JP2004188029A - 無洗米用炊飯装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無洗米及び水加減水が収容される内釜11を有した炊飯器3と、前記内釜11を開閉自在に閉鎖する蓋体12と、前記内釜11内に配設され該内釜11の内面に炊飯ネット38を沿わせた状態で支持するネットスタンド39と、内釜11内で無洗米及び水加減水をかき混ぜる攪拌部5とを備え、
前記攪拌部5は、内釜11内でネットスタンド39に支持された攪拌部材25と、前記蓋体12側に設けられ前記攪拌部材25を駆動する駆動手段26とを備えており、前記蓋体12を閉じることによって攪拌部材25と駆動手段26とを接続し、蓋体12を開くことによって攪拌部材25と駆動手段26とを切り離すように構成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無洗米の炊飯に適した炊飯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、米を洗うことなく炊飯することができる無洗米が注目を浴びつつあり、一般家庭はもとより外食産業においても作業の省力化の観点から重要視されている。また、無洗米を炊飯可能とした炊飯装置も種々提案されるに至っている。
その一つとして、下記特許文献には、一釜分量の無洗米と炊飯用水とを炊飯釜に投入して炊飯を行う炊飯装置が開示されており、詳しくは、貯米タンクの下方に炊飯器を備え、この貯米タンク下部の排米口から炊飯器の内釜に米を投入し、この排米口の近傍に設けた給水手段により内釜に炊飯用水(水加減水)を投入し、その後炊飯を行うものとなっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−194320号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような無洗米は、洗米が不要であるといっても米の表面には糠、澱粉質等の溶質固形分が残存しており、これが浸し工程中に内釜内で水加減水に溶け出すことがある。溶け出した糠等は内釜の底部に沈殿するため、そのまま炊飯を行うと糠等が加熱されて固まり、これが壁となって内釜底部の温度が局所的に上昇し逆に内部の米に充分熱が伝わり難くなることがあった。
このような現象を生じると、内釜の底部が所定の炊飯完了温度に達したことを感熱センサーで検知したときに内釜内の米は生煮え状態であるのに炊飯完了と判断し、早期に加熱を終えてしまうという「早切れ」の原因になる。
【0005】
また、内釜内に米を投入したあとに水加減水を投入すると、所々に吸水ブロック(乾いた米の周りを吸水した米が取り囲み塊状となる現象)が生じることがあり、これは炊きムラの原因になるため、従来はこの吸水ブロックを手でつぶすという煩わしい作業が必要であり、これが作業能率を著しく下げる要因となっていた。
本発明は、内釜内で無洗米及び水加減水をかき混ぜることにより、上記のような問題が生じることなく良好に無洗米を炊飯することができる無洗米用炊飯装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を講じている。
本発明にかかる無洗米用炊飯装置は、無洗米及び水加減水が収容される内釜を有した炊飯器と、前記内釜を開閉自在に閉鎖する蓋体と、前記内釜内で無洗米及び水加減水をかき混ぜる攪拌部とを備えたものとなっている。
かかる攪拌部によって内釜内に収納した無洗米及び水加減水をかき混ぜることで、糠やでんぷん質等が内釜底に沈殿することはほとんどなくなり、吸水ブロックも崩すことが可能となる。したがって、早切れや炊飯ムラを防止でき、おいしいご飯が炊けるようになる。
【0007】
そして、前記攪拌部は、前記内釜内に配設された攪拌部材と、前記蓋体側に設けられ前記攪拌部材を駆動する駆動手段とを備えており、前記蓋体を閉じることによって攪拌部材と駆動手段とを接続可能とし、蓋体を開くことによって攪拌部材と駆動手段とを切り離すように構成している。
したがって、攪拌部材と駆動手段とは、蓋体を閉じることによって接続されるため、この状態で駆動手段からの動力により攪拌部材を作動させることができ、蓋体を開くことによって切り離されるため、攪拌部材は蓋体とともに持ち上げられず内釜内に残るようになり、炊飯後、スムーズに蓋体を開くことができるし、攪拌部材に付着したご飯を持ち上げることもない。
