JP2004189978A - レオロジー改質剤キット - Google Patents

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Abstract

【課題】スラリーに優れたレオロジー特性、例えば粘性や材料分離抵抗性を付与できるレオロジー改質剤のキットを提供する。
【解決手段】第1の水溶性低分子化合物(A)を含有する(a)剤と、化合物(A)とは異なる第2の水溶性低分子化合物(B)を含有する(b)剤とからなるレオロジー改質剤キットであって、化合物(A)および化合物(B)の組合わせが、それぞれ特定の化合物の組合せであるレオロジー改質剤キット。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水溶液およびスラリーのレオロジー改質剤キットに関する。
【0002】
【従来の技術】
水溶液やスラリーのレオロジーを改質するために、粘度を目的や用途に応じて適正に調整することが望まれる。従来、水溶液やスラリーの粘度を調整するためには、増粘剤や減粘剤の添加、加熱や冷却操作、電解質濃度の調整などの方策が採られている。なかでも、水溶性高分子は、安価かつ容易に増粘させることができるため、非常に広範囲に用いられている。
【0003】
水硬性粉体を含有するスラリーにおいては、水溶性高分子化合物をスラリーに添加して高分子の絡み合いによる増粘作用を利用する技術は、安価に大きな増粘効果を得られるため、土木・建築分野を中心として幅広い用途で実用化されている。例えば、特許文献1では、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体や特許文献2ではポリ(エチレンオキサイド)の様な水溶性高分子化合物が、材料の分離抵抗性を高めるために、ペースト、モルタルや水中コンクリートおよび高流動コンクリートなどに使用されている。
【0004】
しかしながら、水溶性高分子を水に溶解させることは一般に容易でなく、ママコを形成したり、溶解に長時間を要したりするという課題があった。また、溶解時間短縮を目的に予め濃厚な水溶性高分子の水溶液を調製しても、水溶液の粘度が非常に高くなり、添加操作等の作業性に問題があった。また、高電解質濃度系の水溶液やスラリーでは、高分子の凝集等により高い粘度にすることが困難な場合もあった。
【0005】
【特許文献1】
特公平5−39901号
【特許文献2】
特開平11−189452号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、容易に水溶液やスラリーに溶解することができ、添加操作を簡便に行うことができるレオロジー改質剤キットを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(A)という〕を含有する剤〔以下、(a)剤という〕と、化合物(A)とは異なる第2の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(B)という〕を含有する剤〔以下、(b)剤という〕とからなるレオロジー改質剤キットであって、
化合物(A)および化合物(B)の組合わせが、(1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)および臭化化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、から選択されるレオロジー改質剤キットに関する。
【0008】
また、本発明は、前記化合物(A)を含有する組成物と混合して用いられ、前記化合物(B)を含有するレオロジー改質用添加剤であって、
化合物(A)および化合物(B)の組合わせが、
(1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
(3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)および臭化化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
(4)アニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)および両性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
(5)アニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(A)およびカチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
(6)臭化化合物から選ばれる化合物(A)およびカチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
から選択されるレオロジー改質用添加剤に関する。
【0009】
