JP2004191036A - 樹脂材製フィン部材を内装した伝熱管 - Google Patents

樹脂材製フィン部材を内装した伝熱管 Download PDF

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Abstract

【課題】 伝熱管に内装するフィン部材を樹脂材で形成し、軽量で廉価な伝熱管を得るとともに、金属材のフィン部材を内装した伝熱管に劣らない熱伝導性を持つ製品とする。
【解決手段】 帯状の基板4の一面に複数のフィン5を一体に突設し、このフィン5を設けた一面を内側にして帯状基板4を螺旋状に巻いて螺旋状フィン部材3を形成する。この螺旋状フィン部材3を金属管2内に配設して伝熱管1を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、EGRガス冷却装置等の多管式熱交換器にて、冷却水、冷却風、カーエアコン用冷媒、その他の冷媒液と、EGRガス、煤を含有する燃焼排気ガス等の流体との熱交換を行うために用いるもの等、種々の用途の伝熱管に係るものである。
従来、自動車のエンジン等では、排気ガスの一部を排気ガス系から取り出して、再びエンジンの吸気系に戻し、混合気や吸入空気に加えるEGRシステムが、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンともに用いられていた。EGRシステム、特にディーゼルエンジンの高EGR率のクールドEGRシステムでは、排気ガス中のNOxを低減し、燃費の悪化を防止するとともに、過剰な温度上昇によるEGRバルブの機能低下や耐久性の低下を防止するため、高温化したEGRガスを冷却水、冷却風、カーエアコン用冷媒、その他の冷媒液で冷却するEGRガス冷却装置を設けている。
そして、このEGRガス冷却装置として、下記特許文献1の従来発明に示す如く、内部をEGRガスが流通可能な複数の細径の伝熱管を配置し、この伝熱管の外側に冷却水や冷却風、冷媒等の冷媒液を流通させる事により、伝熱管を介してEGRガスと冷媒液との熱交換を行うものが存在した。
上述の如きEGRガス冷却装置で使用する伝熱管として、下記特許文献1、特許文献2に記載の如きものが知られている。これらの伝熱管は、金属管の内部に、管軸方向に長尺な板状や螺旋状の金属材製フィンを内装する事により形成し、該フィンにより伝熱管の伝熱面積を増やすとともに伝熱管内のEGRガスの流れを乱流化する事で、伝熱管を介してEGRガスと冷媒液との熱交換効率を高めようとしていた。
特開平11−108578号公報 特開2001−227413号公報
しかしながら、金属材は樹脂材に比べて高価であるし、加工性に乏しいため、従来の金属材製のフィン部材では形状が制限され、表面積が多く放熱性に優れた複雑な形状とするのは困難であるとともに軽量化にも限界があった。また、EGRガス中の水蒸気や未燃焼ガス、硫酸水、炭化水素等の凝縮液に対する耐食性を得るため、金属材に厳密な耐食メッキ処理等を施す必要があったり、フィン部材を金属管の内周面にろう付けする手間等があり、製造工程を増やしていた。そこで、本発明者らは、軽量で加工性に優れた樹脂材に注目し、金属材製の伝熱面と樹脂材製の伝熱面の熱交換性能の比較実験を行ったところ、金属材製伝熱面に比べて樹脂材製伝熱面は、条件にもよるが熱交換性能が4〜15%程度しか劣化しない事を見出した。この4〜15%程度の熱交換性能を補うためには、樹脂材製伝熱面の表面積を15%以上増加させれば、金属材製の伝熱面と同等若しくはそれ以上の熱交換性能を得る事が可能となると言う結論を得た。
