JP2004190783A - ドライガスシール式回転機械の起動方法およびドライガスシール式回転機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時のドライガスシール装置の回転シール環と静止シール環の摩擦による熱負荷及び機械的な過大負荷を生じさせず、安全なドライガスシール式回転機械の起動方法と、安全な起動を行えるドライガスシール式回転機械を提供する。
【解決手段】ドライガスシール式回転機械の起動方法を、回転体に固定された回転シール環のシール面に軸方向進退可能な静止シール環のシール面が押し付けられるドライガスシール装置を備えたドライガスシール式回転機械を起動する方法において、起動に際しては、回転体の停止状態で回転シール環に接触している静止シール環の押し付け背圧力を低減させ、回転シール環と静止シール環のシール面を互いに強制離隔させたうえで、回転体の回転を開始するように構成し、また、それが行えるようにドライガスシール式回転機械を構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮機等、ドライガスシール装置を備えた回転機械(本明細書において「ドライガスシール式回転機械」ともいう)の起動方法およびドライガスシール装置を備えた回転機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4から図6に基づいて、従来のドライガスシール式回転機械のドライガスシール装置を説明する。圧縮機等、ドライガスシール式回転機械のドライガスシール装置としては、例えば、図4から図6に示す特許文献1(特開平10−318185号公報)のもののように、ドライガスシール装置50の回転シール環1のシール面1aと静止シール環2のシール面2aが、回転軸方向Xで対向して面してシールを行うものがあり、特許文献1ではドライガスシール装置50の回転シール環1と静止シール環2の対向面にスパイラル溝10を設けたドライガスシール装置の一例が示されている。
【0003】
図4は、上記従来のドライガスシール式回転機械の一方(図4上、右側)のドライガスシール装置50を代表して示す縦断面図であり、図4において左がドライガスシール式回転機械の機内12側、右が機外13側である。図5は図4の回転シール環、静止シール環の断面説明図、図6は図4の回転シール環のシール面説明図である。
【0004】
図4において、3は端部を段型延長された回転体、即ち回転軸であり、回転軸3は小径軸部3aと大径軸部3bの間に段部3cが設けられている。4は回転体3の小径軸部3a外周に段部3cに接して固定されたシャフトスリーブであり、シャフトスリーブ4には回転シール環1が固定され、回転体3及びシャフトスリーブ4と一体で回転するようになっている。
【0005】
5はハウジング8に固定したリテーナ、2は静止シール環である。静止シール環2は、段部3cに向いたリテーナ5の面の内周寄りに環状溝状に形成された凹部空間5a内に、回転軸方向Xに進退微動可能かつ回転不能に嵌合されるとともに、凹部空間5a内に装着されたばね6により、回転シール環1側に押し付けられている。
【0006】
そして、回転シール環1の静止シール環2に対向するシール面1aには、図6で示すように円周方向等間隔に複数個のスパイラル溝10(通常2μm〜5μm深さ)が刻設されている。スパイラル溝10は回転シール環1のシール面1aのほか、静止シール環2のシール面2aにも設けることができ、対向するシール面1a、2aの全体の圧力分布が略均一となるように適宜のスパイラル形状で設けられている。
【0007】
このような従来のドライガスシール50を備えたドライガスシール式回転機械、例えば圧縮機は、運転時において回転軸3が回転すると、機内12のガスが、図4中の矢印aのように、回転シール環1の外周1c側からスパイラル溝10内に導入され、その動圧効果によって、回転シール環1のシール面1aと静止シール2のシール面2aとの間に図4中に示すような圧力分布Pを発生し、この圧力分布Pによって、回転シール環2のシール面1aと静止シール環2のシール面2aとの間に微小なシール隙間11が形成され、このシール隙間11を通して機内12のガス微量を機外13へリークさせることにより、圧縮機のシ−ルがなされている。
【0008】
ところが、上記のようなシール隙間11は、回転運転中は回転シール環1上のスパイラル溝10の効果により僅かにシール隙間11が発生して両シール環1、2間の摩擦による発熱及びトルク負荷の低減を実現しているが、ドライガスシール式回転機械の回転軸3の回転停止時には、回転シール環1と静止シール環2同士が接触している。
【0009】