また、本発明は、上記本発明のレオロジー改質剤キットに係る(a)剤と、(b)剤とを含有する組成物からなる粉末状レオロジー改質剤、さらに、水硬性粉体と、該粉末状レオロジー改質剤とを含有する粉末状水硬性組成物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のキットは、(a)剤と(b)剤とを含むが、これらの形態は粉末状でも液状でも何れでもよく、形態に合わせて適宜包装されていてもよい。キットには、(a)剤、(b)剤以外の剤が含まれていても良い。(a)剤中の化合物(A)の含有量は、5〜100重量%、さらに70〜100重量%、特に90〜100重量%が好ましい。また、(b)剤中の化合物(B)の含有量は、5〜100重量%、さらに70〜100重量%、特に90〜100重量%が好ましい。
【0011】
本発明のキットの一例として、化合物(A)を含有する(a)剤の包装体と、化合物(B)を含有する(b)剤の包装体とを含み、使用時に化合物(A)と化合物(B)が、少なくとも水溶液中またはスラリー中で混合されるキットが挙げられる。この場合、化合物(A)と化合物(B)は予め混合されてから水溶液中またはスラリー中に添加されてもよい。
【0012】
本発明のキットは、使用時には化合物(A)と化合物(B)が混合され、これらを水溶液またはスラリーに添加する際には、化合物(A)および化合物(B)を水溶液または粉末のどちらの状態で使用してもよく、どちらの状態でも良好なレオロジー特性を付与することができる。
【0013】
本発明のキットでは、(a)剤および/または(b)剤が粉末であることが好ましい。また、本発明のキットでは、(a)剤に水硬性粉体を含有することができ、(a)剤および/または(b)剤に高性能減水剤を含有することができる。レオロジー改質剤キット中の(a)剤と(b)剤のそれぞれの内容量は、最大限にレオロジー改質効果を発揮する比率にすることが好ましい。
【0014】
本発明のキットから得た化合物(A)および化合物(B)とを予め粉末状にしてセメント等の水硬性粉体に配合すれば、既設の粉末用投入装置1台でスラリーが製造でき、予備混合用途等における作業性が良好となる。しかも、配合手順を考慮する必要が無くなるのでスラリーの製造が簡便となる。また、本発明のキットから得た化合物(A)および化合物(B)のどちらか一方を粉末状にしてセメント等の水硬性粉体に配合し、他方を水溶液としてスラリー調製用の練り水に配合すれば、既設の設備でスラリーを製造できる。また、後者の場合、任意のタイミングで求めるスラリー物性を得ることができる。さらに、化合物(A)および化合物(B)の比率により得られる粘度が変わるので、化合物(A)および化合物(B)の一方の添加量を調整することで所望の粘性にできる。
【0015】
本発明のキットでは、化合物(A)および化合物(B)の組合わせは、(1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)および臭化化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、から選択される。
【0016】
また、本発明のキットの(a)剤と(b)剤のうちの片方を、特定の水溶性低分子化合物を含有する組成物に対するレオロジー改質用添加剤として用いることができる。例えば(b)剤をレオロジー改質用添加剤とする場合は、化合物(A)を含有する組成物と混合して用いられ、化合物(B)を含有するレオロジー改質用添加剤であり、化合物(A)および化合物(B)の組合わせは、(1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)および臭化化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(4)アニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)および両性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(5)アニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(A)およびカチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(6)臭化化合物から選ばれる化合物(A)およびカチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、から選択される。
【0017】
両性界面活性剤から選ばれるものとして、ベタイン型両性界面活性剤が好ましく、ドデカン酸アミドプロピルベタイン、オクタデカン酸アミドプロピルベタイン、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられ、粘度発現の観点からドデカン酸アミドプロピルベタインが好ましい。
【0018】
アニオン性界面活性剤から選ばれるものとして、エチレンオキサイド付加型アルキル硫酸エステル塩型界面活性剤が好ましく、POE(3)ドデシルエーテル硫酸エステル塩、POE(2)ドデシルエーテル硫酸エステル塩、POE(4)ドデシルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられ、塩はナトリウム塩等の金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0019】