【0008】
また、本発明は、無洗米及び水加減水が収容される内釜を有した炊飯器と、前記内釜を開閉自在に閉鎖する蓋体と、前記内釜内に配設され該内釜の内面に炊飯ネットを沿わせた状態で支持するネットスタンドと、内釜内で無洗米及び水加減水をかき混ぜる攪拌部とを備えたものとなっている。
攪拌部によって内釜内に収納した無洗米及び水加減水をかき混ぜることで、上記と同様に糠やでんぷん質等が内釜底に沈殿することはほとんどなくなり、吸水ブロックも崩すことが可能となり、早切れや炊飯ムラを防止しておいしいご飯が炊けるようになる。
【0009】
そして、前記攪拌部は、内釜内でネットスタンドに支持された攪拌部材と、前記蓋体側に設けられ前記攪拌部材を駆動する駆動手段とを備えており、前記蓋体を閉じることによって攪拌部材と駆動手段とを接続可能とし、蓋体を開くことによって攪拌部材と駆動手段とを切り離すように構成している。
したがって、攪拌部材と駆動手段とは、蓋体を閉じることによって接続されるため、この状態で駆動手段からの動力により攪拌部材を作動させることができ、蓋体を開くことによって切り離されるため、攪拌部材は蓋体とともに持ち上げられず内釜内に残るようになり、炊飯後、スムーズに蓋体を開くことができるし、攪拌部材に付着したご飯を持ち上げることもない。
【0010】
また、ネットスタンドに攪拌部材が支持されるため、攪拌部材を支持する部材を内釜内に別途設ける必要が無く、コスト抑制が可能となる。
攪拌部材と駆動手段との接続、切り離しの形態としては、前記攪拌部材に係合具を形成し、前記駆動手段に、蓋体の開閉により前記係合具に係脱自在に係合し縦軸回りに回転する被係合具を形成することが好ましい。
前記攪拌部材は、ネットスタンドに対して上下方向の軸心回りに回転自在に支持したり、揺動自在に支持することができる。
【0011】
また、前記内釜内の水を排水する機能を備えていることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図6及び図7は、本発明にかかる無洗米用炊飯装置1を示している。この炊飯装置1は、装置フレーム2と、炊飯器3と、給水部4と、攪拌部5とを備えて主構成され、装置フレーム2は下部にベース部材6を備えると共に、ベース部材6の一側部に箱形の装置ボックス7を立設したものとなっている。
ベース部材6上は炊飯器3を載せるための載置台8とされており、この載置台8に載せた炊飯器3と装置ボックス7とが左右に横並び状に配設されている。載置台8は固定式としてもよいし、前後方向又は左右方向に水平引き出し式に構成してもよい。引き出し式とした場合には、載置台8に把手(ハンドル)を立設するのが好ましい。
【0013】
炊飯器3は、外釜10の内部に内釜11を着脱自在に装着し、この内釜11の上部開口を蓋体12によって開閉自在に閉鎖するようにしたものとなっている。この炊飯器3の外釜10には、ガスコンロ又は電気コンロ(ヒーター)等の加熱手段や内釜11の温度を測る感熱センサ等が備わっている。
装置ボックス7の上部には、前後方向の支軸14回りに一端部(基端部)が枢支された支持アーム(支持体)15が設けられており、この支持アーム15の他端部(自由端部)に前記蓋体12が取り付けられている。そして、支持アーム15を下方に揺動することで蓋体12により内釜11を閉じ、支持アーム15を上方に揺動することで内釜11を開放するようになっている。支持アーム15の上面には、この揺動操作を行うための把手16が取り付けられている。
【0014】
なお、支持アーム15は、平面視がL字形で、中空の箱形に形成されており、この内部には給水部4や攪拌部5の構成部材(配水管18,連動体29)が収容されている。
給水部4は、炊飯器3の内釜11内に炊飯用の水(水加減水)を供給するためのものであって、炊飯器3への水の供給路を形成する配水管18を備え、この配水管18の一端は水道等の圧力水源に接続され、他端には炊飯器3の蓋体12に連結されたノズル20を備えている。配水管18の中途部は、装置ボックス7内及び支持アーム15内に配設され、開閉バルブや流量センサー等が付設されている。
【0015】
配水管18は、支持アーム15の揺動に追従可能となるようにその中途部に支軸14と同軸心回りに回動自在な回動継手19を備えている。
