JP2004190068A - 耐食性亜鉛めっき鋼板、その製造方法、及び、そのりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1) 亜鉛めっき鋼板表面に、アルカリ金属イオン(又はアンモニウムイオン)とTi、Si及びZnを含有し、X線回折で2θ=11°にピークを有する結晶構造のりん酸塩皮膜が形成されていることを特徴とする耐食性亜鉛めっき鋼板、(2) アルカリ金属イオン(又はアンモニウムイオン)と水溶性Ti化合物とシリカとを含むことを特徴とするりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物、(3) 亜鉛めっき鋼板にりん酸塩処理を施した後、前記シーリング処理組成物を塗布し、乾燥させることを特徴とする耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法等。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性亜鉛めっき鋼板、その製造方法、及び、そのりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物に関する技術分野に属し、特には、クロム化合物を用いることなしに、優れた耐食性を有する電気亜鉛めっき鋼板を得る方法、クロム化合物を含まない耐食性亜鉛めっき鋼板に関する技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
クロム化合物を含まない耐食性亜鉛めっき鋼板に関しては、下記(1) 〜(8) のようなものが知られている。
【0003】
(1) 特開平9−53192号公報に記載されたもの。即ち、(A) 酸化性物質、(B) 珪酸塩及び/又は二酸化珪素、及び、(C) Ti、Zr、Ce、Sr、V、W、Moの金属カチオン、それらのオキシ金属アニオン及びフルオロ金属アニオンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属イオンを含有する液体防錆皮膜組成物に亜鉛めっき鋼板等の鋼板を浸漬し、この鋼板上に防錆皮膜を形成する防錆皮膜形成方法。
【0004】
(2) 特開2000−313966号公報に記載されたもの。即ち、少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層を有する母材鋼板の、少なくとも亜鉛系めっき層面に、結晶質のリン酸亜鉛系の化成処理皮膜層を有し、そのX線回折積分強度比で表される化成処理皮膜層のホパイト面比率(H) が5以下であり、更にその上に非晶質のリン酸系皮膜を有するもの。
ここで、ホパイト面比率(H) は、ホパイト面比率(H) =(020) /[(051)+(311)+(241)] である。ただし、この式において、(020) 、(051) 、(311) 、(241) は、各面方位のX線回折積分強度を示すものである。
【0005】
(3) 特開平11−333973号公報に記載されたもの。即ち、金属基体と、該金属基体の表面上に形成されたケイ酸化合物及び重量平均分子量:1,000 〜100,000 である芳香族アミン系縮合物を含有する第1皮膜と、該第1被膜の上に形成されたケイ酸化合物を含有する第2皮膜とを有する積層構造。
【0006】
(4) 特開2000−313965号公報に記載されたもの。即ち、少なくとも一方の表面に付着量20g/m2 以上80g/m2 以下の亜鉛系めっき層を有する母材鋼板の、少なくとも亜鉛系めっき層面に、下記式(1) で規定されるリン酸亜鉛塩系化成処理皮膜層を有し、さらにその上に下記式(2) で規定される付着量のリン酸マグネシウム化合物層からなる封孔処理層を有することを特徴とする高耐食性表面処理鋼板。
0.3≦(リン酸亜鉛系化成処理皮膜付着量)≦ 3 −−−−−−−−−− 式(1)
(開孔率)× 0.3≦ (封孔処理付着量) ≦(開孔率)×3 −−−− 式(2)
ただし、上記不等式(1) 、(2) 中の付着量の単位は、g/m2 である。開孔率は、開孔率=1−(リン酸亜鉛系化成処理による被覆面積)/(観察面積)である。
【0007】
(5) 特開2000−265281号公報に記載されたもの。即ち、鋼板の少なくとも片面に形成されたリン酸亜鉛を主成分とするリン酸亜鉛皮膜層と、該皮膜の上層に形成されたMg、Al、Co、Mn及びCaの中から選択される1種又は2種以上の金属よりなるリン酸塩を主成分とするリン酸塩皮膜層とを有することを特徴とする耐食性、潤滑性、塗料密着性に優れたリン酸塩複合被覆鋼板。
【0008】
