JP2004188927A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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幸大 贄川
Yoshihide Hoshino
嘉秀 星野
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Abstract

【課題】記録物の品質を低下させずに効率的に画像の記録を行う。
【解決手段】本発明のインクジェットプリンタ1は、記録媒体99を搬送方向Aに搬送する搬送ローラ3a,3bと、光の照射又は照射熱により硬化するインクを用いて記録媒体99に画像を記録する記録ヘッド5〜8及びキャリッジ11と、記録媒体99に着弾したインクに紫外線を照射する紫外線照射部材9,10と、紫外線照射部材9,10から照射される紫外線の照度を検出するセンサ13と、搬送ローラ3a,3b、記録ヘッド5〜8及びキャリッジ11をそれぞれ制御する制御部(図示略)と、を備えている。そしてインクジェットプリンタ1では、制御部は、センサ13の検出結果に基づき記録ヘッド5〜8及びキャリッジ11の記録モードを切り替える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェットプリンタに係り、特に画像を記録媒体に記録する際に照射光に応じて記録モードを切り替えるインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、グラビア印刷方式より簡便・安価に画像を作成することができるという理由から、インクジェット記録方式が、写真・各種印刷・マーキング・カラーフィルターといった特殊印刷等の様々な印刷分野に応用されてきている。特に、インクジェット記録方式では、微細なドットを吐出・制御するインクジェット記録方式のインクジェットプリンタと、色再現域・耐久性・吐出適性等を改善したインクと、インク吸収性・色材発色性・表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙とを組み合わせることで、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
【0003】
今日のインクジェット記録方式には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式、紫外線の被照射により硬化する光硬化型インクを用いる光硬化型インクジェット方式等があり、中でも、光硬化型インクジェット方式は他の記録方式に比べ比較的低臭気であり、専用紙以外にも速乾性・インク吸収性の無い記録媒体に記録できる点で注目されている。
【0004】
このような光硬化型インクジェット方式に用いられるインクジェットプリンタでは通常、インクを硬化させるための紫外線光源が配設されており、記録媒体に画像を記録する際には、インクを記録媒体に着弾させた直後に紫外線光源から紫外線を照射してインクを即座に硬化させている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−310454号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところでインクジェットプリンタに配設される紫外線光源には、使用時間や使用回数等に応じて劣化したり設置位置の周辺が汚れたりするといった理由で、照射光量が次第に減衰する傾向がある。そこで照射光量の経時的な減衰を考慮して、使用開始直後の段階においてはインクを硬化させるための所要量を大幅に上回る照射光量で紫外線光源を照射させ、なるべく長期間にわたって同じ紫外線光源を使用し続けることができるようになっている。しかしながらこの場合、使用開始直後の段階で所要量を上回る照射光量で紫外線を照射するため、紫外線光源に供給する電力が無駄に消費されてしまい、さらには紫外線の照射を受ける記録媒体が劣化して記録物の品質を低下させてしまう可能性がある。
【0007】
本発明の課題は、記録物の品質を低下させずに効率的に画像の記録を行えるインクジェットプリンタを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明のインクジェットプリンタは、
記録媒体を所定の方向に搬送する搬送系部材と、
光の照射又は照射熱により硬化するインクを用いて記録媒体に画像を記録する記録系部材と、
記録媒体に着弾したインクに光を照射する光照射部材と、
前記光照射部材から照射される光の照度を検出するセンサと、
前記搬送系部材及び前記記録系部材をそれぞれ制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記センサの検出結果に基づき、前記搬送系部材又は前記記録系部材の記録モードを切り替えることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明では、光照射部材から照射される(センサにより検出される)光の照度に応じて搬送系部材又は記録系部材の記録モードを切り替えることが可能となっており、光の照度に応じた最適な記録モードで画像の記録を行うことができるようになっている。つまり、光の照度が大きい場合には、インクを硬化させるために充分な光量を得られるので通常の記録モードから高速な記録モードに切り替えて1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、光の照度が小さい場合には、インクを硬化させるために充分な光量を得られないので通常の記録モードから低速な記録モードに切り替えて光の照射時間を延長し、インクを充分に硬化させることができる。これらのことより、記録物の品質を低下させずに効率的に画像の記録を行うことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録系部材には、記録媒体に前記インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッド及び前記光照射部材をそれぞれ搭載しかつ記録媒体の搬送方向と直交する方向に移動自在なキャリッジとが含まれ、
前記制御部は、
前記記録系部材の記録モードを切り替えて前記キャリッジの移動速度を切り替えることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明では、キャリッジの移動速度を切り替えることが可能となっているので、例えば、光の照度が大きい場合には、キャリッジの移動速度を通常より速くして1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、光の照度が小さい場合には、キャリッジの移動速度を通常より遅くして光の照射時間を延長し、インクを充分に硬化させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録系部材には、記録媒体に前記インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッド及び前記光照射部材をそれぞれ搭載しかつ記録媒体の搬送方向と直交する方向に移動自在なキャリッジとが含まれ、
