JP2004185981A - カラー陰極線管 - Google Patents
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Abstract
【課題】画面全域において輝度を均一化することができるとともに歪みの少ない品位良好な画像を表示でき、しかも、視認性の良好なカラー陰極線管を提供することにある。
【解決手段】マスク本体7は、所定の曲率を有するほぼ矩形状の有効領域7Aにおいて、中心部から対角軸端までの距離をLMD、水平軸端から対角軸端までの距離をLMS、中心部と対角軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMD、中心部と水平軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMHとすると、
(ZMD−ZMH)/LMS ≧ 0.020
かつ、 0.065≦ZMD/LMD≦0.095
を満たすことを特徴とする。
【選択図】 図7
【解決手段】マスク本体7は、所定の曲率を有するほぼ矩形状の有効領域7Aにおいて、中心部から対角軸端までの距離をLMD、水平軸端から対角軸端までの距離をLMS、中心部と対角軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMD、中心部と水平軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMHとすると、
(ZMD−ZMH)/LMS ≧ 0.020
かつ、 0.065≦ZMD/LMD≦0.095
を満たすことを特徴とする。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラー陰極線管に関し、特に、特にその視認性の向上及びマスク本体の強度を向上させたカラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラー陰極線管では、電子銃構体から放出された3電子ビームを集中させつつ、水平方向及び垂直方向に偏向することにより、カラー画像が表示される。電子ビームを偏向するための偏向磁界を発生する偏向ヨークは、少なくとも一対の水平コイルと、一対の垂直コイルとにより構成されている。3電子ビームの集中特性は、偏向ヨークの発生する磁界によりほぼ決定される。このため、通常、水平偏向磁界はピンクッション型とし、垂直偏向磁界はバレル型とすればよいことは周知である。
【0003】
実際には、コマ収差の補正等のため水平偏向磁界は、電子銃側をバレル型とし、蛍光体スクリーン側をピンクッション型として、全体としてピンクッション型を形成し、垂直偏向磁界は、電子銃側をピンクッション型とし、蛍光体スクリーン側をバレル型として、全体としてバレル型を形成しているのが通例である。
【0004】
このとき、垂直偏向磁界が全体としてバレル型となっていることにより、画面上の左右すなわち短辺付近では、ピンクッション型の画像歪を生ずる。画面の平坦化等の影響によってピンクッション型の歪量が大きい場合には、通常、偏向電流波形を補正することによってピンクッション型歪を補正している。
【0005】
このようなカラー陰極線管において、蛍光体スクリーン上に色ズレのないカラー画像を表示するためには、シャドウマスクのマスク本体に形成されている電子ビーム通過孔を通過した3電子ビームが蛍光体スクリーン上の対応する3色蛍光体層にそれぞれ正しくランディングする必要がある。そのためには、シャドウマスクをパネルに対して精度よく所定位置に配置することが必要である。すなわち、パネルとシャドウマスクとの間隔(q値)を精度よく適正に設定することが必要である。
【0006】
また、近年、カラー陰極線管の視認性を向上するために、パネル外面を平面近くまで曲率を小さくする(すなわち曲率半径を大きくする)ことが要求されている。これに伴い、視認性の点からもパネル内面の曲率も小さくすることが必要となる。さらに、パネル内面の蛍光体層に精度よく電子ビームをランディングさせようとした場合、上述したように適切なq値に設定する必要があり、電子ビーム通過孔を持つマスク本体の曲率もパネル内面に合わせて小さくしなければならない(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0007】
しかしながら、マスク本体の曲率を小さくすると、シャドウマスク自体の機械的強度が低下し、陰極線管の製造工程において、シャドウマスクの変形等が発生する。このようなマスク本体の変形は、ビームランディングのずれを発生させる原因となる。このビームランディングのずれにより、電子ビームが黒色非発光層を越えて本来発光すべき色の蛍光体層以外を発光させた場合、色純度を大きく劣化させることになる。
【0008】
また、パネル内面形状をマスク本体の曲率に合わせて大きい曲率に設定した場合、パネルの製造自体が難しい上に、パネル周辺での輝度の低下等、視認性の劣化につながる。このため、パネル内面の曲率は、できるだけ小さいことが望まれる。
【0009】
また、パネル形状が平坦化されるに伴って、上述した画面左右のピンクッション型歪量が大きくなっており、上述したような偏向電流波形の補正のみでは対応できなくなっている。このため、偏向ヨークの蛍光体スクリーン側に垂直偏向コイルの漏れ磁界を磁性体の使用により偏向ヨークのファンネル側に導き出し、バレル型の垂直偏向磁界にピンクッション型磁界を形成することによって、画面上のピンクッション型歪を補正する手法がある。
【0010】
しかしながら、このような手法では十分に対応しきれず、偏向ヨークの蛍光体スクリーン側に永久磁石を配置して補正することが必要になる。このとき、マスク本体をこのような偏向磁界にあわせて設計した場合、著しくマスク本体の曲面強度が劣化する。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−242940号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平11−288676号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、視認性を向上するためにパネル外面の曲率を小さくし、さらに偏向ヨークにて画面上のピンクッション歪を補正した場合、パネル内面の曲率を小さくするとともにマスク本体の曲率を小さくすることにより、マスク本体の機械的強度が低下する。このため、製造工程及び外部衝撃にて発生するマスク本体の変形は、ビームランディングのずれをもたらし、カラー陰極線管としての色純度が著しく劣化する。
【0014】
この対策として、マスク本体の曲率とともにパネル内面の曲率を大きく設定した場合には、パネル周辺において輝度を均一化できなくなるばかりでなく、平面性を損なうおそれがあり、場合によっては画面上の歪を完全に補正することが困難になる。
【0015】
