JP2004190926A - 給湯装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】給湯装置本体1と、この給湯装置本体1から電源が供給され、給湯装置本体1を遠隔操作するリモコン装置2とからなる給湯装置であって、給湯装置本体1に対する商用電源PWの供給を許可または阻止するリレー接点SWと、給湯装置本体1および/またはリモコン装置2における異常を検出する本体側マイコン12とを備え、本体側マイコン12によって異常が検出されたとき、リレー接点SWを開成動作させて商用電源PWを阻止する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、給湯装置本体とリモコン装置とを備える給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、給湯装置としては、一般に給湯装置本体と、それに2芯ケーブル等によって接続されたリモコン装置とを備えて構成されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−140509号公報
【0004】
給湯装置本体は、給湯を行うためのものであり、給湯用、風呂追い焚き用および温水暖房用等の熱交換器を備える燃焼ユニットと、この燃焼ユニットを制御するマイクロコンピュータ(以下、単に「マイコン」という。)を備える制御部とが設けられている。一方、リモコン装置は、給湯装置本体の給湯運転を遠隔操作するためのものであり、操作スイッチや液晶表示器等を有する操作表示部が備えられている。そして、リモコン装置は、給湯装置本体から2芯ケーブル等の接続線を介して電源が供給され、給湯装置本体ととともに駆動されるようになっている。
【0005】
ところで、給湯装置が給湯動作を全くしておらず、リモコン装置からも全く操作情報が入力されない状態(いわゆる運転待機状態)が継続する場合は、その状態であっても給湯装置本体およびリモコン装置に搭載されたマイコンや電気回路等によって、ある程度の電力が消費されているため、節電の観点からは、その消費電力を可能な限り抑制することが好ましい。たとえば運転待機状態においては、給湯装置本体に供給される商用電源をスイッチにより遮断して消費電力を抑制するモード(以下、消費電力抑制モードという。)に入り、ユーザによりリモコン装置の運転スイッチが操作されると、給湯装置本体への商用電源の供給を再開して通常の運転動作を行うモード(以下、運転モードという。)に復帰させるようにするとよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、消費電力抑制モードにおいて、給湯装置本体への商用電源の供給を遮断してしまうと、この商用電源の遮断が、運転動作に異常が発生したためによる安全動作として行われたのか、消費電力抑制モードによって行われたのかの区別が付かないという別の問題が生じる。
【0007】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、商用電源を遮断することによって消費電力を抑制する消費電力抑制機能を設けた場合にも、商用電源の遮断動作が安全動作によるものか、消費電力抑制機能によるものかの区別を可能にし、商用電源のオン・オフ制御を好適に行うことのできる給湯装置を提供することを、その課題とする。
【0008】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本願発明の第1の側面に係る給湯装置は、給湯装置本体と、この給湯装置本体から電源が供給され、当該給湯装置本体を遠隔操作する遠隔操作装置とからなる給湯装置であって、前記給湯装置本体に対する元電源の供給を許可または阻止する電源スイッチ手段と、前記給湯装置本体および/または遠隔操作装置における異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段によって異常が検出されたとき、前記電源スイッチ手段を開成動作させて前記元電源を阻止する電源供給制御手段と、を備えたことを特徴としている。なお、ここで、元電源としては、商用電源や自家発電による電源等が適用される。
【0010】
この構成によれば、給湯装置本体および/または遠隔操作装置における異常を検出した場合、たとえば電源スイッチ手段を開成動作させて元電源を阻止するので、たとえば、上記異常によってユーザにとって安全面で不適切な運転状態が生じた場合に、元電源の遮断動作が安全動作によるものと認識して、その運転状態を回避することができる。
【0011】
本願発明の第2の側面に係る給湯装置は、給湯装置本体と、この給湯装置本体から電源が供給され、当該給湯装置本体を遠隔操作する遠隔操作装置とからなる給湯装置であって、前記給湯装置本体に対する元電源の供給を許可または阻止する電源スイッチ手段と、前記給湯装置本体が予め設定された所定の動作条件になると、前記電源スイッチ手段を開成動作させて元電源を阻止し、前記給湯装置本体が前記所定の動作条件以外の動作条件になると、前記電源スイッチ手段を閉成動作させて前記元電源を供給する電源供給制御手段と、前記給湯装置本体および/または遠隔操作装置における異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段によって検出される異常が予め設定された特定の異常である場合、前記給湯装置本体の運転状態を特定モードに移行させる運転制御手段と、前記運転制御手段によって前記給湯装置本体の運転状態が特定モードに移行されたか否かの情報を記憶する記憶手段と、前記運転制御手段は、前記電源供給制御手段によって前記給湯装置本体に対する元電源の供給が阻止された後、再度、前記給湯装置本体に対する元電源の供給が許可されたとき、運転状態が特定モードに移行されたか否かの情報を前記記憶手段から読み出し、再度、前記給湯装置本体の運転状態を特定モードに移行させることを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、異常検出手段によって検出される異常が特定異常の場合、給湯装置本体の運転状態を特定モードに移行させ、給湯装置本体の運転状態が特定モードに移行されたとき、その旨を記憶しておくとともに、電源スイッチ手段を開成動作させて元電源を阻止して消費電力抑制モードに移行する。そして、消費電力抑制モードに移行した後、再度、給湯装置本体に対する元電源の供給が許可されたとき、記憶されていた、運転状態が特定モードに移行された旨を読み出し、再度、給湯装置本体の運転状態を特定モードに移行させる。
【0013】
