JP2004188124A - 金属製ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ヘッド本体とは別体からなるフェース部材を取り付けたゴルフクラブヘッドにおいて、打球時のフェース部材のたわみ量を損なわないようにし、飛距離を落とさないフェース部材の取り付け構造を提供することを目的とする。
【解決手段】トウ−トップエッジ側の領域15と、トウ−リーディングエッジ側の領域16と、ヒール−トップエッジ側の領域17と、ヒール−リーディングエッジ側の領域18の4箇所に、受部5を設けて、圧力がヘッド本体2の特定箇所に集中しないようにするとともに、有効フェース長さAを確保する。
【選択図】図7
【解決手段】トウ−トップエッジ側の領域15と、トウ−リーディングエッジ側の領域16と、ヒール−トップエッジ側の領域17と、ヒール−リーディングエッジ側の領域18の4箇所に、受部5を設けて、圧力がヘッド本体2の特定箇所に集中しないようにするとともに、有効フェース長さAを確保する。
【選択図】図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッド本体と、前記ヘッド本体とは別部材で構成するフェース部材からなる金属製ゴルフクラブ、特にアイアンクラブにおいて、反発性能を低下させないようにヘッド本体とフェース部材を固着する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ヘッド本体の材料より比重の小さい材料をフェース部材に使用し、ヘッドの重心位置をヘッドの後方にすることで、慣性モーメントを大きくし、スイートエリアを大きくしたゴルフクラブヘッドは公知である(例えば、特許文献1)。また、打球時にフェース部のたわみ量を大きくする方が、反発係数が向上し、飛距離が増加することが知られており、フェース部材に、ヘッド本体の材料よりも撓みやすい材料を用いるゴルフクラブヘッドも公知である(例えば、特許文献2)。
【0003】
このようなゴルフクラブヘッドでは、フェース部材にはチタンやチタン合金が用いられることが多い。一方でヘッド本体には、ヘッドの周辺に質量を集中させ、慣性モーメントを大きくするために、比重の大きいステンレス等の鉄系材料が使用される。
【0004】
しかし、このように融点の異なる材料を組み合わせて用いるので、最も簡便な接合方法である溶接をすることができず、嵌合、接着等の方法で固着されている。
【0005】
このため、ヘッド本体のフェース部材を嵌合する凹部の底面に、前記フェース部材と接する受部を設ける必要がある。受部は、嵌合ではフェース部材をヘッド本体の凹部に圧入する時の圧力を受け止める役割を持つ。従って圧入時の圧力9.8MPa(100kgf/cm2)をうけても変形や破壊が起きない必要がある。
【0006】
また、接着では、受部の面積が接着面積となるため、打球時の衝撃でもフェース部材がヘッド本体から剥離しない程度の接着面積を確保する必要がある。このように、圧入時の受部の単位面積当たりの圧力を減らすため、また、十分な接着強度を確保するために、受部の幅は最低でも4mm以上必要である。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−337222号公報
【特許文献2】
特開2000−24146号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように受部の幅を広く取る構造では、フェース部材にヘッド本体の材料よりもヤング率の低い材料を用いているにもかかわらず、有効フェース長さAが短くなるため、フェース部材のたわみ量が抑えられ、飛距離が落ちるという問題点を有していた。
【0009】
本発明は、かかる問題点を解決するために、ヘッド本体とは別体からなるフェース部材を取り付けたゴルフクラブヘッドにおいて、打球時のフェース部材のたわみ量を損なわないようにし、飛距離を落とさないフェース部材の取り付け構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための請求項1における本発明は、ヘッド本体の材料より比重の小さい材料をフェース部材に使用し、前記ヘッド本体のフェース部に前記フェース部材を嵌合するための凹部と、前記凹部の底面に前記フェース部材と接する受部を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部の幅が0.5mm以上3.0mm以下で一定であることを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0011】
図11に示すように、フェース部のスコアラインを設けた部分の中央部において、フェース部材が固着されること無く自由に変形できる長さを有効フェース長さとすると、フェース部のたわみ量は有効フェース長さAの3乗に比例し、有効フェース長さAが10%増加すれば、約33.1%のたわみ量の増加をもたらすことになる。
