JP2004193010A - ツイストペア線の接続構造および該接続構造を使用する近磁界非接触通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ツイストペア線への加工が必要なく、水分の侵入による不具合もない信頼性の高いツイストペア線の接続構造を提供すること、およびこの接続構造を使用して、安価で信頼性の高い通信データの送受信を実現できる近磁界非接触通信装置を提供すること。
【解決手段】ツイストペア線の接続構造は、幹線用ツイストペア線1の一部を広げて第1のループ状部1aを形成すると共に、支線用ツイストペア線2の一部を広げて第2のループ状部2aを形成し、第1のループ状部1aと第2のループ状部2aを近接させて固定手段3で固定することにより、幹線用ツイストペア線1に信号を流したときに第1のループ状部1aと第2のループ状部2aの電磁誘導結合を生じるように構成し、幹線用ツイストペア線1からの信号を支線用ツイストペア線2へ非接触で伝達する。
【選択図】 図1
【解決手段】ツイストペア線の接続構造は、幹線用ツイストペア線1の一部を広げて第1のループ状部1aを形成すると共に、支線用ツイストペア線2の一部を広げて第2のループ状部2aを形成し、第1のループ状部1aと第2のループ状部2aを近接させて固定手段3で固定することにより、幹線用ツイストペア線1に信号を流したときに第1のループ状部1aと第2のループ状部2aの電磁誘導結合を生じるように構成し、幹線用ツイストペア線1からの信号を支線用ツイストペア線2へ非接触で伝達する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ツイストペア線の接続構造および該接続構造を使用する近磁界非接触通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両における電子制御ユニット(ECU)間の電気的な接続は、通常ワイヤハーネスを使用して行われている。
【0003】
図10は、ECU間の電気的接続構造の一例を示す図であり、ECU51,61,71,81間の電気的な接続は、電源線と信号線の混合ワイヤハーネス100を使用し、混合ワイヤハーネスの分岐により行われている。
【0004】
また、ECU間の信号伝達のために、ツイストペア線が使用されることもある。ツイストペア線は、伝達すべき信号に対する外来ノイズの影響を低減することができる線である。このツイストペア線を使用してECU間で信号伝達を行っている場合、さらに別のECUに信号伝達をしたいときにはツイストペア線を分岐させて別のECUとの接続を行うことがある。
【0005】
図11は、ツイストペア線の接続構造の一例を示す。図11においては、たとえば、ECU51からECU71へ信号を伝達する幹線用ツイストペア線101に対して、ECU51からECU61にも信号を伝達する支線用ツイストペア線102を分岐接続する構造を示している。この接続構造は、幹線用ツイストペア線101の途中位置において、被覆材のみを切断・除去することにより露出した芯線101aに、同じく端部が露出された支線用ツイストペア線102の芯線102aを中間ジョイント用端子103をかしめることにより分岐接続する構成とされている。
【0006】
ここで、分岐接続を行う手順について説明すると、まず、接続前の幹線用ツイストペア線101の途中位置における撚りを部分的にほどき、その部分における絶縁被覆を除去する。そして、幹線用ツイストペア線101および支線用ツイストペア線102のそれぞれの露出された芯線101a、102aを中間ジョイント端子103によって圧着接続した後、絶縁テープ(図示しない)をその接続部位に巻き付けることにより絶縁保護する。さらにその後、撚りを戻すことにより接続が完了する。(このような接続構造は、たとえば、特許文献1に開示されている。)
【0007】
次に、図12は、ツイストペア線の接続構造の他の例を示す。図12においては、たとえば、ECU51から信号を伝達する幹線用ツイストペア線101を、ジョイントコネクタ104によりECU71に信号を伝達する支線用ツイストペア線102に接続する構造を示している。この接続構造では、まず、幹線用ツイストペア線101の端部において撚りを所定の長さL1(たとえば、80〜100mm)だけほどき、その先端部における絶縁被覆を除去し、同様に、支線用ツイストペア線102の端部において撚りを所定の長さL1だけほどき、その先端部における絶縁被覆を除去し、先端部同士をジョイントコネクタ104で電気的に接続する。幹線用ツイストペア線101および支線用ツイストペア線102において撚りをほどいた部分とほどいていない部分の境目には、粘着テープ105が巻き付けられ、幹線用ツイストペア線101および支線用ツイストペア線102の撚りをほどいた部分を合わせた長さL2は、所定の長さL1の2倍(すなわち、160〜200mm)になる。
【0008】
次に、図13は、ツイストペア線の接続構造のさらに他の例を示す。図13においては、たとえば、ECU51から信号を伝達する幹線用ツイストペア線101を、ジョイントコネクタ104によりそれぞれECU61,71、81に信号を伝達する3組の支線用ツイストペア線102に接続する構造を示している。この接続構造の場合も、図12の場合と同様に、幹線用ツイストペア線101の端部において撚りを所定の長さL1(たとえば、80〜100mm)だけほどき、その先端部における絶縁被覆を除去し、また、支線用ツイストペア線102の端部において撚りを所定の長さL1だけほどき、その先端部における絶縁被覆を除去し、先端部同士をジョイントコネクタ104で電気的に接続する。幹線用ツイストペア線101および支線用ツイストペア線102において撚りをほどいた部分とほどいていない部分の境目には、粘着テープ105が巻き付けられる。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−151169号公報(第2頁、図15)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来のツイストペア線の接続構造では、中間ジョイント端子やジョイントコネクタに接続するためにツイストペア線の絶縁被膜の除去等の加工が必要であり、また中間ジョイント端子やジョイントコネクタ部分からの芯線への水分侵入による不具合が発生するおそれがあった。
【0011】
また、ツイストペア線の撚りをほどいた部分(たとえば、図12および図13参照)が、製造上の理由からほどかれたままとされ、その部分でのツイスト効果が無くなってしまうという問題があった。
【0012】
そこで本発明の第1の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、ツイストペア線への加工が必要なく、水分の侵入による不具合もない信頼性の高いツイストペア線の接続構造を提供することである。
【0013】
また、本発明の第2の目的は、本発明によるツイストペア線の接続構造を使用して、安価で信頼性の高い通信データの送受信を実現できる近磁界非接触通信装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、幹線用ツイストペア線の一部を広げて第1のループ状部を形成すると共に、支線用ツイストペア線の一部を広げて第2のループ状部を形成し、前記第1のループ状部と前記第2のループ状部を近接させて固定手段で固定することにより、前記幹線用ツイストペア線に信号を流したときに前記第1のループ状部と前記第2のループ状部の電磁誘導結合を生じるように構成し、前記幹線用ツイストペア線からの信号を前記支線用ツイストペア線へ非接触で伝達することを特徴とするツイストペア線の接続構造に存する。
【0015】
