JP2004190906A - 熱交換器用フィン付き管、熱交換器、熱交換器用フィン付き管の製造装置および熱交換器用フィン付き管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のプレートフィン14に2つの管挿通用貫通穴を間隔をおいて形成し、溶接継ぎ目のないヘアピン状フィン固定用管11の両直管部11aをそれぞれ管挿通用貫通穴に通すことにより、複数の並列状プレートフィン14からなるフィン群12を、直管部11aの長さ方向に間隔をおいて複数設ける。ヘアピン状管11を流体を用いて拡管することにより各フィン群12のプレートフィン14をフィン固定用管11の直管部11aの周囲に固定する。フィン固定用管11の両直管部11aにおける隣り合う2つのフィン群12間にそれぞれフィン無し部分13を設ける。各直管部11aのフィン無し部分19の外周面にはクランプ痕跡部19がある。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば冷蔵庫や冷蔵ショーケースなどの冷却装置の蒸発器として用いられる熱交換器を形成するための熱交換器用フィン付き管、熱交換器、熱交換器用フィン付き管の製造装置および熱交換器用フィン付き管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、冷蔵庫や冷蔵ショーケースなどの冷却装置においては、従来のフロン系冷媒に代えて、オゾン層破壊や地球温暖化への影響の少ない炭化水素系冷媒を使用することが検討されているが、炭化水素系冷媒は可燃性を有するために冷媒のリークを極力抑える必要がある。
【0003】
冷媒のリークを防止しうる熱交換器として、2つの管挿通用貫通穴を有する複数のプレートフィンが並列状に並べられてなるフィン群が間隔をおいて複数設けられ、全てのプレートフィンの管挿通用貫通穴に2つの直管状アウターパイプが通され、アウターパイプ内に拡管具が圧入されることによりアウターパイプが拡管されてプレートフィンがアウターパイプの周囲に固定され、両アウターパイプ内に溶接継ぎ目のない管からなるヘアピン状インナーパイプの2つの直管部が挿入され、アウターパイプおよびインナーパイプの直管部が、隣接するフィン群間の部分で曲げられて全体として蛇行状に形成されたものが知られている(たとえば、特許文献1、特許請求の範囲および図1参照)。
【0004】
従来の熱交換器では、インナーパイプに溶接継ぎ目は存在しないので、インナーパイプ内を流れる流体、すなわち冷却装置の蒸発器にあっては冷媒のリークが防止される。
【0005】
また、従来の熱交換器では、インナーパイプは拡管具により拡管されないので、その内周面にインナーフィンを一体に形成しておくことができ、伝熱面積が増大して熱交換効率が向上する(特許文献1、段落0025参照)。
【0006】
しかしながら、従来の熱交換器では、アウターパイプおよびインナーパイプを用いなければならないので、材料コストが高くなるとともに全体の重量が大きくなるという問題がある。また、インナーパイプの直管部をアウターパイプ内に通す作業が面倒であるという問題がある。しかも、インナーパイプの直管部をアウターパイプ内に通す作業性を向上させるには、インナーパイプの直管部の外径とアウターパイプの内径との差を極端に小さくすることはできず、両者の密着性が低下して伝熱性が悪くなり、熱交換効率も低下するという問題がある。
【0007】
上記従来の熱交換器では、インナーパイプの直管部とアウターパイプとの間の伝熱性を向上させるために、両者間に熱伝導性に優れた接着剤やコンパウンドを介在させられているが(特許文献1、段落0020参照)、接着剤やコンパウンドの塗布作業が面倒であるという問題がある。
【0008】
そこで、これらの問題を解決した熱交換器として、2つの管挿通用貫通穴を有する複数のプレートフィンが並列状に並べられてなるフィン群が間隔をおいて複数設けられ、全てのプレートフィンの管挿通用貫通穴に溶接継ぎ目のない管からなるヘアピン状管の両直管部が通され、ヘアピン状管内に圧力流体を導入して拡管させることによりプレートフィンがヘアピン状管の直管部の周囲に固定されて熱交換器用フィン付き管が形成され、熱交換器用フィン付き管のヘアピン状管の直管部が、隣接するフィン群間の部分で曲げられて全体として蛇行状に形成されたものが考えられている。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−124485号公報(特許請求の範囲、図1、段落0025、段落0020)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この熱交換器では、圧力流体によるヘアピン状管の拡管の際に、フィン群の設けられていないフィン無し部において、管が破裂するという問題がある。
【0011】
この発明の目的は、上記問題を解決し、冷媒のリークを抑えることができるとともに所望の冷却性能を得ることができ、しかも製造の際に管の破裂を防止することができる熱交換器用フィン付き管、熱交換器、熱交換器用フィン付き管の製造装置および熱交換器用フィン付き管の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段よりなる。
【0013】
1)溶接継ぎ目のない管からなりかつ直管部を有するフィン固定用管と、フィン固定用管の直管部に固定された複数の並列状プレートフィンからなるフィン群とを有しており、直管部に、フィン群の設けられていないフィン無し部を少なくとも1つ備えた熱交換器用フィン付き管であって、プレートフィンに管挿通用穴が形成され、フィン固定用管の直管部が管挿通用貫通穴に通されるとともに、フィン固定用管を流体を用いて拡管することによりプレートフィンがフィン固定用管の直管部の周囲に固定され、直管部のフィン無し部の外周面に、上記拡管の際に直管部を全周にわたってクランプしていた痕跡である環状クランプ痕跡部が形成されている熱交換器用フィン付き管。