【0012】
図9に示すように、受部の幅が4.0mmである従来のアイアンヘッドでは、有効フェース長さが30.5mmとなり反発係数は0.750程度であるが、受部の幅を2.5mmとした本発明のアイアンヘッドでは、図10に示すように有効フェース長さが33.5mmとなり、反発係数は0.775と向上している。反発係数が0.01上がると飛距離は約2m伸びるとされており、0.025の差は約5mの差となるのである。
【0013】
一方で、受部の幅を狭くすることにより、フェース部材と本体との接着面積が減少する。例えば、従来品においては受部の幅が4mm以上であるため、接着面積も略700mm2〜略900mm2あるのであるが、受部の幅を2.5mmとすると、接着面積は略550mm2にまで減少する。
【0014】
しかしながら、本発明では、フェース部材の裏面と受部の両面を、NC加工もしくはミーリング加工を行い平滑な平面にすることによって、接着力を約25%向上させることができたので、従来品と同等もしくはそれ以上の接着強度を確保することができる。
【0015】
課題を解決するための、請求項2における本発明は、ヘッド本体の材料より比重の小さい材料をフェース部材に使用し、前記ヘッド本体のフェース部に前記フェース部材を嵌合するための凹部と、前記凹部の底面に前記フェース部材と接する受部を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部の幅の一部を他の部分よりも狭くしたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0016】
受部の幅は、圧入時の圧力や接着面積が確保できる範囲で狭くすることが望ましいが、打球時のフェース部のたわみ量を大きくするためには、受部の幅を全周にわたり一律に狭くするよりも、図3に示すように、リーディングエッジ側やトップエッジ側の幅を狭くして有効フェース長さAを長くするようにすることが望ましい。
【0017】
課題を解決するための、請求項3における本発明は、ヘッド本体の材料より比重の小さい材料をフェース部材に使用し、前記ヘッド本体のフェース部に前記フェース部材を嵌合するための凹部と、前記凹部の底面に前記フェース部材と接する受部を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部の一部をなくしたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0018】
ヘッド本体にフェース部材を固着する方法として圧入を用いる場合は、ヘッド本体の変形を防ぐように圧力をフェース部に均等に加える必要があり、受部は凹部の全周にわたって設けることが望ましい。しかしながら、固着方法として接着を用いる場合は、必要な接着面積が確保できれば、受部が凹部の全周に配置される必要はないのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。図1は、ヘッド本体2のフェース部3にフェース部材10を嵌合するための凹部4と、前記凹部4の底面11に前記フェース部材10と接する受部5を設けた金属製ゴルフクラブヘッドで、前記受部5の幅が0.5mmから3.0mmの範囲で一定であることを特徴とするゴルフクラブヘッド1である。受部5の内側は、貫通孔または段差を介して壁面とし、フェース部材10が拘束されないようにしている。
【0020】
ヘッド本体2はステンレス鋼(比重:約7.8)で形成し、フェース部材10は、チタン、チタニウム合金(比重:約4.5)、マグネシウム合金等の比重が小さく、ヤング率の低い材料により形成することが望ましい。
【0021】
また本発明では、打球時のフェース部3のたわみ量を大きくして反発特性を改善することを目的としているが、反発係数の測定方法は米国ゴルフ協会のホームページに記載されている方法に準じた。ホームページのアドレスは2002年12月9日現在ではhttp://www.usga.org/test_center/test_protocol.htmlである。
【0022】
【実施例】
本発明の実施例を説明する。図2は、トップエッジに沿う領域7の受部5の幅を、その他の受部5の幅よりも狭くした実施例である。本実施例では、トップエッジに沿う領域7の受部5の幅を2.0mm、その他の受部5の幅を3.0mmとした。ゴルフクラブヘッド1のフェース部3は、トウ・ヒール方向に長く、ソール・トップ方向に短い。従って、開口寸法の最も小さくなるソール−トップ方向の有効フェース長さAが大きくなるように、トップエッジに沿う領域7、またはリーディングエッジに沿う領域8の受部5の幅を狭くすることで、フェース部3のたわみ量を維持することができた。
【0023】
図3は、トップエッジに沿う領域7とリーディングエッジに沿う領域8の受部5の幅を、他の部分の幅よりも狭くしたことを特徴とするゴルフクラブヘッド1である。この例では、トップエッジに沿う領域7とリーディングエッジに沿う領域8の受部の幅を2.0mmとし、他の部分の受部の幅を3.0mmとした。
