JP2004189451A - 車両の無資格者運転防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無資格者による車両の運転を簡単確実に防止できるようにすること。
【解決手段】運転資格を有する者が着用する靴に設けられた有資格者標識としての認証タグ11と、該タグ11を検出するために車体の運転台の床に設けられた標識検出手段としてのアンテナ23と、該アンテナ23からの出力を監視し上記標識が検出されないときにブザーを鳴動させ又は車体の駆動停止を行う制御手段としての制御コントローラ22とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】運転資格を有する者が着用する靴に設けられた有資格者標識としての認証タグ11と、該タグ11を検出するために車体の運転台の床に設けられた標識検出手段としてのアンテナ23と、該アンテナ23からの出力を監視し上記標識が検出されないときにブザーを鳴動させ又は車体の駆動停止を行う制御手段としての制御コントローラ22とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は運転資格を有しない者が勝手に車両を運転して事故を起こすことがないよう、該車両の無資格者運転を防止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両、例えばフォークリフトは、関連する法令に基づき、フォークリフト運転技能講習修了者(有資格者)でなければ運転できないことになっている。しかしながら、実際には資格を有しない者が勝手に運転して事故を起こすこともあり、対策が必要となっている。
【0003】
このため、従来はフォークリフトに指紋識別装置を搭載しておき、運転者の指紋を照合して正当な有資格者であると判断された場合にのみ、フォークリフトの電源をオンして車両を始動できるように構成された装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−351598公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、指紋による照合は精度が悪く、また面倒でもある。ICカードによる照合を試みたとしても、それを携帯することも、照合作業を行うこと自体も面倒である。更に、そのICカードが無資格者の手に渡る可能性もあり、従ってこのような方式では無資格者による運転を確実に防止することはできない。
【0006】
本発明はこのような不都合に鑑み、無資格者による車両の運転を簡単確実に防止できる装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、運転資格を有する者が着用する靴に設けられた有資格者標識と、該標識を検出するために車体の運転台の床に設けられた標識検出手段と、該検出手段からの出力を監視し上記標識が検出されないとき安全を確保するための所定の処置を行う制御手段とを備えたことを特徴としている。この発明によれば、運転者が前記したような指紋やカード等の照合作業を行わなくとも、当該運転者が運転資格を有するか否かが簡単確実に検出できる。また運転者の靴と車体運転台の床とは常に対面し接しているため、上記検出手段による標識の検出は確実に行われ、誤検出の可能性は極めて低いものとなる。更に運転者が無資格者であると判断されたときは安全を確保する適切な手段をとることにより、事故の可能性が低減し、従って安全管理の向上を図ることができる。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記処置が、運転者の視覚又は聴覚に訴える警告であることを特徴としている。運転者の視覚に訴える警告とは例えばランプの点滅であり、運転者の聴覚に訴える警告とは例えばブザーの鳴動である。従ってこの第2の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、ランプ又はブザー等により運転不可であることを通報して、当該運転者が運転しないように警告することができる。
【0009】
また第3の発明は、上記第1の発明において、上記処置が、車両の駆動停止であることを特徴としている。従ってこの第3の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、車体運転を強制的に禁止することができる。
【0010】