これらの中でも、スラリーの水相中の固形分(有効分)濃度が20重量%以下でも効果を発現するドデカン酸アミドプロピルベタインとPOE(3)ドデシルエーテル硫酸エステルトリエタノールアミンもしくはPOE(3)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウムの組合わせが好ましい。なお、POEはポリオキシエチレンの略であり、( )内はエチレンオキサイド平均付加モル数である(以下同様)。
【0020】
カチオン性界面活性剤から選ばれるものとして、4級塩型カチオン性界面活性剤が好ましく、4級塩型のカチオン性界面活性剤としては、構造中に、10から26個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖アルキル基を、少なくとも1つ有しているものが好ましい。例えば、アルキル(炭素数10〜26)トリメチルアンモニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)ピリジニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)イミダゾリニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)ジメチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、タロートリメチルアンモニウムクロライド、タロートリメチルアンモニウムブロマイド、水素化タロートリメチルアンモニウムクロライド、水素化タロートリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルプロピルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、1,1−ジメチル−2−ヘキサデシルイミダゾリニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。水溶性とレオロジー改質効果の観点から、具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、ドデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等が好ましい。また、レオロジー改質効果の温度安定性の観点から、化合物(A)または化合物(B)の一方として、上記のアルキル基の炭素数の異なるカチオン性界面活性剤を2種類以上併用することが好ましい。
【0021】
4級塩型カチオン性界面活性剤が、p−トルイジン塩酸塩の場合、アニオン性界面活性剤としてアルキルサルフェート、例えば、硫酸ドデシルナトリウムとの組み合せでも良好なレオロジー特性を付与することが出来る。
【0022】
特に、本発明に係るレオロジー改質剤をコンクリート等に適用する場合、塩害による鉄筋の腐食やコンクリート劣化を防止する観点から、塩素等のハロゲンを含まない4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。
【0023】
塩素等のハロゲンを含まない4級塩として、アンモニウム塩やイミダゾリニウム塩等が挙げられ、具体的にはヘキサデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ヘキサデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、オクタデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、タロートリメチルアンモニウムメトサルフェート、タロージメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、1,1−ジメチル−2−ヘキサデシルイミダゾリニウムメトサルフェート、ヘキサデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムアセテート、オクタデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムアセテート、ヘキサデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムプロピオネート、オクタデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムプロピオネート、タロージメチルヒドロキシエチルアンモニウムアセテート、タロージメチルヒドロキシエチルアンモニウムプロピオネート、等が挙げられる。塩素等のハロゲンを含まない4級アンモニウム塩は、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸で3級アミンを4級化することで得ることができる。これらのうち、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、タロートリメチルアンモニウムメトサルフェートが水溶性とレオロジー改質効果の観点からより好ましい。