そのため、消費電力抑制モードへの移行前後において、給湯装置本体の運転状態が特定モード(たとえば、コンセントの抜き差しを行わなければ安全動作モードを解除させないようにされた異常が発生しているモード)に移行していることが消失してしまうことがない。したがって、ユーザは、消費電力抑制モードから再度電源を供給するようにした場合でも、給湯装置本体の運転状態が特定モードになっていることを把握することができ、安全性がより向上された給湯装置を提供することができる。
【0014】
好ましい実施の形態によれば、前記電源供給制御手段によって前記給湯装置本体に元電源が供給されているとき、その元電源に基づいて充電が行われる充電手段と、前記異常検出手段によって異常が検出され、前記電源供給制御手段によって前記電源スイッチ手段が開成動作されて前記元電源が阻止されたとき、前記充電手段による充電電荷の放電を電源として利用して、異常の検出結果を表示する表示手段とを備える。
【0015】
この発明によれば、異常検出手段によって異常が検出され、電源供給制御手段によって電源スイッチ手段が開成動作されて元電源が阻止されたとき、充電手段による充電電荷が放電されることを利用してその旨を表示するので、ユーザは、異常が検出されたこと、あるいは運転状態が特定モードになっていることを、より確実に把握することができる。
【0016】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1は、本願発明に係る給湯装置を示す概略構成図である。この給湯装置は、給湯装置本体1と、これに2芯ケーブル3を介して接続されたリモコン装置2とによって構成されている。なお、リモコン装置2は、複数設けられていてもよい。
【0019】
給湯装置本体1は、たとえば住宅の屋外に設置され、給湯用、風呂追い焚き用、または温水暖房用の熱交換器、各種燃焼器、および各種バルブ等(いずれも図示せず)を含む燃焼ユニット10と、給湯装置本体1の全体動作を制御する制御部11とを備えている。
【0020】
制御部11は、たとえば電子部品が搭載された1枚のプリント基板によって構成され、マイクロコンピュータ12(以下、「本体側マイコン12」という)、EEPROM13、および通信部14等を有している。本体側マイコン12は、給湯装置本体1の制御中枢となるものであり、図示しないROMに記憶されている運転実行プログラム、あるいはリモコン装置2や図示しない暖房用機器等から送られる操作信号等に基づいて、各種燃焼器の燃焼状態や各種バルブの開閉状態を制御する。
【0021】
EEPROM13は、各種のデータを必要に応じて記憶するものである。
【0022】
通信部14は、リモコン装置2との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。給湯装置本体1からリモコン装置2に対しては、2芯ケーブル3を介して電源供給(たとえばDC15V)がされており、上記通信部14において変調されたデータ信号は、電源電圧に重畳され、この2芯ケーブル3を介してリモコン装置2に伝達される。また、リモコン装置2から上記2芯ケーブル3を介して伝達された操作信号としてのデータ信号は、上記通信部14において復調され、本体側マイコン12に送られる。
【0023】
一方、リモコン装置2は、台所および風呂場等の屋内に設置され、給湯装置本体1を遠隔操作するものである。リモコン装置2は、マイクロコンピュータ15(以下、「リモコン側マイコン15」という)、および通信部16等を有している。
【0024】
たとえば台所に設置されるリモコン装置2は、図2に示すように、本体ケース2Aの表面に運転スイッチ21aを含む各種の操作スイッチからなる操作部21、表示部22およびスピーカ23が設けられている。操作部21の各操作スイッチは、ユーザによって給湯運転や暖房運転等を行うために操作されるものである。表示部22は、たとえば多数の蛍光体をドットマトリクス状に配置した蛍光管や液晶ディスプレイ等からなる。
【0025】
リモコン側マイコン15は、リモコン装置2の制御中枢となるものであり、図示しないROMに記憶されている運転実行プログラム、あるいは操作部21の操作内容に基づいて、各部の動作制御やデータ処理を実行し、表示部22にたとえば給湯温度、風呂湯温の設定温度、およびバーナの点火状況等を必要に応じて表示したり、スピーカ23から音声を出力したりする。
【0026】
通信部16は、給湯装置本体1との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。
【0027】
ここで、本実施形態に係る給湯装置本体1は、たとえば給湯動作もリモコン装置2からの操作情報も入力されない状態が所定時間以上継続すると、通常の運転モードから消費電力抑制モードに自動的に移行する機能を備えている。消費電力抑制モードとは、後述するように商用電源を遮断して電力消費を抑制するモードである。
【0028】
また、通常、給湯装置本体1においては、運転に関する何らかのエラーが生じたときには、本体側マイコン12が、各熱交換器、各種燃焼器、および各種バルブ等(いずれも図示略)を含む燃焼ユニット10等の動作を停止させるようになっている(このような動作を「安全動作」という)。しかしながら、給湯装置本体1では、コンセントからの商用電源PWを遮断することができないため、本体側マイコン12では制御できない動作、たとえばバルブ駆動用のリレーがオン動作を継続していたり、リモコン装置2側の電装の線がみが生じている場合には、それによって燃焼ユニット10の動作が停止できなかったり、あるいは漏電したりするといった安全面に不備がある状態が生じることがある。
【0029】
そこで、本実施形態では、かかる不具合を解消するため、装置内で運転に関する何らかのエラーが生じたときには、上述した消費電力抑制モードにおける商用電源PWの遮断機能を利用して、強制的に給湯装置本体1に対する電源供給を遮断するようにしている。
【0030】
次に、給湯装置本体1およびリモコン装置2の電源系統における回路構成について説明する。
【0031】
図3は、給湯装置本体1およびリモコン装置2の電源系統における回路構成の第1実施形態を示す図である。
【0032】
同図において、給湯装置本体1の端子a1,a2は、電源ケーブルCを介してコンセント(図示略)等に接続され、これにより、給湯装置本体1に商用電源PW(たとえばAC100V)が供給される。なお、商用電源PWに代えて、自家発電による電源が採用されてもよい。給湯装置本体1内において、端子a1,a2は、電源線CCに接続され、ヒューズFUおよびリレー接点SWを介してレギュレータRGに接続されている。リレー接点SWは、給湯装置本体1に対する商用電源PWの供給を許可または阻止するためのものであり、後述するリレーコイルRYによってオン、オフ動作される。すなわち、リレー接点SWは、消費電力抑制モードにおいては、商用電源PWの供給を阻止して電力消費を抑制する機能を果たす。
