JP2004186464A - ソレノイド - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な吸引力を維持しつつ、十分な緩衝機能が得られる緩衝機構を備えた消音型のソレノイドを提供する。
【解決手段】固定ヨーク5と、当該固定ヨーク5に吸引される可動ヨーク6と、前記固定ヨーク内に配置されて、これらのヨークを励磁する励磁コイル4を備えている。前記可動ヨーク6は前記固定ヨーク5の吸着面5aに対向する鍔状部10を備えており、且つ、当該鍔状部10と前記電磁コイル4の間に高粘性の液体を含浸した多孔質弾性体9を介在した。前記多孔質弾性体9にフェルトを用い、前記高粘性の液体にグリースを用いると良い。上記構成の多孔質弾性体9は、外部衝撃に対して丁度オイルダンパーの如き緩衝効果を奏することになり、可動ヨーク6の作動音を効果的に消音することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】固定ヨーク5と、当該固定ヨーク5に吸引される可動ヨーク6と、前記固定ヨーク内に配置されて、これらのヨークを励磁する励磁コイル4を備えている。前記可動ヨーク6は前記固定ヨーク5の吸着面5aに対向する鍔状部10を備えており、且つ、当該鍔状部10と前記電磁コイル4の間に高粘性の液体を含浸した多孔質弾性体9を介在した。前記多孔質弾性体9にフェルトを用い、前記高粘性の液体にグリースを用いると良い。上記構成の多孔質弾性体9は、外部衝撃に対して丁度オイルダンパーの如き緩衝効果を奏することになり、可動ヨーク6の作動音を効果的に消音することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動ヨークの動作に伴う衝撃音を減少するための緩衝機構を備えたソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
ソレノイドは、固定ヨークと、この固定ヨークに吸引される可動ヨークと、これらのヨークを励磁して電磁石を構成する励磁コイルより概略構成され、励磁コイルを通電して生じる磁気作用を利用して電気的エネルギーを可動ヨークによる機械的直線運動に変換する電磁作動機器である。
当電磁作動機器は、上記構成のように比較的構造が簡単で安価であり、且つ、動作も確実であることから、従来より、ファクシミリ、プリンタ、複写機等の各種OA機器や、エアコン、ファンヒータ等の各種家電機器のメカニズム制御用に広く利用されている。
【0003】
しかしながら、上記構成のソレノイドにあっては、既述の利点を有する一方で、可動ヨークが吸引されて固定ヨークに吸着する際に発生する大きな衝撃音(金属音)が問題となっており、このため、作動時の衝撃音を減少させるための緩衝機構を設けた消音型のソレノイドも各種提案されている。その一例として、下記特許文献1が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
実公昭60−5541号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された緩衝機構は、可動ヨークが固定ヨークに当接する部分にゴム板のような薄い可撓性部材を介在して可動ヨークと固定ヨークの直接的な衝突を回避するように構成したものであるが、特に、大きな吸引力を有する高電力のソレノイドにあっては、開示技術のような単純な扁平ゴム板では弾力性に欠け、衝突の際の大きな衝撃を吸収し衝撃音を効果的に消音することはなかなか困難であった。ゴム板の厚みを厚くすることにより衝撃音を小さくできるが、その分、可動ヨークと固定ヨークの間の空隙(クリアランス)が増大することになり、結果、電磁石の磁気特性が劣化し、ソレノイドの吸引力が低下するという弊害が発生した。
【0006】
このように磁気特性が劣化した状態で、尚、且つ、十分な吸引力を得るためには、電磁コイルの巻線数を多くしたり、電磁コイルへの供給電力を増やす必要があるが、コイルの巻線数が増えればソレノイドは自ずと大型化し、また、コイルへの供給電流を増やせば発熱増大といった問題も生じる。
【0007】