(6) 特開2001−11647号公報に記載されたもの。即ち、亜鉛又は亜鉛系合金メッキ鋼板の表面上に、リン酸亜鉛皮膜と、Alを含有するリン酸塩皮膜との複合リン酸塩皮膜が形成されており、該複合皮膜の重量が1g/m2 以上で、かつ該複合皮膜中のAlが2wt%以上であることを特徴とするリン酸塩処理亜鉛系メッキ鋼板。
【0009】
(7) 特開2001−207271号公報に記載されたもの。即ち、(A) ヒドラジン誘導体、(B) シリカ微粒子、及び、(C) 金属表面をエッチングできる酸を含有することを特徴とする金属表面のリン酸塩処理皮膜の後処理剤、及び、金属表面のリン酸塩処理皮膜に、上記後処理剤を乾燥皮膜重量が0.05〜3.0g/m2 となるように塗布し乾燥させることを特徴とする金属表面のリン酸塩処理皮膜の後処理方法。
【0010】
(8) 特開2002−60968号公報に記載されたもの。即ち、(A) 加水分解して水酸基になる基を含有するチタンモノマー及び/又はその低縮合物を過酸化水素水と反応させて得られるチタンを含む水性液(A1)、及び、酸化チタンゾルの存在下で、加水分解して水酸基になる基を含有するチタンモノマー及び/又はその低縮合物を過酸化水素水と反応させて得られるチタンを含む水性液(A2)から選ばれる少なくとも1種以上のチタンを含む水性液、及び、(B) チタンハロゲン化物、チタンハロゲン化物塩、ジルコニウムハロゲン化物、ジルコニウムハロゲン化物塩から選ばれる少なくとも1種の金属又はシリコンハロゲン化物を含有することを特徴とする金属表面のリン酸塩処理皮膜の後処理剤。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−53192号公報
【特許文献2】
特開2000−313966号公報
【特許文献3】
特開平11−333973号公報
【特許文献4】
特開2000−313965号公報
【特許文献5】
特開2000−265281号公報
【特許文献6】
特開2001−11647号公報
【特許文献7】
特開2001−207271号公報
【特許文献8】
特開2002−60968号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に記載の技術(1) 〜(8) は、クロム化合物を含まない耐食性亜鉛めっき鋼板に関する従来技術である。これらの技術(1) 〜(8) には、それぞれ下記のような問題点もしくは欠点がある。
【0013】
(1) 特開平9−53192号公報に記載されたものにおいては、酸化性物質として主に過酸化物を用いるため、処理液が時間とともに劣化しやすい。
(2) 特開2000−313966号公報に記載されたものにおいては、上層に非晶質のりん酸塩があるため、上塗り時のアンカー効果が減少し、安定した塗膜密着性が得られない。
(3) 特開平11−333973号公報に記載されたものにおいては、芳香族アミン系縮合物を用いるため、有機溶剤が欠かせず、作業性、環境適合性に劣る。
(4) 特開2000−313965号公報に記載されたものにおいては、上層リン酸マグネシウムの溶解性が比較的高いため、耐食性が不十分である。
(5) 特開2000−265281号公報に記載されたものにおいては、クロメート同等以上の耐食性は得られない。
(6) 特開2001−11647号公報に記載されたものにおいては、リン酸アルミニウム溶液塗布時に下層のリン酸塩が溶解する。
(7) 特開2001−207271号公報に記載されたものにおいては、スプレー処理ではリン酸塩の溶解が激しい。
(8) 特開2002−60968号公報に記載されたものにおいては、過酸化物が不安定なため、実施困難である。
【0014】
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、前記従来技術の場合のような問題点を有してなく、しかも、クロム化合物を含まない耐食性亜鉛めっき鋼板であってクロメート処理した耐食性亜鉛めっき鋼板と同等もしくはそれ以上の耐食性を有する耐食性亜鉛めっき鋼板、その製造方法、及び、そのりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板、その製造方法、そのりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物は、請求項1〜5記載の耐食性亜鉛めっき鋼板(第1発明〜第5発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板)、請求項6〜8記載のりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物(第6発明〜第8発明に係るりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物)、請求項9記載の耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法(第9発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法)としており、それは次のような構成としたものである。