また第4の発明は、上記第1の発明において、上記処置が、運転者の視覚又は聴覚に訴える警告と、該警告の後に行われる車両の駆動停止であることを特徴としている。従ってこの第4の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、ランプ又はブザー等により運転不可であることを通報して、当該運転者が運転しないように警告を与えた後に車体運転を強制的に禁止するので、車体故障による停止であると誤って判断するおそれがない、という利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明においては、荷役用の車両としてのフォークリフトを例に挙げて説明する。図1は本実施の形態にかかるフォークリフトを後方側から見た構造を示す斜視図、図2は本実施の形態にかかる無資格者運転防止装置の構成を示すブロック図であり、図3は運転台の床を上方側から見た構造を模式化して示す平面図であり、図4は本実施の形態にかかる無資格者運転防止装置の制御手順を示すフローチャートである。
【0012】
本実施の形態にかかるリーチ型のフォークリフトは、図1に示すように、駆動用の電源であるバッテリーや走行及び操舵装置、油圧源装置や制御コントローラ(いずれも図示省略)等が内蔵された車両本体1を備えている。そして、後側に運転席2が設けられた車両本体1の前側からは、前方へと延びるストラドルアーム3が設けられている。
【0013】
また、ストラドルアーム3のそれぞれにはフォーク4の昇降(リフト)動作を案内するためのマスト装置5が立設されており、このマスト装置5はフォーク4と共に進退(リーチ)する。さらに、この際、車両本体1の運転席2には、各種の操作用レバー6や操舵ハンドル7、各種の計器類(図示省略)等が設けられている。
【0014】
さらにまた、本実施の形態にかかるフォークリフトには、該フォークリフトを運転する資格を有する運転者に対してのみ与えられる有資格者標識を継続的に検出し、有資格者標識を検出できないときは安全を確保する処置を行う無資格者運転防止装置が組み込まれている。この防止装置は、例えば、電磁誘導方式を利用したものであり、フォークリフトを運転する資格が与えられた運転者、つまり、運転の有資格者に対しては有資格者標識であるICタグとしての認証タグ11が予め供与されているものとする。
【0015】
有資格者に供与された認証タグ11は、図2に示すように、受信用アンテナ12と、電源部13と、変調部14と、送信用アンテナ15とを内蔵した小型の円板形状とされており、有資格者が履いている作業靴の中敷きに設けられている。そして、この認証タグ11は、受信用アンテナ12で受信した電波(電磁波)を利用して電源部13が駆動電力を発生し、変調部14で変調された電波を送信用アンテナ15から送信するものとなっている。
【0016】
一方、フォークリフトの車両本体1には該車両の駆動源であるバッテリー21や制御手段としての制御コントローラ22等と共に、上記認証タグ11を検出するための検出手段としての送受信用アンテナ23及び変復調部24が内蔵されており、このとき、送受信用アンテナ23は運転者が立脚する運転席2のフロア(床)2a内に設けられている。有資格者の作業靴に装着された認証タグ11と運転席2のフロア内に配設された送受信用アンテナ23とは互いに対向しあう位置関係にあり、認証タグ11の受信用アンテナ12及び送信用アンテナ15と送受信用アンテナ23との間では長波帯(125KHz程度)の電波が送受信される。従って、送受信用アンテナ23は、認証タグ11を継続的に検出する。なお、図2中の符号27はリレーであり、図3中の符号32はブレーキペダルである。
【0017】
送受信用アンテナ23で送受信される電波は変復調部24によって変調及び復調され、この変復調部24の動作は制御コントローラ22によって制御される。この制御コントローラ22は、フォークリフトを運転している者が有資格者であることを示す認証タグ11が検出されなければ、無資格者による運転であると判断する機能を有している。
【0018】
さらに、車両本体1では、バッテリー21と各種の機器との間に対し、キースイッチ25及びリレー回路27が介装されており、このリレー回路27のオン又はオフも、上記制御コントローラ22によって制御される。一方、車両本体1の運転席2付近には、運転者の聴覚に訴えることによりフォークリフトの運転者に警告を発するブザー26が警告手段として設けられており、このブザー26も制御コントローラ22の指示により鳴動する。
【0019】
すなわち、ブザー26は、無資格者による運転であると判断した制御コントローラ22からの指示に従って鳴動する。なお、警告手段がブザー等に限定されることはなく、視覚を通じて運転者に警告を発する発光ランプ等であってもよい。
【0020】
つぎに、本実施の形態にかかる運転者識別システムの動作手順を図4に従って説明する。フォークリフトに乗車した運転者は、まず最初に、運転席2に設けられたキースイッチ25をオンする(ステップS1)。すると、制御コントローラ22の電源がオンになり、フォークリフト及び本無資格者運転防止装置の正常動作を知らせるため、ブザー26がt1時間、例えば、約1秒間にわたって鳴動する(ステップS2)。
【0021】