前記記録ヘッドには、前記インクを微小な液滴として吐出する複数のノズルが記録媒体の搬送方向に沿って配列され、
前記制御部は、
前記記録系部材の記録モードを切り替えて記録動作中に使用される前記記録ヘッドのノズル数を切り替えることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明では、記録動作中に使用される記録ヘッドのノズル数を切り替えることが可能となっているので、例えば、光の照度が大きい場合には、使用ノズル数を通常より多くして1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、光の照度が小さい場合には、使用ノズル数を通常より減らしてキャリッジの移動回数を増やし、これにより光の照射時間を延長してインクを充分に硬化させることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、
請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録系部材には、記録媒体に前記インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッド及び前記光照射部材をそれぞれ搭載しかつ記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動自在なキャリッジとが含まれ、
前記制御部は、
前記記録系部材の記録モードを切り替えて、前記キャリッジの1回の移動毎に形成される各ドットのうち前記キャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔を切り替えることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明では、キャリッジの1回の移動毎に形成される各ドットのうちキャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔を切り替えることが可能となっているので、例えば、光の照度が大きい場合には、キャリッジの1回の移動毎にキャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔を通常より狭めて1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、光の照度が小さい場合には、キャリッジの1回の移動毎にキャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔を通常より広くしてキャリッジの移動回数を増やし、これにより光の照射時間を延長してインクを充分に硬化させることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、
請求項2に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記制御部は、
前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っているか否かを判定し、前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っていると判定した場合に、前記記録系部材の記録モードを切り替えて、前記キャリッジの移動速度を通常の記録モード時の移動速度よりも遅くすることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明ではキャリッジの移動速度が通常より遅くなるので、光の照射時間が延長され、これによりインクを充分に硬化させることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、
請求項3に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記制御部は、
前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っているか否かを判定し、前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っていると判定した場合に、前記記録系部材の記録モードを切り替えて、記録動作中に使用される前記記録ヘッドのノズル数を通常の記録モード時に使用されるノズル数よりも減らすことを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明では使用ノズル数が通常よりも減るので、キャリッジの移動回数が増えて光の照射時間が延長され、これによりインクを充分に硬化させることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、
請求項4に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記制御部は、
前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っているか否かを判定し、前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っていると判定した場合に、前記記録系部材の記録モードを切り替えて、前記キャリッジの1回の移動毎に形成される各ドットのうち前記キャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔を通常の記録モード時のドット同士の間隔より広くすることを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明では、キャリッジの1回の移動毎にキャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔が通常よりも広くなるので、キャリッジの移動回数が増えて光の照射時間が延長され、これによりインクを充分に硬化させることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、
請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記搬送系部材には、所定方向に回転して記録媒体を搬送する搬送ローラが含まれ、
前記記録系部材には、記録媒体の略全幅にわたって記録媒体の搬送方向と直交する方向に延在するラインヘッドが含まれ、
前記制御部は、