【0024】
アニオン性芳香族化合物として、芳香環を有するカルボン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、スルホン酸およびその塩が挙げられる。具体的には、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸、安息香酸、m−スルホ安息香酸、p−スルホ安息香酸、4−スルホフタル酸、5−スルホイソフタル酸、p−フェノールスルホン酸、m−キシレン−4−スルホン酸、クメンスルホン酸、メチルサリチル酸、スチレンスルホン酸、クロロ安息香酸等が挙げられ、これらは塩を形成していても良く、2種以上併用してもよい。ただし、重合体である場合は、重量平均分子量(例えば、ゲルーパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリエチレンオキシド換算)500未満であることが好ましい。
【0025】
臭化化合物は無機塩が好ましく、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化水素等が挙げられる。
【0026】
本発明においては、化合物(A)と化合物(B)とが会合体を形成し易いものが、それぞれ濃厚な水溶液でも粘性が低く、また、スラリーの水相中のレオロジー改質剤の有効分濃度が低くても優れたレオロジー改質効果を発現し、また、それぞれが濃厚な水溶液でも粘性が低く、添加時の作業性からも好ましい。本発明では、レオロジー改質剤の有効分濃度が10重量%以下の極めて低い添加量でスラリーの増粘を達成することができ、さらに、イオン強度の高いスラリーにおいても、同様の効果を発現することができ、スラリーによっては、特に水相と接触した場合の材料分離抵抗性が非常に安定するという、従来の増粘剤の使用では得ることのできなかったレオロジー特性を発現する点で、化合物(A)が4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤から選ばれるものであり、化合物(B)がアニオン性芳香族化合物または臭化化合物から選ばれるものである組合わせが特に好ましい。これは特に、水硬性粉体を含有するスラリーで有用である。
【0027】
また、化合物(A)がアルキル(炭素数10〜26)トリメチルアンモニウム塩であり、化合物(B)が芳香環を有するスルホン酸塩である組み合わせが特に好ましく、スラリーの水相中の化合物(A)と化合物(B)の合計の有効分濃度が5重量%以下でも効果を発現する。特に、水硬性粉体のスラリーに用いる場合は、これらの中でも硬化遅延を起こさない観点から、化合物(B)としてはトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、スチレンスルホン酸またはこれらの塩が好ましく、特に、p−トルエンスルホン酸またはその塩が好ましい。
【0028】
本発明に係るレオロジー改質剤として、上記特定の化合物(A)と化合物(B)とを併用することで特徴的なレオロジー特性が得られるのは、以下の理由によると考えられる。
【0029】
化合物(A)と化合物(B)とを混合した時に、水相中に短時間で会合体を形成し、効率的に粘性を付与でき、さらに、この会合体形成は、スラリー中で均一に形成されることにより余剰水分を完全に補足するため、経時的なブリージング水を抑制することにより、単位水量の多いスラリー配合でも材料分離抵抗性に優れた性状が得られるものと考えられる。
【0030】
化合物(A)と化合物(B)は、低分子化合物であっても水溶液中やスラリー中で分子会合を起こす事で高分子状の大きな網目状会合体を形成するため、水溶液やスラリーに高い粘性を付与することができると考えられる。
【0031】
さらに、化合物(A)および化合物(B)を含有するスラリー中の粉体粒子は粘弾性の高い網目状会合体に覆われているため、使用部位に水が存在する場合でも希釈されずに投入、充填でき水質汚染を防止できる。
【0032】
なかでも、4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤と、アニオン性芳香族化合物または臭化化合物から選ばれる化合物との組み合わせである発明に係るレオロジー改質剤を使用すると、水溶液中やスラリーの水相中に細かく分岐した会合体を形成すると考えられる。
【0033】
また、一般の水溶性高分子が共有結合で繋がっているため、繰返しせん断力を受けると結合が劣化し、最終的には結合が切れて低分子化してしまうのに対して、かかる会合体は、水相が強い応力を受けると、会合体構造が破壊されるので、過度の応力が抑制され、応力が減少すると、再び会合体が形成されると考えられる。これにより水溶液やスラリーに適度な粘性を付与するという特徴を有する。
【0034】
かかる特徴を生かせば、粉体粒子や砂、砂利等が存在するスラリーの場合には特に有効であり、スラリーの撹拌、注入、圧送で受ける強いせん断に対しても、せん断から解き放たれると会合体が再形成を起こすため、高いせん断抵抗性をスラリーに付与出来る。
