JP2004186367A - 半導体装置の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミリサイズのリードレス半導体素子のような小型化された半導体装置を対象とする場合であっても、その特性テスト時にやその後の搬送時において半導体装置を損傷することがなく、しかも、テープ梱包時において半導体装置全体を容易に反転させることのできる半導体装置の製造装置を提供する。
【解決手段】インデックステーブル1上に軸受21を配設し、この軸受21にインデックステーブル表面と平行に支軸22を設ける。支軸22に半導体装置Wの保持部2を回転可能に支持する。インデックステーブル1近傍には、保持部2をインデックステーブル表面と平行な位置からその反転位置にまで回動させる反転操作装置を配置する。反転操作装置により前記保持部を反転させることにより保持部2と共に半導体装置Wを表裏反転させて、テーピング装置6に移送する。反転操作装置は、保持部2に設けたローラ24と、これを押し上げる操作アーム25からなる。
【選択図】 図1
【解決手段】インデックステーブル1上に軸受21を配設し、この軸受21にインデックステーブル表面と平行に支軸22を設ける。支軸22に半導体装置Wの保持部2を回転可能に支持する。インデックステーブル1近傍には、保持部2をインデックステーブル表面と平行な位置からその反転位置にまで回動させる反転操作装置を配置する。反転操作装置により前記保持部を反転させることにより保持部2と共に半導体装置Wを表裏反転させて、テーピング装置6に移送する。反転操作装置は、保持部2に設けたローラ24と、これを押し上げる操作アーム25からなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ部品等の半導体装置の製造装置に関するもので、詳しくは、複数の半導体装置を搭載しているリードフレーム、トレイ、粘着シートから、個別に半導体装置を分離し、特性テスト、梱包(テーピング)処理を行う製造装置において、分離された個別の半導体装置を移載する手段に改良を施したものである。
特に、本発明は、樹脂モールドパッケージの裏面等に電極端子を露呈させたリードレスの半導体素子や、樹脂モールドに封止せずにSiチップ表面に電極端子を露呈させたフリップチップなどのリードレスの半導体素子などの半導体装置について、その特性テストその他の処理を施した後、テーピング梱包するのに適したものである。
【0002】
【従来の技術】
ミニモールドトランジスタ等の半導体素子を含む電子部品は、短冊状のリードフレームを用いて数多くの電子部品が一括して製造され、これを個々の電子部品に分けて出荷される。この場合、リードフレームから電子部品を取り出した後、典型的には回転テーブルからなる回転式搬送機構を用いて搬送し、この搬送過程で、外観の寸法や電気特性の測定、捺印など出荷に際して必要とされる一連の処理を行った後に、梱包テープに挿入するための装置として下記の特許文献1,2に記載の装置が知られている。
【0003】
また、最近では、携帯型コンピュータの普及で需要が増大傾向にあるCSP(Chip Size Package )等のリードレス半導体素子についても、ブレージング工程で個々に分断されて製造されたリードレス半導体素子の特性測定や外観検査等の複合処理を行ってから品質ランク別にテーピング梱包して出荷している。
すなわち、リードレス半導体素子のブレージング工程では、複数のリードレス半導体素子が高密度で一連に形成された薄板形状の樹脂モールド基板をウェーハシートに貼着した状態でブレージングソーで個々のリードレス半導体素子に細分割しており、この工程でミリサイズに細分割されたリードレス半導体素子の個々が、次の複合処理設備に送られて最終的にテーピング梱包される。
【0004】
この場合、ウェーハシート上でミリサイズに細分割されたリードレス半導体素子を1個ずつウェーハシートから剥がして整列トレーに多数個を整列させ、必要時に整列トレーからリードレス半導体素子を1個ずつ複合処理設備の特性測定装置に送り出したり、前記ウェーハシートから個々のリードレス半導体素子をパーツフィーダに集合させ、必要時にパーツフィーダでリードレス半導体素子を整列させながら複合処理設備に送り出している。このリードレス半導体素子のようなミリサイズに小型化された半導体装置の製造装置としては、特許文献3に記載のものが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2667712号公報
【特許文献2】
特許第2531006号公報
【特許文献3】
特開2002−246448号公報
【0006】
特許文献1に記載の装置は、リードフレームから電子部品を一個ずつ取り出した後に、これを、連続的に配置した複数の回転式搬送機構に移載して一連の処理を行った後に、テープに梱包している。
【0007】
これに対して、特許文献2に記載の装置は、リードフレームから二個の電子部品を一組として取り出して回転式搬送機構に移載し、二個一組の電子部品を単位として一連の処理を行った後、最後の回転式搬送機構である電子部品を梱包テープに挿入するための最も後段の回転式搬送機構に対して、その上段の回転テーブルに付設したシフト機構を用いて一個ずつ電子部品を最も後段の電子部品挿入用回転式搬送機構に移載する手法を採用している。
【0008】
特許文献3の装置は、電子部品挿入用回転式搬送機構の外周に、その接線方向に延びる、互いに並列に配置された4本の梱包テープを用意し、他方、梱包テープに電子部品を挿入するに際して、レーンチェンジ機構を使って、電子部品を保持するための手段(典型的には吸着ノズルやチャック状の把持爪)を電子部品挿入用回転式搬送機構の径方向外方に移動させて、電子部品の電気的な特性に応じて、4本の梱包テープの何れか一本に電子部品を振り分けている。
【0009】
また、ウェーハシートに貼着された複数のリードレス半導体素子を有するウェーハシートユニットのウェーハシートを伸展させて複数の半導体素子を分離させる工程と、ウェーハシートから半導体素子をピックアップする工程と、このピックアップされた半導体素子を所定の測定ポジションに移送して特性測定する工程と、測定ポジションから半導体素子をピックアップして後続の処理ポジションに順に移送して最終処理ポジションで半導体素子をテーピング梱包する工程とを有することを特徴としている。
【0010】
特に、この特許文献3の装置は、リードレス半導体素子の製造に使用されるウェーハシートユニットを利用している。すなわち、リードレス半導体素子はCSP等の樹脂パッケージされたミリサイズのチップ部品で、1枚の樹脂パッケージ基板から多数個が一括して製造されて、伸展可能なウェーハシートに貼着された状態で基板がブレージングされて複数のリードレスの半導体素子に分割される。