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、金属管の内部に樹脂材製フィン部材を内装して伝熱管を形成し、金属管内に金属材製フィン部材を内装した場合に比べて伝熱管の軽量化と低コスト化を可能とするとともに、樹脂材の優れた加工性を利用して樹脂材製フィン部材の表面積を広く形成し、金属材製フィン部材と同等若しくはそれ以上の熱伝導性を得ようとするものである。この優れた熱伝導性により、伝熱管内を流動する流体と伝熱管の外面を流動する熱交換用媒体との熱交換効率を向上させるものである。また、この熱交換性能の向上により、伝熱管並びに伝熱管を使用した多管式熱交換器の軽量化と小型化を可能とするものである。
本発明は上述の如き課題を解決するため、帯状の基板の一面に複数のフィンを一体に突設し、このフィンを設けた一面を内側にして帯状基板を螺旋状に巻いて形成した螺旋状フィン部材を、金属管内に配設して成るものである。
また、フィンは、ピン状及び/又は突起状としても良い。
また、ピン状及び/又は突起状のフィンは、断面形状を円形、楕円形、多角形、星形、又はギア形としても良い。
また、フィン部材は、このフィン部材を形成する樹脂材よりも熱伝導性の高い粒子及び/又は繊維を含有させても良い。
また、フィン部材は、このフィン部材を形成する樹脂材にカーボンナノファイバーを含有させても良い。
また、カーボンナノファイバーは、5wt%より多く30wt%より少ない含有量で含有させても良い。
本発明は上述の如く構成したものであり、フィンを設けて伝熱面積を広くし熱伝導性を高めた螺旋状フィン部材を、熱伝導性に優れた金属管内に配設して伝熱管を形成しているので、金属管に金属材製のフィン部材を配設した従来の伝熱管と同等若しくはそれ以上の熱伝導性を得る事ができる。従って、熱交換性能に優れた伝熱管を、樹脂材を用いて廉価で軽量に形成する事ができる。また、樹脂材を使用する事により、伝熱管の製造が容易となるし、伝熱管内部を流動する流体に対する耐食性にも優れた製品となる。また、フィン部材を螺旋状とする事により、金属管の内径や形状を選ばず、何れの金属管にも挿入配設する事ができ、汎用性に優れたフィン部材とする事ができる。
また、このような熱交換効率と耐食性に優れ、軽量で廉価な伝熱管を使用する事により、EGRガス冷却装置、その他の多管式熱交換器の熱交換性能を向上させ、製品の品質及び耐久性を向上させる事ができる。また、優れた熱交換性能を有する本発明の伝熱管を使用する事により、多管式熱交換器の小型化、軽量化が可能となり、車輌その他への設置時のレイアウトの自由度の高い製品となる。
本発明の伝熱管は上述の如く、肉薄化させた金属管内部に配設する螺旋状フィン部材を樹脂材で形成しているので、金属材製のフィン部材を配設した場合に比べて、伝熱管を軽量で廉価に形成する事ができる。また、樹脂材は金属材に比べて加工性に優れるので、金属材では形成が困難な複雑な形状としたり、より多数のフィンを設ける事ができ、金属材製フィン部材に比べて、より広い表面積を持つ樹脂材製の螺旋状フィン部材を形成する事が可能となり、金属材製フィン部材に劣らない熱伝導性を有する樹脂材製の螺旋状フィン部材を得る事ができる。
このように、熱伝導性に優れる金属管内に、複数のフィンを設けて伝熱面積を広く形成した螺旋状フィン部材を配設しているので、金属管に金属材製フィン部材を配設した伝熱管と同等若しくはそれ以上の熱伝導性を得る事ができる。そして、螺旋状フィン部材を配設する事により、伝熱管内を流動する流体の乱流化も生じ、境界層の剥離により、伝熱管を介した流体と冷媒液との熱交換効率を高める事ができる。従って、樹脂材を使用した場合であっても、熱交換性能に優れた伝熱管を得る事ができる。