【0014】
2)フィン固定用管がヘアピン状であり、フィン群が、ヘアピン状フィン固定用管の2つの直管部にまたがって固定された複数の並列状プレートフィンからなるとともに、直管部の長さ方向に間隔をおいて複数設けられており、プレートフィンに2つの管挿通用貫通穴が間隔をおいて形成され、ヘアピン状フィン固定用管の両直管部がそれぞれ管挿通用貫通穴に通され、ヘアピン状フィン固定用管の両直管部における隣り合う2つのフィン群間にフィン無し部が設けられている上記1)記載の熱交換器用フィン付き管。
【0015】
3)フィン無し部の長さが5mmを越えており、このフィン無し部におけるクランプ痕跡部の存在しない部分の長さが5mm以下である上記1)または2)記載の熱交換器用フィン付き管。
【0016】
4)フィン固定用管の内周面に、その長さ方向に伸びるインナーフィンが周方向に間隔をおいて一体に形成されている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管。
【0017】
5)フィン固定用管の内周面からの突出高さの異なる高低2種類のインナーフィンが周方向に交互に設けられており、高いインナーフィンの突出高さが0.7〜1).7mm、低いインナーフィンの突出高さが0.4〜1.2mmである上記4)記載の熱交換器用フィン付き管。
【0018】
6)全てのインナーフィンの高さが等しく、フィン固定用管の内周面からのインナーフィンの突出高さが0.7〜1.2mmである上記4)記載の熱交換器用フィン付き管。
【0019】
7)インナーフィンのピッチが0.4〜1.6mmである上記5)または6)記載の熱交換器用フィン付き管。
【0020】
8)上記1)〜7)のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管が、フィン固定用管の直管部における少なくとも1つのフィン無し部において曲げられている熱交換器。
【0021】
9)上記2)〜7)のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管が、ヘアピン状フィン固定用管の直管部の長さ方向に関して同一位置にある2つのフィン無し部において同方向に曲げられるとともに、ヘアピン状フィン固定用管の直管部の長さ方向に隣り合うフィン無し部での曲げ方向が異なることにより、全体として蛇行状に形成されている熱交換器。
【0022】
10)圧縮機、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えており、蒸発器が上記8または9記載の熱交換器からなり、冷媒として炭化水素系冷媒が用いられている冷蔵庫。この冷蔵庫において、冷媒循環量は1〜9kg/hであることが好ましい。
【0023】
11)圧縮機、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えており、蒸発器が上記8)または9)記載の熱交換器からなり、冷媒として炭化水素系冷媒が用いられている冷蔵ショーケース。この冷蔵ショーケースにおいて、冷媒循環量は1〜9kg/hであることが好ましい。。
【0024】
12)上記1)〜7)のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管を製造する装置であって、板状ベースおよび板状ベース上に間隔をおいて立設された複数の並列状フィン支持プレートよりなるフィンセット治具と、フィンセット治具の隣接するフィン支持プレート間のフィンセット間隙に配される管クランプ用の下プレートと、隣接するフィン支持プレート間に配された下プレートの上に配される管クランプ用上プレートと、上プレートを下方に押圧する押圧部材とを備えており、各フィン支持プレートの上縁にフィン固定用管の直管部を嵌め入れ得る切り欠きが形成され、管クランプ用の上下プレート間に、フィン固定用管の直管部を挿通し得る貫通穴が形成され、この貫通穴の内径が拡管前のフィン固定用管の外径以上の大きさである熱交換器用フィン付き管の製造装置。
【0025】
13)フィンセット治具の板状ベースが複数のベースユニットを直列状に並べることにより構成され、各ベースユニット上に複数のフィン支持プレートが立設されている上記12)記載の熱交換器用フィン付き管の製造装置。
【0026】
14)管クランプ用上下プレートの厚みが、それぞれ0.8〜1.0mmである上記12)または13)記載の熱交換器用フィン付き管の製造装置。
【0027】
15)各フィン支持プレートの上縁にヘアピン状フィン固定用管の2つの直管部を嵌め入れ得る2つの切り欠きが間隔をおいて形成され、管クランプ用の上下プレート間に、ヘアピン状フィン固定用管の2つの直管部を挿通し得る2つの貫通穴が、上記2つの切り欠き間のピッチと同一ピッチで形成されている上記12)〜14)のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管の製造装置。
【0028】
