JP2004165092A - カードコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】プッシュ・プッシュ操作によってカードの着脱を行うカードコネクタにおいて、カード無理抜き時のスライダ復帰作用を確実に発揮させる。
【解決手段】ボディ1に保持させたスライダ2をカードセット位置に位置決めするカム機構4を有する。カム機構4が、溝形往路43と、溝形復路45と、溝形往路43の終点の凹窪状の係止部44と、係止部44と溝形復路45とを仕切る仕切り壁部47とを備える。仕切り壁部47にその頂部47aよりも低位置の背低部47bを段付状に形成する。係止部44に係合しているピン52を、背低部47bを乗り越えさせて溝形復路45に移行させる押圧片部64を係合体63に設ける。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カードコネクタ、特にカードのセット位置への挿入とセット位置からの排出とを、所謂プッシュ・プッシュ操作によって行うようになっているカードコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のカードコネクタが先行例1としての特許文献1に記載されており、このものを図16〜図18を参照して説明する。図16及び図17は上記公報に記載されているカードコネクタの要部を示した水平部分断面図、図18はカム溝形状を示した説明図である。
【0003】
カード100が挿抜されるボディ200にスライダ300が前後にスライド自在に保持されており、このスライダ300がばね310によって常時後方に向けて弾発付勢されている。スライダ300には、ボディ200に挿入されてきたカード100に係合する係合面320や、カード100の裏面側の凹入部112に嵌まり込む板片部321が設けられていて、カード100がボディ200に正規姿勢で挿入されてくると、図16のようにカード100が係合面320に係合し、ばね310の付勢に抗してスライダ300を前方(矢印F)へスライドさせる。
【0004】
スライダ300には、弾性を有する線材でなるピン部材350が片持ち状に取り付けられている。このピン部材350は、中間部に係合体330が凸形状に折曲げ形成され、かつ、先端にピン340が折曲げ形成されている。これに対し、ボディ200には上記ピン340を案内するカム溝360を備えたカム部370が一体に設けられ、また、カード100の幅方向片側の裏面側に凹所106が備わり、かつ、このカード100の前端コーナ部の裏面側に凹入部112が備わっている。そして、上記カム溝360と上記ピン部材330との組み合わせによってカム機構が形成されている。
【0005】
図18のように、カム溝360は、ピン340をカム部370の前方(図16の矢印F方向に一致する)へ案内する溝形往路361と、その溝形往路361の終点に位置してピン部材340を係止する係止部362と、その係止部362を起点としてピン部材340をカム部370の後方へ案内することにより溝形往路361の始点に導く溝形復路363とを有し、溝形往路361の終点近傍箇所、溝形復路363の始点近傍箇所、溝形復路363の溝形往路361に対する合流箇所には、ピン340の逆行きを防ぐ段差部364,365,366,367がそれぞれ備わっている。
【0006】
このカードコネクタにおいて、カード100が正規姿勢でボディ200に挿入されてきたときには、スライダ300が初期位置に停止したままの状態で、カード100の片側端面101が係合体330を押すので、ピン部材350が変位して係合体330が側方へ後退する。このときのピン部材350の変位動作は、ピン340が図18に示した溝形往路361の始点に位置している状態で行われる。
【0007】
そして、上記のようにしてカード100の片側端面101が係合体330を側方へ退避させた後、ピン部材350の復帰変形によって係合体330がカード100の凹所106に嵌合し、併せて、板片部321にカード100の凹入部112が嵌まってカード100が初期位置に位置しているスライダ300の係合面320に係合した後、カード100がスライダ300を初期位置からその前方Fへ押し込まれると、ピン340がカム溝360の溝形往路361を経て図16のように係止部362に係止される。この状態では、カード100の電極(不図示)がボディ200側の電極(不図示)に接続されている。
【0008】
先行例1に記載されているカードコネクタでは、ボディ200に正規姿勢でカード100が挿入されたときには、カード100の凹所106に係合体330が嵌合するので、カード100が後方へ無理やり強く引張られない限り、係合体330がカード100に係合することによってカード100のスライダ300からの単独後退が防止されるというハーフロック機能が発揮される。また、ピン340がカム溝360の係止部362に係止されている状態では、スライダ300の後退が阻止されるというフルロック機能が発揮される。
【0009】
ここで、フルロック機能によってスライダ300の後退が阻止されているときに、カード100が後方へ無理やり強く引張られると(無理抜きされると)、カード100の片側端面101が係合体330をその退避方向(側方)に押してピン部材350を変位させるので、ピン340が係止部362を離れて段差部366の外側へ押し出されるというフルロック解除機能が発揮される。そのため、ピン340が溝形復路363を経て溝形往路361の始点まで戻り、それに伴ってスライダ300が初期位置に復帰する。
【0010】
先行例2としての特許文献2、先行例3としての特許文献3には、セット位置まで押し込まれたカードをロックすることにより、そのカードが無理抜きされないようにする技術が開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−185286号公報
【特許文献2】
特開2002−270287号公報
【特許文献3】
