JP3994899B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、給湯装置本体とリモコン装置とを備える給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、給湯装置としては、一般に給湯装置本体と、それに2芯ケーブル等によって接続されたリモコン装置とを備えて構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−140509号公報
【0004】
給湯装置本体は、給湯を行うためのものであり、給湯用、風呂追い焚き用および温水暖房用等の熱交換器を備える燃焼ユニットと、この燃焼ユニットを制御するマイクロコンピュータ(以下、単に「マイコン」という。)を備える制御部とが設けられている。一方、リモコン装置は、給湯装置本体の給湯運転を遠隔操作するためのものであり、操作スイッチや液晶表示器等を有する操作表示部が備えられている。そして、リモコン装置は、給湯装置本体から2芯ケーブル等の接続線を介して電源が供給され、給湯装置本体ととともに駆動されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、給湯装置が給湯動作を全くしておらず、リモコン装置からも全く操作情報が入力されない状態(いわゆる運転待機状態)が継続する場合は、その状態であっても給湯装置本体およびリモコン装置に搭載されたマイコンや電気回路等によって、ある程度の電力が消費されているため、節電の観点からは、その消費電力を可能な限り抑制することが好ましい。たとえば待機状態においては給湯装置本体に供給される商用電源をスイッチにより遮断することが好ましい。
【0006】
ここで、給湯装置本体が運転待機状態にあることを検知して、自動的に商用電源をスイッチにより遮断する構成とした場合(たとえば給湯動作が停止してから上述の運転待機状態が所定時間以上継続すると、消費電力抑制モードに移行し、自動的にスイッチをオフにして商用電源を遮断する構成とした場合)、消費電力抑制モードにおいてユーザがリモコン装置から運転スイッチを操作したとき、直ちに給湯装置本体を消費電力抑制モードから通常の運転モードに移行させるには、リモコン装置における運転スイッチの操作情報に基づいて商用電源のスイッチをオンさせる必要がある。しかしながら、消費電力抑制モードではリモコン装置に給湯装置本体から電源が供給されていないため、リモコン装置の運転スイッチの操作によって商用電源のスイッチをオンさせることができないという不都合が生じる。
【0007】
給湯装置本体にスイッチによる電源遮断回路が設けられるため、給湯装置本体に遮断された商用電源を復帰させる電源復帰用操作スイッチを設けてもよいが、給湯装置本体は、屋外に設置されることが多いため、ユーザに屋外に出て電源復帰用操作スイッチの操作を強いることになり、極めて操作性が悪く、実用的でない。
【0008】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、商用電源を遮断することによって可能な限り電力消費を抑制する消費電力抑制モードを有し、消費電力抑制モードに移行した場合にもリモコン装置での操作により通常の給湯モードに復帰させることのできる給湯装置を提供することを、その課題とする。
【0009】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明に係る給湯装置は、給湯装置本体と遠隔操作装置とを有し、前記給湯装置本体から前記遠隔操作装置に対して電源の供給が可能な給湯装置であって、元電源からの電源供給に基づいて前記給湯装置本体の各回路及び前記遠隔操作装置に対して所定の電源電圧を供給する電圧源と、前記元電源と前記電圧源との間に設けられ、前記電圧源に対する前記元電源の供給を許可または阻止するスイッチ手段と、前記スイッチ手段によって前記電圧源に対して前記元電源が供給されているとき、前記電圧源からの電源電圧に基づいて充電が行われ、前記スイッチ手段によって前記電圧源に対する前記元電源の供給が阻止されているとき、前記遠隔操作装置からの操作によって充電電荷が放電される充電手段と、前記給湯装置本体が予め設定された所定の動作条件になると、前記スイッチ手段をオフにして前記元電源の供給を阻止し、この元電源の阻止状態でユーザによる前記遠隔操作装置からの操作によって前記充電手段の充電電荷が放電されると、その放電信号に基づいて前記スイッチ手段をオンにして前記元電源を前記電圧源に対して供給する電源供給制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、電源供給制御手段は、給湯装置が予め設定された所定の動作条件になると、スイッチ手段をオフにして各回路及び遠隔操作装置に対して所定の電源電圧を供給する電圧源に対して元電源の供給を阻止する(消費電力抑制モード)。そして、元電源の阻止状態でユーザによる遠隔操作装置からの操作によって充電手段の充電電荷が放電されると、その放電信号に基づいてスイッチ手段をオンにして電圧源に対して元電源を供給する。したがって、消費電力抑制モードに移行した場合にもリモコン装置での操作により通常の給湯モードに復帰させることができるので、使い勝手のよい給湯装置を提供することができる。なお、ここで、元電源としては、商用電源や自家発電による電源等が適用される。
【0012】
好ましい実施の形態によれば、前記充電手段の充電量が所定レベルに低下したことを検出する検出手段を備え、前記電源供給制御手段は、前記元電源の供給が阻止されているとき、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記元電源の供給を許可する。
【0013】
この構成によれば、検出手段によってたとえば、充電手段による充電量が所定レベルに低下したことを検出すると、元電源の供給が阻止されているとき、元電源の供給を許可するため、充電手段による充電量をほぼ一定にすることができ、ユーザによる遠隔操作装置からの電源投入操作を、常時、支障なく行い得る。
【0014】
他の好ましい実施の形態によれば、前記スイッチ手段のオン、オフの累積回数を計数する計数手段を備え、前記電源供給制御手段は、前記計数手段によって計数されたオン、オフの累積回数が所定回数を越えると、前記給湯装置が所定の動作条件になっても前記スイッチ手段をオフせず、前記元電源の供給を保持する。
【0015】
この構成によれば、計数手段によって計数されたオン、オフの累積回数が所定回数を越えると、給湯装置が所定の動作条件(消費電力抑制モード)になってもスイッチ手段をオフせず、元電源の供給を保持する。すなわち、たとえばスイッチ手段が経年的な要因で接点不良を生じさせるようなときは、元電源の供給を保持するようにするので、たとえばユーザが遠隔操作装置から電源投入を行った際において、リレー接点がオン動作しなくなるといったおそれを解消することができる。なお、前記計数手段によって計数されたオン、オフの累積回数は、たとえばEEPROMといった不揮発性メモリに記憶されることが望ましい。
【0016】
他の好ましい実施の形態によれば、前記給湯装置に前記遠隔操作装置以外の他の装置が接続されたか否かを判別するための判別手段を備え、前記電源供給制御手段は、前記判別手段によって前記他の装置が接続されていると判別されると、前記給湯装置が所定の動作条件になっても前記スイッチ手段をオフせず、元電源の供給を保持する。
【0017】
この発明によれば、判別手段によって前記他の装置が接続されていると判別されると、給湯装置が所定の動作条件になってもスイッチ手段をオフせず、元電源の供給を保持する。そのため、他の装置(たとえばオプション機器)へは、元電源が適切に供給されることになり、オプション機器の良好な動作を確保することができる。なお、ここでいう他の装置とは、その装置に設けられた、たとえば操作スイッチの操作によってのみ、上記スイッチ手段をオンさせて元電源の供給を行う構成を備えていない装置をいう。たとえば、その装置における操作スイッチの操作が行われていないにもかかわらず、電力を消費してしまい、それによって上記スイッチ手段がオンしてしまうといった構成の装置は、消費電力抑制モードに移行する制御、あるいは消費電力抑制モードから通常モードに復帰する制御が成り立たないため、上記他の装置に該当する。そのため、遠隔操作装置の中でも、上記構成を備えていない遠隔操作装置は、上記他の装置に該当する。また、消費電力抑制モードに移行する制御、あるいは消費電力抑制モードから通常モードに復帰する制御を実行したときに、その装置における制御ソフトウェアまたはハードウェア等に不具合が生じるような装置は、他の装置に該当する。
【0018】
他の好ましい実施の形態によれば、前記給湯装置本体は、前記判別手段によって前記他の装置が接続されていると判別されたとき、前記他の装置に対する前記充電手段による放電を阻止する放電阻止手段を備える。
【0019】
この構成によれば、給湯装置本体は、判別手段によって他の装置が接続されていると判別されたとき、他の装置に対する充電手段による放電を阻止するので、給湯装置本体に他の装置(たとえばオプション機器)が接続されたとき、他の装置に対して放電されるのを防止することができる。そのため、充電手段による充電量を必要十分に保持することができ、ユーザによる遠隔操作装置からの電源投入操作を確実に行うことができる。