【0011】
ウェーハシートはその周辺部が金属のウェーハリングに支持された伸展可能な粘着シートである。このウェーハシートを使って製造された個々のリードレス半導体素子をウェーハシートから剥がさずに残してウェーハシートとユニット化し、このウェーハシートユニットをリードレス半導体素子の供給手段として使用する。この特許文献3の装置では、ウェーハシートユニットからのリードレス半導体素子のピックアップ手段は真空式の吸着ノズルが望ましく、ウェーハシートユニットから各種の処理ポジションへの半導体素子の移送手段は前記吸着ノズルを具えたターンテーブルが望ましいとされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記の特許文献に記載の装置は、いずれも特性テスト後に、半導体装置をチャック状のハンドリング装置で把持したり、吸着ノズルで吸引して搬送し、最終的にキャリアテープの凹部内に落とし込み、その上方からシールテープで密封することにより梱包している。
【0013】
しかし、半導体装置は、特許文献3に記載されたリードレス半導体素子のように小型化かつ薄型化が進んでおり、前記のようなハンドリング装置では、その搬送時に半導体装置を破壊させる可能性があることが問題であった。また、リードレス半導体は、ミリサイズの矩形チップ状の樹脂モールドパッケージの上面に複数の電極端子を形成したリードレスチップ部品(CSP)である。このリードレス半導体素子の電極端子は金メッキ面やバンプ電極であり、半導体素子は電極端子のある面を下にしてプリント基板等に実装されるが、一方、その特性テストの場合には電極端子のある面を上にしないとテスト用のプローブを電極端子に接触させることができない。そのため、特性テスト時とテーピング梱包時とでは、半導体装置全体を反転させる必要があるが、従来のようなハンドリング装置では、搬送機構の構造が複雑になり、コストが増加する傾向にあった。
【0014】
本発明は前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、たとえミリサイズのリードレス半導体素子のような小型化された半導体装置を対象とする場合であっても、その特性テスト時にやその後の搬送時において半導体装置を損傷することがなく、しかも、テープ梱包時において半導体装置全体を容易に反転させることのできる半導体装置の製造装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記のように目的を達成するために、請求項1の発明は、インデックステーブル上に軸受を配設し、この軸受にインデックステーブル表面と平行に支軸を設け、この支軸に対して半導体装置の保持部を回転可能に支持し、このインデックステーブル近傍には、前記保持部を、インデックステーブル表面と平行な位置からその反転位置にまで回動させる反転操作装置を配置し、この反転操作装置により前記保持部を反転させることにより保持部と共に半導体装置を表裏反転させて、保持部上の半導体装置を他の装置に移送することを特徴とする。
【0016】
このような構成を有する請求項1の発明によれば、インデックステーブルの周囲に配置された特性テスト装置やテーピング装置など、半導体装置に要求される機能に応じて、半導体装置を反転させてその表裏方向の向きを変更することができる。特に、保持部全体を反転させることで、保持部上の半導体装置をチャックなどで把持する必要がなく、半導体装置の破損や位置決め不良が生じるおそれがない。
【0017】
請求項2の発明は、前記請求項1の発明において、前記支軸がインデックステーブルの外周縁に沿って配置され、この支軸に保持部のインデックステーブル外周側が回動自在に支持され、保持部による半導体装置の搬送時には保持部に保持された半導体装置がインデックステーブル上に位置し、保持部の反転時においては保持部に保持された半導体装置がインデックステーブル外周部よりも外方に位置することを特徴とする。
【0018】
このような構成を有する請求項2の発明によれば、インデックステーブル上で上向きに搬送された半導体装置を、インデックステーブル外部の他の機器に対して反転状態で移送することが可能になる。特に、半導体装置の反転動作とインデックステーブル上から他の機器への移送動作が、保持部を支軸を中心として回動させるという一つの動作で実行できるので、半導体装置の処理速度が迅速に行えると共に、装置の構造も単純化される。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記インデックステーブルの周囲に半導体装置の特性テスト装置及びテーピング装置を備え、前記保持部が特性テスト装置に対向した位置においては保持部上面に半導体装置を上向きに位置させ、前記保持部がテーピング装置に対向した位置においては保持部が反転して半導体装置を下向きに反転させ、保持部からテーピング装置に半導体装置を移送させることを特徴とする。
【0020】
このような構成を有する請求項3の発明によれば、特性テスト部分では、テスト装置のプローブなどに電極端子を接触させるために、半導体装置を電極端子が上になるように保持しておき、テーピング装置に収容する場合には、電極端子が梱包用テープに設けた凹部の底側に来るように反転させて、保持部から凹部内に落とし込むことが可能になる。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1、請求項2または請求項3に記載の発明において、前記反転操作装置が、保持部近傍に配置された操作アームを備え、この操作アームが保持部に対して接離可能に往復動し、前記保持部を軸受を中心として回動させることを特徴とする。
【0022】
このような構成を有する請求項4の発明によれば、操作アームをインデックステーブル上に設けられた複数の保持部ごとにその近傍に操作アームを設けたり、インデックステーブルとは別箇所(例えば、テーピング装置の近傍)に、その部分に保持部が到達した場合に保持部近傍となるように設けることにより、この操作アームにより保持部を押圧することで、保持部全体を支軸を中心として反転させることができる。
【0023】
請求項5の発明は、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4の発明において、前記保持部が半導体装置の吸着ノズルを備え、その反転位置において、この吸着ノズルが保持部に保持された半導体装置を解放することを特徴とする。
【0024】