特開2002−134224号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先行例1のカードコネクタにおいて、図18に見られるように、カム溝360の係止部362と溝形復路363とは仕切り壁部369によって仕切られている。そして、係止部362は溝形往路361の終点に凹窪状に形成されていて、ピン340との係合状態を安定させるためにその係止部362の深さを比較的深くしてある。このため、スライダ300がフルロックされてカード100がセット位置に位置決めされている状態からカード100が無理抜きされた場合、カード100の片側端面101が係合体330をその退避方向(側方)に押してピン部材350を変位させてピン340が係止部362を離れて段差部366の外側へ押し出すという状況が生じても、ピン340が仕切り壁部369を乗り越えて溝形復路363に移行しないこともある。すなわち、寸法誤差などによってカード100の幅方向両側に隙間が存在するような場合には、その隙間の大きさによっては、カード100の片側端面101による係合体330の押し幅が不足してピン340が仕切り壁部369を乗り越えて溝形復路363に移行しないといった事態や係止部362やピン340が破損するといった事態が起こり得る。そして、そのような事態が起こると、カード100だけが無理抜きされた後もピン340が係止部362に係合したままになり、スライダー300が初期位置に復帰しなくなり、次回のカード挿入に支障をきたすといった状況が起こり得る。
【0013】
本発明は以上の状況の下でなされたものである。すなわち、本発明は、カム溝の係止部の深さを深くしてその係止部とピンとの係合状態の安定性を十分に確保することができるものでありながら、カードがセット位置から無理抜きされたときに係止部に係合しているピンがカム溝の係止部から溝形復路に移行しやすいような対策を講じることによって、カードが無理抜きされたときにはスライダも復帰位置まで確実に復帰するようになり、しかも、カード無理抜きに伴う係止部やピンの破損が未然に防止されるようになるカードコネクタを提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、セット位置に位置決めされているカードに弾くような操作が行われた場合に、カードがスライダと共に弾発的に後退してボディから飛び出してしまうという事態を確実に防ぐことのできるカードコネクタを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカードコネクタは、ボディに挿入されるカードにより初期位置から押込位置に向けて前方へ押し込まれるスライダが、初期位置に向けて弾発付勢された状態で前後にスライド自在にボディに保持されていると共に、そのスライダをカードセット位置に位置決めするカム機構を有する。そして、このカム機構が、溝形往路とその溝形往路の終点を起点として溝形往路の始点に達する溝形復路と、上記溝形往路の終点に具備された凹窪状の係止部と、その係止部と上記溝形復路とを仕切る仕切り壁部とを備えるカム溝に、上記係止部に係合することによって上記スライダをカードセット位置に位置決めするピンを嵌合させてなる。そして、上記カム溝と上記ピンとが上記ボディと上記スライダとに各別に振り分けて配備されている。さらに、上記スライダに、正規姿勢でボディに挿入された上記カードの幅方向片側に設けられている凹所に嵌合してそのカードをスライダに対して位置決めする係合体が上記凹所に対する嵌入方向に常時付勢された状態で設けられ、その係合体が、正規姿勢でボディに挿入されてきたカードの幅方向片側端面をスライダの初期位置からの移動を伴わずに乗り上がらせるための後側ガイド面と、この係合体が上記凹所に嵌合している状態からカードがスライダの後方へ引張られたときにそのカードの幅方向片側端面を乗り上がらせるための前側ガイド面とを有している。
【0016】
本発明では、上記仕切り壁部にその頂部よりも低位置で上記係止部及び上記溝形復路の底面よりも高位置に位置する背低部が段付状に形成され、セット位置に位置決めされたカードに引抜き力が加えられてそのカードの幅方向片側端面が上記係合体に乗り上がってその係合体を外側へ変位させたときに、上記係止部に係合しているピンを、上記背低部を乗り越えさせて上記溝形復路に移行させる押圧片部が上記係合体に設けられている。
【0017】
以上の構成であれば、カードを正規姿勢でボディに挿入したときには、スライダが初期位置に停止したままの状態で、カードの片側端面が係合体を外側へ変位させながら乗り越えることによってカードの凹所に係合体が嵌合するので、スライダからのカードの単独後退が防止されるというハーフロック機能が発揮される。また、この状態からさらにカードによりスライダを押込位置まで押し込むことが可能である。
【0018】
また、スライダがカードセット位置に達することによりピンがカム溝の係止部に係合してフルロック機能が働いているときにピンが無理抜きされた場合には、カードの幅方向片側端面が係合体に乗り上がってその係合体を外側へ変位させることによりピンが仕切り壁部の背低部を乗り越える。この背低部は、仕切り壁部の頂部よりも低位置で係止部及び溝形復路の底面よりも高位置に位置しているため、ピンが仕切り壁部の頂部を乗り越える場合に比べるとピンが乗り越えやすい高さを備えているに過ぎない。したがって、その背低部の高さを適切に定めておけば、カードが無理抜きされたときに、ピンが係止部から背低部を経て溝形復路に無理なく移行するようになり、カード無理抜きに伴う係止部やピンの破損が防止される。その上、ピンが係合する係止部は仕切り壁部の頂部によって形成されるので、係止部の深さを十分に深く確保してその係止部とピンとの係合状態の安定性を確保することも容易である。
【0019】
本発明では、上記仕切り壁部の頂部と上記背低部とを段付面によって区画し、その段付面が、上記係止部形成箇所から斜め後方へ延びて溝形復路形成箇所に達していることが望ましく、これによれば、ピンが背低部を乗り越えるときに、段付面がピンを背低部に位置させて頂部に乗り上がらないようにすることに役立つ。