本発明は、このような従来の問題に鑑みて成されたもので、良好な吸着力を維持すると共に、作動時の衝撃音を確実に消音できる好適な緩衝機構を備えたソレノイドを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の本発明は、固定ヨークと、当該固定ヨークに吸引される可動ヨークと、前記固定ヨーク内に配置されて、これらのヨークを励磁する励磁コイルを備えたソレノイドにおいて、前記可動ヨークは前記固定ヨークの吸着面に対向する鍔状部を備えており、且つ、当該鍔状部と前記電磁コイルの間に高粘性の液体を含浸した多孔質弾性体を介在したことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のソレノイドにおいて、前記多孔質弾性体としてフェルトを用いたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2の何れかに記載のソレノイドにおいて、前記高粘性の液体としてグリースを用いたことを特徴としている。
【0011】
ここで、請求項1〜請求項3に記載の構成では、多孔質弾性体(フェルトを用いると良い)に高粘性の液体(グリースを用いると良い)を含浸したものは外部からの衝撃に対してオイルダンパーのような作用効果を奏するため、ソレノイドにおいては可動ヨークの吸引力(吸引速度)に応じた抵抗力(即ち、弾性力)が得られる好適な緩衝部材となる。
即ち、小電力で比較的吸引力の小さい小形ソレノイドの場合の比較的小さな衝撃に対しては緩衝部材に比較的小さな弾性力が発生し、逆に高電力で吸引力の大きい大型ソレノイドの場合の大きな衝撃に対しては大きな弾性力が発生するように作用する。従って、多孔質弾性体の衝撃方向の厚みや含浸オイルの粘性を考慮すれば、上記のようなソレノイドのタイプに関係なく、それぞれに適応して効果的な緩衝を得ることも可能であり、可動ヨークの作動音を効果的に消音することができる。
【0012】
加えて、電磁コイルの通電解除により吸着された可動ヨークが復帰する際は、含浸オイルの粘着性により可動ヨークの戻り動作が緩慢になり、復帰時の衝撃音を同時に消音することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明に係るソレノイドの一実施形態を説明する。
【0014】
図1は本発明が適用されたソレノイドの概略構成を示す側断面図、図2はその分解斜視図である。
図1、図2に示すように本実施形態のソレノイド1は、フランジ付きの筒状ボビン3に巻線を施した電磁コイル4と、この電磁コイル4を囲むように配置されて閉磁路を構成する断面コの字形の固定ヨーク5と、当電磁コイル4の空芯部4aに上下摺動自在に挿嵌された可動ヨーク6を備えている。本構成では、前記電磁コイル4と前記固定ヨーク5とで電磁石を構成し、電磁コイル4を通電することにより固定ヨーク5を着磁し、その磁力で離間した状態で対向する可動ヨーク6を吸引するように動作する。
【0015】
前記可動ヨーク6は、丸棒状の鉄心2と、その上端に片寄りの状態に固着された四角形状の鍔状部10とで構成され、作動時の吸引動作でこの鍔状部10の一辺が対向する固定ヨーク5の一方の上縁部、即ち、吸引面5aに当接するようになっている。そして、本実施形態では、当接の際に可動ヨーク6の鍔状部10とボビン3の上フランジ3aの間に形成される隙間に緩衝部材9が介在されている。
【0016】
尚、図1に示すように、可動ヨーク6の鉄心2の下部には、図示しないクラッチや弁体等の外部制御対象物に作動力を伝達するためのジョイント部6aが突設されており、ソレノイド1は、吸引動作による可動ヨーク6の動作ストローク分の運動量をこのジョイント部6aを介して制御対象物の所定の機構に伝達することができるようになっている。また、実際の使用状態では、制御対象物より可動部材を元位置に復帰させる所定の弾性部材を介してこのジョイント部6aを常時上方向に付勢する力が作用している。
【0017】
ここで、前記衝部材9は中央に可動ヨーク6の鉄心2が貫通する貫通孔9aを設けたドーナツ状を成し、当緩衝部材9がこの鉄心2を囲む状態で上フランジ3a上に載置される。尚、上フランジ3aは3カ所に凸部11を有しており、且つ、緩衝部材9は、これらの凸部11に対応する挿通孔9bを有しているので、組立に際して両者を嵌合させるように緩衝部材9を配置すれば、緩衝部材9は上フランジ3aに固定することができる。この際、緩衝部材9の上部端面が固定ヨーク5の吸着面5aの面位置より幾分突出するように緩衝部材9の厚みが設定されている。