16)上記1)記載の熱交換器用フィン付き管を製造する方法であって、溶接継ぎ目のない管からなりかつ直管部を有するフィン固定用管と、管挿通用貫通穴が形成されている複数のプレートフィンとを用意すること、プレートフィンを、上記12)〜14)のうちのいずれかに記載の製造装置における全てのフィン支持プレート間のフィンセット間隙のうちフィン群を設けるべき部分に連続して並んでいる複数のフィンセット間隙内に配置すること、プレートフィンが配置されていないフィンセット間隙に管クランプ用下プレートを配置すること、フィン固定用管の直管部をプレートフィンの管挿通用穴に通すとともに直管部をフィン支持プレートの切り欠き内に嵌め入れて、直管部に複数の並列状プレートフィンからなるフィン群とフィン無し部を設けること、管クランプ用下プレート上に管クランプ用上プレートを配置するとともに両プレート間に形成される貫通穴にフィン固定用管の直管部を通した状態にすること、押圧部材により上プレートを下方に押圧すること、およびフィン固定用管内に流体を導入して拡管を行い、フィン群のプレートフィンを直管部の周囲に固定することを含む熱交換器用フィン付き管の製造方法。
【0029】
17)上記2)記載の熱交換器用フィン付き管を製造する方法であって、溶接継ぎ目のない管からなるヘアピン状フィン固定用管と、2つの管挿通用貫通穴が形成されているプレートフィンを用意すること、プレートフィンを、上記15)記載の製造装置における全てのフィン支持プレート間のフィンセット間隙のうちフィン群を設けるべき部分に連続して並んでいる複数のフィンセット間隙内に配置すること、プレートフィンが配置されていないフィンセット間隙に管クランプ用下プレートを配置すること、フィン固定用管の両直管部をそれぞれプレートフィンの両管挿通用穴に通すとともに両直管部をそれぞれフィン支持プレートの両切り欠き内に嵌め入れて、複数の並列状プレートフィンからなるフィン群とフィン無し部を設けること、管クランプ用下プレート上に管クランプ用上プレートを配置するとともに両プレート間に形成される両貫通穴にそれぞれフィン固定用管の両直管部を通した状態にすること、押圧部材により上プレートを下方に押圧すること、およびフィン固定用管内に流体を導入して拡管を行い、フィン群のプレートフィンを直管部の周囲に固定することを含む熱交換器用フィン付き管の製造方法。
【0030】
18)管クランプ用上下プレート間に形成される貫通穴の内径をD、拡管前のフィン固定用管の直管部の外径をdとした場合、d≦D≦d+0.4mmという関係を満たす上記14)または15)記載の熱交換器用フィン付き管の製造方法。
【0031】
19)管クランプ用上プレートとフィン固定用管との接触面積の合計をA、フィン固定用管内に導入される流体の圧力をPとした場合、押圧部材により上プレートを下方に押圧する力をA×P以上とする上記16)〜18)のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管の製造方法。
【0032】
20)フィン固定用管の内周面に、その長さ方向に伸びるインナーフィンが周方向に間隔をおいて一体に形成されている上記16)〜19)のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管の製造方法。
【0033】
21)フィン固定用管の内周面からの突出高さの異なる高低2種類のインナーフィンが周方向に交互に設けられており、高いインナーフィンの突出高さが0.7〜1.7mm、低いインナーフィンの突出高さが0.4〜1.2mmである上記20)記載の熱交換器用フィン付き管の製造方法。
【0034】
22)全てのインナーフィンの高さが等しく、フィン固定用管の内周面からのインナーフィンの突出高さが0.7〜1.2mmである上記20)記載の熱交換器用フィン付き管の製造方法。
【0035】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、以下の説明において、図1の左側を前、右側を後といい、図2および図6の上下、左右を上下、左右というものとする。
【0036】
図1〜図3は熱交換器用フィン付き管を示し、図4〜図8は熱交換器用フィン付き管の製造装置および製造方法を示し、図9は熱交換器用フィン付き管を用いて熱交換器を製造する方法を示す。また、図10は熱交換器用フィン付き管を用いて形成された熱交換器の全体構成を示す。
【0037】
図1および図2において、熱交換器用フィン付き管(10)は、押出管等の溶接継ぎ目のない管からなるアルミニウム製ヘアピン状フィン固定用管(11)と、フィン固定用管(11)の2つの直管部(11a)の長さ方向に間隔をおいて複数設けられたフィン群(12)とにより構成されている。フィン固定用管(11)の両直管部(11a)における隣り合う2つのフィン群(12)間にそれぞれフィン無し部(13)が設けられている。フィン群(12)は、フィン固定用管(11)の2つの直管部(11a)にまたがって両直管部(11a)に固定された複数の並列状アルミニウム製プレートフィン(14)からなる。
【0038】
フィン固定用管(11)の内周面には、その長さ方向に伸びかつ突出高さの異なる高低2種類のインナーフィン(15)(16)が周方向に間隔をおいて交互に一体に形成されている。インナーフィン(15)(16)はフィン固定用管(11)の中心に向かって突出している。高いインナーフィン(15)のフィン固定用管(11)内周面からの突出高さ(h1)は0.7〜1.7mm、低いインナーフィン(16)のフィン固定用管(11)内周面からの突出高さ(h2)は0.4〜1.2mmである。また、インナーフィン(15)(16)のピッチ(P)は0.4〜1.6mmである。ここでインナーフィン(15)(16)のピッチ(P)とは、横断面において、フィン固定用管(11)の中心線と、隣り合う2つのインナーフィン(15)(16)の厚みの中心とを結ぶ2つの直線(L1)(L2)間のフィン固定用管(11)の外周面上での周方向の距離である。また、フィン固定用管(11)におけるプレートフィン(14)が固定された部分の外径は6〜10mm、同じく周壁の肉厚は0.4〜0.8mmである。
