体5が係合体支持面24に乗り上がってその突出部51がカード100の凹入状の係合部120に突出している状態では、カード100に無理抜きや衝撃などによって引抜き方向の力が加わっても、係合体支持面24が係合体5の後退を阻止するので、カード100が無理抜きされたり、衝撃によって不慮に排出されたりすることはない。また、図10のように、スライダ4が初期位置に復帰して係合体逃がし空間23に係合体5が位置しているときにカード100に引抜き方向の力が加えられると、突出部51をばね片35の付勢に抗して後退させながらその前面52をカード100の係合部120が滑ってカード100が係合体5に乗り上がるという動作を通じてカード100が引き抜かれる。
【0043】
図9及び図10において、その他の構成は図6及び図8に示したところと同様であるので、同一又は相応する部分に同一符号を付すことによって説明が重複することを回避する。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るカードコネクタによると、カードセット位置では、カードの凹入状の係合部に突出している係合体の後退が筐体側の係合体支持面によって阻止される構造になっているので、カードセット位置に挿入されているカードの無理抜きや衝撃によってカードが不慮に排出されてしまうという事態が容易に起こらない。また、スライダのロック状態を維持するための突出片の先端部とスライダの係合面との掛り幅を、当該カードコネクタを厚肉化することなく従来のカムピンとカム溝の段付面との係合幅よりも大きくすることが可能であるので、振動や衝撃、さらには無理抜きによってスライダのロック状態が解除されるという事態が起こりにくくなり、それだけカードコネクタの接続信頼性が向上する。さらに、スライダのロック解除操作を行ったときには、スライダが初期位置に復帰するときの衝撃が緩和されるため、カードセット位置からのカードの排出を、筐体に対するスライダのロック状態を解除することによって行うという方式を採用しているにもかかわらず、ロック解除操作に伴ってカードが筐体の外に飛び出してしまうという状況が生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係るカードコネクタの実施形態を示した全体平面図、(B)は(A)のIB矢視図である。
【図2】(A)はスライダがロックされている状態をカバーを省略して示した概略平面図、(B)はイジェクト操作直後の状態をカバーを省略して示した概略平面図である。
【図3】スライダと係合体とを示した概略斜視図である。
【図4】(A)はスライダがロックされている状態を示した概略縦断側面図、(B)はスライダのロックを解除した直後の状態を示した概略縦断側面図、(C)はレバーのスライダ受部がスライダを受け止めた状態を示した概略縦断側面図である。
【図5】(A)はカードセット位置でのスライダに対するカードのロック状態を示した要部の概略横断平面図、(B)はカード挿入初期の状態を示した要部の概略横断平面図である。
【図6】図5(A)のVI部拡大図である。
【図7】カード引抜き時の状態を示した要部の概略横断平面図である。
【図8】図5(B)のVIII部拡大図である。
【図9】他の実施形態においてスライダが押込み位置でロックされている状態での要部の概略横断平面図である。
【図10】他の実施形態においてスライダが初期位置に位置している状態でのカードの排出動作を示した要部の概略横断平面図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 ボディ
3 カバー
4 スライダ
5 係合体
6 レバー
23 係合体逃がし空間
24 係合体支持面
25 ガイド面
31 カバーの上板部
32 突出片(係合部材)
32a 突出片の先端部
33 カバーの側板部
35 ばね片(係合体付勢手段)
44 係合面
52 突出部の傾斜した前面(係合体退避手段)
61 スライダ受部
100 カード
120 係合部
A カードロック手段
B スライダロック手段
C ロック解除手段
S 遊び空間(係合体退避手段)
S1 スライダの初期位置と押込み位置との間での移動ストローク
S2 レバーの押込み操作による最大押込みストローク
【発明の属する技術分野】
