JP2004193051A - 面光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、指向性バックライト方式の面光源装置において、均一な発光輝度が得られる装置を提供することを目的とする。
【解決手段】この発明の面光源装置は、面状の導光板1と、導光板1の入射面側に配設される光源3と、前記入射面から入射し、前記導光板1内を伝播した光が出射される出射面と、前記出射面より出射する光を前記出射面の法線方向より所定の方向に指向させて出射させるために前記導光板の出射面又は反射面或いは出射面と反射面双方に多数形成された微小なシボ群11からなるパターン面と、前記パターン面は前記導光板の入射側端面から遠ざかるにつれてシボの密度を粗くする。
【選択図】 図1
【解決手段】この発明の面光源装置は、面状の導光板1と、導光板1の入射面側に配設される光源3と、前記入射面から入射し、前記導光板1内を伝播した光が出射される出射面と、前記出射面より出射する光を前記出射面の法線方向より所定の方向に指向させて出射させるために前記導光板の出射面又は反射面或いは出射面と反射面双方に多数形成された微小なシボ群11からなるパターン面と、前記パターン面は前記導光板の入射側端面から遠ざかるにつれてシボの密度を粗くする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面光源装置に関し、導光板の出射面側にプリズムシートを配設し、照明光の利用効率を向上させた面光源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の軽量化、小型化及び低消費電力化を図る技術は著しく発展してきている。この技術の流れの中で、液晶表示装置に代表される非発光表示デバイスを用いることにより、電子機器が軽量化、小型化され、しかも低消費電力化されてきている。
【0003】
液晶表示装置としては、透過型と反射型とがあり、透過型の液晶表示装置には、液晶表示装置を裏側から照明する照明装置、いわゆるバックライトが設けられ、反射型の液晶表示装置には、液晶表示装置を表側から照明する照明装置、いわゆるフロントライトが設けられている。
【0004】
これらの照明装置は、線状光源或いは点光源と、この線状光源或いは点光源の光を一端面より入射され、表裏のいずれか一面より平面的に分散させて出射させる面状の導光板とを備えた面光源装置が知られている。このような面光源装置は、ほぼ均一な板厚により導光板を形成した方式のものと、線状光源より遠ざかるに従って導光板の板厚を徐々に薄く形成した形式のものとがある。
【0005】
従来のこの種の導光板を用いた面光源装置としては、例えば、図12に示すような液晶表示装置のバックライトに適用されたものがある。同図に示すように、この液晶表示装置は、透過型の液晶パネルユニット120、液晶パネルユニット120の下面に配置された導光板101、及び導光板101の一側面に平行に延びる線状光源7と、を備える。
【0006】
上記面光源装置は、導光板101の側方に線状光源7を配置し、反射シート102、導光板101、光拡散シート103、プリズムシート104及び105を順次積層して形成される。
【0007】
線状光源は、例えば、冷陰極管からなる蛍光ランプ7の周囲を、リフレクタ8で囲って形成され、リフレクタ8の開口側より導光板101の端面(以下、入射面という。)に照明光を入射する。ここでリフレクタ8は、入射光を正反射又は乱反射する例えば、シート材により形成される。
【0008】
反射シート102は、金属箔等からなるシート状の正反射部材、又は白色PETフィルム等からなるシート状の乱反射部材により形成され、導光板101より漏れ出す照明光を反射して導光板101に入射し、これにより照明光の利用効率が向上する。
【0009】
導光板101、透明部材からなる例えば、アクリル(PMMA樹脂)を射出成形して断面楔型形状に形成された板状の部材であり、反射シート102側の平面(以下、裏面という。)の全面がマット面処理により一様に粗面に形成される。これにより導光板101は、裏面に光拡散面を形成し、裏面と出射面との間を繰り返し反射して光を伝搬しながら、この光拡散面により照明光を散乱する。
【0010】
この伝播の際に、照明光は、裏面で反射する毎に出射面に対する入射角が低下し、出射面に対して臨界角以下の成分が出射面より出射される。この出射面より出射される照明光は、裏面に形成された粗面により散乱され、また、反射シート102に乱反射部材を適用した場合は、この反射シート102により乱反射して伝播すること等により、散乱光により出射される。しかしながら、この照明光は、出射面に対して伝播方向に傾いて形成された裏面を反射して伝播し、臨界角以下の成分が射出されることにより、主たる出射方向が楔型形状の先端方向に傾いて形成される。すなわち、導光板101からの出射光が指向性を有するようになり、これにより面光源装置は、指向出射性を有するようになる。
【0011】
プリズムシート104及び105は、この導光板101の指向性を補正するために配置される。すなわち、プリズムシート104及び105は、ポリカーボネート等の透光性のシート材で形成され、導光板101と対向する側とは逆側の面にプリズム面が形成される。このプリズム面は、一方向にほぼ平行に延長する断面三角形形状の突起が繰り返されて形成され、導光板101側のプリズムシート5は、この突起が入射面とほぼ平行に延長するように、プリズムシート105は、この突起が入射面とほぼ直交する方向に延長するように配置される。
【0012】
これにより、プリズムシート104及び105は、この三角形形状の突起の斜面で、出射光の主たる出射方向を出射面の正面方向に補正する。これによりこの面光源装置では、出射光を正面方向に効率良く出射できるようになされている。
【0013】
上記した面光源装置を改良し、入射面より入射した光源からの光の利用効率を更に向上させ、しかも高品位の照明光を出射することができる面光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種の面光源装置を図13に示す。図示はしないが、導光板101の裏面に、1対の斜面を有する凸部を繰り返し形成する。また、導光板101の出射面の全面がマット処理により一様に粗面に形成され、この出射面に光拡散面を形成する。導光板101の出射面に配置されるプリズムシート110の導光板101側に同種の凸部を繰り返し形成する。導光板101から出射された拡散光をプリズムシート110により指向性補正し出射することにより、照明光を効率良く出射して照明光の利用効率を向上させるものである。