請求項1記載の発明によれば、ツイストペア線の接続構造は、幹線用ツイストペア線の一部を広げて第1のループ状部を形成すると共に、支線用ツイストペア線の一部を広げて第2のループ状部を形成し、第1のループ状部と第2のループ状部を近接させて固定手段で固定することにより、幹線用ツイストペア線に信号を流したときに第1のループ状部と第2のループ状部の電磁誘導結合を生じるように構成し、幹線用ツイストペア線からの信号を支線用ツイストペア線へ非接触で伝達するので、ツイストペア線への加工が必要なく、水分の侵入による不具合もない安価で信頼性の高い接続構造を実現できる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、前記第1のループ状部および前記第2のループ状部は、ほぼ同一径に形成されることを特徴とする請求項1記載のツイストペア線の接続構造に存する。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、第1のループ状部および第2のループ状部は、ほぼ同一径に形成されるので、固定作業がやり易く、作業性が向上する。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、前記固定手段は、粘着テープであることを特徴とする請求項1または2記載のツイストペア線の接続構造に存する。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、固定手段は、粘着テープであるので、製造コストが安価となる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、前記固定手段は、コイルボビンであることを特徴とする請求項1または2記載のツイストペア線の接続構造に存する。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、固定手段は、コイルボビンであるので、固定作業がやり易く、作業性が向上する。
【0022】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のツイストペア線の接続構造を使用する近磁界非接触通信装置であって、前記幹線用ツイストペア線の前記ループ状部を第1のアンテナとする第1の通信ユニットと、前記支線用ツイストペア線の前記ループ状部を第2のアンテナとする第2の通信ユニットとを備え、前記第1の通信ユニットと前記第2の通信ユニットは、前記第1のループ状部と前記第2のループ状部の電磁誘導結合によりデータを送受信することを特徴とする近磁界非接触通信装置に存する。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、近磁界非接触通信装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載のツイストペア線の接続構造を使用する近磁界非接触通信装置であって、幹線用ツイストペア線のループ状部を第1のアンテナとする第1の通信ユニットと、支線用ツイストペア線のループ状部を第2のアンテナとする第2の通信ユニットとを備え、第1の通信ユニットと第2の通信ユニットは、第1のループ状部と第2のループ状部の電磁誘導結合によりデータを送受信するので、安価で信頼性の高い通信データの送受信を実現できる。
【0024】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、前記第1および第2の通信ユニットは、それぞれ、前記アンテナとの間に接続されたインピーダンス調整用トランスを含むことを特徴とする請求項5記載の近磁界非接触通信装置に存する。
【0025】
請求項6記載の発明によれば、第1および第2の通信ユニットは、それぞれ、アンテナとの間に接続されたインピーダンス調整用トランスを含むので、受信効率を向上させて、微弱な信号による電磁結合通信を実現できる。
【0026】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の発明は、前記第1の通信ユニットはマスターECUであり、前記第2の通信ユニットはスレーブECUであることを特徴とする請求項5または6記載の近磁界非接触通信装置に存する。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、第1の通信ユニットはマスターECUであり、第2の通信ユニットはスレーブECUであるので、マスタースレーブ通信方式において微弱な信号による電磁結合通信を実現できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本発明に係るツイストペア線の接続構造の第1の実施形態を示す図である。図1に示す接続構造は、幹線用ツイストペア線1の一部に形成された第1のループ状部としてのループ状部1aと、支線用ツイストペア線2の一部に形成された第2のループ状部としてのループ状部2aとを近接させ、固定手段としての粘着テープ3で固定することにより、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2を電磁誘導結合により非接触で接続する構成とされている。
【0030】
この接続を行う手順について説明すると、まず、幹線用ツイストペア線1における任意のポイントで、撚りをループ状に広げて所定の径(たとえば、20〜30mm)のループ状部1aを形成する。次に、支線用ツイストペア線2の一部、たとえば先端部において撚りをループ状に広げてループ状部1aとほぼ同一径のループ状部2aを形成する。次に、ループ状部1aとループ状部2aを互いに重ね合わせることにより近接させ、数箇所(図1においては、2箇所)で粘着テープ3で固定する。
【0031】
このように構成した場合、幹線用ツイストペア線1に信号を流したとき、ループ状部1aとループ状部2a間に電磁誘導結合を発生する電磁誘導結合部EMCが形成され、幹線用ツイストペア線1に流れている信号が電磁誘導結合によりループ状部1aからループ状部2aを介して、支線用ツイストペア線2へ伝達される。
【0032】
以上のように第1の実施形態によれば、幹線用ツイストペア線1のループ状部1aと、支線用ツイストペア線2のループ状部2aとを近接させ粘着テープ3で固定することにより、ループ状部1a、2a間の電磁誘導結合により幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2を非接触で接続するので、従来のようなツイストペア線への加工が必要なく、かしめ部やコネクタ部からの水分の侵入による不具合もない安価で信頼性の高い接続構造を実現できる。また、ループ状部1aおよびループ状部2aは、ほぼ同一径に形成されるので、固定作業がやり易く、作業性が向上する。固定手段は、粘着テープであるので、製造コストが安価となる。
【0033】
次に、図2は、本発明に係るツイストペア線の接続構造の第2の実施形態を示す図である。図2に示す接続構造は、幹線用ツイストペア線1の一部に形成されたループ状部1aと、支線用ツイストペア線2の一部に形成されたループ状部2aとを、固定手段として使用するコイルボビン4に巻き付けて近接させることによって、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2を電磁誘導結合により非接触で接続する構成とされている。コイルボビン4は、中間仕切部4cの両側に所定の径(たとえば、20〜30mm)を有する2つの巻き付け部4a,4bを備えており、巻き付け部4aにループ状部1aが巻き付けられ、巻き付け部4bにループ状部2aが巻き付けられる。
【0034】
この接続を行う手順について説明すると、まず、幹線用ツイストペア線1における先端部で、撚りをループ状に広げてループ状部1aを形成する。次に、コイルボビン4を用意し、その巻き付け部4aにループ状部1aをはめ込む。次に、支線用ツイストペア線2の先端部で、撚りをループ状に広げてループ状部2aを形成する。次に、コイルボビン4の巻き付け部4bにループ状部2aをはめ込む。
【0035】
このように構成した場合、幹線用ツイストペア線1のループ状部1aと支線用ツイストペア線2のループ状部2aは、コイルボビン4によって互いに近接して固定され、幹線用ツイストペア線1に信号を流したとき、ループ状部1aとループ状部2a間に電磁誘導結合を発生する電磁誘導結合部EMCが形成され、幹線用ツイストペア線1に流れている信号が上述の電磁誘導結合によりループ状部1aからループ状部2aを介して、支線用ツイストペア線2へ伝達される。
【0036】
以上のように第2の実施形態によれば、幹線用ツイストペア線1のループ状部1aと、支線用ツイストペア線2のループ状部2aとを近接させコイルボビン4で固定することにより、ループ状部1a、2a間の電磁誘導結合により幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2を非接触で接続するので、従来のようなツイストペア線への加工が必要なく、水分の侵入による不具合もない安価で信頼性の高い接続構造を実現できる。また、固定手段はコイルボビンであるので、固定作業がやり易く、作業性が向上する。