【0039】
フィン固定用管(11)の屈曲部(11b)は全体に拡管され、直管部(11a)における屈曲部(11b)側端部(後端部)のフィン群(12)を構成するプレートフィン(14)が固定されている部分と同径となっている。また、フィン固定用管(11)の開口側端部(前端部)のフィン群(12)よりも開口側の部分に、拡管前のフィン固定用管(11)の外径と等しいか、あるいはこれよりも0.2〜0.3mm程度大径である被拘束小径部(17)が形成されている。被拘束小径部(17)の長さは、たとえば15mm以上であることが好ましい。また、被拘束小径部(17)の両端部には、左右方向外側に向かって拡径されたテーパ部(18)が設けられている。
【0040】
各プレートフィン(14)には2つの管挿通用貫通穴(14a)が形成されるとともに、各管挿通用貫通穴(14a)の周囲にカラー(14b)が形成されており、フィン固定用管(11)の両直管部(11a)がそれぞれ全てのプレートフィン(14)の両管挿通用貫通穴(14a)に通され、フィン固定用管(11)を、水、油、空気などの流体を用いて拡管することにより、プレートフィン(14)が両直管部(11a)の周囲に固定されている。
【0041】
各フィン無し部(13)の長さは5mmを越えており、各フィン無し部(13)に、環状のクランプ痕跡部(19)が、直管部(11a)の長さ方向に間隔をおいて複数形成されている。フィン無し部(13)における隣接する2つのクランプ痕跡部(19)間の間隔(X)(図3参照)、および両端のクランプ痕跡部(19)とプレートフィン(14)との間の間隔は、それぞれ5mm以下となっており、これによりフィン無し部(13)におけるクランプ痕跡部(19)の存在しない各部分の長さが5mm以下となっている。クランプ痕跡部(19)の存在しない各部分の長さを5mm以下に限定したのは、拡管時のフィン固定用管(11)の破裂を確実に防止するためである。クランプ痕跡部(19)をミクロ的に見た場合、図3に示すように、直管部(11a)の周壁全体が他の部分よりも若干凹んだようになっている。
【0042】
熱交換器用フィン付き管(10)は、図4〜図6に示す製造装置を用いて同図に示すようにして製造される。
【0043】
図4〜図6において、製造装置は、前後方向に長い板状ベース(21)および板状ベース(21)上に前後方向に間隔をおいて立設された複数の並列状フィン支持プレート(22)よりなるフィンセット治具(20)と、フィンセット治具(20)の隣接するフィン支持プレート(22)間のフィンセット間隙(23)に配される管クランプ用の下プレート(24)と、隣接するフィン支持プレート(22)間に配された下プレート(24)の上に配される管クランプ用の上プレート(25)と、上プレート(25)を下方に押圧する板状押圧部材(26)とを備えている。
【0044】
板状ベース(21)は、複数のベースユニット(21A)を前後方向に直列状に並べることにより構成され、各ベースユニット(21A)上に複数のフィン支持プレート(22)が立設されている。各フィン支持プレート(22)の上縁にフィン固定用管(11)の直管部(11a)を嵌め入れ得る略U字状の切り欠き(22a)が、左右方向に間隔をおいて2つ形成されている。管クランプ用上下プレート(25)(24)は、たとえばJIS SUS304からなり、その厚みは0.8〜1.0mmであることが好ましい。管クランプ用上下プレート(25)(24)の厚みが0.8mm未満であると拡管後フィン固定用管(11)の外周面に顕著な傷が残り、1.0mmを越えると管クランプ用上下プレート(25)(24)に大きな流体圧が作用するので、上下プレート(25)(24)の耐荷重性をより強固にする必要があるからである。また、管クランプ用の下プレート(24)の上縁および上プレート(25)の下縁にはそれぞれ半円形の切り欠き(24a)(25a)が左右方向に間隔をおいて形成されており、これにより上下プレート(25)(24)間に、フィン固定用管(11)の直管部(11a)を挿通し得る2つの円形貫通穴(27)が、フィン支持プレート(22)の2つの切り欠き(22a)間のピッチと同一ピッチで形成されている。この貫通穴(27)の内径は、拡管前のフィン固定用管(11)の外径以上の大きさである。具体的にいえば、貫通穴(27)の内径をD、拡管前のフィン固定用管(11)の直管部(11a)の外径をdとした場合、d≦D≦d+0.4mmという関係を満たしていることが好ましい。d>Dであればフィン固定用管(11)を貫通穴(27)に通すことができず、D>d+0.4mmであれば流体を用いたフィン固定用管(11)の拡管の際に管(11)の破裂を確実に防止することができないからである。
【0045】
熱交換器用フィン付き管(10)の製造にあたり、溶接継ぎ目のない管からなるアルミニウム製フィン固定用管(11)と、2つの管挿通用貫通穴(14a)が間隔をおいて形成された多数のアルミニウム製プレートフィン(14)とを用意し、プレートフィン(14)を、上述した製造装置における全てのフィン支持プレート(22)間のフィンセット間隙(23)のうち、フィン群(12)を設けるべき部分に連続して並んでいる複数のフィンセット間隙(23)内に配置する。ついで、プレートフィン(14)が配置されていないフィンセット間隙(23)に管クランプ用下プレート(24)を配置する。このとき、隣接する2つの下プレート(24)間の間隔および両端の下プレート(24)とプレートフィン(14)との間の間隔をそれぞれ5mm以下とする。