【0014】
ところで、ある特定方向の輝度を大きくした面光源装置をバックライトとして用いると、低消費電力で高輝度の表示装置を得ることができる。そこで、導光板表面をできるだけ均一に粗面加工を施して、出射面の法線に対して70°〜80°方向に光を出射させ、この出射された光を導光体と対向する側の面にプリズム面が形成したプリズムシートにより、この方向を法線方向に変換させて出射させた面光源装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0015】
また、通常、面光源装置に用いられる導光板には、シルク印刷、ドットパターン等の光散乱パターンを設けられている。そして、図14に示すように、光源130(この図では点光源で構成している)から近い位置では単位面積あたりの被覆率ドットが小さく、光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターン140が導光板101に施されている。これは、光源130から遠ざかるほど導光板101から反射される光の光量が小さくなり、光源130から近いほど輝度が高くなるので、光散乱させるパターンの単位面積あたりの密度を小さくし、光の散乱を少なくし、光源から遠ざかるにつれて光散乱させるパターンの単位面積あたりの密度を高くし光の散乱を多くするものである。
【0016】
尚、被覆率は、例えば微小な凹凸で光散乱パターンを形成する場合には、単位面積あたりのドットの面積をいう。
【0017】
尚、図14において、パターンを模式的に表す円140の大きさは、被覆率の大きさを概念的に表したものであり、大きな円ほど被覆率が大きく、微小な凹凸で形成された光散乱パターンの場合、単位面積あたりのドット面積が大きいことを示している。
【0018】
このような光散乱パターンを形成することで、導光板全面に亘って均一に発光させることが可能となる。
【0019】
しかしながら、特許文献2に示した面光源装置のように、高輝度を得るため導光板から非常に絞られて寝た光を出射し、出射面から出た指向性のある光をプリズムシートにより法線方向に方向を変える指向性バックライト方式の面光源装置の場合、光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターン変化では均一な発光は得られなかった。図15に、光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターンを形成した導光板を上記した指向性バックライト方式の面光源装置に用いた場合の光源からの距離と輝度との関係を示す。図15に示すように、上記指向性バックライト方式の面光源装置では、光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターンを形成すると、光源から遠ざかるにつれて逆に輝度が高くなるということが判明した。
【0020】
【特許文献1】
特開平10−268138号公報
【特許文献2】
特公平7−27137号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
一般的なシルク印刷やドットパターン等の光散乱パターンを設ける方式では、光散乱パターンに光を当てることで光を散乱させ、導光板から積極的に光を出射させる方式のため、絞られて寝た光を出射させることは困難である。これに対して、導光板から絞られて寝た光を出射させるためには、導光板内を伝播する光の進行方向を徐々に変化させ、出射面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出射面より出射させる必要がある。
【0022】
上記した光の進行方向を徐々に変化させるパターンでは、光がパターンに一度当たっただけでは導光板から光は出射しないため、単純に光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターン変化では導光板の光源側の発光が極端に少なく、導光板全体の均一な発光は得られなかった。
【0023】
この発明は、上述した従来の問題点に鑑みなされたものにして、指向性バックライト方式の面光源装置において、均一な発光輝度が得られる装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明の面光源装置は、面状の導光板と、前記導光板の入射面側に配設される光源と、前記入射面から入射し、前記導光板内を伝播した光が出射される出射面と、前記出射面より出射する光を前記出射面の法線方向より所定の方向に指向させて出射させるために前記導光板の出射面又は反射面或いは出射面と反射面双方に多数形成された微小なシボ群からなるパターン面と、前記パターン面は前記導光板の入射側端面から遠ざかるにつれてシボの密度を粗くすることを特徴とする。
【0025】
また、この発明は、前記シボの密度を表面粗さで規定すると、前記導光板の入射面から入射面に対向する反対側端面に向かって1μmから0.01μmまでの範囲内で順次粗くする。
【0026】
また、前記光源は前記導光板の入射面に沿って配設される複数の点光源からなり、前記導光板の出射面側に対向する反射面に入射面から入射面に対向する反対側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムが形成され、このプリズムのピッチを5μmから500μm、頂角を100°から150°に設定するとよい。
【0027】
また、前記光源は前記導光板の入射面に沿って配設される線状光源からなり、前記導光板の出射面側に対向する反射面に入射面から入射面に対向する反対側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムが形成され、このプリズムのピッチを5μmから500μm、頂角を70°から100°に設定するよい。
【0028】
上記した構成によれば、指向性バックライト方式の面光源装置において、均一な発光輝度が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態につき、図面を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態にかかる面光源装置を用いた液晶表示装置を示す分解斜視図、図3は、この発明の実施形態にかかる面光源装置を用いた液晶表示装置を示す概略側面図である。