【0037】
次に、上述の本発明によるツイストペア線の接続構造を使用する近磁界非接触通信装置の構成例について、図3を参照して説明する。図3に示すように、近磁界非接触通信装置は、たとえば、第1の通信ユニットとしてのマスターECU31と、第2の通信ユニットとしての複数のスレーブECU、たとえば3つのスレーブECU41a,41b,41cとの間のマスタースレーブ通信を、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2の接続構造をアンテナとして使用することにより行うものである。
【0038】
すなわち、マスターECU31には、途中部分の2箇所および先端部の3箇所にそれぞれループ状部1aを形成した幹線用ツイストペア線1が接続され、スレーブECU41a,41b,41cには、先端部にループ状部2aを形成した支線用ツイストペア線2がそれそれ接続されている。各ループ状部1aと各ループ状部2aは、図1または図2に示す構成により、電磁誘導結合を発生する電磁誘導結合部EMCが形成されている。
【0039】
次に、図4は、マスターECU31の構成例を示すブロック図である。マスターECU31は、+12Vバッテリより給電されたデータ通信回路33とマイクロコンピュータ(CPU)34を備えている。データ通信回路33は、その一部にループ状部1aを有する幹線用ツイストペア線1がアンテナとして接続され、マスタースレーブ通信を行うようにCPU34により制御される送信部33Aと受信部33Bを備えている。CPU34には、各種スイッチ35やLED(発光ダイオード)等からなるインジケータ36が接続されている。
【0040】
データ通信回路33は、送信部33A、受信部33Bおよび電源部33Cを有する。送信部33Aは、CPU34のクロックパルス(たとえば、125kHz)が供給され、このクロックパルスをベース信号として、CPU34から供給される送信データ(Tx)によりオンオフ変調する変調回路33aと、変調回路33aからの被変調波パルスを正弦波に波形整形する波形整形フィルタ33bと、波形整形フィルタ33bの出力が供給されてツイストペア線1を駆動する送信ドライバ33cと、CPU34からの送受信切換信号TRchに基づいてデータ通信回路33を送信許可状態または受信許可状態に切り換えるように制御すると共に、CPU34からの電力制御信号(Pcnt)に基づいてデータ通信回路33を低消費電力モード状態に切り換えるように制御する制御部33dとを有する。
【0041】
受信部33Bは、ツイストペア線1に接続され、CPU34のクロックパルス周波数(125kHz)に同調する同調回路33eと、同調回路33eの出力を復調してデータを取得して、CPU34に供給する復調回路33fとを有する。
【0042】
電源部33Cは、+12Vバッテリに接続され、データ通信回路33の各部に適切な電源電圧を供給すると共に、CPU34に+5V電源電圧を供給する。
【0043】
次に、図5は、スレーブECU41aの構成例を示すブロック図である。スレーブECU41aは、+12Vバッテリより給電されたデータ通信回路43とマイクロコンピュータ(CPU)44を備えている。データ通信回路43は、その一部にループ状部2aを有する支線用ツイストペア線2がアンテナとして接続され、マスタースレーブ通信を行うようにCPU44により制御される送信部43Aと受信部43Bを備えている。CPU44には、各種スイッチ45やLED(発光ダイオード)等からなるインジケータ46が接続されている。
【0044】
データ通信回路43は、送信部43A、受信部43Bおよび電源部43Cを有する。送信部43Aは、CPU44のクロックパルス(たとえば、125kHz)が供給され、このクロックパルスをベース信号として、CPU44から供給される送信データ(Tx)によりオンオフ変調する変調回路43aと、変調回路43aからの被変調波パルスを正弦波に波形整形する波形整形フィルタ43bと、波形整形フィルタ43bの出力が供給されて支線用ツイストペア線2を駆動する送信ドライバ43cと、CPU44からの送受信切換信号TRchに基づいてデータ通信回路43を送信許可状態または受信許可状態に切り換えるように制御すると共に、CPU44からの電力制御信号(Pcnt)に基づいてデータ通信回路43を低消費電力モード状態に切り換えるように制御する制御部43dとを有する。
【0045】
受信部43Bは、支線用ツイストペア線2に接続され、CPU44のクロックパルス周波数(125kHz)に同調する同調回路43eと、同調回路43eの出力を復調してシリアル通信形式のデータを取得して、CPU44に供給する復調回路43fとを有する。
【0046】
電源部43Cは、+12Vバッテリに接続され、データ通信回路43の各部に適切な電源電圧を供給すると共に、CPU44に+5V電源電圧を供給する。
【0047】
なお、スレーブECU41b,41cは、上述のスレーブECU41aと同一の構成を有するものとし、ここではその説明を省略する。
【0048】
次に、上述の構成を有するマスターECU31とスレーブECU41a,41b,41cの動作について、図6に示す各部信号波形図を参照しながら説明する。
【0049】
マスターECU31とスレーブECU41a,41b,41cは、図6に示すように、送受信切換信号TRchにより、マスターECU31が送信許可状態となる時はスレーブECU41a,41b,41cが受信許可状態となり、各スレーブECU41a,41b,41c送信許可状態となる時はマスターECU31が受信許可状態となって、交互に送信、受信を行うことができる。
【0050】
まず、マスターECU31からスレーブECU41a,41b,41cへデータを送信する場合は、マスターECU31のCPU34は、送受信切換信号TRchによる送信許可状態時に、125kHzクロックパルスを変調回路33aに供給すると共に、各種スイッチ35等から与えられた指示信号に基づくデータをシリアル通信形式で受け取り、変調回路33aに送信データ(Tx)として供給する。変調回路33aは、125kHzクロックパルスをベース信号として上記送信データによりオンオフ変調し、被変調波パルス出力を波形整形フィルタ33bに供給する。波形整形フィルタ33bは、変調回路33aからの被変調波パルス出力を波形整形し、正弦波状の被変調波出力を送信ドライバ33cに供給する。送信ドライバ33cは、波形整形フィルタ33bからの正弦波状の被変調波出力を増幅して幹線用ツイストペア線1に供給し、ループ状部1aを駆動する。
【0051】
マスターECU31が送信許可状態となっている時、スレーブECU41a は受信許可状態となっている。そこで、スレーブECU41aの支線用ツイストペア線2のループ状部2aは、電磁誘導結合によりループ状部1aから正弦波状の被変調波が伝達される。ループ状部2aに伝達された正弦波状の被変調波は、同調回路43eを介して復調回路43fで復調されて、データ(Rx(=Tx))が取得され、CPU44に供給される。CPU44は、供給されたデータ(Rx)の内容に応じて、各種スイッチ45等を制御すると共に、対応するインジケータ46を点灯させる。
【0052】
次に、マスターECU31は、送受信切換信号TRchにより受信許可状態となり、スレーブECU41aは、送受信切換信号TRchにより送信許可状態となる。スレーブECU41aのCPU44は、送受信切換信号TRchによる送信許可状態時に、125kHzクロックパルスを変調回路33aに供給すると共に、各種スイッチ45等から与えられた指示信号に基づくデータをシリアル通信形式で受け取り、変調回路43aに送信データ(Tx)として供給する。変調回路43aは、125kHzクロックパルスをベース信号として上記送信データによりオンオフ変調し、被変調波パルス出力を波形整形フィルタ33bに供給する。波形整形フィルタ33bは、変調回路33aからの被変調波パルス出力を波形整形し、正弦波状の被変調波出力を送信ドライバ33cに供給する。送信ドライバ33cは、波形整形フィルタ33bからの正弦波状の被変調波出力を増幅して幹線用ツイストペア線1に供給し、ループ状部2aを駆動する。
【0053】