また、伝熱管内に螺旋状フィン部材を配設する事により、伝熱管内を流動する流体に渦巻状の乱流を発生させるものとなり、境界層の剥離により、伝熱管を介した流体と冷媒液との熱交換を促進する事ができる。更に、螺旋状フィン部材は、螺旋とした帯状基板の隣接する両端縁を互いに隙間無く密着させて、金属管の内周面全体を螺旋状フィン部材の基板で被覆する事で、金属管と流体とが接触しにくくなり、金属管の耐食性を厳密に行わなくても、流体に対する耐食性を高める事ができる。
また、螺旋状フィン部材を金属管内に配置する際には、螺旋状フィン部材の復元力を利用して、該フィン部材を金属管の内周面に密着させる事ができる。また、接着剤等により金属管の内周面と螺旋状フィン部材の外周面の、互いの接触面の先端側と後端側等、一部のみを接着しても良いし、螺旋状フィン部材の外周面全体を金属管の内周面に接着固定しても良い。何れの場合でも、ろう付け等の手間がなく、金属管とフィン部材との接続作業を容易に行う事ができる。
また、螺旋状フィン部材であるから、軸方向への伸縮性が生じ、伝熱管の曲げ加工等を行った際に、伝熱管のカーブに応じて螺旋状フィン部材が柔軟に伸縮し、伝熱管の加工を容易に行う事が可能である。また、金属管の内周面を螺旋状とした帯状基板で被覆する事により、金属管が補強され、より頑丈な伝熱管とする事もできるし、従来品よりも金属管を薄くしても強度を損なう事がなく、より軽量な製品とする事も可能である。また、この螺旋状フィン部材では、螺旋の径や外形も任意に調整可能で、何れの内径の金属管にも内装可能であるし、円形だけでなく円形に近似した楕円形、長円形等の金属管にも、螺旋状フィン部材の外面を金属管の内周面に密着させて内装する事が可能となり、金属管を選ばず、汎用的な螺旋状フィン部材を得る事ができる。
また、このように熱交換性能に優れ軽量で廉価な伝熱管を使用する事により、EGRガス冷却装置、その他の多管式熱交換器の熱交換性能を向上させる事ができ、これらの装置の軽量化や小型化も可能となる。そのため、狭い場所への設置も容易に行う事ができ、多管式熱交換器のレイアウトの自由度が高まる。また、樹脂材製の螺旋状フィン部材を内装して伝熱管の内部の耐食性を高めているので、例えばEGRガス中の水蒸気や未燃焼ガス、硫酸水、炭化水素等の凝縮液に対する耐食性が高まり、多管式熱交換器の耐久性を向上させる事ができる。また、樹脂材製の内周面には、EGRガスや燃焼排気ガス等に含有される煤が付着しにくいものとなり、煤による熱伝導性の低下を抑える事ができ、前記優れた熱交換性能を持続可能となる。
また、基板に突設するフィンは、何れの形状でも良く、例えばピン状、突起状等とすれば、螺旋状フィン部材の伝熱面積の増大を容易に実施可能である。また、樹脂材を用いるから、金属材では製作が困難な極細なピンや複雑な形状の突起が形成可能であるし、より多くのフィンを設ける事も可能となり、伝熱面積の更なる増大が可能となる。
また、上記ピン状及び/又は突起状のフィンは、断面形状を円形、楕円形、多角形、星形、又はギア形等としても良く、円形、楕円形、辺の少ない多角形は、金属材でも成形が容易であるが、金属材では成形が困難な微細でより多くのフィンを樹脂材にて形成する事で、伝熱面積を増大させる事ができる。また、金属材では成形が困難な辺の多い多角形、星形、又はギア形等であっても、樹脂材では容易な成形が可能で、この場合も伝熱面積の高い増大が可能となるし、流体の乱流化もより促進される。
また、上記フィン部材を形成する樹脂材に、カーボンナノファイバーを含有させれば、樹脂材製伝熱面の熱伝導性が更に高まり、伝熱管の内外を流動する流体相互の熱交換性能を更に向上させる事が可能となる。また、カーボンナノファイバーは、5wt%より多く30wt%より少ない含有量で含有させれば、最良の熱伝導性を得る事ができる。このカーボンナノファイバーの含有量を5wt%以下とすると、伝熱効果の向上作用に乏しく、30wt%以上を樹脂材に含有させるのは困難で、生産性が低下するとともに高価で、伝熱効果に大きな差を生じない。