引き続き、運転者の保持する認証タグ11が送受信用アンテナ23を介して検出され、制御コントローラ22によって運転者が有資格者であるか否かが判断される(ステップS3)。そして、認証タグ11が検出された場合には、制御コントローラ22によって有資格者であると判断される結果、リレー回路27がオンとなり、フォークリフトの電源がオンする(ステップS4)。
【0022】
また、認証タグ11が検出されなければ、制御コントローラ22は無資格者による運転であると判断されてリレー27がオフとなるため、電源がオフされ(ステップS5)、車両の駆動は停止する。さらに、電源のオンに伴って運転が開始されたフォークリフトの運転中は認証タグ11が継続的に検出され(ステップS6)、認証タグ11が検出される限りは、電源オンの状態が続くため(ステップS7)、フォークリフトの運転が可能となる。
【0023】
一方、有資格者が電源をオンしたままでフォークリフトから離れた後、無資格者がフォークリフトに乗車して運転を開始した場合には、認証タグ11が検出されなくなる(ステップS6)。そして、認証タグ11の未検出状態がt2時間、例えば、約5分間にわたって継続すると(ステップS8)、認証タグ11が検出されないことを確認した後(ステップS9)、無資格者による運転であると判断した制御コントローラ22からの指示によってブザー26が鳴動する(ステップS10)。
【0024】
従って、自らに対する警告であることを認識した無資格者は、自発的にフォークリフトの運転を停止せざるを得なくなる。さらに、ブザー26が鳴動しているにも拘わらず、無資格者が自発的に運転を停止しなければ、1分間程度のt3時間が経過するのを待った後(ステップS11)、リレー回路27がオフとなり、フォークリフトの電源がオフされる(ステップS12)。
【0025】
その結果、無資格者がフォークリフトを運転し続けることは不可能となり、無資格者によるフォークリフトの運転は強制的に終了させられる。そして、フォークリフトの電源がオフされた後、ブザー26の鳴動は停止される(ステップS13)。なお、本実施の形態では警告手段がブザー26であるとしているが、スピーカーであってもよく、この場合には、「すぐに安全な場所へ移動し、運転を停止してください。」というようなメッセージを送出することが好ましい。
【0026】
ところで、ステップS9で説明したブザー26の鳴動中に認証タグ11が検出された場合、例えば、車体を降りた有資格者が再び乗車したような場合には、フォークリフトの電源がオンされ続ける(ステップS7)。
【0027】
以上説明した実施の形態では、有資格者標識を継続的に検出することにより、有資格者による運転であるか否かが継続して判断される。従って、フォークリフトの運転中に有資格者標識を検出できなければ、無資格者による運転と判断されて警告を発したり、車両の駆動を停止するので、運転の続行は不可となる結果、無資格者による運転は有効に防止される。有資格者標識は靴に設けられ、また、検出手段は運転台の床に設けられているので、有資格者標識を継続的に検出することが容易となっている。なお、本発明はこのような有資格者標識の継続的な検出を行うものに限らず、例えば運転が開始されたときのみに上記標識を検出するものに適用することも可能である。
【0028】
なお、上記実施の形態では無資格者による運転を防止する装置が電磁誘導方式を利用して構成されるとしているが、電磁誘導方式のみに限定されず、電磁結合方式やマイクロ波方式を利用したものであってもよいことは勿論である。また、靴に設ける有資格者標識は、運転台床面の検出手段による検出が可能な部分に設けられれば良く、従って靴の底の内部又は外部に設けるものであれば良い。更にこの有資格者標識はICタグに限られるものでなく、例えば靴の外部底面に反射鏡を設けてこれを運転台床面に設けた光を発する光学式のセンサで反射検出するようにすることも可能であり、その他の手段を用いることも可能である。但し、靴の底面にコンパクトに収納可能であり、しかも運転者が予め登録された有資格者であることを確実に検出することができる点において、前記実施形態で説明したICタグを用いることが最も好ましい。また更に、上記実施の形態では認証タグ11の未検出状態が所定時間継続すれば自動的にブザーが鳴動するようにしているが、このフォークリフトに運転者の搭乗の有無を検出するセンサ等からなる運転者検出手段を設け、認証タグ11の未検出状態が所定時間継続した状態において、上記運転者検出手段が運転者の搭乗を検出した場合に、初めて上記ブザーを鳴動させるようにすることも可能である。また本発明は、上記実施形態で説明したフォークリフトに限らず、その他の各種車両に応用できる。
【0029】
【発明の効果】
第1の発明によれば、運転者が運転資格を有するか否かが簡単確実に検出できる。また運転者が無資格者であると判断されたときは安全を確保する適切な手段をとることにより、事故の可能性が低減し、従って安全管理の向上を図ることができる。