本発明は、カードコネクタ、特に、筐体のカードスロットに挿入されたカードによって押し込まれたスライダが、カードセット位置に対応する位置で筐体に保持されてロックされると共に、上記カードスロットに挿入されたカードもスライダに保持されてロックされるようになっていて、筐体に対するスライダのロック状態がイジェクト操作(カード排出操作)によって解除され、かつ、スライダに対するカードのロック状態がカードの引抜き操作によって解除されるようになっているカードコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に従来のカードコネクタが開示されている。このカードコネクタでは、スライダを筐体に保持させるためのスライダロック手段が、細い線材を折り曲げて形成したカムピンとこのカムピンを案内するカム溝とを有し、カムピンがスライダに保持され、カム溝が筐体側に設けられている。そして、スライダを初期位置に向けて常時弾発付勢している付勢力を利用して、カムピンを、カム溝に具備させた段付面に係止させることによって筐体に対するスライダのロック状態が得られるようになっていると共に、その段付面からカムピンが不慮に外れてロック解除されてしまうことを防ぐためにカムピンを板ばねで押し付けるという構成が採用されている。また、スライダロック手段によるロック状態を解除するときには、カードを押し込んでスライダを移動させることにより、カム溝の段付面からカムピンを逃がすという操作を通じて行っている。一方、カードをスライダに連結するためのカードロック手段は、スライダに取り付けた板ばねの山形部を、その板ばねの弾性を利用してカードの幅方向一端部に備わっている凹入状の係合部に嵌合させることにより行っていて、このカードロック手段によるロック状態はいわゆるハーフロック状態であって、カードに大きな引抜き力を加えることによって板ばねの山形部を乗り越えさせてカードを引き抜くことができるようなロック状態である。
【0003】
【特許文献1】
特許第3248068号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカードコネクタでは、人為的なカードの無理抜きにより筐体に対するスライダのロック状態が不慮に解除されてしまい、カード側電極と筐体側コンコクトとの電気的接続が不慮に遮断されて機器側の電子電気機器に悪影響が及んだりするという問題があった。
【0005】
また、カムピンと段付面との掛り幅が小さい状態でスライダが筐体にロックされているときもあり、そのような場合には比較的小さな衝撃や振動、あるいは人為的なカードの無理抜きによりスライダのロック状態が不慮に解除されてしまうという事態の起こるおそれがあった。さらに、近時の小形化薄形化に対応した小形カードコネクタでは、スライダロック手段のカムピンとカム溝の段付面との掛り幅を0.2〜0.3mmというきわめて短い寸法に定めることを余儀なくされているため、板ばねでカムピンを押し付けているとしても、カードコネクタあるいはそのカードコネクタを取り付けた機器が落下衝撃を受けた場合などに、その衝撃によって段付面からカムピンが外れてロック解除されてしまうおそれがあった。そして、筐体に対するスライダのロック状態が不慮に解除されたりすると、初期位置に向けて常時弾発付勢されているスライダが初期位置まで勢いよく後退し、その影響でカードが筐体から不慮に飛び出してしまい、カード側電極と筐体側コンコクトとの電気的接続が不慮に遮断されてしまって機器側の電子電気機器に悪影響が及んだり、カードが筐体から飛び出して傷ついたりするという問題があった。
【0006】
ところで、カードはカードロック手段によってスライダにロックされているけれども、カードとスライダとのロック状態は上記したようなハーフロック状態であるため、上記のような落下衝撃などに伴ってスライダが初期位置まで勢いよく後退したような場合には、そのときの慣性などによってカードに大きな引抜き方向の力が作用してハーフロック状態が解除され、カードが筐体の外に飛び出してしまうという可能性がある。
【0007】
本発明は以上の状況や問題に鑑みてなされたものであり、カードセット位置に挿入されているカードに引抜き方向の大きな力が加わっても、そのような力によってカードが容易に引き抜かれないようになるカードコネクタを提供することを目的とする。
【0008】
また、カードセット位置からのカードの排出を、筐体に対するスライダのロック状態を解除することによって行うという方式を採用しているカードコネクタにおいて、落下衝撃や振動などによって筐体に対するスライダのロック状態が不慮に解除されてしまうという状況を生じにくいカードコネクタを提供することを目的とする。
【0009】
さらに、スライダと筐体とのロック状態を解除する操作を人為的に行った場合において、そのロック解除操作に伴ってカードが筐体の外に飛び出してしまうという状況が生じにくいカードコネクタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカードコネクタは、カードスロットを形成する筐体の内部に、そのカードスロットに挿入されたカードに押されて初期位置からカードセット位置に対応する押込み位置まで移動しかつ初期位置に向けて常時弾発付勢されたスライダが配備されていると共に、カードを上記スライダに連結することによってカードをこのスライダに保持させるカードロック手段と、上記スライダを上記押込み位置で上記筐体に連結することによってこのスライダを上記筐体に保持させるスライダロック手段と、このスライダロック手段によって筐体に保持された上記スライダのロック状態を解除するロック解除手段と、を有する。