【0024】
図4は、トップエッジに沿う領域7の受部5の一部に切り欠き部6を設けた実施例である。また、図5はリーディングエッジに沿う領域8の受部5の一部に切り欠き部6を設けた実施例である。ボールを最も高い確率で打撃するフェース部3の中央部付近の受部5を切り欠くことで、フェース部材10のたわみ量を確保すると共に、有効フェース長さAの寸法も大きくすることができた。
【0025】
また、同様の効果を得るためには、先に示したように受部5の一部を完全になくさなくてもよい。図6は、トップエッジに沿う領域7の中央の受部5の幅を、前記トップエッジに沿う領域7の他の部分よりも狭くした実施例である。
【0026】
図7は、トウ−トップエッジ側の領域15と、トウ−リーディングエッジ側の領域16と、ヒール−トップエッジ側の領域17と、ヒール−リーディングエッジ側の領域18の4箇所に、トウ−ヒール方向の長さが10mm程度の受部5を設けた実施例である。
【0027】
ヘッド本体2とフェース部材10の固着方法が圧入である時は、受部5の背面に受けジグを配置する等、圧力がヘッド本体2の特定箇所に集中しないようにすれば変形を防いで固着することができるから、図7に示すように、できる限り受部5を凹部4の周囲に設けない方がフェース部3のたわみ量を大きくすることができる。
【0028】
図8は、トップエッジ7に沿う領域7と、リーディングエッジに沿う領域8の受部5をなくした実施例である。ゴルフクラブヘッド本体1とフェース部材10の固着方法が接着である場合は、接着面積を確保できれば、受部5の位置はあまり影響がない。
【0029】
従って、開口寸法の最も小さくなるトップ19からソール20方向の有効フェース長さAが大きくなるように、トップエッジに沿う領域7、またはリーディングエッジに沿う領域8の受部5をなくして、トウ側とヒール側の受部5の幅を5.0mmにして、接着面積を確保した。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、ヘッド本体の材料より比重の小さい材料をフェース部材に使用し、前記ヘッド本体のフェース部に前記フェース部材を嵌合するための凹部と、前記凹部の底面に前記フェース部材と接する受部を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部の幅が0.5mm以上3.0mm以下で一定であるようにし、また、必要に応じて受部の幅を狭くしたり、あるいはトップエッジに沿う領域やリーディングエッジに沿う領域の受部をなくすことで、フェース部のたわみ量を大きくし、反発特性を良好に保つことができる。また、スイートエリアを拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は受部の幅を一定とした実施例のヘッド本体の正面図
【図2】図2はトップエッジに沿う領域の受部の幅を狭くした実施例のヘッド本体の正面図
【図3】図3はトップエッジに沿う領域とリーディングエッジに沿う領域の受部の幅を狭くした実施例のヘッド本体の正面図
【図4】図4はトップエッジに沿う領域の一部をなくした実施例のヘッド本体の正面図
【図5】図5はリーディングエッジに沿う領域の一部をなくした実施例のヘッド本体の正面図
【図6】図6はトップエッジに沿う領域の受部の幅を他のトップエッジに沿う領域よりも狭くした実施例のヘッド本体の正面図
【図7】図7は4箇所に受部を設けた実施例のヘッド本体の正面図
【図8】図8はトップエッジ7に沿う領域と、リーディングエッジに沿う領域の受部をなくした実施例のヘッド本体の正面図
【図9】図9は従来のゴルフクラブヘッドのL−L’断面図
【図10】図10は本発明のゴルフクラブヘッドのL−L’断面図
【図11】図11は従来のゴルフクラブヘッド
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド、2 ヘッド本体、3 フェース部、4 凹部、5 受部、6 切り欠き部、7 トップエッジ、8 リーディングエッジ、10 フェース部材、11 底面、15 トウ−トップエッジ側の領域、16 トウ−リーディングエッジ側の領域、17 ヒール−トップエッジ側の領域、18ヒール−リーディングエッジ側の領域、19 トップ、20 ソール、A 有効フェース長さ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッド本体と、前記ヘッド本体とは別部材で構成するフェース部材からなる金属製ゴルフクラブ、特にアイアンクラブにおいて、反発性能を低下させないようにヘッド本体とフェース部材を固着する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ヘッド本体の材料より比重の小さい材料をフェース部材に使用し、ヘッドの重心位置をヘッドの後方にすることで、慣性モーメントを大きくし、スイートエリアを大きくしたゴルフクラブヘッドは公知である(例えば、特許文献1)。また、打球時にフェース部のたわみ量を大きくする方が、反発係数が向上し、飛距離が増加することが知られており、フェース部材に、ヘッド本体の材料よりも撓みやすい材料を用いるゴルフクラブヘッドも公知である(例えば、特許文献2)。