この発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、画面全域において輝度を均一化することができるとともに歪みの少ない品位良好な画像を表示でき、しかも、視認性の良好なカラー陰極線管を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態によるカラー陰極線管は、
ほぼ平坦な外面を有しほぼ矩形状のパネルと、前記パネルに接合されたファンネルと、を有した外囲器と、
前記パネルの内面に形成された蛍光体スクリーンと、
前記外囲器内に配設され、前記蛍光体スクリーンに向けて電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記蛍光体スクリーンに対向して配設されているとともに多数の電子ビーム通過孔が形成されたマスク本体と、前記マスク本体の周縁部を支持するマスクフレームと、を有したシャドウマスクと、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記外囲器は、前記パネルの中心及び前記電子銃構体の中心を通って延びる管軸と、この管軸と直交して延びる水平軸と、前記管軸及び前記水平軸と直交して延びる垂直軸と、を有し、
前記偏向ヨークの前記蛍光体スクリーン側における水平軸上に少なくとも一対の磁石が配置され、
しかも、前記マスク本体は、所定の曲率を有するほぼ矩形状の有効領域において、中央部から対角軸端までの距離をLMD、水平軸端から対角軸端までの距離をLMS、中央部と対角軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMD、中央部と水平軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMHとすると、
(ZMD−ZMH)/LMS ≧ 0.020
かつ、 0.065≦ZMD/LMD≦0.095
を満たすことを特徴とする。
【0017】
この発明の第2の様態によるカラー陰極線管は、
ほぼ平坦な外面を有しほぼ矩形状の有効部を備えたパネルと、前記パネルに接合されたファンネルと、を有した外囲器と、
前記パネルの内面に形成された蛍光体スクリーンと、
前記外囲器内に配設され、前記蛍光体スクリーンに向けて電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記蛍光体スクリーンに対向して配設されているとともに多数の電子ビーム通過孔が形成されたマスク本体と、前記マスク本体の周縁部を支持するマスクフレームと、を有したシャドウマスクと、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記外囲器は、前記パネルの中心及び前記電子銃構体の中心を通って延びる管軸と、この管軸と直交して延びる水平軸と、前記管軸及び前記水平軸と直交して延びる垂直軸と、を有し、
前記偏向ヨークの前記蛍光体スクリーン側における水平軸上に少なくとも一対の磁石が配置され、
しかも、前記パネルにおける前記有効部は、所定の曲率を有するほぼ矩形状の内面において、中央部から対角軸端までの距離をLPD、水平軸端から対角軸端までの距離をLPS、中央部と対角軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZPD、中央部と水平軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZPHとすると、
(ZPD−ZPH)/LPS ≧ 0.030
かつ、 0.045≦ZPD/LPD≦0.075
を満たすことを特徴とする。
【0018】
このように構成されたカラー陰極線管によれば、偏向ヨークに配置した磁石が発生する磁界により画面上の画像歪を完全に補正することができるとともに、マスク本体の曲率を適切な条件に設定したことにより、マスク本体の機械的強度を向上することができ、製造工程及び外部衝撃に対してマスク本体の変形を防止することができる。これにより、マスク本体の変形起因によるビームランディングのずれがもたらすの色純度の劣化を抑制することができる。
【0019】
また、歪みのない画像を表示可能としながら、マスク本体及びパネル内面のそれぞれの曲率を適切な条件に設定したことにより、画面全域において輝度を均一化することができ、品位良好な画像を表示できる。また、平面性の劣化を防止することができ、視認性を向上することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明に係るカラー陰極線管の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、カラー陰極線管は、パネル3とファンネル4とを有するガラス製の真空外囲器20を備えている。このパネル3は、ほぼ矩形状の有効部1と、有効部1の周辺部に沿って立設されたスカート部2とを有している。ファンネル4は、スカート部2に接合されている。なお、ここでは、有効部1の中心部及び電子銃構体12を通って延びる軸を管軸Zとし、管軸Zと直交して延びる軸を長軸(水平軸)X、管軸及び長軸Xと直交して延びる軸を短軸(垂直軸)Yとする。
【0022】
パネル3の有効部1の外面は、ほぼ平坦に形成されている。蛍光体スクリーン5は、パネル3の有効部1における内面に設けられている。図2に示すように、蛍光体スクリーン5は、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)に発光するとともに短軸Yと平行な方向に延びたストライプ状の3色蛍光体層22(R、G、B)と、これら蛍光体層22(R、G、B)間に設けられたストライプ状の黒色非発光層22Kと、を有している。
【0023】
これら3色蛍光体層22(R、G、B)は、長軸Xに沿って所定の順序、例えば赤(R)、緑(G)、青)(B)、赤(R)…の順序で等間隔になるように配置されている。このとき、同一色の蛍光体層間の間隔(図中では緑の蛍光体層22G間の間隔)をPHとした場合、3本の蛍光体層の内の2本の蛍光体層間の間隔(図中では赤の蛍光体層22Rと青の蛍光体層22Bとの中心間隔)dがd=(2/3)PHとなるように設定されている。
【0024】
図1及び図3に示すように、シャドウマスク9は、真空外囲器20内において、蛍光体スクリーン5に対向して配設されている。このシャドウマスク9は、蛍光体スクリーン5に対向して配置されるマスク本体7と、このマスク本体7の周辺部を支持するL字型断面を有する矩形状のマスクフレーム8と、で構成されている。このマスク本体7は、多数の電子ビーム通過孔6を備えた曲面からなるほぼ矩形状の有効領域7Aを有している。
【0025】
このシャドウマスク9は、マスクフレーム8の各コーナ部側面あるいは辺上の側面に取り付けられた弾性支持体15をパネル3のスカート部2内面における各コーナ部あるいは辺上設けられたスタッドピン16に係止することにより、パネルに対して脱着自在に支持されている。
【0026】
インライン型電子銃構体12は、ファンネル4の径小部に相当する円筒状のネック10内に配設されている。この電子銃構体12は、同一平面上を通る一列に配列された3電子ビーム11(R、G、B)を蛍光体スクリーン5に向けて放出する。