【0011】
そして、上記カードロック手段が、上記スライダに保持されて上記カードに具備された凹入状の係合部に対して出退自在な係合体と、上記筐体に具備されて上記スライダの押込み位置よりも手前側位置でカードの上記係合部に対する上記係合体の出退動作を許容する係合体逃がし空間と、上記筐体に具備されて上記スライダの押込み位置でカードの上記係合部に嵌合した上記係合体に重なり合うことによりその係合部からの上記係合体の後退を阻止する係合体支持面と、上記筐体に具備されて上記スライダが初期位置から押込み位置に向けて移動する途中で上記係合体を上記係合体逃がし空間から上記係合体支持面との重なり箇所へ案内するガイド面と、上記係合体逃がし空間に位置する上記係合体を上記スライダの初期位置でそのスライダに重なり合ったカードの上記係合部に突出させかつカードを引抜き方向に移動させる動作によってカードの上記係合部から上記係合体が後退することを許容する係合体付勢手段と、を有している。さらに、上記スライダロック手段が、上記スライダに具備された係合面と、上記筐体に具備されて押込み位置に移動したスライダの上記係合面に係合してそのスライダの初期位置側への移動を阻止する係合部材とを有している。
【0012】
この構成を備えているカードコネクタによれば、スライダがカードに押されて押込み位置まで移動したときには、スライダの係合面に係合部材が係合してスライダの初期位置側への移動を阻止する。しかも、カードによってスライダが初期位置から押込み位置まで押し込まれるのに伴って、係合体付勢手段の作用によってカードの係合部に突出している係合体が係合体逃がし空間からガイド面を経て係合体支持面との重なり箇所へ移動し、係合体支持面との重なり箇所では、係合体が、カードセット位置まで挿入されているカードの凹入状の係合部に突出する。このため、カードセット位置では、スライダの初期位置側への移動が係合部材によって阻止され、併せて、カードに引抜き力が加わっても、係合体が、カードの係合部から後退せずにカードをスライダに連結して保持するという作用を発揮するので、カードがカードセット位置から無理抜きされるという事態が起こらない。
【0013】
また、筐体に対するスライダのロック状態をロック解除手段によって解除すると、スライダが弾発付勢力により初期位置側に向けて移動し、係合体が係合体支持面との重なり箇所から離れて係合体逃がし空間に移動し、係合体がカードの係合部から後退することができる状態になる。しかも、スライダの初期位置では、係合体付勢手段が、カードを引抜き方向に移動させる動作によってカードの上記係合部から上記係合体が後退することを許容するので、スライダが初期位置に位置しているときには、カードに引抜き力を加えて係合体をカードの係合部から後退させることによりカードを引き抜くことができるようになる。
【0014】
本発明では、上記筐体が、合成樹脂成形体でなる上面開放のボディとこのボディに装着されてその上面開放部を覆う上板部を備えた板金製のカバーとでなり、このカバーの上記上板部の一部を内向きに切起して形成したばね性を有する片持ち状の突出片によって上記係合部材が形成されていると共に、その突出片の先端部がその突出片のばね性によって押込み位置に移動したスライダの上記係合面との対向位置に変位するようになっていることが望ましい。これによれば、別部品で係合部材を構成する必要がないので組立工数を減らして価格を安く抑えることが可能であり、しかも、スライダの移動と係合部材の動作とを連携させる機構を設ける必要がないという利点もある。
【0015】
本発明では、上記ロック解除手段が、上記筐体に押引き自在に取り付けられかつ押込み操作によって上記係合面との対向位置に変位している上記突出片の先端部を上記係合面からの退避箇所に変位させて上記スライダをロック解除するレバーでなる、という構成を採用することが望ましく、これによれば、レバーの押込み操作でカードを排出すくことが可能になる。
【0016】
本発明では、上記スライダの初期位置と押込み位置との間での移動ストロークが、上記レバーの押込み操作による最大押込みストロークよりも長くなっていることが望ましい。これによれば、たとえば当該カードコネクタが落下した衝撃によってレバーが押し込まれた場合でも、そのレバーによってスライダのロック状態が解除されてしまうという事態が起こらないので、落下衝撃の影響によるレバーの作用・反作用の法則によってスライダのロック状態が解除されるという誤作動が起こらなくなる。