【0030】
第2の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、ランプ又はブザー等により運転不可であることを通報して、当該運転者が運転しないように警告することができる効果がある。
【0031】
第3の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、車体運転を強制的に禁止することができるので、無資格者による運転を確実に防止できる効果がある。
【0032】
第4の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、ランプ又はブザー等により運転不可であることを通報して、当該運転者が運転しないように警告を与えた後に車体運転を強制的に禁止するので、車体の駆動停止が故障によるものであると誤って判断するおそれがない、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるフォークリフトを後方側から見た斜視図である。
【図2】本実施の形態にかかる無資格者運転防止装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態にかかるフォークリフトの運転台の床面を上方側から見た構造を模式化して示す平面図である。
【図4】本実施の形態にかかる無資格者運転防止装置の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両本体
2 運転席
2a フロア(床)
11 認証タグ(有資格者標識)
12 受信用アンテナ
13 電源部
14 変調部
15 送信用アンテナ
21 バッテリー
22 制御コントローラ(制御手段)
23 送受信用アンテナ(標識検出手段)
24 変復調部
25 キースイッチ
26 ブザー(警告手段)
31 作業靴(靴)
【発明の属する技術分野】
本発明は運転資格を有しない者が勝手に車両を運転して事故を起こすことがないよう、該車両の無資格者運転を防止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両、例えばフォークリフトは、関連する法令に基づき、フォークリフト運転技能講習修了者(有資格者)でなければ運転できないことになっている。しかしながら、実際には資格を有しない者が勝手に運転して事故を起こすこともあり、対策が必要となっている。
【0003】
このため、従来はフォークリフトに指紋識別装置を搭載しておき、運転者の指紋を照合して正当な有資格者であると判断された場合にのみ、フォークリフトの電源をオンして車両を始動できるように構成された装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−351598公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、指紋による照合は精度が悪く、また面倒でもある。ICカードによる照合を試みたとしても、それを携帯することも、照合作業を行うこと自体も面倒である。更に、そのICカードが無資格者の手に渡る可能性もあり、従ってこのような方式では無資格者による運転を確実に防止することはできない。
【0006】
本発明はこのような不都合に鑑み、無資格者による車両の運転を簡単確実に防止できる装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、運転資格を有する者が着用する靴に設けられた有資格者標識と、該標識を検出するために車体の運転台の床に設けられた標識検出手段と、該検出手段からの出力を監視し上記標識が検出されないとき安全を確保するための所定の処置を行う制御手段とを備えたことを特徴としている。この発明によれば、運転者が前記したような指紋やカード等の照合作業を行わなくとも、当該運転者が運転資格を有するか否かが簡単確実に検出できる。また運転者の靴と車体運転台の床とは常に対面し接しているため、上記検出手段による標識の検出は確実に行われ、誤検出の可能性は極めて低いものとなる。更に運転者が無資格者であると判断されたときは安全を確保する適切な手段をとることにより、事故の可能性が低減し、従って安全管理の向上を図ることができる。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記処置が、運転者の視覚又は聴覚に訴える警告であることを特徴としている。運転者の視覚に訴える警告とは例えばランプの点滅であり、運転者の聴覚に訴える警告とは例えばブザーの鳴動である。従ってこの第2の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、ランプ又はブザー等により運転不可であることを通報して、当該運転者が運転しないように警告することができる。