このため、起動時には接触した状態の両シール環1,2のシール面1a,2aが、摩擦発熱し、焼きつき等のトラブルを生じ安い問題がある。このためドライガスシール式回転機械の起動時には、回転軸3の機械的な撓みを無視して、毎分800回転付近の回転速度で起動し短時間で圧力分布Pを立ち上げて、回転シール環1と静止シール環2同士の接触摩擦時間を短くするようにしているが、回転軸3に過大な負荷がかかる問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−318185号公報(3頁、図1、図3、図6)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来のドライガスシール装置を設けたドライガスシール式回転機械の問題に対し、起動時のドライガスシール装置の回転シール環1と静止シール環2の摩擦による熱負荷及び機械的な過大負荷を生じさせず、安全にドライガスシール式回転機械を起動する方法と、安全な起動を行えるドライガスシール式回転機械を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、その第1の手段として、回転体に固定された回転シール環のシール面に軸方向進退可能な静止シール環のシール面が押し付けられるドライガスシール装置を備えたドライガスシール式回転機械を起動する方法において、起動に際しては、前記回転体の停止状態で前記回転シール環に接触している前記静止シール環の押し付け背圧力を低減させ、前記回転シール環と静止シール環のシール面を互いに強制離隔させたうえで、前記回転体の回転を開始することを特徴とするドライガスシール式回転機械の起動方法を提供する。
【0013】
上記のような構成の第1の手段によれば、ドライガスシール式回転機械の起動に際し、停止状態で相互に接触しているドライガスシール装置の回転シール環および静止シール環のシール面を強制的に離隔させたうえで、回転体の回転を開始するので、ドライガスシール式回転機械の起動時にシール隙間を確保することにより、起動パターンを制約なく設定できる。また、起動時の熱負荷、機械的過負荷の発生がなくなる。さらに、低回転での起動が可能になり、回転体や軸受などにかかる過大な負荷を低減できる。
【0014】
(2)第2の手段としては、第1の手段のドライガスシール式回転機械の起動方法において、前記押し付け背圧力の低減は、起動から前記回転体が所定の回転数に達するまで前記静止シール環の背面側の空間を、前記回転体の停止時における前記ドライガスシール式回転機械の機内側圧力よりも低圧の低圧供給源に、連通することによって行うことを特徴とするドライガスシール式回転機械の起動方法を提供する。
【0015】
第2の手段によれば、第1の手段の作用に加え、起動時のシール隙間の確保を、装置が通常設置される工場等で種々ある既存の低圧供給源に接続、あるいは自機内の低圧供給源に接続して、相対的に低圧の気体圧によって行える。
(3)また、第3の手段として、回転体に固定された回転シール環のシール面に軸方向進退可能な静止シール環のシール面が押し付けられるドライガスシール装置を備えたドライガスシール式回転機械において、前記静止シール環の背面側の空間と前記回転体の停止時における前記ドライガスシール式回転機械の機内側圧力よりも低圧の低圧供給源とを連通する通気路と、同通気路に介装される弁と、前記回転体の駆動モータと、制御装置とを備え、同制御装置は同ドライガスシール式回転機械の起動に際し、前記弁を開き、しかるのちに前記駆動モータを始動し、前記回転体が所定の回転数に達した時点で前記弁を閉じる制御を行うように構成されてなることを特徴とするドライガスシール式回転機械を提供する。
【0016】
上記のような構成の第3の手段によれば、起動に際し、停止状態で相互に接触しているドライガスシール装置の回転シール環および静止シール環のシール面を強制的に離隔させたうえで、回転体の回転を開始するので、起動時にシール隙間を確保することにより、起動パターンを制約なく設定でき、起動時の熱負荷、機械的過負荷の発生がなくなり、さらに、低回転での起動が可能になるので、回転体や軸受などにかかる過大な負荷を低減できるドライガスシール式回転機械となる。
【0017】