このような構成を有する請求項5の発明によれば、吸着ノズルによって半導体装置が保持部上に確実に保持されると共に、保持部からの離脱のタイミングも適切に設定することが可能になるので、例えば、インデックステーブル上からテーピング装置のテープ内部への半導体装置の落とし込みを確実に実行できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って具体的に説明する。図1及び図2は、本発明の半導体装置の製造装置の全体構成の概略を示す側面図と平面図である。
【0026】
[1.全体の構成]
この図1及び図2に示すように、本実施の形態の装置は、インデックステーブル1と、このインデックステーブル1上にその周縁部に沿って一定の間隔(角度)で配置された複数の半導体装置保持部2とを備えている。このインデックステーブル1は、駆動モータ11の駆動力をタイミングベルト12で伝達することにより、一定間隔で間欠回転するものである。
【0027】
前記インデックステーブル1の外周部近傍には、このインデックステーブル1の各保持部2に対して、所定数(図示の例では1個)の半導体装置を個別に供給する半導体装置供給装置3、保持部2上に保持された半導体装置の位置を補正する位置補正装置4、半導体装置の特性テスト装置5及び特性テストなどの処理が終了した半導体装置を梱包するテーピング装置6が設けられている。なお、図2において、51は特性テスト装置5のプローブ、61はテーピング装置6のキャリアテープ、62はキャリアテープ61に設けられた半導体装置W収容用の凹部である。
【0028】
なお、図示しないが、インデックステーブル1の周囲には、前記特性テスト装置5以外に、捺印装置、良品と不良品の区分装置など、各種の装置をインデックステーブル1の間欠回転時における各保持装置の停止位置に対応して配置することができる。
【0029】
図1に示すように、前記供給装置3は、本実施の形態では、ウェーハリング保持部31と、このウェーハリング保持部31上に保持されたウェーハシートから個々の半導体装置Wを突き上げて離脱させる突き上げピン32と、この突き上げピン32によって持ち上げられた半導体装置を吸着してインデックステーブル1上の保持部2に搬送する移送装置33が設けられている。
【0030】
なお、ウェーハシートは、その周辺部がウェーハリングで固定されて、ウェーハリングを利用してウェーハシートを伸展させて半導体素子を分離するようにしている。すなわち、金属のウェーハリングにウェーハシートの周辺部が固着され、このウェーハシートの中央部に複数のリードレスの半導体装置が碁盤目状に分割されて貼着されている。また、ウェーハリング保持部31は、水平面を前後左右に移動可能かつ回転可能なXYテーブルで、これを前後左右移動及び回転させることで、突き上げピン32の位置に移動させることで、ウェーハシート上の任意の半導体装置Wが移送装置33に吸着されてインデックステーブル1に供給される。
【0031】
[2.保持部2の構成]
図3及び図4に示す拡大図に示すように、前記インデックステーブル1上に設けられた半導体装置の保持部2は、インデックステーブルの表面と平行に配置された軸受21に対して回動可能に取り付けられている。すなわち、保持部2のインデックステーブル1の外周縁側に支軸22が設けられ、保持部2はこの支軸22部分を中心としてインデックステーブルの外周側に180°反転するように構成されている。この保持部2上には真空吸着装置23が設けられていて、この真空吸着装置23上に半導体装置Wを吸着保持して搬送すると共に、真空吸着装置23の吸着力を解除することにより、保持部2上から半導体装置Wを解放できるようになっている。なお、図示しないが、各保持部2の真空吸着装置23には吸気用の配管が接続されている。
【0032】
インデックステーブル1上に設けられた各保持部2の近傍には、それぞれ各保持部2を回動させるための反転操作装置が設けられている。本実施の形態では、この反転操作装置として、各保持部2の側面に前記支軸22と平行に伸びる軸を中心として回動するローラ24が設けられ、このローラ24の下方には、その上昇時においてローラ24に当接してこれを突き上げる操作アーム25が設けられている。さらに、図示しないが、この操作アーム25の押圧力に逆らって、保持部2を常時インデックステーブル1と平行な位置、すなわち半導体装置Wが情報に向いた位置に向かって保持部2を常時付勢するスプリングが設けられている。
【0033】
この操作アーム25は、その上辺部と側辺部とが円弧状に湾曲したコーナー部によって接続された形状を有し、図3及び図4に示すように、その下降位置においては上辺部がローラ24の下方に位置し、上昇時には上辺部及びこれに続くコーナー部がローラ24を押し上げつつ支軸22を中心としてインデックステーブル1の外周側に回動させ、上昇完了時には操作アーム25の側辺部が図示しないスプリングの力で元の位置に復帰することを阻止している。
【0034】
なお、前記操作アーム25は、本実施の形態ではインデックステーブル1を貫通してローラ24を押し上げるように構成されるているため、図2の全体構成を示す平面図では示していないが、インデックステーブル1におけるこの操作アーム25の対応部分には、操作アーム25の昇降を可能とするために切欠や貫通穴などの開口部が形成されている。
【0035】
[3.作用]
前記のような構成を有する本実施の形態の半導体装置の製造装置の作用は、次の通りである。
まず、半導体装置供給装置3のウェーハリング保持部31上に支持された半導体装置Wは、ウェーハリング保持部31をX−Y方向に移動させることにより、保持部31上の各半導体装置Wを順次突き上げピン32の位置に移動させる。突き上げピン32の位置に達した半導体装置は、突き上げピン32によってウェーハリングから押し上げられ、その上方に待機している移送装置33によって吸着され、インデックステーブル1側に移送される。この場合、本実施の形態では、半導体装置Wに設けられている電極端子Tが上方に露出した状態で、移送される。
【0036】
インデックステーブル1側に移送された半導体装置Wは、インデックステーブル1の受け渡し位置に停止している半導体装置保持部2の真空吸着装置23上に、電極端子Tが上方に露出した状態で載置され、真空吸着装置23によって保持部2上で不用意に移動しないように保持される。この場合、半導体装置Wの保持位置は、半導体装置Wの中心が保持部2の中心よりも後述する位置補正装置4の接近方向にずれた位置とする。
【0037】