【0009】
また第3の発明は、上記第1の発明において、上記処置が、車両の駆動停止であることを特徴としている。従ってこの第3の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、車体運転を強制的に禁止することができる。
【0010】
また第4の発明は、上記第1の発明において、上記処置が、運転者の視覚又は聴覚に訴える警告と、該警告の後に行われる車両の駆動停止であることを特徴としている。従ってこの第4の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、ランプ又はブザー等により運転不可であることを通報して、当該運転者が運転しないように警告を与えた後に車体運転を強制的に禁止するので、車体故障による停止であると誤って判断するおそれがない、という利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明においては、荷役用の車両としてのフォークリフトを例に挙げて説明する。図1は本実施の形態にかかるフォークリフトを後方側から見た構造を示す斜視図、図2は本実施の形態にかかる無資格者運転防止装置の構成を示すブロック図であり、図3は運転台の床を上方側から見た構造を模式化して示す平面図であり、図4は本実施の形態にかかる無資格者運転防止装置の制御手順を示すフローチャートである。
【0012】
本実施の形態にかかるリーチ型のフォークリフトは、図1に示すように、駆動用の電源であるバッテリーや走行及び操舵装置、油圧源装置や制御コントローラ(いずれも図示省略)等が内蔵された車両本体1を備えている。そして、後側に運転席2が設けられた車両本体1の前側からは、前方へと延びるストラドルアーム3が設けられている。
【0013】
また、ストラドルアーム3のそれぞれにはフォーク4の昇降(リフト)動作を案内するためのマスト装置5が立設されており、このマスト装置5はフォーク4と共に進退(リーチ)する。さらに、この際、車両本体1の運転席2には、各種の操作用レバー6や操舵ハンドル7、各種の計器類(図示省略)等が設けられている。
【0014】
さらにまた、本実施の形態にかかるフォークリフトには、該フォークリフトを運転する資格を有する運転者に対してのみ与えられる有資格者標識を継続的に検出し、有資格者標識を検出できないときは安全を確保する処置を行う無資格者運転防止装置が組み込まれている。この防止装置は、例えば、電磁誘導方式を利用したものであり、フォークリフトを運転する資格が与えられた運転者、つまり、運転の有資格者に対しては有資格者標識であるICタグとしての認証タグ11が予め供与されているものとする。
【0015】
有資格者に供与された認証タグ11は、図2に示すように、受信用アンテナ12と、電源部13と、変調部14と、送信用アンテナ15とを内蔵した小型の円板形状とされており、有資格者が履いている作業靴の中敷きに設けられている。そして、この認証タグ11は、受信用アンテナ12で受信した電波(電磁波)を利用して電源部13が駆動電力を発生し、変調部14で変調された電波を送信用アンテナ15から送信するものとなっている。
【0016】
一方、フォークリフトの車両本体1には該車両の駆動源であるバッテリー21や制御手段としての制御コントローラ22等と共に、上記認証タグ11を検出するための検出手段としての送受信用アンテナ23及び変復調部24が内蔵されており、このとき、送受信用アンテナ23は運転者が立脚する運転席2のフロア(床)2a内に設けられている。有資格者の作業靴に装着された認証タグ11と運転席2のフロア内に配設された送受信用アンテナ23とは互いに対向しあう位置関係にあり、認証タグ11の受信用アンテナ12及び送信用アンテナ15と送受信用アンテナ23との間では長波帯(125KHz程度)の電波が送受信される。従って、送受信用アンテナ23は、認証タグ11を継続的に検出する。なお、図2中の符号27はリレーであり、図3中の符号32はブレーキペダルである。
【0017】
送受信用アンテナ23で送受信される電波は変復調部24によって変調及び復調され、この変復調部24の動作は制御コントローラ22によって制御される。この制御コントローラ22は、フォークリフトを運転している者が有資格者であることを示す認証タグ11が検出されなければ、無資格者による運転であると判断する機能を有している。
【0018】
さらに、車両本体1では、バッテリー21と各種の機器との間に対し、キースイッチ25及びリレー回路27が介装されており、このリレー回路27のオン又はオフも、上記制御コントローラ22によって制御される。一方、車両本体1の運転席2付近には、運転者の聴覚に訴えることによりフォークリフトの運転者に警告を発するブザー26が警告手段として設けられており、このブザー26も制御コントローラ22の指示により鳴動する。