例えば、過度の内部摩擦が発生することを抑制しつつスラリーの製造や輸送を行い、製造あるいは輸送後のスラリーに適度な粘性を付与することができる。
【0035】
さらに、化合物(A)および化合物(B)を含有するスラリー中の粉体粒子は粘弾性の高い網目状会合体に覆われているため、使用部位に水が存在する場合でも希釈されずに投入、充填でき水質汚染を防止できる。
【0036】
化合物(A)として両性界面活性剤から選ばれるものを、化合物(B)としてアニオン性界面活性剤から選ばれるものを使用する場合や、化合物(A)としてカチオン性界面活性剤から選ばれるものを、化合物(B)としてアニオン性芳香族化合物から選ばれるものまたは臭化化合物から選ばれるものを使用する場合は、各化合物単独の濃厚な水溶液でも粘性が低いので、スラリーへの添加前の水溶液の有効分濃度を好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上にしておくことにより、貯蔵タンクを小型化できる。この有効濃度は生産性の観点から高濃度である程好ましい。
【0037】
本発明に係るレオロジー改質剤は、本改質剤の性能に支障がなければ他の成分、例えば、分散剤、AE剤、遅延剤、早強剤、促進剤、気泡剤、発泡剤、消泡剤、防錆剤、着色剤、防黴剤、ひび割れ低減剤、膨張剤、染料、顔料等を含有していてよい。したがって、本発明のキットの(a)剤および/または(b)剤に、さらには別の剤にこれらの成分を含有させることができる。
【0038】
(a)剤または(b)剤が粉末の場合は、水溶性高分子フィルムで例えば袋状に包装することで、そのまま水溶液やスラリーに添加でき、添加操作をより簡便にできる。水溶性高分子フィルムとしては、例えばポリビニルアルコール製フィルムが挙げられる。
【0039】
化合物(A)と化合物(B)とを水溶液やスラリーに添加すればレオロジーが改質された水溶液やスラリーが得られるので、本発明のキットからこれら化合物を添加する形態は特に限定されないが、以下に、化合物(A)、化合物(B)の好ましい使用方法を説明する。
【0040】
本発明に係るレオロジー改質剤は、化合物(A)および化合物(B)がそれぞれ極めて低粘度の水溶液の状態のものでも、混合すると大きな粘性を発現するので、操作性の観点から、水溶液系やスラリーに添加するときに、それぞれが、粉末あるいは使用する温度において100mPa・s以下、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下の粘度の水溶液の状態で使用することができる。
【0041】
本発明では、化合物(A)と化合物(B)とを、水溶液やスラリーに添加する、水溶液やスラリーのレオロジー改質方法が提供される。その場合、化合物(A)と化合物(B)のいずれか一方の化合物を水溶液やスラリーに添加し、該水溶液あるいはスラリーに他方の化合物を添加することができる。
【0042】
また、化合物(A)または化合物(B)は水溶液やスラリー中に任意の順番で混合できるので、一方の化合物を水溶液中あるいはスラリー中に適当な段階で添加し、粘性が必要となる段階で該水溶液あるいはスラリーに他方を添加するのが作業性の観点から好ましい。また、添加するときの化合物(A)または化合物(B)の状態は、液状でも粉末状でもよい。
【0043】
本発明に係るレオロジー改質剤を、カチオン性界面活性剤から選ばれるものとアニオン性芳香族化合物または臭化化合物から選ばれるものの組合わせで、セメントなどの水硬性粉体を使用したスラリーに使用する場合には、セメント粒子の水和反応を制御でき、スラリー攪拌時の巻込み気泡を抑制する観点から、アニオン性芳香族化合物または臭化化合物をスラリー中に先に添加し、後からカチオン性界面活性剤を添加するのが好適である。
【0044】
本発明に係るレオロジー改質剤では、化合物(A)および化合物(B)のそれぞれが、天然物由来(例えば牛脂由来の化合物)等の混合物ではなく、単一の化合物である場合は、化合物(A)と化合物(B)との会合体を効率良く形成させる観点から、モル比を規定して混合することが好ましい。
【0045】
本発明に係るレオロジー改質剤においては、化合物(A)の分子と化合物(B)の分子が会合体を形成してレオロジー改質効果を発現することから、化合物(A)と化合物(B)の比率はモル比を用いるのが適切である。化合物(A)と化合物(B)のモル比(有効分モル比)は、化合物(A)と化合物(B)の組み合わせによって増粘効果の高い領域が異なり、目的とする増粘の程度に応じて適宜決めればよいが、得られる粘度と会合体の形状の観点から、化合物(A)/化合物(B)=1/20〜20/1、好ましくは1/20〜4/1、より好ましくは1/3〜2/1、特に好ましくは1/1〜2/3が適している。
【0046】
さらに、本発明に係るレオロジー改質剤は、イオン強度の高いスラリーでも良好なレオロジー特性を付与できることから、水相の電導度が、0.01〜80mS/cmの範囲、好ましくは0.1〜60mS/cm、特に好ましくは1〜40mS/cmであるスラリーに使用することが好ましい。特に、セメント等の水硬性組成物を含有する水相の電導度の高いスラリーに適用することが好ましい。