【0016】
即ち、請求項1記載の耐食性亜鉛めっき鋼板は、亜鉛めっき鋼板表面に、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンと、Ti、SiおよびZnを含有し、X線回折において2θ=11°にピークを有する結晶構造を有するりん酸塩皮膜が形成されていることを特徴とする耐食性亜鉛めっき鋼板である〔第1発明〕。
【0017】
請求項2記載の耐食性亜鉛めっき鋼板は、前記りん酸塩皮膜についてのX線回折で測定される2θ=10°のピーク強度をXpとし、2θ=11°のピーク強度をXtとしたときに、Xt/Xp≧0.17である請求項1記載の耐食性亜鉛めっき鋼板である〔第2発明〕。
【0018】
請求項3記載の耐食性亜鉛めっき鋼板は、前記りん酸塩皮膜中のSiの一部または全部がSiO2として存在し、前記りん酸塩皮膜の質量をX[mg/m2 ]としたときに、前記りん酸塩皮膜中のTi量[mg/m2 ]とSiO2量[mg/m2 ]が、Ti量/SiO2量=0.01〜1.4、及び、Ti量+SiO2量<0.5Xの式を満たす量である請求項1または2記載の耐食性亜鉛めっき鋼板である〔第3発明〕。
【0019】
請求項4記載の耐食性亜鉛めっき鋼板は、前記アルカリ金属イオンがカリウムイオンである請求項1〜3のいずれかに記載の耐食性亜鉛めっき鋼板である〔第4発明〕。
【0020】
請求項5記載の耐食性亜鉛めっき鋼板は、前記りん酸塩皮膜が更にバナジウム化合物を1質量%以下(0質量%を含まず)含有する請求項1〜4のいずれかに記載の耐食性亜鉛めっき鋼板である〔第5発明〕。
【0021】
請求項6記載のりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物は、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンと、水溶性Ti化合物と、シリカとを含むことを特徴とするりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物である〔第6発明〕。
【0022】
請求項7記載のりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物は、前記水溶性Ti化合物がTiのオキサラト錯体である請求項6記載のシーリング処理組成物である〔第7発明〕。
【0023】
請求項8記載のりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物は、更にバナジウム化合物を含有する請求項6または7記載のシーリング処理組成物である〔第8発明〕。
【0024】
請求項9記載の耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法は、亜鉛めっき鋼板にりん酸塩処理を施した後、請求項6〜8のいずれかに記載のシーリング処理組成物を塗布し、乾燥させることを特徴とする耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法である〔第9発明〕。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明は例えば次のような形態で実施する。
アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンと、水溶性Ti化合物と、シリカとを含むシーリング処理組成物(りん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物)を準備する。電気亜鉛めっき鋼板にりん酸塩処理を施し、これにより、りん酸塩処理皮膜を形成させる。この後、前記りん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物を塗布し、乾燥させる。このような形態で本発明に係るシーリング処理組成物が用いられ、本発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法が実施される。
【0026】
そうすると、電気亜鉛めっき鋼板表面に、アルカリ金属イオン(またはアンモニウムイオン)と、Ti、SiおよびZnを含有し、X線回折において2θ=11°にピークを有する結晶構造を有するりん酸塩皮膜が形成された耐食性亜鉛めっき鋼板を得ることができる。このような形態で本発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板が得られる。
