JP2004189123A - 弾性パッド及び履帯 - Google Patents

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Tomohisa Yoshida
知久 吉田
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Abstract

【課題】芯金を弾性体に埋設した弾性パッドにおいても、逆反り時の接触面が弾性体とならないようにして耐久性を向上させた弾性パッドを提供する。
【解決手段】リンク6Aに取り付けられる芯金2を弾性体3に埋設して構成され、前記リンク6Aによって無端状に連結されて履帯を構成する弾性パッド1であって、前記芯金2は、履帯周方向Bの両側端面12b,12bから部分的に突出して前記弾性体3の外へ露出した突出部21を備えているとともに、当該突出部21以外の端面12b,12bが弾性体3によって被覆されており、前記突出部21は、隣接する弾性パッド1,1間において逆反りが生じたときに、履帯周方向端面の弾性体3,3同士が接触することなく、芯部材2,2同士が接触するための逆反り時接触部とされている。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木・建設機械や農業機械等の挿孔部に使用されるクローラ式走行装置の履帯を形成する弾性パッド、及び履帯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、クローラ式走行装置の履帯として、多数のクローラシューを、リンクによって無端状に連結して無端帯状に構成されたシュークローラがあり、このシュークローラを構成するクローラシューとして、リンクが取り付けられる芯金(芯部材)の履帯外周側(接地側)にラグ部となる弾性体(ゴム)を固着して構成された弾性パッドがある。
【0003】
ところが、芯金の接地側だけに弾性体を固着したものでは、芯金と弾性体の接着力が十分に得られない。そこで、芯金と弾性体の接着力を十分に得るために、芯金の端面をも弾性体で被覆するように、芯金を弾性体に埋設して構成した弾性パッドがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の弾性パッド(履板)は、弾性体が芯金の端面を完全に被覆しており、弾性体の履帯周方向(リンク長手方向)の端面(側面)が、逆反り時に隣り合う弾性パッドとの接触面となっている。すなわち、履帯が石などに乗り上げて逆反りとなった時に、弾性パッドの弾性体同士が接触するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3009342号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のもののように、逆反り時における隣り合う弾性パッドとの接触面が弾性体であると、当該接触面に石等の異物を噛み込み逆反りした場合、当該接触面の弾性体が切れたり、欠けたりしてしまい、耐久性に劣るものである。
一方、芯金を弾性体に埋設しなければ、逆反り時の接触面を芯金とすることも可能であるが、芯金を弾性体に埋設しない場合には、芯金と弾性体の接着力が十分に確保できないのは前述の通りである。
【0006】
そこで本発明は、芯金を弾性体に埋設した弾性パッドにおいても、逆反り時の接触面が弾性体とならないようにして耐久性を向上させた弾性パッドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リンクに取り付けられる芯部材を弾性体に埋設して構成され、前記リンクによって無端状に連結されて履帯を構成する弾性パッドであって、前記芯部材は、履帯周方向の両側端面から部分的に突出して前記弾性体の外へ露出した突出部を備えているとともに、当該突出部以外の端面が弾性体によって被覆されており、前記突出部は、隣接する弾性パッド間において逆反りが生じたときに、履帯周方向端面の弾性体同士が接触することなく、芯部材同士が接触するための逆反り時接触部とされていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、弾性体に埋設された芯部材の履帯周方向の両側端面が部分的に露出して逆反り時接触部となっているため、弾性体と芯部材との接着性をさほど損なうことなく、逆反り時に弾性体同時が接触するのを防止できる。
【0009】
また、前記突出部は、芯部材の履帯周方向端面の履帯幅方向中央部から部分的に突出しているのが好ましく、この場合、一般的に芯部材の履帯幅方向中央部に配置されるリンクを突出部によって保護することができる。
また、リンクを保護するという観点からは、前記突出部は、履帯の厚さ方向にみて前記リンクの投影範囲と重複する位置に配置されていればよい。
【0010】