【0027】
偏向ヨーク13は、ファンネル4の外面に取り付けられている。この偏向ヨーク13は、電子銃構体12から放出された3電子ビーム11(R、G、B)を水平軸X方向及び垂直軸Y方向に偏向する非斉一な偏向磁界を発生する。この非斉一偏向磁界は、水平偏向磁界及び垂直偏向磁界によって形成される。すなわち、図4に示すように、水平偏向磁界23は、電子銃構体側をバレル型とし、蛍光体スクリーン側をピンクッション型として、全体としてピンクッション型としている。また、垂直偏向磁界22は、電子銃構体側をピンクッション型とし、蛍光体スクリーン側をバレル型として、全体としてバレル型としている。
【0028】
このような構成のカラー陰極線管では、電子銃構体12から放出された3電子ビーム11(R、G、B)は、蛍光体スクリーン5に向けてセルフコンバージェンスされながら対応する蛍光体層上にフォーカスされる。そして、これら3電子ビーム11(R、G、B)は、偏向ヨーク13の発生する非斉一偏向磁界により偏向され、シャドウマスク9の電子ビーム通過孔6を介して蛍光体スクリーン5を水平方向及び垂直方向に走査する。これにより、カラー画像が表示される。
【0029】
このとき、カラー陰極線管の蛍光体スクリーン5に色ズレのない画像を表示するためには、マスク本体7に形成されている電子ビーム通過孔6を通過する電子ビームが蛍光体スクリーン5の3色蛍光体層にそれぞれ正しくランディングしなければならない。そのためには、パネル3とシャドウマスク9との位置関係を正しく保つことが必要である。
【0030】
また、カラー陰極線管の視認性を向上するために、パネル3の外面形状をほぼ平面(曲率半径が無限大から10m程度)に形成することが主流となってきており、これに伴ってマスク本体7の曲率も小さくする必要がある。しかし、マスク本体7の曲率を小さくすることによって、マスク本体7の機械的強度が低下してしまう。
【0031】
この対策として、マスク本体7の曲率を大きくするとともに、パネル3の内面の曲率をできるだけ大きくすることが考えられる。しかし、この場合には、パネル3の製造上の問題や平面性が損なわれるという問題が発生する場合がある。また、パネル平坦化に伴い、表示画面上に大きな画像歪が生じ、例えば図5に示すように大きなピンクッション歪24を生ずることになる。
【0032】
そこで、この実施の形態に係るカラー陰極線管は、以下のように構成されている。ここでは、有効部1の対角有効径が51cm、アスペクト比が4:3、パネル外面の曲率半径が50,000mmのカラー陰極線管を例に説明する。
【0033】
すなわち、図6の(a)は、パネル内面における概略的な断面形状を示す図であり、図6の(b)は、パネル内面における概略的な平面形状を示す図である。この場合、有効部1において、中心部から対角軸端までの距離をLPD、中心部から水平軸端までの距離をLPH、水平軸端から対角軸端までの距離をLPS、中心部と対角軸端とでの管軸方向Zに沿った高さの差(落ち込み量)をZPD、中心部と水平軸端とでの管軸方向Zに沿った高さの差(落ち込み量)をZPHと定義する。図6の(a)及び(b)に示した例では、
(ZPD−ZPH)/LPS=0.050、 ZPD/LPD=0.055
と設定されている。
【0034】
一方、図7の(a)は、マスク本体における概略的な断面形状を示す図であり、図7の(b)は、マスク本体における概略的な平面形状を示す図である。この場合、有効領域7Aにおいて、中心部から対角軸端までの距離をLMD、中心部から水平軸端までの距離をLMH、水平軸端から対角軸端までの距離をLMS、中心部と対角軸端とでの管軸方向Zに沿った高さの差(落ち込み量)をZMD、中心部と水平軸端とでの管軸方向Zに沿った高さの差(落ち込み量)をZMHと定義する。図7の(a)及び(b)に示した例では、
(ZMD−ZMH)/LMS=0.028、 ZMD/LMD=0.077
と設定されている。
【0035】
また、この実施の形態に係るカラー陰極線管では、偏向ヨーク13は、図8に示すように、蛍光体スクリーン側端における水平軸上に配置された少なくとも一対の永久磁石26を備えている。この永久磁石26は、主に画面上の左右ピンクション型歪24を補正するための補正磁界27を発生する。これにより、パネル形状を平坦化した場合であっても、画面上のピンクッション型歪を補正することができ、表示品位を向上することができる。
【0036】
図9は、このピンクッション型歪の量(図5の水平軸上の有効寸法(SS)に対する歪寸法(DH1+DH2)の比)と、この補正磁界を考慮して設定されたマスク本体7の(ZMD−ZMH)/LMS値との関係を示す。すなわち、ピンクッション型歪の補正により、(ZMD−ZMH)/LMS値は小さくなる傾向にある。
【0037】
これは、以下に示すような理由によるものである。すなわち、図10の(a)に模式図で示されているように、偏向ヨーク13の蛍光体スクリーン側に永久磁石26を配置したことにより、コンバージェンス特性が劣化する。このコンバージェンス特性を補償するために、図10の(b)に示すように、水平偏向磁界を構成する電子銃構体側のバレル磁界を強化することにより、電子ビーム軌道28R,28Bを後方(ネック側)にて29R,29Bのように矢印の方向へ補正している。このため、マスク本体7の電子ビーム通過孔を通る電子ビーム軌道は、図11の(a)及び(b)に示すように、赤及び青に対応したサイドビームの距離30が31のように小さくなってしまう。これは、永久磁石の影響を最も受ける水平軸上で顕著である。このようなサイドビーム間の蛍光体スクリーン5上での距離の縮小をq値で補正する必要がある。このq値をシャドウマスク9で補正した場合には、図9に示したように、マスク本体7の(ZMD−ZMH)/LMS値が変化することになる。
【0038】
次に、落ち込み量ZMDを一定としたときの落ち込み量ZMHによるマスク本体の座屈変形に対する耐圧強度の関係について説明する。落ち込み量ZMHに対するマスク本体の耐圧強度の関係は、図12に示す通りである。すなわち、通常は、落ち込み量の増加により、マスク本体7が丸みを帯びるため、耐圧強度も増加するが、図12に示した例では、落ち込み量ZMHの増加により耐圧強度が低下している。
【0039】
落ち込み量ZMDを一定としたときに落ち込み量ZMHが増加することは、(ZMD−ZMH)/LMS値が小さくなることに対応する。すなわち、図13に示すように、(ZMD−ZMH)/LMS値が小さくなるほど、マスク本体の座屈変形に対する耐圧強度は劣化している。つまり、水平軸端での落ち込み量ZM Hが増加すると、対角軸端での落ち込み量ZMDと差がなくなる。
【0040】
これは、水平軸端から対角軸端までの垂直軸方向に沿った曲率が小さくなり、平坦化していることに対応するものである。すなわち、水平軸端での落ち込み量ZMHが大きくなるほど、水平軸上の曲率が大きくなって耐圧強度は向上できるものの、水平軸端から対角軸端までのシャドウマスク本体7における短辺付近での曲率が小さくなって耐圧強度が劣化することになる。