【0030】
図1に示すように、この実施形態は、透過型の液晶パネルユニット20、液晶パネルユニット20の下面に配置された面状の導光板1、及び導光板1の一側面に設けられた光入射側端面面に平行に配置された光源としての複数の白色発光ダイオード素子(LED)3…と、を備える。
【0031】
更に、面光源装置は、面状の導光板1の導光板の反射面側に配設される反射シート2と、導光板1の出射面側に配設されるプリズムシート5と、導光板1の入射面と対向する面に設けられた反射部材4と、で構成される。
【0032】
導光板1は、例えば、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)のような透光性樹脂を射出成形法により形成された板状部材である。
【0033】
導光板1には、出射面より出射する光を前記出射面の法線方向より所定の方向に指向させて出射させるために微小なシボ群11からなるパターン面が設けられる。このパターン面に形成されるシボ11(微小な凹凸)は、出射面側或いは反射面若しくは両面に設けられるが、この実施形態では図1の部分拡大図に示すように、出射面側にシボ11が形成される。シボ11の形状は、図2に示すように、略球面状突起で、その表面は反射した光が散乱せず、規則正しく所定の方向を向くように平滑曲面に形成されている。指向性バックライト方式の場合、導光板1に設けるパターンは光があまり散乱しないパターンにし、極く僅かに光の方向を変えながら反射を繰り返し導光するように設計している。
【0034】
図4に示すように、この実施形態では、シボ11にはグラデーションを設け、入射側端面から対向する反射側端面に向けて密から粗というようにシボ密度を変化させて形成する。すなわち、光源3から遠ざかるにつれて被覆率が低くなるようなパターン面が導光板1に施されている。
【0035】
尚、被覆率は、例えば微小な凹凸で光散乱パターンを形成する場合には、単位面積あたりのドットの面積をいう。
【0036】
また、図4において、パターンを模式的に表す円11の大きさは、被覆率の大きさを概念的に表したものであり、大きな円ほど被覆率が大きく、微小な凹凸で形成された光散乱パターンの場合、単位面積あたりのドット面積が大きいことを示している。
【0037】
ここで、シボ密度は表面粗さで規定され、具体的には表面粗さRa1.0〜0.01μmになるように規定し形成した。
【0038】
図5に示すように、この実施形態では、光源側の表面粗さRa0.42μmから反射面端側の表面粗さがRa0.10μmまで徐々に粗くなるように形成している。
【0039】
導光板1の反射面には、図1の部分拡大図に示すように、入射側端面から反射側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムが形成されている。具体的にはピッチ50μm、頂角135°の山形プリズムが形成されている。このプリズムの頂角は、LED3からの光を広げ、LED3,3間に明暗部ができるのを防止するために所定の角度、100°から150°度の範囲に形成するとよく、又、ピッチも設けるLED3の個数やその間の距離に応じて5μm500μmの範囲で選択すればよい。
【0040】
プリズムシート5は、アクリル樹脂のような透光性樹脂シートで形成され、片面に断面三角形の多数の平行凸条が形成されており、凸条の延長方向に直交する方向に出射面から出た指向性ある光を法線方向に方向転角する。配置方向は図1の部分拡大図に示すように、入射側端面から反射側端面に向かう縦軸に対して直交する方向に平行凸条51が配置される。
【0041】
反射シート2及び反射部材4は、正反射シート又は散乱型白色シートで形成されており、導光板1の反射面及び反射側端面の全面を覆うように配設されている。尚、白色ケースを近接してもよい。
【0042】
又、図1には示していないが、導光板1、反射シート2、LED3、反射部材4とは、白色ケースで固定される。導光板1の側端面から漏れる光はこの白色ケース6で反射され、導光板1内に戻される。
【0043】
また、図示はしていないが、LED3と導光板1との間には空気層が設けられ、これらLED3と導光板1とを高反射部材にて囲むように構成し、LED3からの光をもれなく導光体1内に案内するように構成している。
【0044】
図3に示すように、LED3を点灯すると、LED3から出た光は、導光板1の入射側端面から導光板1内に入射する。入射した光は、反射側端面に向かって出射面と反射面との間を反射しながら進んでいく。導光板1のシボ11及びプリズム12の表面は平滑球面状であるから、表面にて反射された光は散乱されず、極く僅かに光の方向を変えながら反射を繰り返し導光する。シボ11及びプリズム12の表面にて反射され、徐々に光の進行角度が変化し出射面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出射面より出射する。
【0045】
導光板1より出射する光は非常に絞られて寝た光となり、この出射面から出た指向性のある光をプリズムシート5により法線方向に方向を変える。視野角0度付近で効率良く光が出光される。
【0046】
導光板1に形成する表面粗さRaの値および変化度合いは用いる導光板1の形状により最適な値に決定されるが、本実施形態では、2インチ、34.8×47.4mmの導光板に適用した。この場合、表面粗さRaは、図5に示すように、Ra0.42〜0.1μmに規定した。
【0047】
図6乃至図9に、導光板のシボの表面を顕微鏡で観察したものを示す。図6は、表面粗さRaが0.1μmの状態、図7は、表面粗さRaが0.20μmの状態、図8は、表面粗さRaが0.30μmの状態、図9は、表面粗さRaが0.42μmの状態をそれぞれ示している。この実施形態では、導光板1の光源側が図9に示す状態であり、光源より遠ざかるにつれて図8,図7,図6の状態と徐々にその密度が粗くなるように形成している。
【0048】
図10、表1に、一定の表面粗さRaのシボを形成した4種類の比較例として導光板、並びに光源より遠ざかるにつれてその密度が粗くなるように形成したこの発明の実施形態の導光板をそれぞれ用意し、入光面からの輝度を測定した結果を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1及び図10から明らかなように、この発明の実施形態によれば、比較例に比べて、導光板全面に亘ってほぼ均一な輝度が得られる。また、各導光板は、入光面近くほど輝度が小さくなって行くが、この実施形態ではその落ち込み程度も少なく。