装置ボックス7の前面には操作パネル21が設けられ、内部には制御装置が設けられており、操作パネル21は、スタートスイッチの他、炊飯量を設定する設定スイッチや水加減を増減調整する調整スイッチ、浸し時間、むらし時間を設定する設定スイッチ等を適宜備えたものとされ、これらスイッチにて設定された内容で、水加減水の給水から炊飯完了までを自動的に行うように制御装置により炊飯器3、給水部4、攪拌部5の動作を制御している。
【0016】
つまり、この炊飯装置1の動作を図4を参照して説明すると、まず支持アーム15を介して蓋体12を開き、内釜11内に所望の無洗米を手作業により投入する。そして、蓋体12を閉じたあと、操作パネル21のスタートスイッチをONする。
すると、制御手段からの命令で給水部の開閉弁が開き、配水管18を介してノズル20から内釜11へ水加減水が供給される。
流量センサによって所定の水加減水が供給されたことが検知されると、開閉弁を閉じることによって給水が停止され、その後、所定時間浸し工程が行われる。
【0017】
浸し工程終了後、炊飯器3の加熱手段が作動(着火)して炊飯を開始し、炊飯が終了(加熱手段を消化)した後、所定時間のむらし工程を経て炊きあがりとなる。
なお、上記炊飯工程においては、蓋体12を閉鎖したことを検知して自動的にスタートスイッチをONする構成としてもよい。
攪拌部5は、図4に示した炊飯工程中のなかで、内釜11に対する水加減水の投入中又はその後に内釜11内をかき混ぜ、内釜11の底に糠やでんぷん質が沈殿するのを防止するとともに吸水ブロックを崩すものであり、これによって炊飯の早切れや炊きムラを防止するようになっている。
【0018】
攪拌部5は、内釜11内に配設される攪拌部材25と、この攪拌部材25を駆動する駆動手段26とを備えている。
また、攪拌部材25は内釜11内に配置され、駆動手段26は蓋体12側に設けられており、この蓋体12の開閉によって両者の動力伝達を断接可能としている。つまり、蓋体12を閉じたときに攪拌部材25と駆動手段26とを接続し、蓋体12を開いたときに切り離す構成としている。
具体的に、攪拌部材25は、図1及び図2に示すように、炊飯ネット38を支持するネットスタンド39に対して装着、支持されるようになっており、この炊飯ネット38はポリエステル、ナイロン、布帛等よりなり、炊飯後、ご飯をネット38に包んだ状態でまとめて取り出すことができるように予め内釜11内面に沿うように装着されるものであり、ネットスタンド39は、炊飯ネット38を所定の装着状態に支持するものとなっている。
【0019】
このネットスタンド39は、屈曲又は湾曲加工された金属製の棒材を組み合わせて接合することにより構成されており、上部に外周リング40と内周リング41とを備え、この内外リング40,41の間に略四角形の支持リング42を多数備え、この支持リング42の外側部に多数の脚部43を下方へ延設したものとなっており、この脚部43の下端部を内釜11底面(炊飯ネット38上)に載せるとともに、炊飯ネット38の裾を支持リング42に通すことによって炊飯ネット38を内釜11に装着できるようにしている。
【0020】
上記ネットスタンド39には、攪拌部材25を支持する支持体44が一体的に設けられており、この支持体44は、内周リング41の更に内側に配設された輪状受け具45と、この輪状受け具45と内周リング41とを接続する下側受け具46とからなり、この下側受け具46は、上方に開放したコの字形に屈曲形成され、その両端部が内周リング41と輪状受け具45とにそれぞれ接続されている。
一方、攪拌部材25は、上記下側受け具46のコの字内に挿入される装着リング(装着具)47を備え、この装着リング47の周方向複数箇所に係合具48と攪拌具49とを設けたものとなっている。
【0021】
係合具48は、装着リング47から立設する縦向き部分48aと、該部分の上端から内側に屈曲する横向き部分48bとでL字形に形成された棒材よりなり、攪拌具49は、係合具48の横向き部分の中途から下方に延設された棒材よりなる。
かかる構成の攪拌部材25は、装着リング47を下側受け具46に嵌めるようにして装着し、この下側受け具46上で周方向に旋回可能となっている。
駆動手段26は、内釜11の中心(蓋体12の中心)位置に配設される縦軸27を備え、この縦軸27とモータ等の駆動体28とを連動体29によって接続したものであり、駆動体28は、支持アーム15の基部又は装置ボックス7内の、炊飯器3の上方から離れた位置に配設され、炊飯器3からの蒸気で故障することがないように配慮されている。