またさらに、起動時のシール隙間の確保を、装置が通常設置される工場等で種々ある既存の低圧供給源に接続、あるいは自機内の低圧供給源に接続して、相対的に低圧の気体圧によって行える。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1から図3に基づき、本発明の実施の一形態に係るドライガスシール式回転機械およびその起動方法を説明する。図1は本実施の形態のドライガスシール式回転機械の一方(図1上、右側)のドライガスシール装置を代表して示す縦断面図で、図1において左がドライガスシール式回転機械の機内側、右が機外側である。図2は、図1のドライガスシール装置を備えたドライガスシール式回転機械の実施の一形態としての圧縮機の全体構成概要図、図3は、本実施の形態の圧縮機の変形例の全体構成概要図である。図1から図3において、図4に示す従来のドライガスシール装置と同じ部分には、同じ符号を付して説明を省略し、異なる点を主に以下説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態のドライガスシール式回転機械のドライガスシール装置60は、ハウジング8とリテーナ5に連通する気体通路20が設けられ、気体通路20の先端は、静止シール環2のシール面2aと反対側となる背面2b側のリテーナ5の凹部空間5aに開口し、他端はハウジング8外部に開口するとともに管路21と接続している。管路21には電磁開閉弁22が介装され低圧供給源23に接続している。すなわち、気体通路20と管路21は静止シール環2の背面2b側の凹部空間5aと低圧供給源23とを連通する通気路を形成し、介装される電磁開閉弁22は同通気路を開閉操作するものである。
【0020】
低圧供給源23は、回転軸3の停止時におけるドライガスシール式回転機械の機内12側の圧力よりも低圧に保たれる気体圧を、静止シール環2の背面2b側の凹部空間5aに供給するものであり、ドライガスシール式回転機械の使用条件によって、新設に限らず既存の周辺設備の低圧の汎用アキュムレータ、大気ベントライン、Nガスユーティリティライン、またはドライガスシール式回転機械の自機内の低圧ガス供給管等を用いることができる。
【0021】
電磁開閉弁22は、制御装置24により自動開閉制御され、制御装置24はまた、回転軸3の駆動モータ25と接続しており駆動モータ25の回転制御を行う。
【0022】
図2に示す本実施の形態の、ドライガスシール式回転機械である圧縮機100は、その回転体である回転軸3の両側に図1に示すドライガスシール装置60を備え、低圧ガス供給管30a、ガス排出管30bを接続するとともに、ドライガスシール装置60の気体通路20に連通する管路21を、電磁開閉弁22経由、低圧の汎用アキュムレータ、工場内の大気ベントライン、Nガスユーティリティライン等の低圧供給源23に接続して構成されている。
【0023】
図3に示す本実施の形態の変形例の、ドライガスシール式回転機械である圧縮機101は、その回転体である回転軸3の両側に図1に示すドライガスシール装置60を備え、低圧ガス供給管30a、ガス排出管30bを接続するとともに、ドライガスシール装置60の気体通路20に連通する管路21を、電磁開閉弁22経由、低圧供給源23となる上記低圧ガス供給管30aに接続して構成されている。この構成は、圧縮機(ドライガスシール式回転機械)101で処理する気体が危険のないガス体である場合に適用できる。
【0024】
上記のような本実施の形態の図2に示す圧縮機100は、運転停止時には、回転シール環1のシール面1aと軸方向に進退微動可能な静止シール環2のシール面2aは従来同様に互いに接した状態を保っている。このとき機内12側と静止シール環2の背面の凹部空間5a内は運転中のシール部を通るガスリークによってガス圧がバランスし、ばね6により静止シール環2が回転シール環1に押し付けられている。そして、圧縮機100の起動に際し、停止状態で相互に接触しているドライガスシール装置60の回転シール環1および静止シール環2のシール面1a、2aを微小な隙間だけ強制的に離隔させたうえで、回転軸3の回転を開始する方法で圧縮機100の起動を行う。
【0025】
制御装置24による圧縮機100の起動制御にあたっては、最初に電磁開閉弁22を開くように制御し、連通した低圧供給源23の低圧により静止シール環2の押し付け背圧力を低減させて静止シール環2を後退させ、ドライガスシール装置60の両シール環1、2のシール面1a、1bを互いに微小な隙間だけ強制離隔させ、両シール面1a、1b間に一定のシール隙間11を形成させた上で、駆動モータ25による回転軸3の回転駆動を始動し、所定回転速度(例えば毎分800回転)に達した時点で電磁開閉弁22を閉じるように自動制御を行う。
【0026】
圧縮機100の起動に先立ち、電磁開閉弁22が開かれると、静止シール環2の背面2b側の低圧供給源23に連通した凹部空間5a内のガス圧力が下がり相対的に機内12側圧力が高まって、静止シール環2の前後の差圧により、ばね6が押込まれ、回転シール環1と静止シール環2のシール面1aと2aの間に微小なシール隙間11(図5参照)が形成される。
【0027】