【0020】
本発明では、上記溝形復路が、その起点である上記係止部から側方へ突き出した迂回部とその迂回部から後方へ伸び出た復路主部とを有し、それらの迂回部と復路主部とが、上記係止部形成箇所の前方へ突き出た上記仕切り壁部の上記背低部によって区画されている、という構成を採用することができる。
本発明では、カードをカードセット位置に位置決めしているスライダが上記押込み位置に押し込まれることによって上記係止部に係止していたピンが上記迂回部に移行し、スライダが押込み位置に押し込まれた後、その押込み力が解除されることにより上記スライダに対する弾発付勢力によって上記ピンが上記迂回部から上記復路主部に移行するようになっていることが望ましい。
【0021】
本発明では、上記係合体が、その係合体を上記凹所に対する嵌入方向に常時付勢するばね板の先端部に連設された山形部でなり、上記押圧片部が、上記ばね板に連設された突片でなり、それらの係合体と押圧片部とを一体に備えた板金ユニットが上記スライダに取り付けられていることが望ましい。これによると、弾性体、係合体及び押圧片部が板金ユニットという単一部品によって形成されるので、部品点数の増大が抑制されて組立工数や部品コストが削減されるだけでなく、押圧片部などの必要な位置精度が容易に確保されるようになって動作安定性が向上する。
【0022】
本発明では、セット位置に位置決めされた上記カードを幅方向両側から摺動可能に弾圧するカード弾圧手段を備えていることが望ましく、そのカード弾圧手段は、ばね部材により弾発付勢された一対の押圧体によって形成することが可能である。
【0023】
また、一対の上記押圧体のうちの少なくとも一方は、セット位置に位置決めされた上記カードが、上記スライダに対する弾発付勢力によってそのスライダと共にセット位置から後退してスライダの初期位置に相応する位置よりも後側に達したときに、そのカードに備わっている凹部に嵌合してボディからのカードの飛び出しを防ぐ飛出し防止機能を備えていることが望ましい。さらに、飛出し防止機能を備えている上記押圧体は、カードが押引き操作されることによりカードの上記凹部からそのカードの端面に乗り上がる機能を備えていることが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のカードコネクタの実施形態の分解斜視図である。同図において、1は電気絶縁性に優れた合成樹脂成形体でなるボディで、後端部にカード100の挿入口11を有している。このボディ1にはカバー枠8と電磁シールド性を発揮する金属製のシールドフレーム14とが取り付けられ、ボディ1の開放した上面がシールドフレーム14で塞がれている。そして、シールドフレーム14の前端に、カード100が出し入れされる際にそのカード100に追従して開閉動されるシャッタSが取り付けられている。
【0025】
図2はスライダ2と後述するカム機構を形成するためのピン部材5を示した概略斜視図、図3は板金ユニット6を裏返し姿勢で示した概略斜視図、図4はカム機構4を形成しているカム部41のカム溝形状を示した説明図、図5はカム部41を図4のV−V線に沿う部分で切断した場合のカム機構4の作用状態を示した説明図、図6は図4のVI−VI線拡大断面図、図7は図4のVII−VII線拡大断面図、図8はスライダの初期位置を説明するための平面図、図9はスライダのカードセット位置を説明するための平面図、図10〜図12は横断平面図で示した作用説明図である。
【0026】
図10〜図12のように、ボディ1の片側側部にスライダ2のほか、カム機構4を形成しているカム部41やピン部材5、板金ユニット6が配備されている。また、ボディ1の前壁15には、所要極数の接片部材C(図1参照)が間隔を隔てて左右方向Wに並べて取り付けられ、それぞれの接片部材Cが前壁15の後方のカード挿入空間の内部に延び出ている。そして、これらの接片部材Cの先端部の接点が、ボディ1内のセット位置まで挿入されたカード100の電極形成領域(不図示)に形成されている所要極数の電極(不図示)に個別に弾接するようになっている。
【0027】
図2のように、スライダ2は前後に細長い形状の合成樹脂成形体で作られていて、その内側にカード(ICカードなど)100の片側端面101を支える支持面21(図10参照)と、この支持面21に連続して前方へ湾曲状に延び出た係合面22とを有しており、ボディ1に挿入されたカード100の湾曲状に形成された先端コーナ部103が係合面22に突き当たってスライダ2に係合するようになっている(図10参照)。また、スライダ3には、その下部に板片部23が突出されている。さらに、このスライダ3には、外向きに開放した前後に長い凹入部24が備わっており、この凹入部24を形作っている下板部25に、上記ピン部材5の基部に直角に折曲げ形成された軸部51が回転自在に挿入される孔部26が形成され、かつ、その孔部26よりも前側に、上記ピン部材5の前端に直角に折曲げ形成されたピン52の左右方向の揺動を許容するスリット状の切込み部27が形成されている。そして、ピン部材5の軸部51が上記孔部26に回転自在に差し込まれ、ピン52が切込み部27に配備される。
【0028】
板金ユニット6を裏返し姿勢で示した図3のように、板金ユニット6は、1枚の金属板に機械加工を施すことによって製作されていて、板金ユニット6の後端部から前方へ向けて斜め下向きに延び出たばね体61と、板金ユニット6の前端部から後方へ延び出た弾性片部62と、この弾性片部62の先端部を山形に折り曲げることによって形成された係合体63と、この係合体63の先端部に連設されて外向きに突き出た押圧片部64と、上記弾性片部62の外側に位置して板金ユニット6の前端部から後方へ延び出たばね片部67と、このばね片部67の先端に形成されたカール状のフック部68と、を一体に備えていると共に、上記弾性片部62に舌片状の押圧部69が設けられてその押圧部69が上記ばね片部67に間隔を隔てて対峙している。また、上記係合体63には、後側ガイド面63aと前側ガイド面63bが備わっていて、後側ガイド面63aは、正規姿勢でボディ1に挿入されてきたカード100の幅方向片側端面101をスライダ2の移動を伴わずに乗り上がらせる役割を担い、前側ガイド面63bは、係合体63がカード100の凹所106に嵌合している状態からカード100がスライダ2の後方へ引張られたときにそのカード100の幅方向片側端面101をスライダ2の移動を伴わずに乗り上がらせる役割を担っている。さらに、後側ガイド面63aは、裏返し姿勢でボディ1に挿入されてきたカード100の幅方向他側端面102をスライダ2の移動を伴わずにその係合体63に乗り上がらせる機能をも備えている。