【0003】
このようなゴルフクラブヘッドでは、フェース部材にはチタンやチタン合金が用いられることが多い。一方でヘッド本体には、ヘッドの周辺に質量を集中させ、慣性モーメントを大きくするために、比重の大きいステンレス等の鉄系材料が使用される。
【0004】
しかし、このように融点の異なる材料を組み合わせて用いるので、最も簡便な接合方法である溶接をすることができず、嵌合、接着等の方法で固着されている。
【0005】
このため、ヘッド本体のフェース部材を嵌合する凹部の底面に、前記フェース部材と接する受部を設ける必要がある。受部は、嵌合ではフェース部材をヘッド本体の凹部に圧入する時の圧力を受け止める役割を持つ。従って圧入時の圧力9.8MPa(100kgf/cm2)をうけても変形や破壊が起きない必要がある。
【0006】
また、接着では、受部の面積が接着面積となるため、打球時の衝撃でもフェース部材がヘッド本体から剥離しない程度の接着面積を確保する必要がある。このように、圧入時の受部の単位面積当たりの圧力を減らすため、また、十分な接着強度を確保するために、受部の幅は最低でも4mm以上必要である。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−337222号公報
【特許文献2】
特開2000−24146号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように受部の幅を広く取る構造では、フェース部材にヘッド本体の材料よりもヤング率の低い材料を用いているにもかかわらず、有効フェース長さAが短くなるため、フェース部材のたわみ量が抑えられ、飛距離が落ちるという問題点を有していた。
【0009】
本発明は、かかる問題点を解決するために、ヘッド本体とは別体からなるフェース部材を取り付けたゴルフクラブヘッドにおいて、打球時のフェース部材のたわみ量を損なわないようにし、飛距離を落とさないフェース部材の取り付け構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための請求項1における本発明は、ヘッド本体の材料より比重の小さい材料をフェース部材に使用し、前記ヘッド本体のフェース部に前記フェース部材を嵌合するための凹部と、前記凹部の底面に前記フェース部材と接する受部を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部の幅が0.5mm以上3.0mm以下で一定であることを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0011】
図11に示すように、フェース部のスコアラインを設けた部分の中央部において、フェース部材が固着されること無く自由に変形できる長さを有効フェース長さとすると、フェース部のたわみ量は有効フェース長さAの3乗に比例し、有効フェース長さAが10%増加すれば、約33.1%のたわみ量の増加をもたらすことになる。
【0012】
図9に示すように、受部の幅が4.0mmである従来のアイアンヘッドでは、有効フェース長さが30.5mmとなり反発係数は0.750程度であるが、受部の幅を2.5mmとした本発明のアイアンヘッドでは、図10に示すように有効フェース長さが33.5mmとなり、反発係数は0.775と向上している。反発係数が0.01上がると飛距離は約2m伸びるとされており、0.025の差は約5mの差となるのである。
【0013】
一方で、受部の幅を狭くすることにより、フェース部材と本体との接着面積が減少する。例えば、従来品においては受部の幅が4mm以上であるため、接着面積も略700mm2〜略900mm2あるのであるが、受部の幅を2.5mmとすると、接着面積は略550mm2にまで減少する。
【0014】
しかしながら、本発明では、フェース部材の裏面と受部の両面を、NC加工もしくはミーリング加工を行い平滑な平面にすることによって、接着力を約25%向上させることができたので、従来品と同等もしくはそれ以上の接着強度を確保することができる。
【0015】
課題を解決するための、請求項2における本発明は、ヘッド本体の材料より比重の小さい材料をフェース部材に使用し、前記ヘッド本体のフェース部に前記フェース部材を嵌合するための凹部と、前記凹部の底面に前記フェース部材と接する受部を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部の幅の一部を他の部分よりも狭くしたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0016】