【0033】
レギュレータRGによって電圧が供給される電圧端子(DC15V)には、ダイオードD2を介して充電用コンデンサC1の正極側が接続されている。充電用コンデンサC1の負極側は、グランドに接地されている。また、電圧端子(DC15V)には、充電用コンデンサC1の充電電荷の放電によりリモコン装置2側に流れる電流を検知するための電流検知回路31が接続されている。電流検知回路31は、コイルL1を介して端子b1に接続されている。また、電流検知回路31の出力端は、自己保持回路32に接続されている。
【0034】
電流検知回路31は、電圧端子(DC15V)、ダイオードD2、コイルL1および端子b1を通じて流れる電流を検知するためのものである。詳細には、消費電力抑制モードにおいて、充電用コンデンサC1に蓄えられていた充電電荷が放電されるときに流れる電流を検知する。すなわち、電流検知回路31は、消費電力抑制モードにおいて、たとえば電源スイッチ21aが押下されれば、充電用コンデンサC1から電流検知回路31、コイルL1、2芯ケーブル3、ブリッジダイオードBD、コイルL2、抵抗R1および抵抗R2に至る放電経路が形成され、この放電経路を電流が流れるので、その電流を検知する。
【0035】
電流検知回路31には、充電用コンデンサC1の充電電荷量が所定の電荷量に低下したことを電圧が所定値に低下したことにより検出する検出回路も設けられており、電流検知回路31は、充電用コンデンサC1の充電電荷の放電を検知した信号と充電用コンデンサC1の電圧低下を検出した信号とを自己保持回路32に出力する。なお、電流検知回路31によって、充電用コンデンサC1に蓄えられていた充電電荷量を検知するのは、消費電力抑制モードにおいて、充電用コンデンサC1に蓄えられた電荷量が低下しすぎると、たとえばリモコン装置2の電源スイッチ21aが押し下げられたときに、通常の運転モードに復帰させることができなくなるため、かかる不都合を解消するためである。
【0036】
また、自己保持回路32は、電流検知回路31の出力信号もしくは本体側マイコン12からの制御信号に基づいて、後述するリレーコイルRYを駆動させるための信号を出力するためのものである。自己保持回路32は、抵抗R6を介してスイッチングトランジスタQ2のベース端子に接続されている。スイッチングトランジスタQ2のコレクタ端子は、抵抗R7を介してリレーコイルRYの負極側に接続されている。スイッチングトランジスタQ2のエミッタ端子は、グランドに接地されている。リレーコイルRYの正極側は、ダイオードD2のカソード端子に接続され、リレーコイルRYの正極側には、電圧端子(DC15V)によってダイオードD2を介して動作電圧が与えられる。
【0037】
自己保持回路32の出力信号が出力されると、スイッチングトランジスタQ2がオンし、これにより正極側に電圧端子(DC15V)の動作電圧が与えられていたリレーコイルRYが駆動されることになる。
【0038】
自己保持回路32は、電流検知回路31から充電用コンデンサC1の充電電荷の放電(リモコン装置2の運転スイッチ21aの操作に基づく充電電荷の放電)を検知した信号が入力されると、上述したスイッチングトランジスタQ2をオンさせて、リレーコイルRYを駆動させるとともにリレー接点SWをオンさせる。これにより給湯装置本体1に商用電源PWが供給され、給湯装置本体1は消費電力抑制モードから通常の運転モードに復帰する。
【0039】
また、自己保持回路32は、電流検知回路31から充電用コンデンサC1の電圧低下を検知した信号が入力されると、スイッチングトランジスタQ2をオンさせて、リレーコイルRYを駆動させるとともにリレー接点SWをオンさせる。これにより給湯装置本体1に商用電源PWが供給され、レギュレータRGが起動して、充電用コンデンサC1にダイオードD2を介して駆動電圧(DC15V)が印加されるため、充電用コンデンサC1は充電されることになる。
【0040】
また、自己保持回路32は、本体側マイコン12にも接続されている。本体側マイコン12は、自己保持回路32に制御信号を入力して強制的に通常の運転モードから消費電力抑制モードに移行させる。すなわち、自己保持回路32に対してスイッチングトランジスタQ2への出力信号が出力されている場合、すなわち、リレーコイルRYが駆動され(リレー接点SWがオン)、給湯装置本体1に商用電源PWが供給されている場合、本体側マイコン12は、自己保持回路32に対してスイッチングトランジスタQ2への出力を禁止させるための禁止信号(制御信号)を出力する。この禁止信号によりスイッチングトランジスタQ2はオフし、リレーコイルRYに電流が流れなくなり(リレー接点SWがオフ)、給湯装置本体1に対する商用電源PWの供給が阻止される。
【0041】
次に、リモコン装置2の電源系統における回路構成について説明する。リモコン装置2は、給湯装置本体1と繋ぐための2芯ケーブル3が接続される端子c1,c2を有している。端子c1,c2は、給湯装置本体1からの電圧を整流するためのブリッジダイオードBDに接続され、ブリッジダイオードBDは、コイルL2、運転スイッチ21a(図2参照)、および抵抗R1,R2による閉回路に接続されている。
【0042】
また、コイルL2は、PNP型のスイッチングトランジスタQ1のエミッタ端子に接続されている。スイッチングトランジスタQ1のベース端子には、ツェナーダイオードZDのカソード端子が接続されている。スイッチングトランジスタQ1のコレクタ端子とツェナーダイオードZDのアノード端子との間には、負荷7が接続されており、この場合、負荷7としては表示部22等が挙げられる。ツェナーダイオードZDのアノード端子は、グランドに接地されている。また、抵抗R1,R2の間には、抵抗R4を介してリモコン側マイコン15が接続されている。なお、リモコン側マイコン15は、スイッチングトランジスタQ1のコレクタ端子側に備えられた図示しないレギュレータから電源が供給される。
【0043】
次に、上記の構成における作用について説明する。
【0044】
まず、通常の運転モードから運転スイッチ21aによる操作によって消費電力抑制モードに移行する場合を説明すると、通常の運転モードにおいて、リモコン装置2の運転スイッチ21aが押下されると(運転オフ)、リモコン側マイコン15は、その旨の信号を、通信部16、2芯ケーブル3および給湯装置本体1の通信部14を介して本体側マイコン12に送る。本体側マイコン12は、自己保持回路32に対してスイッチングトランジスタQ2への出力を禁止させるための禁止信号(制御信号)を出力する。この禁止信号によりスイッチングトランジスタQ2はオフし、リレーコイルRYに電流が流れなくなり(リレー接点SWがオフ)、給湯装置本体1に対する商用電源PWの供給が阻止される。