尚、本明細書で言うカーボンナノファイバーとは、ナノテクノロジー分野に於いて、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、その他ナノ単位のカーボン繊維を含んだ総称を示すものである。また、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、その他を混在させて樹脂材に含有させても良いし、単体で含有させても良い。また、カーボンナノチューブを樹脂材に含有させる場合は、カーボンナノチューブが単層であっても良いし、複層であっても良い。更に、このカーボンナノチューブのアスペクト比は問わないものである。また、カーボンナノチューブの太さ、長さ等も問わないものである。
また、黒色で黒体輻射効果のある樹脂材を使用すれば、フィン部材の熱伝導性が高まり、伝熱管の内外を流動する流体相互の熱交換性能を向上させる事ができる。また、樹脂材に熱伝導性の高い銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材製、カーボン材製又はガラス材製の粒子及び/又は繊維を含有したり、樹脂材の表面に前記金属材の粉末等を混合した塗料を塗布したり、金属材をめっき或いは蒸着等させても、熱交換性能の向上が可能となる。更には、黒色で黒体輻射効果のある樹脂材に前記金属材製、カーボン材製又はガラス材製の粒子や繊維、及び/又はカーボンナノファイバーを含有させれば、熱交換性能の更なる向上が可能となる。
以下、本発明の伝熱管を自動車のEGRガス冷却装置に使用した実施例を図面に於て詳細に説明する。図1は実施例1で、帯状の基板に断面形状が円形のピン状のフィンを複数突設した樹脂材製の螺旋状フィン部材を金属管内に配設して形成した伝熱管の一部切欠き図である。図2は実施例2で、帯状の基板に断面形状が星形及び六角形のピン状フィンを突設したフィン部材の斜視図である。また、図3は本発明の伝熱管を用いたEGRガス冷却装置の概略図である。また、図4は鋼管の外表面をPA樹脂でコートした配管、鋼管の外表面をPA樹脂とPP樹脂でコートした配管、鋼管のみで形成した配管の各々に於いて行った熱交換性能の比較実験の概念図で、図5はその比較実験結果をグラフ化したものである。
まず、本発明をするにあたり、表面材質を樹脂材とした伝熱面の熱交換性能の比較実験を行った。この実験装置は、図4に示す如く、風洞部(31)内に直径8mm、長さ1900mmとした配管(32)を配置し、この配管(32)に、温度計(33)を設けた温水タンク(34)及びポンプ(35)、流量計(36)を接続し、前記配管(32)に0.9L/mの流量で温度約60℃の温水を流通させている。そして、前記風洞部(31)内にファン(37)にて冷却風を送風して、配管(32)を介して冷却風にて温水を冷却している。
そして、冷却風と配管(32)内の温水との熱交換性能を、温水の入口温度と出口温度を計測して、その温度差を算出する事により測定する。その温度差及び風速との関係を下記表1及び図5のグラフに示した。実験には、肉厚0.7mmとする鋼管の外表面に13μmの亜鉛めっきとクロメート処理を施し、更に肉厚50μmのPA樹脂でコートした配管(32)(以下PAコート配管と言う)と、肉厚0.7mmとする鋼管の外表面に13μmの亜鉛めっきとクロメート処理を施し、更に肉厚50μmのPA樹脂及び肉厚1.0mmのPP樹脂でコートした配管(32)(以下PA+PPコート配管と言う)を使用した。また、比較実験として鋼管のみで形成した配管(32)の熱交換性能も測定した。この鋼管は、肉厚0.7mmとし、外表面に何等の表面処理も施していない。
