JP4301393B2 - 半導体装置の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ部品等の半導体装置の製造装置に関するもので、詳しくは、複数の半導体装置を搭載しているリードフレーム、トレイ、粘着シートから、個別に半導体装置を分離し、特性テスト、テーピング梱包といった処理を行う製造装置において、分離された個別の半導体装置を移載する手段に改良を施したものである。特に、本発明は、半導体装置を所定の位置に補正する位置決め技術に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
ミニモールドトランジスタ等の半導体装置を含む電子部品は、短冊状のリードフレームを用いて数多くの電子部品が一括して製造され、これを個々の電子部品に分けて出荷される。この場合、リードフレームから電子部品を取り出した後、典型的には回転テーブルからなる回転式搬送機構を用いて搬送し、この搬送過程で、外観の寸法や電気特性の測定、捺印など出荷に際して必要とされる一連の処理を行った後に、梱包用のキャリアテープに挿入するための装置として下記の特許文献1,2に記載の装置が知られている。
【0003】
また、最近では、携帯型コンピュータの普及で需要が増大傾向にあるCSP(Chip Size Package )等のリードレス半導体装置についても、ブレージング工程で個々に分断されて製造されたリードレス半導体装置の特性測定や外観検査等の複合処理を行ってから品質ランク別にテーピング梱包して出荷している。
すなわち、リードレス半導体装置のブレージング工程では、複数のリードレス半導体装置が高密度で一連に形成された薄板形状の樹脂モールド基板をウェーハシートに貼着した状態でブレージングソーで個々のリードレス半導体装置に細分割しており、この工程でミリサイズに細分割されたリードレス半導体装置の個々が、次の複合処理設備に送られて最終的にテーピング梱包される。
【0004】
この場合、ウェーハシート上でミリサイズに細分割されたリードレス半導体装置を1個ずつウェーハシートから剥がして整列トレイに多数個を整列させ、必要時に整列トレイからリードレス半導体装置を1個ずつ複合処理設備の特性測定装置に送り出したり、前記ウェーハシートから個々のリードレス半導体装置をパーツフィーダに集合させ、必要時にパーツフィーダでリードレス半導体装置を整列させながら複合処理設備に送り出している。このリードレス半導体装置のようなミリサイズに小型化された半導体装置の製造装置としては、特許文献3に記載のものが知られている。
【0005】
特許文献1に記載の装置は、リードフレームから電子部品を一個ずつ取り出した後に、これを、連続的に配置した複数の回転式搬送機構に移載して一連の処理を行った後に、キャリアテープに梱包している。
【0006】
これに対して、特許文献2に記載の装置は、リードフレームから二個の電子部品を一組として取り出して回転式搬送機構に移載し、二個一組の電子部品を単位として一連の処理を行った後、最後の回転式搬送機構である電子部品をキャリアテープに挿入するための最も後段の回転式搬送機構に対して、その上段の回転テーブルに付設したシフト機構を用いて一個ずつ電子部品を最も後段の電子部品挿入用回転式搬送機構に移載する手法を採用している。
【0007】
特許文献2の装置は、また、電子部品挿入用回転式搬送機構の外周に、その接線方向に延びる、互いに並列に配置された4本のキャリアテープを用意し、他方、キャリアテープに電子部品を挿入するに際して、レーンチェンジ機構を使って、電子部品を保持するための手段(典型的には吸着ノズルやチャック状の把持爪)を電子部品挿入用回転式搬送機構の径方向外方に移動させて、電子部品の電気的な特性に応じて、4本のキャリアテープの何れか一本に電子部品を振り分けている。
【0008】
特許文献3の装置は、ウェーハシートに貼着された複数のリードレス半導体装置を有するウェーハシートユニットのウェーハシートを伸展させて複数の半導体装置を分離させる工程と、ウェーハシートから半導体装置をピックアップする工程と、このピックアップされた半導体装置を所定の測定ポジションに移送して特性測定する工程と、測定ポジションから半導体装置をピックアップして後続の処理ポジションに順に移送して最終処理ポジションで半導体装置をテーピング梱包する工程とを有することを特徴としている。