このシール隙間11が形成された状態で、制御装置24からの始動指令で駆動モータ25が回転軸3の回転駆動を開始すれば、回転シール環1と静止シール環2との間に摩擦の発生なしに圧縮機100の起動が可能となる。したがって起動時の熱負荷を生じなくなる。このため圧縮機100の回転駆動は、起動において低速回転から徐々に高速回転に制御することができ、回転軸3に過大な負荷を与えない安全な運転が可能になる。回転軸3の回転が所定回転速度に達するとシール部(回転シール環1と静止シール環2のシール面1aと2aの間)のガスリーク圧力でシール隙間11が維持できるようになり、電磁開閉弁22が閉じられる。
【0028】
なお、シール隙間11が形成される状態は、ばね6の力と静止シール環2前後の差圧との関係で定まるので、シール隙間11の形成を直接検出して確認することに代えて上記差圧を検知して確認できる。またそのような差圧が確実に与えられる使用条件であれば、特に確認操作なしに制御装置24は電磁開閉弁22の作動とリンクさせ、あるいは適宜な遅延回路を介して、駆動モータ25の起動指令を出すことができる。
【0029】
また、図3に示す本実施の形態の変形例の圧縮機101も、低圧供給源23となる圧縮機101の低圧ガス供給管30aの低圧を利用して、前記の圧縮機100と全く同様に、起動を行うことができる。なお、圧縮機101等ドライガスシール式回転機械は起動にあたって、別途の図示しない圧力源によって機内12側の圧力を上昇させることが通常であるので、低圧ガス供給管30aの圧力は相対的に機内12側との差圧を与えることとなり、図3の構成はそのような場合に適し、低圧供給源23を外部に求めなくてもよく、自機内で構成できるので装置の構成を簡潔にすることができる。
【0030】
したがって、本実施の形態のドライガスシール式回転機械、またその起動方法によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)ドライガスシール式回転機械の起動時にシール隙間11を確保することにより、起動パターンを制約なく設定でき安定した起動運転が可能になる。また、起動時に容易にシール隙間を確保できる。
(2)ドライガスシール式回転機械の起動時にシール隙間11を確保することにより、起動時の熱負荷、機械的過負荷の発生がなくなり、安全性が高まる。
(3)ドライガスシール式回転機械の低回転での起動が可能になり、回転軸3や軸受などにかかる過大な負荷を低減できる。
(4)上記によりドライガスシール式回転機械設備の安定性、寿命、信頼性が高まり、設備の稼働率が向上される。
(5)また、起動時のシール隙間11の確保を、装置が通常設置される工場等で種々ある既存の低圧供給源に接続、あるいは自機内の低圧供給源に接続して、相対的に低圧の気体圧によって行えるので、信頼性が高く、装置構成のコストを抑制できる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内でその具体的構成および構造に種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
(1)請求項1の発明によれば、ドライガスシール式回転機械の起動方法を、回転体に固定された回転シール環のシール面に軸方向進退可能な静止シール環のシール面が押し付けられるドライガスシール装置を備えたドライガスシール式回転機械を起動する方法において、起動に際しては、前記回転体の停止状態で前記回転シール環に接触している前記静止シール環の押し付け背圧力を低減させ、前記回転シール環と静止シール環のシール面を互いに強制離隔させたうえで、前記回転体の回転を開始するように構成したので、ドライガスシール式回転機械の起動に際し、停止状態で相互に接触しているドライガスシール装置の回転シール環および静止シール環のシール面を強制的に離隔させたうえで、回転体の回転を開始するため、ドライガスシール式回転機械の起動時にシール隙間を確保することにより、起動パターンを制約なく設定でき安定した起動運転が可能になる。また、起動時の熱負荷、機械的過負荷の発生がなくなり、安全性が高まる。さらに、低回転での起動が可能になり、回転体や軸受などにかかる過大な負荷を低減でき、ドライガスシール式回転機械設備の安定性、寿命、信頼性が高まり、設備の稼働率が向上する。
【0033】
(2)請求項2の発明によれば、請求項1に記載のドライガスシール式回転機械の起動方法において、前記押し付け背圧力の低減は、起動から前記回転体が所定の回転数に達するまで前記静止シール環の背面側の空間を、前記回転体の停止時における前記ドライガスシール式回転機械の機内側圧力よりも低圧の低圧供給源に、連通することによって行うように構成したので、請求項1の発明の効果に加え、起動時のシール隙間の確保を、装置が通常設置される工場等で種々ある既存の低圧供給源に接続、あるいは自機内の低圧供給源に接続して、相対的に低圧の気体圧によって行えるため、信頼性が高く、装置構成のコストが抑制できる。