【0045】
そのため、給湯装置本体1には、電源電圧が供給されなくなり、本体側マイコン12等の動作が停止する。また、リモコン装置2にも電源電圧が供給されなくなり、リモコン側マイコン15等の動作も停止する。すなわち、上記状態では、給湯装置本体1およびリモコン装置2には、電源電圧が供給されていないことになり、消費電力を抑制することができる。しかしながら、充電用コンデンサC1には、運転動作中に、ダイオードD2を介して所定電圧(たとえばDC14.4V)が供給されて充電が行われている。
【0046】
消費電力抑制モードにおいて、ユーザにより運転スイッチ21aが押し下げられると、電流検知回路31、コイルL1、ブリッジダイオードBD、コイルL2、抵抗R1,R2によって充電用コンデンサC1に蓄えられていた電荷の放電経路が構成され、この放電経路で充電用コンデンサC1の充電電荷が放電されると、電流検知回路31からその放電を検知した信号が自己保持回路32に入力される。自己保持回路32は、この検知信号を受けてスイッチングトランジスタQ2をオンさせて、リレーコイルRYを駆動させるとともにリレー接点SWをオンさせる。これにより給湯装置本体1に商用電源PWが供給され、給湯装置本体1は消費電力抑制モードから通常の運転モードに復帰する。
【0047】
次に、給湯装置に異常が発生したときに安全動作(商用電源PWを遮断する動作)に移行する場合の処理について説明する。
【0048】
本体側マイコン12は、運転に関するエラーを検知した場合、燃焼ユニット10等の動作を停止させる。また、本体側マイコン12は、リモコン側マイコン15に運転に関するエラーを検出した旨を伝達する。リモコン側マイコン15では、それに応じて、運転に関するエラーが発生した旨を表示部22に表示する。
【0049】
次いで、本体側マイコン12は、運転動作上のエラーが生じたことを履歴情報としてEEPROM13に記憶させる。その後、本体側マイコン12は、自己保持回路32に対して保持状態を禁止させる禁止信号を出力する。これにより、自己保持回路32は、スイッチングトランジスタQ2をオフさせ、リレーコイルRYに電流を流さないようにすることにより、リレー接点SWをオフさせる。その結果、給湯装置本体1には商用電源PWが供給されなくなり、本体側マイコン12およびその他の回路の動作が停止し、消費電力抑制モードに移行して実質的に安全動作に相当する処理が実現される。
【0050】
このように、給湯装置本体1等において運転に関するエラーを検出した場合、リレー接点SWをオフにして商用電源PWの供給を阻止するので、たとえば、上記エラーによってユーザにとって安全面で不適切な運転状態が生じた場合に、その運転状態を回避することができる。
【0051】
なお、このとき、給湯装置本体1には、電源供給がされなくなるが、リモコン装置2においては、充電用コンデンサC1に蓄えられていた充電電荷が放電されることを利用して、表示部22(負荷7)に電源を供給するようにし、エラー表示を継続して行うようにしてもよい。これにより、ユーザは、エラーが検出されたことを、より確実に把握することができる。
【0052】
図4は、図3に示す給湯装置本体1の電源系統における回路構成と同機能を有する、より具体的な回路構成を示す図である。以下、図3の給湯装置本体1と異なる部分について説明する。
【0053】
電源線CCの他方の線には、抵抗R11を介して整流用ダイオードD11が接続され、さらにこの整流用ダイオードD11には、平滑用コンデンサC11が接続されている。整流用ダイオードD11および平滑用コンデンサC11は、リレーコイルRY、スイッチングトランジスタQ11等の能動素子のための駆動電源(直流電源)を生成する回路である。
【0054】
整流用ダイオードD11のカソード端子には、上記リレー接点SWをオン、オフ動作させるためのリレーコイルRYの正極側が接続されている。また、リレーコイルRYの負極側は、抵抗R12を介してサイリスタSのアノード側に接続されている。サイリスタSは、リレーコイルRYへの通電を制御するスイッチ素子であり、抵抗R12は、サイリスタSに流れる電流を制限する抵抗である。
【0055】
また、リレーコイルRYの正極側には、抵抗R13を介してPNP型のスイッチングトランジスタQ11のエミッタ端子が接続されており、このスイッチングトランジスタQ11のコレクタ端子には、サイリスタSのゲート端子が接続されている。スイッチングトランジスタQ11のコレクタ端子およびサイリスタSのカソード端子間には、抵抗R14と、コンデンサC12とが並列に接続されている。また、サイリスタSのカソード端子は、一次側グランドに接地されている。スイッチングトランジスタQ11はサイリスタSのオン動作を制御するものであり、スイッチングトランジスタQ11がオンになると、サイリスタSのゲート端子に駆動電圧が印加され、サイリスタSはオンになる。すなわち、リレーコイルRYに通電され、リレー接点SWがオン(商用電源PWの供給状態)になる。
【0056】
サイリスタSのアノード端子およびカソード端子間は、フォトカプラPC13のフォトトランジスタに接続されている。フォトカプラPC13のフォトダイオードのアノード端子側は、本体側マイコン12に接続され、フォトダイオードのカソード端子側は、二次側グランドに接地されている。
【0057】
なお、フォトカプラPC13は、本体側マイコン12からの制御信号によりサイリスタSをオフするスイッチ素子である。すなわち、本体側マイコン12によりフォトカプラPC13が一時的にオンになると、サイリスタSの両端が短絡されて電流が流れなくなり、サイリスタSはオフになる。これにより、リレーコイルRYの通電が遮断され、リレー接点SWはオフ(商用電源PWの遮断状態)になる。
【0058】
また、フォトカプラPC12は、後述する充電用コンデンサC14(リモコン装置2の運転スイッチ21aの操作により消費電力抑制モードを運転モードに復帰可能にするために、当該リモコン装置2にバックアップ電源を供給するコンデンサ)の充電電圧が所定の電圧以下に低下したとき、その検出信号(後述する)により当該コンデンサC14を充電するべくサイリスタSをオンするスイッチ素子である。
【0059】
充電用コンデンサC14の電圧低下の検出信号によりフォトカプラPC12がオンになると、スイッチングトランジスタQ11がオンになり、サイリスタSのゲート端子に駆動電圧が印加されてサイリスタSはオンになる。これにより、リレーコイルRYに通電され、リレー接点SWがオン(商用電源PWの供給状態)になる。商用電源PWが通電されると、レギュレータRGが起動し、当該レギュレータRGから給湯装置本体1内の回路とリモコン装置2内の回路に対する駆動電源(所定電圧の直流電源)が供給されるため、その電源により充電用コンデンサC14は充電される。
