JP2004187721A - 吸収性物品製造用のシール装置及び切断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸収性物品製造用のシール装置は、吸収性物品の周縁シール部形成用の加圧部を外周面に有するシールロール1を備え、該シールロール1は、芯ロール2と、該芯ロール2の外周面上に脱着自在に取り付けられた複数の外周部形成用セグメント3とからなる。吸収性物品製造用の切断装置は、吸収性物品の外形に対応する形状の切断刃を外周面に有するカッターロール4を備え、該カッターロール4は、芯ロール5と、該芯ロール5の外周面上に脱着自在に取り付けられた複数の外周部形成用セグメント6とからなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品の仕様変更に容易且つ柔軟に対応でき、製品の仕様変更に伴う労力や時間、費用を削減することのできる吸収性物品製造用のシール装置及びカッター装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
生理用ナプキンの製造方法として、図5に示すような方法が広く行われている。即ち、表面シート52と裏面シート53との間に吸収体54を間欠的に導入して積層体55を製造し、連続的に搬送しながら、その積層体55に対してヒートロール56を備えたシール装置によりシール加工を施し、次いで、そのシール加工を施した部位をロータリーカッター57で切断する。このようにして、流れ方向(長手方向)の両端部58にエンドシール部を有するナプキン50を得る。
【0003】
この方法においては、シール加工や切断加工に用いるシールロールやカッターロールの周速度を一定にして、所定長さのナプキンを製造する一方、シールロールやカッターロールの周速度をそれらのロールが1回転する間に加減速させることで、前記ナプキンとは長さの異なるナプキンを製造することができる。例えば、特開2000−198094号公報には、サーボモータでシールロールやカッターロールの周速度を加減速する方法が知られている。
しかし、このような方法では、特にウイング付きの生理用ナプキン等の長手方向の両側に部分的な張り出し部を有する吸収性物品を製造する場合には、長さの異なる吸収性物品を製造することができない。そのため、ウイング付きナプキン等の製造においては、その全長を変更する等、製品の仕様を変更する場合には、シールロールやカッターロールの全体を交換して対処しており、そのため、製品の仕様変更の度に多大な労力や時間、費用が必要であるという問題がある。更に、上記公報記載の方法では、高価なサーボモータ及び複雑な制御システムが必要である。
【0004】
また、特開2002−35027号公報には、サーボモータで製品搬送の速度を変化させて、大きさの異なる製品に対応する方法が記載されている。しかし、この方法においても、全周にわたるシール部や切断を行う場合には、予め装置(ユニット)の交換が必要であり、その交換には多大は労力や時間が必要である。また、特開2000−238722号公報には、パターン形状の変更や掃除等のメンテナンスを容易にするために、ロールの交換を容易にする方法が記載されている。しかし、この方法においても、ロールを交換するために相当な労力や時間が必要である。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−198094号公報
【特許文献2】
特開2002−35027号公報
【特許文献3】
特開2000−238722号公報
【0006】
従って、本発明の目的は、製品の仕様変更に容易且つ柔軟に対応でき、製品の仕様変更に伴う労力や時間、費用を削減することのできる吸収性物品製造用のシール装置及びカッター装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸収性物品製造用のシール装置であって、前記吸収性物品の周縁シール部形成用の加圧部を外周面に有するシールロールを備え、該シールロールは、芯ロールと、該芯ロールの外周面上に脱着自在に取り付けられた複数の外周部形成用セグメントとからなる吸収性物品製造用のシール装置を提供することにより、上記の目的を達成したものである(以下、第1発明というときは、この発明をいう)。
【0008】