【0009】
特に、この特許文献3の装置は、リードレス半導体装置の製造に使用されるウェーハシートユニットを利用している。すなわち、リードレス半導体装置はCSP等の樹脂パッケージされたミリサイズのチップ部品で、1枚の樹脂パッケージ基板から多数個が一括して製造されて、伸展可能なウェーハシートに貼着された状態で基板がブレージングされて複数のリードレスの半導体装置に分割される。また、ウェーハシートはその周辺部が金属のウェーハリングに支持された伸展可能な粘着シートである。このウェーハシートを使って製造された個々のリードレス半導体装置をウェーハシートから剥がさずに残してウェーハシートとユニット化し、このウェーハシートユニットをリードレス半導体装置の供給手段として使用する。この特許文献3の装置では、ウェーハシートユニットからのリードレス半導体装置のピックアップ手段は真空式の吸着ノズルが望ましく、ウェーハシートユニットから各種の処理ポジションへの半導体装置の移送手段は前記吸着ノズルを具えたターンテーブルが望ましいとされている。
【0010】
ところで、前記の特許文献1〜3に記載の装置をはじめとして半導体装置の製造装置においては、半導体装置をチャック状のハンドリング装置や吸着ノズルといった保持装置にて保持した上で搬送するが、様々な処理を各ポジションにて実施するには保持装置の所定の位置に半導体装置を正確に位置決めしなくてはならない。しかし、半導体装置を保持装置へ供給した時点では正確な位置決めが成されていない。そのため、特許文献4や特許文献5に記載されている半導体装置の位置補正装置が提案されている。これらの装置では、半導体装置を周囲から把持する爪部材を用いることにより半導体装置の位置決めを行っている。
【0011】
【特許文献1】
特許第2667712号公報
【特許文献2】
特許第2531006号公報
【特許文献3】
特開2002−246448号公報
【特許文献4】
特開昭63−168096号公報
【特許文献5】
特開2002−189055号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の半導体装置の位置補正装置には次のような問題点があった。第一に、半導体装置を周囲から爪部材で把持すると、過度に力が加わって半導体装置が破損するおそれがあった。このような不具合を回避するために爪部材と半導体装置との間にクリアランスを設けることも考えられるが、これではクリアランス分を補正しきれなくなることがあり、精度に問題がある。
【0013】
第2に、複数の爪部材を同時に動作させなくてはならないので、機構的に複雑化し易く、部品点数も多くなってコストの増大を招いていた。第3に、爪部材の形状は位置補正の対象である半導体装置の形状に依存するため、半導体装置の品種を変える場合、これに応じて爪部材を交換する必要があった。従って、多数のスペアパーツを揃えておかなくてはならず、しかも交換作業が面倒であった。その結果、半導体装置の多様化に対応することが困難となっていた。
【0014】
本発明は上記の問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、簡単な構成により半導体装置の破損を回避しつつ高精度で位置の補正が可能であり、しかも半導体装置の品種に応じた交換作業を省いて半導体装置の多様化に柔軟に対応可能である、安全性、信頼性及び経済性に優れた半導体装置の製造装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、半導体装置を搬送するインデックステーブルと、このインデックステーブル上にその周縁部に沿って一定の間隔で配置された複数の半導体装置保持部と、前記半導体装置保持部に保持された半導体装置の位置を所定の位置に位置決めする位置補正部とを備え、前記インデックステーブルが間欠回転することによって前記半導体装置保持部が所定の停止位置にて順次停止しながら半導体装置を搬送する半導体装置の製造装置において、次のような構成上の特徴を有している。
【0016】