尚、下記表1中で、風速(m/s)がPAコート配管、PA+PPコート配管、鋼管のみの配管で完全に一致していないのは、完全に一致する風速を得るのが技術的に困難である事による。そのため、近似した風速を生じさせ、これを計測して得たものが表1に示す風速である。
Figure 2004191036
以上の実験により、従来の鋼管のみに比べて、PAコート配管及びPA+PPコート配管では、約6m/sの風速時に於いて熱交換性能が4〜15%程度しか劣化せず、優れた熱交換性能を示した。この実験結果より、樹脂材製の伝熱面の表面積を15%以上増加させれば、金属材製の伝熱面と同等若しくはそれ以上の熱交換性能を得られる事が判明した。この表面積を増加させる手段として、図1、2に示す実施例1、2の如き樹脂材製の螺旋状フィン部材を内装した伝熱管を形成した。
尚、本発明を実施する際は、下記表2に示す如き樹脂材等を使用する事により、熱交換性能が優れるだけでなく、耐食性や耐熱性にも優れる伝熱管を得る事ができる。また、あまり耐熱性が必要でなければ、更に多くの種類の樹脂材を使用する事が可能となる。また、この伝熱管を使用する事で、EGRガス冷却装置、その他の多管式熱交換器の熱交換性能、耐食性、耐久性、表2の樹脂材の使用にあっては耐熱性をも向上させる事ができる。
Figure 2004191036
上記樹脂材を用いた図1に示す実施例1を詳細に説明すると、(1)は伝熱管で、ステンレス鋼管その他の金属管(2)の内部に、樹脂材製の螺旋状フィン部材(3)を配設している。このような伝熱管(1)の製造工程を説明すると、まず螺旋状フィン部材(3)は、図1に示す如く、帯状の基板(4)の一面に、断面形状が円形のピン状フィン(5)を複数、基板(4)と一体に形成している。次にこの基板(4)を、フィン(5)を設けた一面を内側にして螺旋状に巻き、螺旋状フィン部材(3)を形成し、金属管(2)内に挿入配設して伝熱管(1)を形成する。
また、フィン部材(3)を螺旋状に成形して金属管(2)に挿入配設する際は、図1に示す如く、螺旋状とした帯状基板(4)の隣接する両端縁(6)を互いに隙間無く密着させて、金属管(2)の内周面全体を樹脂材製の基板(4)で被覆する。従って、伝熱管(1)内を流動するEGRガスは、金属管(2)と接触頻度が少なく、樹脂材と接触するものとなり、EGRガス中の水蒸気や未燃焼ガス、硫酸水、炭化水素等の凝縮液に対する耐食性の高い伝熱管(1)を得る事ができる。また、金属管(2)に厳密な耐食対策を施す必要がなく、製造が容易となる。
上記螺旋状フィン部材(3)を、金属管(2)内に挿入配設するが、この挿入の際は螺旋状フィン部材(3)を軸方向に多少引張ると、螺旋状フィン部材(3)が軸方向に伸張するとともに外径が金属管(2)よりも小径となるので、この小径状態の螺旋状フィン部材(3)では金属管(2)への挿入が容易である。この金属管(2)への挿入後、螺旋状フィン部材(3)への引っ張り力を解消する事により、螺旋状フィン部材(3)が復元して外径を拡開するので、螺旋状フィン部材(3)の外周面が金属管(2)の内周面に密着した状態で配設される。
また、金属管(2)と螺旋状フィン部材(3)とは、螺旋状フィン部材(3)の復元力を利用するだけでも、金属管(2)への密着性が良いが、金属管(2)と螺旋状フィン部材(3)との接触面の先端側と後端側のみを、接着剤で接着固定する事により金属管(2)と螺旋状フィン部材(3)との、より安定した接続が可能となる。何れの場合でも、常時は金属管(2)に螺旋状フィン部材(3)が密着し、流体の流動に支障を生じる事がないし、伝熱管(1)を曲げ加工する際に、螺旋状フィン部材(3)が金属管(2)内部で柔軟に伸縮するので、加工が容易となる。