【0019】
すなわち、ブザー26は、無資格者による運転であると判断した制御コントローラ22からの指示に従って鳴動する。なお、警告手段がブザー等に限定されることはなく、視覚を通じて運転者に警告を発する発光ランプ等であってもよい。
【0020】
つぎに、本実施の形態にかかる運転者識別システムの動作手順を図4に従って説明する。フォークリフトに乗車した運転者は、まず最初に、運転席2に設けられたキースイッチ25をオンする(ステップS1)。すると、制御コントローラ22の電源がオンになり、フォークリフト及び本無資格者運転防止装置の正常動作を知らせるため、ブザー26がt1時間、例えば、約1秒間にわたって鳴動する(ステップS2)。
【0021】
引き続き、運転者の保持する認証タグ11が送受信用アンテナ23を介して検出され、制御コントローラ22によって運転者が有資格者であるか否かが判断される(ステップS3)。そして、認証タグ11が検出された場合には、制御コントローラ22によって有資格者であると判断される結果、リレー回路27がオンとなり、フォークリフトの電源がオンする(ステップS4)。
【0022】
また、認証タグ11が検出されなければ、制御コントローラ22は無資格者による運転であると判断されてリレー27がオフとなるため、電源がオフされ(ステップS5)、車両の駆動は停止する。さらに、電源のオンに伴って運転が開始されたフォークリフトの運転中は認証タグ11が継続的に検出され(ステップS6)、認証タグ11が検出される限りは、電源オンの状態が続くため(ステップS7)、フォークリフトの運転が可能となる。
【0023】
一方、有資格者が電源をオンしたままでフォークリフトから離れた後、無資格者がフォークリフトに乗車して運転を開始した場合には、認証タグ11が検出されなくなる(ステップS6)。そして、認証タグ11の未検出状態がt2時間、例えば、約5分間にわたって継続すると(ステップS8)、認証タグ11が検出されないことを確認した後(ステップS9)、無資格者による運転であると判断した制御コントローラ22からの指示によってブザー26が鳴動する(ステップS10)。
【0024】
従って、自らに対する警告であることを認識した無資格者は、自発的にフォークリフトの運転を停止せざるを得なくなる。さらに、ブザー26が鳴動しているにも拘わらず、無資格者が自発的に運転を停止しなければ、1分間程度のt3時間が経過するのを待った後(ステップS11)、リレー回路27がオフとなり、フォークリフトの電源がオフされる(ステップS12)。
【0025】
その結果、無資格者がフォークリフトを運転し続けることは不可能となり、無資格者によるフォークリフトの運転は強制的に終了させられる。そして、フォークリフトの電源がオフされた後、ブザー26の鳴動は停止される(ステップS13)。なお、本実施の形態では警告手段がブザー26であるとしているが、スピーカーであってもよく、この場合には、「すぐに安全な場所へ移動し、運転を停止してください。」というようなメッセージを送出することが好ましい。
【0026】
ところで、ステップS9で説明したブザー26の鳴動中に認証タグ11が検出された場合、例えば、車体を降りた有資格者が再び乗車したような場合には、フォークリフトの電源がオンされ続ける(ステップS7)。
【0027】
以上説明した実施の形態では、有資格者標識を継続的に検出することにより、有資格者による運転であるか否かが継続して判断される。従って、フォークリフトの運転中に有資格者標識を検出できなければ、無資格者による運転と判断されて警告を発したり、車両の駆動を停止するので、運転の続行は不可となる結果、無資格者による運転は有効に防止される。有資格者標識は靴に設けられ、また、検出手段は運転台の床に設けられているので、有資格者標識を継続的に検出することが容易となっている。なお、本発明はこのような有資格者標識の継続的な検出を行うものに限らず、例えば運転が開始されたときのみに上記標識を検出するものに適用することも可能である。
【0028】
なお、上記実施の形態では無資格者による運転を防止する装置が電磁誘導方式を利用して構成されるとしているが、電磁誘導方式のみに限定されず、電磁結合方式やマイクロ波方式を利用したものであってもよいことは勿論である。また、靴に設ける有資格者標識は、運転台床面の検出手段による検出が可能な部分に設けられれば良く、従って靴の底の内部又は外部に設けるものであれば良い。更にこの有資格者標識はICタグに限られるものでなく、例えば靴の外部底面に反射鏡を設けてこれを運転台床面に設けた光を発する光学式のセンサで反射検出するようにすることも可能であり、その他の手段を用いることも可能である。但し、靴の底面にコンパクトに収納可能であり、しかも運転者が予め登録された有資格者であることを確実に検出することができる点において、前記実施形態で説明したICタグを用いることが最も好ましい。また更に、上記実施の形態では認証タグ11の未検出状態が所定時間継続すれば自動的にブザーが鳴動するようにしているが、このフォークリフトに運転者の搭乗の有無を検出するセンサ等からなる運転者検出手段を設け、認証タグ11の未検出状態が所定時間継続した状態において、上記運転者検出手段が運転者の搭乗を検出した場合に、初めて上記ブザーを鳴動させるようにすることも可能である。また本発明は、上記実施形態で説明したフォークリフトに限らず、その他の各種車両に応用できる。