さらに、他の本発明は、リンクに取り付けられる芯部材を弾性体に埋設して構成され、前記リンクによって無端状に連結されて履帯を構成する弾性パッドであって、前記リンクが取り付けられるリンク取付面は、前記芯部材が前記弾性体によって被覆されて、前記リンクと前記芯部材間には前記弾性体が介在しているとともに、部分的に前記芯部材が露出した露出面を有し、当該露出面が直接リンクと当接し、前記芯部材をボルトによってリンクに締結したときに、前記ボルトの締め付け力により、前記リンクとの間に前記弾性体が介在している範囲における前記芯部材が前記リンク側に湾曲するものである。
【0011】
特許文献1には、リンク取付面を弾性体で被覆せずに芯金を露出させて、リンクと芯金との間に弾性体が介在しないようにしたものが記載されているが、このような構造は、リンク取付面に弾性体が残らないようにする必要があって、製法が困難となり、また弾性体が完全に残らないようにするための仕上げ作業等が必要となって、煩雑かつ高コストである。
【0012】
本発明では、逆に、リンク取付面は、芯部材が弾性体によって被覆されて、リンクと前記芯部材間には前記弾性体が介在している。したがって、製法は簡単である。そして、本発明では、リンク取付面には部分的に芯部材が露出した露出面を有し、この露出面がリンクと当接しており、前記芯部材をボルトによってリンクに締結したときに、前記ボルトの締め付け力により、前記リンクとの間に前記弾性体が介在している範囲における前記芯部材が前記リンク側に湾曲するため、強固にリンクと芯部材を取り付けることができる。
【0013】
また、前記芯部材は、前記リンク取付面内の範囲に、前記ボルトが挿通されるボルト挿通孔を有し、当該ボルト挿通孔の履帯周方向両側に前記露出面が位置するのが好ましい。この場合、ボルトによる締め付け力が加わると、リンクと接する露出面を支点として両露出面間のボルト挿通孔近傍の芯部材がリンク側に湾曲し、強固な取付構造として好適な状態が得られる。
【0014】
さらに、本発明では、前記弾性パッドをリンクによって無端状に連結して構成した履帯とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は、本発明の第1実施形態に係る弾性パッド(クローラシュー)を示しており、この弾性パッドが、多数個、リンクを介して無端上に連結されることで、クローラ走行装置に採用される無端帯状の履帯が構成される。この弾性パッド1は、金属等からなる芯部材(芯金)2と、この芯部材2に加硫接着等によって固着された弾性体(ゴム等)からなるパッド本体3とから主構成されている。
【0016】
芯部材2は、履帯幅方向A(左右方向)に長い金属製の帯状の部材であり、平面視において、その左右方向両側の先端側ほど履帯周方向幅Bが小さくなるように先細り状に形成されている。この芯金2は、弾性体製のパッド本体3の内部に埋設されており、弾性パッド1をリンクに取り付けるためのボルトが挿通されるボルト装着部5a−1,5a−2,5b−1,5b−2が、履帯幅方向A(左右方向)中央付近に形成されている。
【0017】
ボルト装着部には、芯部材2の履帯幅方向中央位置よりも一方側に位置する第1装着部5a−1,5a−2と、他方側に位置する第2装着部5b−1,5b−2とがあり、両者は左右方向に対をなしている。第1装着部5a−1,5a−2は、履帯周方向B(前後方向)に間隔をおいて並設された第1ボルト挿通孔5a−1及び第2ボルト挿通孔5a−2(芯部材2の厚さ方向に貫通する孔)を有している。また、第2装着部5b−1,5b−2も、履帯周方向に並設された第1ボルト挿通孔5b−1及び第2ボルト挿通孔5b−2を有している。なお、第1ボルト挿通孔5a−1,5b−1は、第2ボルト挿通孔5a−2,5b−2に対して左右方向に位置がずれている。
【0018】
一つの弾性パッドには、左右一対のリンク6Aが取り付けられる。すなわち、一方のリンクは、第1装着部の挿通孔5a−1,5a−2を利用してボルトで締結され、他方のリンクは、第2装着部の挿通孔5b−1,5b−2を利用してボルトで締結される。図3に示すように、履帯周方向に隣り合うリンク6A,6Aがピン6Bによって枢支連結されて無端状の履帯となる。
【0019】
芯部材2の履帯幅方向両側には、履帯周方向Bに適宜間隔をおいて形成された3つの孔7が貫通形成されており、この孔7には、例えば、加硫時において、パッド本体3を構成する弾性材料が流れ込むことにより、この弾性材料が充填されており、これによって、パッド本体3の芯部材2からの剥離を困難にして、接着力を強固にしている。なお、孔7の位置や数は適宜変更可能である。
【0020】
パッド本体3は、芯部材2よりも接地面側(履帯の外周側)の弾性体部分(ラグ部)である接地側弾性体9と、芯部材2よりもリンク6A側(履帯の内周側)の弾性体部分であるリンク側弾性体10とが一体的に成形されて構成されており、芯部材2がパッド本体3内部に埋設された状態となっている。