【0041】
したがって、図9を参照して説明したように、ピンクッション型歪を補正するのに合わせて(ZMD−ZMH)/LMS値を小さくした場合、マスク本体7における耐圧強度の劣化を招くことになる。このため、ピンクッション型歪補正に合わせるには、(ZMD−ZMH)/LMS値を小さくすることが望ましいが、一般に指標とされている70Pa以上の耐圧強度を確保するためには、0.020以上の(ZMD−ZMH)/LMS値が必要となる。すなわち、マスク本体7の有効領域7Aにおいて、
(ZMD−ZMH)/LMS≧0.020
とすることで、ピンクッション型歪を補正できるとともに、十分な耐圧強度を確保することができる。
【0042】
ただし、ピンクッション型歪の補正と耐圧強度の確保とを両立するためには、図9にて適用したマスク本体7に対応した内面形状を有するパネル3を用意することが望ましい。すなわち、先に図2を参照して説明したように、通常蛍光体スクリーン5において、間隔dが適正な値2/3PHとなるようにq値を決定している。この場合、パネル3の有効部1において、対角軸端でのq値に対する間隔dの変位が水平軸端での変位より1.20〜1.35倍程度大きいものになる。つまり、水平軸端ではq値を大きく設定することになり、この場合のマスク本体7における(ZMD−ZMH)/LMS値を0.020以上とするためには、パネルでは少なくとも0.030以上とすることが必要になる。すなわち、パネル3の有効部1において、
(ZPD−ZPH)/LPS ≧ 0.030
とすることで、ピンクッション型歪を補正できるとともに、十分な耐圧強度を確保することができる。
【0043】
また、図14に示すように、(ZPD−ZPH)/LPS値と短辺付近でのピンクッション歪との関係を考慮しても、上述のように、0.030以上にすることが好ましいことがわかる。
【0044】
また、このとき、パネル3の中央部における輝度に対して周辺部での輝度の著しい劣化が現れるおそれがあり、これを適切に設定することが必要になる。図15は、ZPD/LPD値と中央部輝度に対する対角軸端輝度の比率との関係を示している。輝度比率は、一般的に50%以上が視感的に好ましいとされており、図15に示した結果から、ZPD/LPD値は0.075以下に設定することが望ましい。
【0045】
なお、図15に示した輝度比率は、パネル3を構成するガラスの透過率に影響されるが、有効部1の中心部における波長546nmでの光透過率が45%乃至55%であることが好ましい。これ以上高い場合でも許容可能ではあるが、コントラストが劣化するため、同様の特性を得たい場合、光学フィルムなどの高コスト部材を使用しなければならない。
【0046】
これに対して、この場合の解像度を考慮して、マスク本体における電子ビーム通過孔列間隔を中央部に対して対角軸端で1.35倍程度に設定する必要がある。また、q値に対する間隔dの変位の関係から間隔dを適正に保ち、蛍光体スクリーン5のストライプの間隔を均一にするためのq値は対角軸端では中央部より大きくすることが必要となる。このq値を満たすにはZMD/LMS値は0.095以下にする必要がある。
【0047】
一方で、マスク本体7の座屈変形に対する耐圧強度を考えると、ZMD/LM D値と耐圧強度との関係は、(ZMD−ZMH)値を一定としたとき、図16に示すようになる。すなわち、70Pa以上の耐圧強度を確保するためには、ZMD/LMD値を0.065以上とするように設定される。つまり、マスク本体7において、
0.065≦ZMD/LMD≦0.095
を満たすことで、輝度比率を確保するとともに耐圧強度を確保することができる。
【0048】
また、このとき、パネル内面については上述と同様に、中央部に対して対角軸端で1.35倍の電子ビーム通過孔列間隔をもつマスク本体7とで構成される場合、間隔dを適正に保ち、かつストライプ間隔を均一に構成するため、ZPD/LPD値は、0.045以上を満たすように設定される必要がある。つまり、パネル3において、
0.045≦ZPD/LPD≦0.075
を満たすことで、輝度比率を確保するとともに耐圧強度を確保することができる。
【0049】
上述した実施の形態で説明したように、パネル3の内面形状において、
(ZPD−ZPH)/LPS=0.050、且つ、ZPD/LPD=0.055
の関係を満たし、しかも、マスク本体7において、
(ZMD−ZMH)/LMS=0.028、且つ、ZMD/LMD=0.077
の関係を満たすカラー陰極線管によれば、パネルの外面を平坦化して視認性を向上させた場合でも、表示画像の歪を除去しつつ、色純度の劣化や、周辺輝度の低下、さらには、平面性の劣化を防止することができ、品位良好な画像を表示することができる。
【0050】
次に、パネル内面の周辺部における曲率半径について説明する。図17は、パネル3の中心部から短軸端までの間のY座標に対する曲率半径の分布を示す図である。なお、ここでは、図3に示すように、パネル中心部から水平軸端までの間の少なくとも水平軸端側1/3の範囲をパネル周辺部とする。
【0051】
パネル周辺部において、X座標=160、180、及び203の位置について、短軸に平行な方向の曲率半径を測定した。図17に示すように、パネル周辺部における曲率半径は、極大値及び極小値をもたず、かつ、長軸上(Y=0)から離れるに従って単調増加するように設定されている。
【0052】
このとき、たとえ落ち込み量が徐々に増加している場合でも中間部で曲率が極大値をもつ場合、図5の25に示すような歪を生じることになる。この場合、よりピンクッション型歪を補正し易い曲面となっている。
【0053】
(比較例)
パネルの内面形状において、
(ZPD−ZPH)/LPS=0.021、且つ、ZPD/LPD=0.039
の関係を満たし、しかも、マスク本体において、
(ZMD−ZMH)/LMS=0.007、且つ、ZMD/LMD=0.062
の関係を満たすカラー陰極線管によれば、周辺輝度は良好なレベルに保たれるものの、マスク本体の耐圧強度は60Paと不十分なものとなってしまう。このため、色純度の劣化など、表示品位の劣化が目立つ。
以上のように構成されたカラー陰極線管によれば、偏向ヨークに配置した磁石が発生する磁界により画面上の画像歪を完全に補正することができるとともに、マスク本体の曲率を適切な条件に設定したことにより、マスク本体の機械的強度を向上することができ、製造工程及び外部衝撃に対してマスク本体の変形を防止することができる。これにより、マスク本体の変形起因によるビームランディングのずれがもたらすの色純度の劣化を抑制することができる。
【0054】
また、歪みのない画像を表示可能としながら、マスク本体及びパネル内面のそれぞれの曲率を適切な条件に設定したことにより、画面全域において輝度を均一化することができ、品位良好な画像を表示できる。また、平面性の劣化を防止することができ、視認性を向上することができる。