【0051】
上記した導光板は、次のように金型を形成し、この金型を用いて射出成型により形成する。導光板用金型の製造は、導光板用金型に平行にブラストノズルを前後左右に移動させ、球形のビーズを所定圧力で導光板用金型のキャビティ面にショットしてブラスト加工を行って、シボに対応する凹部を有する加工面を形成する。このブラスト加工の際、ブラストノズルの移動速度、ブラスト圧力を変化させ、導光板の光源側から遠ざかるにつれて徐々にその密度が粗くなる凹部がキャビティ面に凹部が形成される。尚、ブラストノズルを前後に移動させるときに、球形のビーズの径を変えて粗さを変化させることもできる。この金型を使用して形成された導光板のシボ形成面には、導光板1の光源側より遠ざかるにつれて徐々にその密度が粗くなるシボ11が形成される。
【0052】
図10は、この発明の他の実施形態を示す概略側面図である。この図11に示す実施形態は、導光板1の形状を平板形状にし、シボ密度を光源3側から遠ざかるにつれて粗くし、表面粗さRaを0.10〜0.07μmに設定にしたものである。
【0053】
この実施形態では、導光板1の入射側端面から導光板1内に入射した光(実線)は、反射側端面に向かって出射面と反射面との間を反射しながら進んで行き、シボ及びプリズム12の表面にて反射され、徐々に光の進行角度が変化し出射面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出射面より出射する。
【0054】
一方、導光板1より出射せず反射側端面まで到達した光(点線)は、反射側端面または反射部材で反射され戻り光となり、入射側端面へ向かって進んで行くようにしたものである。この場合も同様に、出射面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出射面より出射する。
【0055】
従って、導光板1より出射する光は2方向の非常に絞られて寝た光となり、この出射面から出た指向性のある光をプリズムシート5により法線方向に方向を変える。
【0056】
この実施形態によれば、単位面積当たりのシボ密度は、光源から遠ざかるにつれて粗くなるよう設定しているため導光板全面に渡って均一に発光させることが可能となる。
【0057】
しかも、戻り光の場合には、光が反射端面に到達するまでに、ある程度出射されているので、光源3側に向かうにつれ光の量は減って行く。戻り光から見ればシボの密度は徐々に大きくなることになるが、光の量が減って行くことから、従来のグラデーションと同様の効果が期待でき、より均一な輝度の発光が期待できる。
【0058】
一方、導光板1より出射せず反射側端面まで到達した光は、反射側端面または反射部材4で反射され戻り光となり入射側端面へ向かって進んで行き、同様に出射面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出射面より出射する。
【0059】
上記した実施形態においては、光源として点光源を用いたが、線状光源を用いても同様の効果が得られる。尚、線状光源を用いた場合においても、導光板1の反射面には、入射側端面から反射側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムを形成することが好ましい。この場合のプリズムは、頂角を線状光源からの光を導光板に収束させるように、所定の角度、70°から100°の範囲に形成するとよく、又、ピッチも5μmから500μmの範囲で選択すればよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、指向性バックライト方式の面光源装置において、導光板の全面から均一な発光輝度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態にかかる面光源装置を用いた液晶表示装置を示す分解斜視図である。
【図2】この発明の導光板に形成されるシボの形状を示す模式的側面図である。
【図3】この発明の実施形態にかかる面光源装置を用いた液晶表示装置を示す概略側面図である。
【図4】この発明の実施形態のパターンを形成した導光板を示す概略平面図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる導光板のシボ密度の表面粗さを光源からの距離に対応して示した関係図である。
【図6】導光板のシボの表面を顕微鏡で観察したものを示す図であり、表面粗さRaが0.10μmの状態を示す。
【図7】導光板のシボの表面を顕微鏡で観察したものを示す図であり、表面粗さRaが0.20μmの状態を示す。
【図8】導光板のシボの表面を顕微鏡で観察したものを示す図であり、表面粗さRaが0.30μmの状態を示す。
【図9】導光板のシボの表面を顕微鏡で観察したものを示す図であり、表面粗さRaが0.42μmの状態を示す。
【図10】この発明の他の実施形態にかかる面光源装置を用いた液晶表示装置を示す概略側面図である。
【図11】各表面粗さに対する入光面からの距離と輝度との関係を示す特性図である。
【図12】従来の面光源装置を用いた液晶表示装置の概略断面図である。
【図13】従来の面光源装置を用いた液晶表示装置の概略断面図である。
【図14】光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターンを形成した導光板を示す概略平面図である。
【図15】光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターンを形成した導光板を指向性バックライト方式の面光源装置に用いた場合の光源からの距離と輝度との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 導光板
2 反射シート
3 LED
4 反射部材
5 プリズムシート
11 シボ
【発明の属する技術分野】
本発明は、面光源装置に関し、導光板の出射面側にプリズムシートを配設し、照明光の利用効率を向上させた面光源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の軽量化、小型化及び低消費電力化を図る技術は著しく発展してきている。この技術の流れの中で、液晶表示装置に代表される非発光表示デバイスを用いることにより、電子機器が軽量化、小型化され、しかも低消費電力化されてきている。