【0020】
他の好ましい実施の形態によれば、前記給湯装置本体は、前記充電手段の充電を行う際、その旨の信号を前記遠隔操作装置に送信する通信手段を備え、前記遠隔操作装置は、前記給湯装置本体からの信号を受信して前記充電手段の充電が行われる旨を表示する表示手段を備える。
【0021】
この構成によれば、遠隔操作装置は、給湯装置本体から充電手段が充電を行う旨の信号を受信してその旨を表示するので、ユーザは、たとえば装置の消費電力を測定するときに、電源操作をしていないのにもかかわらず、消費電力が「0」でない理由が、充電手段が充電中であることを即座にかつ確実に把握することができる。そのため、ユーザに安心感を与えることができる。
【0022】
他の好ましい実施の形態によれば、前記給湯装置本体は、前記電圧源に対する前記元電源の供給が許可されているとき、前記遠隔操作装置に対する電源供給を禁止する電源供給禁止手段を備える。
【0023】
この構成によれば、給湯装置本体は、これに対する元電源の供給が許可されているとき、遠隔操作装置に対する電源供給を禁止するので、たとえば冬場等に凍結予防運転を給湯装置本体側のみで行う必要があるときに、給湯装置本体のみを動作させることができるので、可及的に消費電力を抑制することができる。
【0024】
他の好ましい実施の形態によれば、前記充電手段は、前記電源供給制御手段によって前記電圧源に対する前記元電源の供給が阻止されると、当該充電手段の充電電荷により前記遠隔操作装置に対して電源を供給するものであり、前記遠隔操作装置は、前記給湯装置本体からの信号に基づいて、前記充電手段による電源供給を禁止する電源供給禁止手段を備える。
【0025】
この構成によれば、遠隔操作装置は、給湯装置本体からの信号に基づいて、充電手段による電源供給を禁止するので、充電手段によって蓄えられていた電荷が遠隔操作装置に対して放電されることを抑制することができる。そのため、充電手段による充電量を必要十分に保持することができ、ユーザによる遠隔操作装置からの電源投入操作を確実に行うことができる。
【0026】
他の好ましい実施の形態によれば、前記充電手段は、前記電源供給制御手段によって前記電圧源に対する前記元電源の供給が阻止されると、当該充電手段の充電電荷により前記遠隔操作装置に対して電源を供給するものであり、前記給湯装置本体は、上記充電手段による充電電圧を低減させる第1低減手段を備え、前記遠隔操作装置は、前記第1低減手段によって低減された上記充電手段の充電電圧をさらに低減させる第2低減手段を備える。
【0027】
この構成によれば、給湯装置本体は、充電手段による充電電圧を低減させ、遠隔操作装置は、第1低減手段によって低減された充電手段の充電電圧をさらに低減させるので、充電手段によって蓄えられていた電荷が遠隔操作装置に対して放電されることを抑制することができる。そのため、充電手段による充電量を必要十分に保持することができ、ユーザによる遠隔操作装置からの電源投入操作を確実に行うことができる。
【0028】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0030】
図1は、本願発明に係る給湯装置を示す概略構成図である。この給湯装置は、給湯装置本体1と、これに2芯ケーブル3を介して接続されたリモコン装置2とによって構成されている。なお、リモコン装置2は、複数設けられていてもよい。
【0031】
給湯装置本体1は、たとえば住宅の屋外に設置され、給湯用、風呂追い焚き用、または温水暖房用の熱交換器、各種燃焼器、および各種バルブ等を含む燃焼ユニット10と、給湯装置本体1の全体動作を制御する制御部11とを備えている。
【0032】
制御部11は、たとえば電子部品が搭載された1枚のプリント基板によって構成され、マイクロコンピュータ12(以下、「本体側マイコン12」という)、EEPROM13、および通信部14等を有している。本体側マイコン12は、給湯装置本体1の制御中枢となるものであり、図示しないROMに記憶されている運転実行プログラム、給湯装置本体1が備える各種センサ(図示略)の検出信号、あるいはリモコン装置2や図示しない暖房用機器等から送られる操作信号等に基づいて、各種燃焼器の燃焼状態や各種バルブの開閉状態を制御する。
【0033】
EEPROM13は、各種のデータを必要に応じて記憶するものである。
【0034】
通信部14は、リモコン装置2との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。給湯装置本体1からリモコン装置2に対しては、2芯ケーブル3を介して電源供給(たとえばDC15V)がされており、上記通信部14において変調されたデータ信号は、電源電圧に重畳され、この2芯ケーブル3を介してリモコン装置2に伝達される。また、リモコン装置2から上記2芯ケーブル3を介して伝達された操作信号としてのデータ信号は、上記通信部14において復調され、本体側マイコン12に送られる。
【0035】
一方、リモコン装置2は、台所および風呂場等の屋内に設置され、給湯装置本体1を遠隔操作するものである。リモコン装置2は、マイクロコンピュータ15(以下、「リモコン側マイコン15」という)、および通信部16等を有している。
【0036】
たとえば台所に設置されるリモコン装置2は、図2に示すように、本体ケース2Aの表面に運転スイッチ21aを含む各種の操作スイッチからなる操作部21、表示部22およびスピーカ23が設けられている。
【0037】
操作スイッチ21は、ユーザによって給湯運転や暖房運転等を行うために操作されるものである。特に、運転スイッチ21aは、給湯装置本体1の給湯運転のオン/オフを指示する操作スイッチであり、ユーザによる押圧操作があるたびに、給湯装置のオン状態とオフ状態とが交互に切り替わる。運転スイッチ21aがオン状態のときに、給湯栓(図示略)が開かれ、かつ所定流量以上の通水があると、一般給湯を行う。
【0038】
また、本実施形態に係る給湯装置本体1は、たとえば給湯動作もリモコン装置2からの操作情報も入力されない状態が所定時間以上継続すると、通常の運転モードから消費電力抑制モードに自動的に移行する機能を備えている。消費電力抑制モードとは、後述するように商用電源PWを遮断して電力消費を抑制するモードである。運転スイッチ21aは、消費電力抑制から通常の運転モードに復帰させるための操作スイッチとしても機能する。なお、給湯装置本体1は、消費電力抑制モードにおいてはリモコン装置2に電力を供給しないため、後述するように消費電力抑制モードから運転モードに復帰されるための運転スイッチ21aの操作情報を給湯装置本体1に伝達させるためのバックアップ電源(コンデンサ充電電荷を利用した電源)を備えている。
【0039】
表示部22は、たとえば多数の蛍光体をドットマトリクス状に配置した蛍光管や液晶ディスプレイ等からなる。
【0040】
リモコン側マイコン15は、リモコン装置2の制御中枢となるものであり、図示しないROMに記憶されている運転実行プログラム、あるいは操作部21の操作内容に基づいて、各部の動作制御やデータ処理を実行し、表示部22にたとえば給湯温度、風呂湯温の設定温度やバーナの点火状況等を必要に応じて表示したり、スピーカ23から音声を出力したりする。
【0041】
通信部16は、本体側マイコン12との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。
【0042】
次に、給湯装置本体1およびリモコン装置2の電源系統における回路構成について、図3を参照して詳述する。給湯装置本体1の端子a1,a2は、電源ケーブルCを介してコンセント等に接続され、これにより、給湯装置本体1に商用電源PW(たとえばAC100V)が供給される。給湯装置本体1内において、端子a1,a2は、電源線CCに接続され、電源線CCは、リレー接点SWを介してレギュレータRGに接続されている。なお、商用電源PWに代えて、自家発電による電源が採用されてもよい。
【0043】
レギュレータRGは、たとえばスイッチング電源やシリーズレギュレータ等によって構成されており、図示しないが、内部にトランス回路や平滑回路等を備え、給湯装置本体1の本体側マイコン12や他の制御回路に対して所定の電圧を供給するものである。また、リレー接点SWは、元電源のスイッチであり、消費電力抑制モードにおいては元電源をオフにして電力消費を抑制する機能を果たすものである。リレー接点SWは、後述するリレーコイルRYによってオン、オフ動作される。
【0044】
電源線CCの一方の線には、リレー接点SWの上流側においてヒューズFUが介装されている。ヒューズFUの下流側は、一次側グランドに接地されている。また、電源線CCの他方の線には、抵抗R1を介して整流用ダイオードD1が接続され、さらにこの整流用ダイオードD1には、平滑用コンデンサC1が接続されている。整流用ダイオードD1および平滑用コンデンサC1は、後述するリレーコイルRY、トランジスタQ1等の能動素子のための駆動電源(直流電源)を生成する回路である。
【0045】
整流用ダイオードD1のカソード端子には、上記リレー接点SWをオン、オフ動作させるためのリレーコイルRYの正極側が接続されている。また、リレーコイルRYの負極側は、抵抗R2を介してサイリスタSのアノード側に接続されている。サイリスタSは、リレーコイルRYへの通電を制御するスイッチ素子であり、抵抗R2は、サイリスタSに流れる電流を制限する抵抗である。