【0047】
本発明によれば、上記本発明に係るレオロジー改質剤を含有するスラリー、特に、上記本発明に係るレオロジー改質剤と、水硬性粉体と、水とを含有するスラリーを得ることができる。
【0048】
本発明における化合物(A)および化合物(B)は、水溶液または粉末のどちらの状態でも使用してよく、どちらの状態でも良好なレオロジー特性を付与することができる。化合物(A)および化合物(B)とを予め粉末状にして使用すれば、プレミクス用途等における作業性が良好となる。ただし、スラリーを所望の粘性に調整できるようにすることを考慮すると、化合物(A)と化合物(B)とをスラリーの構成粉体であるフィラー等に予め表面処理しない使用方法が好ましい。
【0049】
本発明に係るレオロジー改質剤は、水粉体比30〜300重量%のスラリーに好ましく適用できる。このスラリーを製造する際の粉体としては、水和反応により硬化する物性を有する水硬性粉体を用いることができる。例えばセメントや石膏が挙げられる。また、フィラーも用いることができ、例えば炭酸カルシウム、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム、ベントナイト、クレー(含水珪酸アルミニウムを主成分とする天然鉱物:カオリナイト、ハロサイト等)が挙げられる。これらの粉体は単独でも、混合されたものでもよい。さらに、必要に応じてこれらの粉体に骨材として砂や砂利、およびこれらの混合物が添加されてもよい。また、酸化チタン等の上記以外の無機酸化物系粉体のスラリーや土に適用することもできる。
【0050】
さらに、本発明のキットから得た粉末状の化合物(A)および/または粉末状の化合物(B)と水硬性粉体とをプレミクスし、レオロジー改質剤を含有する水硬性粉体組成物を調製することができる。好ましくは、水硬性粉体と、粉末状の化合物(A)と、粉末状の化合物(B)とを含有する粉末状水硬性組成物である。
【0051】
また、本発明に係るレオロジー改質剤においては、化合物(A)と化合物(B)のスラリー中の有効分濃度は、目的とする増粘の程度に応じて適宜決めればよいが、本発明に係るレオロジー改質剤を、予め調製されたスラリーに添加する、スラリー製造時に添加する、等の方法により、本発明に係る改質剤を含有するスラリーが得られる。特に、化合物(A)または化合物(B)の一方の化合物と粉体、例えばセメント等の水硬性粉体と水とを含むスラリーを調製し、次いで該スラリーに前記化合物(A)または化合物(B)の他方の化合物を添加する方法は、作業性から好ましい。また、化合物(A)と化合物(B)との有効分の合計がスラリーの水相中で0.01〜20重量%、さらに0.1〜15重量%、よりさらに0.1〜10重量%、特に0.3〜10重量%になるように用いることが好ましい。
【0052】
本発明に係るレオロジー改質剤を含有する水硬性スラリーは分散剤を含有しても良い。分散剤は、減水剤としてリグニンスルホン酸塩およびその誘導体、オキシカルボン酸塩、ポリオール誘導体、高性能減水剤および高性能AE減水剤として、ナフタレン系(花王(株)製:マイテイ150)、メラミン系(花王(株)製:マイテイ150V−2)、ポリカルボン酸系(花王(株)製:マイテイ3000、NMB社製:レオビルドSP、日本触媒社製:アクアロックFC600、アクアロックFC900)、アニオン界面活性剤として、ポリカルボン酸型界面活性剤(花王(株)製:ポイズシリーズ)等が挙げられる。その中でも、ポリカルボン酸系高性能減水剤およびポリカルボン酸型界面活性剤がスラリーの流動性と粘性を両立出来るという意味で、好適である。
【0053】
本発明に係るレオロジー改質剤を含有する水硬性スラリーにおける分散剤の含有量は、一般に水硬性粉体に対して有効成分で0.01〜5重量%、さらに0.05〜3重量%が好ましい。
【0054】
本発明の化合物(A)と化合物(B)と他の既存の増粘剤とを併用して用いることができる。他の既存の増粘剤としては、例えばセルロース誘導体、ポリアクリル系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリビニールアルコール、ガム系多糖類、微生物発酵多糖類等が挙げられる。
【0055】
本発明に係るレオロジー改質剤を含有する水硬性スラリーは、本剤の性能に支障がなければ他の成分、例えば、AE剤、遅延剤、早強剤、促進剤、気泡剤、発泡剤、消泡剤、ひび割れ低減剤、膨張剤等を含有していてよい。これらの成分は、本発明のキットの(a)剤および/または(b)剤中に配合できる。
【0056】
本発明に係るレオロジー改質剤と水硬性粉体を含有するスラリーを硬化してなる硬化組成物は、初期硬化物性に優れる。さらに、本発明に係るレオロジー改質剤を含有する水硬性スラリーに骨材を混合して水硬性組成物を調製することができる。この水硬性組成物が硬化されてなる硬化組成物は初期硬化物性に優れ、特に構造物等に好適に使用される。
【0057】