このように、本発明の伝熱管(1)は、フィン(5)を突設する事で伝熱面積を増大させて熱伝導性を高めたフィン部材(3)を、熱伝導性に優れる金属管(2)内に螺旋状に配設しているので、金属管に金属材製のフィン部材を配設した従来の伝熱管と同等若しくはそれ以上の熱伝導性を得る事ができる。従って、樹脂材を使用しても伝熱管(1)の熱交換性能を低下させる事なく、より廉価で軽量な伝熱管(1)を得る事ができる。また、樹脂材は加工が容易であるから、金属材では製作が困難な複雑な形状で、より多くのフィン(5)を形成する事ができ、熱伝導性の更なる向上が可能となる。また、金属管(2)とフィン部材(3)との接続にろう付け等の手間がなく、容易な製作が可能となる。
上述の如く熱伝導性に優れた伝熱管(1)では、伝熱管(1)内を流動する流体と、伝熱管(1)の外周を流動する冷媒液との効率的な熱交換が可能となる。更に、フィン部材(3)を螺旋状とする事により、流体の乱流化が生じ、境界層の剥離により、熱交換を促進させる事ができる。
そして、上述の如き伝熱管(1)を使用したEGRガス冷却装置(10)は、図3に示す如く、円筒状の胴管(11)の両端付近に、内部を密閉可能にチューブシート(12)を一対接続し、このチューブシート(12)で仕切られた気密空間内を、EGRガスと冷媒液との熱交換を行うための熱交換部(13)としている。そして、一対のチューブシート(12)間に、前記伝熱管(1)を複数本、チューブシート(12)を貫通して接続配置している。また、胴管(11)の両端には、EGRガスの流入口(14)と流出口(15)とを設けたボンネット(16)を各々接続している。
また、胴管(11)には、冷媒液を熱交換部(13)に供給する導入路(17)と熱交換後の冷媒液を排出する導出路(18)を設け、熱交換部(13)内を冷媒液が流動可能としている。また、前記熱交換部(13)は、内部に複数の支持板(20)を接合配置し、該支持板(20)に設けた挿通孔(21)に伝熱管(1)を挿通する事により、バッフルプレートとして伝熱管(1)を安定的に支持するとともに、熱交換部(13)内を流動する冷媒液の流れを蛇行化し、伝熱管(1)の外表面に対する相対速度を速めている。
上記のEGRガス冷却装置(10)では、伝熱管(1)の熱伝導性に優れた伝熱面を介して、EGRガスと冷媒液との熱交換が効率的に行われ、冷却効果を高める事ができる。また、この優れた冷却効果により、EGRガス冷却装置(10)の小型化が可能となるし、軽量で廉価な本発明の伝熱管(1)を用いる事により、EGRガス冷却装置(10)の軽量化と低コスト化も可能となる。また、この小型で軽量なEGRガス冷却装置(10)では、狭い場所への設置も可能で、レイアウトの自由度が増すものとなる。
また、EGRガスが流動する伝熱管(1)の内部に樹脂材製の螺旋状フィン部材(3)を内装しているので、EGRガス中の水蒸気や未燃焼ガス、硫酸水、炭化水素等の凝縮液に対する耐食性に優れるし、表2に示す如き樹脂材等を使用する事で、高温のEGRガスに対する耐熱性にも優れ、EGRガス冷却装置(10)の耐久性を向上させる事ができる。また、内周面が樹脂材である事は、EGRガス中に含まれる煤が伝熱管(1)の付着・堆積を防止するものとなり、伝熱管(1)の熱伝導性の低下を抑制して、優れた熱交換性能を持続させる事ができる。
また、上記実施例1では、金属管(2)と螺旋状フィン部材(3)とは、互いの接触面の先端側と後端側の、一部のみを接着固定しているが、他の異なる実施例として、互いの接触面全体を接着剤等で接着固定しても良く、金属管(2)と螺旋状フィン部材(3)とのより安定した接続が可能となるとともに、金属管(2)の内周面全体を確実に樹脂材で被覆でき、耐食性が劣化する事がないものとなる。