【0060】
また、フォトカプラPC11は、消費電力抑制モードにおいてリモコン装置2の運転スイッチ21aが操作されたとき、その操作信号により消費電力抑制モードを運転モードに復帰させるためにサイリスタSをオンするスイッチ素子である。
【0061】
運転スイッチ21aの操作信号によりフォトカプラPC11がオンになると、スイッチングトランジスタQ11がオンになり、サイリスタSのゲート端子に駆動電圧が印加されてサイリスタSはオンになる。これにより、リレーコイルRYに通電され、リレー接点SWがオンになる。商用電源PWが通電されると、レギュレータRGが起動し、給湯装置本体1は消費電力抑制モードから通常の運転モードに復帰する。
【0062】
スイッチングトランジスタQ11のエミッタ端子、ベース端子間には、抵抗R15が接続され、そのベース端子にはダイオードD15のアノード端子が接続され、そのカソード端子が抵抗R16の一端に接続されている。抵抗R16の他端には、電解コンデンサC13の正極側が接続されている。電解コンデンサC13の負極側は、一次側グランドに接地されている。
【0063】
電解コンデンサC13には、並列に抵抗R17が接続され、電解コンデンサC13の両端には、正極側に抵抗R18を介して、フォトカプラPC11のフォトトランジスタと、フォトカプラPC12のフォトトランジスタとがそれぞれ接続されている。
【0064】
ここで、電解コンデンサC13は、たとえば電源ケーブルCがコンセント等に接続され、商用電源PWが供給されるときのサイリスタSのオン、オフ動作の状態を間接的に規定するものである。すなわち、上記のようにコンセント等に接続され、商用電源PWが供給されると、サイリスタSがオンするのに十分なだけの期間、電解コンデンサC13に電流が流れる。そして、スイッチングトランジスタQ11がオンになり、サイリスタSのゲート端子に駆動電圧が印加されて、サイリスタSがオンした後は、スイッチングトランジスタQ11はオフとなる。この構成により、フォトカプラPC13によるサイリスタSのオフが可能になる。
【0065】
また、抵抗R17の一端には、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子が接続されている。電界効果トランジスタFET1のソース端子は、一次側グランドに接地されている。電界効果トランジスタFET1のゲート端子は、電解コンデンサC13に対して並列に接続された抵抗R35,R36の中点に接続されているとともに、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子に接続されている。電界効果トランジスタFET1のゲート端子と一次側グランドとの間には、コンデンサC15が介在されている。電界効果トランジスタFET2のソース端子は、一次側グランドに接地され、そのゲート端子は、抵抗R37の一端に接続され、抵抗R37の他端は、一次側グランドに接地されている。また、電界効果トランジスタFET2のゲート端子は、抵抗R38を介してスイッチングトランジスタQ11のベース端子に接続されている。
【0066】
この回路構成によると、電源ケーブルCがコンセント等に接続されているときは、電界効果トランジスタFET2はオン状態となる一方、電界効果トランジスタFET1はオフ状態となる。逆に、電源ケーブルCがコンセント等から抜かれているときは、電界効果トランジスタFET2はオフ状態となり、その状態で、電解コンデンサC13に所定量の電荷が残っているときは、電界効果トランジスタFET1はオン状態となり、電解コンデンサC13の電荷を放電する。なお、上記回路において、電界効果トランジスタFET1のゲート端子における電位を決定するための抵抗R35および抵抗R36の値は、抵抗R17の値より大きくなるように設定することが可能であるため、電源コンセント接続中の消費電力をさらに削減することができる。
【0067】
フォトカプラPC11のフォトダイオードの両端には、抵抗R19が接続され、フォトダイオードのアノード端子側には、抵抗R20を介してPNP型のスイッチングトランジスタQ12のコレクタ端子が接続されている。スイッチングトランジスタQ12は、消費電力抑制モードにおいてリモコン装置2の運転スイッチ21aが操作されると、その操作信号によりオンになり、充電用コンデンサC14から電源を供給してフォトカプラPC11をオンさせるものである。スイッチングトランジスタQ12のエミッタ端子、ベース端子間には、抵抗R21が接続され、スイッチングトランジスタQ12のベース端子には、抵抗R22、逆電流防止用のダイオードD12、およびコイルL11が直列に接続されている。
【0068】
ダイオードD12のカソード端子には、電圧端子(たとえばDC15V)にアノード側が接続された逆電流防止用のダイオードD13が接続されている。このDC15Vは、リモコン装置2に与えられる電圧である。コイルL11の下流側は、リモコン装置2に接続するための一方の端子b1に接続され、他方の端子b2は、二次側グランドに接地されている。
【0069】
フォトカプラPC12のフォトダイオードの両端には、抵抗R23が接続され、フォトダイオードのアノード端子側は、抵抗R24を介してリセットIC24の入力端子24aに接続されている。
【0070】
ここで、リセットIC24は、後述する充電用コンデンサC14の充電量を検出するものであり、充電用コンデンサC14の充電量が所定電圧以下になれば、「LOW」信号を出力端子24bから出力する。リセットIC24の出力端は、フォトカプラPC12のフォトダイオードのカソード端子に接続されている。
【0071】
また、リセットIC24の入力端子24aには、充電用コンデンサC14の正極側が接続されている。
【0072】
ここで、充電用コンデンサC14は、たとえば最大1F(ファラッド)の電荷を蓄えるための充電機能を有する素子(スーパキャパシタンスともいう)である。なお、この充電用コンデンサC14に代えて、汎用の充電池等が用いられてもよい。
【0073】
充電用コンデンサC14の負極側は、二次側グランドに接地されている。また、充電用コンデンサC14の正極側は、抵抗R25およびダイオードD14を介してたとえばDC5Vが供給されている。なお、リレー接点SWがオンのときには、レギュレータRGの出力(たとえばDC15V)をもとに、図示しない他のレギュレータによって上記DC5Vが生成される。充電用コンデンサC14には、抵抗R25およびダイオードD14を介してDC5Vが供給されるので、充電用コンデンサC14の両端は、たとえばDC4.4Vである。