本発明に係るレオロジー改質剤を含有する水硬性スラリーに混合する骨材には細骨材や粗骨材が使用でき、特に限定されるものではないが、吸水率が低くて骨材強度が高いものが好ましい。粗骨材としては、川、陸、山、海、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工および天然)および再生粗骨材等が挙げられる。細骨材としては、川、陸、山、海、石灰砂、珪砂およびこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工および天然)および再生細骨材等が挙げられる。
【0058】
本発明のレオロジー改質剤キットからは利点のある混合物が容易に得られる。例えば以下の様な優れた点が挙げられる。
1)化合物(A)と化合物(B)がそれぞれ(a)剤、(b)剤として、一つにまとめられたものであるので、急な補修を要する緊急な場合においても、必要材料がパッケージ化されているため確実に、しかも簡便に対応出来る。
2)(a)剤と(b)剤の内容量を調整することにより、化合物(A)と化合物(B)の効果を最大限に発揮できる最適比率となる量の計量が簡便になる。例えば、(a)剤と(b)剤を1回分の使用に相当する内容量にすれば、(a)剤(b)剤共に全量を用いることで、混合比率を一定に出来る。
3)(a)剤または(b)剤のいずれかに、水硬性粉体や高性能減水剤を予め混合しておくことで、水硬性粉体や高性能減水剤に対するレオロジー改質剤の添加量を一定に出来る。
4)(a)剤または(b)剤のいずれかに予め水硬性粉体や高性能減水剤に混合することで、添加する剤(材)の数を減らすことが出来、操作が簡便になる。また、粉末状の化合物(A)と化合物(B)を予め混合した組成物からなる粉末状レオロジー改質剤は、水を加えるだけで増粘物が得られる。
特に水硬性粉体と粉末状レオロジー改質剤とを含有する粉末状水硬性組成物は、水を加えて混練するだけで、コンクリート構造物等の補修に適した補修材になる。
【0059】
【発明の効果】
本発明では、化合物(A)と化合物(B)とを、それぞれ別々に含む少なくとも2つの剤としてキットとすることにより、水溶液やスラリーに溶解する際の添加操作がより簡便となる。
【0060】
【実施例】
実施例1
(1)レオロジー改質剤キット
表1の化合物(A)を含む(a)剤と化合物(B)を含む(b)剤とからなるレオロジー改質剤キットを調製した。表1中、化合物A−1、A−2、A−4、B−4については、水溶液状の製品を凍結乾燥して粉末品を得た。また、A−3の粉末品は化合物A−1および化合物A−2の粉末品を表中の重量比で混合した。また、水溶液の場合は、化合物(A)または化合物(B)の有効分が25重量%になるように調整した。(実施例2も同様)
【0061】
【表1】
Figure 2004189978
【0062】
(2)セメント配合
(2−1)ドライブレンド方法
キットから粉末状の化合物(A)および/または粉末状の化合物(B)を用いる場合は、所定量の普通ポルトランドセメントと、粉末状の化合物(A)および/または粉末状の化合物(B)とを、A4サイズのプラスッチクビニール袋に入れ、均一に混合するように手で30秒間振とうした。粉末状の高性能減水剤を配合する場合は化合物(A)および/または化合物(B)と共に高性能減水剤をプラスッチクビニール袋入れ、同様に混合した。
【0063】
(2−2)スラリー製造法
下記▲1▼〜▲4▼の何れかの方法により、表1に示した化合物を用いて、表2のセメント配合により、スラリーを調製した。
【0064】
▲1▼ 普通ポルトランドセメントに、化合物(A)の粉末および化合物(B)の粉末を前記ドライブレンド方法により混合し粉末状水硬性組成物を得た。この粉末状水硬性組成物に、所定量の水を加えた後、攪拌翼付攪拌機(ナショナルハンドミキサーMK−H3、松下電器産業株式会社製)で速度段階1に設定し、90秒間攪拌しスラリーを調製した。
【0065】
▲2▼ 普通ポルトランドセメントに、化合物(A)の粉末を前記ドライブレンド方法により混合し第1剤を得た。第1剤に、化合物(B)の粉末または水溶液からなる第2剤と、所定の水を加えた後、同上の攪拌翼付攪拌機で、90秒間攪拌し、スラリーを調製した。但し、水の量は、総水量が表2の配合に従うように調整した。
【0066】
▲3▼ 普通ポルトランドセメントに、化合物(A)の粉末または水溶液からなる第1剤と、水を加え、同上の攪拌翼付攪拌機で30秒間攪拌した後に、化合物(B)の粉末または水溶液からなる第2剤を添加し、同上の攪拌翼付攪拌機で60秒間攪拌し、スラリーを調製した。但し、水の量は、総水量が表2の配合に従うように調整した。
【0067】
▲4▼ 化合物(A)の粉末と化合物(B)の粉末とを前記ドライブレンド方法により混合し、粉末状レオロジー改質剤を得た。普通ポルトランドセメントに、粉末状レオロジー改質剤と、水を加え、同上の攪拌翼付攪拌機で90秒間攪拌し、スラリーを調製した。但し、水の量は、総水量が表2の配合に従うように調整した。
【0068】
(2−3)粘度測定法
調製したスラリーをJIS300mlビーカーに約300ml投入し、回転粘度計(VISCOTESTER VT-04E高粘度用: RION CO., LTD)を使用し、回転速度62.5rpm、備え付けのローター1号(φ24mm×53mm×166mm)で、20℃の粘度測定を行なった。結果を表3に示す。