【0029】
この板金ユニット6は図2に示したスライダ2の凹入部24に嵌め込まれる。そして、凹入部24に板金ユニット6が嵌め込まれた状態では、図10〜図12のように、ばね体61の先端に成形されている湾曲部66がピン部材5に弾圧してピン部材5の軸部51やピン52が浮き上がって孔部26や切込み部27から抜け出ることを防いでいる。また、図10のように、係合部63が、上記凹入部24を形作っている内板部28に開設されている開口29から内方(凹入部24の外側)へ突き出ていると共に、押圧片部64がピン部材5に内側から臨んでいる。
【0030】
さらに、図10〜図12のように、ボディ1には、スライダ2の凹入部24の外側に位置するように上記カバー枠8が配備されていて、このカバー枠8に形成された開口81の前側開口縁によって、上記したフック部68の相手方である掛止部82が形成されている。そして、フック部68が、図11のように開口81から外側へ突き出て掛止部82に掛止可能な外側位置と、図10のように掛止部82に掛止不能な内側位置との間で変位可能になっていると共に、フック部68がばね片部67によって内側位置に向けて弾発付勢されるようになっている。加えて、掛止部82とフック部68との掛止位置は、スライダ2が初期位置から押込位置まで移動する途中の箇所、具体的にはスライダ2が初期位置に位置しているときのフック部68の位置の少し前側に位置している。
【0031】
ピン部材5と板金ユニット6とが組み付けられたスライダ2は、図10〜図12のように、ボディ1の片側側部に前後スライド自在に保持され、しかも、スライダ2とボディ1との間に介在されたコイルばねでなるばね7によって常時後方に弾発付勢されている。なお、スライダ2の初期位置は、図8のようにスライダ2がボディ1側の当り面17に当接することによって規制されるようになっている。
【0032】
ここで、ばね7によってスライダ2を後方に弾発付勢するばね力は、弾性片部62によって弾発付勢された係合体63をスライダ2の側方へ退避させるのに要する力よりも大きくなっている。
【0033】
次に、カム機構4の構成や作用については後述することとし、カード100が正規姿勢で挿入された場合と裏返し姿勢で逆挿入された場合の作用を説明する。
【0034】
初期位置に位置しているスライダ2は、図10のようにボディ1側の当り面17にばね7の付勢力によって弾圧することによって位置規制されている。
【0035】
スライダ4が初期位置に位置決めされているときに、ボディ1にカード100が正規姿勢で前向きに挿入されてくると、スライダ2の支持面21から内方へ突き出ている係合体63の傾斜した後側ガイド面63aにカード100の先端片側コーナ部103が突き当たった後、そのカード100の片側端面101の前側部分が係合体63に乗り上がって係合体63を外側方へ退避させた後、カード100の片側端面101が係合体63を乗り越えて図10のように凹所106に係合体63を嵌合させる。図10のように係合体63がカード100の凹所106に嵌合すると、カード100が後方へ無理やり強く引張られない限り、係合体63が凹所106の内部でカード100に係合することによってカード100のスライダ2からの単独後退が防止されるというハーフロック機能が発揮される。また、スライダ2側の板片部23がカード100の裏側に備わっている凹入部104に嵌まって、カード100の先端片側コーナ部103がスライダ2の係合部22に突き当たる。
【0036】
この後、カード100をさらに挿入してカード100と共にスライダ2をばね7の付勢に抗して前方Fへ押し込んでいくことによって、スライダ2が押込位置に到達してフルロック状態(後述する)となり、カード100がカードセット位置(図10に仮想線で示してある)に挿入され、カード100の電極にボディ1側の接片部材の接点が弾接する(不図示)。この状態から、フルロック状態が解除されると、スライダ2はばね7の付勢によって後方へ移動して図10に示した初期位置に復帰する。
【0037】
次に、図11のように、カード100が裏返し姿勢でボディ1に逆挿入されたときには、スライダ2が初期位置に停止したまま、カード100の幅方向他側端面102が係合体63の後側ガイド面63aの作用によって係合体63に乗り上り、係合体63を弾性片部62の付勢に抗して側方へ退避させる。こうして係合体63が側方へ退避すると、それに伴って係合体63に弾性片部62を介して連設されている押圧部69がばね片部67を外側位置に向けて押すので、フック部68もフレーム部材8の開口81から外側位置に向けて押し出される。その後に、カード100の他側端面102が係合体63に乗り上がったままスライダ2が初期位置から押込位置に向けて矢印Fのように前方に押し込まれると、カード100がスライダ2の板片部23に突き当たってスライダ2を押し込むので、フック部68がスライダ2と共に前方へ移動して図12のようにフレーム部材8の掛止部82に掛止し、その掛止位置を越えてスライダ2が前進することを阻止する。そして、掛止部82とフック部68との掛止位置は、スライダ2が初期位置に位置しているときのフック部68の位置の少し前側に位置しているので、操作者はスライダ2が押込位置に到達する前にカード100を押し込むことができなくなり、それによって操作者はカード100を裏返し姿勢で逆挿入したことに気付く。したがって、操作者はカード100をボディ1から引き抜いて正規姿勢で挿入しなおすことが可能である。なお、カード100がボディ1から引き抜かれると、スライダ2はばね7の付勢により後方へ移動して図10に示した初期位置に復帰する。また、係合体63が弾性片部62の弾性によって開口29から内側へ突き出し、併せて、フック部68がばね片部67の弾性によって内側位置に復帰する。