前記搬送系部材の記録モードを切り替えて前記搬送ローラの回転速度を切り替えることを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載の発明では、搬送ローラの回転速度を切り替えることが可能となっているので、例えば、光の照度が大きい場合には、搬送ローラの回転速度を通常より速くして記録媒体の搬送速度を速め1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、光の照度が小さい場合には、搬送ローラの回転速度を通常より遅くして記録媒体の搬送速度を遅め、これにより光の照射時間を延長してインクを充分に硬化させることができる。
【0024】
請求項9に記載の発明は、
請求項8に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記制御部は、
前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っているか否かを判定し、前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っていると判定した場合に、前記搬送系部材の記録モードを切り替えて、前記搬送ローラの回転速度を通常の記録モード時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする。
【0025】
請求項9に記載の発明では搬送ローラの回転速度が通常より遅くなるので、記録媒体の搬送速度が遅くなり、これにより光の照射時間が延長されてインクを充分に硬化させることができる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、
請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記光は紫外線であることを特徴とする。
【0027】
請求項10に記載の発明では、光照射部材から照射される光が光エネルギーの大きい短波長の紫外線であるので、光源が小さくても大きな照度を得られる。従って、インクジェットプリンタが光源により大型化するのを防止できる。
【0028】
請求項11に記載の発明は、
請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記インクは、カチオン重合性化合物を含む光硬化型インクであることを特徴とする。
【0029】
請求項11に記載の発明では、画像の記録に用いられるインクが、カチオン重合性化合物を含む光硬化型インクであるので、光の照度が比較的小さくても充分に硬化し画質の低下を抑えることができる。
【0030】
請求項12に記載の発明は、
請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記光照射部材から照射される光の照度に応じて警告を発する警告部を備え、
前記制御部は、
前記センサにより検出された照度が下限照度を下回っているか否かを判定し、前記センサにより検出された照度が下限照度を下回っていると判定した場合に、前記警告部が警告を発するように前記警告部を制御することを特徴とする。
【0031】
請求項12に記載の発明では、センサにより検出された照度が下限照度を下回っている場合に警告部から警告が発せられるので、ユーザに対して、光照射部材の光の照度が下限照度を下回ったことを認識させることができる。つまり請求項12に記載の発明では、ユーザに対して、現状の光の照度がインクの硬化に必要な照度を満たしていないことを認識させることができ、これにより、光照射部材のメンテナンス作業・交換作業をユーザに促すことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係るインクジェットプリンタの実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0033】
[第一の実施の形態]
始めに、図1〜図2を参照しながら本発明に係るインクジェットプリンタの第一の実施形態について説明する。
図1はインクジェットプリンタ1の概略構成を示す斜視図であり、図2はインクジェットプリンタ1の概略的な制御構成を示すブロック図である。
【0034】
図1に示す通り、インクジェットプリンタ1は、記録媒体99の非記録面(記録面の反対の面)を支持する平板状のプラテン2を有しており、プラテン2の前後には搬送ローラ3a,3bがそれぞれ配設されている。各搬送ローラ3a,3bはプラテン2の前後で軸心回りの所定方向にそれぞれ回転するようになっており、各搬送ローラ3a,3bの回転に伴い記録媒体99は搬送方向Aに沿って搬送されるようになっている。
【0035】
プラテン2の上方には、記録媒体99の記録面に画像を記録する画像記録部4が配設されている。画像記録部4は、搬送方向Aと直交する方向B(以下「走査方向B」という。)に延在するガイド部材12を有しており、ガイド部材12にはキャリッジ11が支持されている。キャリッジ11は、ガイド部材12によりガイドされた状態で走査方向Bに沿って走査自在(往復移動自在)とされている。
【0036】
キャリッジ11には、Y,M,C,Kの各プロセスカラーのインクを記録媒体99の記録面に向けてそれぞれ吐出する4つの記録ヘッド5〜8が搭載されており、4つの記録ヘッド5〜8は同時にキャリッジ11の往復移動に追従するようになっている。また各記録ヘッド5〜8の下部にはインクを液滴として吐出する複数のノズルがそれぞれ配設されており、複数のノズルは記録ヘッド5〜8毎に記録媒体99の搬送方向Aに沿って配列されている。
【0037】
さらにキャリッジ11の左右両側には光照射部材としての2つの紫外線照射部材9,10がそれぞれ搭載されており、紫外線照射部材9,10も記録ヘッド5〜8と同様に、キャリッジ11の往復移動に追従するようになっている。各紫外線照射部材9,10には、紫外線を出射する紫外線光源(図示略)がそれぞれ設けられており、各紫外線照射部材9,10は、紫外線光源が点灯することにより記録媒体99の記録面に向けてそれぞれ紫外線を照射することができるようになっている。紫外線光源としては、高圧水銀ランプ,メタルハライドランプ,ブラックライト,冷陰極管,LED(Light Emitting Diode)等が適用される。
【0038】
なお、キャリッジ11は、プラテン2に対向する位置から外れた図1中左側の位置(以下「ホームポジション」という。)に移動可能であり、インクジェットプリンタ1の非記録時においては、キャリッジ11は記録動作に備えてホームポジションで待機するようになっている。またホームポジションには、紫外線照射部材9,10から照射される紫外線の照度を検出するセンサ13が配設されている。ただし、このセンサ13に代わるセンサがキャリッジ11又は紫外線照射部材9,10に搭載されていてもよい。
【0039】
上記構成を具備するインクジェットプリンタ1において、図2に示す通り、各種部材の動作を制御する制御部14には上記センサ13が接続されており、さらに駆動回路を介して上記搬送ローラ3a,3b、キャリッジ11及び記録ヘッド5〜8が接続されている。そして制御部14は、センサ13の検出信号に基づき搬送ローラ3a,3b、キャリッジ11及び記録ヘッド5〜8をそれぞれ制御するようになっている。