【0027】
このような形態で本発明が実施される。以下、本発明について主にその作用効果等を説明する。
【0028】
本発明者らは、前記目的を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、亜鉛めっき鋼板やりん酸塩処理を施した亜鉛めっき鋼板に、アルカリ金属イオン(またはアンモニウムイオン)と水溶性Ti化合物とシリカとを含むシーリング処理組成物(りん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物)を塗布することによって、シーリングクロメート処理なしで、シーリングクロメート処理した耐食性亜鉛めっき鋼板と同等もしくはそれ以上の耐食性を有する耐食性亜鉛めっき鋼板が得られることを見いだした。
【0029】
即ち、亜鉛めっき鋼板にりん酸塩処理をすると、りん酸塩皮膜(りん酸亜鉛皮膜)はりん酸塩処理時のカソード部のpHが上昇して形成される。逆に、アノード部にはりん酸塩皮膜は形成され難い。このため、りん酸塩皮膜には、前記アノード部に相当する個所に多数の欠陥部が残存することになり、腐食の起点になると考えられる。そこで、亜鉛めっき鋼板にりん酸塩処理を施した後、上記欠陥部を充填するために、アルカリ金属イオン(またはアンモニウムイオン)と水溶性Ti化合物とシリカとを含むシーリング処理組成物を塗布し、乾燥させる。そうすると、シーリングクロメート処理なしでシーリングクロメート処理した耐食性亜鉛めっき鋼板と同等もしくはそれ以上の耐食性を有する耐食性亜鉛めっき鋼板が得られることを見いだした。このように優れた耐食性が得られるのは、上記シーリング処理組成物の塗布・乾燥により、上記欠陥部が不溶性物質で充填され、水や空気との接触が遮断されて上記のような腐食の起点になる欠陥部がなくなり、表面全体が腐食防止機能を有する皮膜(上記欠陥部が不溶性物質で充填されたりん酸塩皮膜)で被覆されるためであると考えられる。
【0030】
かかる知見に基づき、本発明に係るりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物は、アルカリ金属イオン(またはアンモニウムイオン)と、水溶性Ti化合物と、シリカとを含むことを特徴とするりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物としている〔第6発明〕。また、本発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法は、亜鉛めっき鋼板にりん酸塩処理を施した後、上記のようなシーリング処理組成物を塗布し、乾燥させることを特徴とする耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法としている〔第9発明〕。
【0031】
従って、本発明に係るりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物により、りん酸塩処理された亜鉛めっき鋼板を処理すると、シーリングクロメート処理した場合と同等もしくはそれ以上の耐食性を有するものにすることができる。また、本発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法によれば、シーリングクロメート処理なしでシーリングクロメート処理した耐食性亜鉛めっき鋼板と同等もしくはそれ以上の耐食性を有する耐食性亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
【0032】
また、本発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法においては、りん酸塩処理後の亜鉛めっき鋼板に上記のような組成のシーリング処理組成物を塗布し、乾燥させるようにしているので、前記従来技術(1) 〜(8) の場合のような問題点を有していない。即ち、シーリング処理組成物として上記のような組成のものを用いていることに主に起因して、従来技術(1) の場合のように処理液が劣化しやすいこと、従来技術(2) の場合の如く安定した塗膜密着性が得られないこと、従来技術(3) の場合のように作業性、環境適合性に劣ること、従来技術(6) の場合のようにりん酸塩処理皮膜が溶解すること、従来技術(7) の場合のようにりん酸塩処理皮膜の溶解が激しいこと、従来技術(8) の場合のように実施困難であること等の問題点は、いずれも有していない。また、前述のように優れた耐食性を有する耐食性亜鉛めっき鋼板を得ることができるので、従来技術(4) の場合のように耐食性が不十分であるという問題点、従来技術(5) の場合のようにクロメート同等以上の耐食性は得られないという問題点はなく、これらの問題点を解消することができる。