【0055】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。例えば、この発明は、アスペクト比が4:3のカラー陰極線管に限らず、アスペクト比が16:9のカラー陰極線管にも適用可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、画面全域において輝度を均一化することができるとともに歪みの少ない品位良好な画像を表示でき、しかも、視認性の良好なカラー陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係るカラー陰極線管の構造を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示したカラー陰極線管の蛍光体スクリーンの構造を概略的に示す平面図である。
【図3】図3は、図1に示したカラー陰極線管におけるシャドウマスクの構造を概略的に示す平面図である。
【図4】図4は、図1に示したカラー陰極線管における偏向ヨークが発生する水平偏向磁界及び垂直偏向磁界の分布を示す図である。
【図5】図5は、カラー陰極線管において画面上に発生するピンクッション型歪を説明するための図である。
【図6】図6の(a)は、パネル有効部における断面形状を概略的に示す図であり、図6の(b)は、パネル有効部の平面形状を概略的に示す図である。
【図7】図7の(a)は、マスク本体の有効領域における断面形状を概略的に示す図であり、図7の(b)は、有効領域の平面形状を概略的に示す図である。
【図8】図8は、図5に示したピンクッション型歪を補正するための補正磁界を説明するための図である。
【図9】図9は、ピンクッション型歪の量と、この補正磁界を考慮して設定されたマスク本体の(ZMD−ZMH)/LMS値との関係を示す図である。
【図10】図10の(a)は、コンバージェンス特性の劣化を説明するための図であり、図10の(b)は、コンバージェンス特性の補償を説明するための図である。
【図11】図11の(a)は、コンバージェンス特性の補償前の電子ビーム軌道を説明するための図であり、図11の(b)は、コンバージェンス特性の補償後の電子ビーム軌道を説明するための図である。
【図12】図12は、落ち込み量ZMHに対するマスク本体の耐圧強度の関係を示す図である。
【図13】図13は、(ZMD−ZMH)/LMS値に対するマスク本体の耐圧強度の関係を示す図である。
【図14】図14は、(ZPD−ZPH)/LPS値と短辺付近でのピンクッション歪との関係を示す図である。
【図15】図15は、ZPD/LPD値と中央部輝度に対する対角軸端輝度の比率との関係を示す図である。
【図16】図16は、ZMD/LMD値と耐圧強度との関係を示す図である。
【図17】図17は、パネルの中心部から短軸端までの間のY座標に対する曲率半径の分布を示す図である。
【符号の説明】
1…有効部
3…パネル
4…ファンネル
5…蛍光体スクリーン
6…電子ビーム通過孔
7…マスク本体
7A…有効領域
9…シャドウマスク
12…電子銃構体
20…真空外囲器
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラー陰極線管に関し、特に、特にその視認性の向上及びマスク本体の強度を向上させたカラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラー陰極線管では、電子銃構体から放出された3電子ビームを集中させつつ、水平方向及び垂直方向に偏向することにより、カラー画像が表示される。電子ビームを偏向するための偏向磁界を発生する偏向ヨークは、少なくとも一対の水平コイルと、一対の垂直コイルとにより構成されている。3電子ビームの集中特性は、偏向ヨークの発生する磁界によりほぼ決定される。このため、通常、水平偏向磁界はピンクッション型とし、垂直偏向磁界はバレル型とすればよいことは周知である。
【0003】
実際には、コマ収差の補正等のため水平偏向磁界は、電子銃側をバレル型とし、蛍光体スクリーン側をピンクッション型として、全体としてピンクッション型を形成し、垂直偏向磁界は、電子銃側をピンクッション型とし、蛍光体スクリーン側をバレル型として、全体としてバレル型を形成しているのが通例である。
【0004】
このとき、垂直偏向磁界が全体としてバレル型となっていることにより、画面上の左右すなわち短辺付近では、ピンクッション型の画像歪を生ずる。画面の平坦化等の影響によってピンクッション型の歪量が大きい場合には、通常、偏向電流波形を補正することによってピンクッション型歪を補正している。
【0005】
このようなカラー陰極線管において、蛍光体スクリーン上に色ズレのないカラー画像を表示するためには、シャドウマスクのマスク本体に形成されている電子ビーム通過孔を通過した3電子ビームが蛍光体スクリーン上の対応する3色蛍光体層にそれぞれ正しくランディングする必要がある。そのためには、シャドウマスクをパネルに対して精度よく所定位置に配置することが必要である。すなわち、パネルとシャドウマスクとの間隔(q値)を精度よく適正に設定することが必要である。
【0006】
また、近年、カラー陰極線管の視認性を向上するために、パネル外面を平面近くまで曲率を小さくする(すなわち曲率半径を大きくする)ことが要求されている。これに伴い、視認性の点からもパネル内面の曲率も小さくすることが必要となる。さらに、パネル内面の蛍光体層に精度よく電子ビームをランディングさせようとした場合、上述したように適切なq値に設定する必要があり、電子ビーム通過孔を持つマスク本体の曲率もパネル内面に合わせて小さくしなければならない(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0007】
しかしながら、マスク本体の曲率を小さくすると、シャドウマスク自体の機械的強度が低下し、陰極線管の製造工程において、シャドウマスクの変形等が発生する。このようなマスク本体の変形は、ビームランディングのずれを発生させる原因となる。このビームランディングのずれにより、電子ビームが黒色非発光層を越えて本来発光すべき色の蛍光体層以外を発光させた場合、色純度を大きく劣化させることになる。
【0008】
また、パネル内面形状をマスク本体の曲率に合わせて大きい曲率に設定した場合、パネルの製造自体が難しい上に、パネル周辺での輝度の低下等、視認性の劣化につながる。このため、パネル内面の曲率は、できるだけ小さいことが望まれる。
【0009】
また、パネル形状が平坦化されるに伴って、上述した画面左右のピンクッション型歪量が大きくなっており、上述したような偏向電流波形の補正のみでは対応できなくなっている。このため、偏向ヨークの蛍光体スクリーン側に垂直偏向コイルの漏れ磁界を磁性体の使用により偏向ヨークのファンネル側に導き出し、バレル型の垂直偏向磁界にピンクッション型磁界を形成することによって、画面上のピンクッション型歪を補正する手法がある。
【0010】