請求項1の発明では、 前記位置補正装置は、前記半導体装置保持部が所定の停止位置にて停止した状態で、前記半導体装置保持部に保持された半導体装置を、一方向から接触して前記半導体装置保持部からの保持力よりも強い力で動かす往復動自在な補正アームと、この補正アームに駆動力を与える駆動手段とからなることを特徴としている。
請求項2の発明では、請求項1記載の半導体装置の製造装置において、複数の前記補正アームを直交方向に配置したことを特徴としている。
請求項3の発明では、請求項1または2記載の半導体装置の製造装置において、前記保持装置を複数設け、各保持装置ごとに前記補正アームを配置したことを特徴としている。
【0017】
このような構成を有する本発明によれば、駆動手段からの動作力により補正アームが動作し半導体装置を一方向から動かす。この時、補正アームから半導体装置に過度に力が加われば、保持装置上を半導体装置が滑ることになり、余分な力を逃がすことができる。従って、補正アームによって半導体装置が破損するおそれが無く、良好な安全性を得ることができる。また、従来の爪部材が「点」で半導体装置につかむのに対して本発明の補正アームは「面」で半導体装置に接しているため、接触面を大きくとることができ、確実な位置補正が可能である。さらに、補正アームの動作は単純な往復動なのでシンプルな機構を実現でき、且つ部品点数も少なて済む。従って、コストを大幅に低減することができる。しかも、補正アームは半導体装置の一側面に接触すれば半導体装置を動かすことができる。従って、補正アームは半導体装置の形状に依存することがなく、半導体装置の品種を変えた場合でも補正アームの交換は不要である。つまり、多数のスペアパーツを揃えておく必要が無くなり、交換作業を省くことができる。これにより、半導体装置の多様化に柔軟に対応することができる。
また、請求項2の発明では、補正アームを直交方向に配置したことで、2方向からの位置決めが可能となる。また、請求項3の発明では、各保持装置ごとに補正アームを配置しているため、複数の半導体装置を対し位置補正を同時に実施でき、作業の迅速化に寄与することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に従って具体的に説明する。図1及び図2は本発明に係る半導体装置の製造装置の全体構成の概略を示す平面図及び断面図、図3及び図4は本実施の形態の保持部の断面図、図5及び図6は本実施の形態の主要部である位置補正装置の平面図、図7は同じく正面図、図8は位置補正装置の駆動系を説明するための構成図である。
【0019】
[全体の構成]
図1及び図2に示すように、本実施の形態の装置は、インデックステーブル1と、このインデックステーブル1上にその周縁部に沿って一定の間隔(角度)で配置された複数の半導体装置保持部2とを備えている。このインデックステーブル1は、駆動モータ11の駆動力をタイミングベルト12(共に図2に図示)で伝達することにより、一定間隔で間欠回転するものである。
【0020】
前記インデックステーブル1の外周部近傍には、このインデックステーブル1の各保持部2に対して、所定数(図示の例では1個)の半導体装置Wを個別に供給する半導体装置供給装置3、保持部2上に保持された半導体装置Wの位置を補正する位置補正装置4、半導体装置の特性テスト装置5及び特性テストなどの処理が終了した半導体装置を梱包するテーピング装置6が設けられている。なお、図1において、51は特性テスト装置5のプローブ、61はテーピング装置6のキャリアテープ、62はキャリアテープ61に設けられた半導体装置W収容用の凹部である。
【0021】
なお、図示しないが、インデックステーブル1の周囲には、前記特性テスト装置5以外に、捺印装置、良品と不良品の区分装置など、各種の装置をインデックステーブル1の間欠回転時における各保持装置の停止位置に対応して配置することができる。
【0022】
図2に示すように、前記供給装置3は、本実施の形態では、ウェーハリング保持部31と、このウェーハリング保持部31上に保持されたウェーハシートから個々の半導体装置Wを突き上げて離脱させる突き上げピン32と、この突き上げピン32によって持ち上げられた半導体装置を吸着してインデックステーブル1上の保持部2に搬送する移送装置33が設けられている。