半導体装置Wが受け渡し位置に停止している保持部2上に載置された後に、インデックステーブル1が間欠回転すると、その保持部2は次の補正位置に達する。すると、この保持部2に対して、補正位置に設けられた位置補正装置4の補正アームが接近し、保持部2上の半導体装置Wをその一辺方向から押圧する。すると、半導体装置Wはその中心と保持部2の中心が一致する位置まで保持部2の真空吸着装置23上で押圧される。このとき、半導体装置Wは真空吸着装置23で吸着保持されているので、その吸着力よりも大きな力で補正アームに押圧されると真空吸着装置23上で滑るように移動し、補正アームによって規制される位置に位置決めされる。
【0038】
なお、本実施形態では一方向の位置決めのみを行っているが、この停止位置にX−Y両方向の位置決めを行うように2本の補正アームを設けても良いし、保持部2の次の停止位置に多方向から接近する補正アームを設けても良い。
【0039】
このようにして位置決めされた半導体装置Wは、インデックステーブル1の回転と共に、次の停止位置、すなわち特性テスト装置5の位置に送られる。この特性テスト装置5においては、テスト装置5のプローブ51が半導体装置Wの電極端子Tに接触して、所定のテストを行う。なお、この場合、プローブ51が確実に接触するように、CCDカメラなどを利用して半導体素子の正確な位置検出と、プローブ51の位置決めを行う。
【0040】
このようにして特性テストが終了した後は、インデックステーブル1の間欠回転に伴う停止位置ごとにその他の必要な処理が実施され、最終的には、半導体装置Wはインデックステーブル1から次の梱包工程であるテーピング装置6に移送される。すなわち、半導体装置Wを保持した保持部2がテーピング装置への移送位置に達して停止すると、保持部2が反転してその上に保持している半導体装置Wをテーピング装置6のキャリアテープ61の凹部62内に落とし込む。
【0041】
すなわち、保持部2の近傍に設けられた操作アーム25が上昇してローラ24を押し上げることにより、保持部2全体を支軸22を中心としてインデックステーブル1の外周側に回動させることで、保持部2全体をインデックステーブル1の外周に反転状態で突出させ、保持部2に吸着されている半導体装置Wをキャリアテープ61の上方に位置させる。その状態で、真空吸着装置23の吸着力を停止することにより、保持部2から半導体装置Wを解放し、凹部62内に落とし込む。このようにすると、インデックステーブルによる搬送時には上方に向いていた電極端子Tが下方に向いた状態で凹部62内に収納されるので、このキャリアテープ61の上方からシールテープを被せて密封することにより、半導体装置の個別かつ密封梱包がなされる。
【0042】
[4.実施形態の効果]
以上の通り、本実施の形態によれば、保持部2を支軸22を中心として操作アーム25によって押圧するだけの簡単な操作で、保持部2全体が半導体装置Wを保持したままの状態でインデックステーブル1上からインデックステーブル外方のテーピング装置6部分にまで移送されると同時に、今まで電極端子Tが上方に向いた状態からキャリアテープ61内の凹部62に収納するのに適した電極端子Tが下向きとなった状態への反転動作も実行されることになる。
【0043】
特に、このような移送作業と反転作業とが、保持部上の半導体装置をハンドリング装置などで把持することなく実施できるので、特性テスト後の半導体装置にふれる必要がなく梱包するSBが可能になるので、特性テスト後に半導体装置が損傷するおそれもない。
【0044】
[5.他の実施形態]
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、次のような他の実施の形態も包含するものである。
(1) 操作アーム25をインデックステーブル1における各保持部2の近傍にそれぞれ設けることなく、保持部2を反転させる必要のある箇所、すなわちテーピング装置6の近傍にインデックステーブル1とは離れて設置し、反転させるべき保持部2がその近傍に達した場合に操作アームを昇降させて保持部2のローラを押し上げる。
(2) 操作アームとローラに代えて、ステッピングモータにより駆動されるカムやリンクを使用したり、電磁プランジャやシリンダにより保持部を回動させる。
(3) インデックステーブル1から梱包用のテーピング装置に半導体装置を送る場合以外に、複数のインデックステーブルを配置して、各インデックステーブルごとに異なった処理を行う場合に、各インデックステーブル間で半導体装置の受け渡しを行わせる。
【0045】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の半導体装置の製造装置によれば、半導体装置をハンドリングをせずに移送及び反転することが可能になるので、半導体装置をまったく破壊せず、不良品の発生が皆無になる。特に、特性テストを行った後にそのままテーピング装置により梱包するような場合、テスト後の不良品の混入の心配がまったくなくなる。また、保持部を単に反転させるだけで移送と反転の2つの処理を行うことできるので、装置全体の構造がシンプルになり、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造装置の一実施の形態を示す側面図。
【図2】本発明の半導体装置の製造装置の一実施の形態を示す平面図。
【図3】本発明における保持部の反転操作装置の一例を示す側面図で、保持部の反転前の状態を示す。
【図4】本発明における保持部の反転操作装置の一例を示す側面図で、保持部の反転後の状態を示す。
【図5】本発明における保持部上に載置された半導体装置に特性テストを行う状態を示す側面図。
【図6】本発明における保持部上に載置された半導体装置を反転させてテーピング装置のキャリアテープに落とし込む状態を示す側面図。
【符号の説明】
1…インデックステーブル
2…保持部
21…軸受
22…支軸
23…真空吸着装置
24…ローラ
24…伸びる軸
25…ローラ
25…操作アーム
26…操作アーム
3…半導体装置供給装置
31…ウェーハリング保持部
32…突き上げピン
33…移送装置
4…位置補正装置
5…特性テスト装置
51…プローブ
6…テーピング装置
61…キャリアテープ
62…凹部
T…電極端子
W…半導体装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ部品等の半導体装置の製造装置に関するもので、詳しくは、複数の半導体装置を搭載しているリードフレーム、トレイ、粘着シートから、個別に半導体装置を分離し、特性テスト、梱包(テーピング)処理を行う製造装置において、分離された個別の半導体装置を移載する手段に改良を施したものである。