【0046】
また、リレーコイルRYの正極側には、抵抗R3を介してPNP型のスイッチングトランジスタQ1のエミッタ端子が接続されており、このスイッチングトランジスタQ1のコレクタ端子には、サイリスタSのゲート端子が接続されている。スイッチングトランジスタQ1のコレクタ端子およびサイリスタSのカソード端子間には、抵抗R4と、コンデンサC2とが並列に接続されている。また、サイリスタSのカソード端子は、一次側グランドに接地されている。スイッチングトランジスタQ1はサイリスタSのオン動作を制御するものであり、スイッチングトランジスタQ1がオンになると、サイリスタSのゲート端子に駆動電圧が印加され、サイリスタSはオンになる。すなわち、リレーコイルRYに通電され、リレー接点SWがオン(商用電源PWの供給状態)になる。
【0047】
サイリスタSのアノード端子およびカソード端子間は、フォトカプラPC3のフォトトランジスタに接続されている。フォトカプラPC3のフォトダイオードのアノード端子側は、本体側マイコン12に接続され、フォトダイオードのカソード端子側は、一次側グランドに接地されている。
【0048】
なお、フォトカプラPC3は、マイコン12からの制御信号によりサイリスタSをオフするスイッチ素子である。すなわち、マイコン12によりフォトカプラPC3が一時的にオンになると、サイリスタSの両端が短絡されて電流が流れなくなり、サイリスタSはオフになる。これにより、リレーコイルRYの通電が遮断され、リレー接点SWはオフ(商用電源PWの遮断状態)になる。
【0049】
また、フォトカプラPC2は、後述する充電用コンデンサC4(リモコン装置2の運転スイッチ21aの操作により消費電力抑制モードを運転モードに復帰可能にするために、当該リモコン装置2にバックアップ電源を供給するコンデンサ)の充電電圧が所定の電圧以下に低下したとき、その検出信号(後述する)により当該コンデンサC4を充電するべくサイリスタSをオンするスイッチ素子である。
【0050】
充電用コンデンサC4の電圧低下の検出信号によりフォトカプラPC2がオンになると、スイッチングトランジスタQ1がオンになり、サイリスタSのゲート端子に駆動電圧が印加されてサイリスタSはオンになる。これにより、リレーコイルRYに通電され、リレー接点SWがオン(商用電源PWの供給状態)になる。商用電源PWが通電されると、レギュレータRGが起動し、当該レギュレータRGから給湯装置本体1内の回路とリモコン装置2内の回路に対する駆動電源(所定電圧の直流電源)が供給されるため、その電源により充電用コンデンサC4は充電される。この充電用コンデンサC4の充電に関する動作については後述する。
【0051】
また、フォトカプラPC1は、消費電力抑制モードにおいてリモコン装置2の運転スイッチ21aが操作されたとき、その操作信号により消費電力抑制モードを運転モードに復帰させるためにサイリスタSをオンするスイッチ素子である。
【0052】
運転スイッチ21aの操作信号によりフォトカプラPC1がオンになると、スイッチングトランジスタQ1がオンになり、サイリスタSのゲート端子に駆動電圧が印加されてサイリスタSはオンになる。これにより、リレーコイルRYに通電され、リレー接点SWがオンになる。商用電源PWが通電されると、レギュレータRGが起動し、給湯装置本体1は消費電力抑制モードから通常の運転モードに復帰する。
【0053】
スイッチングトランジスタQ1のエミッタ端子、ベース端子間には、抵抗R5が接続され、そのベース端子には抵抗R6を介して電解コンデンサC3の正極側が接続されている。電解コンデンサC3の負極側は、一次側グランドに接地されている。
【0054】
電解コンデンサC3には、並列に抵抗R7が接続され、電解コンデンサC3の両端には、正極側に抵抗R8を介して、フォトカプラPC1のフォトトランジスタと、フォトカプラPC2のフォトトランジスタとがそれぞれ接続されている。
【0055】
ここで、電解コンデンサC3は、たとえば電源ケーブルCがコンセント等に接続され、商用電源PWが供給されるときのサイリスタSのオン、オフ動作の状態を間接的に規定するものである。すなわち、上記のようにコンセント等に接続され、商用電源PWが供給されると、サイリスタSがオンするのに十分なだけの期間、電解コンデンサC3に電流が流れる。そして、スイッチングトランジスタQ1がオンになり、サイリスタSのゲート端子に駆動電圧が印加されて、サイリスタSがオンした後は、スイッチングトランジスタQ1はオフとなる。この構成により、フォトカプラPC3によるサイリスタSのオフが可能になる。
【0056】
フォトカプラPC1のフォトダイオードの両端には、抵抗R9が接続され、フォトダイオードのアノード端子側には、抵抗R10を介してPNP型のスイッチングトランジスタQ2のコレクタ端子が接続されている。スイッチングトランジスタQ2は、消費電力抑制モードにおいてリモコン装置2の運転スイッチ21aが操作されると、その操作信号によりオンになり、充電用コンデンサC4から電源を供給してフォトカプラPC1をオンさせるものである。スイッチングトランジスタQ2のエミッタ端子、ベース端子間には、抵抗R11が接続され、スイッチングトランジスタQ2のベース端子には、抵抗R12、逆電流防止用のダイオードD2、およびコイルL1が直列に接続されている。
【0057】
ダイオードD2のカソード端子には、電圧端子(たとえばDC15V)にアノード側が接続された逆電流防止用のダイオードD3が接続されている。このDC15Vは、リモコン装置2に与えられる電圧である。コイルL1の下流側は、リモコン装置2に接続するための一方の端子b1に接続され、他方の端子b2は、二次側グランドに接地されている。
【0058】
フォトカプラPC2のフォトダイオードの両端には、抵抗R13が接続され、フォトダイオードのアノード端子側は、抵抗R14を介してリセットIC24の入力端子24aに接続されている。
【0059】
ここで、リセットIC24は、後述する充電用コンデンサC4の充電量を検出するものであり、充電用コンデンサC4の充電量が所定電圧以下になれば、「LOW」信号を出力端子24bから出力する。リセットIC24の出力端は、フォトカプラPC2のフォトダイオードのカソード端子に接続されている。
【0060】
また、リセットIC24の入力端子24aには、充電用コンデンサC4の正極側が接続されているとともに、電圧端子(たとえばDC4.4V)が接続されている。
【0061】
ここで、充電用コンデンサC4は、たとえば最大1F(ファラッド)の電荷を蓄えるための充電機能を有する素子(スーパキャパシタンスともいう)である。なお、この充電用コンデンサC4に代えて、汎用の充電池等が用いられてもよい。
【0062】
充電用コンデンサC4の負極側は、二次側グランドに接地されている。また、充電用コンデンサC4の正極側には、抵抗R15およびダイオードD4を介して電圧端子(たとえば5V)が接続されている。
【0063】
次に、リモコン装置2の電源系統における回路構成について詳述する。リモコン装置2は、給湯装置本体1と繋ぐための2芯ケーブル3が接続される端子c1,c2を有している。端子c1,c2は、給湯装置本体1からの電圧を整流するためのブリッジダイオードBDに接続され、ブリッジダイオードBDは、コイルL2、運転スイッチ21a(図2参照)、および抵抗R17,R18による閉回路に接続されている。また、抵抗R17,R18の間には、抵抗R19を介してリモコン側マイコン15が接続されている。
【0064】
また、コイルL2は、PNP型のスイッチングトランジスタQ3のエミッタ端子に接続され、スイッチングトランジスタQ3のベース端子には、ツェナーダイオードZDのカソード端子が接続されている。スイッチングトランジスタQ3のコレクタ端子とツェナーダイオードZDのアノード端子との間には、負荷26が接続されており、この場合、負荷26としては表示部22等が挙げられる。ツェナーダイオードZDのアノード端子は、二次側グランドに接地されている。
【0065】
運転スイッチ21aはモメンタリーのワンプッシュスイッチからなり、運転スイッチ21aが押し下げられると、コイルL2と抵抗R17とが接続され、給湯装置本体1から供給される電源により抵抗R17および抵抗18の閉回路に電流が流れて抵抗18に電圧が生じる。抵抗18に生じた電圧は抵抗19を介してリモコン側マイコン15に入力され、これによりリモコン側マイコン15は運転スイッチ21aが操作されたことを認識する。
【0066】
また、消費電力抑制モードにおいて運転スイッチ21aが押し下げられると、コイルL2と抵抗R17とが接続され、給湯装置本体1側に設けられた充電コンデンサC4の放電経路を形成する。すなわち、給湯装置本体1の抵抗R11,R12,ダイオードD2,コイルL1と2芯ケーブル3とリモコン装置2側のブリッジダイオードBD,コイルL2,R17およびR18により放電経路が形成される。したがって、充電用コンデンサC4に充電された電荷がこの放電経路により放電され、これにより給湯装置本体1のスイッチングトランジスタQ2がオンになり、さらに上述したようにフォトカプラPC1、スイッチングトランジスタQ1がオンになり、リレーコイルRYを通電してリレー接点SWがオン(商用電源PWの供給状態)になるので、消費電力抑制モードから通常の運転モードに復帰する。