【0023】
なお、ウェーハシートは、その周辺部がウェーハリングで固定されて、ウェーハリングを利用してウェーハシートを伸展させて半導体装置を分離するようにしている。すなわち、金属のウェーハリングにウェーハシートの周辺部が固着され、このウェーハシートの中央部に複数のリードレスの半導体装置が碁盤目状に分割されて貼着されている。また、ウェーハリング保持部31は、水平面を前後左右に移動可能かつ回転可能なXYテーブルで、これを前後左右移動及び回転させることで、突き上げピン32の位置に移動させることで、ウェーハシート上の任意の半導体装置Wが移送装置33に吸着されてインデックステーブル1に供給される。
【0024】
[保持部2の構成]
図3及び図4に示す拡大図に示すように、前記インデックステーブル1上に設けられた半導体装置の保持部2は、インデックステーブルの表面と平行に配置された軸受21に対して回動可能に取り付けられている。すなわち、保持部2のインデックステーブル1の外周縁側に支軸22が設けられ、保持部2はこの支軸22部分を中心としてインデックステーブルの外周側に180°反転するように構成されている。この保持部2上には真空吸着装置23が設けられていて、この真空吸着装置23上に半導体装置Wを吸着保持して搬送するようになっている。なお、半導体装置Wの保持位置は、半導体装置Wの中心が保持部2の中心よりも位置補正装置4の接近方向にずれた位置とする。さらに、真空吸着装置23はその吸着力を解除することにより、保持部2上から半導体装置Wを解放するようになっている。なお、図示しないが、各保持部2の真空吸着装置23には吸気用の配管が接続されている。
【0025】
インデックステーブル1上に設けられた各保持部2の近傍には、それぞれ各保持部2を回動させるための反転操作装置が設けられている。本実施の形態では、この反転操作装置として、各保持部2の側面に前記支軸22と平行に伸びる軸24を中心として回動するローラ25が設けられ、このローラ25の下方には、その上昇時においてローラ25に当接してこれを突き上げる操作アーム26が設けられている。さらに、図示しないが、この操作アーム26の押圧力に逆らって、保持部2を常時インデックステーブル1と平行な位置、すなわち半導体装置Wが情報に向いた位置に向かって保持部2を常時付勢するスプリングが設けられている。
【0026】
この操作アーム26は、その上辺部と側辺部とが円弧状に湾曲したコーナー部によって接続された形状を有し、図3及び図4に示すように、その下降位置においては上辺部がローラ25の下方に位置し、上昇時には上辺部及びこれに続くコーナー部がローラ25を押し上げつつ支軸22を中心としてインデックステーブル1の外周側に回動させ、上昇完了時には操作アーム26の側辺部が図示しないスプリングの力で元の位置に復帰することを阻止している。
【0027】
なお、前記操作アーム26は、本実施の形態ではインデックステーブル1を貫通してローラ25を押し上げるように構成されるているため、図2の全体構成図では示していないが、インデックステーブル1におけるこの操作アーム26の対応部分には、操作アーム26の昇降を可能とするために切欠や貫通穴などの開口部が形成されている。
【0028】
[位置補正装置4の構成]
本実施の形態の特徴は、位置補正装置4の構成にあり、請求項1の発明に対応している。この点に関して、図5〜図8を用いて説明する。図5及び図6に示すように位置補正装置4は、一方向から半導体装置Wに接触する往復動自在な補正アーム41と、この補正アーム41に駆動力を与える駆動機構42とから構成されている。補正アーム41は半導体装置Wの一側面よりも長く設けられている。また、補正アーム41と保持部2との間は微少な隙間が設けられており、両者がぶつかることはない(図7参照)。
【0029】
駆動機構42は、0度から360度まで正逆回転可能なステッピングモータ43と、このステッピングモータ43に取り付けられたカム44と、カム44により押圧される回転自在なカムホロア(ベアリング)45とから構成されている。ステッピングモータ43の回転に伴い、カム44が回転する時、0度の時はカム44の中心に最も近くなり、360度の時に最も離れるように設定されている。すなわち、ステッピングモータ43の回転角によりカム44が回転し、補正アーム41の送り量を調整するようになっている。なお、カムホロア45はテーブル46に対し回転可能に取り付けられていて、カム44に押されてテーブル46がスライド機構47に沿って移動するようになっている。