【0040】
特に上記制御部14には、センサ13の検出信号に基づく記録系部材(キャリッジ11、記録ヘッド5〜8等を意味する。以下同じ。)の記録モードが複数通りにわたって記憶されており、制御部14は、センサ13の検出信号に基づき記録系部材の記録モードを最適な記録モードに切り替えることができるようになっている。ここでいう「記録系部材の記録モード」とは、記録動作中における記録系部材の動作形態であって、具体的にはキャリッジ11の移動速度、記録ヘッド5〜8で使用するノズル数、キャリッジ11の往路又は復路に沿う1回の移動毎に記録ヘッド5〜8により形成される各ドットのうちキャリッジ11の移動方向に沿うドット同士の間隔(ドットの間引き量)等をいう。
【0041】
次に、本第一の実施形態に用いられる「インク」について説明する。
本第一の実施形態に用いられるインクとしては、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジカル重合により硬化するものであってもよい。
【0042】
具体的に、本第一の実施形態に用いられるインクは、光としての紫外線の被照射により硬化する性質を具備する光硬化型インクであり、主成分として、重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを少なくとも含むものである。ただし、本第一の実施形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0043】
上記光硬化型インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本第一の実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本第一の実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0044】
次に、本第一の実施形態に用いられる「記録媒体99」について説明する。
本第一の実施形態に用いられる記録媒体99としては、通常のインクジェットプリンタに適用される普通紙,再生紙,光沢紙等の各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラス等の材質からなる記録媒体が適用可能である。記録媒体99の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。本第一の実施形態では、記録媒体99としてロール状に巻かれた長尺な樹脂製フィルムを用いている。
【0045】
特に、本第一の実施形態で用いられる記録媒体として、所謂軟包装に用いられる透明又は不透明な非吸収性の樹脂製フィルムが適用できる。樹脂製フィルムの具体的な樹脂の種類として、ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリエステルアミド,ポリエーテル,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリ-ρ-フェニレンスルフィド,ポリエーテルエステル,ポリ塩化ビニル,ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が適用可能であり、さらには、これら樹脂の共重合体、これら樹脂の混合物、これら樹脂を架橋したもの等も適用可能である。中でも、樹脂製フィルムの樹脂の種類として、延伸したポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナイロンのいずれかを選択するのが、樹脂製フィルムの透明性・寸法安定性・剛性・環境負荷・コスト等の面で好ましく、2〜100μm(好ましくは6〜50μm)の厚みを有する樹脂製フィルムを用いるのが好ましい。また、樹脂製フィルムの支持体の表面にコロナ放電処理、易接着処理等の表面処理を施してもよい。
【0046】
さらに、本第一の実施形態に用いられる記録媒体として、樹脂により表面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
【0047】
次に、第一の実施形態におけるインクジェットプリンタ1の動作を説明する。インクジェットプリンタ1の動作中において、一方では、各搬送ローラ3a,3bが作動して回転し、記録媒体99が、プラテン2により非記録面を支持された状態で後方から前方へと搬送方向Aに沿って搬送される。他方では、キャリッジ11が作動して記録媒体99の直上を走査方向Bに沿って往復移動し、キャリッジ11に搭載されている4つの記録ヘッド5〜8及び2つの紫外線照射部材9,10もキャリッジ11の往復移動に追従する。
【0048】
そしてキャリッジ11の移動中において、4つの記録ヘッド5〜8が各ノズルから記録媒体99の記録面に向かってインクを吐出するとともに、2つの紫外線照射部材9,10が記録媒体99の記録面に向かって紫外線を出射する。特に、キャリッジ11が図1中の左から右へと移動している最中には紫外線照射部材9の紫外線光源が点灯し、キャリッジ11が図1中右から左へと移動している最中には紫外線照射部材10の紫外線光源が点灯する。つまり、キャリッジ11の移動方向の記録ヘッド5〜8よりも後側の紫外線照射部材9(又は10)の紫外線光源が発光して紫外線を出射する。これにより、各記録ヘッド5〜8から吐出されたインクは、記録媒体99に着弾した直後に紫外線が照射されて即座に硬化し、記録媒体99の記録面上に定着する。
【0049】
以降、インクジェットプリンタ1が上記の各動作を繰り返し、各プロセスカラーの複数のドットからなる所望の画像が記録媒体99の記録面に順次記録される。
【0050】
ここで本第一の実施形態のインクジェットプリンタ1では、所定数の画像が記録される毎にキャリッジ11がホームポジションに移動し、キャリッジ11がホームポジションに位置すると紫外線照射部材9,10の紫外線光源が点灯し、センサ13により紫外線光源の紫外線の照度(照射強度)が検出されるようになっている。
【0051】
そしてセンサ13により紫外線の照度が検出されるとその検出結果が検出信号として制御部14に出力され、制御部14は、センサ13の検出信号に基づき記録系部材の記録モードを切り替えるようになっている。
【0052】
具体的には制御部14は、センサ13により検出された照度が所定の照度を上回っているか否かを判定し、センサ13により検出された照度が所定の照度を上回っていると判定した場合に、記録系部材の記録モードを通常の記録モードから高速な記録モードに切り替えて、以下(1)〜(3)の処理を行う。ただし、本第一の実施形態では制御部14は、以下(1)〜(3)の処理のうちいずれか1つの処理だけを行ってもよいし、以下(1)〜(3)の処理のうちいずれか2つの処理を行ってもよいし、以下(1)〜(3)の処理を全て行ってもよい。
【0053】