受部の幅は、圧入時の圧力や接着面積が確保できる範囲で狭くすることが望ましいが、打球時のフェース部のたわみ量を大きくするためには、受部の幅を全周にわたり一律に狭くするよりも、図3に示すように、リーディングエッジ側やトップエッジ側の幅を狭くして有効フェース長さAを長くするようにすることが望ましい。
【0017】
課題を解決するための、請求項3における本発明は、ヘッド本体の材料より比重の小さい材料をフェース部材に使用し、前記ヘッド本体のフェース部に前記フェース部材を嵌合するための凹部と、前記凹部の底面に前記フェース部材と接する受部を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部の一部をなくしたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0018】
ヘッド本体にフェース部材を固着する方法として圧入を用いる場合は、ヘッド本体の変形を防ぐように圧力をフェース部に均等に加える必要があり、受部は凹部の全周にわたって設けることが望ましい。しかしながら、固着方法として接着を用いる場合は、必要な接着面積が確保できれば、受部が凹部の全周に配置される必要はないのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。図1は、ヘッド本体2のフェース部3にフェース部材10を嵌合するための凹部4と、前記凹部4の底面11に前記フェース部材10と接する受部5を設けた金属製ゴルフクラブヘッドで、前記受部5の幅が0.5mmから3.0mmの範囲で一定であることを特徴とするゴルフクラブヘッド1である。受部5の内側は、貫通孔または段差を介して壁面とし、フェース部材10が拘束されないようにしている。
【0020】
ヘッド本体2はステンレス鋼(比重:約7.8)で形成し、フェース部材10は、チタン、チタニウム合金(比重:約4.5)、マグネシウム合金等の比重が小さく、ヤング率の低い材料により形成することが望ましい。
【0021】
また本発明では、打球時のフェース部3のたわみ量を大きくして反発特性を改善することを目的としているが、反発係数の測定方法は米国ゴルフ協会のホームページに記載されている方法に準じた。ホームページのアドレスは2002年12月9日現在ではhttp://www.usga.org/test_center/test_protocol.htmlである。
【0022】
【実施例】
本発明の実施例を説明する。図2は、トップエッジに沿う領域7の受部5の幅を、その他の受部5の幅よりも狭くした実施例である。本実施例では、トップエッジに沿う領域7の受部5の幅を2.0mm、その他の受部5の幅を3.0mmとした。ゴルフクラブヘッド1のフェース部3は、トウ・ヒール方向に長く、ソール・トップ方向に短い。従って、開口寸法の最も小さくなるソール−トップ方向の有効フェース長さAが大きくなるように、トップエッジに沿う領域7、またはリーディングエッジに沿う領域8の受部5の幅を狭くすることで、フェース部3のたわみ量を維持することができた。
【0023】
図3は、トップエッジに沿う領域7とリーディングエッジに沿う領域8の受部5の幅を、他の部分の幅よりも狭くしたことを特徴とするゴルフクラブヘッド1である。この例では、トップエッジに沿う領域7とリーディングエッジに沿う領域8の受部の幅を2.0mmとし、他の部分の受部の幅を3.0mmとした。
【0024】
図4は、トップエッジに沿う領域7の受部5の一部に切り欠き部6を設けた実施例である。また、図5はリーディングエッジに沿う領域8の受部5の一部に切り欠き部6を設けた実施例である。ボールを最も高い確率で打撃するフェース部3の中央部付近の受部5を切り欠くことで、フェース部材10のたわみ量を確保すると共に、有効フェース長さAの寸法も大きくすることができた。
【0025】
また、同様の効果を得るためには、先に示したように受部5の一部を完全になくさなくてもよい。図6は、トップエッジに沿う領域7の中央の受部5の幅を、前記トップエッジに沿う領域7の他の部分よりも狭くした実施例である。
【0026】
図7は、トウ−トップエッジ側の領域15と、トウ−リーディングエッジ側の領域16と、ヒール−トップエッジ側の領域17と、ヒール−リーディングエッジ側の領域18の4箇所に、トウ−ヒール方向の長さが10mm程度の受部5を設けた実施例である。
【0027】
ヘッド本体2とフェース部材10の固着方法が圧入である時は、受部5の背面に受けジグを配置する等、圧力がヘッド本体2の特定箇所に集中しないようにすれば変形を防いで固着することができるから、図7に示すように、できる限り受部5を凹部4の周囲に設けない方がフェース部3のたわみ量を大きくすることができる。
【0028】