特に、本発明は、樹脂モールドパッケージの裏面等に電極端子を露呈させたリードレスの半導体素子や、樹脂モールドに封止せずにSiチップ表面に電極端子を露呈させたフリップチップなどのリードレスの半導体素子などの半導体装置について、その特性テストその他の処理を施した後、テーピング梱包するのに適したものである。
【0002】
【従来の技術】
ミニモールドトランジスタ等の半導体素子を含む電子部品は、短冊状のリードフレームを用いて数多くの電子部品が一括して製造され、これを個々の電子部品に分けて出荷される。この場合、リードフレームから電子部品を取り出した後、典型的には回転テーブルからなる回転式搬送機構を用いて搬送し、この搬送過程で、外観の寸法や電気特性の測定、捺印など出荷に際して必要とされる一連の処理を行った後に、梱包テープに挿入するための装置として下記の特許文献1,2に記載の装置が知られている。
【0003】
また、最近では、携帯型コンピュータの普及で需要が増大傾向にあるCSP(Chip Size Package )等のリードレス半導体素子についても、ブレージング工程で個々に分断されて製造されたリードレス半導体素子の特性測定や外観検査等の複合処理を行ってから品質ランク別にテーピング梱包して出荷している。
すなわち、リードレス半導体素子のブレージング工程では、複数のリードレス半導体素子が高密度で一連に形成された薄板形状の樹脂モールド基板をウェーハシートに貼着した状態でブレージングソーで個々のリードレス半導体素子に細分割しており、この工程でミリサイズに細分割されたリードレス半導体素子の個々が、次の複合処理設備に送られて最終的にテーピング梱包される。
【0004】
この場合、ウェーハシート上でミリサイズに細分割されたリードレス半導体素子を1個ずつウェーハシートから剥がして整列トレーに多数個を整列させ、必要時に整列トレーからリードレス半導体素子を1個ずつ複合処理設備の特性測定装置に送り出したり、前記ウェーハシートから個々のリードレス半導体素子をパーツフィーダに集合させ、必要時にパーツフィーダでリードレス半導体素子を整列させながら複合処理設備に送り出している。このリードレス半導体素子のようなミリサイズに小型化された半導体装置の製造装置としては、特許文献3に記載のものが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2667712号公報
【特許文献2】
特許第2531006号公報
【特許文献3】
特開2002−246448号公報
【0006】
特許文献1に記載の装置は、リードフレームから電子部品を一個ずつ取り出した後に、これを、連続的に配置した複数の回転式搬送機構に移載して一連の処理を行った後に、テープに梱包している。
【0007】
これに対して、特許文献2に記載の装置は、リードフレームから二個の電子部品を一組として取り出して回転式搬送機構に移載し、二個一組の電子部品を単位として一連の処理を行った後、最後の回転式搬送機構である電子部品を梱包テープに挿入するための最も後段の回転式搬送機構に対して、その上段の回転テーブルに付設したシフト機構を用いて一個ずつ電子部品を最も後段の電子部品挿入用回転式搬送機構に移載する手法を採用している。
【0008】
特許文献3の装置は、電子部品挿入用回転式搬送機構の外周に、その接線方向に延びる、互いに並列に配置された4本の梱包テープを用意し、他方、梱包テープに電子部品を挿入するに際して、レーンチェンジ機構を使って、電子部品を保持するための手段(典型的には吸着ノズルやチャック状の把持爪)を電子部品挿入用回転式搬送機構の径方向外方に移動させて、電子部品の電気的な特性に応じて、4本の梱包テープの何れか一本に電子部品を振り分けている。
【0009】
また、ウェーハシートに貼着された複数のリードレス半導体素子を有するウェーハシートユニットのウェーハシートを伸展させて複数の半導体素子を分離させる工程と、ウェーハシートから半導体素子をピックアップする工程と、このピックアップされた半導体素子を所定の測定ポジションに移送して特性測定する工程と、測定ポジションから半導体素子をピックアップして後続の処理ポジションに順に移送して最終処理ポジションで半導体素子をテーピング梱包する工程とを有することを特徴としている。
【0010】
特に、この特許文献3の装置は、リードレス半導体素子の製造に使用されるウェーハシートユニットを利用している。すなわち、リードレス半導体素子はCSP等の樹脂パッケージされたミリサイズのチップ部品で、1枚の樹脂パッケージ基板から多数個が一括して製造されて、伸展可能なウェーハシートに貼着された状態で基板がブレージングされて複数のリードレスの半導体素子に分割される。
【0011】
ウェーハシートはその周辺部が金属のウェーハリングに支持された伸展可能な粘着シートである。このウェーハシートを使って製造された個々のリードレス半導体素子をウェーハシートから剥がさずに残してウェーハシートとユニット化し、このウェーハシートユニットをリードレス半導体素子の供給手段として使用する。この特許文献3の装置では、ウェーハシートユニットからのリードレス半導体素子のピックアップ手段は真空式の吸着ノズルが望ましく、ウェーハシートユニットから各種の処理ポジションへの半導体素子の移送手段は前記吸着ノズルを具えたターンテーブルが望ましいとされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記の特許文献に記載の装置は、いずれも特性テスト後に、半導体装置をチャック状のハンドリング装置で把持したり、吸着ノズルで吸引して搬送し、最終的にキャリアテープの凹部内に落とし込み、その上方からシールテープで密封することにより梱包している。
【0013】
しかし、半導体装置は、特許文献3に記載されたリードレス半導体素子のように小型化かつ薄型化が進んでおり、前記のようなハンドリング装置では、その搬送時に半導体装置を破壊させる可能性があることが問題であった。また、リードレス半導体は、ミリサイズの矩形チップ状の樹脂モールドパッケージの上面に複数の電極端子を形成したリードレスチップ部品(CSP)である。このリードレス半導体素子の電極端子は金メッキ面やバンプ電極であり、半導体素子は電極端子のある面を下にしてプリント基板等に実装されるが、一方、その特性テストの場合には電極端子のある面を上にしないとテスト用のプローブを電極端子に接触させることができない。そのため、特性テスト時とテーピング梱包時とでは、半導体装置全体を反転させる必要があるが、従来のようなハンドリング装置では、搬送機構の構造が複雑になり、コストが増加する傾向にあった。
【0014】