【0034】
(3)請求項3の発明によれば、ドライガスシール式回転機械を、回転体に固定された回転シール環のシール面に軸方向進退可能な静止シール環のシール面が押し付けられるドライガスシール装置を備えたドライガスシール式回転機械において、前記静止シール環の背面側の空間と前記回転体の停止時における前記ドライガスシール式回転機械の機内側圧力よりも低圧の低圧供給源とを連通する通気路と、同通気路に介装される弁と、前記回転体の駆動モータと、制御装置とを備え、同制御装置は同ドライガスシール式回転機械の起動に際し、前記弁を開き、しかるのちに前記駆動モータを始動し、前記回転体が所定の回転数に達した時点で前記弁を閉じる制御を行うように構成されてなるようにしたので、起動に際し、停止状態で相互に接触しているドライガスシール装置の回転シール環および静止シール環のシール面を強制的に離隔させたうえで、回転体の回転を開始するため、起動時にシール隙間を確保することにより、起動パターンを制約なく設定でき安定した起動運転が可能になり、起動時の熱負荷、機械的過負荷の発生がなくなり、安全性がたかまり、さらに、低回転での起動が可能になるため、回転体や軸受などにかかる過大な負荷を低減でき、安定性、寿命、信頼性が高まり、設備の稼働率が向上したドライガスシール式回転機械が得られる。
【0035】
またさらに、起動時のシール隙間の確保を、装置が通常設置される工場等で種々ある既存の低圧供給源に接続、あるいは自機内の低圧供給源に接続して、相対的に低圧の気体圧によって行えるので、信頼性が高く、装置構成のコストを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るドライガスシール式回転機械のドライガスシール装置の縦断面図である。
【図2】図1のドライガスシール装置を備えたドライガスシール式回転機械である本実施の形態の圧縮機の全体構成概要図である。
【図3】本実施の形態の圧縮機の変形例の全体構成概要図である。
【図4】従来のドライガスシール式回転機械のドライガスシール装置の縦断面図である。
【図5】図4の回転シール環、静止シール環の断面説明図である。
【図6】図4の回転シール環のシール面説明図である。
【符号の説明】
1 回転シール環
1a シール面
2 静止シール環
2a シール面
2b 背面
3 回転軸
3a 小径軸部
3b 大径軸部
3c 段部
4 シャフトスリーブ
5 リテーナ
5a 凹部空間
6 ばね
10 スパイラル溝
11 シール隙間
12 機内
13 機外
20 気体通路
21 管路
22 電磁開閉弁
23 低圧供給源
24 制御装置
25 駆動モータ
30a 低圧ガス供給管
30b ガス排出管
50、60 ドライガスシール装置
100、101 圧縮機

Claims (3)

  1. 回転体に固定された回転シール環のシール面に軸方向進退可能な静止シール環のシール面が押し付けられるドライガスシール装置を備えたドライガスシール式回転機械を起動する方法において、起動に際しては、前記回転体の停止状態で前記回転シール環に接触している前記静止シール環の押し付け背圧力を低減させ、前記回転シール環と静止シール環のシール面を互いに強制離隔させたうえで、前記回転体の回転を開始することを特徴とするドライガスシール式回転機械の起動方法。
  2. 請求項1に記載のドライガスシール式回転機械の起動方法において、前記押し付け背圧力の低減は、起動から前記回転体が所定の回転数に達するまで前記静止シール環の背面側の空間を、前記回転体の停止時における前記ドライガスシール式回転機械の機内側圧力よりも低圧の低圧供給源に、連通することによって行うことを特徴とするドライガスシール式回転機械の起動方法。
  3. 回転体に固定された回転シール環のシール面に軸方向進退可能な静止シール環のシール面が押し付けられるドライガスシール装置を備えたドライガスシール式回転機械において、前記静止シール環の背面側の空間と前記回転体の停止時における前記ドライガスシール式回転機械の機内側圧力よりも低圧の低圧供給源とを連通する通気路と、同通気路に介装される弁と、前記回転体の駆動モータと、制御装置とを備え、同制御装置は同ドライガスシール式回転機械の起動に際し、前記弁を開き、しかるのちに前記駆動モータを始動し、前記回転体が所定の回転数に達した時点で前記弁を閉じる制御を行うように構成されてなることを特徴とするドライガスシール式回転機械。
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