そこで、マスターECU31の幹線用ツイストペア線1のループ状部1aは、電磁誘導結合部EMCにおける電磁誘導結合作用によりループ状部2aから正弦波状の被変調波が伝達される。ループ状部1aに伝達された正弦波状の被変調波は、同調回路33eを介して復調回路33fで復調されて、データ(Rx(=Tx))が取得され、CPU34に供給される。CPU34は、供給されたデータ(Rx)の内容に応じて、各種スイッチ35等を制御すると共に、対応するインジケータ36を点灯させる。
【0054】
次に、マスターECU31は、送受信切換信号TRchにより再び送信許可状態となり、このとき、スレーブECU41bは、送受信切換信号TRchにより受信許可状態となっている。そして、スレーブECU41bは、上述のスレーブECU41aと同様の動作により、マスターECU31から送信されたデータをループ状部1aとループ状部2aの電磁誘導結合を介して受信する。次に、マスターECU31は、送受信切換信号TRchにより再び、受信許可状態となり、スレーブECU41bは、送受信切換信号TRchにより送信許可状態となる。
そして、スレーブECU41bは、上述のスレーブECU41aと同様の動作により、ループ状部1aとループ状部2aの電磁誘導結合を介してデータをマスターECU31へ送信する。
【0055】
次に、マスターECU31は、送受信切換信号TRchにより再び送信許可状態となり、このとき、スレーブECU41cは、送受信切換信号TRchにより受信許可状態となっている。そして、スレーブECU41cは、上述のスレーブECU41bと同様の動作により、マスターECU31からのデータをループ状部1aとループ状部2aの電磁誘導結合を介して受信し、次いで、マスターECU31が受信許可状態、スレーブECU41cが送信許可状態に切り替わり、スレーブECU41cからのデータが、ループ状部1aとループ状部2aの電磁誘導結合を介して、マスターECU31へ送信される。
【0056】
以下、上述の順番で、マスターECU31とスレーブECU41a,41b,41cとの間でデータの送受信がマスタースレーブ通信形式で行われる。
【0057】
このように、上述の構成の近磁界非接触通信装置では、幹線用ツイストペア線1のループ状部1aをアンテナとするマスターECU31と、支線用ツイストペア線2のループ状部2aをアンテナとするスレーブECU41a,41b,41cとが、ループ状部1aとループ状部2aの電磁誘導結合によりデータを送受信するので、マスタースレーブ通信方式においてマスターECUの通信ラインからの各スレーブECUへの分岐を微弱な信号による電磁結合通信により簡単に行うことができ、安価で信頼性の高い通信データの送受信を実現できる。
【0058】
また、電磁誘導結合を使用する近磁界非接触通信では、アンテナが非常に重要であり、アンテナは、通信回路とマッチング処理を行い、相手側通信ECUのアンテナと近距離で対向した位置に確実に固定され、決められたアンテナ位置関係を保った状態でないと、通信を実現することができず、アンテナの固定方法や、相手のアンテナとのズレ等の公差等を考慮した通信技術による信頼性の確保が困難であるという問題があるが、上述の近磁界非接触通信装置は、図1または図2に示すツイストペア線の接続構造を使用することによって、上述の問題を克服して、信頼性の高い近磁界非接触通信を行うことができる。
【0059】
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
【0060】
たとえば、ツイストペア線をアンテナとして使用すると、アンテナインピーダンスが非常に低くなるため、図7に示す他の実施例のように、マスターECU31、スレーブECU41a(および41b,41c)側共に、幹線用ツイストペア線1および支線用ツイストペア線2と、データ通信回路33,43の間に小型のインピーダンス調整用トランスIRTを接続しても良い。
【0061】
このインピーダンス調整用トランスIRTは、たとえば、データ通信回路33,34に接続する側の巻線数とツイストペア線1,2に接続する側の巻線数の比を、たとえば4:1とした構成とされ、ツイストペア線1,2を直接データ通信回路33,43に接続した場合よりもインピーダンスが高くなる。そのため、データ通信回路33,43の受信部33B,43Bにおける受信効率が、図4および図5の回路構成の場合よりも向上するように改善され、微弱な信号による電磁結合通信を実現できる。
【0062】
また、さらに他の実施例として、図8に示すように、ECU51,61,71,81間で、電源供給は、ワイヤハーネスによる電源線110で行い、信号伝達は、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2の電磁誘導結合部EMCを介して行うように構成しても良い。
【0063】
また、さらに他の実施例として、図9に示すように、バッテリ(図示しない)から車両のインパネ93に配置される機器への電源および信号伝達の際、電源供給は、電源用のジャンクションボックス(J/B)92を介する電源線110で行い、機器への信号伝達は、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2の電磁誘導結合部EMCを介して行うように構成しても良い。
【0064】
図9では、車体側からインパネ91側への電源供給は、J/B92を介しているが、車体側からインパネ91側への信号伝達は、J/B92を介さずに幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2の電磁誘導結合部EMCを介して行い、また、インパネ92において、ステアリング94の左側に配置されたナビゲーション装置91に対しての信号伝達も、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2の電磁誘導結合部EMCを介して行うように構成している。
【0065】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ツイストペア線への加工が必要なく、水分の侵入による不具合もない安価で信頼性の高い接続構造を実現できる。
【0066】
請求項2記載の発明によれば、固定作業がやり易く、作業性が向上する。
【0067】
請求項3記載の発明によれば、製造コストが安価となる。
【0068】
請求項4記載の発明によれば、固定作業がやり易く、作業性が向上する。
【0069】
請求項5記載の発明によれば、安価で信頼性の高い通信データの送受信を実現できる。
【0070】
請求項6記載の発明によれば、受信効率を向上させて、微弱な信号による電磁結合通信を実現できる。
【0071】
請求項7記載の発明によれば、マスタースレーブ通信方式において微弱な信号による電磁結合通信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るツイストペア線の接続構造の第1の実施形態を示す図である。
【図2】本発明に係るツイストペア線の接続構造の第2の実施形態を示す図である。
【図3】本発明によるツイストペア線の接続構造を使用する近磁界非接触通信装置の構成例を示す図である。
【図4】図3の近磁界非接触通信装置におけるマスターECUの構成例を示すブロック図である。
【図5】図3の近磁界非接触通信装置におけるスレーブECUの構成例を示すブロック図である。
【図6】図3の近磁界非接触通信装置における各部の信号波形図である。
【図7】近磁界非接触通信装置の他の実施例を示す部分的回路図である。
【図8】近磁界非接触通信装置のさらに他の実施例を示す図である。
【図9】近磁界非接触通信装置のさらに他の実施例を示す図である。
【図10】従来のECU間の電気的接続構造の一例を示す図である。
【図11】従来のツイストペア線の接続構造の一例を示す図である。
【図12】従来のツイストペア線の接続構造の他の例を示す図である。
【図13】従来のツイストペア線の接続構造のさらに他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 幹線用ツイストペア線
1a ループ状部(第1のループ状部)
2 支線用ツイストペア線
2a ループ状部(第2のループ状部)
3 粘着テープ(固定手段)
4 コイルボビン(固定手段)
31 マスターECU(第1の通信ユニット)
41a,41b,41c スレーブECU(第2の通信ユニット)
51,61,71,81 ECU
EMC 電磁誘導結合部
IRT インピーダンス調整用トランス
【発明の属する技術分野】