【0022】
上記縦軸27は、支持アーム15に対して軸受け等を介して回転自在に支持されている。
連動体29は支持アーム15内に配設され、例えば、図3(a)に示すように、縦軸27と駆動体28とを接続する連動軸30やギヤ機構31,32等を有し、連動軸30の一端と駆動体28とをベベルギヤ等のギヤ機構31で接続し、連動軸30の他端と縦軸とをベベルギヤ等のギヤ機構32で接続したものとなっており、この連動体29でもって駆動体28の回転動力を縦軸27に伝動する。
【0023】
また、連動体29の他の例として、図3(b)には、連動軸30の一端を駆動体28に直結したものを示し、図3(c)には、連動軸30の各端部をユニバーサルジョイント33を介して駆動体28及び縦軸27に接続したものを示しており、この連動体29の態様はこれら各例に特に限定されることなく、駆動体28の配置等に応じて適宜設計変更できるものである。
縦軸27の下端部には水平方向のアーム50が設けられ、このアーム50の先端部に攪拌部材25の係合具48に係合する被係合具51を設けている。
【0024】
そして、駆動手段26の作動によってこの被係合具51を縦軸27の軸心回りに回動すると、この被係合具51が攪拌部材25の係合具48に係合し、攪拌部材25を同行回転させ、攪拌具49でもって内釜11内の無洗米及び水加減水を攪拌するようになっている。
また、支持アーム15を介して蓋体12を開くと、係合具48と被係合具51との係合が解かれ、攪拌部材25と駆動手段26との動力伝達が絶たれるようになっている。
【0025】
このような構成を採用することにより、炊飯後蓋体12を開くときに、ご飯のなかに入り込んだ攪拌部材25は一緒に持ち上げられず、蓋体12を開く動作の抵抗を少なくすることができるし、ご飯を持ち上げてしまうこともない。また、攪拌部材25をネットスタンド39を利用して装着しているので、この攪拌部材25を支持する部材を別途設ける必要もなく、コストを抑制することができる。ただし、攪拌部材25は、ネットスタンド39を利用せずに別途専用のスタンドによりセットすることもでき、この場合、ネットスタンド39や炊飯ネット38は省略することも可能である。
【0026】
また、攪拌部材25が駆動手段26に直結されている(蓋体12側に設けられている)場合には、支持アーム15を図6の2点鎖線の如く立ち上げたときに蓋体12から攪拌部材25が突出し、内釜12への米の投入や内釜11の着脱の障害になる恐れがあるが、本実施形態では、蓋体12から駆動手段26の一部(縦軸27、被係合具51)が突出するだけであるため、上記問題もほとんど生じることはない。
上記攪拌部5の作動時期は、米及び水加減水の投入から炊飯が完了するまでの間で設定することが可能である。例えば、水加減水の供給中、浸し中、炊飯中等のいずれか又は複数時期に設定することができる。
【0027】
また、この攪拌時期については、オペレータの好みや米の種類等に応じてその設定を変更できるように制御装置を構成するのがよい。この場合、例えば、操作パネル21のスイッチ操作で設定変更したり、メンテナンス員のみが設定できるように操作パネル21の隠し操作により設定変更可能とすることができる。
攪拌部5の作動時間や作動速度(攪拌部材25の回転速度)についても使用する無洗米の種類(糠等の残存程度等)や好みの炊きあがり等に応じて設定変更できるように構成してもよい。
【0028】
水加減水の供給中に攪拌部5を作動する場合、吸水ブロックの発生を未然に防止できる点で有利であり、浸し工程中に攪拌部5を作動する場合には、特に浸し工程の終了間際(炊飯工程に入る直前)とするのが好ましく、この場合、内釜11の底部に沈殿した糠等を拡散した直後に炊飯が行われるので、この糠等による熱の遮蔽を確実に防止できるものとなる。
炊飯中に攪拌部5を作動する場合、炊飯器3が着火(加熱を開始)したあと沸点に達するまでの間に作動時期を設定するのが好ましい。より詳しくは、着火後から約60度に達するまでの間に作動時期を設定するのが好ましい。
【0029】
これは、ある程度温度上昇した方が吸水ブロックを崩し易く、また崩れたブロック内の乾いた米が迅速に吸水し易くなるからであり、温度の上限を約60度とするのは、当該温度が一般に米がα化(糊化)する温度であることから、この温度に達する前に攪拌を行うことで攪拌部材25を円滑に動かすことができ、糠等の拡散や吸水ブロックの破壊も好適に行うことができるからである。