【0067】
次に、上記の構成における作用について説明する。
【0068】
まず、通常の運転モードから運転スイッチ21aによる操作によって消費電力抑制モードに移行する場合を説明すると、リモコン装置2において運転スイッチ21aが押下されると、リモコン側マイコン15は、その旨の信号を2芯ケーブル3および通信部14を介して給湯装置本体1の本体側マイコン12に送る。本体側マイコン12は、フォトカプラPC3をオンさせ、サイリスタSに流れる電流を阻止させる。これにより、リレーコイルRYには、電流が流れなくなり、リレー接点SWがオンからオフになり、商用電源PWの供給を遮断する。すなわち、消費電力抑制モードに移行すると、レギュレータRG自体の電力消費がゼロになり、消費電力の削減を図ることができる。
【0069】
なお、本体側マイコン12は、リモコン側マイコン15から運転スイッチ21aが押下された旨の信号を受けると、フォトカプラPC3をオンさせる前に、商用電源PWの供給が遮断される前の所定の処理を行ってもよい。たとえば、本体側マイコン12は、運転スイッチ21aが押下された旨の信号を受けると、燃焼用ファン(図示略)のポストパージ運転を完了させてからフォトカプラPC3をオンさせるようにする。
【0070】
そのため、給湯装置本体1には、電源電圧が供給されなくなり、本体側マイコン12等の動作が停止する。また、リモコン装置2にも電源電圧が供給されなくなり、リモコン側マイコン15等の動作も停止する。すなわち、上記状態では、給湯装置本体1およびリモコン装置2には、電源電圧が供給されていないことになり、消費電力を抑制することができる。ただし、充電用コンデンサC4には、運転動作中に、ダイオードD4を介してDC5Vが供給されて充電が行われている。
【0071】
次いで、消費電力抑制モードから通常の運転モードに移行される場合を説明すると、運転動作を開始するために、ユーザの操作によってリモコン装置2の運転スイッチ21aが押下された場合、充電用コンデンサC4に蓄えられていた電荷は、スイッチングトランジスタQ2、抵抗R12、ダイオードD2、コイルL1、ブリッジダイオードBD、コイルL2等を通じて運転スイッチ21aに電流が流れる。これにより、オン動作されたスイッチングトランジスタQ2によってフォトカプラPC1がオンする。
【0072】
その結果、コンデンサC3に電流が流れるとともに、スイッチングトランジスタQ1がオンし、サイリスタSのゲート端子に電圧が印加され、リレーコイルRYに電流が流れることにより、リレー接点SWがオンする。そのため、商用電源PWが給湯装置本体1に供給されることになる。
【0073】
このように、消費電力抑制モードに移行した場合、従来では、リモコン装置2には電源電圧が供給されていないため、リモコン装置2を用いて商用電源PWを投入することはできなかったが、上記構成および作用により、消費電力抑制モードに移行した場合にもリモコン装置2における操作により商用電源PWを投入することができ、通常の給湯運転モードに復帰させることができる。そのため、使い勝手のよい給湯装置を提供することができる。
【0074】
しかも、リモコン装置2から運転動作開始するための運転スイッチ21aが押下される際には、リレー接点SWがオフ状態であるため、運転待機中等に商用電源PWが供給されることによる無駄な電力の消費を抑制することができる。
【0075】
ここで、充電用コンデンサC4は、消費電力抑制モードが継続されて電圧が供給されないでいると、序々に放電し、所望の充電量を維持できなくなることがある。そのようなことがあると、上記したように、リモコン装置2の運転スイッチ21aを押下しても、充電用コンデンサC4の充電量が少ないために、スイッチングトランジスタQ2をオンできなくなり、リレー接点SWをオンできず、ひいては商用電源PWを供給できなくなってしまう。
【0076】
そこで、本実施形態では、そのような不都合が生じないように、充電用コンデンサC4の電圧が一定電圧以下になったときに、それを自動的に復帰できるように構成されている。
【0077】
具体的に説明すると、充電用コンデンサC4の充電量が低下してくると、その正極側に接続されているリセットIC24がそれを検出し、リセットIC24は、「LOW」信号をフォトカプラPC2に出力する。
【0078】
このとき、フォトカプラPC2には、充電用コンデンサC4からの電流が抵抗R14を介して流れ、これにより、フォトカプラPC2がオン動作する。その結果、コンデンサC3に電流が流れるとともに、スイッチングトランジスタQ1がオンする。そして、サイリスタSのゲート端子に電圧が印加され、リレーコイルRYに電流が流れることにより、リレー接点SWがオンする。そのため、商用電源PWが給湯装置本体1に供給されることになる。したがって、商用電源PWが供給されることから、充電用コンデンサC4は、再び、充電されることになり、所定の充電量になるまで充電することができる。ゆえに、消費電力抑制モードにおいて、ユーザによるリモコン装置2からの電源投入操作を、常時、支障なく行うことができる。
【0079】
また、商用電源PWの供給を阻止または許可するためのリレー接点SWにおいては、オン、オフの回数によって、経年的な要因で接点不良を生じさせるおそれがある。充電用コンデンサC4においては、経年的に定格容量が低下し、一定電圧以下になる時期が早期に到来する場合があり、それがリレー接点SWのオン、オフ回数の増加を生じさせる。そのため、リレー接点SWにおいてより接点不良を生じさせる可能性を高めることになる。その結果、消費電力抑制モードにおいて、リモコン装置2から運転スイッチ21aの操作を行っても、リレー接点SWがオンせず、商用電源PWが供給されないことが考えられる。
【0080】
そこで、本実施形態では、かかる不具合を解消するため、給湯装置本体1において、リレー接点SWのオン、オフの累積回数をカウントし、その累積回数が所定のカウント数になれば、消費電力抑制モードに移行しないようにしている。すなわち、リレー接点SWをオンに保持して、給湯装置本体1に常時、電源を供給する状態にするようにしている。
【0081】
具体的には、給湯装置本体1の本体側マイコン12は、図4に示すように、リレー接点SWがオフからオンになる回数をカウントする。この場合、リレー接点SWがオンになれば、本体側マイコン12が立ち上がったことになるので、厳密には、本体側マイコン12は、自己の立ち上がった回数をカウントすることになる(S1)。なお、リレー接点SWがオンになる条件は、ユーザがリモコン装置2の運転スイッチ21aをオンしたときと、充電用コンデンサC4の充電量が低下した後に自動的に復帰するときとが挙げられる。
【0082】
本体側マイコン12は、リレー接点SWがオフからオンになったと判別すると(S1:YES)、すなわち、自己が立ち上がると、EEPROM13に記憶しているオン回数Kに「1」を加え(S2)、加えた数値を再度EEPROM13に記憶する。
【0083】
次いで、オン回数Kが規定回数を越えるか否かの判別を行い(S3)、オン回数Kが規定回数を越えない場合(S3:YES)は、本処理を終了する。一方、オン回数Kが規定回数を越える場合(S3:NO)は、消費電力を抑制するためのモードに移行しないようにする。すなわち、リレー接点SWのオン動作を保持し、それ以降に、たとえばリモコン装置2から運転スイッチ21aがオフした旨の信号が到来しても、リレー接点SWをオフしないようにして、消費電力を抑制するためのモードに移行しないようにする。すなわち、消費電力抑制機能を動作させないようにする。なお、このとき、消費電力を抑制するためのモードに移行しない旨をたとえばリモコン装置2の表示部22に表示したり、スピーカ23から音声出力したりしてもよい。
【0084】
このようにすれば、消費電力抑制モードは解除されることになるが、ユーザがリモコン装置2の運転スイッチ21aをオン操作したとき、あるいは消費電力抑制モード時に充電用コンデンサC4の充電量が低下した後に自動的に復帰するときにおいて、リレー接点SWがオン動作しなくなるといったおそれを解消することができる。
【0085】
なお、図3に示した回路構成においては、たとえば商用電源PWを供給するための電源ケーブルCをコンセント等から比較的短時間で抜き差しした場合であっても、スイッチングトランジスタQ1をオンできるようにするため、電源ケーブルCをコンセント等から抜いたとき、即座に電解コンデンサC3における電荷を放電させる必要がある。そのため、電解コンデンサC3と並列に接続された抵抗R7の定数を小さく設定する必要がある。このようにすると、常時、抵抗R7において比較的大きな電力が消費されてしまう。そこで、図5に示すように、電源ケーブルCがコンセント等から抜かれている間、所定時間オンし、電源ケーブルCがコンセント等に接続されている間、常時オフする電界効果トランジスタFET1を抵抗R7と直列に接続するようにして、より一層の省電力化を図るようにしてもよい。
【0086】