本発明は前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、たとえミリサイズのリードレス半導体素子のような小型化された半導体装置を対象とする場合であっても、その特性テスト時にやその後の搬送時において半導体装置を損傷することがなく、しかも、テープ梱包時において半導体装置全体を容易に反転させることのできる半導体装置の製造装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記のように目的を達成するために、請求項1の発明は、インデックステーブル上に軸受を配設し、この軸受にインデックステーブル表面と平行に支軸を設け、この支軸に対して半導体装置の保持部を回転可能に支持し、このインデックステーブル近傍には、前記保持部を、インデックステーブル表面と平行な位置からその反転位置にまで回動させる反転操作装置を配置し、この反転操作装置により前記保持部を反転させることにより保持部と共に半導体装置を表裏反転させて、保持部上の半導体装置を他の装置に移送することを特徴とする。
【0016】
このような構成を有する請求項1の発明によれば、インデックステーブルの周囲に配置された特性テスト装置やテーピング装置など、半導体装置に要求される機能に応じて、半導体装置を反転させてその表裏方向の向きを変更することができる。特に、保持部全体を反転させることで、保持部上の半導体装置をチャックなどで把持する必要がなく、半導体装置の破損や位置決め不良が生じるおそれがない。
【0017】
請求項2の発明は、前記請求項1の発明において、前記支軸がインデックステーブルの外周縁に沿って配置され、この支軸に保持部のインデックステーブル外周側が回動自在に支持され、保持部による半導体装置の搬送時には保持部に保持された半導体装置がインデックステーブル上に位置し、保持部の反転時においては保持部に保持された半導体装置がインデックステーブル外周部よりも外方に位置することを特徴とする。
【0018】
このような構成を有する請求項2の発明によれば、インデックステーブル上で上向きに搬送された半導体装置を、インデックステーブル外部の他の機器に対して反転状態で移送することが可能になる。特に、半導体装置の反転動作とインデックステーブル上から他の機器への移送動作が、保持部を支軸を中心として回動させるという一つの動作で実行できるので、半導体装置の処理速度が迅速に行えると共に、装置の構造も単純化される。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記インデックステーブルの周囲に半導体装置の特性テスト装置及びテーピング装置を備え、前記保持部が特性テスト装置に対向した位置においては保持部上面に半導体装置を上向きに位置させ、前記保持部がテーピング装置に対向した位置においては保持部が反転して半導体装置を下向きに反転させ、保持部からテーピング装置に半導体装置を移送させることを特徴とする。
【0020】
このような構成を有する請求項3の発明によれば、特性テスト部分では、テスト装置のプローブなどに電極端子を接触させるために、半導体装置を電極端子が上になるように保持しておき、テーピング装置に収容する場合には、電極端子が梱包用テープに設けた凹部の底側に来るように反転させて、保持部から凹部内に落とし込むことが可能になる。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1、請求項2または請求項3に記載の発明において、前記反転操作装置が、保持部近傍に配置された操作アームを備え、この操作アームが保持部に対して接離可能に往復動し、前記保持部を軸受を中心として回動させることを特徴とする。
【0022】
このような構成を有する請求項4の発明によれば、操作アームをインデックステーブル上に設けられた複数の保持部ごとにその近傍に操作アームを設けたり、インデックステーブルとは別箇所(例えば、テーピング装置の近傍)に、その部分に保持部が到達した場合に保持部近傍となるように設けることにより、この操作アームにより保持部を押圧することで、保持部全体を支軸を中心として反転させることができる。
【0023】
請求項5の発明は、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4の発明において、前記保持部が半導体装置の吸着ノズルを備え、その反転位置において、この吸着ノズルが保持部に保持された半導体装置を解放することを特徴とする。
【0024】
このような構成を有する請求項5の発明によれば、吸着ノズルによって半導体装置が保持部上に確実に保持されると共に、保持部からの離脱のタイミングも適切に設定することが可能になるので、例えば、インデックステーブル上からテーピング装置のテープ内部への半導体装置の落とし込みを確実に実行できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って具体的に説明する。図1及び図2は、本発明の半導体装置の製造装置の全体構成の概略を示す側面図と平面図である。
【0026】
[1.全体の構成]
この図1及び図2に示すように、本実施の形態の装置は、インデックステーブル1と、このインデックステーブル1上にその周縁部に沿って一定の間隔(角度)で配置された複数の半導体装置保持部2とを備えている。このインデックステーブル1は、駆動モータ11の駆動力をタイミングベルト12で伝達することにより、一定間隔で間欠回転するものである。
【0027】
前記インデックステーブル1の外周部近傍には、このインデックステーブル1の各保持部2に対して、所定数(図示の例では1個)の半導体装置を個別に供給する半導体装置供給装置3、保持部2上に保持された半導体装置の位置を補正する位置補正装置4、半導体装置の特性テスト装置5及び特性テストなどの処理が終了した半導体装置を梱包するテーピング装置6が設けられている。なお、図2において、51は特性テスト装置5のプローブ、61はテーピング装置6のキャリアテープ、62はキャリアテープ61に設けられた半導体装置W収容用の凹部である。
【0028】
なお、図示しないが、インデックステーブル1の周囲には、前記特性テスト装置5以外に、捺印装置、良品と不良品の区分装置など、各種の装置をインデックステーブル1の間欠回転時における各保持装置の停止位置に対応して配置することができる。
【0029】
図1に示すように、前記供給装置3は、本実施の形態では、ウェーハリング保持部31と、このウェーハリング保持部31上に保持されたウェーハシートから個々の半導体装置Wを突き上げて離脱させる突き上げピン32と、この突き上げピン32によって持ち上げられた半導体装置を吸着してインデックステーブル1上の保持部2に搬送する移送装置33が設けられている。