しかしながら、このような手法では十分に対応しきれず、偏向ヨークの蛍光体スクリーン側に永久磁石を配置して補正することが必要になる。このとき、マスク本体をこのような偏向磁界にあわせて設計した場合、著しくマスク本体の曲面強度が劣化する。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−242940号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平11−288676号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、視認性を向上するためにパネル外面の曲率を小さくし、さらに偏向ヨークにて画面上のピンクッション歪を補正した場合、パネル内面の曲率を小さくするとともにマスク本体の曲率を小さくすることにより、マスク本体の機械的強度が低下する。このため、製造工程及び外部衝撃にて発生するマスク本体の変形は、ビームランディングのずれをもたらし、カラー陰極線管としての色純度が著しく劣化する。
【0014】
この対策として、マスク本体の曲率とともにパネル内面の曲率を大きく設定した場合には、パネル周辺において輝度を均一化できなくなるばかりでなく、平面性を損なうおそれがあり、場合によっては画面上の歪を完全に補正することが困難になる。
【0015】
この発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、画面全域において輝度を均一化することができるとともに歪みの少ない品位良好な画像を表示でき、しかも、視認性の良好なカラー陰極線管を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態によるカラー陰極線管は、
ほぼ平坦な外面を有しほぼ矩形状のパネルと、前記パネルに接合されたファンネルと、を有した外囲器と、
前記パネルの内面に形成された蛍光体スクリーンと、
前記外囲器内に配設され、前記蛍光体スクリーンに向けて電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記蛍光体スクリーンに対向して配設されているとともに多数の電子ビーム通過孔が形成されたマスク本体と、前記マスク本体の周縁部を支持するマスクフレームと、を有したシャドウマスクと、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記外囲器は、前記パネルの中心及び前記電子銃構体の中心を通って延びる管軸と、この管軸と直交して延びる水平軸と、前記管軸及び前記水平軸と直交して延びる垂直軸と、を有し、
前記偏向ヨークの前記蛍光体スクリーン側における水平軸上に少なくとも一対の磁石が配置され、
しかも、前記マスク本体は、所定の曲率を有するほぼ矩形状の有効領域において、中央部から対角軸端までの距離をLMD、水平軸端から対角軸端までの距離をLMS、中央部と対角軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMD、中央部と水平軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMHとすると、
(ZMD−ZMH)/LMS ≧ 0.020
かつ、 0.065≦ZMD/LMD≦0.095
を満たすことを特徴とする。
【0017】
この発明の第2の様態によるカラー陰極線管は、
ほぼ平坦な外面を有しほぼ矩形状の有効部を備えたパネルと、前記パネルに接合されたファンネルと、を有した外囲器と、
前記パネルの内面に形成された蛍光体スクリーンと、
前記外囲器内に配設され、前記蛍光体スクリーンに向けて電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記蛍光体スクリーンに対向して配設されているとともに多数の電子ビーム通過孔が形成されたマスク本体と、前記マスク本体の周縁部を支持するマスクフレームと、を有したシャドウマスクと、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記外囲器は、前記パネルの中心及び前記電子銃構体の中心を通って延びる管軸と、この管軸と直交して延びる水平軸と、前記管軸及び前記水平軸と直交して延びる垂直軸と、を有し、
前記偏向ヨークの前記蛍光体スクリーン側における水平軸上に少なくとも一対の磁石が配置され、
しかも、前記パネルにおける前記有効部は、所定の曲率を有するほぼ矩形状の内面において、中央部から対角軸端までの距離をLPD、水平軸端から対角軸端までの距離をLPS、中央部と対角軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZPD、中央部と水平軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZPHとすると、
(ZPD−ZPH)/LPS ≧ 0.030
かつ、 0.045≦ZPD/LPD≦0.075
を満たすことを特徴とする。
【0018】
このように構成されたカラー陰極線管によれば、偏向ヨークに配置した磁石が発生する磁界により画面上の画像歪を完全に補正することができるとともに、マスク本体の曲率を適切な条件に設定したことにより、マスク本体の機械的強度を向上することができ、製造工程及び外部衝撃に対してマスク本体の変形を防止することができる。これにより、マスク本体の変形起因によるビームランディングのずれがもたらすの色純度の劣化を抑制することができる。
【0019】
また、歪みのない画像を表示可能としながら、マスク本体及びパネル内面のそれぞれの曲率を適切な条件に設定したことにより、画面全域において輝度を均一化することができ、品位良好な画像を表示できる。また、平面性の劣化を防止することができ、視認性を向上することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明に係るカラー陰極線管の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、カラー陰極線管は、パネル3とファンネル4とを有するガラス製の真空外囲器20を備えている。このパネル3は、ほぼ矩形状の有効部1と、有効部1の周辺部に沿って立設されたスカート部2とを有している。ファンネル4は、スカート部2に接合されている。なお、ここでは、有効部1の中心部及び電子銃構体12を通って延びる軸を管軸Zとし、管軸Zと直交して延びる軸を長軸(水平軸)X、管軸及び長軸Xと直交して延びる軸を短軸(垂直軸)Yとする。
【0022】
パネル3の有効部1の外面は、ほぼ平坦に形成されている。蛍光体スクリーン5は、パネル3の有効部1における内面に設けられている。図2に示すように、蛍光体スクリーン5は、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)に発光するとともに短軸Yと平行な方向に延びたストライプ状の3色蛍光体層22(R、G、B)と、これら蛍光体層22(R、G、B)間に設けられたストライプ状の黒色非発光層22Kと、を有している。
【0023】