【0018】
ここで、緩衝部材9は高粘性の液体を含浸した多孔質弾性体で構成したものであって、具体的には、フェルト材に粘着度の高いグリースを含浸して構成した粘着性弾性体を用いている。
緩衝部材9の突出量が多い程その衝撃緩衝効果は大となるが、使用する多孔質弾性体や含浸オイルと必要とされる吸引力とのかね合いで好適な突出量を決定すれば良い。
【0019】
このように構成されたソレノイド1は、図1中に一点差線で示す非動作時の可動ヨーク6の状態において、電磁コイル4に通電すると固定ヨーク5が着磁され、その吸着面5aに生ずる磁力で可動ヨーク6は吸引され、ジョイント部6aに作用する上方向の付勢力に抗して矢印方向に移動する。そして、その吸引動作の過程で、先ず、可動ヨーク6の鍔状部10と緩衝部材9が勢い良く当接し、その衝撃で緩衝部材9は徐々に圧縮されながら含浸オイルが呈する弾性力で可動ヨーク6の移動速度は徐々に減速していき、最終的に可動ヨーク6の鍔状部10が固定ヨーク5の吸着面5aに接触した状態で停止する。
【0020】
既述のように、本実施形態で用いた緩衝部材9は、多孔質弾性体に粘着度の高いオイルを含浸させて成るものであるから、このような外部からの衝撃に対して丁度オイルダンパーの如き緩衝効果を奏し、可動ヨーク6の吸引速度に応じた弾性力が得られるように作用する。また、含浸オイルの粘着効果により、衝撃力は緩衝部材9の全面に亘って均等に分散されることになり、衝撃を満遍なく効果的に吸収できる。
【0021】
このように、本発明では、緩衝部材9の奏するオイルダンパー効果によって、可動ヨーク6の鍔状部10は、極めて緩慢な動作で固定ヨーク5の吸着面5aに当接するようになり、よって、その際の衝撃音は極めて小さいものとなっている。
しかも、鍔状部10と吸着面5aの間に空隙が生じない構造であるから磁気特性の劣化は無く、よって、動作後も十分な吸着力を維持することができる。
【0022】
次に、通電状態から電磁コイルへの通電が遮断されると、電磁石の磁力が消滅し、図示しない前記弾性部材により可動ヨーク6は固定鉄心5から離間し、図1中に示す一点鎖線の状態に復帰する。この時、可動ヨーク6の戻り動作、即ち、可動ヨーク6の鍔状部10が固定ヨーク5の吸着面5aからの離れる際の動作は、緩衝部材9に含浸したグリースの粘着性により極めて緩慢であるから、復帰する際に可動ヨーク6が制御対象物のケーシング等に衝突して生じる衝撃音も著しく減少する。
【0023】
また、本発明に係る緩衝部材9は、図1、図2に示したプランジャ型ソレノイドに限らず、図3に示すようなフラッパ型ソレノイドにも勿論適用可能であり、上記実施形態と同様に優れた緩衝効果を奏するものである。
【0024】
図3に示すフラッパ型ソレノイド1は、筒状のボビン3に巻回された電磁コイル4と、その空芯部に配置された丸棒状の固定鉄心2と、この固定鉄心2の一端が固定されて前記電磁コイル4を囲む磁路を形成するコの字形の固定ヨーク5と、このコの字形固定ヨーク5の開放側一端部に回動自在に連結された鍔状の可動鉄心6と、非動作時に、この可動鉄片6を固定鉄心2から離間するように付勢する付勢バネ7を備えている。尚、可動鉄片6の先端部には図示しない外部制御対象物に作動力を伝達するためのジョイント部6aが突設されている。
本構成の場合は、電磁コイル4と前記固定鉄心2とで電磁石が構成され、電磁コイル4に通電することにより固定鉄心2を着磁し、その磁力で離間した状態で対向する可動鉄片6を固定鉄心側に吸引するように動作する。
【0025】
ここで、本実施形態では、固定鉄心2の周囲を囲むように、可動鉄片6とボビン3の上部フランジ3aの間にドーナツ状の緩衝部材9を配置してある。尚、この緩衝部材9は、図1、図2の実施形態と同様の、フェルト材に粘着度の高いグリースを含浸して構成した粘着弾性体が用いられている。
【0026】
このように構成されたフラッパ型ソレノイド1は、電磁コイル4が非通電の状態では、付勢バネ7の引っ張り力により可動鉄片6が固定鉄心2の吸着面2aから離間した、図中、一点鎖線の状態に位置している。