本発明は、吸収性物品製造用の切断装置であって、前記吸収性物品の外形に対応する形状の切断刃を外周面に有するカッターロールを備え、該カッターロールは、芯ロールと、該芯ロールの外周面上に脱着自在に取り付けられた複数の外周部形成用セグメントとからなる吸収性物品製造用の切断装置を提供することにより、上記の目的を達成したものである(以下、第2発明というときは、この発明をいう)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。第1発明の一実施形態としてのシール装置は、図1に示すウイング付き生理用ナプキンを連続生産するために用いられるものである。
【0010】
図1に示す生理用ナプキン10は、液透過性の表面シート12、液不透過性の裏面シート13及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体14を有しており、実質的に縦長に形成されている。そして、その長手方向(製造時における流れ方向と同方向)の両側部に一対のウイング(部分的な張り出し部)15を有している。このウイング15は、裏面シート13側の面に適宜の段階で粘着剤(図示せず)が塗布され、着用時には、該粘着剤を介してショーツの外表面に固定される。
【0011】
また、この生理用ナプキン10には、その全周に亘る周縁シール部16が形成されている。周縁シール部16は、ナプキンの前後端に形成されたエンドシール部17と、ナプキンの両側部に形成されたサイドシール部18とからなり、ウイング15におけるサイドシール部18は、該ウイング16の外縁形状に沿って形成されている。
【0012】
本実施形態のシール装置は、一対のシールロール(一方のみ図示)を備えており、一方のシールロール1は、図2に示すように、生理用ナプキン1の周縁シール部16形成用の加圧部31を外周面に有している。周縁シール部16形成用の加圧部31(以下、単に加圧部31ともいう)は、生理用ナプキン1の外形(平面視した場合の輪郭)とほぼ相似形の縁部を有しており、加圧部31の表面には微細な凹凸が形成されている。尚、シールロール外周面における加圧部31以外の部位は、凹状の非加圧部32となっており、ナプキンの構成材料が一対のシールロール間を通過する際に、加圧部31に面する部位にはシール部が形成され、非加圧部32に面する部位にはシール部が形成されない。
【0013】
シールロール1は、芯ロール2と、該芯ロール2の外周面上に脱着自在に取り付けられた複数の外周部形成用セグメント3,3とからなる。
芯ロール2は、円柱状のセグメント取付部21と、該セグメント取付部21の軸長方向両端から延出する一対の軸部22を有しており、両軸部22が図示しない支持体に回転自在に支持されている。芯ロール2は、サーボモータ等を動力源として回転駆動される。尚、本シール装置には、シールロール1と他方のシールロールの軸芯間の間隔の調節手段が設けられている。他方のシールロールの外周面には、その全面に加圧部31の凹凸と噛み合う形状の凹凸が形成されており、非加圧部32のような凹部は形成されていない。他方のシールロールは、芯ロール及びセグメントからなるものであっても良いし、一体成形された単一ロールからなるものであっても良い。
【0014】
外周部形成用セグメント3(以下、セグメント3ともいう)は、図2及び図3に示すように、芯ロール2の軸長方向に直交する断面が略円弧状に形成されており、隣接するセグメント3の端部同士が連結されることによって、円筒状のロール外周部を形成している。その状態におけるセグメントの内側の面は、芯ロール2のセグメント取付部21の外周面に対して圧接されている。
【0015】
本実施形態におけるシールロール1の外周部は、2つのセグメント3,3から構成されており、隣接するセグメントの端部同士の連結はボルト33を介して行われている。より詳細には、図2及び図3に示すように、一方のセグメント3Aの両端部に、ボルト33をその頭部まで収容可能なボルト穴が形成されており、該ボルト穴の底部に設けられたボルト挿通孔にボルトの軸部を挿通し、そのボルトの軸部を他方のセグメント3Bの端部に形成されたネジ穴に螺入することによって、両セグメントが連結されている。そして、この隣接するセグメント同士の連結により、両セグメントが芯ロールの外周面上に取り付けられており、これらのセグメントによってシールロール1の外周部が形成されている。
これらのセグメント3,3は、ボルト33を外して相互の連結を解除することによって、芯ロール2から容易に取り外すことができる。
【0016】
各セグメントにおけるシールロール1の外周面を形成する部分には、ナプキン1個分の周縁シール部16を形成する加圧部31が形成されている。この加圧部31は、他方のシールロール(図示せず)の外周面との間で、ナプキン(吸収性物品)の材料を加圧熱圧し、その上下面間を接合する。周縁シール部16形成用の加圧部31は、ナプキン両側部のサイドシール部18を形成し得るものであれば良く、ナプキン全周に亘る周縁シール部16を形成し得るものであることが好ましい。