【0074】
次に、上記の構成における作用について簡単に説明する。
【0075】
まず、通常の運転モードから運転スイッチ21aによる操作によって消費電力抑制モードに移行する場合を説明すると、リモコン装置2において運転スイッチ21aが押下されると、リモコン側マイコン15は、本体側マイコン12にその旨を送信する。本体側マイコン12は、フォトカプラPC13を所定期間オンさせ、サイリスタSに流れる電流を阻止させる。これにより、リレーコイルRYには、電流が流れなくなり、リレー接点SWがオンからオフになり、商用電源PWの供給を遮断する。すなわち、消費電力抑制モードに移行すると、レギュレータRG自体の電力消費がゼロになり、消費電力の削減を図ることができる。ただし、充電用コンデンサC14には、運転動作中に、ダイオードD14等を介してDC5Vが供給されて充電が行われている。
【0076】
次いで、消費電力抑制モードから通常の運転モードに移行される場合を説明すると、運転動作を開始するために、ユーザの操作によってリモコン装置2の運転スイッチ21aが押下された場合、充電用コンデンサC14に蓄えられていた電荷は、スイッチングトランジスタQ12、抵抗R22、ダイオードD12、コイルL11、ブリッジダイオードBD、コイルL2等を通じて運転スイッチ21aに電流が流れる。これにより、オン動作されたスイッチングトランジスタQ12によってフォトカプラPC11がオンする。
【0077】
その結果、コンデンサC13に電流が流れるとともに、スイッチングトランジスタQ11がオンし、サイリスタSのゲート端子に電圧が印加され、リレーコイルRYに電流が流れることにより、リレー接点SWがオンする。そのため、商用電源PWが給湯装置本体1に供給されることになり、消費電力抑制モードから通常の運転モードに移行される。
【0078】
また、給湯装置に異常が発生したときに安全動作(商用電源PWを遮断する動作)に移行する場合の処理では、本体側マイコン12は、運転に関するエラーを検知した場合、燃焼ユニット10等の動作を停止させ、運転動作上のエラーが生じたことを履歴情報としてEEPROM13に記憶させる。その後、本体側マイコン12は、フォトカプラPC3を介してサイリスタSをオフさせ、リレーコイルRYに電流を流さないようにすることにより、リレー接点SWをオフさせる。その結果、給湯装置本体1には商用電源PWが供給されなくなり、本体側マイコン12およびその他の回路の動作が停止し、消費電力抑制モードに移行して実質的に安全動作に相当する処理が実現される。したがって、たとえばユーザにとって安全面で不適切な運転状態が生じた場合に、その運転状態を回避することができる。
【0079】
ところで、一般の給湯装置においては、元電磁弁(ガス弁)、水量センサ、およびフレームロッド等(いずれも図示せず)の状態を、本体側マイコン12が暴走した場合でも負荷7が安全に制御されるように、本体側マイコン12以外に設けられたフェイルセーフ回路によって監視させている。また、元電磁弁には、それに対する電源供給を遮断するためのコモンリレー(図示略)が設けられている。そして上記元電磁弁等の動作において安全ではない状態が一定時間継続したときに、上記フェイルセーフ回路は、それを検知し上記コモンリレーを動作させて元電磁弁への電源供給を遮断するようにしている。
【0080】
しかしながら、上記したような消費電力抑制モードが実行可能な給湯装置において、商用電源PWの供給を遮断することのできるリレー接点SWが設けられている場合、リレー接点SWがオフすれば、給湯装置本体1には電源電圧が供給されなくなり、すなわち、元電磁弁に対する電源供給を遮断するためのコモンリレーの動作も不可能となる。
【0081】
そこで、異常が生じた場合にフェイルセーフ回路により自動的に安全動作に移行する構成を有する給湯装置において、元電磁弁に対する電源供給を遮断するためのコモンリレーを、消費電力抑制モードに移行するためのリレー接点SWで代用し、フェイルセーフ回路によりこのリレー接点SWのオン・オフ制御を行わせるようにしてもよい。
【0082】
図5は、給湯装置本体1およびリモコン装置2の電源系統における回路構成の第2実施形態を示す図である。同図は、給湯装置本体1にフェイルセーフ回路33が設けられ、このフェイルセーフ回路33によりこのリレー接点SWのオン・オフ制御を行わせるようにしたもので、図3において、給湯装置本体1に抵抗R8、スイッチングトランジスタQ3およびフェイルセーフ回路33からなる回路を設けたものである。
【0083】
すなわち、自己保持回路32の出力端にスイッチングトランジスタQ3のコレクタ端子を接続するとともに、エミッタ端子をグランドに接地し、スイッチングトランジスタQ3のベース端子に抵抗R8を介してフェイルセーフ回路33の出力端を接続したものである。
【0084】
フェイルセーフ回路33は、元電磁弁等の動作において安全ではない状態が一定時間継続したときに外部に信号を出力する回路である。ここで、フェイルセーフ回路33において判別される、元電磁弁等の動作が安全ではない状態とは、たとえば、元電磁弁がオンでありかつフレームロッドがオフのとき、あるいはフレームロッドがオンでありかつ水量センサが流水を検知していないとき等が挙げられる。
【0085】
フェイルセーフ回路33によって元電磁弁等の動作が安全ではない状態と判別されたとき、フェイルセーフ回路33は、その出力端に信号を出力する。フェイルセーフ回路33からこの信号が出力されると、スイッチングトランジスタQ3がオンし、それにともない、スイッチングトランジスタQ2がオフする。これにより、リレーコイルRYに電流が流れなくなり、リレー接点SWがオフになり、通常の運転モードから消費電力抑制モードに移行する。そのため、給湯装置本体1には、商用電源PWが供給されなくなり、上記した元電磁弁に対する電源供給も遮断されることになる。
【0086】
このように、フェイルセーフ回路33によって商用電源PWを遮断することができるので、結果的に、元電磁弁に対する電源供給も遮断されることになる。そのため、元電磁弁に対する電源供給を遮断するためのコモンリレーを設けなくてもよくなり、コストの低減化に寄与することができる。
【0087】
図6は、図5に示す給湯装置本体1の電源系統における回路構成と同機能を有する、より具体的な回路構成を示す図である。図6に示す回路構成は、上述した図4に示す回路構成と略同一の構成とされ、以下、図4に示す回路構成と異なる部分について説明する。
【0088】