この状態で電磁コイル4を通電すると、可動鉄片6は電磁石の磁力により付勢バネ7の引っ張り力に抗し、連結部8を支点として図中の矢印方向に回動し、固定鉄心2の吸着面2aに吸引されていく。そして、可動鉄片6は、この吸引動作の過程で、先ず、緩衝部材9に当接し、その衝撃で緩衝部材9は徐々に圧縮されながら回動速度は徐々に減速していき、最終的に可動鉄片6は固定鉄心2の吸着面2aにソフトに接触した状態で停止する。そして、その際の衝撃は緩衝部材9により吸収されて衝撃音は著しく減少する。尚、電磁コイル4への通電を遮断した時の可動鉄片6の戻り動作においても、前記実施形態と同様、グリースの粘性により復帰時の衝撃音を減少できる。
【0027】
以上説明した本実施形態では、緩衝部材9としてフェルト材を用いたが、フェルト材の他、スポンジ、多孔質ゴム等も使用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、固定ヨークと可動ヨークの間に高粘性の液体を含浸した多孔質弾性体を介在したので、この粘着弾性体の奏するオイルダンパー的な緩衝作用により、ソレノイド作動時の衝撃音を効果的に減少することができる。加えて、可動ヨークの戻り動作においては、緩衝部材の粘性により復帰時の衝撃音も同時に減少できる。
【0029】
また、当緩衝部材を用いれば、好適な緩衝効果を維持した状態で作動時に可動ヨークと固定ヨークを当接できるので、従来のように緩衝部材を介在したために磁気特性が劣化して吸引力が低下するといった問題は回避でき、十分な吸着力を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたプランジャ型ソレノイドの概略構成を示す側断面図。
【図2】本発明が適用されたプランジャ型ソレノイドの概略構成を示す分解斜視図。
【図3】本発明が適用されたフラッパ型ソレノイドの概略構成を示す側断面図。
【符号の説明】
1 ソレノイド
4 励磁コイル
5 固定ヨーク
5a 吸着面
6 可動ヨーク
9 多孔質弾性体(緩衝部材)
10 鍔状部
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動ヨークの動作に伴う衝撃音を減少するための緩衝機構を備えたソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
ソレノイドは、固定ヨークと、この固定ヨークに吸引される可動ヨークと、これらのヨークを励磁して電磁石を構成する励磁コイルより概略構成され、励磁コイルを通電して生じる磁気作用を利用して電気的エネルギーを可動ヨークによる機械的直線運動に変換する電磁作動機器である。
当電磁作動機器は、上記構成のように比較的構造が簡単で安価であり、且つ、動作も確実であることから、従来より、ファクシミリ、プリンタ、複写機等の各種OA機器や、エアコン、ファンヒータ等の各種家電機器のメカニズム制御用に広く利用されている。
【0003】
しかしながら、上記構成のソレノイドにあっては、既述の利点を有する一方で、可動ヨークが吸引されて固定ヨークに吸着する際に発生する大きな衝撃音(金属音)が問題となっており、このため、作動時の衝撃音を減少させるための緩衝機構を設けた消音型のソレノイドも各種提案されている。その一例として、下記特許文献1が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
実公昭60−5541号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された緩衝機構は、可動ヨークが固定ヨークに当接する部分にゴム板のような薄い可撓性部材を介在して可動ヨークと固定ヨークの直接的な衝突を回避するように構成したものであるが、特に、大きな吸引力を有する高電力のソレノイドにあっては、開示技術のような単純な扁平ゴム板では弾力性に欠け、衝突の際の大きな衝撃を吸収し衝撃音を効果的に消音することはなかなか困難であった。ゴム板の厚みを厚くすることにより衝撃音を小さくできるが、その分、可動ヨークと固定ヨークの間の空隙(クリアランス)が増大することになり、結果、電磁石の磁気特性が劣化し、ソレノイドの吸引力が低下するという弊害が発生した。