【0017】
本発明では、上記レバーに、初期位置に向けて常時弾発付勢された上記スライダがロック解除されて初期位置側へ移動したときにそのスライダに突き当たってそのスライダを初期位置に達する前に停止させるスライダ受部が備わっていることが望ましい。これによれば、レバーを押し込んでスライダのロック状態を解除するのと同時に初期位置側に向けて瞬時に移動するスライダが、初期位置に達する前にレバーのスライダ受部によって受け止められ、その後、レバーを押しながら初期位置に達するようになる。このため、スライダが初期位置に復帰するときの衝撃が緩和され、そのことがカードの飛出しを防ぐことに役立つ。
【0018】
本発明では、上記カバーにその上板部の端縁に曲成された側板部が具備され、その側板部に、上記係合体逃がし空間に位置する上記係合体を、上記スライダに重なり合って幅方向一端部側に上記係合部を備える上記カードの幅方向一端部側に向けて常時弾発付勢するばね片が切起し形成され、このばね片によって上記係合体付勢手段が形成されていることが望ましい。これによれば、別部品で係合体付勢手段を構成する必要がないので組立工数を減らして価格を安く抑えることが可能である。
【0019】
本発明では、上記係合体逃がし空間内で上記係合体が上記ばね片により弾発付勢されて上記カードの係合部に対し突出しているときに、カードに加えられた引抜き力によって上記係合体をカードの係合部から後退させる係合体退避手段を備えていることが望ましい。これによれば、スライダが初期位置に位置している状態でのカードの引抜きを円滑を行うことができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1(A)は本発明に係るカードコネクタの実施形態を示した全体平面図、同(B)は(A)のIB矢視図、図2(A)はスライダ4がロックされている状態をカバー3を省略して示した概略平面図、同(B)はイジェクト操作直後の状態をカバー3を省略して示した概略平面図、図3はスライダ4と係合体5とを示した概略斜視図、図4(A)はスライダ4がロックされている状態を示した概略縦断側面図、同(B)はスライダ4のロックを解除した直後の状態を示した概略縦断側面図、同(C)はレバー6のスライダ受部61がスライダを受け止めた状態を示した概略縦断側面図、図5(A)はカードセット位置でのスライダ4に対するカードのロック状態を示した要部の概略横断平面図、同(B)はカード挿入初期の状態を示した要部の概略横断平面図、図6は図5(A)のVI部拡大図、図7はカード引抜き時の状態を示した要部の概略横断平面図、図8は図5(B)のVIII部拡大図である。
【0021】
図1又は図2のように、このカードコネクタの筐体1は、上面が開放された合成樹脂成形体でなるボディ2とこのボディ2に装着されてその上面開放部を覆う板金製のカバー3とでなり、カバー3の上板部31とボディ2の底板部21とによりカードスロットが形成されて、カード100がこのカードスロットに対して挿抜されるようになっている。そして、カードスロットに挿入されたカード100が図2に示したカードセット位置に達すると、そのカード100に備わっているカード側電極(不図示)が、ボディ2のヘッド部22に取り付けられている複数のコンタクトにCに弾接して電気的接続が行われる。
【0022】
図2のように、筐体1の内部には、上記カードスロットの側部に位置する前後移動自在な細長いスライダ4が配備されていて、このスライダ4がコイルばねでなるばね体41によって初期位置に向けて常時弾発付勢されている。ここで、スライダ4の初期位置は、スライダ4が後述するレバー6の先端部であるスライダ受部61に突き当たることによって規制され、また、スライダ4の押込み位置は後述するスライダロック手段によって規制される。
【0023】
図3のように、スライダ4は、前端部に具備されてカード100(図2又は図3参照)の片側コーナ部110が突き当たるカード受部42と、後端部に具備された入隅部43の立上り面によって形成された段付状の係合面44とを有していると共に、その入隅部43につながる溝部45を備え、その溝部45の端面が後述するレバー6(図3には仮想線で示してある)に対する突当り面46として形成されている。また、スライダ4には、係合体5を内外方向に変位可能に収容する凹入部47が備わっていて、この凹入部47に収容保持された係合体5が内外方向に変位することによってその係合体5の突出部51がカードスロットに対して出退するようになっている。
【0024】