【0033】
前記水溶性Ti化合物としては、硫酸チタン〔IV(チタン:4価)〕、シュウ酸チタンカリウム、シュウ酸チタンアンモニウム、乳酸チタン、クエン酸チタンなどが使用できる。なお、本発明において、水溶性とは、水に5質量%以上溶解するものをいう。即ち、前記水溶性Ti化合物は、水に5質量%以上溶解することのできるTi化合物のことである。
【0034】
これらの水溶性Ti化合物は、処理液(前記シーリング処理組成物)の塗布・乾燥時に加水分解し、不溶性のチタン化合物微粒子となる。この微粒子はシリカとともに凝集沈殿し、前記りん酸塩皮膜の欠陥部(りん酸塩処理によりりん酸塩皮膜が形成されなかった個所)に沈積する。このため、腐食を促進する水、空気などが遮断され、耐食性が向上する。
【0035】
従来の技術においてリン酸塩処理皮膜の後処理剤(シーリング処理組成物)としてTi化合物を含むものを用いる場合、リン酸塩処理皮膜においてTi化合物としてTiO2が添加される形態か、あるいは、TiO2が生成されていた(例えば、特開2002−60968号公報記載の技術)。即ち、りん酸塩皮膜にTiO2が含有される形態となっていた。しかしながら、このようにりん酸塩皮膜にTiO2が含有される場合、表面を樹脂塗装したときに、光触媒作用による塗膜(樹脂)の劣化が生じ、好ましくない。これに対し、本発明の場合には、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンを有するTi化合物は水溶性であり、これを塗布・乾燥してシーリングしてもTiO2は生じないため、TiO2を含有したりん酸塩皮膜に樹脂を樹脂塗装したときに生じるような光触媒作用による塗膜(樹脂)の劣化が生じないという利点がある。
【0036】
前記水溶性Ti化合物としては、Tiのオキサラト錯体を用いることが望ましい〔第7発明〕。Tiのオキサラト錯体は適度に不安定であり、塗布時には溶液状態、塗布乾燥時には分解して不溶性物質となるため、塗布時の塗布性に優れて作業性に優れると共に前記りん酸塩皮膜の欠陥部に侵入し易く、そして不溶性物質となり、ひいては、耐食性亜鉛めっき鋼板の耐食性をより大きく向上させることができるからである。Tiのオキサラト錯体としては、例えば、K2TiO(C2O4)2、(NH4)2TiO(C2O4)2等が挙げられる。
【0037】
上記例示のK2TiO(C2O4)2の場合、これを水に添加すると、カリウムイオンとTiの錯イオンとになり、この水溶性Ti化合物は水に溶解した状態となる。上記例示の(NH4)2TiO(C2O4)2の場合、これを水に添加すると、アンモニウムイオンとTiの錯イオンとになり、この水溶性Ti化合物は水に溶解した状態となる。従って、いずれの場合も、本発明に係るシーリング処理組成物を準備するに際し、上記K2TiO(C2O4)2または(NH4)2TiO(C2O4)2とシリカとを水に添加するだけでもよい。更にアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンを添加したり含有させてもよいが、その必要は必ずしもない。このようにして得られるものも、本発明に係るシーリング処理組成物に含まれる。
【0038】
これに対し、水溶性Ti化合物の例として前述した硫酸チタン、乳酸チタン、クエン酸チタンの場合には、アルカリ金属イオンもアンモニウムイオンも生じないので、本発明に係るシーリング処理組成物を準備するに際し、上記硫酸チタン、乳酸チタンまたはクエン酸チタンと、シリカとを水に添加するだけでは不充分であり、それらと共にアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンを添加したり含有させる必要がある。
【0039】
前記シリカとしては、粒径1〜100nmのコロイダルシリカを用いることが望ましい。粒径が100nmより大きいと充分な耐食性が得られ難くなり、粒径が1nmより小さいと処理液(シーリング処理組成物)がゲル化し易くなる傾向があるからである。かかる点から、粒径2〜20nmのものを用いることが更に好ましい。
【0040】
前記シーリング処理組成物は、更にバナジウム化合物(バナジン酸塩等)を含有することが望ましい〔第8発明〕。耐食性亜鉛めっき鋼板の耐食性をさらに大きく向上させることができるからである。即ち、りん酸亜鉛皮膜欠陥部にまれに存在する金属亜鉛露出部に、前記水溶性Ti化合物が接した場合に、4価のチタンが3価に還元され、その溶解性が増加することがあるが、このとき、バナジウム化合物を添加しておけば、3価のチタンは再度4価に酸化され、チタン化合物の溶解度が低下し、耐食性が向上する。上記バナジウム化合物としては、バナジン酸アンモニウム、バナジン酸ナトリウム等を用いることができる。