【0006】
このように磁気特性が劣化した状態で、尚、且つ、十分な吸引力を得るためには、電磁コイルの巻線数を多くしたり、電磁コイルへの供給電力を増やす必要があるが、コイルの巻線数が増えればソレノイドは自ずと大型化し、また、コイルへの供給電流を増やせば発熱増大といった問題も生じる。
【0007】
本発明は、このような従来の問題に鑑みて成されたもので、良好な吸着力を維持すると共に、作動時の衝撃音を確実に消音できる好適な緩衝機構を備えたソレノイドを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の本発明は、固定ヨークと、当該固定ヨークに吸引される可動ヨークと、前記固定ヨーク内に配置されて、これらのヨークを励磁する励磁コイルを備えたソレノイドにおいて、前記可動ヨークは前記固定ヨークの吸着面に対向する鍔状部を備えており、且つ、当該鍔状部と前記電磁コイルの間に高粘性の液体を含浸した多孔質弾性体を介在したことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のソレノイドにおいて、前記多孔質弾性体としてフェルトを用いたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2の何れかに記載のソレノイドにおいて、前記高粘性の液体としてグリースを用いたことを特徴としている。
【0011】
ここで、請求項1〜請求項3に記載の構成では、多孔質弾性体(フェルトを用いると良い)に高粘性の液体(グリースを用いると良い)を含浸したものは外部からの衝撃に対してオイルダンパーのような作用効果を奏するため、ソレノイドにおいては可動ヨークの吸引力(吸引速度)に応じた抵抗力(即ち、弾性力)が得られる好適な緩衝部材となる。
即ち、小電力で比較的吸引力の小さい小形ソレノイドの場合の比較的小さな衝撃に対しては緩衝部材に比較的小さな弾性力が発生し、逆に高電力で吸引力の大きい大型ソレノイドの場合の大きな衝撃に対しては大きな弾性力が発生するように作用する。従って、多孔質弾性体の衝撃方向の厚みや含浸オイルの粘性を考慮すれば、上記のようなソレノイドのタイプに関係なく、それぞれに適応して効果的な緩衝を得ることも可能であり、可動ヨークの作動音を効果的に消音することができる。
【0012】
加えて、電磁コイルの通電解除により吸着された可動ヨークが復帰する際は、含浸オイルの粘着性により可動ヨークの戻り動作が緩慢になり、復帰時の衝撃音を同時に消音することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明に係るソレノイドの一実施形態を説明する。
【0014】
図1は本発明が適用されたソレノイドの概略構成を示す側断面図、図2はその分解斜視図である。
図1、図2に示すように本実施形態のソレノイド1は、フランジ付きの筒状ボビン3に巻線を施した電磁コイル4と、この電磁コイル4を囲むように配置されて閉磁路を構成する断面コの字形の固定ヨーク5と、当電磁コイル4の空芯部4aに上下摺動自在に挿嵌された可動ヨーク6を備えている。本構成では、前記電磁コイル4と前記固定ヨーク5とで電磁石を構成し、電磁コイル4を通電することにより固定ヨーク5を着磁し、その磁力で離間した状態で対向する可動ヨーク6を吸引するように動作する。
【0015】
前記可動ヨーク6は、丸棒状の鉄心2と、その上端に片寄りの状態に固着された四角形状の鍔状部10とで構成され、作動時の吸引動作でこの鍔状部10の一辺が対向する固定ヨーク5の一方の上縁部、即ち、吸引面5aに当接するようになっている。そして、本実施形態では、当接の際に可動ヨーク6の鍔状部10とボビン3の上フランジ3aの間に形成される隙間に緩衝部材9が介在されている。
【0016】
尚、図1に示すように、可動ヨーク6の鉄心2の下部には、図示しないクラッチや弁体等の外部制御対象物に作動力を伝達するためのジョイント部6aが突設されており、ソレノイド1は、吸引動作による可動ヨーク6の動作ストローク分の運動量をこのジョイント部6aを介して制御対象物の所定の機構に伝達することができるようになっている。また、実際の使用状態では、制御対象物より可動部材を元位置に復帰させる所定の弾性部材を介してこのジョイント部6aを常時上方向に付勢する力が作用している。