ついで、フィン固定用管(11)の両直管部(11a)をそれぞれ全てのプレートフィン(14)の両管挿通用貫通穴(14a)に通すとともに両直管部(11a)をそれぞれフィン支持プレート(22)の両切り欠き(22a)内に嵌め入れて、両直管部(11a)にまたがる複数の並列状プレートフィン(14)からなるフィン群(12)とフィン無し部(13)とを設ける。ついで、管クランプ用下プレート(24)上に管クランプ用上プレート(25)を配置するとともに両プレート(24)(25)間に形成される2つの貫通穴(27)に、フィン固定用管(11)の両直管部(11a)をそれぞれ通した状態にした後、押圧部材(26)により上プレート(25)を下方に押圧する(図4〜図6参照)。このとき、管クランプ用上プレート(25)とフィン固定用管(11)との接触面積の合計をA[m2]、フィン固定用管(11)内に導入される流体の圧力をP[Pa]とした場合、押圧部材(26)により上プレート(25)を下方に押圧する力をA×P[N]以上としておく。
【0046】
なお、拡管前のフィン固定用管(11)の外径、フィン固定用管(11)の肉厚、プレートフィン(14)の管挿通用貫通穴(27)の内径および管クランプ用上下プレート(25)(24)間に形成される貫通穴(27)の内径は、具体的に例示すれば、それぞれ8.0mm、0.61mm、8.3mmおよび8.4mmである。
【0047】
また、図7に示すように、フィン固定用管(11)の屈曲部(11b)を、拘束用金型(28)により拘束する。この拘束用金型(28)は、横断面円形でかつU字状のキャビティ(29)を有している。キャビティ(29)の内径は、拡管前のフィン固定用管(11)の外径よりも大きくかつプレートフィン(14)の管挿通用貫通穴(14a)の内径と等しい。さらに、フィン固定用管(11)の両端部を管チャック金型(31)により拘束するとともに、管チャック金型(31)に流体圧シールブロック(32)を密に接続する。管チャック金型(31)は、左右方向に間隔をおいて形成されかつ拡管前のフィン固定用管(11)の外径と等しい内径を有する2つの円筒状拘束部(33a)と、各円筒状拘束部(33a)の両端に連なって設けられ、かつ左右方向外方に向かって拡径された2つのテーパ部(33b)と、テーパ部(33b)の大端部に連なって設けられ、かつプレートフィン(14)の管挿通用貫通穴(14a)の内径以上の内径を有する短円筒状の拡管許容部(33c)とよりなるキャビティ(33)を有している。流体圧シールブロック(32)には左右方向に間隔をおいて2つの流体導入路(34)が形成されている。流体導入路(34)の左半部は拡管前のフィン固定用管(11)の外径よりも小さい。また、流体導入路(34)の右半部には段部を介して大径部(34a)が形成されている。大径部(34a)の内径は管チャック金型(31)の拡管許容部(33c)の内径と等しくなっている。そして、フィン固定用管(11)の端部が流体圧シールブロック(32)の流体導入路(34)の大径部(34a)内に挿入され、その端面が上記段部に密に当接させられている。
【0048】
ついで、この状態で、フィン固定用管(11)内に、流体圧シールブロック(32)の流体導入通路(34)から、たとえば水、油、空気などからなる圧力流体を導入し、フィン固定用管(11)における管チャック金型(31)の拘束部(33a)により拘束された部分を除いた部分を拡管させ、各フィン群(12)のプレートフィン(14)をフィン固定用管(11)の両直管部(11a)の周囲に固定する。また、この拡管時に管クランプ用上下プレート(25)(24)によりクランプ痕跡部(19)が形成される(図8参照)。こうして、熱交換器用フィン付き管(10)が製造される。
【0049】
この方法によれば、拡管時に、上述したようにフィン無し部(13)において管クランプ用上下プレート(25)(24)によりクランプされるので、フィン固定用管(11)の直管部(11a)が破裂することが防止される。また、圧力流体により拡管しているので、インナーフィン(15)(16)の潰れが防止される。
【0050】
そして、熱交換器用フィン付き管(10)を、図9に示すように、隣り合うフィン群(12)間のフィン無し部(13)において曲げることにより全体として蛇行状に形成することによって、図10に示すように、冷蔵庫や冷蔵ショーケースなどの蒸発器として用いられる熱交換器(1)が製造される。すなわち、両直管部(11a)における長さ方向に関して同一位置にある2つのフィン無し部(13)において、両フィン無し部(13)の長さ方向の中心どうしをむすぶ直線が曲率の中心となるように同方向に曲げるとともに、両直管部(11a)の長さ方向に隣り合うフィン無し部(13)での曲げ方向を異なったものとすることにより、全体として蛇行状に形成する。
【0051】
図10において、熱交換器(1)は、蛇行状に屈曲されたフィン固定用管(11)からなる蛇行状熱交換管(2)と、蛇行状熱交換管(2)の各直管部(2a)の周囲に設けられかつ複数の並列状プレートフィン(14)からなるフィン群(12)とを備えている。蛇行状熱交換管(2)における左右両側の複数の屈曲部(2b)は、それぞれフィン無し部(13)からなる。なお、図示は省略したが、蛇行状熱交換管(2)における左右両側の複数の屈曲部(2b)は、それぞれ側板により保持されている。
【0052】
熱交換器(1)は、圧縮機、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えており、冷媒として炭化水素系冷媒が用いられる冷蔵庫の蒸発器として使用される。この冷蔵庫において、冷媒循環量は1〜9kg/hという低循環量である。
【0053】