【0021】
しかも、パッド本体3は、平面視において、芯部材2よりも一回り大きく形成されており、芯部材2の端面12a,12bの大部分が弾性体によって被覆されて、接地側弾性体9とリンク側弾性体10とが一体化している。すなわち、芯部材2の履帯幅方向A両側の端面12a,12aは、すべて弾性体3によって被覆されており、芯部材2の履帯周方向B両側の端面12b,12bは、履帯幅方向A中央位置を除く、当該中央位置の両側が弾性体3によって被覆されている。このように、芯部材2をパッド本体3に埋設することで、弾性体と芯部材2との接着力を十分に大きくでき、弾性体の剥離を防止できる。
【0022】
パッド本体3の接地側弾性体9は、ブロック状に形成されており、ラグ部として機能する。この接地側弾性体9の接地面14の履帯幅方向A中央部分は、履帯内周側に凹んでおり、この凹み部分15に、ボルトの頭部が挿通されると共に芯部材2のボルト挿通孔5a−1,5a−2,5b−1,5b−2に連通する挿通孔16が、各ボルト挿通孔5a−1,5a−2,5b−1,5b−2に対応して形成されている。 また、凹み部分15には、履帯外周側に突出するボルト保護部17が挿通孔16,16間に位置するように形成されている。
【0023】
前記挿通孔16の底部16aは、芯部材2が露出しており、したがって、ボルトのネジ部を、挿通孔16を介してボルト挿通孔15a−1,15a−2,15b−1,15b−2に挿通し、リンク6Aに形成されたネジ孔に螺合させたときに、ボルト頭部が芯部材2に直接接して、強固な取付けが可能である。
【0024】
パッド本体3のリンク側弾性体10は、リンク取付面19となる履帯幅方向A中央部を除く、履帯幅方向A両側に形成されている。リンク取付面19となる履帯幅方向中央部の芯部材2は、リンク6Aの確実な取付けのために、弾性体によって被覆されておらず、露出した芯部材露出面となっている。
【0025】
前記芯部材2は、履帯周方向Bの両側の端面12b,12bの履帯幅方向A中央部が、履帯周方向Bに突出した突出部21を有している。これらの突出部21は、弾性体3の外にまで延出しており、端面12bの履帯幅方向A両側が弾性体3によって被覆されているのに対して、当該突出部21は、弾性体3から露出している。この突出部21の弾性体3(の側面)に対する突出量は、1〜2mm程度に小さく設定されコンパクトになっている。
【0026】
図3に示すように、通常、隣り合う弾性パッド1a,1b同士にあっては、突出部21,21の間には、わずかな間隔が確保されているが、履帯が石等に乗り上げて、ピン6Bを中心として、隣り合う弾性パッド1b,1c同士間において逆反りが生じた場合、隣り合う弾性バッド1b,1cの突出部21同士が最初に当接し、それ以上の逆反りを抑える。このように、突出部21は逆反り時接触部となっている。弾性体同士を接触させるのではなく、芯部材2同士を接触させることで当たりが強くなっており、図3又は図4の逆反りの状態からさらに逆反りが生じることが困難となっており、逆反りを有効に防止できる。
【0027】
芯部材2の一部である突出部21同士が接触することで、接触面に石等の異物を噛み込んで逆反りしても、弾性体3の欠けが生じ難く、弾性体3の耐久性を向上させることができる。なお、図示のように突出部21同士が接触して逆反り止めをしている状態では、隣り合う弾性パッド1b,1cのパッド本体3の接地側弾性体9は、非接触となっている。
【0028】
図2に示すように、突出部21は、大きく形成すると芯部材2全体の大型化によって重量が増加するため、履帯幅方向Aの長さL1は、リンク取付面19の履帯幅方向A長さL2と略同じか、又は小さいコンパクトなものが好ましい。なお、図示のものでは、L1はL2よりもやや小さく設定されている。
【0029】
突出部21の範囲は、リンク取付面19の範囲と投影的に重なっており、この結果、突出部は、リンク6Aの投影範囲と、少なくとも一部が重複するようになっている。突出部21がある履帯幅方向A中央部は、その両側に比べて、泥等がリンク6A側に侵入しにくくなっており、突出部21は、リンク6Aの保護にも役立っている。突出部21の履帯幅方向A長さL1は、履帯幅方向A間隔が小さい方のボルト挿通孔5a−1,5b−1同士のピッチL3よりも大きいのが好ましく、さらには履帯幅方向A間隔が大きい方向のボルト挿通孔5a−2,5b−2同士のピッチL4と同程度であるのがより好ましい。
【0030】
また、突出部21を弾性体3から露出させても、露出面であるリンク取付面19の範囲内であるから、リンク取付面19に加えて突出部21を露出させても、弾性体3の剥離性増大への影響は少ない。しかも、突出部21は、芯部材2側面12b,12bから部分的に突出して露出しているだけであるから、芯部材2が弾性体3に埋設されている状態を維持でき、弾性体3の接着力を十分に確保できる。