(1)キャリッジ11を高速移動させる旨の駆動信号をキャリッジ11の駆動回路に出力して、キャリッジ11の移動速度を通常の移動速度より速くする。この場合、キャリッジ11の1回の往復移動に掛かる時間が短縮されるので、1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができる。
【0054】
(2)キャリッジ11の1回の往復移動において記録ヘッド5〜8で使用するノズル数(インクを吐出するノズルの数)を増やす旨の駆動信号を記録ヘッド5〜8の駆動回路に出力して、記録ヘッド5〜8で使用するノズル数を通常よりも増やす。この場合、キャリッジ11の1回の往復移動で記録媒体99に記録される画像領域が広くなるので、1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができる。
【0055】
(3)キャリッジ11の往路又は復路に沿う1回の移動毎に記録ヘッド5〜8により形成される各ドットのうちキャリッジ11の移動方向に沿うドット同士の間隔を狭める旨の駆動信号を記録ヘッド5〜8の駆動回路に出力して、キャリッジ11の往路又は復路に沿う1回の移動毎に記録ヘッド5〜8により形成される各ドットのうちキャリッジ11の移動方向に沿うドット同士の間隔を狭める。この場合も上記(2)と同様に、キャリッジ11の1回の移動で記録媒体99に記録される画像領域が広くなるので、1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができる。
【0056】
さらに制御部14は、センサ13により検出された照度が所定の照度を下回っているか否かを判定し、センサ13により検出された照度が所定の照度を下回っていると判定した場合に、記録系部材の記録モードを通常の記録モードから低速な記録モードに切り替えて、以下(4)〜(6)の処理を行う。ただし、本第一の実施形態では制御部14は、以下(4)〜(6)の処理のうちいずれか1つの処理だけを行ってもよいし、以下(4)〜(6)の処理のうちいずれか2つの処理を行ってもよいし、以下(4)〜(6)の処理を全て行ってもよい。
【0057】
(4)キャリッジ11を低速移動させる旨の駆動信号をキャリッジ11の駆動回路に出力して、キャリッジ11の移動速度を通常の移動速度より遅くする。この場合、キャリッジ11の移動速度が遅くなるため、記録媒体99に着弾したインクに照射される紫外線の照射時間が延長され、インクを充分に硬化させることができる。
【0058】
(5)キャリッジ11の1回の往復移動において記録ヘッド5〜8で使用するノズル数を減らす旨の駆動信号を記録ヘッド5〜8の駆動回路に出力して、記録ヘッド5〜8で使用するノズル数を通常よりも減らす。この場合、キャリッジ11の1回の往復移動で記録媒体99に記録される画像領域が狭くなりキャリッジ11の移動回数が増える。これにより、記録媒体99に着弾したインクに照射される紫外線の照射時間が延長され、インクを充分に硬化させることができる。
【0059】
(6)キャリッジ11の往路又は復路に沿う1回の移動毎に記録ヘッド5〜8により形成される各ドットのうちキャリッジ11の移動方向に沿うドット同士の間隔を広げる旨の駆動信号を記録ヘッド5〜8の駆動回路に出力して、キャリッジ11の往路又は復路に沿う1回の移動毎に記録ヘッド5〜8により形成される各ドットのうちキャリッジ11の移動方向に沿うドット同士の間隔を広げる。この場合も上記(5)と同様に、キャリッジ11の1回の往復移動で記録媒体99に記録される画像領域が狭くなりキャリッジ11の移動回数が増える。これにより、記録媒体99に着弾したインクに照射される紫外線の照射時間が延長され、インクを充分に硬化させることができる。
【0060】
以上のような第一の実施形態におけるインクジェットプリンタ1では、紫外線照射部材9,10から照射される紫外線の照度に応じて記録系部材の記録モードを切り替えることが可能となっており、紫外線の照度に応じた最適な記録モードで画像の記録を行うことができるようになっている。つまり、紫外線の照度が大きい場合には、インクを硬化させるために充分な光量を得られるので通常の記録モードから高速な記録モードに切り替えて1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、紫外線の照度が小さい場合には、インクを硬化させるために充分な光量を得られないので通常の記録モードから低速な記録モードに切り替えて紫外線の照射時間を延長し、インクを充分に硬化させることができる。これらのことより、記録物の品質を低下させずに効率的に画像の記録を行うことができる。
【0061】
[第二の実施の形態]
続いて、図3及び図4を参照しながら本発明に係るインクジェットプリンタ1の第二の実施形態について説明する。ただし、本第二の実施形態は上記第一の実施形態における画像記録部4(図1参照)の構成が異なっており、それ以外の構成(インク及び記録媒体99を含む。)は上記第一に実施形態と同様である。本第二の実施形態では画像記録部4を中心とした説明を行い、上記第一の実施形態と同様の構成には上記と同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図3はインクジェットプリンタ1の概略構成を示す斜視図であり、図4はインクジェットプリンタ1の概略的な制御構成を示すブロック図である。
【0062】
図3に示す通り、プラテン2の上方には、Y,M,C,Kの各プロセスカラーのインクを記録媒体99の記録面に向けて吐出する4つのラインヘッド21〜24が記録媒体99の搬送方向Aの上流側から下流側にかけて配設されている。各ラインヘッド21〜24は、記録媒体99の略全幅にわたって搬送方向Aと直交する方向C(以下「直交方向C」という。)に延在する記録ヘッドであって、記録媒体99の略全幅にわたって複数のノズルが直交方向Cに沿って配列され、各ノズルからインクを微小な液滴として吐出することができるようになっている。
【0063】
さらに図3に示す通り、記録媒体99の搬送方向Aの各ラインヘッド21〜24より下流側には、記録媒体99の略全幅にわたって延在する光照射部材としての紫外線照射部材25〜28がそれぞれ配設されている。各紫外線照射部材25〜28には、紫外線を出射する紫外線光源(図示略)がそれぞれ設けられており、各紫外線照射部25〜28は、紫外線光源が点灯することにより記録媒体99の記録面に向けてそれぞれ紫外線を照射することができるようになっている。紫外線光源としては、高圧水銀ランプ,メタルハライドランプ,ブラックライト,冷陰極管,LED等が適用される。ただし、本第二の実施形態では、図3に示す通り、4つの紫外線照射部材25〜28を用いる例を示すが、記録媒体99の搬送方向Aの最も下流側に配置された紫外線照射部材28だけが配設されてもよい。
【0064】
各紫外線照射部材25〜28の図1中左側には、紫外線照射部材25〜28から照射される紫外線の照度を検出する4つのセンサ29〜32がそれぞれ配設されている。ただし、各センサ29〜32は紫外線照射部材25〜28にそれぞれ搭載されていてもよい。
【0065】