フォトカプラPC13のフォトダイオードのアノード端子には、保持回路34が接続され、保持回路34には、フェイルセーフ回路33が接続されている。保持回路34は、フェイルセーフ回路33の出力を所定期間(詳細には、フォトカプラPC13がオンする期間、すなわち、サイリスタSをオフするのに十分な期間)保持する回路である。
【0089】
上記構成により、フェイルセーフ回路33によって元電磁弁等の動作が安全ではない状態と判別されたとき、フェイルセーフ回路33は、フォトカプラPC13をオンさせるための信号を出力する。この信号は、保持回路34によって所定期間保持され、この保持された期間、フォトカプラPC13がオンする。これにより、サイリスタSがオフし、リレーコイルRYに電流が流れなくなり、リレー接点SWがオフになり、通常の運転モードから消費電力抑制モードに移行する。そのため、給湯装置本体1には、商用電源PWが供給されなくなり、上記した元電磁弁に対する電源供給も遮断される。
【0090】
ところで、上記したような運転に関するエラーにおける動作モードは、エラーの程度によって区別されており、比較的重大なエラーを検出した場合に移行する動作モードを「電源リセット安全動作モード」といい、比較的軽微なエラーを検出した場合に移行する動作モードを「安全動作モード」という。そして、電源リセット安全動作モードに移行した場合には、たとえばリモコン装置2の運転スイッチ21aによる電源リセット安全動作モードの解除操作が不可能となって、コンセントから電源ケーブルCを一旦抜いて再度コンセントを差し込んで商用電源PWの供給を行わなければ(あるいは、漏電ブレーカ5の操作スイッチ(図示略)を操作することによって電源リセットしなければ)、この電源リセット安全動作モードが解除できないようにされている。また、安全動作モードに移行した場合には、リモコン装置2においてオンモードからオフモードにする操作によって、安全動作モードが解除可能なようにされている。
【0091】
消費電力抑制モードにおいては、給湯装置本体1には、商用電源PWが供給されないため、本体側マイコン12には、電源供給されなくなる。そのため、たとえば消費電力抑制モードに移行する前に電源リセット安全動作モードに移行すると、消費電力抑制モードに移行した後において、電源リセット安全動作モードが継続している場合には、本体側マイコン12でその状態を認識することができないといったことがあり、安全面で不備な状態が生じることがある。
【0092】
そこで、本実施形態では、かかる不具合を解消するため、電源リセット安全動作モードに移行した後に、消費電力抑制モードに移行して、再度、通常モードに移行する際、電源リセット安全動作モードに移行している旨を報知するようにしている。
【0093】
具体的には、本体側マイコン12は、電源リセット安全動作モードに移行したことを検知した場合、その旨と、その時点における運転スイッチ21aがオンされているか否かを、履歴情報としてEEPROM13に記憶させる。その後、たとえばリモコン装置2の操作部21における操作が一定時間されないとき、本体側マイコン12は、消費電力抑制モードに移行する。すなわち、自己保持回路32(図3または図5参照)に対して保持状態を禁止する禁止信号を与えることにより、リレー接点SWをオフさせ、商用電源PWの供給を遮断する。
【0094】
次いで、消費電力抑制モードから通常モードに復帰した場合、本体側マイコン12は、再度立ち上げられ、EEPROM13から、消費電力抑制モードに移行されたときの運転スイッチ21aのオン、オフの状態を読み出す。
【0095】
本体側マイコン12は、消費電力抑制モードに移行されたときの運転スイッチ21aの状態がオンのとき、自己による制御によって通常運転モードから消費電力抑制モードに移行したと判断する。そして、EEPROM13から電源リセット安全動作モードに移行した旨を読み出し、それをリモコン側マイコン15に伝達する。これに応じて、リモコン側マイコン15では、電源リセット安全動作モードに移行した旨を表示部22に表示する。
【0096】
一方、本体側マイコン12は、消費電力抑制モードに移行されたときの運転スイッチ21aの状態がオフのとき、自己による制御によって通常運転モードから消費電力抑制モードに移行したのではなく、ユーザが電源リセット安全動作モードに移行したことを把握し、ユーザによってコンセントを抜き差しした後に、消費電力抑制モードに移行されたと判別する。すなわち、そのときの運転スイッチ21aの状態がオフであれば、ユーザによるコンセントの抜き差し操作により、商用電源PWの供給が遮断され、再度商用電源PWが供給されたと認識することができるからである。
【0097】
この場合、本体側マイコン12は、上記のとおり、ユーザによるコンセントの抜き差しによって電源リセット安全動作モードが解除されたと判別するので、リモコン装置2には、電源リセット安全動作モードに移行した旨の表示を行わせる指示を伝達することはしない。
【0098】
上記の制御処理により、消費電力抑制モードへの移行前後において、コンセントの抜き差しが必要なほど過度の異常が発生している電源リセット安全動作モードに移行したことが消失してしまうことがない。したがって、ユーザは、消費電力抑制モードから再度電源を供給するようにした場合でも、給湯装置本体1の運転状態が電源リセット安全動作モードに移行していることを把握することができ、コンセントを抜き差しする等の処置を行うことができる。したがって、安全性がより向上された給湯装置を提供することができる。
【0099】
なお、上記実施形態においては、電源リセット安全動作モードに移行した後に、消費電力抑制モードに移行して、再度、通常モードに移行する際、電源リセット安全動作モードに移行している旨を報知するようにしたが、他の実施形態として、安全動作モードや電源リセット安全動作モードに移行したときに、即座にリレー接点SWをオフにして給湯装置本体1を安全状態に移行させるようにしてもよい。
【0100】
また、安全動作モードや電源リセット安全動作モードに移行したときに、即座にリレー接点SWをオフにすると、ユーザは、なぜ、給湯装置本体1が安全状態に移行したのかを知ることができないため、リモコン装置2の表示部22に、異常が生じたことを表示するようにしてもよい。この場合、リモコン装置2の表示部22は、リレー接点SWがオフされているとき、充電用コンデンサC1(図4または図6の構成の場合は充電用コンデンサC14)による充電電荷によって動作することができる。
【0101】