【0031】
図1(b)に示すように、突出部21は、芯部材2の厚さ方向Cの厚みが、突出部基部側から突出方向先端側ほど徐々に小さくなるように先細りテーパ状に形成されている。突出部21を先細りとすることで、突出部21の大きさをコンパクトにして重量増大を抑えることができる。具体的には、突出部21のリンク側の面21aがリンク取付面19に対して傾斜したテーパ面となっている。なお、突出部21の接地側の面21bは芯部材2の接地側の面と面一状に形成されており、傾斜はしていない。ただし、面21bも傾斜させてもよい。
【0032】
弾性パッド1は、逆反りが生じたときには、突出部21の突出先端面21cの接地面側(図3及び図4において下側)の部分同士が接触するようになっており、先端面21cのリンク側(図3及び図4において上側)の部分は接触が生じない。したがって、突出部21のリンク側面21aを先細り状に傾斜させておくことで、突出部21の接触状態には影響を与えることなく、突出部21の大きさをコンパクトにすることができる。
【0033】
突出部21の傾斜した面21aの表面は、弾性体3によって被覆することができる。この場合、面21aを被覆する弾性体3は、その表面がリンク取付面19(芯部材露出面)と面一となるように形成しておくことで、リンク6Aを支障なくリンク取付面19に取り付けることができる。また、先細り状に傾斜した面21aを弾性体3で被覆しているため、剥離の比較的生じやすい突出部21先端側の弾性体肉厚を大きくでき、弾性体3の剥離を効果的に防止できる。しかも、リンク取付面19両側のリンク側弾性体10を一体的に連結するように面21aを弾性体3で被覆することで、リンク取付面19両側のリンク側弾性体10同士が結合され、より一層剥離防止効果が高まる。
【0034】
突出部21のリンク側面21aは、リンク取付面19に対して傾斜しているため、突出部21とリンク6Aとの間には間隔dが生じ、突出部21がリンク6Aに直接接触しないようになっている。間隔dによって、逆反り時に突出部21同士が接触することによる応力がリンク6A側に作用する度合いを低減できる。
【0035】
図5〜図6は、第2実施形態に係る弾性パッド1を示している。この第2実施形態では、リンク取付面19の大部分は、芯部材2が弾性体3によって覆われた状態となってリンクと芯部材2の間に弾性体3が介在するようになっており、一部分(図5の網掛け部分)25a,25b,26a,26bだけが芯部材2の露出状態となっている。リンク取付面19は、第1実施形態と同様に、平坦面であり、すなわち、芯部材露出部分と弾性体部分とが面一状となっている。
【0036】
芯部材2には、リンク取付面19の範囲において、弾性体3によって被覆される部分27から突出して露出面25a,25b,26a,26bとなる凸部28が形成されており、被覆部分27は、この凸部28に対して凹んだ凹部となっている。ただし、被覆部分27は、芯部材2のリンク側面の他の部分と面一である。リンク取付面19の被覆部分27には、凸部28と同じ高さまで弾性体3が形成されている。具体的には、被覆部分27の厚みは0.5〜2mm程度である。
【0037】
リンク取付面19において、ボルト挿通孔5a−1,5a−2,5b−1,5b−2の近傍は、弾性体3によって被覆されており、ボルト挿通孔から所定の間隔ほど離れた位置に露出面25a,25b,26a,26bが配置されている。具体的には、露出面は、ボルト挿通孔5a−1,5a−2,5b−1,5b−2の履帯周方向Bの両側方位置に配置されている。すなわち、履帯周方向一方側の第1露出面25a,25bと、履帯周方向他方側の第2露出面26a,26bとがあり、両露出面の間に、ボルト挿通孔が位置している。
【0038】
図7に示すように、弾性パッド1とリンク6Aをボルト30で締結すると、露出面の周方向中間位置にある被覆部分27は、露出面25a,25b,26a,26bを支点として、リンク6Aとの間に弾性体3が介在した状態で、リンク6A側へ湾曲する。なお、図7では湾曲した状態が点線で示されている。
【0039】
芯部材2の湾曲によって、ボルトの締結にゆるみが生じにくくなり、芯部材2とリンク6Aとの間に弾性体が介在していてもボルトの確実な締結状態が得られ、強固な取付状態となる。また、芯部材2とリンク6Aとの間に弾性体が介在していてもよいので、仕上げ作業が不要かあるいは簡単となってコスト低減を図れる。
【0040】
第1露出面25a,25bと第2露出面26a,26bとの間の履帯周方向B間隔L5(露出面間の被覆部分27の間隔)は、芯部材2の履帯周方向長さL6よりも小さく(例えば、マイナス10mm)設定されている。また、L5は、履帯周方向Bに並設されたボルト挿通孔同士5a−1,5a−2;5b−1,5b−2の履帯周方向間隔にボルト挿通孔径を加えた長さL7よりも大きく設定されている。このようにL5を設定することで、芯部材2の適切な湾曲が得られる。