【0003】
液晶表示装置としては、透過型と反射型とがあり、透過型の液晶表示装置には、液晶表示装置を裏側から照明する照明装置、いわゆるバックライトが設けられ、反射型の液晶表示装置には、液晶表示装置を表側から照明する照明装置、いわゆるフロントライトが設けられている。
【0004】
これらの照明装置は、線状光源或いは点光源と、この線状光源或いは点光源の光を一端面より入射され、表裏のいずれか一面より平面的に分散させて出射させる面状の導光板とを備えた面光源装置が知られている。このような面光源装置は、ほぼ均一な板厚により導光板を形成した方式のものと、線状光源より遠ざかるに従って導光板の板厚を徐々に薄く形成した形式のものとがある。
【0005】
従来のこの種の導光板を用いた面光源装置としては、例えば、図12に示すような液晶表示装置のバックライトに適用されたものがある。同図に示すように、この液晶表示装置は、透過型の液晶パネルユニット120、液晶パネルユニット120の下面に配置された導光板101、及び導光板101の一側面に平行に延びる線状光源7と、を備える。
【0006】
上記面光源装置は、導光板101の側方に線状光源7を配置し、反射シート102、導光板101、光拡散シート103、プリズムシート104及び105を順次積層して形成される。
【0007】
線状光源は、例えば、冷陰極管からなる蛍光ランプ7の周囲を、リフレクタ8で囲って形成され、リフレクタ8の開口側より導光板101の端面(以下、入射面という。)に照明光を入射する。ここでリフレクタ8は、入射光を正反射又は乱反射する例えば、シート材により形成される。
【0008】
反射シート102は、金属箔等からなるシート状の正反射部材、又は白色PETフィルム等からなるシート状の乱反射部材により形成され、導光板101より漏れ出す照明光を反射して導光板101に入射し、これにより照明光の利用効率が向上する。
【0009】
導光板101、透明部材からなる例えば、アクリル(PMMA樹脂)を射出成形して断面楔型形状に形成された板状の部材であり、反射シート102側の平面(以下、裏面という。)の全面がマット面処理により一様に粗面に形成される。これにより導光板101は、裏面に光拡散面を形成し、裏面と出射面との間を繰り返し反射して光を伝搬しながら、この光拡散面により照明光を散乱する。
【0010】
この伝播の際に、照明光は、裏面で反射する毎に出射面に対する入射角が低下し、出射面に対して臨界角以下の成分が出射面より出射される。この出射面より出射される照明光は、裏面に形成された粗面により散乱され、また、反射シート102に乱反射部材を適用した場合は、この反射シート102により乱反射して伝播すること等により、散乱光により出射される。しかしながら、この照明光は、出射面に対して伝播方向に傾いて形成された裏面を反射して伝播し、臨界角以下の成分が射出されることにより、主たる出射方向が楔型形状の先端方向に傾いて形成される。すなわち、導光板101からの出射光が指向性を有するようになり、これにより面光源装置は、指向出射性を有するようになる。
【0011】
プリズムシート104及び105は、この導光板101の指向性を補正するために配置される。すなわち、プリズムシート104及び105は、ポリカーボネート等の透光性のシート材で形成され、導光板101と対向する側とは逆側の面にプリズム面が形成される。このプリズム面は、一方向にほぼ平行に延長する断面三角形形状の突起が繰り返されて形成され、導光板101側のプリズムシート5は、この突起が入射面とほぼ平行に延長するように、プリズムシート105は、この突起が入射面とほぼ直交する方向に延長するように配置される。
【0012】
これにより、プリズムシート104及び105は、この三角形形状の突起の斜面で、出射光の主たる出射方向を出射面の正面方向に補正する。これによりこの面光源装置では、出射光を正面方向に効率良く出射できるようになされている。
【0013】
上記した面光源装置を改良し、入射面より入射した光源からの光の利用効率を更に向上させ、しかも高品位の照明光を出射することができる面光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種の面光源装置を図13に示す。図示はしないが、導光板101の裏面に、1対の斜面を有する凸部を繰り返し形成する。また、導光板101の出射面の全面がマット処理により一様に粗面に形成され、この出射面に光拡散面を形成する。導光板101の出射面に配置されるプリズムシート110の導光板101側に同種の凸部を繰り返し形成する。導光板101から出射された拡散光をプリズムシート110により指向性補正し出射することにより、照明光を効率良く出射して照明光の利用効率を向上させるものである。
【0014】
ところで、ある特定方向の輝度を大きくした面光源装置をバックライトとして用いると、低消費電力で高輝度の表示装置を得ることができる。そこで、導光板表面をできるだけ均一に粗面加工を施して、出射面の法線に対して70°〜80°方向に光を出射させ、この出射された光を導光体と対向する側の面にプリズム面が形成したプリズムシートにより、この方向を法線方向に変換させて出射させた面光源装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0015】
また、通常、面光源装置に用いられる導光板には、シルク印刷、ドットパターン等の光散乱パターンを設けられている。そして、図14に示すように、光源130(この図では点光源で構成している)から近い位置では単位面積あたりの被覆率ドットが小さく、光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターン140が導光板101に施されている。これは、光源130から遠ざかるほど導光板101から反射される光の光量が小さくなり、光源130から近いほど輝度が高くなるので、光散乱させるパターンの単位面積あたりの密度を小さくし、光の散乱を少なくし、光源から遠ざかるにつれて光散乱させるパターンの単位面積あたりの密度を高くし光の散乱を多くするものである。
【0016】
尚、被覆率は、例えば微小な凹凸で光散乱パターンを形成する場合には、単位面積あたりのドットの面積をいう。
【0017】