これら3色蛍光体層22(R、G、B)は、長軸Xに沿って所定の順序、例えば赤(R)、緑(G)、青)(B)、赤(R)…の順序で等間隔になるように配置されている。このとき、同一色の蛍光体層間の間隔(図中では緑の蛍光体層22G間の間隔)をPHとした場合、3本の蛍光体層の内の2本の蛍光体層間の間隔(図中では赤の蛍光体層22Rと青の蛍光体層22Bとの中心間隔)dがd=(2/3)PHとなるように設定されている。
【0024】
図1及び図3に示すように、シャドウマスク9は、真空外囲器20内において、蛍光体スクリーン5に対向して配設されている。このシャドウマスク9は、蛍光体スクリーン5に対向して配置されるマスク本体7と、このマスク本体7の周辺部を支持するL字型断面を有する矩形状のマスクフレーム8と、で構成されている。このマスク本体7は、多数の電子ビーム通過孔6を備えた曲面からなるほぼ矩形状の有効領域7Aを有している。
【0025】
このシャドウマスク9は、マスクフレーム8の各コーナ部側面あるいは辺上の側面に取り付けられた弾性支持体15をパネル3のスカート部2内面における各コーナ部あるいは辺上設けられたスタッドピン16に係止することにより、パネルに対して脱着自在に支持されている。
【0026】
インライン型電子銃構体12は、ファンネル4の径小部に相当する円筒状のネック10内に配設されている。この電子銃構体12は、同一平面上を通る一列に配列された3電子ビーム11(R、G、B)を蛍光体スクリーン5に向けて放出する。
【0027】
偏向ヨーク13は、ファンネル4の外面に取り付けられている。この偏向ヨーク13は、電子銃構体12から放出された3電子ビーム11(R、G、B)を水平軸X方向及び垂直軸Y方向に偏向する非斉一な偏向磁界を発生する。この非斉一偏向磁界は、水平偏向磁界及び垂直偏向磁界によって形成される。すなわち、図4に示すように、水平偏向磁界23は、電子銃構体側をバレル型とし、蛍光体スクリーン側をピンクッション型として、全体としてピンクッション型としている。また、垂直偏向磁界22は、電子銃構体側をピンクッション型とし、蛍光体スクリーン側をバレル型として、全体としてバレル型としている。
【0028】
このような構成のカラー陰極線管では、電子銃構体12から放出された3電子ビーム11(R、G、B)は、蛍光体スクリーン5に向けてセルフコンバージェンスされながら対応する蛍光体層上にフォーカスされる。そして、これら3電子ビーム11(R、G、B)は、偏向ヨーク13の発生する非斉一偏向磁界により偏向され、シャドウマスク9の電子ビーム通過孔6を介して蛍光体スクリーン5を水平方向及び垂直方向に走査する。これにより、カラー画像が表示される。
【0029】
このとき、カラー陰極線管の蛍光体スクリーン5に色ズレのない画像を表示するためには、マスク本体7に形成されている電子ビーム通過孔6を通過する電子ビームが蛍光体スクリーン5の3色蛍光体層にそれぞれ正しくランディングしなければならない。そのためには、パネル3とシャドウマスク9との位置関係を正しく保つことが必要である。
【0030】
また、カラー陰極線管の視認性を向上するために、パネル3の外面形状をほぼ平面(曲率半径が無限大から10m程度)に形成することが主流となってきており、これに伴ってマスク本体7の曲率も小さくする必要がある。しかし、マスク本体7の曲率を小さくすることによって、マスク本体7の機械的強度が低下してしまう。
【0031】
この対策として、マスク本体7の曲率を大きくするとともに、パネル3の内面の曲率をできるだけ大きくすることが考えられる。しかし、この場合には、パネル3の製造上の問題や平面性が損なわれるという問題が発生する場合がある。また、パネル平坦化に伴い、表示画面上に大きな画像歪が生じ、例えば図5に示すように大きなピンクッション歪24を生ずることになる。
【0032】
そこで、この実施の形態に係るカラー陰極線管は、以下のように構成されている。ここでは、有効部1の対角有効径が51cm、アスペクト比が4:3、パネル外面の曲率半径が50,000mmのカラー陰極線管を例に説明する。
【0033】
すなわち、図6の(a)は、パネル内面における概略的な断面形状を示す図であり、図6の(b)は、パネル内面における概略的な平面形状を示す図である。この場合、有効部1において、中心部から対角軸端までの距離をLPD、中心部から水平軸端までの距離をLPH、水平軸端から対角軸端までの距離をLPS、中心部と対角軸端とでの管軸方向Zに沿った高さの差(落ち込み量)をZPD、中心部と水平軸端とでの管軸方向Zに沿った高さの差(落ち込み量)をZPHと定義する。図6の(a)及び(b)に示した例では、
(ZPD−ZPH)/LPS=0.050、 ZPD/LPD=0.055
と設定されている。
【0034】
一方、図7の(a)は、マスク本体における概略的な断面形状を示す図であり、図7の(b)は、マスク本体における概略的な平面形状を示す図である。この場合、有効領域7Aにおいて、中心部から対角軸端までの距離をLMD、中心部から水平軸端までの距離をLMH、水平軸端から対角軸端までの距離をLMS、中心部と対角軸端とでの管軸方向Zに沿った高さの差(落ち込み量)をZMD、中心部と水平軸端とでの管軸方向Zに沿った高さの差(落ち込み量)をZMHと定義する。図7の(a)及び(b)に示した例では、
(ZMD−ZMH)/LMS=0.028、 ZMD/LMD=0.077
と設定されている。
【0035】
また、この実施の形態に係るカラー陰極線管では、偏向ヨーク13は、図8に示すように、蛍光体スクリーン側端における水平軸上に配置された少なくとも一対の永久磁石26を備えている。この永久磁石26は、主に画面上の左右ピンクション型歪24を補正するための補正磁界27を発生する。これにより、パネル形状を平坦化した場合であっても、画面上のピンクッション型歪を補正することができ、表示品位を向上することができる。
【0036】
図9は、このピンクッション型歪の量(図5の水平軸上の有効寸法(SS)に対する歪寸法(DH1+DH2)の比)と、この補正磁界を考慮して設定されたマスク本体7の(ZMD−ZMH)/LMS値との関係を示す。すなわち、ピンクッション型歪の補正により、(ZMD−ZMH)/LMS値は小さくなる傾向にある。
【0037】
これは、以下に示すような理由によるものである。すなわち、図10の(a)に模式図で示されているように、偏向ヨーク13の蛍光体スクリーン側に永久磁石26を配置したことにより、コンバージェンス特性が劣化する。このコンバージェンス特性を補償するために、図10の(b)に示すように、水平偏向磁界を構成する電子銃構体側のバレル磁界を強化することにより、電子ビーム軌道28R,28Bを後方(ネック側)にて29R,29Bのように矢印の方向へ補正している。このため、マスク本体7の電子ビーム通過孔を通る電子ビーム軌道は、図11の(a)及び(b)に示すように、赤及び青に対応したサイドビームの距離30が31のように小さくなってしまう。これは、永久磁石の影響を最も受ける水平軸上で顕著である。このようなサイドビーム間の蛍光体スクリーン5上での距離の縮小をq値で補正する必要がある。このq値をシャドウマスク9で補正した場合には、図9に示したように、マスク本体7の(ZMD−ZMH)/LMS値が変化することになる。