本発明は、ツイストペア線の接続構造および該接続構造を使用する近磁界非接触通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両における電子制御ユニット(ECU)間の電気的な接続は、通常ワイヤハーネスを使用して行われている。
【0003】
図10は、ECU間の電気的接続構造の一例を示す図であり、ECU51,61,71,81間の電気的な接続は、電源線と信号線の混合ワイヤハーネス100を使用し、混合ワイヤハーネスの分岐により行われている。
【0004】
また、ECU間の信号伝達のために、ツイストペア線が使用されることもある。ツイストペア線は、伝達すべき信号に対する外来ノイズの影響を低減することができる線である。このツイストペア線を使用してECU間で信号伝達を行っている場合、さらに別のECUに信号伝達をしたいときにはツイストペア線を分岐させて別のECUとの接続を行うことがある。
【0005】
図11は、ツイストペア線の接続構造の一例を示す。図11においては、たとえば、ECU51からECU71へ信号を伝達する幹線用ツイストペア線101に対して、ECU51からECU61にも信号を伝達する支線用ツイストペア線102を分岐接続する構造を示している。この接続構造は、幹線用ツイストペア線101の途中位置において、被覆材のみを切断・除去することにより露出した芯線101aに、同じく端部が露出された支線用ツイストペア線102の芯線102aを中間ジョイント用端子103をかしめることにより分岐接続する構成とされている。
【0006】
ここで、分岐接続を行う手順について説明すると、まず、接続前の幹線用ツイストペア線101の途中位置における撚りを部分的にほどき、その部分における絶縁被覆を除去する。そして、幹線用ツイストペア線101および支線用ツイストペア線102のそれぞれの露出された芯線101a、102aを中間ジョイント端子103によって圧着接続した後、絶縁テープ(図示しない)をその接続部位に巻き付けることにより絶縁保護する。さらにその後、撚りを戻すことにより接続が完了する。(このような接続構造は、たとえば、特許文献1に開示されている。)
【0007】
次に、図12は、ツイストペア線の接続構造の他の例を示す。図12においては、たとえば、ECU51から信号を伝達する幹線用ツイストペア線101を、ジョイントコネクタ104によりECU71に信号を伝達する支線用ツイストペア線102に接続する構造を示している。この接続構造では、まず、幹線用ツイストペア線101の端部において撚りを所定の長さL1(たとえば、80〜100mm)だけほどき、その先端部における絶縁被覆を除去し、同様に、支線用ツイストペア線102の端部において撚りを所定の長さL1だけほどき、その先端部における絶縁被覆を除去し、先端部同士をジョイントコネクタ104で電気的に接続する。幹線用ツイストペア線101および支線用ツイストペア線102において撚りをほどいた部分とほどいていない部分の境目には、粘着テープ105が巻き付けられ、幹線用ツイストペア線101および支線用ツイストペア線102の撚りをほどいた部分を合わせた長さL2は、所定の長さL1の2倍(すなわち、160〜200mm)になる。
【0008】
次に、図13は、ツイストペア線の接続構造のさらに他の例を示す。図13においては、たとえば、ECU51から信号を伝達する幹線用ツイストペア線101を、ジョイントコネクタ104によりそれぞれECU61,71、81に信号を伝達する3組の支線用ツイストペア線102に接続する構造を示している。この接続構造の場合も、図12の場合と同様に、幹線用ツイストペア線101の端部において撚りを所定の長さL1(たとえば、80〜100mm)だけほどき、その先端部における絶縁被覆を除去し、また、支線用ツイストペア線102の端部において撚りを所定の長さL1だけほどき、その先端部における絶縁被覆を除去し、先端部同士をジョイントコネクタ104で電気的に接続する。幹線用ツイストペア線101および支線用ツイストペア線102において撚りをほどいた部分とほどいていない部分の境目には、粘着テープ105が巻き付けられる。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−151169号公報(第2頁、図15)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来のツイストペア線の接続構造では、中間ジョイント端子やジョイントコネクタに接続するためにツイストペア線の絶縁被膜の除去等の加工が必要であり、また中間ジョイント端子やジョイントコネクタ部分からの芯線への水分侵入による不具合が発生するおそれがあった。
【0011】
また、ツイストペア線の撚りをほどいた部分(たとえば、図12および図13参照)が、製造上の理由からほどかれたままとされ、その部分でのツイスト効果が無くなってしまうという問題があった。
【0012】
そこで本発明の第1の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、ツイストペア線への加工が必要なく、水分の侵入による不具合もない信頼性の高いツイストペア線の接続構造を提供することである。
【0013】
また、本発明の第2の目的は、本発明によるツイストペア線の接続構造を使用して、安価で信頼性の高い通信データの送受信を実現できる近磁界非接触通信装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、幹線用ツイストペア線の一部を広げて第1のループ状部を形成すると共に、支線用ツイストペア線の一部を広げて第2のループ状部を形成し、前記第1のループ状部と前記第2のループ状部を近接させて固定手段で固定することにより、前記幹線用ツイストペア線に信号を流したときに前記第1のループ状部と前記第2のループ状部の電磁誘導結合を生じるように構成し、前記幹線用ツイストペア線からの信号を前記支線用ツイストペア線へ非接触で伝達することを特徴とするツイストペア線の接続構造に存する。
【0015】
請求項1記載の発明によれば、ツイストペア線の接続構造は、幹線用ツイストペア線の一部を広げて第1のループ状部を形成すると共に、支線用ツイストペア線の一部を広げて第2のループ状部を形成し、第1のループ状部と第2のループ状部を近接させて固定手段で固定することにより、幹線用ツイストペア線に信号を流したときに第1のループ状部と第2のループ状部の電磁誘導結合を生じるように構成し、幹線用ツイストペア線からの信号を支線用ツイストペア線へ非接触で伝達するので、ツイストペア線への加工が必要なく、水分の侵入による不具合もない安価で信頼性の高い接続構造を実現できる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、前記第1のループ状部および前記第2のループ状部は、ほぼ同一径に形成されることを特徴とする請求項1記載のツイストペア線の接続構造に存する。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、第1のループ状部および第2のループ状部は、ほぼ同一径に形成されるので、固定作業がやり易く、作業性が向上する。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、前記固定手段は、粘着テープであることを特徴とする請求項1または2記載のツイストペア線の接続構造に存する。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、固定手段は、粘着テープであるので、製造コストが安価となる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、前記固定手段は、コイルボビンであることを特徴とする請求項1または2記載のツイストペア線の接続構造に存する。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、固定手段は、コイルボビンであるので、固定作業がやり易く、作業性が向上する。