【0041】
前記シーリング処理組成物はpH7以下であることが好ましい。pH7超の場合には、チタンのオキサラト錯体が分解沈殿する傾向があるからである。
【0042】
前述のように、本発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法によれば、シーリングクロメート処理なしで、シーリングクロメート処理した耐食性亜鉛めっき鋼板と同等もしくはそれ以上の耐食性を有する耐食性亜鉛めっき鋼板を得ることができる。即ち、亜鉛めっき鋼板にりん酸塩処理を施した後、前記のようなシーリング処理組成物(本発明に係るシーリング処理組成物)を塗布し、乾燥させると、クロム化合物を含まないで、上記のような優れた耐食性を有する耐食性亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
【0043】
このような方法により得られる耐食性亜鉛めっき鋼板は、亜鉛めっき鋼板表面に、アルカリ金属イオン(またはアンモニウムイオン)と、Ti、SiおよびZnを含有し、X線回折において2θ=11°にピークを有する結晶構造を有するりん酸塩皮膜が形成されたものとなっている。
【0044】
そこで、本発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板は、亜鉛めっき鋼板表面に、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンと、Ti、SiおよびZnを含有し、X線回折において2θ=11°にピークを有する結晶構造を有するりん酸塩皮膜が形成されていることを特徴とする耐食性亜鉛めっき鋼板としている〔第1発明〕。この耐食性亜鉛めっき鋼板は、クロム化合物を含まないで、シーリングクロメート処理した耐食性亜鉛めっき鋼板と同等もしくはそれ以上の耐食性を有する。
【0045】
本発明に係る耐食性亜鉛めっき鋼板のりん酸塩皮膜は、上記のように、2θ=11°にピークを有する結晶構造を有する。このピークはチタン酸塩由来のピークであると考えられ、TiO2を塗布、添加させても、TiO2を生成させても、このようなピークは現れない。
【0046】
前記りん酸塩皮膜についてのX線回折で測定される2θ=10°のピーク強度をXpとし、2θ=11°のピーク強度をXtとしたときに、Xt/Xp≧0.17であることが望ましい〔第2発明〕。この場合、耐食性亜鉛めっき鋼板の耐食性がより優れたものとなるからである。
【0047】
前記りん酸塩皮膜中のSiの一部または全部がSiO2として存在し、前記りん酸塩皮膜の質量(重量)をX[mg/m2 ]としたときに、前記りん酸塩皮膜中のTi量[mg/m2 ]とSiO2量[mg/m2 ]が、Ti量/SiO2量=0.01〜1.4、及び、Ti量+SiO2量<0.5Xの式を満たす量であることが望ましい〔第3発明〕。この場合、確実に、優れた耐食性を確保できると共に充分な塗膜密着性を確保できるからである。なお、前記りん酸塩皮膜においてSiO2とTi化合物とはSiO2粒子同士をTi化合物が結合する構造となっており、この関係からTi量/SiO2量が極端な比率では具合が悪く、Ti量/SiO2量が0.01未満の場合も1.4超の場合も耐食性が低下する傾向がある。Ti量+SiO2量≧0.5Xの場合、りん酸塩皮膜の凹凸がなくなり、塗膜密着性が低下する傾向がある。
【0048】
なお、上記りん酸塩皮膜の重量[mg/m2 ]は、耐食性亜鉛めっき鋼板の表面積1m2 当たりのりん酸塩皮膜の重量[mg]、即ち、りん酸塩皮膜の表面積1m2 当たりのりん酸塩皮膜の重量[mg]である。また、上記りん酸塩皮膜中のTi量[mg/m2 ],SiO2量[mg/m2 ]は、耐食性亜鉛めっき鋼板の表面積1m2 当たりのTi量[mg],SiO2量[mg]、即ち、りん酸塩皮膜の表面積1m2 当たりのTi量[mg],SiO2量[mg]である。
【0049】
前記アルカリ金属イオンとしては、例えばカリウムイオンを挙げることができる〔第4発明〕。
【0050】
前記りん酸塩皮膜が、更にバナジウム化合物を1質量%以下(0質量%を含まず)含有することが望ましい〔第5発明〕。この場合、耐食性亜鉛めっき鋼板の耐食性をさらに大きく向上させることができるからである。なお、バナジウム化合物の量を1質量%より多くしても、耐食性を向上させる効果は増大しない傾向がある。上記バナジウム化合物の量はりん酸塩皮膜中での含有率(質量%)であり、りん酸塩皮膜重量に対するバナジウム化合物の重量の割合(重量%)のことである。
【0051】