尚、図14において、パターンを模式的に表す円140の大きさは、被覆率の大きさを概念的に表したものであり、大きな円ほど被覆率が大きく、微小な凹凸で形成された光散乱パターンの場合、単位面積あたりのドット面積が大きいことを示している。
【0018】
このような光散乱パターンを形成することで、導光板全面に亘って均一に発光させることが可能となる。
【0019】
しかしながら、特許文献2に示した面光源装置のように、高輝度を得るため導光板から非常に絞られて寝た光を出射し、出射面から出た指向性のある光をプリズムシートにより法線方向に方向を変える指向性バックライト方式の面光源装置の場合、光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターン変化では均一な発光は得られなかった。図15に、光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターンを形成した導光板を上記した指向性バックライト方式の面光源装置に用いた場合の光源からの距離と輝度との関係を示す。図15に示すように、上記指向性バックライト方式の面光源装置では、光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターンを形成すると、光源から遠ざかるにつれて逆に輝度が高くなるということが判明した。
【0020】
【特許文献1】
特開平10−268138号公報
【特許文献2】
特公平7−27137号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
一般的なシルク印刷やドットパターン等の光散乱パターンを設ける方式では、光散乱パターンに光を当てることで光を散乱させ、導光板から積極的に光を出射させる方式のため、絞られて寝た光を出射させることは困難である。これに対して、導光板から絞られて寝た光を出射させるためには、導光板内を伝播する光の進行方向を徐々に変化させ、出射面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出射面より出射させる必要がある。
【0022】
上記した光の進行方向を徐々に変化させるパターンでは、光がパターンに一度当たっただけでは導光板から光は出射しないため、単純に光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターン変化では導光板の光源側の発光が極端に少なく、導光板全体の均一な発光は得られなかった。
【0023】
この発明は、上述した従来の問題点に鑑みなされたものにして、指向性バックライト方式の面光源装置において、均一な発光輝度が得られる装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明の面光源装置は、面状の導光板と、前記導光板の入射面側に配設される光源と、前記入射面から入射し、前記導光板内を伝播した光が出射される出射面と、前記出射面より出射する光を前記出射面の法線方向より所定の方向に指向させて出射させるために前記導光板の出射面又は反射面或いは出射面と反射面双方に多数形成された微小なシボ群からなるパターン面と、前記パターン面は前記導光板の入射側端面から遠ざかるにつれてシボの密度を粗くすることを特徴とする。
【0025】
また、この発明は、前記シボの密度を表面粗さで規定すると、前記導光板の入射面から入射面に対向する反対側端面に向かって1μmから0.01μmまでの範囲内で順次粗くする。
【0026】
また、前記光源は前記導光板の入射面に沿って配設される複数の点光源からなり、前記導光板の出射面側に対向する反射面に入射面から入射面に対向する反対側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムが形成され、このプリズムのピッチを5μmから500μm、頂角を100°から150°に設定するとよい。
【0027】
また、前記光源は前記導光板の入射面に沿って配設される線状光源からなり、前記導光板の出射面側に対向する反射面に入射面から入射面に対向する反対側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムが形成され、このプリズムのピッチを5μmから500μm、頂角を70°から100°に設定するよい。
【0028】
上記した構成によれば、指向性バックライト方式の面光源装置において、均一な発光輝度が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態につき、図面を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態にかかる面光源装置を用いた液晶表示装置を示す分解斜視図、図3は、この発明の実施形態にかかる面光源装置を用いた液晶表示装置を示す概略側面図である。
【0030】
図1に示すように、この実施形態は、透過型の液晶パネルユニット20、液晶パネルユニット20の下面に配置された面状の導光板1、及び導光板1の一側面に設けられた光入射側端面面に平行に配置された光源としての複数の白色発光ダイオード素子(LED)3…と、を備える。
【0031】
更に、面光源装置は、面状の導光板1の導光板の反射面側に配設される反射シート2と、導光板1の出射面側に配設されるプリズムシート5と、導光板1の入射面と対向する面に設けられた反射部材4と、で構成される。
【0032】
導光板1は、例えば、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)のような透光性樹脂を射出成形法により形成された板状部材である。
【0033】
導光板1には、出射面より出射する光を前記出射面の法線方向より所定の方向に指向させて出射させるために微小なシボ群11からなるパターン面が設けられる。このパターン面に形成されるシボ11(微小な凹凸)は、出射面側或いは反射面若しくは両面に設けられるが、この実施形態では図1の部分拡大図に示すように、出射面側にシボ11が形成される。シボ11の形状は、図2に示すように、略球面状突起で、その表面は反射した光が散乱せず、規則正しく所定の方向を向くように平滑曲面に形成されている。指向性バックライト方式の場合、導光板1に設けるパターンは光があまり散乱しないパターンにし、極く僅かに光の方向を変えながら反射を繰り返し導光するように設計している。
【0034】