また、熱交換器(1)は、圧縮機、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えており、冷媒として炭化水素系冷媒が用いられる冷蔵ショーケースの蒸発器として使用される。この冷蔵ショーケースにおいて、冷媒循環量は1〜9kg/hという低循環量である。
【0054】
図11は熱交換器用フィン付き管の他の実施形態を示す。
【0055】
図11において、フィン固定用管(11)の内周面に、その長さ方向に伸びかつ突出高さの等しい複数のインナーフィン(40)が、周方向に間隔をおいて一体に形成されている。インナーフィン(40)のフィン固定用管(11)内周面からの突出高さ(h3)は0.7〜1.2mmである。また、インナーフィン(40)のピッチ(P)は0.4〜1.6mmである。ここでインナーフィン(40)のピッチ(P)とは、上述したのと同様である。また、プレートフィン(14)が固定されている部分におけるフィン固定用管(11)の外径は6〜10mm、同じく周壁の肉厚は0.4〜0.8mmである。
【0056】
【発明の効果】
上記1)および2)の熱交換器用フィン付き管は、溶接継ぎ目のない管からなるフィン固定用管を有しているので、この熱交換器用フィン付き管を用いた熱交換器における流体、たとえば冷媒のリークを抑制することができる。したがって、オゾン層破壊や地球温暖化への影響の少ない炭化水素系冷媒を使用することができる。また、プレートフィンは流体を用いた拡管によりフィン固定用管の直管部の周囲に固定されているので、フィン固定用管の内周面に伝熱面積を増大させる目的で、比較的突出高さの高いインナーフィンが形成されていたとしても、拡管時にインナーフィンが潰れることはなく、所望の冷却性能(熱交換性能)を得ることができる。さらに、直管部のフィン無し部の外周面に、上記拡管の際に直管部を全周にわたってクランプしていた痕跡である環状クランプ痕跡部が形成されているので、フィン固定用管の流体を用いた拡管の際にこの部分が何らかの手段により全周にわたってクランプされていたことになり、拡管時の直管部の破裂が防止される。
【0057】
上記3)の熱交換器用フィン付き管によれば、フィン固定用管の拡管の際の破裂防止効果が確実になる。
【0058】
上記4)の熱交換器用フィン付き管によれば、フィン固定用管の内周面に、その長さ方向に伸びるインナーフィンが周方向に間隔をおいて一体に形成されているので、フィン固定用管の伝熱面積が増大し、このフィン付き管を用いて製造された熱交換器の熱交換性能が向上する。
【0059】
上記5)〜7)の熱交換器用フィン付き管によれば、このフィン付き管を用いて製造された熱交換器の熱交換性能向上効果が優れたものになる。
【0060】
上記8)および9)の熱交換器によれば、上記1)〜7)の熱交換器用フィン付き管のところで述べたのと同様な効果を奏する。
【0061】
上記12)の熱交換器用フィン付き管の製造装置によれば、比較的簡単な構成で熱交換器用フィン付き管を製造することができる。また、管クランプ用上下プレートの働きにより、流体を用いた拡管の際にフィン固定用管の直管部がクランプされるので、拡管の際の破裂が防止される。しかも、装置のコストが安くなる。流体を用いた拡管の際にフィン固定用管の直管部の破裂を防止するには、フィン無し部のほぼ全長を拘束用金型で拘束しておいてもよいが、この場合装置のコストが高くなる。すなわち、熱交換器の形式によっては、熱交換器用フィン付き管のフィン無し部の長さが異なることがあり、フィン無し部の長さの異なる種々の熱交換器用フィン付き管を製造する場合、各フィン無し部の長さに応じて専用の拘束用金型を用意する必要があってコストが高くなる。これに対し、上記12)の熱交換器用フィン付き管の製造装置によれば、製造すべき熱交換器用フィン付き管のフィン無し部の長さが異なった場合にも、フィンセット治具のフィンセット間隙に配する管クランプ用の下プレートおよび下プレート上に配される上プレートの数を変更するだけで拡管時の破裂を防止することができる。したがって、上下プレートを多く用意するだけで良く、専用金具を種々用意する場合に比べてコストが安くなる。
【0062】
上記13)の熱交換器用フィン付き管の製造装置によれば、用いるフィン固定用管の直管部の長さが異なった場合にも、ベースユニットの数を変更することによって対応することができる。
【0063】
上記14)の熱交換器用フィン付き管の製造装置によれば、流体を用いた拡管の際のフィン固定用管の破裂を確実に防止することができる。
【0064】
上記15)の熱交換器用フィン付き管の製造装置によれば、上記2)の熱交換器用フィン付き管を、低コストにかつフィン固定用管の直管部が破裂することなく製造することができる。
【0065】
上記16)の熱交換器用フィン付き管の製造方法によれば、上記1)の熱交換器用フィン付き管を、低コストにかつフィン固定用管の直管部が破裂することなく製造することができる。
【0066】
上記17)の熱交換器用フィン付き管の製造方法によれば、上記2)の熱交換器用フィン付き管を、低コストにかつフィン固定用管の直管部が破裂することなく製造することができる。
【0067】
上記15)の製造装置、ならびに上記16)および17)の製造方法において、熱交換器用フィン付き管を低コストにかつフィン固定用管の直管部が破裂することなく製造することができる理由は、上記12)の製造装置のところで述べた通りである。
【0068】
上記18)および19)の熱交換器用フィン付き管の製造方法によれば、流体を用いた拡管の際のフィン固定用管の破裂を確実に防止することができる。
【0069】