前記りん酸塩皮膜の重量は、0.3〜3g/m2 であることが好ましい。この場合、塗膜密着性が良好であり、本発明のシーリング処理を施すことによって、十分な耐食性を得ることができる。なお、りん酸塩皮膜の重量が0.3g/m2 未満の場合には、塗膜密着性が不足し、3g/m2 超の場合には、耐食性の劣化が見られることがある。りん酸塩皮膜の重量[g/m2 ]は、耐食性亜鉛めっき鋼板の表面積1m2 当たりのりん酸塩皮膜の重量[g]である。
【0052】
本発明において、りん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物とは、りん酸塩処理により形成されたりん酸塩皮膜の欠陥部をシーリング(密封)処理する目的で用いられる組成物のことである。
【0053】
耐食性亜鉛めっき鋼板の基材である亜鉛めっき鋼板、即ち、りん酸塩処理が施される亜鉛めっき鋼板としては、電気亜鉛めっき鋼板の他、溶融亜鉛めっき鋼板等を用いることができる。
【0054】
【実施例】
本発明の実施例および比較例を、以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0055】
基材の亜鉛めっき鋼板としては、電気亜鉛めっき鋼板を用いた。この亜鉛めっき鋼板の板厚は0.4mm、Zn(亜鉛)付着量は20g/m2 (亜鉛めっき鋼板1m2 当たり20g)である。
【0056】
上記亜鉛めっき鋼板について、市販のチタンコロイド系処理剤〔日本パーカライジング(株)製PL−Zn〕を使用して前処理を行った後、市販のリン酸塩処理浴〔日本パーカライジング(株)製Bt3307〕を用いてスプレー処理し、1g/m2 (亜鉛めっき鋼板1m2 当たり1g)のリン酸塩皮膜を形成させた。
【0057】
上記リン酸塩皮膜を形成させた亜鉛めっき鋼板を水洗し乾燥した後、その表面に表1に示す組成の処理液(りん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物)をロールコーターで塗布し、そして乾燥させた。このとき、到達板温度が100℃になるように乾燥して、塗布皮膜の重量が0.3g/m2 (亜鉛めっき鋼板1m2 当たり0.3g、即ち、リン酸塩皮膜1m2 当たり0.3g)となるように調整した。
【0058】
上記処理液塗布・乾燥後の亜鉛めっき鋼板(シーリング処理後の亜鉛めっき鋼板)を剪断して、幅:70mm、長さ:150mmの大きさの試験片を採取した後、その端面部をシールした。そして、この試験片について、塩水噴霧試験(JIS Z−2371)を行い、各試験片表面の面積の5%に白錆が発生するまでに要する時間(白錆発生時間)を測定し、下記評価基準に従って耐食性を評価した。即ち、上記白錆発生時間が72時間以上の場合、耐食性が最も優れており(優であり)、上記白錆発生時間が48時間以上72時間未満の場合、その次に耐食性が優れており(良であり)、上記白錆発生時間が24時間未満の場合、耐食性が不充分である(不良である)とする。
【0059】
また、上記シーリング処理後の亜鉛めっき鋼板からX線回折試料を採取し、それについてX線回折を行った。このとき、X線回折装置としては理学電機製RINT1500を使用し、ターゲット:Cu、ターゲット出力:50kV−200mA、薄膜入射角:1°、測定範囲(2θ):20〜90°、走査速度:4°/min の条件で測定した。
【0060】
更に、上記シーリング処理後の亜鉛めっき鋼板から試料を採取し、この試料を用いて下記のようにして皮膜(シーリング処理後のりん酸塩皮膜)組成分析を行った。即ち、上記試料について蛍光X線分析を行って皮膜(シーリング処理後のりん酸塩皮膜)中のSi量およびTi量を測定し、また、EPMA(AXIS165 )による分析を行って皮膜中のN量、K量を求めた。また、皮膜を0.1N(規定)硝酸に溶解し、ICP 発光分光分析を行って皮膜中のZn量を求めた。さらに、上記N量より NH4 + (アンモニウムイオン)量を計算により求めた。
【0061】
これらの結果の中、耐食性試験および皮膜組成分析の結果を表1に示す。この表1の耐食性の欄において、○は耐食性:優(白錆発生時間:72時間以上)、△は耐食性:良(白錆発生時間:48時間以上72時間未満)、×は耐食性:不良(白錆発生時間:24時間未満)であることを示すものである。
【0062】
本発明の実施例に係るものは、そのほとんどが○(耐食性:優)であり、一部が△(耐食性:良)である。
【0063】
本発明の実施例の場合、シーリング処理組成物としては、K2TiO(C2O4)2または(NH4)2TiO(C2O4)2と、シリカとを必ず含むものを用いている。このK2TiO(C2O4)2も(NH4)2TiO(C2O4)2も水溶性Ti化合物であってTiのオキサラト錯体である。このオキサラト錯体を水に添加すると、K2TiO(C2O4)2の場合はカリウムイオンとTiの錯イオンとになり、(NH4)2TiO(C2O4)2の場合はアンモニウムイオンとTiの錯イオンとになる。従って、本発明の実施例の場合、シーリング処理組成物としては、アルカリ金属イオンとしてカリウムイオンを有し、このカリウムイオンと水溶性Ti化合物とシリカとを含むもの、または、アンモニウムイオンと水溶性Ti化合物とシリカとを含むものを用いているといえる。