【0029】
【発明の効果】
第1の発明によれば、運転者が運転資格を有するか否かが簡単確実に検出できる。また運転者が無資格者であると判断されたときは安全を確保する適切な手段をとることにより、事故の可能性が低減し、従って安全管理の向上を図ることができる。
【0030】
第2の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、ランプ又はブザー等により運転不可であることを通報して、当該運転者が運転しないように警告することができる効果がある。
【0031】
第3の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、車体運転を強制的に禁止することができるので、無資格者による運転を確実に防止できる効果がある。
【0032】
第4の発明によれば、運転資格を有しない運転者が車体に搭乗した場合、ランプ又はブザー等により運転不可であることを通報して、当該運転者が運転しないように警告を与えた後に車体運転を強制的に禁止するので、車体の駆動停止が故障によるものであると誤って判断するおそれがない、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるフォークリフトを後方側から見た斜視図である。
【図2】本実施の形態にかかる無資格者運転防止装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態にかかるフォークリフトの運転台の床面を上方側から見た構造を模式化して示す平面図である。
【図4】本実施の形態にかかる無資格者運転防止装置の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両本体
2 運転席
2a フロア(床)
11 認証タグ(有資格者標識)
12 受信用アンテナ
13 電源部
14 変調部
15 送信用アンテナ
21 バッテリー
22 制御コントローラ(制御手段)
23 送受信用アンテナ(標識検出手段)
24 変復調部
25 キースイッチ
26 ブザー(警告手段)
31 作業靴(靴)
Claims (4)
- 運転資格を有する者が着用する靴に設けられた有資格者標識と、該標識を検出するために車体の運転台の床に設けられた標識検出手段と、該検出手段からの出力を監視し上記標識が検出されないとき安全を確保するための所定の処置を行う制御手段とを備えたことを特徴とする車両の無資格者運転防止装置。
- 前記処置が、前記運転者の視覚又は聴覚に訴える警告であることを特徴とする請求項1に記載の車両の無資格者運転防止装置。
- 前記処置が、前記車両の駆動停止であることを特徴とする請求項1に記載の車両の無資格者運転防止装置。
- 前記処置が、前記運転者の視覚又は聴覚に訴える警告と、該警告後に行われる車両の駆動停止であることを特徴とする請求項1に記載の車両の無資格者運転防止装置。
Priority Applications (5)
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WO2023053521A1 (ja) * | 2021-09-30 | 2023-04-06 | ソニーグループ株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法、及び、情報処理システム |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002361809A patent/JP2004189451A/ja active Pending
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US8659387B2 (en) | 2005-07-13 | 2014-02-25 | Komatsu Utility Co., Ltd. | Operation permission control device and machine having the same mounted thereon |
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