上記20)の熱交換器用フィン付き管の製造方法によれば、フィン固定用管に流体を導入して拡管を行うことにより、各フィン群のプレートフィンをフィン固定用管の直管部の周囲に固定するのであるから、拡管の際のインナーフィンの潰れが防止され、熱交換器用フィン付き管を用いて製造された熱交換器の熱交換性能が優れたものになる。
【0070】
上記21)〜23)の熱交換器用フィン付き管の製造方法によれば、製造されたフィン付き管を用いて製造された熱交換器の熱交換性能向上効果が優れたものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による熱交換器用フィン付き管を示す一部を省略した平面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】図1の熱交換器用フィン付き管の要部拡大断面図である。
【図4】この発明による熱交換器用フィン付き管の製造装置を部分的に示す拡大斜視図である。
【図5】図4の製造装置にフィン固定用管およびフィンをセットした状態を部分的に示す垂直縦断面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う一部切り欠き断面図である。
【図7】図1に示す熱交換器用フィン付き管を製造する方法を示すフィン固定用管を拡管する前の状態の一部を省略した水平断面図である。
【図8】図1に示す熱交換器用フィン付き管を製造するにあたり、フィン固定用管を拡管した後の状態を部分的に示す図5相当の断面図である。
【図9】熱交換器用フィン付き管から熱交換器を製造する方法を示す部分斜視図である。
【図10】この発明による熱交換器の全体構成を示す斜視図である。
【図11】熱交換器用フィン付き管の他の実施形態を示す図2相当の断面図である。
【符号の説明】
(1):熱交換器
(10):熱交換器用フィン付き管
(11):フィン固定用管
(11a):直管部
(12):フィン群
(13):フィン無し部
(14):プレートフィン
(14a):管挿通用貫通穴
(15)(16)(40):インナーフィン
(19):クランプ痕跡部
(20):フィンセット治具
(21):ベース
(21A):ベースユニット
(22):フィン支持プレート
(22a):切り欠き
(23):フィンセット間隙
(24):管クランプ用下プレート
(25):管クランプ用上プレート
(26):押圧部材
(27):貫通穴
Claims (22)
- 溶接継ぎ目のない管からなりかつ直管部を有するフィン固定用管と、フィン固定用管の直管部に固定された複数の並列状プレートフィンからなるフィン群とを有しており、直管部に、フィン群の設けられていないフィン無し部を少なくとも1つ備えた熱交換器用フィン付き管であって、プレートフィンに管挿通用穴が形成され、フィン固定用管の直管部が管挿通用貫通穴に通されるとともに、フィン固定用管を流体を用いて拡管することによりプレートフィンがフィン固定用管の直管部の周囲に固定され、直管部のフィン無し部の外周面に、上記拡管の際に直管部を全周にわたってクランプしていた痕跡である環状クランプ痕跡部が形成されている熱交換器用フィン付き管。
- フィン固定用管がヘアピン状であり、フィン群が、ヘアピン状フィン固定用管の2つの直管部にまたがって固定された複数の並列状プレートフィンからなるとともに、直管部の長さ方向に間隔をおいて複数設けられており、プレートフィンに2つの管挿通用貫通穴が間隔をおいて形成され、ヘアピン状フィン固定用管の両直管部がそれぞれ管挿通用貫通穴に通され、ヘアピン状フィン固定用管の両直管部における隣り合う2つのフィン群間にフィン無し部が設けられている請求項1記載の熱交換器用フィン付き管。
- フィン無し部の長さが5mmを越えており、このフィン無し部におけるクランプ痕跡部の存在しない部分の長さが5mm以下である請求項1または2記載の熱交換器用フィン付き管。
- フィン固定用管の内周面に、その長さ方向に伸びるインナーフィンが周方向に間隔をおいて一体に形成されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管。
- フィン固定用管の内周面からの突出高さの異なる高低2種類のインナーフィンが周方向に交互に設けられており、高いインナーフィンの突出高さが0.7〜1.7mm、低いインナーフィンの突出高さが0.4〜1.2mmである請求項4記載の熱交換器用フィン付き管。
- 全てのインナーフィンの高さが等しく、フィン固定用管の内周面からのインナーフィンの突出高さが0.7〜1.2mmである請求項4記載の熱交換器用フィン付き管。
- インナーフィンのピッチが0.4〜1.6mmである請求項5または6記載の熱交換器用フィン付き管。
- 請求項1〜7のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管が、フィン固定用管の直管部における少なくとも1つのフィン無し部において曲げられている熱交換器。
- 請求項2〜7のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管が、ヘアピン状フィン固定用管の直管部の長さ方向に関して同一位置にある2つのフィン無し部において同方向に曲げられるとともに、ヘアピン状フィン固定用管の直管部の長さ方向に隣り合うフィン無し部での曲げ方向が異なることにより、全体として蛇行状に形成されている熱交換器。
- 圧縮機、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えており、蒸発器が請求項8または9記載の熱交換器からなり、冷媒として炭化水素系冷媒が用いられている冷蔵庫。