【0038】
以上のように、この実施形態によれば、カード100を正規姿勢で挿入した場合の押込みストロークよりもカード100を裏返し姿勢で逆挿入した場合の押込みストロークが短くなっているので、カード100を裏返し姿勢で逆挿入した操作者にカード100の逆挿入を正しく容易に認識させることができる。
【0039】
また、この実施形態では、図3のように、弾性片部62、係合体63、押圧片部64、押圧部69、フック部68、ばね片部61とが板金ユニット6という単一部品によって形成されるので、部品点数の増大が抑制されて組立工数や部品コストが削減されるだけでなく、押圧部69やフック部689などの必要な位置精度が容易に確保されるようになって優れた動作安定性が得られた。また、板金製のフレーム部材82が合成樹脂成形体でなるボディ1を補強しているので、ボディを薄肉化してそのコンパクト化を促進することが可能になった。
【0040】
次にカム機構4の構成や作用を説明する。
【0041】
図4のように、カム部41はカム溝42を備えていて、このカム溝42にスライダ2に保持されている上記ピン52が倣うようになっている。カム溝42は、ピン52をカム部41の前方Fへ案内する溝形往路43と、その溝形往路43の終点に位置してピン52を係止する段付状の係止部44と、その係止部44を起点としてピン52を後方へ案内することによりピン部材5(図5など参照)に無理な変形を強いることなく溝形往路43の始点Pに導く溝形復路45とを有していて、溝形復路45が溝形往路43よりも外側に位置している。このうち、溝形往路43は、始点Pの位置から斜め内側に延び出た斜行部43aや迂回部43bを経て終点(係止部44)に至り、溝形復路45は、係止部44からその外側方へ突き出した迂回部45aとその迂回部45aから後方へ延び出た復路主部45bとを有している。また、復路主部45bにまっすぐに連続して、溝形往路43の始点Pの側部に至る退避路46が追加されていると共に、図7のように、溝形往路43の始点Pが退避路46よりも低位に位置し、しかも、溝形往路43の始点Pと退避路46とが傾斜面47で連絡されている。この傾斜面47は、溝形往路43の始点Pに位置するピン52が外側に押されたときには、そのピン52を摺動させて退避路46に乗り上がらせたり、退避路46に乗り上がっているピン52を摺動させて溝形往路43の始点Pまで移動させる機能を備えている。
【0042】
上記形状のカム溝42において、溝形往路43の迂回部43bの起点、係止部44を挟む両側、溝形復路45の溝形往路43に対する合流箇所には、ピン52の逆行きを防ぐ段差部31,32,33,34がそれぞれ備わっている。図6には、迂回部45aと復路主部45bとの境界箇所に形成されている段差部33を示している。
【0043】
ここで、係止部44と溝形復路45bとは仕切り壁部47で仕切られている。そして、その仕切り壁部47に、その頂部47aよりも低位置で係止部44及び溝形復路45の底面よりも高位置に位置する背低部47bが段付面47cを介して区画されていて、その段付面47aが係止部形成箇所から斜め後方へ延びて溝形復路形成箇所に達している。また、迂回部45aと復路主部45bとが、上記係止部形成箇所の前方へ突き出た仕切り壁部47の背低部47bによって区画されている。
【0044】
これに対し、ピン52は図5に示したように、その先端(下端)の外周縁が、上記退避路46よりも幅広でかつ溝形往路43に向かう下り勾配を有する湾曲面(アール面)でなる傾斜面53に加工されている。このため、図5の矢印fで示したように、図3などで説明したばね体61の湾曲部66によってピン部材5が押し付けられてピン52の傾斜面53が退避路46に押し付けられると、ピン52が退避路46から溝形往路43の始点Pまで移動する。
【0045】
次にカム機構4の作用などを説明する。
図8のようにスライダ4が初期位置に位置決めされているときに、ボディ1にカード100が正規姿勢で前向きに挿入されて、カード100の片側端面101が係合体63に乗り上がって係合体63を外側方へ退避させたときには、押圧片部64がピン部材5を押してカム溝42の溝形往路43の始点Pに位置しているピン52を図7で説明した傾斜面47上で摺動させて退避路46へ押し出すけれども、こうして退避路46へ押し出されたピン52は、図10のように係合体63が凹所106に嵌合して押圧片部64が内方へ変位するのに伴って、ピン52の傾斜面53がばね体61の付勢による作用で退避路46から傾斜面47を滑り落ちて溝形往路43の始点Pに復帰移動する。
【0046】
この後、カード100をプッシュ(押込み操作)してカード100と共にスライダ2をばね7の付勢に抗して前方Fへ押し込んでいくと、スライダ2に追従するピン部材5のピン52が、カム溝42の溝形往路43を無理な変形を強いられることなく図4に矢印で示した前方Fへ移動して迂回部43bの前端に突き当る。このときに、カード100に対するプッシュ作用(押込み操作)を解放すると、ばね7の力でスライダ2が後方へ押し戻され、ピン52が迂回路43bを通って溝形往路43の終点まで達し、係止部44に係止される。ここで、係止部44は仕切り壁部47の頂部47aによって形成されていて、図5で類推できるように、その頂部47aの高さは、凹窪状の係止部44の深さDを深くしてピン52との係合幅が十分に大きくなる高さに定められている。これにより係止部44とピン52との係合状態の安定性が確保されている。
【0047】