【0017】
ここで、前記衝部材9は中央に可動ヨーク6の鉄心2が貫通する貫通孔9aを設けたドーナツ状を成し、当緩衝部材9がこの鉄心2を囲む状態で上フランジ3a上に載置される。尚、上フランジ3aは3カ所に凸部11を有しており、且つ、緩衝部材9は、これらの凸部11に対応する挿通孔9bを有しているので、組立に際して両者を嵌合させるように緩衝部材9を配置すれば、緩衝部材9は上フランジ3aに固定することができる。この際、緩衝部材9の上部端面が固定ヨーク5の吸着面5aの面位置より幾分突出するように緩衝部材9の厚みが設定されている。
【0018】
ここで、緩衝部材9は高粘性の液体を含浸した多孔質弾性体で構成したものであって、具体的には、フェルト材に粘着度の高いグリースを含浸して構成した粘着性弾性体を用いている。
緩衝部材9の突出量が多い程その衝撃緩衝効果は大となるが、使用する多孔質弾性体や含浸オイルと必要とされる吸引力とのかね合いで好適な突出量を決定すれば良い。
【0019】
このように構成されたソレノイド1は、図1中に一点差線で示す非動作時の可動ヨーク6の状態において、電磁コイル4に通電すると固定ヨーク5が着磁され、その吸着面5aに生ずる磁力で可動ヨーク6は吸引され、ジョイント部6aに作用する上方向の付勢力に抗して矢印方向に移動する。そして、その吸引動作の過程で、先ず、可動ヨーク6の鍔状部10と緩衝部材9が勢い良く当接し、その衝撃で緩衝部材9は徐々に圧縮されながら含浸オイルが呈する弾性力で可動ヨーク6の移動速度は徐々に減速していき、最終的に可動ヨーク6の鍔状部10が固定ヨーク5の吸着面5aに接触した状態で停止する。
【0020】
既述のように、本実施形態で用いた緩衝部材9は、多孔質弾性体に粘着度の高いオイルを含浸させて成るものであるから、このような外部からの衝撃に対して丁度オイルダンパーの如き緩衝効果を奏し、可動ヨーク6の吸引速度に応じた弾性力が得られるように作用する。また、含浸オイルの粘着効果により、衝撃力は緩衝部材9の全面に亘って均等に分散されることになり、衝撃を満遍なく効果的に吸収できる。
【0021】
このように、本発明では、緩衝部材9の奏するオイルダンパー効果によって、可動ヨーク6の鍔状部10は、極めて緩慢な動作で固定ヨーク5の吸着面5aに当接するようになり、よって、その際の衝撃音は極めて小さいものとなっている。
しかも、鍔状部10と吸着面5aの間に空隙が生じない構造であるから磁気特性の劣化は無く、よって、動作後も十分な吸着力を維持することができる。
【0022】
次に、通電状態から電磁コイルへの通電が遮断されると、電磁石の磁力が消滅し、図示しない前記弾性部材により可動ヨーク6は固定鉄心5から離間し、図1中に示す一点鎖線の状態に復帰する。この時、可動ヨーク6の戻り動作、即ち、可動ヨーク6の鍔状部10が固定ヨーク5の吸着面5aからの離れる際の動作は、緩衝部材9に含浸したグリースの粘着性により極めて緩慢であるから、復帰する際に可動ヨーク6が制御対象物のケーシング等に衝突して生じる衝撃音も著しく減少する。
【0023】
また、本発明に係る緩衝部材9は、図1、図2に示したプランジャ型ソレノイドに限らず、図3に示すようなフラッパ型ソレノイドにも勿論適用可能であり、上記実施形態と同様に優れた緩衝効果を奏するものである。
【0024】
図3に示すフラッパ型ソレノイド1は、筒状のボビン3に巻回された電磁コイル4と、その空芯部に配置された丸棒状の固定鉄心2と、この固定鉄心2の一端が固定されて前記電磁コイル4を囲む磁路を形成するコの字形の固定ヨーク5と、このコの字形固定ヨーク5の開放側一端部に回動自在に連結された鍔状の可動鉄心6と、非動作時に、この可動鉄片6を固定鉄心2から離間するように付勢する付勢バネ7を備えている。尚、可動鉄片6の先端部には図示しない外部制御対象物に作動力を伝達するためのジョイント部6aが突設されている。
本構成の場合は、電磁コイル4と前記固定鉄心2とで電磁石が構成され、電磁コイル4に通電することにより固定鉄心2を着磁し、その磁力で離間した状態で対向する可動鉄片6を固定鉄心側に吸引するように動作する。