図5〜図8に示したように、上記筐体1の内部のスライダ配備箇所には、係合体逃がし空間23と、この係合体逃がし空間23よりも前側に位置する係合体支持面24と、この係合体支持面24から斜め外向きに後方へ延び出たガイド面25とが設けられている。ここで、係合体支持面24とガイド面25とは、ボディ2の底板部21に設けられたリブ状の隆起部26の表面によって形成されているのに対し、係合体逃がし空間23は、その隆起部26の前側に確保された空間によって形成されている。これに対し、図3に示したように、上記スライダ4には上記隆起部26を収容する凹所48が形成されていて、スライダ4は、その凹所48に隆起部26を収容した状態で前後に移動することができるように筐体1の内部に配備されている。
【0025】
また、図2又は図3のように、ボディ2の前端部片側に形成された孔部27にレバー6が押引き自在に挿入されていて、そのレバー6がスライダ4の突当り面46に対峙している。そして、図2(B)のようにレバー6の先端部によって形成されたスライダ受部61にスライダ4の突当り面46が突き当たることによってスライダ4の初期位置が規制されるようになっている。なお、レバー6には操作部62と抜止め用のストッパ63とが備わっている。
【0026】
次に、図1(A)のようにカバー3の上板部31に、その一部を内向きに切り起こして形成してばね性を有する前向き片持ち状の突出片32aが備わっており、その突出片32の先端部32aが、図4のようにスライダ4の係合面44に対峙している。そして、図4(A)のように突出片32の先端部32aにスライダ4の係合面44が係合することによってスライダ4の押込み位置が規制されるようになっている。
【0027】
また、カバー3には、上板部31の左右両側の端縁に曲成された側板部33,34が備わっていて、これらの側板部33,34がボディ2側の係止爪28に係止されることによってカバー3がボディ2に結合されている(図1(A)(B)参照)。そして、図5〜図8のように、片側の側板部33には、ばね片35が切起し形成されていて、そのばね片35の山形状の先端部36が上記係合体逃がし空間23内に位置している。このため、その係合体逃がし空間23に係合体5が位置しているときには、その係合体5が、ばね片35の先端部36によって左右方向内側に向けて弾発付勢される。
【0028】
図6〜図8に示したように、スライダ4の凹入部47に収容保持されている係合体5は、その突出部51の前面52が係合体5の矩形の基部53から直角に突き出ているのに対し、突出部51の後面54は傾斜面になっている。また、基部53は上記凹入部47内に遊び空間Sを保って収容されていて、その遊び空間Sの広さに見合うだけ前後に傾動することができるようになっている。
【0029】
以上説明したカードコネクタは、カード100をスライダ4に連結することによってカード100をこのスライダ4に保持させるカードロック手段Aと、スライダ4を押込み位置で筐体1に連結することによってこのスライダ4を筐体1に保持させるスライダロック手段Bと、このスライダロック手段Bによって筐体に保持されたスライダ4のロック状態を解除するロック解除手段Cとを有している。そして、カードロック手段Aが、係合体5と、係合体逃がし空間47と、係合体支持面24と、ガイド面25と、ばね片35でなる係合体付勢手段とを有している。また、スライダロック手段Bが、スライダ4に備わっている係合面44と、突出片32でなる係合部材とを有している。さらに、ロック解除手段Cがレバー6を有している。
【0030】
以上説明したカードコネクタにおいて、図2(B)に示したスライダ4の初期位置と押込み位置との間での移動ストロークS1は、レバーの押込み操作による最大押込みストロークS2よりも長くなっている(S1>S2)。
【0031】
次に作用を説明する。
【0032】
カードスロットに対するカード未挿入状態では、ばね体41の付勢によってスライダ4の後方へ向けて弾発付勢されているので、そのスライダ4の突当り面46がレバー6の先端部であるスライダ受部61に突き当たり、レバー6のストッパ63が筐体1側の孔部27に押し付けられている。この状態でスライダ4が初期位置に規制されている。
【0033】
スライダ4が初期位置に位置しているときに、カードスロットにカード100が正規姿勢で挿入されると、カード100の片側コーナ部110が、係合体逃がし空間S内でばね片35によって付勢されている係合体5の突出部51に乗上がった後、スライダ4の係止部42に当たる。このときには、ばね片35の付勢によって、係合体5の突出部51が、カード100の幅方向一端部側に備わっている凹入状の係合部120に嵌合する。これにより、カード100が係合体5を介しスライダ4に連結されてカード100がスライダ4に対してハーフロックされる。このようなロック状態では、図7に示したようにカード100を引抜き方向(矢印F)に引張ると、ばね片35の付勢に抗して、係合部120が係合体5を凹入部47内で傾動させながら後退させる。そのため、カード100が係合体5を乗り越えてカードスロットから排出される。