具体的な回路構成は、スイッチングトランジスタQ1のベース端子に、ダイオードD11のアノード端子が接続され、そのカソード端子が抵抗R6の一端に接続されている。また、抵抗R7の一端には、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子が接続されている。電界効果トランジスタFET1のソース端子は、一次側グランドに接地されている。電界効果トランジスタFET1のゲート端子は、電解コンデンサC3に対して並列に接続された抵抗R35,R36の中点に接続されているとともに、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子に接続されている。電界効果トランジスタFET1のゲート端子と一次側グランドとの間には、コンデンサC5が介在されている。電界効果トランジスタFET2のソース端子は、一次側グランドに接地され、そのゲート端子は、抵抗R37の一端に接続され、抵抗R37の他端は、一次側グランドに接地されている。また、電界効果トランジスタFET2のゲート端子は、抵抗R38を介してスイッチングトランジスタQ1のベース端子に接続されている。
【0087】
この回路によると、電源ケーブルCがコンセント等に接続されているときは、電界効果トランジスタFET2はオン状態となる一方、電界効果トランジスタFET1はオフ状態となる。逆に、電源ケーブルCがコンセント等から抜かれているときは、電界効果トランジスタFET2はオフ状態となり、その状態で、電解コンデンサC3に所定量の電荷が残っているときは、電界効果トランジスタFET1はオン状態となり、電解コンデンサC3の電荷を放電する。なお、上記回路において、電界効果トランジスタFET1のゲート端子における電位を決定するための抵抗R35および抵抗R36の値は、抵抗R7の値より大きくなるように設定することが可能であるため、電源コンセント接続中の消費電力をさらに削減することができる。
【0088】
ところで、上記電源系統における回路においては、たとえば本体側マイコン12からリレー接点SWをオフさせて消費電力抑制モードに移行する場合、フォトカプラPC3を介してオフ信号が伝達される。そのため、仮にフォトカプラPC3がたとえばノイズの影響で誤動作してしまうと、運転動作中にもかかわらず、リレー接点SWがオフしてしまい、給湯装置の運転が停止してしまうといったことが起こるおそれがある。
【0089】
そこで、リレーコイルRYに電流を流すためのサイリスタSにも、常時あるいは定期的に電流を流すことにより、フォトカプラPC3が誤動作したときの不具合を解消するようにするとよい。
【0090】
具体的には、図3に示す回路に代えて、図6に示す回路を適用するとよい。すなわち、本体側マイコン12には、直接的にフォトカプラPC2が接続されている。その他の構成については、リセットIC24(図3参照)が削除された以外、図3に示す回路構成と略同様である。
【0091】
上記構成によれば、通常の運転モード時において、本体側マイコン12は、定期的または常時、フォトカプラPC2をオンさせる。これにより、コンデンサC3が放電し、スイッチングトランジスタQ1のベース端子に電流が流れ、スイッチングトランジスタQ1がオンする。その結果、サイリスタSのゲート端子に電圧が印加され、サイリスタSは、オン状態を維持することができる。そのため、リレーコイルRYに電流を流し続けることができ、フォトカプラPC3がノイズによる誤動作で一瞬オンしたとしても、リレー接点SWのオン状態を維持することができる。
【0092】
なお、フォトカプラPC2を常時オンしておけば、ノイズによるフォトカプラPC3の誤動作をほぼ完全に防止することができるが、フォトカプラPC2を常時オンしておくと、その分、消費電力が増加するので、フォトカプラPC2を定期的にオンさせて、コンデンサC3を放電させるようにすることがより望ましい。たとえば、燃焼ユニット10の動作中は、フォトカプラPC2をオンしておき、給湯運転休止中は、フォトカプラPC2をオフしておくといった制御を行ってもよい。
【0093】
ところで、給湯装置本体1には、図7に示すように、床暖房装置や温水エアコン等のオプション機器5が接続される場合がある。このようなオプション機器5が給湯装置本体1に接続される場合、オプション機器5が仮に上記したリレー接点SWの上流側において接続されれば、商用電源PWがそのままオプション機器5に供給されるので問題はない。しかし、リレー接点SWの下流側においてオプション機器5が接続された場合、上記したような消費電力を抑制するためにリレー接点SWをオフにすると、オプション機器5に対して商用電源PWが供給されなくなり、オプション機器5が動作されなくなる。
【0094】
なお、ここでいうオプション機器5とは、そのオプション機器5に設けられた、たとえば操作スイッチの操作によってのみ、給湯装置本体1のリレー接点SWをオンさせて商用電源PWの供給を行う構成を備えていない装置をいう。たとえば、その装置における操作スイッチの操作が行われていないにもかかわらず、電力を消費してしまい、それによって給湯装置本体1のリレー接点SWがオンしてしまうといった構成の装置は、消費電力抑制モードに移行する制御、あるいは消費電力抑制モードから通常モードに復帰する制御が成り立たないため、この実施形態に係るオプション機器5に該当する。そのため、リモコン装置2の中でも、上記構成を備えていないリモコン装置は、この実施形態に係るリモコン装置2には該当せず、オプション機器5に含まれるものとする。また、消費電力抑制モードに移行する制御、あるいは消費電力抑制モードから通常モードに復帰する制御を実行したときに、その装置における制御ソフトウェアまたはハードウェア等に不具合が生じるような装置は、この実施形態に係るオプション機器5に該当する。
【0095】
そこで、本実施形態では、図8に示すように、そのようなオプション機器5が給湯装置本体1に接続されている場合には、消費電力抑制モードには移行しない、すなわち、消費電力抑制機能を動作させないように制御している。
【0096】
具体的には、本体側マイコン12は、電源供給により立ち上がった際(S11)、オプション機器5が接続されているか否かを判別する(S12)。たとえば、本体側マイコン12は、オプション機器5に対して確認信号を通信部14を介して送り、オプション機器5からの返答信号がある場合に、それが接続されていると判別する。
【0097】
ステップS12において、オプション機器5が接続されていると判別した場合(S12:YES)、消費電力抑制モードに移行することを禁止する(S13)。すなわち、それ以降に、たとえばリモコン装置2から運転スイッチ21aをオフした旨の信号が到来しても、リレー接点SWをオフしないようにして、消費電力抑制モードに移行しないようにする。一方、オプション機器5が接続されていないと判別した場合(S12:NO)、本処理を終了する。
【0098】
このようにすれば、オプション機器5接続時には消費電力抑制モードへは移行しないので、オプション機器5へは、商用電源PWが確実に供給されることになり、オプション機器5の良好な動作を確保することができる。
【0099】
ところで、上記のように、充電用コンデンサC4の充電量を一定に維持するために、自動的に商用電源PWが供給されると、リモコン装置2においてユーザによる電源投入の操作がないにもかかわらず、なぜ電源がオンされるのかといった不信感をユーザに与えることになる。また、上記のようにユーザの操作なしに商用電源PWが自動的に供給された直後に、ユーザがたとえば、消費電力の測定装置を給湯装置に接続して、消費電力の測定を行うと、消費電力は「0」を示さないことになる。そのため、ユーザには、電源投入の操作をしないのにもかかわらず、消費電力が「0」を示さないため、このような場合にも不信感を与えることになる。なお、近年、消費電力測定機能を備えた給湯装置も提案されており、この機能を用いて消費電力が測定されることもある。
【0100】
そこで、このような不都合を解消するため、充電用コンデンサC4が充電中であるときに電力が消費されていることをユーザに報知するようにするとよい。この場合、図3および図6に示す回路に代えて、たとえば図9に示す回路を適用するとよい。図9に示す回路について、図3に示した回路と異なる構成について主に述べると、図3におけるフォトカプラPC1と、このフォトカプラPC1から端子b1,b2に至る回路が削除されている。
【0101】
フォトカプラPC2のフォトダイオードのアノード端子側には、インバータ31が接続されているとともに、スイッチングトランジスタQ4のコレクタ端子が接続されている。インバータ31には、本体側マイコン12が接続されている。インバータ31は、充電用コンデンサC4が充電状態である情報をマイコン12に入力する回路である。
【0102】
スイッチングトランジスタQ4のエミッタ端子には、図3に示した充電用コンデンサC4の正極側が接続され、スイッチングトランジスタQ4のベース端子には、抵抗R21,R22を介してリセットIC24が接続されている。抵抗R21の他端には、ダイオードD6,D7のアノード端子側がそれぞれ接続され、ダイオードD6のカソード端子側は、本体側マイコン12に接続されている。ダイオードD6は、充電用コンデンサC4の電圧が低下し、充電のために商用電源PWがオンになっている情報をマイコン12に入力する回路である。一方、ダイオードD7のカソード端子側は、コイルL3を介して一方の端子b1に接続されている。
【0103】