また、上記実施例1では、帯状の基板(4)に、断面形状が円形のフィン(5)を突設しているが、断面形状が楕円形、多角形、星形、又はギア形等の形状としても良いし、これらを混在させても良い。そこで、他の異なる実施例2では、図2に示す如く、断面形状が星形及び六角形のフィン(5)を複数突設している。このような複雑な形状とする事により、フィン部材(3)の伝熱面積の更なる増大が可能となり、熱伝導性を向上させる事ができる。また、このような複雑な形状としたフィン部材(3)であっても、樹脂材にて容易な製作が可能となる。
上記実施例1、2では、ピン状のフィン(5)を設けているが、断面形状が円形、楕円形、多角形、星形、又はギア形等の突起状のフィンとしても良く、例えば金属管(2)の内径が小径な場合等、基板(4)の内側に配置されるフィン同士が互いに突き当たる事なく、フィン部材(3)を螺旋状に成形する事ができる。
尚、フィン部材(3)を形成する樹脂材には、熱伝導性の高い銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材の粉末、ガラス材の粉末や繊維、カーボン材の粉末や繊維等を混合したり、その表面に金属材の粉末等を混合した塗料を塗布したり、金属材をめっき或いは蒸着等させても良い。
また、黒色で黒体輻射効果のある樹脂材を使用した場合でも、フィン部材(3)の伝熱面の熱伝導性が高まり、EGRガスへの冷却性能を向上させる事ができる。更には、黒色で黒体輻射効果のある樹脂材に前記金属材製、カーボン材製、ガラス材製の粒子や繊維、及び/又は後述のカーボンナノファイバーを含有させても良く、冷却効果の更なる向上が可能となる。
また、樹脂材にカーボンナノファイバーを含有させる事により、フィン部材(3)の伝熱面の熱伝導性を更に向上させる事が可能となり、EGRガスへの冷却性能を効果的に向上させる事が可能となる。また、カーボンナノファイバーを樹脂材に含有させる場合は、5wt%より多く30wt%より少ない含有量で含有させる事で、最良の伝熱効果を得る事が可能となる。
本発明の実施例1の伝熱管を示す一部切欠き斜視図。 実施例2の樹脂材製フィン部材の斜視図。 本発明の伝熱管を使用したEGRガス冷却装置の概念図。 熱交換性能実験の概念図。 熱交換性能グラフ。
符号の説明
1 伝熱管
2 金属管
3 フィン部材
4 基板
5 フィン

Claims (6)

  1. 帯状の基板の一面に複数のフィンを一体に突設し、このフィンを設けた一面を内側にして帯状基板を螺旋状に巻いて形成した螺旋状フィン部材を、金属管内に配設した事を特徴とする樹脂材製フィン部材を内装した伝熱管。
  2. フィンは、ピン状及び/又は突起状とした事を特徴とする請求項1の樹脂材製フィン部材を内装した伝熱管。
  3. ピン状及び/又は突起状のフィンは、断面形状を円形、楕円形、多角形、星形、又はギア形とした事を特徴とする請求項2の樹脂材製フィン部材を内装した伝熱管。
  4. フィン部材は、このフィン部材を形成する樹脂材よりも熱伝導性の高い粒子及び/又は繊維を含有させた事を特徴とする請求項1、2又は3の樹脂材製フィン部材を内装した伝熱管。
  5. フィン部材は、このフィン部材を形成する樹脂材にカーボンナノファイバーを含有させた事を特徴とする請求項1、2、3又は4の樹脂材製フィン部材を内装した伝熱管。
  6. カーボンナノファイバーは、5wt%より多く30wt%より少ない含有量で含有させた事を特徴とする請求項5の樹脂材製フィン部材を内装した伝熱管。
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