図4に示すように、この実施形態では、シボ11にはグラデーションを設け、入射側端面から対向する反射側端面に向けて密から粗というようにシボ密度を変化させて形成する。すなわち、光源3から遠ざかるにつれて被覆率が低くなるようなパターン面が導光板1に施されている。
【0035】
尚、被覆率は、例えば微小な凹凸で光散乱パターンを形成する場合には、単位面積あたりのドットの面積をいう。
【0036】
また、図4において、パターンを模式的に表す円11の大きさは、被覆率の大きさを概念的に表したものであり、大きな円ほど被覆率が大きく、微小な凹凸で形成された光散乱パターンの場合、単位面積あたりのドット面積が大きいことを示している。
【0037】
ここで、シボ密度は表面粗さで規定され、具体的には表面粗さRa1.0〜0.01μmになるように規定し形成した。
【0038】
図5に示すように、この実施形態では、光源側の表面粗さRa0.42μmから反射面端側の表面粗さがRa0.10μmまで徐々に粗くなるように形成している。
【0039】
導光板1の反射面には、図1の部分拡大図に示すように、入射側端面から反射側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムが形成されている。具体的にはピッチ50μm、頂角135°の山形プリズムが形成されている。このプリズムの頂角は、LED3からの光を広げ、LED3,3間に明暗部ができるのを防止するために所定の角度、100°から150°度の範囲に形成するとよく、又、ピッチも設けるLED3の個数やその間の距離に応じて5μm500μmの範囲で選択すればよい。
【0040】
プリズムシート5は、アクリル樹脂のような透光性樹脂シートで形成され、片面に断面三角形の多数の平行凸条が形成されており、凸条の延長方向に直交する方向に出射面から出た指向性ある光を法線方向に方向転角する。配置方向は図1の部分拡大図に示すように、入射側端面から反射側端面に向かう縦軸に対して直交する方向に平行凸条51が配置される。
【0041】
反射シート2及び反射部材4は、正反射シート又は散乱型白色シートで形成されており、導光板1の反射面及び反射側端面の全面を覆うように配設されている。尚、白色ケースを近接してもよい。
【0042】
又、図1には示していないが、導光板1、反射シート2、LED3、反射部材4とは、白色ケースで固定される。導光板1の側端面から漏れる光はこの白色ケース6で反射され、導光板1内に戻される。
【0043】
また、図示はしていないが、LED3と導光板1との間には空気層が設けられ、これらLED3と導光板1とを高反射部材にて囲むように構成し、LED3からの光をもれなく導光体1内に案内するように構成している。
【0044】
図3に示すように、LED3を点灯すると、LED3から出た光は、導光板1の入射側端面から導光板1内に入射する。入射した光は、反射側端面に向かって出射面と反射面との間を反射しながら進んでいく。導光板1のシボ11及びプリズム12の表面は平滑球面状であるから、表面にて反射された光は散乱されず、極く僅かに光の方向を変えながら反射を繰り返し導光する。シボ11及びプリズム12の表面にて反射され、徐々に光の進行角度が変化し出射面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出射面より出射する。
【0045】
導光板1より出射する光は非常に絞られて寝た光となり、この出射面から出た指向性のある光をプリズムシート5により法線方向に方向を変える。視野角0度付近で効率良く光が出光される。
【0046】
導光板1に形成する表面粗さRaの値および変化度合いは用いる導光板1の形状により最適な値に決定されるが、本実施形態では、2インチ、34.8×47.4mmの導光板に適用した。この場合、表面粗さRaは、図5に示すように、Ra0.42〜0.1μmに規定した。
【0047】
図6乃至図9に、導光板のシボの表面を顕微鏡で観察したものを示す。図6は、表面粗さRaが0.1μmの状態、図7は、表面粗さRaが0.20μmの状態、図8は、表面粗さRaが0.30μmの状態、図9は、表面粗さRaが0.42μmの状態をそれぞれ示している。この実施形態では、導光板1の光源側が図9に示す状態であり、光源より遠ざかるにつれて図8,図7,図6の状態と徐々にその密度が粗くなるように形成している。
【0048】
図10、表1に、一定の表面粗さRaのシボを形成した4種類の比較例として導光板、並びに光源より遠ざかるにつれてその密度が粗くなるように形成したこの発明の実施形態の導光板をそれぞれ用意し、入光面からの輝度を測定した結果を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1及び図10から明らかなように、この発明の実施形態によれば、比較例に比べて、導光板全面に亘ってほぼ均一な輝度が得られる。また、各導光板は、入光面近くほど輝度が小さくなって行くが、この実施形態ではその落ち込み程度も少なく。
【0051】
上記した導光板は、次のように金型を形成し、この金型を用いて射出成型により形成する。導光板用金型の製造は、導光板用金型に平行にブラストノズルを前後左右に移動させ、球形のビーズを所定圧力で導光板用金型のキャビティ面にショットしてブラスト加工を行って、シボに対応する凹部を有する加工面を形成する。このブラスト加工の際、ブラストノズルの移動速度、ブラスト圧力を変化させ、導光板の光源側から遠ざかるにつれて徐々にその密度が粗くなる凹部がキャビティ面に凹部が形成される。尚、ブラストノズルを前後に移動させるときに、球形のビーズの径を変えて粗さを変化させることもできる。この金型を使用して形成された導光板のシボ形成面には、導光板1の光源側より遠ざかるにつれて徐々にその密度が粗くなるシボ11が形成される。
【0052】
図10は、この発明の他の実施形態を示す概略側面図である。この図11に示す実施形態は、導光板1の形状を平板形状にし、シボ密度を光源3側から遠ざかるにつれて粗くし、表面粗さRaを0.10〜0.07μmに設定にしたものである。
【0053】
この実施形態では、導光板1の入射側端面から導光板1内に入射した光(実線)は、反射側端面に向かって出射面と反射面との間を反射しながら進んで行き、シボ及びプリズム12の表面にて反射され、徐々に光の進行角度が変化し出射面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出射面より出射する。
【0054】