ピン52が係止部44に係合しているときには、カード100をハーフロックしているスライダ2の後退が阻止されるというフルロック機能が発揮され、スライダ2は図9に示した位置で位置決めされてロック状態になり、カード100がカードセット位置(図10に仮想線で示してある)に挿入されてそのカード100の電極にボディ1側の接片部材の接点が弾接する。
【0048】
カード100がセット位置から無理抜きされた場合には、次の動作が行われる。すなわち、フルロック状態から、カード100が引抜き方向に強く引っ張られて無理抜きされると、係合体63の傾斜した前側ガイド面63bの作用でカード100の片側端面101の前側部分が係合体63に乗り上がって係合体63が外側方へ押され、押圧片部64がピン部材5を押してカム溝42の係止部44に係合しているピン52を仕切り壁部47側に押し付けるので、そのピン52が図4又は図5に示した仕切り壁部47に区画形成されている背低部47bを傾きながら乗り越えて係止部44から溝形復路45の復路主部45bに無理なく移行し、カード無理抜きに伴う係止部44やピン52の破損が防止される。この場合、背低部47bは仕切り壁部47の頂部47aよりも低位に位置してその高さが頂部47bよりも低くなっているので、仮に、寸法誤差などによってカード100の幅方向両側に隙間が存在するような場合でも、カード100の片側端面101による係合体330の押し幅が不足してピン340が仕切り壁部369を乗り越えられなくなるという事態が起こらない。したがって、上記のように押圧片部64がピン部材5を押したときには、ピン52が背低部47bを傾きながら無理なく乗り越えて溝形復路45に移行し、カード無理抜きに伴う係止部44やピン52の破損が防止される。その結果、カード100がセット位置から無理抜きされても、その無理抜きが行われた直後にスライダー300がばね7の付勢により初期位置に復帰して次回のカード挿入に備えられる。
【0049】
次に、図11のように、カード100が裏返し姿勢でボディ1に逆挿入された場合、スライダ2が初期位置で停止しているときにカード100の幅方向他側端面102が係合体63に乗り上ってその係合体63を弾性片部62の付勢に抗して側方へ退避させる。このため、押圧部64がピン部材5を押し、溝形往路43の始点Pに位置するピン52を、図5に示した傾斜面47を経て退避路46へ押し出してそのピン52を退避路46に位置させる。したがって、その後にスライダ2がカード100に押されて初期位置から図12に示した掛止部82とフック部68との掛止位置に相応する位置まで前方へ押し込まれたときには、ピン52が退避路46を移動するか、あるいは、退避路46から溝形復路45に入る。そのため、ピン部材5に無理な変形が強いられるという事態は起こらない。しかも、図12に示したように掛止部82とフック部68とが係合してスライダ2の移動が阻止されるため、ピン52が係止部44に係止してスライダ2がフルロックされてしまうという事態も起こらない。
【0050】
以上のように、この実施形態では、カード100がセット位置から無理抜きされた場合でもスライダ2が初期位置に確実に復帰して次回のカード挿入に備えるというカード無理抜き時のスライダ復帰作用と、カード100が裏返し姿勢で挿入された場合にスライダがフルロックされることを阻止するという逆挿入防止作用とが発揮される。しかも、図1に示したようにシールドフレーム14にシャッタSを取り付け、カード100が出し入れされる際にそのカード100に追従してそのシャッタSが開閉動されるようにしておくことによって不使用時の防塵作用が発揮される。
【0051】
また、カム部41とピン部材5との組合せでなるカム機構4を採用してプッシュ・プッシュ操作を可能にしていながら、カード100が裏返し姿勢で挿入されたときでも、ピン部材5に無理な変形が強いられない。そのため、ハーフロック機能やフルロック機能が損なわれるという事態の起きるおそれのないカム機構を備えたカードコネクタを提供することが可能になる。このことは、カードコネクタの薄形化に伴ってピン部材を極細の線材で製作しなければならないような場合でも、信頼性の高いハーフロック機能やフルロック機能を具備させることが可能になる。さらに、操作者にカード100が裏返し姿勢で逆挿入されたことを確実に認識させることができるだけでなく、カード100が裏返し姿勢で逆挿入されたときに、カード100をカードセット位置まで挿入したときのフルロック機能を発揮するカム機構4のピン部材5に無理な変形を強いられることがなくなってフルロック機能の動作信頼性も向上させることができる。
【0052】
この実施形態のカードコネクタは、上記したカード無理抜き時のスライダ復帰作用、逆挿入防止作用、防塵作用などのほか、カード飛出し防止作用やカード100の静電破壊防止作用をも発揮する構造を備えており、次にそれらのカード飛出し防止作用や静電破壊防止作用に関する構造を、図1及び図13を主に参照して説明する。
【0053】
図13はカードコネクタを裏側から見た平面図であり、同図のように、このカードコネクタにはカード弾圧手段9が備わっていて、このカード弾圧手段9の作用によりセット位置に位置決めされたカード100が幅方向両側から摺動可能に弾圧されるようになっている。同図の事例では、カード弾圧手段9が、シールドフレーム14に連設された後方へ延びる左右のアーム部18,19のそれぞれに具備された山形の押圧体91,92でなり、これらの押圧体91,92は、アーム部18,19の後端から前向きに延び出た弾性片93,94の先端に連設されている。これに対し、カード100の幅方向他側に凹部120が備わっている。この凹部120は、セット位置に位置決めされたカード100が、スライダ2(図9などを参照)に対する弾発付勢力によってそのスライダ2と共にセット位置から後退してスライダ2の初期位置(図8参照)に相応する位置よりも後側に達したときに、一方の押圧体92にに嵌合する位置に形成されている。また、一方の押圧体92が山形に形成されていることにより、図13のようにその押圧体92が凹部120に嵌合している状態からカード100が押引き操作されると、その押圧体92が弾性片94の撓み変形を伴ってカード100の凹部120からそのカード100の端面に乗り上がる。