【0064】
これに対し、 No.7(比較例)の場合、シーリング処理組成物としては、アルカリ金属イオンも水溶性Ti化合物も含まず、シリカのみ含むものを用いている。No.1(比較例)の場合、シーリング処理組成物としては、シリカを含まず、カリウムイオン(アルカリ金属イオンの一種)と水溶性Ti化合物とを含むものを用いている。
【0065】
No.7(比較例)及び No.1(比較例)に係るものは、いずれも耐食性:×(不良)である。
【0066】
No.4(本発明の実施例)に係るものについてのX線回折測定結果を図1に示す。ホパイトでは見られない、本発明に特徴的なピークが2θ=11°に見られる。 No.2〜6、8〜12(本発明の実施例)に係るものにも、2θ=11°にピークが認められたが、 No.1及び7(比較例)に係るものにおいては2θ=11°にピークは認められなかった。
【0067】
なお、前記実施例においては、前述の如く、シーリング処理組成物としては、K2TiO(C2O4)2または(NH4)2TiO(C2O4)2と、シリカとを含むものを用いており、結果として、カリウムイオン(またはアンモニウムイオン)と水溶性Ti化合物とシリカとを含むものを用いていることになっている。従って、本発明に係るシーリング処理組成物を用いていることになる。
【0068】
本発明に係るシーリング処理組成物は、上記例の場合のように、アルカリ金属イオン(またはアンモニウムイオン)を含む水溶性Ti化合物とシリカとを含む場合も含んでいる。
【0069】
即ち、本発明に係るシーリング処理組成物としては、最初からアルカリ金属イオン(またはアンモニウムイオン)と水溶性Ti化合物とシリカとを含むものでもよいし、アルカリ金属イオン(またはアンモニウムイオン)を含む水溶性Ti化合物とシリカとを含むものでもよい。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、クロメート処理なしでクロメート処理した耐食性亜鉛めっき鋼板と同等もしくはそれ以上の耐食性を有する耐食性亜鉛めっき鋼板を得ることができる。この耐食性亜鉛めっき鋼板は、クロム化合物を含まないで、上記のように優れた耐食性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る耐食性亜鉛めっき鋼板についてX線回折測定結果を示す図である。
Claims (9)
- 亜鉛めっき鋼板表面に、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンと、Ti、SiおよびZnを含有し、X線回折において2θ=11°にピークを有する結晶構造を有するりん酸塩皮膜が形成されていることを特徴とする耐食性亜鉛めっき鋼板。
- 前記りん酸塩皮膜についてのX線回折で測定される2θ=10°のピーク強度をXpとし、2θ=11°のピーク強度をXtとしたときに、Xt/Xp≧0.17である請求項1記載の耐食性亜鉛めっき鋼板。
- 前記りん酸塩皮膜中のSiの一部または全部がSiO2として存在し、前記りん酸塩皮膜の質量をX[mg/m2 ]としたときに、前記りん酸塩皮膜中のTi量[mg/m2 ]とSiO2量[mg/m2 ]が、Ti量/SiO2量=0.01〜1.4、及び、Ti量+SiO2量<0.5Xの式を満たす量である請求項1または2記載の耐食性亜鉛めっき鋼板。
- 前記アルカリ金属イオンがカリウムイオンである請求項1〜3のいずれかに記載の耐食性亜鉛めっき鋼板。
- 前記りん酸塩皮膜が更にバナジウム化合物を1質量%以下(0質量%を含まず)含有する請求項1〜4のいずれかに記載の耐食性亜鉛めっき鋼板。
- アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンと、水溶性Ti化合物と、シリカとを含むことを特徴とするりん酸塩処理皮膜のシーリング処理組成物。
- 前記水溶性Ti化合物がTiのオキサラト錯体である請求項6記載のシーリング処理組成物。
- 更にバナジウム化合物を含有する請求項6または7記載のシーリング処理組成物。
- 亜鉛めっき鋼板にりん酸塩処理を施した後、請求項6〜8のいずれかに記載のシーリング処理組成物を塗布し、乾燥させることを特徴とする耐食性亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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