一方の端子b1は、たとえばオプション機器5を接続するための一方の端子d1に接続されている。また、他方の端子b2に対応する他方の端子d2は、二次側グランドに接地されている。なお、端子d1,d2は、設けられていない構成であってもよい。この場合、オプション機器5からのケーブルは、端子b1,b2に2芯ケーブル3と共締めされて接続される。
【0104】
本体側マイコン12には、抵抗R23を介してスイッチングトランジスタQ5のベース端子が接続され、スイッチングトランジスタQ5のコレクタ端子は、抵抗R24を介してスイッチングトランジスタQ6のベース端子に接続されている。スイッチングトランジスタQ5のエミッタ端子は、二次側グランドに接地されている。また、スイッチングトランジスタQ6のエミッタ端子は、たとえばDC15Vの電圧端子に接続され、そのコレクタ端子は、前述したダイオードD7のカソード端子側に接続されている。
【0105】
また、フォトカプラPC3のフォトダイオードのアノード端子側は、たとえばDC4.4Vの電圧端子に接続され、そのカソード端子側は、スイッチングトランジスタQ7のコレクタ端子に接続されている。スイッチングトランジスタQ7のベース端子は、抵抗R25を介して本体側マイコン12に接続されている。スイッチングトランジスタQ7のエミッタ端子は、二次側グランドに接地されている。その他の構成については、図3に示す回路構成と略同様である。
【0106】
上記回路構成によれば、上述したように、消費電力抑制モードにおいて、充電用コンデンサC4の充電量が一定電圧以下に低下した場合、それをリセットIC24が検知し、「LOW」信号を出力することにより、スイッチングトランジスタQ4がオン動作する。これにより、フォトカプラPC2がオンし、リレー接点SWがオンして、商用電源PWが供給され、充電用コンデンサC4が再び、充電状態となる。
【0107】
このとき、本体側マイコン12は、スイッチングトランジスタQ4に接続されているインバータ31を通じて、充電用コンデンサC4が充電中である旨の信号が入力されることにより、それを検出する。
【0108】
すなわち、本体側マイコン12は、図10に示すように、充電用コンデンサC4が充電中であるか否かを判別し(S21)、インバータ31を通じて充電用コンデンサC4が充電中である旨の信号が入力されれば、充電用コンデンサC4が充電中であると判別し(S21:YES)、リモコン装置2に対して通信部14を介して充電用コンデンサC4が充電中である旨を送信する(S22)。
【0109】
リモコン装置2のリモコン側マイコン15では、その旨を受信すると、表示部22にたとえば「バックアップ電源充電中です」といった表示を行う。これにより、ユーザは、たとえば消費電力を測定したときに、電源操作をしていないのにもかかわらず、消費電力が「0」でない理由が、充電用コンデンサC4が充電中であることが即座にかつ確実に把握することができる。そのため、ユーザに安心感を与えることができる。
【0110】
ところで、上記のように、消費電力抑制モードを実行可能な給湯装置では、たとえば冬場等に凍結予防運転を給湯装置本体1側のみで行う必要があるときがある。このような場合は、給湯装置本体1のみを動作させ、リモコン装置2には、電源の供給をしないことにより、可及的に消費電力を抑制することが好ましい。そこで、図9に示す回路では、凍結予防運転を給湯装置本体1側のみで行う必要があるとき、給湯装置本体1のみを動作させる機能が設けられている。図9において、スイッチングトランジスタQ5,Q6で構成する回路は、本体側マイコン12が凍結予防運転を給湯装置本体1側のみで行う必要があると判断したとき、リモコン装置2への電源供給を遮断するための回路である。
【0111】
図9に示した回路においては、本体側マイコン12は、給湯装置本体1の動作モードに基づいて、給湯装置本体1のみを動作させ、リモコン装置2には、電源の供給をしないように動作させるか、または給湯装置本体1およびリモコン装置2とも電源供給しないかを判別する。たとえば、本体側マイコン12は、何らかの負荷を動作させなければならないとき、センサの入力が必要なとき、次の運転動作のスタンバイ状態になるとき等においては、給湯装置本体1のみを動作させる必要があると判別する。それに対し、このような状態にならないときは、給湯装置本体1およびリモコン装置2とも電源供給しないと判別する。
【0112】
本体側マイコン12は、給湯装置本体1のみを動作させる必要があると判別した場合、スイッチングトランジスタQ5をオフ動作させる。これにより、スイッチングトランジスタQ6がオフ動作し、DC15Vが端子b1,b2を通じてリモコン装置2に供給されなくなる。その結果、リモコン装置2では、スイッチングトランジスタQ3がオフすることになり、負荷26には、電源が供給されなくなる。したがって、可及的に消費電力を抑制することができる。
【0113】
なお、この状態において、リモコン装置2を正規の電源電圧(たとえばDC15V)で動作させることもできる。たとえば、上記したように、リモコン装置2に電源電圧が供給されていない状態でも、運転スイッチ21aを押下することにより、充電用コンデンサC4において蓄えられていた電荷によって、スイッチングトランジスタQ4がオン動作する。このとき、本体側マイコン12には、インバータ31を通じて、スイッチングトランジスタQ4がオン動作した旨の信号が伝達される。これにより、本体側マイコン12は、スイッチングトランジスタQ5をオンさせることにより、スイッチングトランジスタQ6がオンされ、リモコン装置2にDC15Vが供給されることになる。
【0114】
ところで、給湯装置本体1およびリモコン装置2を備えた給湯装置においては、消費電力を抑制することのできる他の回路構成として、図11に示すように、漏電ブレーカ32を備えた回路構成を挙げることができる。
【0115】
すなわち、商用電源PWが入力される端子a1,a2には、ヒューズFUを介して漏電ブレーカ32が接続されている。漏電ブレーカ32の出力には、レギュレータRGが接続されている。漏電ブレーカ32のTEST端子には、フォトカプラPC4のフォトトランジスタが接続され、フォトカプラPC4のフォトダイオードのアノード端子側には、本体側マイコン12が接続されている。そのフォトダイオードのカソード端子側は、グランドに接地されている。
【0116】
漏電ブレーカ32のRESET端子には、フォトカプラPC5のフォトトランジスタが接続されている。フォトカプラPC5のフォトダイオードのアノード端子側には、充電用コンデンサC4の正極側が接続されているとともに、電圧端子(たとえばDC5V)に接続されたダイオードD4のカソード端子側が接続されている。充電用コンデンサC4の負極側は、グランドに接地されている。
【0117】
フォトカプラPC5のフォトダイオードのカソード端子側は、電圧端子(たとえばDC15V)に接続されているとともに、コイルL4を介して端子b1に接続されている。端子b2は、グランドに接地されている。また、端子b1は、オプション機器5に接続可能な端子d1に並列に接続されている。端子d1と対構成とされる端子d2は、グランドに接地されている。なお、端子d1,d2は、設けられていない構成であってもよい。この場合、オプション機器5からのケーブルは、端子b1,b2に2芯ケーブル3と共締めされて接続される。リモコン装置2の構成は、図3に示す構成と略同様である。
【0118】
この回路構成によれば、通常の運転モードから消費電力抑制モードに移行される際、本体側マイコン12は、フォトカプラPC4をオンさせ、漏電ブレーカ32をオフさせる。これにより、給湯装置本体1には、電源電圧が供給されなくなり、本体側マイコン12も停止状態となる。
【0119】
しかしながら、上記回路構成においては、漏電ブレーカ32がオフとされた、消費電力抑制モードに移行しているとき、端子d1,d2に接続されたオプション機器5によっては、充電用コンデンサC4に蓄えられていた電荷がオプション機器5に向かって放電してしまうことがある。なお、ここでいうオプション機器5とは、そのオプション機器5に設けられた、たとえば操作スイッチの操作によってのみ、給湯装置本体1のリレー接点SWをオンさせて商用電源PWの供給を行う構成を備えていない装置をいう。たとえば、その装置における操作スイッチの操作が行われていないにもかかわらず、電力を消費してしまい、それによって給湯装置本体1のリレー接点SWがオンしてしまうといった構成の装置は、消費電力抑制モードに移行する制御、あるいは消費電力抑制モードから通常モードに復帰する制御が成り立たないため、この実施形態に係るオプション機器5に該当する。そのため、リモコン装置2の中でも、上記構成を備えていないリモコン装置は、この実施形態に係るリモコン装置2には該当せず、オプション機器5に含まれるものとする。また、消費電力抑制モードに移行する制御、あるいは消費電力抑制モードから通常モードに復帰する制御を実行したときに、その装置における制御ソフトウェアまたはハードウェア等に不具合が生じるような装置は、この実施形態に係るオプション機器5に該当する。
【0120】
そのため、消費電力抑制モード時に、オプション機器5が電力を消費してしまい、本実施形態における消費電力抑制制御が成り立たないといった不都合が生じる虞がある。
【0121】
そこで、そのような不都合を解消するため、図12に示すように、本体側マイコン12によってオン、オフ動作可能なスイッチングトランジスタQ8を端子b1,d1間に設け、充電用コンデンサC4の放電を防止するようにするとよい。