なお、本第二の実施形態では、上記紫外線照射部材25〜28がそれぞれ上下に昇降自在とされ、上記センサ29〜32がそれぞれ直交方向Cに沿って移動自在とされている。そして紫外線照射部材25〜28が上昇した状態において、紫外線照射部材25〜28とプラテン2との間に隙間が形成され、その隙間をセンサ29〜32が直交方向Cに沿って移動し、各紫外線照射部材25〜28から照射されている紫外線の照度を検出できるようになっている。
【0066】
上記構成を具備するインクジェットプリンタ1において、図4に示す通り、各種部材の動作を制御する制御部33には上記センサ29〜32が接続されており、さらに駆動回路を介して上記搬送ローラ3a,3b及びラインヘッド21〜24が接続されている。そして制御部33は、センサ29〜32の検出信号に基づき搬送ローラ3a,3b及びラインヘッド21〜24をそれぞれ制御するようになっている。
【0067】
特に上記制御部33には、センサ29〜32の検出信号に基づく搬送系部材(搬送ローラ3a,3b等を意味する。以下同じ。)の記録モードが複数通りにわたって記憶されており、制御部33は、センサ29〜32の検出信号に基づき搬送系部材の記録モードを最適な記録モードに切り替えることができるようになっている。ここでいう「搬送系部材の記録モード」とは、記録動作中における搬送系部材の動作形態であって、具体的には搬送ローラ3a,3bの回転速度等をいう。
【0068】
次に、第二の実施形態におけるインクジェットプリンタ1の動作を説明する。画像記録動作前の状態において、記録媒体99は、プラテン2により非記録面を支持された状態で各搬送ローラ3a,3b間に掛けられている。
【0069】
そして、画像記録動作が開始されると各搬送ローラ3a,3bがそれぞれ回転する。これにより、記録媒体99は、プラテン2と画像記録部4との間を後方から前方へ向かうように搬送方向Aに沿って連続的に搬送される。
【0070】
この状態において、各ラインヘッド21〜24が、ノズルから記録媒体99の記録面の画像記録領域に向かってインクを微細な液滴としてそれぞれ吐出するとともに、各紫外線照射部材25〜28の紫外線光源が点灯する。このとき、記録媒体99が各ラインヘッド21〜24を通過する毎に、記録媒体99の画像記録領域にはY,M,C,Kの各色のインクが着弾してその直後にインクに紫外線が照射され、当該インクが硬化して記録媒体99の記録面に定着する。
【0071】
以後、インクジェットプリンタ1が上述の動作を繰り返すことにより、プラテン2と画像記録部4との間を通過した記録媒体99の記録面の画像記録領域に順次画像が記録される。
【0072】
ここで本第二の実施形態のインクジェットプリンタ1では、所定数の画像が記録される毎に紫外線照射部材25〜28が上昇し、各センサ29〜32が紫外線照射部材25〜28の直下を通過しながら紫外線照射部材25〜28の紫外線光源の紫外線の照度をそれぞれ検出するようになっている。
【0073】
そしてセンサ29〜32により紫外線の照度が検出されるとその検出結果が検出信号として制御部33に出力され、制御部33は、センサ29〜32の検出信号に基づき搬送系部材の記録モードを切り替えるようになっている。
【0074】
具体的には制御部33は、センサ29〜32により検出された照度が所定の照度を上回っているか否かを判定し、センサ29〜32により検出された照度が所定の照度を上回っていると判定した場合に、搬送系部材の記録モードを通常の記録モードから高速な記録モードに切り替えて、以下(7)の処理を行う。
【0075】
(7)搬送ローラ3a,3bを高速回転させる旨の駆動信号を搬送ローラ3a,3bの駆動回路に出力して、搬送ローラ3a,3bの回転速度を通常の回転速度より速くする。この場合記録媒体99が高速で搬送されるので、1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができる。
【0076】
さらに制御部33は、センサ29〜32により検出された照度が所定の照度を下回っているか否かを判定し、センサ29〜32により検出された照度が所定の照度を下回っていると判定した場合に、搬送系部材の記録モードを通常の記録モードから低速な記録モードに切り替えて、以下(8)の処理を行う。
【0077】
(8)搬送ローラ3a,3bを低速回転させる旨の駆動信号を搬送ローラ3a,3bの駆動回路に出力して、搬送ローラ3a,3bの回転速度を通常の回転速度より遅くする。この場合、搬送ローラ3a,3bの回転速度が遅くなるため、記録媒体99に着弾したインクに照射される紫外線の照射時間が延長され、インクを充分に硬化させることができる。
【0078】
以上のような第二の実施形態におけるインクジェットプリンタ1では、紫外線照射部材25〜28から照射される紫外線の照度に応じて搬送系部材の記録モードを切り替えることが可能となっており、紫外線の照度に応じた最適な記録モードで画像の記録を行うことができるようになっている。つまり、紫外線の照度が大きい場合には、インクを硬化させるために充分な光量を得られるので通常の記録モードから高速な記録モードに切り替えて1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、紫外線の照度が小さい場合には、インクを硬化させるために充分な光量を得られないので通常の記録モードから低速な記録モードに切り替えて紫外線の照射時間を延長し、インクを充分に硬化させることができる。これらのことより、記録物の品質を低下させずに効率的に画像の記録を行うことができる。
【0079】
なお、本発明は上記第一及び第二の実施形態には限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変更又は改良されてもよい。
【0080】
例えば本第一及び第二の実施形態では、図1に示す紫外線照射部材9,10並びに図6及び図9に示す紫外線照射部61〜68から照射される紫外線の照度に応じて警告を発する警告部(表示パネル、警告ブザー等)を配設してもよい。そして図2に示す制御部14及び図4に示す制御部33が、図1に示すセンサ13及び図3に示すセンサ29〜32により検出された照度が下限照度(インクを硬化させるのに最低限必要な紫外線の照度)を下回っているか否かを判定し、図1に示すセンサ13及び図3に示すセンサ29〜32により検出された照度が下限照度を下回っていると判定した場合に、前記警告部が警告を発するような処理(表示パネルに警告メッセージを表示させる処理、警告ブザーを鳴らす処理等)を行ってもよい。
【0081】
この場合前記警告部から警告が発せられるので、ユーザに対して、図1に示す紫外線照射部材9,10並びに図6及び図9に示す紫外線照射部61〜68の紫外線の照度が下限照度を下回ったことを認識させることができる。つまりユーザに対して、現状の光の照度がインクの硬化に必要な照度を満たしていないことを認識させることができ、これにより、光照射部材のメンテナンス作業・交換作業をユーザに促すことができる。
【0082】