【0034】
カード100が初期位置のスライダ4にハーフロックされた状態からさらにカード100を押し込むと、スライダ4がカード100に押されて図4(A)に示した押込み位置に向けて移動する。そして、スライダ4が押込み位置に到達すると、同図のように突出片32の先端部32aがその突出片32の弾性によってスライダ4の入隅部43に入り込んで係合面44との対向位置に変位する。このため、カード100の押込みを止めると、ばね体41の付勢力によってスライダ4の係合面44が突出片32の先端部32aに係合してスライダ4が押込み位置で筐体1に対してロックされる。
【0035】
ここで、入隅部43の深さ、すなわち係合面44の高さを、冒頭で説明した特許文献1に見られるカムピンとカム溝の段付面との掛り幅よりも長くすることが可能であり、そのように係合面44の高さを長くしても、当該カードコネクタが従来例のものに比べて厚肉にせざるを得なくなるという事態は生じない。具体的には、係合面44の高さを0.7〜1mmに定めることが可能であり、この高さは従来例のカムピンとカム溝の段付面との掛り幅である0.2〜0.3mmに比べて3倍以上になる。したがって、図4(A)のように、係合面44が突出片32の先端部32aに係合してスライダ4が押込み位置で筐体1に対してロックされている状態では、振動や落下衝撃によっても突出片32の先端部32aが係合面44から外れにくく、スライダ4のロック状態が振動や落下衝撃によって不慮に解除されるという事態が抑制される。
【0036】
上記のように、スライダ4が押込み位置でロックされているときには、カード100が図2(A)のようにカードセット位置に位置し、カード100の電極がコンタクトC(図2(B)参照)に弾接して両者が電気的接続される。
【0037】
また、スライダ4が初期位置から押込み位置まで押し込まれるときには、スライダ4の凹入部47に収容保持されている係合体5がガイド面25を摺動して図5又は図6のように係合体支持面24に乗り上がり、カード100がカードセット位置に位置したときには、係合体支持面24に係合体5が重なり合ってその係合体5の後退が係合体支持面24によって阻止された状態になる。このため、カードセット位置でカード100に引抜き方向の力が加えられても、係合体5の突出部51がカード100の係合部120から抜け出るという事態が起こらない。したがって、カードセット位置からのカード100の無理抜きが防止されるだけでなく、カード100がカードセット位置に位置しているときに落下衝撃などが加わっても、カード100がスライダ4から離脱して排出されてしまうという事態が起こらない。
【0038】
スライダ4が押込み位置でロックされているときに、レバー6を押し込むと、レバー6が図4(B)のように突出片32の下側に進入してその突出片32の先端部32aをすくい上げるので、その先端部32aがスライダ4の係合面44から外れる。これに伴い、ばね体41(図2参照)で付勢されているスライダ4が瞬時に後退するけれども、レバー6が突出片32の先端部32aをすくい上げた時点では、そのレバー6に対する押込み操作力が持続しているので、上記のように瞬時後退したスライダ4の突き当たり面46が図4(C)のようにレバー6のスライダ受部61に突き当たってスライダ4の後退が停止する。そして、その間のスライダ4の後退量は短いので、スライダ4の突き当たり面46がレバー6のスライダ受部61に突き当たったときの衝撃はそれほど大きくはならない。したがって、スライダ4の突き当たり面46がレバー6のスライダ受部61に突き当たったときに、係合体5が係合体逃がし空間47に到達したとしても、その係合体5によるカード100のハーフロック状態が解除されるという事態が起こるおそれはない。したがって、その後、レバー6の押込み操作力を解放してスライダ4がばね体41の付勢力で初期位置に復帰しても、その復帰の衝撃が緩和されてカード100がカードスロットから外に飛び出すという事態が起こらない。
【0039】
スライダ4が初期位置に復帰した後、カード100に引抜き力を加えると、図7を参照して既述したようにカード100に対するハーフロック状態が解除され、カード100が図8のように係合体5に乗り上がって排出される。
【0040】
以上説明した実施形態では、係合体5の突出部51の前面52を係合体5の矩形の基部53から直角に突き出しているため、基部53をスライダ4の凹入部47内に遊び空間Sを保って収容し、それによって、カード引抜き時に係合体5が傾動するようにしておく必要がある。しかし、この点は、係合体の突出部の前面を傾斜面として形成しておけば、カード引抜き時に係合体を傾動させる必要はない。この事例を図9及び図10に示してある。