【0022】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のツイストペア線の接続構造を使用する近磁界非接触通信装置であって、前記幹線用ツイストペア線の前記ループ状部を第1のアンテナとする第1の通信ユニットと、前記支線用ツイストペア線の前記ループ状部を第2のアンテナとする第2の通信ユニットとを備え、前記第1の通信ユニットと前記第2の通信ユニットは、前記第1のループ状部と前記第2のループ状部の電磁誘導結合によりデータを送受信することを特徴とする近磁界非接触通信装置に存する。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、近磁界非接触通信装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載のツイストペア線の接続構造を使用する近磁界非接触通信装置であって、幹線用ツイストペア線のループ状部を第1のアンテナとする第1の通信ユニットと、支線用ツイストペア線のループ状部を第2のアンテナとする第2の通信ユニットとを備え、第1の通信ユニットと第2の通信ユニットは、第1のループ状部と第2のループ状部の電磁誘導結合によりデータを送受信するので、安価で信頼性の高い通信データの送受信を実現できる。
【0024】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、前記第1および第2の通信ユニットは、それぞれ、前記アンテナとの間に接続されたインピーダンス調整用トランスを含むことを特徴とする請求項5記載の近磁界非接触通信装置に存する。
【0025】
請求項6記載の発明によれば、第1および第2の通信ユニットは、それぞれ、アンテナとの間に接続されたインピーダンス調整用トランスを含むので、受信効率を向上させて、微弱な信号による電磁結合通信を実現できる。
【0026】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の発明は、前記第1の通信ユニットはマスターECUであり、前記第2の通信ユニットはスレーブECUであることを特徴とする請求項5または6記載の近磁界非接触通信装置に存する。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、第1の通信ユニットはマスターECUであり、第2の通信ユニットはスレーブECUであるので、マスタースレーブ通信方式において微弱な信号による電磁結合通信を実現できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本発明に係るツイストペア線の接続構造の第1の実施形態を示す図である。図1に示す接続構造は、幹線用ツイストペア線1の一部に形成された第1のループ状部としてのループ状部1aと、支線用ツイストペア線2の一部に形成された第2のループ状部としてのループ状部2aとを近接させ、固定手段としての粘着テープ3で固定することにより、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2を電磁誘導結合により非接触で接続する構成とされている。
【0030】
この接続を行う手順について説明すると、まず、幹線用ツイストペア線1における任意のポイントで、撚りをループ状に広げて所定の径(たとえば、20〜30mm)のループ状部1aを形成する。次に、支線用ツイストペア線2の一部、たとえば先端部において撚りをループ状に広げてループ状部1aとほぼ同一径のループ状部2aを形成する。次に、ループ状部1aとループ状部2aを互いに重ね合わせることにより近接させ、数箇所(図1においては、2箇所)で粘着テープ3で固定する。
【0031】
このように構成した場合、幹線用ツイストペア線1に信号を流したとき、ループ状部1aとループ状部2a間に電磁誘導結合を発生する電磁誘導結合部EMCが形成され、幹線用ツイストペア線1に流れている信号が電磁誘導結合によりループ状部1aからループ状部2aを介して、支線用ツイストペア線2へ伝達される。
【0032】
以上のように第1の実施形態によれば、幹線用ツイストペア線1のループ状部1aと、支線用ツイストペア線2のループ状部2aとを近接させ粘着テープ3で固定することにより、ループ状部1a、2a間の電磁誘導結合により幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2を非接触で接続するので、従来のようなツイストペア線への加工が必要なく、かしめ部やコネクタ部からの水分の侵入による不具合もない安価で信頼性の高い接続構造を実現できる。また、ループ状部1aおよびループ状部2aは、ほぼ同一径に形成されるので、固定作業がやり易く、作業性が向上する。固定手段は、粘着テープであるので、製造コストが安価となる。
【0033】
次に、図2は、本発明に係るツイストペア線の接続構造の第2の実施形態を示す図である。図2に示す接続構造は、幹線用ツイストペア線1の一部に形成されたループ状部1aと、支線用ツイストペア線2の一部に形成されたループ状部2aとを、固定手段として使用するコイルボビン4に巻き付けて近接させることによって、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2を電磁誘導結合により非接触で接続する構成とされている。コイルボビン4は、中間仕切部4cの両側に所定の径(たとえば、20〜30mm)を有する2つの巻き付け部4a,4bを備えており、巻き付け部4aにループ状部1aが巻き付けられ、巻き付け部4bにループ状部2aが巻き付けられる。
【0034】
この接続を行う手順について説明すると、まず、幹線用ツイストペア線1における先端部で、撚りをループ状に広げてループ状部1aを形成する。次に、コイルボビン4を用意し、その巻き付け部4aにループ状部1aをはめ込む。次に、支線用ツイストペア線2の先端部で、撚りをループ状に広げてループ状部2aを形成する。次に、コイルボビン4の巻き付け部4bにループ状部2aをはめ込む。
【0035】
このように構成した場合、幹線用ツイストペア線1のループ状部1aと支線用ツイストペア線2のループ状部2aは、コイルボビン4によって互いに近接して固定され、幹線用ツイストペア線1に信号を流したとき、ループ状部1aとループ状部2a間に電磁誘導結合を発生する電磁誘導結合部EMCが形成され、幹線用ツイストペア線1に流れている信号が上述の電磁誘導結合によりループ状部1aからループ状部2aを介して、支線用ツイストペア線2へ伝達される。
【0036】
以上のように第2の実施形態によれば、幹線用ツイストペア線1のループ状部1aと、支線用ツイストペア線2のループ状部2aとを近接させコイルボビン4で固定することにより、ループ状部1a、2a間の電磁誘導結合により幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2を非接触で接続するので、従来のようなツイストペア線への加工が必要なく、水分の侵入による不具合もない安価で信頼性の高い接続構造を実現できる。また、固定手段はコイルボビンであるので、固定作業がやり易く、作業性が向上する。
【0037】
次に、上述の本発明によるツイストペア線の接続構造を使用する近磁界非接触通信装置の構成例について、図3を参照して説明する。図3に示すように、近磁界非接触通信装置は、たとえば、第1の通信ユニットとしてのマスターECU31と、第2の通信ユニットとしての複数のスレーブECU、たとえば3つのスレーブECU41a,41b,41cとの間のマスタースレーブ通信を、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2の接続構造をアンテナとして使用することにより行うものである。
【0038】
すなわち、マスターECU31には、途中部分の2箇所および先端部の3箇所にそれぞれループ状部1aを形成した幹線用ツイストペア線1が接続され、スレーブECU41a,41b,41cには、先端部にループ状部2aを形成した支線用ツイストペア線2がそれそれ接続されている。各ループ状部1aと各ループ状部2aは、図1または図2に示す構成により、電磁誘導結合を発生する電磁誘導結合部EMCが形成されている。
【0039】
次に、図4は、マスターECU31の構成例を示すブロック図である。マスターECU31は、+12Vバッテリより給電されたデータ通信回路33とマイクロコンピュータ(CPU)34を備えている。データ通信回路33は、その一部にループ状部1aを有する幹線用ツイストペア線1がアンテナとして接続され、マスタースレーブ通信を行うようにCPU34により制御される送信部33Aと受信部33Bを備えている。CPU34には、各種スイッチ35やLED(発光ダイオード)等からなるインジケータ36が接続されている。
【0040】