【0054】
この構成であると、セット位置に位置決めされているカード100に弾くような操作が行われたために、図4又は図5などで説明したカム機構4のピン52が係止部44から外れて溝形復路45に移行してスライダ2が初期位置まで復帰し、そのときの慣性によりカード100に対するハーフロックが解除されてしまったカード100がさらに後方に弾き出されるというような動作が行われた場合、スライダ2がカードセット位置から初期位置に向けて後退する当初の段階からカード100には弾圧手段9による摩擦抵抗が作用しているので、スライダ2が後退するときの衝撃力がその摩擦抵抗によって緩和され、しかも、スライダ2が初期位置まで後退した後、カード100が単独で後方へ弾き出されたときには、カード100の凹部120に押圧体92が嵌合してカード100がボディ1から脱落して破損するというような事態が起こらない。特に、この実施形態では、一対の押圧体91,92をカード100の幅方向両側の端面に弾接させることによってカード100に摩擦抵抗を与えているので、カード飛出し防止作用の安定性が向上している。
【0055】
図13の事例では、ボディ1に複数列に亘って開口72が開設されていて、これらの開口72は、当該カードコネクタを配線基板(不図示)に搭載したときに、その配線基板に形成されている帯状の接地回路パターン310に重なり状に臨まされる。また、カード100がボディ1に挿入されるときには、そのカード100に備わっているカード側の接地電極(不図示)がそれらの開口72の上を通過するようになっている。
【0056】
このように構成されていると、ボディ1に挿入されてきたカード100のカード側電極に含まれている接地電極が、カード挿入途中での接地電極の移動路を移動中に、ボディ1の開口72を通して配線基板の接地回路に臨むようになる。そのため、カード100が静電気に帯電して電荷を帯びている場合、カード側電極がコネクタ側電極に接触する前に、カード100に帯電している静電気が、カード側の接地電極を経て配線基板の接地回路パターン310に逃がされて接地放電される。また、ボディ1が合成樹脂製であるので、カード100とボディ1との間で放電が行われることがなくなり、カード100側の接地電極を経ずにカードの静電気が接地放電されるという事態が起こらない。したがって、カード100や機器セット側の電子部品が静電破壊されるという事態が起こらなくなる。上記接地回路パターン310は、ボディ1が重なり合う配線基板の重なり領域の全体又はその一部分に面状に形成されていても、その重なり領域をカード挿抜方向に縦断する形に面状あるいは線状に形成されていても、その重なり領域をカード挿抜方向に対して横断する形に面状あるいは線状に形成されていてもよい。
【0057】
図14はカード飛出し防止作用に関する他の構造を備えたカードコネクタを裏側から見た平面図である。
【0058】
このカードコネクタに備わっているカード弾圧手段9によっても、セット位置に位置決めされたカード100が幅方向両側から摺動可能に弾圧されるようになっている。図14の事例では、カード弾圧手段9が、シールドフレーム14の片側の側板部14aに切起し形成された山形の押圧体95と、その押圧体95の対向位置でボディ1の前端部に組み込まれた山形の押圧体96とでなり、シールドフレーム14側の押圧体95は、その側板部14aに切起し形成された弾性片97の先端に連設されているのに対し、ボディ1側の押圧体96はその背部に組み込まれたばね98によって付勢されている。
【0059】
この構成であると、セット位置に位置決めされているカード100に弾くような操作が行われたために、図4又は図5などで説明したカム機構4のピン52が係止部44から外れて溝形復路45に移行してスライダ2が初期位置まで復帰し、そのときの慣性によりカード100に対するハーフロックが解除されてしまったカード100がさらに後方に弾き出されるというような動作が行われた場合、スライダ2がカードセット位置から初期位置に向けて後退する当初の段階からカード100には弾圧手段9による摩擦抵抗が作用しているので、スライダ2が後退するときの衝撃力がその摩擦抵抗によって緩和されるので、カード100がボディ1から脱落して破損するというような事態が起こりにくい。この実施形態でも、一対の押圧体91,92をカード100の幅方向両側の端面に弾接させることによってカード100に摩擦抵抗を与えているので、カード飛出し防止作用の安定性が向上している。なお、この実施形態においても、図13で説明した凹部120をカード100に具備させ、その凹部120に押圧体95,96の少なくともいずれかを嵌合させ得るような構造を採用すると、図13で説明したものと同等のカード飛出し防止作用が発揮される。また、図14の場合は、押圧体95をシールドフレーム14の側板部14aに具備させ、他の押圧体96をボディ1に具備させてあるので、図13のもののようにシールドフレーム14にアーム部18,19を延出する必要がなくなってそれだけカードコネクタが小形化されるという利点がある。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、プッシュ・プッシュ操作によってカードの着脱を行うカードコネクタに、カード無理抜き時のスライダ復帰作用、逆挿入防止作用、防塵作用、カード飛出し防止作用、カードの静電破壊防止作用などのすべて又は一部を必要に応じて発揮させることができるようになる。そのため、機器の種類や属性に応じて上記の各作用から必要とされる作用を選択して機器に応じた最適な作用を発揮し得るカードコネクタを提供することが可能になる。また、カードコネクタに要求される様々な作用のバリエーションを選択することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカードコネクタの実施形態の分解斜視図である。
【図2】スライダとピン部材を示した概略斜視図である。
【図3】板金ユニットを裏返し姿勢で示した概略斜視図である。