図8は、トップエッジ7に沿う領域7と、リーディングエッジに沿う領域8の受部5をなくした実施例である。ゴルフクラブヘッド本体1とフェース部材10の固着方法が接着である場合は、接着面積を確保できれば、受部5の位置はあまり影響がない。
【0029】
従って、開口寸法の最も小さくなるトップ19からソール20方向の有効フェース長さAが大きくなるように、トップエッジに沿う領域7、またはリーディングエッジに沿う領域8の受部5をなくして、トウ側とヒール側の受部5の幅を5.0mmにして、接着面積を確保した。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、ヘッド本体の材料より比重の小さい材料をフェース部材に使用し、前記ヘッド本体のフェース部に前記フェース部材を嵌合するための凹部と、前記凹部の底面に前記フェース部材と接する受部を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部の幅が0.5mm以上3.0mm以下で一定であるようにし、また、必要に応じて受部の幅を狭くしたり、あるいはトップエッジに沿う領域やリーディングエッジに沿う領域の受部をなくすことで、フェース部のたわみ量を大きくし、反発特性を良好に保つことができる。また、スイートエリアを拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は受部の幅を一定とした実施例のヘッド本体の正面図
【図2】図2はトップエッジに沿う領域の受部の幅を狭くした実施例のヘッド本体の正面図
【図3】図3はトップエッジに沿う領域とリーディングエッジに沿う領域の受部の幅を狭くした実施例のヘッド本体の正面図
【図4】図4はトップエッジに沿う領域の一部をなくした実施例のヘッド本体の正面図
【図5】図5はリーディングエッジに沿う領域の一部をなくした実施例のヘッド本体の正面図
【図6】図6はトップエッジに沿う領域の受部の幅を他のトップエッジに沿う領域よりも狭くした実施例のヘッド本体の正面図
【図7】図7は4箇所に受部を設けた実施例のヘッド本体の正面図
【図8】図8はトップエッジ7に沿う領域と、リーディングエッジに沿う領域の受部をなくした実施例のヘッド本体の正面図
【図9】図9は従来のゴルフクラブヘッドのL−L’断面図
【図10】図10は本発明のゴルフクラブヘッドのL−L’断面図
【図11】図11は従来のゴルフクラブヘッド
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド、2 ヘッド本体、3 フェース部、4 凹部、5 受部、6 切り欠き部、7 トップエッジ、8 リーディングエッジ、10 フェース部材、11 底面、15 トウ−トップエッジ側の領域、16 トウ−リーディングエッジ側の領域、17 ヒール−トップエッジ側の領域、18ヒール−リーディングエッジ側の領域、19 トップ、20 ソール、A 有効フェース長さ
Claims (4)
- ヘッド本体(2)の材料より比重の小さい材料をフェース部材(10)に使用し、前記ヘッド本体のフェース部(3)に前記フェース部材を嵌合するための凹部(4)と、前記凹部の底面(11)に前記フェース部材と接する受部(5)を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部(5)の幅が0.5mm以上3.0mm以下で一定であることを特徴とするゴルフクラブヘッド(1)。
- ヘッド本体(2)の材料より比重の小さい材料をフェース部材(10)に使用し、前記ヘッド本体のフェース部(3)に前記フェース部材(10)を嵌合するための凹部(4)と、前記凹部の底面(11)に前記フェース部材(10)と接する受部(5)を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部(5)の幅の一部を他の部分よりも狭くしたことを特徴とするゴルフクラブヘッド(1)。
- ヘッド本体(2)の材料より比重の小さい材料をフェース部材(10)に使用し、前記ヘッド本体のフェース部(3)に前記フェース部材を嵌合するための凹部(4)と、前記凹部の底面(11)に前記フェース部材(10)と接する受部(5)を設けた金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、前記受部(5)の一部をなくしたことを特徴とするゴルフクラブヘッド(1)。
- 受部(5)をなくした部分が、トップエッジ(7)に沿う領域と、リーディングエッジ(8)に沿う領域であることを特徴とする、請求項3のゴルフクラブヘッド(1)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363045A JP2004188124A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 金属製ゴルフクラブヘッド |
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