【0017】
次に、第2発明の一実施形態としての切断装置について説明する。本実施形態の切断装置は上述したシール装置と共に、図1に示すようなウイング付き生理用ナプキンを連続生産するために用いられる。
本実施形態の切断装置は、図4に示すように、生理用ナプキン1の外形(平面視した場合の輪郭)に対応する形状の切断刃41を外周面に有するカッターロール4と、該カッターロール4に対向配置され、その周面で切断刃41を受けるアンビルロール(図示せず)とを備えたロータリーカッターである。
【0018】
カッターロール4は、上述したシールロール1と同様に、芯ロール5と、該芯ロールの外周面上に脱着自在に取り付けられた複数の外周部形成用セグメント6(以下、セグメント6という)とからなる。
本実施形態におけるカッターロール4の外周部は、2つのセグメント6,6から構成されており、各セグメント6におけるカッターロール4の外周面を形成する部分には、生理用ナプキン1の外形(平面視した場合の輪郭)に対応する形状の切断刃41が形成されている。切断刃41は、アンビルロールの外周面との間でナプキン(吸収性物品)の材料を挟むことにより、該材料を所定のナプキン形状となるように切断する。尚、芯ロール5及びセグメント6について特に説明しない点は、上述した芯ロール2及びセグメント3と同様である。
【0019】
上述したシール装置及び切断装置の使用して、上述した生理用ナプキン10及び該ナプキン10とは仕様が異なる生理用ナプキン10’を製造する方法について図3及び図4を参照して説明する。
先ず、図4(a)に示すように、表面シート12と裏面シートとの間に吸収体14を間欠的に導入して製造した長尺状の積層体19を、シールロール1を具備するシール装置に導入し、該積層体19における吸収体14の周囲を、前記周縁シール用の加圧部31と他方のシールロール(図示せず)の外周面との間で加熱加圧してシール(接合)する。
次いで、その積層体19を、カッターロール4を具備する切断装置に導入し、吸収体4が中央に配された非シール領域19aの外周縁のやや外側を、カッターロール4の切断刃41とアンビルロール(図示せず)の外周面との間で挟んで切断する。このようにして、周縁部の全周に亘るシール部を有する生理用ナプキン10を連続的に多数製造することができる。
【0020】
この製造ラインを用いて仕様が異なる生理用ナプキン10’を製造するには、製造ラインを停止させ、図3に矢印Aで示すように、芯ロール2からセグメント3,3を取り外し、次いで、図3に矢印Bで示すように、形成される外周部の外径及びその外周面に形成される加圧部31の形状(周面に直交する方向から見た形状)が異なる他のセグメント3’,3’を、セグメント3,3と同じ方法により芯ロール2の周囲に取り付ける。また、同様にして、カッターロール4の外周部を形成するセグメント6,6を芯ロール5から取り外し、次いで、形成される外周部の外径及びその外周面に形成される切断刃41の形状(周面に直交する方向から見た形状)が異なる他のセグメント6’,6’を、セグメント6,6と同じ方法により芯ロール5の周囲に取り付ける。
【0021】
図4(a)には、芯ロール2にセグメント3,3を取り付けてシールロール1を構成すると共に、芯ロール5にセグメント6,6を取り付けてカッターロール4を構成した状態が示されており、図4(b)には、同じ芯ロール2及び芯ロール5に、図4(a)とは異なるセグメント3’,3’及びセグメント6’,6’を取り付け、上述したシールロール1及びカッターロール4とは外径及び外周面の加圧部31及び切断刃41の形状が異なるシールロール1’及びカッターロール4’を構成した状態が示されている。
【0022】
このようにして、シールロール及びカッターロールの外周部を構成するセグメントを交換した後、製造ラインを稼働させれば、上述した生理用ナプキン10とは、その全長L〔図4(b)参照〕及びウイングの長さL1〔図4(b)参照〕が異なる生理用ナプキン10’を、上述したナプキン10と同一の製造ラインを用いて効率的に連続生産することができる。
【0023】
本実施形態のシール装置によれば、セグメント3を交換するだけで、シールロール1の外径や該ロール1の外周面に形成される加圧部31の形状を変更することができるので、製品の仕様変更に容易且つ柔軟に対応でき、製品の仕様変更に伴う労力や時間、費用を削減することができる。
本実施形態の切断装置によれば、セグメント6を交換するだけで、カッターロール4の外径や該ロール4の外周面に形成される切断刃41の形状を変更することができるので、製品の仕様変更に容易且つ柔軟に対応でき、製品の仕様変更に伴う労力や時間、費用を削減することができる。