さらに上記第一及び第二の実施形態では、適用可能なインクとして、紫外線の被照射により硬化する光硬化型インク(ラジカル重合系インク,カチオン重合系インク及びハイブリッド型インクを含む。)を例示したが、必ずしもこれには限定されず、上記第一及び第二に用いられるインクは、紫外線以外の光の被照射により硬化するものであってもよい。ここでいう「光」とは、広義の光であって、紫外線,電子線,X線,可視光線,赤外線等の電磁波を含むものである。つまり、本第一及び第二の実施形態に用いられるインクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用されてもよい。紫外線以外の光で硬化する光硬化型のインクを本第一及び第二の実施形態に用いられるインクとして用いる場合は、図1に示す紫外線照射部材9,10並びに図6及び図9に示す紫外線照射部61〜68の各紫外線光源に代えて、その紫外線以外の光を照射する光源を適用しなければならない。
【0083】
さらに本第一及び第二の実施形態に用いられるインクは、上記のような光硬化型インクに限らず、上記光(紫外線,電子線,X線,可視光線,赤外線等の電磁波を含む。)の照射熱によっても硬化するインクであってもよい。この場合、熱により乾燥して硬化する通常のインクジェットプリンタ用のインクを適用することができ、本第一及び第二の実施形態に用いられるインクの汎用性が高まる。
【0084】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、例えば、光の照度が大きい場合には、インクを硬化させるために充分な光量を得られるので通常の記録モードから高速な記録モードに切り替えて1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、光の照度が小さい場合には、インクを硬化させるために充分な光量を得られないので通常の記録モードから低速な記録モードに切り替えて光の照射時間を延長しインクを充分に硬化させることができる。これらのことより、記録物の品質を低下させずに効率的に画像の記録を行うことができる。
【0085】
請求項2に記載の発明によれば、例えば、光の照度が大きい場合には、キャリッジの移動速度を通常より速くして1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、光の照度が小さい場合には、キャリッジの移動速度を通常より遅くして光の照射時間を延長しインクを充分に硬化させることができる。
【0086】
請求項3に記載の発明によれば、例えば、光の照度が大きい場合には、使用ノズル数を通常より多くして1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、光の照度が小さい場合には、使用ノズル数を通常より減らしてキャリッジの移動回数を増やし、これにより光の照射時間を延長してインクを充分に硬化させることができる。
【0087】
請求項4に記載の発明によれば、例えば、光の照度が大きい場合には、キャリッジの1回の移動毎にキャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔を通常より狭めて1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、光の照度が小さい場合には、キャリッジの1回の移動毎にキャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔を通常より広くしてキャリッジの移動回数を増やし、これにより光の照射時間を延長してインクを充分に硬化させることができる。
【0088】
請求項5に記載の発明によれば、キャリッジの移動速度が通常より遅くなるので光の照射時間が延長され、これによりインクを充分に硬化させることができる。
【0089】
請求項6に記載の発明によれば、使用ノズル数が通常よりも減るのでキャリッジの移動回数が増えて光の照射時間が延長され、これによりインクを充分に硬化させることができる。
【0090】
請求項7に記載の発明によれば、キャリッジの1回の移動毎にキャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔が通常よりも広くなるので、キャリッジの移動回数が増えて光の照射時間が延長され、これによりインクを充分に硬化させることができる。
【0091】
請求項8に記載の発明によれば、例えば、光の照度が大きい場合には、搬送ローラの回転速度を通常より速くして記録媒体の搬送速度を速め1つの画像を記録するのにかかる時間を短縮することができ、一方、光の照度が小さい場合には、搬送ローラの回転速度を通常より遅くして記録媒体の搬送速度を遅め、これにより光の照射時間を延長してインクを充分に硬化させることができる。
【0092】
請求項9に記載の発明によれば、搬送ローラの回転速度が通常より遅くなるので記録媒体の搬送速度が遅くなり、これにより光の照射時間が延長されてインクを充分に硬化させることができる。
【0093】
請求項10に記載の発明によれば、光照射部材から照射される光が光エネルギーの大きい短波長の紫外線であるので、光源が小さくても大きな照度を得られる。従って、インクジェットプリンタが光源により大型化するのを防止できる。
【0094】
請求項11に記載の発明によれば、画像の記録に用いられるインクが、カチオン重合性化合物を含む光硬化型インクであるので、光の照度が比較的小さくても充分に硬化し画質の低下を抑えることができる。
【0095】
請求項12に記載の発明によれば、センサにより検出された照度が下限照度を下回っている場合に警告部から警告が発せられるので、ユーザに対して、現状の光の照度がインクの硬化に必要な照度を満たしていないことを認識させることができ、これにより、光照射部材のメンテナンス作業・交換作業をユーザに促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態におけるインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】第一の実施形態におけるインクジェットプリンタの概略的な制御構成を示すブロック図である。
【図3】第二の実施形態におけるインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図4】第二の実施形態におけるインクジェットプリンタの概略的な制御構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ
2…プラテン
3a,3b…搬送ローラ
4…画像記録部
5〜8…記録ヘッド
9,10,25〜28…紫外線照射部材(光照射部材)
11…キャリッジ
12…ガイド部材
13,29〜32…センサ
14…制御部
21〜24…ラインヘッド
A…搬送方向
B…走査方向(記録媒体の搬送方向と直交する方向)
C…直交方向(記録媒体の搬送方向と直交する方向)

Claims (12)

  1. 記録媒体を所定の方向に搬送する搬送系部材と、