【0025】
ここで、本実施形態では、固定鉄心2の周囲を囲むように、可動鉄片6とボビン3の上部フランジ3aの間にドーナツ状の緩衝部材9を配置してある。尚、この緩衝部材9は、図1、図2の実施形態と同様の、フェルト材に粘着度の高いグリースを含浸して構成した粘着弾性体が用いられている。
【0026】
このように構成されたフラッパ型ソレノイド1は、電磁コイル4が非通電の状態では、付勢バネ7の引っ張り力により可動鉄片6が固定鉄心2の吸着面2aから離間した、図中、一点鎖線の状態に位置している。
この状態で電磁コイル4を通電すると、可動鉄片6は電磁石の磁力により付勢バネ7の引っ張り力に抗し、連結部8を支点として図中の矢印方向に回動し、固定鉄心2の吸着面2aに吸引されていく。そして、可動鉄片6は、この吸引動作の過程で、先ず、緩衝部材9に当接し、その衝撃で緩衝部材9は徐々に圧縮されながら回動速度は徐々に減速していき、最終的に可動鉄片6は固定鉄心2の吸着面2aにソフトに接触した状態で停止する。そして、その際の衝撃は緩衝部材9により吸収されて衝撃音は著しく減少する。尚、電磁コイル4への通電を遮断した時の可動鉄片6の戻り動作においても、前記実施形態と同様、グリースの粘性により復帰時の衝撃音を減少できる。
【0027】
以上説明した本実施形態では、緩衝部材9としてフェルト材を用いたが、フェルト材の他、スポンジ、多孔質ゴム等も使用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、固定ヨークと可動ヨークの間に高粘性の液体を含浸した多孔質弾性体を介在したので、この粘着弾性体の奏するオイルダンパー的な緩衝作用により、ソレノイド作動時の衝撃音を効果的に減少することができる。加えて、可動ヨークの戻り動作においては、緩衝部材の粘性により復帰時の衝撃音も同時に減少できる。
【0029】
また、当緩衝部材を用いれば、好適な緩衝効果を維持した状態で作動時に可動ヨークと固定ヨークを当接できるので、従来のように緩衝部材を介在したために磁気特性が劣化して吸引力が低下するといった問題は回避でき、十分な吸着力を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたプランジャ型ソレノイドの概略構成を示す側断面図。
【図2】本発明が適用されたプランジャ型ソレノイドの概略構成を示す分解斜視図。
【図3】本発明が適用されたフラッパ型ソレノイドの概略構成を示す側断面図。
【符号の説明】
1 ソレノイド
4 励磁コイル
5 固定ヨーク
5a 吸着面
6 可動ヨーク
9 多孔質弾性体(緩衝部材)
10 鍔状部
Claims (3)
- 固定ヨークと、当該固定ヨークに吸引される可動ヨークと、前記固定ヨーク内に配置されて、これらのヨークを励磁する励磁コイルを備えたソレノイドにおいて、
前記可動ヨークは前記固定ヨークの吸着面に対向する鍔状部を備えており、且つ、当該鍔状部と前記電磁コイルの間に高粘性の液体を含浸した多孔質弾性体を介在したことを特徴とするソレノイド。 - 前記多孔質弾性体としてフェルトを用いたことを特徴とする請求項1または請求項1の何れかに記載のソレノイド。
- 前記高粘性の液体としてグリースを用いたことを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のソレノイド。
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---|---|---|---|---|
JP2012075574A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Terumo Corp | 自動腹膜透析装置 |
CN106910589A (zh) * | 2017-04-19 | 2017-06-30 | 黄曦雨 | 一种新型电磁线圈组件及该组件的制造方法 |
-
2002
- 2002-12-04 JP JP2002352185A patent/JP2004186464A/ja active Pending
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