【0024】
以上、第1及び第2発明それぞれの実施形態について説明したが、各発明は、上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。
【0025】
例えば、上記各実施形態においては、シールロール1及びカッターロール4それぞれの外周部がそれぞれ二つのセグメントにより構成されていたが、各ロールの外周部は、3つ以上のセグメントから構成されていても良い。
【0026】
また、各セグメントの総てが完全に分離できなくても良く、例えばセグメント同士の複数の隣接部のうちの一カ所のみが分離及び結合可能な結合手段により分離可能に連結されており、他の隣接部はヒンジを介して分離不可能に連結されていても良い。また、吸収性物品の周縁シール部形成用の加圧部31や吸収性物品の外形に対応する形状の切断刃41は、セグメント一個当たり2つ以上あっても良いし、ロール全体を見たときに外周面に1つ又は3つ以上あっても良い。更に、製品一個に対応する加圧部31や切断刃41が、複数のセグメントに跨るように形成されていても良い。
【0027】
また、シール装置によるシール対象及び切断装置による切断対象は、上述した表面シート12と裏面シートとの積層体19に限られず、従来のナプキン製造に用いられる各種シート材が任意の組み合わせで積層された積層体であったり、シート材間に吸収体が挟まれているような積層体等であっても良い。
【0028】
また、吸収性物品は、生理用ナプキンの他、失禁パッド、パンティライナー等であっても良く、また、実質的に縦長に形成された吸収性物品の長手方向の両側から部分的に張り出す張り出し部は、ウイング付き生理用ナプキンにおけるウイングの他、ショーツ内表面(着用者の肌側に向けられる面)に固定又は配置されるフラップ等であっても良い。
【0029】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品製造用のシール装置によれば、製品の仕様変更に容易且つ柔軟に対応でき、製品の仕様変更に伴う労力や時間、費用を削減することができる。
また、本発明の吸収性物品製造用のカッター装置によれば、製品の仕様変更に容易且つ柔軟に対応でき、製品の仕様変更に伴う労力や時間、費用を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のシール装置又は切断装置を用いて製造する吸収性物品の一例としてのウイング付き生理用ナプキンを一部破断して示す平面図である。
【図2】図2は、芯ロール及び複数のセグメントからなるシールロールを示す斜視図である。
【図3】図3は、シールロールのセグメントを交換する様子を模式的に示す模式断面図であり、図3の中央部には、図2のシールロールのその軸長方向に直交する面による断面が示されている。
【図4】図4は、本発明のシール装置及び切断装置を用いた吸収性物品の製造方法の例を示す概略工程図である。
【図5】図5は、従来の吸収性物品の製造方法の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 シールロール
2 芯ロール
3 外周部形成用セグメント
4 カッターロール
5 芯ロール
6 外周部形成用セグメント
Claims (4)
- 吸収性物品製造用のシール装置であって、前記吸収性物品の周縁シール部形成用の加圧部を外周面に有するシールロールを備え、該シールロールは、芯ロールと、該芯ロールの外周面上に脱着自在に取り付けられた複数の外周部形成用セグメントとからなる吸収性物品製造用のシール装置。
- 複数の前記外周部形成用セグメントは、隣接する該外周部形成用セグメント同士を連結することにより、前記芯ロールに取り付けられている請求項1記載の吸収性物品製造用のシール装置。
- 前記吸収性物品は、実質的に縦長に形成されており、長手方向の両側に部分的な張り出し部を有している請求項1又は2記載の吸収性物品製造用のシール装置。
- 吸収性物品製造用の切断装置であって、前記吸収性物品の外形に対応する形状の切断刃を外周面に有するカッターロールを備え、該カッターロールは、芯ロールと、該芯ロールの外周面上に脱着自在に取り付けられた複数の外周部形成用セグメントとからなる吸収性物品製造用の切断装置。
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A02 | Decision of refusal |
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