【0122】
すなわち、本体側マイコン12には、スイッチングトランジスタQ8のベース端子が接続され、スイッチングトランジスタQ8のコレクタ端子には、端子b1が接続され、そのエミッタ端子には、端子d1が接続されている。その他の構成については、図11に示した構成と略同様である。
【0123】
この構成により、本体側マイコン12は、オプション機器5が接続されているか否かを通信部14を介して把握し、オプション機器5が接続されている場合、その旨をEEPROM13に記憶する。そして、消費電力抑制モードに移行する際、本体側マイコン12は、フォトカプラPC4をオンさせ、漏電ブレーカ32をオフさせる。これにより、給湯装置本体1には、電源電圧が供給されなくなり、本体側マイコン12も停止状態となる。
【0124】
そのため、スイッチングトランジスタQ8はオープン状態となり、端子d1,d2に接続されているオプション機器5には、充電用コンデンサC4に蓄えられていた電荷が放電することがなくなる。
【0125】
また、このとき、リモコン装置2の運転スイッチ21aが押下されれば、充電用コンデンサC4に蓄えられていた電荷に基づいてフォトカプラPC5に電流が流れる。そのため、フォトカプラPC5がオンし、漏電ブレーカ32がオンする。これにより、給湯装置本体1には、商用電源PWが供給され、本体側マイコン12が立ち上がる。
【0126】
このとき、本体側マイコン12は、オプション機器5が接続されている旨をEEPROM13から読み出すことにより認識し、スイッチングトランジスタQ8をオンさせる。この結果、オプション機器5には、DC15Vが供給されることになり、オプション機器5の良好な動作を確保することができる。
【0127】
このように、漏電ブレーカ32を用いた場合でも、消費電力抑制モードを実現することができ、オプション機器5が接続されても充電用コンデンサC4の放電を確実に防止することができる。また、上記構成によれば、漏電ブレーカ32を用いることにより、給湯装置本体1における回路構成が簡単となるといった利点がある。なお、リモコン装置2の中でも、ユーザによる操作によって充電用コンデンサC4の充電電荷を放電させるといったことができないリモコン装置2を、端子d1,d2に接続した場合は、スイッチングトランジスタQ8がオープン状態のときには、このリモコン装置2において充電用コンデンサC4の充電電荷を放電させないようにすることができる。
【0128】
なお、図12に示す構成は、たとえば図3、図5、図6、および図9に示す給湯装置の構成において、端子d1,d2が設けられた場合にも、適用することができる。また、ここでいうオプション機器5とは、そのオプション機器5に設けられた、たとえば操作スイッチの操作によってのみ、給湯装置本体1のリレー接点SWをオンさせて商用電源PWの供給を行う構成を備えていない装置をいう。たとえば、その装置における操作スイッチの操作が行われていないにもかかわらず、電力を消費してしまい、それによって給湯装置本体1のリレー接点SWがオンしてしまうといった構成の装置は、消費電力抑制モードに移行する制御、あるいは消費電力抑制モードから通常モードに復帰する制御が成り立たないため、この実施形態に係るオプション機器5に該当する。そのため、リモコン装置2の中でも、上記構成を備えていないリモコン装置は、この実施形態に係るリモコン装置2には該当せず、オプション機器5に含まれるものとする。また、消費電力抑制モードに移行する制御、あるいは消費電力抑制モードから通常モードに復帰する制御を実行したときに、その装置における制御ソフトウェアまたはハードウェア等に不具合が生じるような装置は、この実施形態に係るオプション機器5に該当する。
【0129】
図13は、本実施形態に係る給湯装置の変形例を示す概略構成図である。この給湯装置は、上記した実施形態に比して、リモコン装置2に対して供給する電圧端子(DC15V)に基づいて、充電用コンデンサC4が充電される点で異なっている。
【0130】
図13によれば、給湯装置本体1において、電圧端子(DC15V)は、ダイオードD9を介して充電用コンデンサC4の正極側に接続されている。充電用コンデンサC4の負極側は、グランドに接地されている。電圧端子(DC15V)には、充電用コンデンサC4のリモコン装置2に対して流れる電流を検知するための電流検知回路33、およびコイルL5を介して端子b1が接続されている。ここで、充電用コンデンサC4は、ダイオードD10および抵抗R29を介して電圧端子(DC15V)に接続されているため、充電が可能とされる。
【0131】
電流検知回路33は、充電用コンデンサC4の充電量が低下したときに再度元の充電量に復帰させるための自己保持回路34に接続され、自己保持回路34は、本体側マイコン12に接続されている。
【0132】
また、自己保持回路34は、抵抗R27を介してスイッチングトランジスタQ9のベース端子に接続されている。スイッチングトランジスタQ9のコレクタ端子は、抵抗R28を介してリレーコイルRYの負極側に接続されている。スイッチングトランジスタQ9のエミッタ端子は、グランドに接地されている。このリレーコイルRYの正極側には、電圧端子(DC15V)によってダイオードD10および抵抗R29を介して動作電圧が与えられる。
【0133】
リモコン装置2の回路構成は、図3に示した回路構成とほぼ同様であり、異なる点は、リモコン側マイコン15に、抵抗R30を介してスイッチングトランジスタQ10が接続され、そのコレクタ端子にスイッチングトランジスタQ11のベース端子が抵抗R31を介してさらに接続され、スイッチングトランジスタQ11のエミッタ端子にコイルL2が接続されている。
【0134】
また、図13に示すリモコン装置2においては、図示しないが、スイッチングトランジスタQ11の上流側にリモコン側マイコン15の電源が備えられ、図13以外の図に示すリモコン装置2においては、図示していないが、スイッチングトランジスタQ3またはスイッチングトランジスタQ13の下流側にリモコン側マイコン15の電源が備えられている。そのため、図13に示すリモコン装置2では、消費電力抑制モードにおいてリモコン側マイコン15で多少、電力が消費されるが、その消費量は比較的小さいため、電流検知回路33が検知することがない。したがって、リモコン装置2のリモコン側マイコン15の電力消費分のみでは、消費電力抑制モードから通常運転モードに移行することはない。なお、上記に示した図と同符号の部品については、同機能を有するものとする。
【0135】
上記回路構成によれば、消費電力抑制モードにおいては、電圧端子(DC15V)からリモコン装置2に対して電圧が直接的に供給されないため、充電用コンデンサC4において蓄えられた充電量に基づいて、リモコン装置2に電圧が供給されることになる。しかしながら、リモコン装置2における負荷26が大、すなわち、消費電力が大きい場合には、充電用コンデンサC4の充電量の消費速度が速くなってしまう。
【0136】
そこで、この実施形態では、リモコン装置2において負荷26に対する電圧供給を強制的に阻止することにより、リモコン装置2における消費電力の低下を可及的に抑制するようにしている。
【0137】
具体的には、本体側マイコン12は、通常運転動作を行っているモードから消費電力抑制モードに移行する場合、リモコン側マイコン15に対して消費電力抑制モードに移行する旨の信号を送信する。この信号を受信したリモコン側マイコン15は、スイッチングトランジスタQ10をオフさせることにより、スイッチングトランジスタQ11をオフさせる。これにより、負荷26に対して充電用コンデンサC4による電源電圧の供給が阻止され、リモコン装置2における消費電力を抑制することができる。
【0138】
なお、リモコン側マイコン15は、ユーザの操作により運転スイッチ21aが押下されると、リモコン装置2にDC15Vが供給され、リモコン側マイコン15に電源が供給された後、リモコン側マイコン15がスイッチングトランジスタQ10をオンさせる。これにより、スイッチングトランジスタQ11もオンし、負荷26に対して給湯装置本体1からの電源電圧が供給される状態となる。
【0139】
また、図14に示した回路構成においても、リモコン装置2において負荷26に対する電圧供給を強制的に阻止することができる。図13に示した回路構成と異なる点について主に説明すると、給湯装置本体1においては、電圧端子(DC15V)と充電用コンデンサC4との間には、電圧降下を生じさせるための複数のダイオード群35を接続する。
【0140】
一方、リモコン装置2においては、ブリッジダイオードBDの出力端に対して、抵抗R32および抵抗R33が直列に接続され、両抵抗R32,R33の間にスイッチングトランジスタQ12のベース端子が接続されている。スイッチングトランジスタQ12のコレクタ端子には、抵抗R34を介してスイッチングトランジスタQ13のベース端子が接続されている。スイッチングトランジスタQ13のコレクタ端子とグランド間には、負荷26が接続されている。
【0141】
このような構成によれば、消費電力抑制モードにおいては、電圧端子(DC15V)からリモコン装置2に対して電圧が直接的に供給されないため、充電用コンデンサC4において蓄えられた充電量に基づいて、リモコン装置2に電圧が供給される。このとき、充電用コンデンサC4における電圧を、ダイオード群35によって電圧降下させ、リモコン装置2には、たとえばDC7V程度の電圧を供給させるようにする。なお、この構成に限らず、たとえばダイオード群35を削除して充電用コンデンサC4の充電電圧が最大DC7V程度になるようにしてもよい。