データ通信回路33は、送信部33A、受信部33Bおよび電源部33Cを有する。送信部33Aは、CPU34のクロックパルス(たとえば、125kHz)が供給され、このクロックパルスをベース信号として、CPU34から供給される送信データ(Tx)によりオンオフ変調する変調回路33aと、変調回路33aからの被変調波パルスを正弦波に波形整形する波形整形フィルタ33bと、波形整形フィルタ33bの出力が供給されてツイストペア線1を駆動する送信ドライバ33cと、CPU34からの送受信切換信号TRchに基づいてデータ通信回路33を送信許可状態または受信許可状態に切り換えるように制御すると共に、CPU34からの電力制御信号(Pcnt)に基づいてデータ通信回路33を低消費電力モード状態に切り換えるように制御する制御部33dとを有する。
【0041】
受信部33Bは、ツイストペア線1に接続され、CPU34のクロックパルス周波数(125kHz)に同調する同調回路33eと、同調回路33eの出力を復調してデータを取得して、CPU34に供給する復調回路33fとを有する。
【0042】
電源部33Cは、+12Vバッテリに接続され、データ通信回路33の各部に適切な電源電圧を供給すると共に、CPU34に+5V電源電圧を供給する。
【0043】
次に、図5は、スレーブECU41aの構成例を示すブロック図である。スレーブECU41aは、+12Vバッテリより給電されたデータ通信回路43とマイクロコンピュータ(CPU)44を備えている。データ通信回路43は、その一部にループ状部2aを有する支線用ツイストペア線2がアンテナとして接続され、マスタースレーブ通信を行うようにCPU44により制御される送信部43Aと受信部43Bを備えている。CPU44には、各種スイッチ45やLED(発光ダイオード)等からなるインジケータ46が接続されている。
【0044】
データ通信回路43は、送信部43A、受信部43Bおよび電源部43Cを有する。送信部43Aは、CPU44のクロックパルス(たとえば、125kHz)が供給され、このクロックパルスをベース信号として、CPU44から供給される送信データ(Tx)によりオンオフ変調する変調回路43aと、変調回路43aからの被変調波パルスを正弦波に波形整形する波形整形フィルタ43bと、波形整形フィルタ43bの出力が供給されて支線用ツイストペア線2を駆動する送信ドライバ43cと、CPU44からの送受信切換信号TRchに基づいてデータ通信回路43を送信許可状態または受信許可状態に切り換えるように制御すると共に、CPU44からの電力制御信号(Pcnt)に基づいてデータ通信回路43を低消費電力モード状態に切り換えるように制御する制御部43dとを有する。
【0045】
受信部43Bは、支線用ツイストペア線2に接続され、CPU44のクロックパルス周波数(125kHz)に同調する同調回路43eと、同調回路43eの出力を復調してシリアル通信形式のデータを取得して、CPU44に供給する復調回路43fとを有する。
【0046】
電源部43Cは、+12Vバッテリに接続され、データ通信回路43の各部に適切な電源電圧を供給すると共に、CPU44に+5V電源電圧を供給する。
【0047】
なお、スレーブECU41b,41cは、上述のスレーブECU41aと同一の構成を有するものとし、ここではその説明を省略する。
【0048】
次に、上述の構成を有するマスターECU31とスレーブECU41a,41b,41cの動作について、図6に示す各部信号波形図を参照しながら説明する。
【0049】
マスターECU31とスレーブECU41a,41b,41cは、図6に示すように、送受信切換信号TRchにより、マスターECU31が送信許可状態となる時はスレーブECU41a,41b,41cが受信許可状態となり、各スレーブECU41a,41b,41c送信許可状態となる時はマスターECU31が受信許可状態となって、交互に送信、受信を行うことができる。
【0050】
まず、マスターECU31からスレーブECU41a,41b,41cへデータを送信する場合は、マスターECU31のCPU34は、送受信切換信号TRchによる送信許可状態時に、125kHzクロックパルスを変調回路33aに供給すると共に、各種スイッチ35等から与えられた指示信号に基づくデータをシリアル通信形式で受け取り、変調回路33aに送信データ(Tx)として供給する。変調回路33aは、125kHzクロックパルスをベース信号として上記送信データによりオンオフ変調し、被変調波パルス出力を波形整形フィルタ33bに供給する。波形整形フィルタ33bは、変調回路33aからの被変調波パルス出力を波形整形し、正弦波状の被変調波出力を送信ドライバ33cに供給する。送信ドライバ33cは、波形整形フィルタ33bからの正弦波状の被変調波出力を増幅して幹線用ツイストペア線1に供給し、ループ状部1aを駆動する。
【0051】
マスターECU31が送信許可状態となっている時、スレーブECU41a は受信許可状態となっている。そこで、スレーブECU41aの支線用ツイストペア線2のループ状部2aは、電磁誘導結合によりループ状部1aから正弦波状の被変調波が伝達される。ループ状部2aに伝達された正弦波状の被変調波は、同調回路43eを介して復調回路43fで復調されて、データ(Rx(=Tx))が取得され、CPU44に供給される。CPU44は、供給されたデータ(Rx)の内容に応じて、各種スイッチ45等を制御すると共に、対応するインジケータ46を点灯させる。
【0052】
次に、マスターECU31は、送受信切換信号TRchにより受信許可状態となり、スレーブECU41aは、送受信切換信号TRchにより送信許可状態となる。スレーブECU41aのCPU44は、送受信切換信号TRchによる送信許可状態時に、125kHzクロックパルスを変調回路33aに供給すると共に、各種スイッチ45等から与えられた指示信号に基づくデータをシリアル通信形式で受け取り、変調回路43aに送信データ(Tx)として供給する。変調回路43aは、125kHzクロックパルスをベース信号として上記送信データによりオンオフ変調し、被変調波パルス出力を波形整形フィルタ33bに供給する。波形整形フィルタ33bは、変調回路33aからの被変調波パルス出力を波形整形し、正弦波状の被変調波出力を送信ドライバ33cに供給する。送信ドライバ33cは、波形整形フィルタ33bからの正弦波状の被変調波出力を増幅して幹線用ツイストペア線1に供給し、ループ状部2aを駆動する。
【0053】
そこで、マスターECU31の幹線用ツイストペア線1のループ状部1aは、電磁誘導結合部EMCにおける電磁誘導結合作用によりループ状部2aから正弦波状の被変調波が伝達される。ループ状部1aに伝達された正弦波状の被変調波は、同調回路33eを介して復調回路33fで復調されて、データ(Rx(=Tx))が取得され、CPU34に供給される。CPU34は、供給されたデータ(Rx)の内容に応じて、各種スイッチ35等を制御すると共に、対応するインジケータ36を点灯させる。
【0054】
次に、マスターECU31は、送受信切換信号TRchにより再び送信許可状態となり、このとき、スレーブECU41bは、送受信切換信号TRchにより受信許可状態となっている。そして、スレーブECU41bは、上述のスレーブECU41aと同様の動作により、マスターECU31から送信されたデータをループ状部1aとループ状部2aの電磁誘導結合を介して受信する。次に、マスターECU31は、送受信切換信号TRchにより再び、受信許可状態となり、スレーブECU41bは、送受信切換信号TRchにより送信許可状態となる。
そして、スレーブECU41bは、上述のスレーブECU41aと同様の動作により、ループ状部1aとループ状部2aの電磁誘導結合を介してデータをマスターECU31へ送信する。
【0055】
次に、マスターECU31は、送受信切換信号TRchにより再び送信許可状態となり、このとき、スレーブECU41cは、送受信切換信号TRchにより受信許可状態となっている。そして、スレーブECU41cは、上述のスレーブECU41bと同様の動作により、マスターECU31からのデータをループ状部1aとループ状部2aの電磁誘導結合を介して受信し、次いで、マスターECU31が受信許可状態、スレーブECU41cが送信許可状態に切り替わり、スレーブECU41cからのデータが、ループ状部1aとループ状部2aの電磁誘導結合を介して、マスターECU31へ送信される。
【0056】
以下、上述の順番で、マスターECU31とスレーブECU41a,41b,41cとの間でデータの送受信がマスタースレーブ通信形式で行われる。