攪拌部5は、予め設定された時期に自動的に作動するだけなく、手動スイッチにより必要に応じてオペレータの判断で作動させるようにしてもよい。
【0030】
図5及び図6に示すように、本実施形態の炊飯装置1では、内釜11に排水機能を持たせたものとなっており、給水部4から供給した水を排出することによって無洗米を軽く洗い流し、最終的に水加減水を供給したときに糠等が内釜11底部に沈殿するのを予防できるようにしている。
図5において、内釜11の底部には排水口70が形成されており、この排水口70には弁箱71が接続され、該弁箱71内の弁体72により排水口70を開閉できるようにしている。弁体72は弁箱71内に摺動自在に支持され、排水口70を開く方向に付勢されており、モータ等により回転されるカム73によって排水口70を閉じる構成とされている。
【0031】
弁箱71に接続された排水ホース74は、装置ボックス7の内部を通って機外に配設されている。
また、内釜11内には、排水口70からの米の流出を防止するために把手78を有する網篭79が配設され、この把手78は炊飯中には内釜11内に倒すことによって蓋体12で内釜11を閉鎖可能とし、炊飯後、把手78を介して網篭79ごとご飯を取り出すことも可能となっている。
また、図6に2点差線で示すように、装置ボックス7内に吸引ポンプ75を設け、この吸引ポンプ75の入側に吸引ホース76を、出側に排水ホース77を接続し、吸引ホース76を支持アーム15内を通して内釜11内に配設し、排水ホース77を装置ボックス7内から外部へ配設し、ポンプ75の作動により内釜11内の水を排水できるように構成してもよい。
【0032】
このような水の排出は、一回だけ行っても良いし数回行ってもよく、この回数を米の種類等に応じてユーザー側で設定変更可能に構成してもよい。
また、排水は、攪拌部5の作動前又は作動後に行うことができる。
以下、攪拌部5にかかる他の実施形態について説明する。
図8〜図10に示す実施形態では、ネットスタンド39の内周リング41に対して攪拌具49の上端を揺動自在に枢支し、その上側に2股形状の係合具48A,48Bを取り付けている。
【0033】
駆動手段26は、縦軸27に設けた水平なアーム50に、上記係合具48に係合する被係合具51A,51Bを取り付けたものとなっており、この被係合具51A,51Bは、アーム50の各先端部に対し、径方向及び周方向にずれた位置に2つずつ設けられていて、それぞれ略三角形の板状で傾斜したカム面52を有しており、その一方の被係合具51Aのカム面52が2股の一方の係合具48Aに係合し、他方の被係合具51Bのカム面52が他方の係合具48Bに係合するようになっている。
【0034】
そして、縦軸27が回転すると、一方の被係合具51Aが一方の係合具48Aに当接し、攪拌具49を内周リング41を支点として上方に揺動させ、その直後に他方の被係合具51Bが他方の係合具48Bに当接し、攪拌具49を下方に揺動させ、これの繰り返しにより米及び水加減水をかき混ぜるものとなっている。したがって、本実施形態の攪拌部5は、攪拌部材25を旋回させるのではなく、一定の位置で揺動運動させる点で上記実施形態とは異なるものとなっている。図11及び図12に示す攪拌部5は、モータ等の駆動体28を具備しておらず、支持アーム15の揺動動作(蓋体12の開閉動作)を利用して攪拌部材25を作動するものとなっている。
【0035】
その一例として、装置ボックス7の上部には支持アーム15の揺動支軸14と同一軸心上に駆動ギヤ54が固定されており、支持アーム15には、この駆動ギヤ54に係合する中継ギヤ55が軸56を介して回転自在に設けられている。また、中継ギヤ55の軸56と連動軸30との間にはベベルギヤよりなるギヤ機構31が設けられている。
したがって、支持アーム15を揺動させると、駆動ギヤ54上を中継ギヤ55が回転し、その回転力がギヤ機構31を介して連動軸30に伝達される。なお、駆動ギヤ54を大径とし中継ギヤ55を小径とすることで、支持アーム15の小さい揺動量(実質的に90度)で中継ギヤ55の回転数を大きくできるようにしている。
【0036】
縦軸27は上下に2分割されており、縦軸上部27Aと連動軸30の他端側とがベベルギヤ等のギヤ機構32を介して接続され、連動軸30から縦軸上部27Aに動力が伝達されるようになっている。