【0142】
リモコン装置2では、ダイオード群35によって低下された電圧が抵抗R32,R33によってさらに分圧され、スイッチングトランジスタQ12が動作できなくなる程度の電圧にさらに下げられる。そのため、スイッチングトランジスタQ12は、オフし、スイッチングトランジスタQ13もオフする。その結果、負荷26に対して充電用コンデンサC4による電源電圧の供給が阻止され、リモコン装置2における消費電力を抑制することができる。
【0143】
なお、通常運転時には、リモコン装置2には、正規の電圧(DC15V)が供給され、たとえ抵抗R32,R33によって分圧されても、スイッチングトランジスタQ12はオンし、それによりスイッチングトランジスタQ13もオンする。そのため、負荷26に対して給湯装置本体1からの電源電圧が供給される状態となる。したがって、上記構成によっても、負荷26に対して充電用コンデンサC4による電源電圧の供給が阻止され、リモコン装置2における消費電力を抑制することができる。
【0144】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、上記、実施形態においては、充電用コンデンサは、商用電源PW等の元電源に基づいて充電するようにしたが、これに代えて、給湯装置の配管等に備えられ、水流によって回転する羽根車による発電に基づいて充電するようにしてもよい。また、給湯装置本体1に接続されるリモコン装置2の数は、実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態に係る給湯装置としては、燃焼器で使用される燃料としてガスまたは石油等を用いるタイプの給湯装置が適用可能である。また、本実施形態に係る給湯装置としては、たとえば、二酸化炭素や他のガスを熱媒体とするヒートポンプ給湯装置、電気温水器等が適用可能である。さらに、本実施形態に係る給湯装置としては、一般給湯機能、風呂注湯機能、風呂追い焚き機能、および温水暖房機能等のうち、少なくとも一つの機能を備えた給湯装置に適用することができる。その他、本願発明が奏する効果と同様の効果が得られるものであれば、種々の装置、およびそれらの装置を備えるシステムに適用可能である。
【0145】
【発明の効果】
本願発明によれば、電源供給制御手段は、給湯装置が予め設定された所定の動作条件になると、スイッチ手段をオフにして各回路及び遠隔操作装置に対して所定の電源電圧を供給する電圧源に対して商用電源の供給を阻止する(消費電力抑制モード)。そして、商用電源の阻止状態でユーザによる遠隔操作装置からの操作によって充電手段の充電電荷が放電されると、その放電信号に基づいてスイッチ手段をオンにして電圧源に対して商用電源を供給する。したがって、消費電力抑制モードに移行した場合にもリモコン装置での操作により通常の給湯モードに復帰させることができるので、使い勝手のよい給湯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る給湯装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示すリモコン装置の正面図である。
【図3】給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における回路構成を示す図である。
【図4】本体側マイコンの制御動作を示すフローチャートである。
【図5】給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における他の回路構成を示す図である。
【図6】給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における他の回路構成を示す図である。
【図7】オプション装置を接続した給湯装置の概略構成図である。
【図8】本体側マイコンの制御動作を示すフローチャートである。
【図9】給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における他の回路構成を示す図である。
【図10】本体側マイコンの制御動作を示すフローチャートである。
【図11】給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における他の回路構成を示す図である。
【図12】給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における他の回路構成を示す図である。
【図13】給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における他の回路構成を示す図である。
【図14】給湯装置本体およびリモコン装置の電源系統における他の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 給湯装置本体
2 リモコン装置
12 本体側マイコン
13 EEPROM
15 リモコン側マイコン
21a 運転スイッチ
C4 充電用コンデンサ
SW リレー接点
Claims (9)
- 給湯装置本体と遠隔操作装置とを有し、前記給湯装置本体から前記遠隔操作装置に対して電源の供給が可能な給湯装置であって、
元電源からの電源供給に基づいて前記給湯装置本体の各回路及び前記遠隔操作装置に対して所定の電源電圧を供給する電圧源と、
前記元電源と前記電圧源との間に設けられ、前記電圧源に対する前記元電源の供給を許可または阻止するスイッチ手段と、
前記スイッチ手段によって前記電圧源に対して前記元電源が供給されているとき、前記電圧源からの電源電圧に基づいて充電が行われ、前記スイッチ手段によって前記電圧源に対する前記元電源の供給が阻止されているとき、前記遠隔操作装置からの操作によって充電電荷が放電される充電手段と、
前記給湯装置本体が予め設定された所定の動作条件になると、前記スイッチ手段をオフにして前記元電源の供給を阻止し、この元電源の阻止状態でユーザによる前記遠隔操作装置からの操作によって前記充電手段の充電電荷が放電されると、その放電信号に基づいて前記スイッチ手段をオンにして前記元電源を前記電圧源に対して供給する電源供給制御手段と、
を備えたことを特徴とする、給湯装置。 - 前記充電手段の充電量が所定レベルに低下したことを検出する検出手段を備え、
前記電源供給制御手段は、前記元電源の供給が阻止されているとき、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記元電源の供給を許可する、請求項1に記載の給湯装置。 - 前記スイッチ手段のオン、オフの累積回数を計数する計数手段を備え、
前記電源供給制御手段は、前記計数手段によって計数されたオン、オフの累積回数が所定回数を越えると、前記給湯装置が所定の動作条件になっても前記スイッチ手段をオフせず、前記元電源の供給を保持する、請求項1または2に記載の給湯装置。 - 前記給湯装置に前記遠隔操作装置以外の他の装置が接続されたか否かを判別するための判別手段を備え、
前記電源供給制御手段は、前記判別手段によって前記他の装置が接続されていると判別されると、前記給湯装置が所定の動作条件になっても前記スイッチ手段をオフせず、元電源の供給を保持する、請求項1ないし3のいずれかに記載の給湯装置。 - 前記給湯装置本体は、
前記判別手段によって前記他の装置が接続されていると判別されたとき、前記他の装置に対する前記充電手段による放電を阻止する放電阻止手段を備える、請求項4に記載の給湯装置。 - 前記給湯装置本体は、前記充電手段の充電を行う際、その旨の信号を前記遠隔操作装置に送信する通信手段を備え、
前記遠隔操作装置は、前記給湯装置本体からの信号を受信して前記充電手段の充電が行われる旨を表示する表示手段を備える、請求項1ないし5のいずれかに記載の給湯装置。 - 前記給湯装置本体は、
前記電圧源に対する前記元電源の供給が許可されているとき、前記遠隔操作装置に対する電源供給を禁止する電源供給禁止手段を備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の給湯装置。 - 前記充電手段は、前記電源供給制御手段によって前記電圧源に対する前記元電源の供給が阻止されると、当該充電手段の充電電荷により前記遠隔操作装置に対して電源を供給するものであり、
前記遠隔操作装置は、前記給湯装置本体からの信号に基づいて、前記充電手段による電源供給を禁止する電源供給禁止手段を備える、請求項1ないし7のいずれかに記載の給湯装置。 - 前記充電手段は、前記電源供給制御手段によって前記電圧源に対する前記元電源の供給が阻止されると、当該充電手段の充電電荷により前記遠隔操作装置に対して電源を供給するものであり、
前記給湯装置本体は、上記充電手段による充電電圧を低減させる第1低減手段を備え、
前記遠隔操作装置は、前記第1低減手段によって低減された上記充電手段の充電電圧をさらに低減させる第2低減手段を備える、請求項1ないし7のいずれかに記載の給湯装置。
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