【0041】
すなわち、図9はスライダ4が押込み位置でロックされている状態での要部の概略横断平面図、図10はスライダ4が初期位置に位置している状態でのカード100の排出動作を示した要部の概略横断平面図である。
【0042】
図9及び図10のように、この実施形態では、係合体5の突出部51が山形に形成されていて、その前面52が傾斜面になっている。また、係合体5の基部53は、スライダ4の凹入部47の前後の壁面47a,47bに摺動可能に接触している。このものによると、図9のように係合体5が係合体支持面24に乗り上がってその突出部51がカード100の凹入状の係合部120に突出している状態では、カード100に無理抜きや衝撃などによって引抜き方向の力が加わっても、係合体支持面24が係合体5の後退を阻止するので、カード100が無理抜きされたり、衝撃によって不慮に排出されたりすることはない。また、図10のように、スライダ4が初期位置に復帰して係合体逃がし空間23に係合体5が位置しているときにカード100に引抜き方向の力が加えられると、突出部51をばね片35の付勢に抗して後退させながらその前面52をカード100の係合部120が滑ってカード100が係合体5に乗り上がるという動作を通じてカード100が引き抜かれる。
【0043】
図9及び図10において、その他の構成は図6及び図8に示したところと同様であるので、同一又は相応する部分に同一符号を付すことによって説明が重複することを回避する。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るカードコネクタによると、カードセット位置では、カードの凹入状の係合部に突出している係合体の後退が筐体側の係合体支持面によって阻止される構造になっているので、カードセット位置に挿入されているカードの無理抜きや衝撃によってカードが不慮に排出されてしまうという事態が容易に起こらない。また、スライダのロック状態を維持するための突出片の先端部とスライダの係合面との掛り幅を、当該カードコネクタを厚肉化することなく従来のカムピンとカム溝の段付面との係合幅よりも大きくすることが可能であるので、振動や衝撃、さらには無理抜きによってスライダのロック状態が解除されるという事態が起こりにくくなり、それだけカードコネクタの接続信頼性が向上する。さらに、スライダのロック解除操作を行ったときには、スライダが初期位置に復帰するときの衝撃が緩和されるため、カードセット位置からのカードの排出を、筐体に対するスライダのロック状態を解除することによって行うという方式を採用しているにもかかわらず、ロック解除操作に伴ってカードが筐体の外に飛び出してしまうという状況が生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係るカードコネクタの実施形態を示した全体平面図、(B)は(A)のIB矢視図である。
【図2】(A)はスライダがロックされている状態をカバーを省略して示した概略平面図、(B)はイジェクト操作直後の状態をカバーを省略して示した概略平面図である。
【図3】スライダと係合体とを示した概略斜視図である。
【図4】(A)はスライダがロックされている状態を示した概略縦断側面図、(B)はスライダのロックを解除した直後の状態を示した概略縦断側面図、(C)はレバーのスライダ受部がスライダを受け止めた状態を示した概略縦断側面図である。
【図5】(A)はカードセット位置でのスライダに対するカードのロック状態を示した要部の概略横断平面図、(B)はカード挿入初期の状態を示した要部の概略横断平面図である。
【図6】図5(A)のVI部拡大図である。
【図7】カード引抜き時の状態を示した要部の概略横断平面図である。
【図8】図5(B)のVIII部拡大図である。
【図9】他の実施形態においてスライダが押込み位置でロックされている状態での要部の概略横断平面図である。
【図10】他の実施形態においてスライダが初期位置に位置している状態でのカードの排出動作を示した要部の概略横断平面図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 ボディ
3 カバー
4 スライダ
5 係合体
6 レバー
23 係合体逃がし空間
24 係合体支持面
25 ガイド面
31 カバーの上板部
32 突出片(係合部材)
32a 突出片の先端部
33 カバーの側板部
35 ばね片(係合体付勢手段)
44 係合面
52 突出部の傾斜した前面(係合体退避手段)
61 スライダ受部
100 カード
120 係合部
A カードロック手段
B スライダロック手段
C ロック解除手段
S 遊び空間(係合体退避手段)
S1 スライダの初期位置と押込み位置との間での移動ストローク