一方、導光板1より出射せず反射側端面まで到達した光(点線)は、反射側端面または反射部材で反射され戻り光となり、入射側端面へ向かって進んで行くようにしたものである。この場合も同様に、出射面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出射面より出射する。
【0055】
従って、導光板1より出射する光は2方向の非常に絞られて寝た光となり、この出射面から出た指向性のある光をプリズムシート5により法線方向に方向を変える。
【0056】
この実施形態によれば、単位面積当たりのシボ密度は、光源から遠ざかるにつれて粗くなるよう設定しているため導光板全面に渡って均一に発光させることが可能となる。
【0057】
しかも、戻り光の場合には、光が反射端面に到達するまでに、ある程度出射されているので、光源3側に向かうにつれ光の量は減って行く。戻り光から見ればシボの密度は徐々に大きくなることになるが、光の量が減って行くことから、従来のグラデーションと同様の効果が期待でき、より均一な輝度の発光が期待できる。
【0058】
一方、導光板1より出射せず反射側端面まで到達した光は、反射側端面または反射部材4で反射され戻り光となり入射側端面へ向かって進んで行き、同様に出射面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出射面より出射する。
【0059】
上記した実施形態においては、光源として点光源を用いたが、線状光源を用いても同様の効果が得られる。尚、線状光源を用いた場合においても、導光板1の反射面には、入射側端面から反射側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムを形成することが好ましい。この場合のプリズムは、頂角を線状光源からの光を導光板に収束させるように、所定の角度、70°から100°の範囲に形成するとよく、又、ピッチも5μmから500μmの範囲で選択すればよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、指向性バックライト方式の面光源装置において、導光板の全面から均一な発光輝度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態にかかる面光源装置を用いた液晶表示装置を示す分解斜視図である。
【図2】この発明の導光板に形成されるシボの形状を示す模式的側面図である。
【図3】この発明の実施形態にかかる面光源装置を用いた液晶表示装置を示す概略側面図である。
【図4】この発明の実施形態のパターンを形成した導光板を示す概略平面図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる導光板のシボ密度の表面粗さを光源からの距離に対応して示した関係図である。
【図6】導光板のシボの表面を顕微鏡で観察したものを示す図であり、表面粗さRaが0.10μmの状態を示す。
【図7】導光板のシボの表面を顕微鏡で観察したものを示す図であり、表面粗さRaが0.20μmの状態を示す。
【図8】導光板のシボの表面を顕微鏡で観察したものを示す図であり、表面粗さRaが0.30μmの状態を示す。
【図9】導光板のシボの表面を顕微鏡で観察したものを示す図であり、表面粗さRaが0.42μmの状態を示す。
【図10】この発明の他の実施形態にかかる面光源装置を用いた液晶表示装置を示す概略側面図である。
【図11】各表面粗さに対する入光面からの距離と輝度との関係を示す特性図である。
【図12】従来の面光源装置を用いた液晶表示装置の概略断面図である。
【図13】従来の面光源装置を用いた液晶表示装置の概略断面図である。
【図14】光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターンを形成した導光板を示す概略平面図である。
【図15】光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターンを形成した導光板を指向性バックライト方式の面光源装置に用いた場合の光源からの距離と輝度との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 導光板
2 反射シート
3 LED
4 反射部材
5 プリズムシート
11 シボ
Claims (4)
- 面状の導光板と、前記導光板の入射面側に配設される光源と、前記入射面から入射し、前記導光板内を伝播した光が出射される出射面と、前記出射面より出射する光を前記出射面の法線方向より所定の方向に指向させて出射させるために前記導光板の出射面又は反射面或いは出射面と反射面双方に多数形成された微小なシボ群からなるパターン面と、前記パターン面は前記導光板の入射側端面から遠ざかるにつれてシボの密度を粗くすることを特徴とする面光源装置。
- 前記シボの密度を表面粗さで規定すると、前記導光板の入射面から入射面に対向する反対側端面に向かって1μmから0.01μmまでの範囲内で順次粗くすることを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
- 前記光源は前記導光板の入射面に沿って配設される複数の点光源からなり、前記導光板の出射面側に対向する反射面に入射面から入射面に対向する反対側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムが形成され、このプリズムのピッチを5μmから500μm、頂角を100°から150°に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の面光源装置。
- 前記光源は前記導光板の入射面に沿って配設される線状光源からなり、前記導光板の出射面側に対向する反射面に入射面から入射面に対向する反対側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムが形成され、このプリズムのピッチを5μmから500μm、頂角を70°から100°に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の面光源装置。
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041216 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070118 |