連動軸30の中途部にはワンウェイクラッチ57が設けられており、支持アーム15を下げる方向(蓋体12を閉じる方向)の揺動で生じる回転を縦軸27に伝達し、逆方向の揺動で生じる回転を縦軸27には伝達しないようになっている。
【0037】
縦軸上部27Aと縦軸下部27Bとの間には蓄力部58が設けられている。この蓄力部58としては、例えば、ぜんまい等の弾性部材を利用したものを採用することができ、この場合、ぜんまいの内外一端を縦軸上部27Aに連結し、内外他端を縦軸下部27Bに連結し、縦軸上部27Aの回転でぜんまいを巻き上げる構成とすればよい。
縦軸下部27Bには、その回転を規制するストッパ具59が設けられており、このストッパ具59としては、例えば、その一端部を装置ボックス7側であって支持アーム15の支軸14よりも上側に揺動自在に支持し、他端部を縦軸下部27Bに係合可能とし、支持アーム15を上げた状態(蓋体12を開いた状態)では縦軸下部27Bに係合してその回転を阻止するとともに、支持アーム15を下げた状態(蓋体12を閉じた状態)では縦軸下部27Bから離れることでその回転を許容するようになっている。
【0038】
上記構成によれば、蓋体12を閉じるために支持アーム15を立ち上げた状態から下方に揺動すると、中継ギヤ55、ギヤ機構31を介して連動軸30が回転し、その回転がギヤ機構32を介して縦軸上部27Aに伝達される。支持アーム15が下方に揺動する間は、縦軸下部27Bの回転がストッパ具59により規制されているので、縦軸上部27Aの回転力が蓄力部58に蓄積される。
支持アーム15を略水平となるまで下方揺動し内釜11を蓋体12で閉じると、ストッパ具59が縦軸下部27Bから離脱し、蓄力部58に蓄積された力によって縦軸下部27Bが回転する。この回転で攪拌部材25を旋回させて内釜11内の米及び水加減水をかき混ぜるようになっている。
【0039】
したがって、支持アーム15の揺動が攪拌部材25の作動力に変換されるようになっている。
なお、上記ストッパ具59は、支持アーム15と機械的に連動する構成に限られず、例えば、蓋体12の開閉(支持アーム15が揺動)をセンサで検知し、これに基づいてソレノイド等を電気的に作動することによってストッパ具59を縦軸下部27Bに係脱する構成を採用することができる。
また、電気的にストッパ具59を作動する場合には、攪拌部5の作動時期を、例えば、水加減水の供給中、浸し中又は炊飯中等に設定することが可能であり、またその作動時期をオペレータの好みや米の種類等に応じて変更できるように構成することも可能である。
【0040】
図13及び図14に示す駆動手段26は、上記と同じくモータ等の駆動体28を具備しておらず、支持アーム15の揺動動作(蓋体12の開閉動作)を利用して攪拌部材25を作動するものとなっている。
具体的には、支持アーム15の基部には、この支持アーム15の揺動によって回転する巻車61が設けられており(この巻車61の回転は上記実施形態と同様に中継ギヤ55の軸56に巻車61を設けることにより実現する)、この巻車61の外周溝部61Aにはワイヤよりなる連動具62の一端が止着されている。連動具62の他端側は、縦軸27に巻き付けられると共に、その端部には引っ張りコイルバネ等の付勢部材63が接続され、この付勢部材63の他端は支持アーム15に止着されている。
【0041】
巻車61の外周縁部には、径外方向に突出し且つやや内側に折れ曲がった巻取解除具64が設けられている。
本実施形態では、立ち上がった状態の支持アーム15を下方に揺動すると、巻車61が回動してワイヤ62を巻き上げ、蓋体12が閉じるやや前に巻取解除具64によってワイヤ62が溝部61Aから離脱させられ、このワイヤ62の離脱部分が巻車61の中心よりも上側にまで至ると、付勢部材63の付勢力でワイヤ62全体が巻車より離脱して引っ張られ、このワイヤ62を巻き付けた縦軸27が回転するようになっている。
【0042】
図15は、炊飯装置1の他の実施形態であり、これは、複数の炊飯装置1を横並べに配設し、その上側を作業台(調理台)81を設けたものとなっている。また、作業台81の下側には収納スペース82を形成している。
ベース部材6の載置台8は、前後に引き出し自在とされ、この載置台8には引き出し操作のための把手83が設けられている。