【0030】
なお、ウェーハシートは、その周辺部がウェーハリングで固定されて、ウェーハリングを利用してウェーハシートを伸展させて半導体素子を分離するようにしている。すなわち、金属のウェーハリングにウェーハシートの周辺部が固着され、このウェーハシートの中央部に複数のリードレスの半導体装置が碁盤目状に分割されて貼着されている。また、ウェーハリング保持部31は、水平面を前後左右に移動可能かつ回転可能なXYテーブルで、これを前後左右移動及び回転させることで、突き上げピン32の位置に移動させることで、ウェーハシート上の任意の半導体装置Wが移送装置33に吸着されてインデックステーブル1に供給される。
【0031】
[2.保持部2の構成]
図3及び図4に示す拡大図に示すように、前記インデックステーブル1上に設けられた半導体装置の保持部2は、インデックステーブルの表面と平行に配置された軸受21に対して回動可能に取り付けられている。すなわち、保持部2のインデックステーブル1の外周縁側に支軸22が設けられ、保持部2はこの支軸22部分を中心としてインデックステーブルの外周側に180°反転するように構成されている。この保持部2上には真空吸着装置23が設けられていて、この真空吸着装置23上に半導体装置Wを吸着保持して搬送すると共に、真空吸着装置23の吸着力を解除することにより、保持部2上から半導体装置Wを解放できるようになっている。なお、図示しないが、各保持部2の真空吸着装置23には吸気用の配管が接続されている。
【0032】
インデックステーブル1上に設けられた各保持部2の近傍には、それぞれ各保持部2を回動させるための反転操作装置が設けられている。本実施の形態では、この反転操作装置として、各保持部2の側面に前記支軸22と平行に伸びる軸を中心として回動するローラ24が設けられ、このローラ24の下方には、その上昇時においてローラ24に当接してこれを突き上げる操作アーム25が設けられている。さらに、図示しないが、この操作アーム25の押圧力に逆らって、保持部2を常時インデックステーブル1と平行な位置、すなわち半導体装置Wが情報に向いた位置に向かって保持部2を常時付勢するスプリングが設けられている。
【0033】
この操作アーム25は、その上辺部と側辺部とが円弧状に湾曲したコーナー部によって接続された形状を有し、図3及び図4に示すように、その下降位置においては上辺部がローラ24の下方に位置し、上昇時には上辺部及びこれに続くコーナー部がローラ24を押し上げつつ支軸22を中心としてインデックステーブル1の外周側に回動させ、上昇完了時には操作アーム25の側辺部が図示しないスプリングの力で元の位置に復帰することを阻止している。
【0034】
なお、前記操作アーム25は、本実施の形態ではインデックステーブル1を貫通してローラ24を押し上げるように構成されるているため、図2の全体構成を示す平面図では示していないが、インデックステーブル1におけるこの操作アーム25の対応部分には、操作アーム25の昇降を可能とするために切欠や貫通穴などの開口部が形成されている。
【0035】
[3.作用]
前記のような構成を有する本実施の形態の半導体装置の製造装置の作用は、次の通りである。
まず、半導体装置供給装置3のウェーハリング保持部31上に支持された半導体装置Wは、ウェーハリング保持部31をX−Y方向に移動させることにより、保持部31上の各半導体装置Wを順次突き上げピン32の位置に移動させる。突き上げピン32の位置に達した半導体装置は、突き上げピン32によってウェーハリングから押し上げられ、その上方に待機している移送装置33によって吸着され、インデックステーブル1側に移送される。この場合、本実施の形態では、半導体装置Wに設けられている電極端子Tが上方に露出した状態で、移送される。
【0036】
インデックステーブル1側に移送された半導体装置Wは、インデックステーブル1の受け渡し位置に停止している半導体装置保持部2の真空吸着装置23上に、電極端子Tが上方に露出した状態で載置され、真空吸着装置23によって保持部2上で不用意に移動しないように保持される。この場合、半導体装置Wの保持位置は、半導体装置Wの中心が保持部2の中心よりも後述する位置補正装置4の接近方向にずれた位置とする。
【0037】
半導体装置Wが受け渡し位置に停止している保持部2上に載置された後に、インデックステーブル1が間欠回転すると、その保持部2は次の補正位置に達する。すると、この保持部2に対して、補正位置に設けられた位置補正装置4の補正アームが接近し、保持部2上の半導体装置Wをその一辺方向から押圧する。すると、半導体装置Wはその中心と保持部2の中心が一致する位置まで保持部2の真空吸着装置23上で押圧される。このとき、半導体装置Wは真空吸着装置23で吸着保持されているので、その吸着力よりも大きな力で補正アームに押圧されると真空吸着装置23上で滑るように移動し、補正アームによって規制される位置に位置決めされる。
【0038】
なお、本実施形態では一方向の位置決めのみを行っているが、この停止位置にX−Y両方向の位置決めを行うように2本の補正アームを設けても良いし、保持部2の次の停止位置に多方向から接近する補正アームを設けても良い。
【0039】
このようにして位置決めされた半導体装置Wは、インデックステーブル1の回転と共に、次の停止位置、すなわち特性テスト装置5の位置に送られる。この特性テスト装置5においては、テスト装置5のプローブ51が半導体装置Wの電極端子Tに接触して、所定のテストを行う。なお、この場合、プローブ51が確実に接触するように、CCDカメラなどを利用して半導体素子の正確な位置検出と、プローブ51の位置決めを行う。
【0040】
このようにして特性テストが終了した後は、インデックステーブル1の間欠回転に伴う停止位置ごとにその他の必要な処理が実施され、最終的には、半導体装置Wはインデックステーブル1から次の梱包工程であるテーピング装置6に移送される。すなわち、半導体装置Wを保持した保持部2がテーピング装置への移送位置に達して停止すると、保持部2が反転してその上に保持している半導体装置Wをテーピング装置6のキャリアテープ61の凹部62内に落とし込む。
【0041】
すなわち、保持部2の近傍に設けられた操作アーム25が上昇してローラ24を押し上げることにより、保持部2全体を支軸22を中心としてインデックステーブル1の外周側に回動させることで、保持部2全体をインデックステーブル1の外周に反転状態で突出させ、保持部2に吸着されている半導体装置Wをキャリアテープ61の上方に位置させる。その状態で、真空吸着装置23の吸着力を停止することにより、保持部2から半導体装置Wを解放し、凹部62内に落とし込む。このようにすると、インデックステーブルによる搬送時には上方に向いていた電極端子Tが下方に向いた状態で凹部62内に収納されるので、このキャリアテープ61の上方からシールテープを被せて密封することにより、半導体装置の個別かつ密封梱包がなされる。