    光の照射又は照射熱により硬化するインクを用いて記録媒体に画像を記録する記録系部材と、
    記録媒体に着弾したインクに光を照射する光照射部材と、
    前記光照射部材から照射される光の照度を検出するセンサと、
    前記搬送系部材及び前記記録系部材をそれぞれ制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記センサの検出結果に基づき、前記搬送系部材又は前記記録系部材の記録モードを切り替えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記記録系部材には、記録媒体に前記インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッド及び前記光照射部材をそれぞれ搭載しかつ記録媒体の搬送方向と直交する方向に移動自在なキャリッジとが含まれ、
    前記制御部は、
    前記記録系部材の記録モードを切り替えて前記キャリッジの移動速度を切り替えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記記録系部材には、記録媒体に前記インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッド及び前記光照射部材をそれぞれ搭載しかつ記録媒体の搬送方向と直交する方向に移動自在なキャリッジとが含まれ、
    前記記録ヘッドには、前記インクを微小な液滴として吐出する複数のノズルが記録媒体の搬送方向に沿って配列され、
    前記制御部は、
    前記記録系部材の記録モードを切り替えて記録動作中に使用される前記記録ヘッドのノズル数を切り替えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記記録系部材には、記録媒体に前記インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッド及び前記光照射部材をそれぞれ搭載しかつ記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動自在なキャリッジとが含まれ、
    前記制御部は、
    前記記録系部材の記録モードを切り替えて、前記キャリッジの1回の移動毎に形成される各ドットのうち前記キャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔を切り替えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 請求項2に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記制御部は、
    前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っているか否かを判定し、前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っていると判定した場合に、前記記録系部材の記録モードを切り替えて、前記キャリッジの移動速度を通常の記録モード時の移動速度よりも遅くすることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 請求項3に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記制御部は、
    前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っているか否かを判定し、前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っていると判定した場合に、前記記録系部材の記録モードを切り替えて、記録動作中に使用される前記記録ヘッドのノズル数を通常の記録モード時に使用されるノズル数よりも減らすことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  7. 請求項4に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記制御部は、
    前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っているか否かを判定し、前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っていると判定した場合に、前記記録系部材の記録モードを切り替えて、前記キャリッジの1回の移動毎に形成される各ドットのうち前記キャリッジの移動方向に沿うドット同士の間隔を通常の記録モード時のドット同士の間隔より広くすることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  8. 請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記搬送系部材には、所定方向に回転して記録媒体を搬送する搬送ローラが含まれ、
    前記記録系部材には、記録媒体の略全幅にわたって記録媒体の搬送方向と直交する方向に延在するラインヘッドが含まれ、
    前記制御部は、
    前記搬送系部材の記録モードを切り替えて前記搬送ローラの回転速度を切り替えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  9. 請求項8に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記制御部は、
    前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っているか否かを判定し、前記センサにより検出された照度が所定の照度を下回っていると判定した場合に、前記搬送系部材の記録モードを切り替えて、前記搬送ローラの回転速度を通常の記録モード時の回転速度よりも遅くすることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記光は紫外線であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記インクは、カチオン重合性化合物を含む光硬化型インクであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記光照射部材から照射される光の照度に応じて警告を発する警告部を備え、
    前記制御部は、
    前記センサにより検出された照度が下限照度を下回っているか否かを判定し、前記センサにより検出された照度が下限照度を下回っていると判定した場合に、前記警告部が警告を発するように前記警告部を制御することを特徴とするインクジェットプリンタ。
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