上記の場合、支持アーム15の上下揺動スペースを確保し難いため、該支持アーム15を装置ボックス7に対して上下昇降自在に支持し、この昇降で蓋体12を開閉するようにしている。この場合、攪拌部材25は内釜11内に配設されていて蓋体12側に設けられていないため、蓋体12を開く際の上昇量が小さくても干渉することなく炊飯器3を引き出すことができるようになる。
【0043】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。
例えば、攪拌部材25は、板状若しくは羽根状に形成することができ、装置ボックス7と炊飯器3とを前後に並べて配設することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、内釜内で無洗米及び水加減水をかき混ぜることにより、良好に無洗米を炊飯することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる攪拌部の正面図である。
【図2】攪拌部材の斜視図である。
【図3】駆動手段の概略図である。
【図4】炊飯装置の工程図である。
【図5】内釜底部の部分断面図である。
【図6】炊飯装置の全体正面図である。
【図7】炊飯装置の全体平面図である。
【図8】他の実施形態にかかる攪拌部の正面図である。
【図9】(a)は被係合具の側面図、(b)は底面図である。
【図10】攪拌部材の平面図である。
【図11】他の実施形態にかかる駆動手段の概略正面図であり、(a)は支持アームを上方揺動した状態、(b)は下方揺動した状態を示す。
【図12】同駆動手段の概略平面図である。
【図13】他の実施形態にかかる駆動手段の概略図である。
【図14】(a)は巻車の正面図、(b)は巻車の側面図である。
【図15】他の実施形態にかかる炊飯装置の正面図である。
【符号の説明】
1 無洗米用炊飯装置
3 炊飯器
5 攪拌部
11 内釜
12 蓋体
25 攪拌部材
26 駆動手段
38 炊飯ネット
39 ネットスタンド
Claims (6)
- 無洗米及び水加減水が収容される内釜(11)を有した炊飯器(3)と、前記内釜(11)を開閉自在に閉鎖する蓋体(12)と、前記内釜(11)内で無洗米及び水加減水をかき混ぜる攪拌部(5)とを備え、
前記攪拌部(5)は、前記内釜(11)内に配設された攪拌部材(25)と前記蓋体(12)側に設けられ前記攪拌部材(25)を駆動する駆動手段(26)とを備えており、前記蓋体(12)を閉じることによって攪拌部材(25)と駆動手段(26)とを接続可能とし、蓋体(12)を開くことによって攪拌部材(25)と駆動手段(26)とを切り離すように構成していることを特徴とする無洗米用炊飯装置。 - 無洗米及び水加減水が収容される内釜(11)を有した炊飯器(3)と、前記内釜(11)を開閉自在に閉鎖する蓋体(12)と、前記内釜(11)内に配設され該内釜(11)の内面に炊飯ネット(38)を沿わせるように支持するネットスタンド(39)と、内釜(11)内で無洗米及び水加減水をかき混ぜる攪拌部(5)とを備え、
前記攪拌部(5)は、内釜(11)内でネットスタンド(39)に支持された攪拌部材(25)と、前記蓋体(12)側に設けられ前記攪拌部材(25)を駆動する駆動手段(26)とを備えており、前記蓋体(12)を閉じることによって攪拌部材(25)と駆動手段(26)とを接続可能とし、蓋体(12)を開くことによって攪拌部材(25)と駆動手段(26)とを切り離すように構成していることを特徴とする無洗米用炊飯装置。 - 前記攪拌部材(25)に係合具(48)を形成し、前記駆動手段(26)に、蓋体(12)の開閉により前記係合具(48)に係脱自在に係合し縦軸(27)回りに回転する被係合具(51)を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の無洗米用炊飯装置。
- 前記攪拌部材(25)はネットスタンド(39)に対して上下軸心回りに回転自在に支持されていることを特徴とする請求項2記載の無洗米用炊飯装置。
- 前記攪拌部材(25)はネットスタンド(39)に対して揺動自在に支持されていることを特徴とする請求項2記載の無洗米用炊飯装置。
- 前記内釜(11)内の水を排水する機能を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無洗米用炊飯装置。
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