【0057】
このように、上述の構成の近磁界非接触通信装置では、幹線用ツイストペア線1のループ状部1aをアンテナとするマスターECU31と、支線用ツイストペア線2のループ状部2aをアンテナとするスレーブECU41a,41b,41cとが、ループ状部1aとループ状部2aの電磁誘導結合によりデータを送受信するので、マスタースレーブ通信方式においてマスターECUの通信ラインからの各スレーブECUへの分岐を微弱な信号による電磁結合通信により簡単に行うことができ、安価で信頼性の高い通信データの送受信を実現できる。
【0058】
また、電磁誘導結合を使用する近磁界非接触通信では、アンテナが非常に重要であり、アンテナは、通信回路とマッチング処理を行い、相手側通信ECUのアンテナと近距離で対向した位置に確実に固定され、決められたアンテナ位置関係を保った状態でないと、通信を実現することができず、アンテナの固定方法や、相手のアンテナとのズレ等の公差等を考慮した通信技術による信頼性の確保が困難であるという問題があるが、上述の近磁界非接触通信装置は、図1または図2に示すツイストペア線の接続構造を使用することによって、上述の問題を克服して、信頼性の高い近磁界非接触通信を行うことができる。
【0059】
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
【0060】
たとえば、ツイストペア線をアンテナとして使用すると、アンテナインピーダンスが非常に低くなるため、図7に示す他の実施例のように、マスターECU31、スレーブECU41a(および41b,41c)側共に、幹線用ツイストペア線1および支線用ツイストペア線2と、データ通信回路33,43の間に小型のインピーダンス調整用トランスIRTを接続しても良い。
【0061】
このインピーダンス調整用トランスIRTは、たとえば、データ通信回路33,34に接続する側の巻線数とツイストペア線1,2に接続する側の巻線数の比を、たとえば4:1とした構成とされ、ツイストペア線1,2を直接データ通信回路33,43に接続した場合よりもインピーダンスが高くなる。そのため、データ通信回路33,43の受信部33B,43Bにおける受信効率が、図4および図5の回路構成の場合よりも向上するように改善され、微弱な信号による電磁結合通信を実現できる。
【0062】
また、さらに他の実施例として、図8に示すように、ECU51,61,71,81間で、電源供給は、ワイヤハーネスによる電源線110で行い、信号伝達は、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2の電磁誘導結合部EMCを介して行うように構成しても良い。
【0063】
また、さらに他の実施例として、図9に示すように、バッテリ(図示しない)から車両のインパネ93に配置される機器への電源および信号伝達の際、電源供給は、電源用のジャンクションボックス(J/B)92を介する電源線110で行い、機器への信号伝達は、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2の電磁誘導結合部EMCを介して行うように構成しても良い。
【0064】
図9では、車体側からインパネ91側への電源供給は、J/B92を介しているが、車体側からインパネ91側への信号伝達は、J/B92を介さずに幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2の電磁誘導結合部EMCを介して行い、また、インパネ92において、ステアリング94の左側に配置されたナビゲーション装置91に対しての信号伝達も、幹線用ツイストペア線1と支線用ツイストペア線2の電磁誘導結合部EMCを介して行うように構成している。
【0065】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ツイストペア線への加工が必要なく、水分の侵入による不具合もない安価で信頼性の高い接続構造を実現できる。
【0066】
請求項2記載の発明によれば、固定作業がやり易く、作業性が向上する。
【0067】
請求項3記載の発明によれば、製造コストが安価となる。
【0068】
請求項4記載の発明によれば、固定作業がやり易く、作業性が向上する。
【0069】
請求項5記載の発明によれば、安価で信頼性の高い通信データの送受信を実現できる。
【0070】
請求項6記載の発明によれば、受信効率を向上させて、微弱な信号による電磁結合通信を実現できる。
【0071】
請求項7記載の発明によれば、マスタースレーブ通信方式において微弱な信号による電磁結合通信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るツイストペア線の接続構造の第1の実施形態を示す図である。
【図2】本発明に係るツイストペア線の接続構造の第2の実施形態を示す図である。
【図3】本発明によるツイストペア線の接続構造を使用する近磁界非接触通信装置の構成例を示す図である。
【図4】図3の近磁界非接触通信装置におけるマスターECUの構成例を示すブロック図である。
【図5】図3の近磁界非接触通信装置におけるスレーブECUの構成例を示すブロック図である。
【図6】図3の近磁界非接触通信装置における各部の信号波形図である。
【図7】近磁界非接触通信装置の他の実施例を示す部分的回路図である。
【図8】近磁界非接触通信装置のさらに他の実施例を示す図である。
【図9】近磁界非接触通信装置のさらに他の実施例を示す図である。
【図10】従来のECU間の電気的接続構造の一例を示す図である。
【図11】従来のツイストペア線の接続構造の一例を示す図である。
【図12】従来のツイストペア線の接続構造の他の例を示す図である。
【図13】従来のツイストペア線の接続構造のさらに他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 幹線用ツイストペア線
1a ループ状部(第1のループ状部)
2 支線用ツイストペア線
2a ループ状部(第2のループ状部)
3 粘着テープ(固定手段)
4 コイルボビン(固定手段)
31 マスターECU(第1の通信ユニット)
41a,41b,41c スレーブECU(第2の通信ユニット)
51,61,71,81 ECU
EMC 電磁誘導結合部
IRT インピーダンス調整用トランス
Claims (7)
- 幹線用ツイストペア線の一部を広げて第1のループ状部を形成すると共に、支線用ツイストペア線の一部を広げて第2のループ状部を形成し、前記第1のループ状部と前記第2のループ状部を近接させて固定手段で固定することにより、前記幹線用ツイストペア線に信号を流したときに前記第1のループ状部と前記第2のループ状部の電磁誘導結合を生じるように構成し、前記幹線用ツイストペア線からの信号を前記支線用ツイストペア線へ非接触で伝達する
ことを特徴とするツイストペア線の接続構造。 - 前記第1のループ状部および前記第2のループ状部は、ほぼ同一径に形成される
ことを特徴とする請求項1記載のツイストペア線の接続構造。 - 前記固定手段は、粘着テープである
ことを特徴とする請求項1または2記載のツイストペア線の接続構造。 - 前記固定手段は、コイルボビンである
ことを特徴とする請求項1または2記載のツイストペア線の接続構造。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のツイストペア線の接続構造を使用する近磁界非接触通信装置であって、
前記幹線用ツイストペア線の前記ループ状部を第1のアンテナとする第1の通信ユニットと、
前記支線用ツイストペア線の前記ループ状部を第2のアンテナとする第2の通信ユニットとを備え、
前記第1の通信ユニットと前記第2の通信ユニットは、前記第1のループ状部と前記第2のループ状部の電磁誘導結合によりデータを送受信する
ことを特徴とする近磁界非接触通信装置。 - 前記第1および第2の通信ユニットは、それぞれ、前記アンテナとの間に接続されたインピーダンス調整用トランスを含む
ことを特徴とする請求項5記載の近磁界非接触通信装置。 - 前記第1の通信ユニットはマスターECUであり、前記第2の通信ユニットはスレーブECUである
ことを特徴とする請求項5または6記載の近磁界非接触通信装置。
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