【0030】
[作用]
以上のような構成を有する本実施の形態の作用は次の通りである。まず、半導体装置供給装置3のウェーハリング保持部31上に支持された半導体装置Wは、ウェーハリング保持部31をX−Y方向に移動させることにより、保持部31上の各半導体装置Wを順次突き上げピン32の位置に移動させる。突き上げピン32の位置に達した半導体装置は、突き上げピン32によってウェーハリングから押し上げられ、その上方に待機している移送装置33によって吸着され、インデックステーブル1側に移送される。この場合、本実施の形態では、半導体装置Wに設けられている電極端子Tが上方に露出した状態で移送される。
【0031】
インデックステーブル1側に移送された半導体装置Wは、インデックステーブル1の受け渡し位置に停止している半導体装置保持部2の真空吸着装置23上に、電極端子Tが上方に露出した状態で載置され、真空吸着装置23によって保持部2上で不用意に移動しないように保持される。
【0032】
半導体装置Wが受け渡し位置に停止している保持部2上に載置された後に、インデックステーブル1が間欠回転すると、その保持部2は次の補正位置に達する。すると、駆動機構42のステッピングモータ43及びカム44が動作して補正アーム41が直線的に移動する。つまり保持部2に対して位置補正装置4の補正アーム41が接近し、保持部2上の半導体装置Wをその一辺方向から押圧する。この時、前述したように半導体装置Wの保持位置は、半導体装置Wの中心が保持部2の中心よりも位置補正装置4の接近方向にずれた位置となっているため、補正アーム44は半導体装置Wの一側面に必ず当たる。そして、半導体装置Wはその中心と保持部2の中心が一致する位置まで保持部2の真空吸着装置23上で押圧される(図5から図6へ)。このとき、半導体装置Wは真空吸着装置23で吸着保持されているが、その吸着力よりも大きな力で補正アーム41に押圧され、真空吸着装置23上で滑るように移動し、補正アーム41によって規制される位置に位置決めされる。
【0033】
このようにして位置決めされた半導体装置Wは、インデックステーブル1の回転と共に、次の停止位置、すなわち特性テスト装置5の位置に送られ、テスト装置5のプローブ51が半導体装置Wの電極端子Tに接触して、所定のテストを行う。なお、この場合、プローブ51が確実に接触するように、CCDカメラなどを利用して半導体装置の正確な位置検出と、プローブ51の位置決めを行う。
【0034】
さらに特性テストが終了した後は、インデックステーブル1の間欠回転に伴う停止位置ごとにその他の必要な処理が実施され、最終的には、半導体装置Wはインデックステーブル1から次の梱包工程であるテーピング装置6に移送される。すなわち、半導体装置Wを保持した保持部2がテーピング装置への移送位置に達して停止すると、保持部2が反転してその上に保持している半導体装置Wをテーピング装置6のキャリアテープ61の凹部62内に落とし込む。このようにすると、インデックステーブルによる搬送時には上方に向いていた電極端子Tが下方に向いた状態で凹部62内に収納されるので、このキャリアテープ61の上方からシールテープを被せて密封することにより、半導体装置の個別かつ密封梱包がなされる。
【0035】
[効果]
以上のような本実施の形態によれば、駆動機構42からの動作力によって補正アーム41が動作し、保持部2からの保持力よりも強い力で半導体装置Wを動かすことができる。その際、補正アーム41から半導体装置Wに過度の力が加わったとしても、一方向から動かしているだけなので半導体装置Wを滑らせることができ、余分な力を逃がすことができる。従って、補正アーム41が半導体装置Wを破損させる心配がなく、安全性が高い。
【0036】