【0041】
また、第1露出面25a,25bは、履帯幅方向Aに分離して形成されており、リンク6Aの位置しない履帯幅方向中央31は、露出面ではなく弾性体の被覆部分27となっている。すなわち、第1露出面25a,25bの履帯幅方向中央位置31では、凸部28が省略されており、その分、芯部材2がコンパクトになって重量低減が図られている。また、第2露出面26a,26bについても、同様に、履帯幅方向中央位置31では凸部28が省略されている。
なお、第1及び第2露出面25a,25b,26a,26bよりも履帯周方向B外側も弾性体3によって被覆されている。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、弾性体に埋設された芯部材の履帯周方向の両側端面が部分的に露出して逆反り時接触部となっているため、弾性体と芯部材との接着性をさほど損なうことなく、逆反り時に弾性体同時が接触するのを防止できる。
また、リンク取付面に関し、前記芯部材が前記弾性体によって被覆されて、前記リンクと前記芯部材間には前記弾性体が介在しているとともに、部分的に前記芯部材が露出した露出面を有し、当該露出面が直接リンクと当接し、前記芯部材をボルトによってリンクに締結したときに、前記ボルトの締め付け力により、前記リンクとの間に前記弾性体が介在している範囲における前記芯部材が前記リンク側に湾曲するものである場合には、弾性体が介在していても、強固に芯部材とリンクを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、弾性パッドを接地面側からみた平面図であり、(b)は(a)のb−b線断面図である。
【図2】弾性パッドの正面図である。
【図3】逆反りが生じたときの履帯断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】第2実施形態に係る弾性パッドをリンク側からみた平面図である。
【図6】第2実施形態に係る弾性パッドにリンクを取り付けた状態を示す断面図である。
【図7】芯部材が湾曲した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 弾性パッド
2 芯部材
3 パッド本体(弾性体)
5a−1 ボルト挿通孔
5a−2 ボルト挿通孔
5b−1 ボルト挿通孔
5b−2 ボルト挿通孔
6A リンク
12a 芯部材端面
12b 芯部材端面
17 ボルト保護部
19 リンク取付面(露出面)
21 突出部(逆反り時接触部)
25a 露出面
25b 露出面
26a 露出面
26b 露出面
27 被覆部分
30 ボルト

Claims (6)

  1. リンクに取り付けられる芯部材を弾性体に埋設して構成され、前記リンクによって無端状に連結されて履帯を構成する弾性パッドであって、
    前記芯部材は、履帯周方向の両側端面から部分的に突出して前記弾性体の外へ露出した突出部を備えているとともに、当該突出部以外の端面が弾性体によって被覆されており、
    前記突出部は、隣接する弾性パッド間において逆反りが生じたときに、履帯周方向端面の弾性体同士が接触することなく、芯部材同士が接触するための逆反り時接触部とされていることを特徴とする弾性パッド。
  2. 前記突出部は、芯部材の履帯周方向端面の履帯幅方向中央部から部分的に突出していることを特徴とする請求項1記載の弾性パッド。
  3. 前記突出部は、履帯の厚さ方向にみて前記リンクの投影範囲と重複する位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の弾性パッド。
  4. 前記リンクが取り付けられるリンク取付面は、前記芯部材が前記弾性体によって被覆されて、前記リンクと前記芯部材間には前記弾性体が介在しているとともに、部分的に前記芯部材が露出した露出面を有し、当該露出面が直接リンクと当接し、
    前記芯部材をボルトによってリンクに締結したときに、前記ボルトの締め付け力により、前記リンクとの間に前記弾性体が介在している範囲における前記芯部材が前記リンク側に湾曲することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾性パッド。
  5. 前記芯部材は、前記リンク取付面内の範囲に、前記ボルトが挿通されるボルト挿通孔を有し、当該ボルト挿通孔の履帯周方向両側に前記露出面が位置することを特徴とする請求項4記載の弾性パッド。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の弾性パッドをリンクによって無端状に連結して構成したことを特徴とする履帯。
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