【0069】
【表2】
Figure 2004189978
【0070】
【表3】
Figure 2004189978
【0071】
(注)表3中、SPの添加量は全て0.07重量%(対セメント有効分重量%)とした。また、(A)+(B)添加量は、水に対する有効分重量%である。
【0072】
実施例2
実施例1で調製した表1の化合物(A)、化合物(B)を含むキットから、下記▲1▼〜▲3▼の何れかの方法により、表4の配合でレオロジーが改質された水溶液(全量で200g)を調製した。なお、表4中の(A)+(B)添加量は、最終水溶液中の濃度である。
【0073】
(水溶液調製法)
▲1▼ 化合物(A)の粉末および化合物(B)の粉末を、実施例1のドライブレンド方法と同様(但しセメントと高性能減水剤は用いない)に混合し、粉末状組成物を得た。この粉末状組成物に所定濃度になるように水を加え、評価用水溶液を調製した。
【0074】
▲2▼ 化合物(A)または化合物(B)の粉末に、化合物(B)の水溶液または化合物(A)の水溶液を添加し、所定濃度になるように水を加え、評価用水溶液を調製した。
【0075】
▲3▼ 化合物(A)または化合物(B)の水溶液に、化合物(B)または化合物(A)の水溶液を添加し、所定濃度になるように水を加え、評価用水溶液を調製した。
【0076】
(水溶液粘度)
B型粘度計(東京計器、DVM−B、Cローター、回転数は、粘度4000mPa・s未満は12r/min、粘度4000mPa・s以上は6r/min、20℃)を用いて測定した。結果を表4に示す。
【0077】
【表4】
Figure 2004189978

Claims (7)

  1. 第1の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(A)という〕を含有する剤〔以下、(a)剤という〕と、化合物(A)とは異なる第2の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(B)という〕を含有する剤〔以下、(b)剤という〕とからなるレオロジー改質剤キットであって、
    化合物(A)および化合物(B)の組合わせが、(1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)および臭化化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、から選択されるレオロジー改質剤キット。
  2. (a)剤および/または(b)剤が粉末である請求項1記載のレオロジー改質剤キット。
  3. (a)剤に水硬性粉体を含有する請求項1または2記載のレオロジー改質剤キット。
  4. (a)剤および/または(b)剤に高性能減水剤を含有する請求項1〜3いずれか記載のレオロジー改質剤キット。
  5. 水溶性低分子化合物〔以下、化合物(A)という〕を含有する組成物と混合して用いられ、化合物(A)とは異なる第2の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(B)という〕を含有するレオロジー改質用添加剤であって、化合物(A)および化合物(B)の組合わせが、
    (1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
    (2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)およびアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
    (3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)および臭化化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
    (4)アニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)および両性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
    (5)アニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(A)およびカチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
    (6)臭化化合物から選ばれる化合物(A)およびカチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、
    から選択されるレオロジー改質用添加剤。
  6. 請求項1記載の(a)剤と、(b)剤とを含有する組成物からなる粉末状レオロジー改質剤。
  7. 水硬性粉体と、請求項6記載の粉末状レオロジー改質剤とを含有する粉末状水硬性組成物。
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