また、従来技術における爪部材が「点」で半導体装置Wにつかんでいたのに対して、本実施の形態における補正アーム41は「面」で半導体装置Wに接している。このため、接触面を大きく確保することができ、確実な位置補正が可能である。さらに、補正アーム41の動作は単純な直線往復運動なのでシンプルな機構とすることができる。しかも、部品点数も少なて済むため、コストを大幅に低減することができる。さらに、補正アーム41は半導体装置Wの一側面に接触して半導体装置Wを動かしているので、半導体装置Wの形状に制約を受けることがなく、半導体装置Wの品種を変えても補正アーム41を交換する必要が無い。従って、スペアパーツの数量を削減でき、交換作業も省力化できる。これにより、経済的に有利となるだけではなく、半導体装置Wの多様化に柔軟に対応することができる。
【0037】
[他の実施の形態]
なお、本実施の形態では一方向の位置決めのみを行っているが、この停止位置にX−Y両方向の位置決めを行うように2本の補正アームを設けても良いし、保持部2の次の停止位置に多方向から接近するように補正アームを複数設けても良い(請求項2の発明に対応)。また、請求項3の発明に対応する実施の形態としては、各保持部2ごとに補正アーム41を配置したものが包含される。このような実施の形態によれば、インデックステーブル1の回転中であっても複数の半導体装置Wを対して位置補正を同時に実施でき、迅速な位置補正作業が実施可能である。なお、補正アームの駆動手段の構成は適宜変更可能であり、カムの形状なども適宜選択自由である。また、半導体装置の位置補正を行うポジションも自由に設定可能であり、例えば特性テストを終えた後でも良い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、補正アームによって一方向から半導体装置を動かすといった極めて簡単な構成により半導体装置の破損を回避しつつ高精度な位置の補正が可能であり、安全性、信頼性及び経済性に優れた半導体装置の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の全体構成の概略を示す平面図。
【図2】本実施の形態の全体構成の概略を示す断面図。
【図3】本実施の形態の保持部の断面図。
【図4】本実施の形態の保持部の断面図。
【図5】本実施の形態の主要部である位置補正装置の平面図。
【図6】本実施の形態の主要部である位置補正装置の平面図。
【図7】本実施の形態の主要部である位置補正装置の正面図。
【図8】本実施の形態における位置補正装置の駆動系を説明するための構成図。
【符号の説明】
1…インデックステーブル
2…半導体装置保持部
23…真空吸着保持装置
3…半導体装置供給装置
4…位置補正装置
41…補正アーム
42…駆動機構
43…ステッピングモータ
44…カム
45…カムホロア
46…テーブル
47…スライド機構
5…特性テスト装置
6…テーピング装置
61…キャリアテープ
62…収容用の凹部
W…半導体装置
Claims (3)
- 半導体装置を搬送するインデックステーブルと、このインデックステーブル上にその周縁部に沿って一定の間隔で配置された複数の半導体装置保持部と、前記半導体装置保持部に保持された半導体装置の位置を所定の位置に位置決めする位置補正部とを備え、前記インデックステーブルが間欠回転することによって前記半導体装置保持部が所定の停止位置にて順次停止しながら半導体装置を搬送する半導体装置の製造装置において、
前記位置補正装置は、前記半導体装置保持部が所定の停止位置にて停止した状態で、前記半導体装置保持部に保持された半導体装置を、一方向から接触して前記半導体装置保持部からの保持力よりも強い力で動かす往復動自在な補正アームと、この補正アームに駆動力を与える駆動手段とからなることを特徴とする半導体装置の製造装置。 - 複数の前記補正アームを直交方向に配置したことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造装置。
- 前記半導体装置保持部を複数設け、各半導体装置保持部ごとに前記補正アームを配置したことを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置の製造装置。
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