【図4】カム部のカム溝形状を示した説明図である。
【図5】カム部を図4のV−V線に沿う部分で切断した場合のカム機構の作用状態を示した説明図である。
【図6】図4のVI−VI線拡大断面図である。
【図7】図4のVII−VII線拡大断面図である。
【図8】スライダの初期位置を説明するための平面図である。
【図9】スライダのカードセット位置を説明するための平面図である。
【図10】カードが正規姿勢で挿入された場合の作用説明図である。
【図11】カードが逆挿入された場合の作用説明図である。
【図12】カードが逆挿入されて掛止部にフック部が掛止された状態での作用説明図である。
【図13】カード飛出し防止作用に関する構造を備えたカードコネクタを裏側から見た平面図である。
【図14】カード飛出し防止作用に関する他の構造を備えたカードコネクタを裏側から見た平面図である。
【図15】カードの要部の斜視図である。
【図16】従来のカードコネクタのフルロック状態の説明図である。
【図17】従来のカードコネクタにカードが裏返し姿勢で挿入された状態の説明図である。
【図18】従来のカードコネクタに採用されたカム溝形状を示した説明図である。
【符号の説明】
1 ボディ
2 スライダ
4 カム機構
6 板金ユニット
9 カード弾圧手段
42 カム溝
43 溝形往路
44 係止部
45 溝形復路
45a 溝形復路の迂回部
45b 溝形復路の復路主部
47 仕切り壁部
47a 仕切り壁部の頂部
47b 仕切り壁部の背低部
47c 段付面
52 ピン
63 係合体
63a 後側ガイド面
63b 前側ガイド面
64 押圧片部
91,92,95,96 押圧体
100 カード
101 カードの幅方向片側端面
106 凹所
120 凹部
P 溝形往路の始点

Claims (9)

  1. ボディに挿入されるカードにより初期位置から押込位置に向けて前方へ押し込まれるスライダが、初期位置に向けて弾発付勢された状態で前後にスライド自在にボディに保持されていると共に、そのスライダをカードセット位置に位置決めするカム機構を有し、
    このカム機構が、溝形往路とその溝形往路の終点を起点として溝形往路の始点に達する溝形復路と、上記溝形往路の終点に具備された凹窪状の係止部と、その係止部と上記溝形復路とを仕切る仕切り壁部とを備えるカム溝に、上記係止部に係合することによって上記スライダをカードセット位置に位置決めするピンを嵌合させてなり、上記カム溝と上記ピンとが上記ボディと上記スライダとに各別に振り分けて配備され、
    上記スライダに、正規姿勢でボディに挿入された上記カードの幅方向片側に設けられている凹所に嵌合してそのカードをスライダに対して位置決めする係合体が上記凹所に対する嵌入方向に常時付勢された状態で設けられ、その係合体が、正規姿勢でボディに挿入されてきたカードの幅方向片側端面をスライダの初期位置からの移動を伴わずに乗り上がらせるための後側ガイド面と、この係合体が上記凹所に嵌合している状態からカードがスライダの後方へ引張られたときにそのカードの幅方向片側端面を乗り上がらせるための前側ガイド面とを有しているカードコネクタにおいて、
    上記仕切り壁部にその頂部よりも低位置で上記係止部及び上記溝形復路の底面よりも高位置に位置する背低部が段付状に形成され、セット位置に位置決めされたカードに引抜き力が加えられてそのカードの幅方向片側端面が上記係合体に乗り上がってその係合体を外側へ変位させたときに、上記係止部に係合しているピンを、上記背低部を乗り越えさせて上記溝形復路に移行させる押圧片部が上記係合体に設けられていることを特徴とするカードコネクタ。
  2. 上記仕切り壁部の頂部と上記背低部とを段付面によって区画し、その段付面が、上記係止部形成箇所から斜め後方へ延びて溝形復路形成箇所に達している請求項1に記載したカードコネクタ。
  3. 上記溝形復路が、その起点である上記係止部から側方へ突き出した迂回部とその迂回部から後方へ伸び出た復路主部とを有し、それらの迂回部と復路主部とが、上記係止部形成箇所の前方へ突き出た上記仕切り壁部の上記背低部によって区画されている請求項1に記載したカードコネクタ。
  4. カードをカードセット位置に位置決めしているスライダが上記押込み位置に押し込まれることによって上記係止部に係止していたピンが上記迂回部に移行し、スライダが押込み位置に押し込まれた後、その押込み力が解除されることにより上記スライダに対する弾発付勢力によって上記ピンが上記迂回部から上記復路主部に移行するようになっている請求項3に記載したカードコネクタ。
  5. 上記係合体が、その係合体を上記凹所に対する嵌入方向に常時付勢するばね板の先端部に連設された山形部でなり、上記押圧片部が、上記ばね板に連設された突片でなり、それらの係合体と押圧片部とを一体に備えた板金ユニットが上記スライダに取り付けられている請求項1に記載したカードコネクタ。
  6. セット位置に位置決めされた上記カードを幅方向両側から摺動可能に弾圧するカード弾圧手段を備える請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載したカードコネクタ。
  7. 上記カード弾圧手段が、ばね部材により弾発付勢された一対の押圧体でなる請求項6に記載したカードコネクタ。
  8. 一対の上記押圧体のうちの少なくとも一方は、セット位置に位置決めされた上記カードが、上記スライダに対する弾発付勢力によってそのスライダと共にセット位置から後退してスライダの初期位置に相応する位置よりも後側に達したときに、そのカードに備わっている凹部に嵌合してボディからのカードの飛び出しを防ぐ飛出し防止機能を備えている請求項7に記載したカードコネクタ。
  9. 飛出し防止機能を備えている上記押圧体は、カードが押引き操作されることによりカードの上記凹部からそのカードの端面に乗り上がる機能を備えている請求項8に記載したカードコネクタ。
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