【0042】
[4.実施形態の効果]
以上の通り、本実施の形態によれば、保持部2を支軸22を中心として操作アーム25によって押圧するだけの簡単な操作で、保持部2全体が半導体装置Wを保持したままの状態でインデックステーブル1上からインデックステーブル外方のテーピング装置6部分にまで移送されると同時に、今まで電極端子Tが上方に向いた状態からキャリアテープ61内の凹部62に収納するのに適した電極端子Tが下向きとなった状態への反転動作も実行されることになる。
【0043】
特に、このような移送作業と反転作業とが、保持部上の半導体装置をハンドリング装置などで把持することなく実施できるので、特性テスト後の半導体装置にふれる必要がなく梱包するSBが可能になるので、特性テスト後に半導体装置が損傷するおそれもない。
【0044】
[5.他の実施形態]
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、次のような他の実施の形態も包含するものである。
(1) 操作アーム25をインデックステーブル1における各保持部2の近傍にそれぞれ設けることなく、保持部2を反転させる必要のある箇所、すなわちテーピング装置6の近傍にインデックステーブル1とは離れて設置し、反転させるべき保持部2がその近傍に達した場合に操作アームを昇降させて保持部2のローラを押し上げる。
(2) 操作アームとローラに代えて、ステッピングモータにより駆動されるカムやリンクを使用したり、電磁プランジャやシリンダにより保持部を回動させる。
(3) インデックステーブル1から梱包用のテーピング装置に半導体装置を送る場合以外に、複数のインデックステーブルを配置して、各インデックステーブルごとに異なった処理を行う場合に、各インデックステーブル間で半導体装置の受け渡しを行わせる。
【0045】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の半導体装置の製造装置によれば、半導体装置をハンドリングをせずに移送及び反転することが可能になるので、半導体装置をまったく破壊せず、不良品の発生が皆無になる。特に、特性テストを行った後にそのままテーピング装置により梱包するような場合、テスト後の不良品の混入の心配がまったくなくなる。また、保持部を単に反転させるだけで移送と反転の2つの処理を行うことできるので、装置全体の構造がシンプルになり、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造装置の一実施の形態を示す側面図。
【図2】本発明の半導体装置の製造装置の一実施の形態を示す平面図。
【図3】本発明における保持部の反転操作装置の一例を示す側面図で、保持部の反転前の状態を示す。
【図4】本発明における保持部の反転操作装置の一例を示す側面図で、保持部の反転後の状態を示す。
【図5】本発明における保持部上に載置された半導体装置に特性テストを行う状態を示す側面図。
【図6】本発明における保持部上に載置された半導体装置を反転させてテーピング装置のキャリアテープに落とし込む状態を示す側面図。
【符号の説明】
1…インデックステーブル
2…保持部
21…軸受
22…支軸
23…真空吸着装置
24…ローラ
24…伸びる軸
25…ローラ
25…操作アーム
26…操作アーム
3…半導体装置供給装置
31…ウェーハリング保持部
32…突き上げピン
33…移送装置
4…位置補正装置
5…特性テスト装置
51…プローブ
6…テーピング装置
61…キャリアテープ
62…凹部
T…電極端子
W…半導体装置
Claims (5)
- インデックステーブル上に軸受を配設し、この軸受にインデックステーブル表面と平行に支軸を設け、この支軸に対して半導体装置の保持部を回転可能に支持し、このインデックステーブル近傍には、前記保持部を、インデックステーブル表面と平行な位置からその反転位置にまで回動させる反転操作装置を配置し、この反転操作装置により前記保持部を反転させることにより保持部と共に半導体装置を表裏反転させて、保持部上の半導体装置を他の装置に移送することを特徴とする半導体装置の製造装置。
- 前記支軸がインデックステーブルの外周縁に沿って配置され、この支軸に保持部のインデックステーブル外周側が回動自在に支持され、保持部による半導体装置の搬送時には保持部に保持された半導体装置がインデックステーブル上に位置し、保持部の反転時においては保持部に保持された半導体装置がインデックステーブル外周部よりも外方に位置することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造装置。
- 前記インデックステーブルの周囲に半導体装置の特性テスト装置及びテーピング装置を備え、前記保持部が特性テスト装置に対向した位置においては保持部上面に半導体装置を上向きに位置させ、前記保持部がテーピング装置に対向した位置においては保持部が反転して半導体装置を下向きに反転させ、保持部からテーピング装置に半導体装置を移送させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造装置。
- 前記反転操作装置が、保持部近傍に配置された操作アームを備え、この操作アームが保持部に対して接離可能に往復動し、前記保持部を軸受を中心として回動させることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の半導体装置の製造装置。
- 前記保持部が半導体装置の吸着装置を備え、その反転位置において、この吸着装置が保持部に保持された半導体装置を解放することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の半導体装置の製造装置。
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-
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- 2002-12-03 JP JP2002350800A patent/JP2004186367A/ja active Pending
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