また、安全動作モードや電源リセット安全動作モードに移行したときに、リレー接点SWをオフにすると、本体側マイコン12はリセットされるため、その後、ユーザが運転スイッチ21aを操作したり、電源コンセントを抜き差ししたりしてリレー接点SWがオンされたときに、本体側マイコン12は、リレー接点SWがオフされる前の状態を認識することができない。そのため、安全動作モードや電源リセット安全動作モードに移行したときに、リレー接点SWがオフされる際、リレー接点SWオフ前に、本体側マイコン12が異常の旨をEEPROM13に記憶させ、リレー接点SWがオンされたときに、EEPROM13の記憶内容に基づいてリレー接点SWオフ前の異常を報知したり、リレー接点SWのオフ前の安全動作状態を維持したりするようにしてもよい。特に、リレー接点SWオフ前に電源リセット安全動作モードであった場合のみ、リレー接点SWがオンされた後、電源リセット安全動作モードを再開、維持するようにしてもよい。
【0102】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、異常を検知したときには、異常の程度に応じてリレー接点SWをオフするかどうかを判断するようにしてもよい。また、リレー接点SWをオフする前に、EEPROM13に異常が生じた旨を記憶する場合には、リレー接点SWがオフされたときに充電電荷による異常報知は行わず、リレー接点SWがオンした後に、異常報知を行うようにしてもよい。さらに、リレー接点SWをオフする前に、EEPROM13に異常が生じた旨を記憶する場合には、リレー接点SWがオンした後に、そのリレー接点SWをオフする前に異常が検知されていた旨の報知のみを行い、安全動作モードあるいは電源リセット安全動作モードは解除するようにしてもよい。これは、異常を検知することにより、リレー接点SWが一旦オフにされたのであるから、本体側マイコン12はリセットされており、その後、リレー接点SWがオンされたときには、電源リセット安全動作モードを継続する必要がないという考え方に基づく場合の仕様である。
【0103】
また、給湯装置本体1に接続されるリモコン装置2の数は、実施形態に限定されるものではない。また、給湯装置本体1が備える燃焼ユニット10の燃料は、ガス、石油等適宜設計変更可能である。また、この実施形態では、燃焼ユニット10に代えて、その他の熱源器を備えた給湯装置(たとえば、ガスや二酸化炭素を用いるヒートポンプ給湯装置)にも適用可能である。また、この実施形態における給湯装置は、一般給湯機能、風呂注湯機能、風呂追い焚き機能、または温水暖房機能等のうち、少なくとも一つの機能を備えた給湯装置に適用することができる。
【0104】
【発明の効果】
本願発明によれば、給湯装置本体および/または遠隔操作装置における異常を検出した場合、たとえば電源スイッチ手段を開成動作させて元電源を阻止するので、たとえば、上記異常によってユーザにとって安全面で不適切な運転状態が生じた場合に、元電源の遮断動作が安全動作によるものと認識して、その運転状態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る給湯装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示すリモコン装置の正面図である。
【図3】給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における回路構成の第1の実施形態を示す図である。
【図4】図3に示す給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における回路構成の変形例を示す図である。
【図5】給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における回路構成の第2の実施形態を示す図である。
【図6】図5に示す給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における回路構成の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 給湯装置本体
2 リモコン装置
12 本体側マイコン
13 EEPROM
15 リモコン側マイコン
21a 運転スイッチ
31 電流検知回路
32 自己保持回路
33 フェイルセーフ回路
C1 充電用コンデンサ
SW 接点リレー
Claims (3)
- 給湯装置本体と、この給湯装置本体から電源が供給され、当該給湯装置本体を遠隔操作する遠隔操作装置とからなる給湯装置であって、
前記給湯装置本体に対する元電源の供給を許可または阻止する電源スイッチ手段と、
前記給湯装置本体および/または遠隔操作装置における異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段によって異常が検出されたとき、前記電源スイッチ手段を開成動作させて前記元電源を阻止する電源供給制御手段と、を備えたことを特徴とする、給湯装置。 - 給湯装置本体と、この給湯装置本体から電源が供給され、当該給湯装置本体を遠隔操作する遠隔操作装置とからなる給湯装置であって、
前記給湯装置本体に対する元電源の供給を許可または阻止する電源スイッチ手段と、
前記給湯装置本体が予め設定された所定の動作条件になると、前記電源スイッチ手段を開成動作させて元電源を阻止し、前記給湯装置本体が前記所定の動作条件以外の動作条件になると、前記電源スイッチ手段を閉成動作させて前記元電源を供給する電源供給制御手段と、
前記給湯装置本体および/または遠隔操作装置における異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段によって検出される異常が予め設定された特定の異常である場合、前記給湯装置本体の運転状態を特定モードに移行させる運転制御手段と、
前記運転制御手段によって前記給湯装置本体の運転状態が特定モードに移行されたか否かの情報を記憶する記憶手段と、
前記運転制御手段は、前記電源供給制御手段によって前記給湯装置本体に対する元電源の供給が阻止された後、再度、前記給湯装置本体に対する元電源の供給が許可されたとき、運転状態が特定モードに移行されたか否かの情報を前記記憶手段から読み出し、再度、前記給湯装置本体の運転状態を特定モードに移行させることを特徴とする、給湯装置。 - 前記電源供給制御手段によって前記給湯装置本体に元電源が供給されているとき、その元電源に基づいて充電が行われる充電手段と、
前記異常検出手段によって異常が検出され、前記電源供給制御手段によって前記電源スイッチ手段が開成動作されて前記元電源が阻止されたとき、前記充電手段による充電電荷の放電を電源として利用して、異常の検出結果を表示する表示手段とを備える、請求項1または2に記載の給湯装置。
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