- 圧縮機、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えており、蒸発器が請求項8または9記載の熱交換器からなり、冷媒として炭化水素系冷媒が用いられている冷蔵ショーケース。
- 請求項1〜7のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管を製造する装置であって、板状ベースおよび板状ベース上に間隔をおいて立設された複数の並列状フィン支持プレートよりなるフィンセット治具と、フィンセット治具の隣接するフィン支持プレート間のフィンセット間隙に配される管クランプ用の下プレートと、隣接するフィン支持プレート間に配された下プレートの上に配される管クランプ用上プレートと、上プレートを下方に押圧する押圧部材とを備えており、各フィン支持プレートの上縁にフィン固定用管の直管部を嵌め入れ得る切り欠きが形成され、管クランプ用の上下プレート間に、フィン固定用管の直管部を挿通し得る貫通穴が形成され、この貫通穴の内径が拡管前のフィン固定用管の外径以上の大きさである熱交換器用フィン付き管の製造装置。
- フィンセット治具の板状ベースが複数のベースユニットを直列状に並べることにより構成され、各ベースユニット上に複数のフィン支持プレートが立設されている請求項12記載の熱交換器用フィン付き管の製造装置。
- 管クランプ用上下プレートの厚みが、それぞれ0.8〜1.0mmである請求項12または13記載の熱交換器用フィン付き管の製造装置。
- 各フィン支持プレートの上縁にヘアピン状フィン固定用管の2つの直管部を嵌め入れ得る2つの切り欠きが間隔をおいて形成され、管クランプ用の上下プレート間に、ヘアピン状フィン固定用管の2つの直管部を挿通し得る2つの貫通穴が、上記2つの切り欠き間のピッチと同一ピッチで形成されている請求項12〜14のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管の製造装置。
- 請求項1記載の熱交換器用フィン付き管を製造する方法であって、溶接継ぎ目のない管からなりかつ直管部を有するフィン固定用管と、管挿通用貫通穴が形成されている複数のプレートフィンとを用意すること、プレートフィンを、請求項12〜14のうちのいずれかに記載の製造装置における全てのフィン支持プレート間のフィンセット間隙のうちフィン群を設けるべき部分に連続して並んでいる複数のフィンセット間隙内に配置すること、プレートフィンが配置されていないフィンセット間隙に管クランプ用下プレートを配置すること、フィン固定用管の直管部をプレートフィンの管挿通用穴に通すとともに直管部をフィン支持プレートの切り欠き内に嵌め入れて、直管部に複数の並列状プレートフィンからなるフィン群とフィン無し部を設けること、管クランプ用下プレート上に管クランプ用上プレートを配置するとともに両プレート間に形成される貫通穴にフィン固定用管の直管部を通した状態にすること、押圧部材により上プレートを下方に押圧すること、およびフィン固定用管内に流体を導入して拡管を行い、フィン群のプレートフィンを直管部の周囲に固定することを含む熱交換器用フィン付き管の製造方法。
- 請求項2記載の熱交換器用フィン付き管を製造する方法であって、溶接継ぎ目のない管からなるヘアピン状フィン固定用管と、2つの管挿通用貫通穴が形成されているプレートフィンを用意すること、プレートフィンを、請求項15記載の製造装置における全てのフィン支持プレート間のフィンセット間隙のうちフィン群を設けるべき部分に連続して並んでいる複数のフィンセット間隙内に配置すること、プレートフィンが配置されていないフィンセット間隙に管クランプ用下プレートを配置すること、フィン固定用管の両直管部をそれぞれプレートフィンの両管挿通用穴に通すとともに両直管部をそれぞれフィン支持プレートの両切り欠き内に嵌め入れて、複数の並列状プレートフィンからなるフィン群とフィン無し部を設けること、管クランプ用下プレート上に管クランプ用上プレートを配置するとともに両プレート間に形成される両貫通穴にそれぞれフィン固定用管の両直管部を通した状態にすること、押圧部材により上プレートを下方に押圧すること、およびフィン固定用管内に流体を導入して拡管を行い、フィン群のプレートフィンを直管部の周囲に固定することを含む熱交換器用フィン付き管の製造方法。
- 管クランプ用上下プレート間に形成される貫通穴の内径をD、拡管前のフィン固定用管の直管部の外径をdとした場合、d≦D≦d+0.4mmという関係を満たす請求項14または15記載の熱交換器用フィン付き管の製造方法。
- 管クランプ用上プレートとフィン固定用管との接触面積の合計をA、フィン固定用管内に導入される流体の圧力をPとした場合、押圧部材により上プレートを下方に押圧する力をA×P以上とする請求項16〜18のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管の製造方法。
- フィン固定用管の内周面に、その長さ方向に伸びるインナーフィンが周方向に間隔をおいて一体に形成されている請求項16〜19のうちのいずれかに記載の熱交換器用フィン付き管の製造方法。
- フィン固定用管の内周面からの突出高さの異なる高低2種類のインナーフィンが周方向に交互に設けられており、高いインナーフィンの突出高さが0.7〜1.7mm、低いインナーフィンの突出高さが0.4〜1.2mmである請求項20記載の熱交換器用フィン付き管の製造方法。
- 全てのインナーフィンの高さが等しく、フィン固定用管の内周面からのインナーフィンの突出高さが0.7〜1.2mmである請求項20記載の熱交換器用フィン付き管の製造方法。
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