S2 レバーの押込み操作による最大押込みストローク
Claims (7)
- カードスロットを形成する筐体の内部に、そのカードスロットに挿入されたカードに押されて初期位置からカードセット位置に対応する押込み位置まで移動しかつ初期位置に向けて常時弾発付勢されたスライダが配備されていると共に、カードを上記スライダに連結することによってカードをこのスライダに保持させるカードロック手段と、上記スライダを上記押込み位置で上記筐体に連結することによってこのスライダを上記筐体に保持させるスライダロック手段と、このスライダロック手段によって筐体に保持された上記スライダのロック状態を解除するロック解除手段と、を有するカードコネクタにおいて、
上記カードロック手段が、上記スライダに保持されて上記カードに具備された凹入状の係合部に対して出退自在な係合体と、上記筐体に具備されて上記スライダの押込み位置よりも手前側位置でカードの上記係合部に対する上記係合体の出退動作を許容する係合体逃がし空間と、上記筐体に具備されて上記スライダの押込み位置でカードの上記係合部に嵌合した上記係合体に重なり合うことによりその係合部からの上記係合体の後退を阻止する係合体支持面と、上記筐体に具備されて上記スライダが初期位置から押込み位置に向けて移動する途中で上記係合体を上記係合体逃がし空間から上記係合体支持面との重なり箇所へ案内するガイド面と、上記係合体逃がし空間に位置する上記係合体を上記スライダの初期位置でそのスライダに重なり合ったカードの上記係合部に突出させかつカードを引抜き方向に移動させる動作によってカードの上記係合部から上記係合体が後退することを許容する係合体付勢手段と、を有し、
上記スライダロック手段が、上記スライダに具備された係合面と、上記筐体に具備されて押込み位置に移動したスライダの上記係合面に係合してそのスライダの初期位置側への移動を阻止する係合部材とを有することを特徴とするカードコネクタ。 - 上記筐体が、合成樹脂成形体でなる上面開放のボディとこのボディに装着されてその上面開放部を覆う上板部を備えた板金製のカバーとでなり、このカバーの上記上板部の一部を内向きに切起して形成したばね性を有する片持ち状の突出片によって上記係合部材が形成されていると共に、その突出片の先端部がその突出片のばね性によって押込み位置に移動したスライダの上記係合面との対向位置に変位するようになっている請求項1に記載したカードコネクタ。
- 上記ロック解除手段が、上記筐体に押引き自在に取り付けられかつ押込み操作によって上記係合面との対向位置に変位している上記突出片の先端部を上記係合面からの退避箇所に変位させて上記スライダをロック解除するレバーでなる請求項2に記載したカードコネクタ。
- 上記スライダの初期位置と押込み位置との間での移動ストロークが、上記レバーの押込み操作による最大押込みストロークよりも長くなっている請求項3に記載したカードコネクタ。
- 上記レバーに、初期位置に向けて常時弾発付勢された上記スライダがロック解除されて初期位置側へ移動したときにそのスライダに突き当たってそのスライダを初期位置に達する前に停止させるスライダ受部が備わっている請求項4に記載したカードコネクタ。
- 上記カバーにその上板部の端縁に曲成された側板部が具備され、その側板部に、上記係合体逃がし空間に位置する上記係合体を、上記スライダに重なり合って幅方向一端部側に上記係合部を備える上記カードの幅方向一端部側に向けて常時弾発付勢するばね片が切起し形成され、このばね片によって上記係合体付勢手段が形成されている請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載したカードコネクタ。
- 上記係合体逃がし空間内で上記係合体が上記ばね片により弾発付勢されて上記カードの係合部に対し突出しているときに、カードに加えられた引抜き力によって上記係合体をカードの係合部から後退させる係合体退避手段を備えている請求項6に記載したカードコネクタ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002362243A patent/JP2004193054A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007287628A (ja) * | 2006-04-20 | 2007-11-01 | Yamaichi Electronics Co Ltd | カードコネクタ |
JP4755013B2 (ja) * | 2006-04-20 | 2011-08-24 | 山一電機株式会社 | カードコネクタ |
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