【0038】
次に、落ち込み量ZMDを一定としたときの落ち込み量ZMHによるマスク本体の座屈変形に対する耐圧強度の関係について説明する。落ち込み量ZMHに対するマスク本体の耐圧強度の関係は、図12に示す通りである。すなわち、通常は、落ち込み量の増加により、マスク本体7が丸みを帯びるため、耐圧強度も増加するが、図12に示した例では、落ち込み量ZMHの増加により耐圧強度が低下している。
【0039】
落ち込み量ZMDを一定としたときに落ち込み量ZMHが増加することは、(ZMD−ZMH)/LMS値が小さくなることに対応する。すなわち、図13に示すように、(ZMD−ZMH)/LMS値が小さくなるほど、マスク本体の座屈変形に対する耐圧強度は劣化している。つまり、水平軸端での落ち込み量ZM Hが増加すると、対角軸端での落ち込み量ZMDと差がなくなる。
【0040】
これは、水平軸端から対角軸端までの垂直軸方向に沿った曲率が小さくなり、平坦化していることに対応するものである。すなわち、水平軸端での落ち込み量ZMHが大きくなるほど、水平軸上の曲率が大きくなって耐圧強度は向上できるものの、水平軸端から対角軸端までのシャドウマスク本体7における短辺付近での曲率が小さくなって耐圧強度が劣化することになる。
【0041】
したがって、図9を参照して説明したように、ピンクッション型歪を補正するのに合わせて(ZMD−ZMH)/LMS値を小さくした場合、マスク本体7における耐圧強度の劣化を招くことになる。このため、ピンクッション型歪補正に合わせるには、(ZMD−ZMH)/LMS値を小さくすることが望ましいが、一般に指標とされている70Pa以上の耐圧強度を確保するためには、0.020以上の(ZMD−ZMH)/LMS値が必要となる。すなわち、マスク本体7の有効領域7Aにおいて、
(ZMD−ZMH)/LMS≧0.020
とすることで、ピンクッション型歪を補正できるとともに、十分な耐圧強度を確保することができる。
【0042】
ただし、ピンクッション型歪の補正と耐圧強度の確保とを両立するためには、図9にて適用したマスク本体7に対応した内面形状を有するパネル3を用意することが望ましい。すなわち、先に図2を参照して説明したように、通常蛍光体スクリーン5において、間隔dが適正な値2/3PHとなるようにq値を決定している。この場合、パネル3の有効部1において、対角軸端でのq値に対する間隔dの変位が水平軸端での変位より1.20〜1.35倍程度大きいものになる。つまり、水平軸端ではq値を大きく設定することになり、この場合のマスク本体7における(ZMD−ZMH)/LMS値を0.020以上とするためには、パネルでは少なくとも0.030以上とすることが必要になる。すなわち、パネル3の有効部1において、
(ZPD−ZPH)/LPS ≧ 0.030
とすることで、ピンクッション型歪を補正できるとともに、十分な耐圧強度を確保することができる。
【0043】
また、図14に示すように、(ZPD−ZPH)/LPS値と短辺付近でのピンクッション歪との関係を考慮しても、上述のように、0.030以上にすることが好ましいことがわかる。
【0044】
また、このとき、パネル3の中央部における輝度に対して周辺部での輝度の著しい劣化が現れるおそれがあり、これを適切に設定することが必要になる。図15は、ZPD/LPD値と中央部輝度に対する対角軸端輝度の比率との関係を示している。輝度比率は、一般的に50%以上が視感的に好ましいとされており、図15に示した結果から、ZPD/LPD値は0.075以下に設定することが望ましい。
【0045】
なお、図15に示した輝度比率は、パネル3を構成するガラスの透過率に影響されるが、有効部1の中心部における波長546nmでの光透過率が45%乃至55%であることが好ましい。これ以上高い場合でも許容可能ではあるが、コントラストが劣化するため、同様の特性を得たい場合、光学フィルムなどの高コスト部材を使用しなければならない。
【0046】
これに対して、この場合の解像度を考慮して、マスク本体における電子ビーム通過孔列間隔を中央部に対して対角軸端で1.35倍程度に設定する必要がある。また、q値に対する間隔dの変位の関係から間隔dを適正に保ち、蛍光体スクリーン5のストライプの間隔を均一にするためのq値は対角軸端では中央部より大きくすることが必要となる。このq値を満たすにはZMD/LMS値は0.095以下にする必要がある。
【0047】
一方で、マスク本体7の座屈変形に対する耐圧強度を考えると、ZMD/LM D値と耐圧強度との関係は、(ZMD−ZMH)値を一定としたとき、図16に示すようになる。すなわち、70Pa以上の耐圧強度を確保するためには、ZMD/LMD値を0.065以上とするように設定される。つまり、マスク本体7において、
0.065≦ZMD/LMD≦0.095
を満たすことで、輝度比率を確保するとともに耐圧強度を確保することができる。
【0048】
また、このとき、パネル内面については上述と同様に、中央部に対して対角軸端で1.35倍の電子ビーム通過孔列間隔をもつマスク本体7とで構成される場合、間隔dを適正に保ち、かつストライプ間隔を均一に構成するため、ZPD/LPD値は、0.045以上を満たすように設定される必要がある。つまり、パネル3において、
0.045≦ZPD/LPD≦0.075
を満たすことで、輝度比率を確保するとともに耐圧強度を確保することができる。
【0049】
上述した実施の形態で説明したように、パネル3の内面形状において、
(ZPD−ZPH)/LPS=0.050、且つ、ZPD/LPD=0.055
の関係を満たし、しかも、マスク本体7において、
(ZMD−ZMH)/LMS=0.028、且つ、ZMD/LMD=0.077
の関係を満たすカラー陰極線管によれば、パネルの外面を平坦化して視認性を向上させた場合でも、表示画像の歪を除去しつつ、色純度の劣化や、周辺輝度の低下、さらには、平面性の劣化を防止することができ、品位良好な画像を表示することができる。
【0050】
次に、パネル内面の周辺部における曲率半径について説明する。図17は、パネル3の中心部から短軸端までの間のY座標に対する曲率半径の分布を示す図である。なお、ここでは、図3に示すように、パネル中心部から水平軸端までの間の少なくとも水平軸端側1/3の範囲をパネル周辺部とする。
【0051】
パネル周辺部において、X座標=160、180、及び203の位置について、短軸に平行な方向の曲率半径を測定した。図17に示すように、パネル周辺部における曲率半径は、極大値及び極小値をもたず、かつ、長軸上(Y=0)から離れるに従って単調増加するように設定されている。
【0052】
このとき、たとえ落ち込み量が徐々に増加している場合でも中間部で曲率が極大値をもつ場合、図5の25に示すような歪を生じることになる。この場合、よりピンクッション型歪を補正し易い曲面となっている。
【0053】
(比較例)
パネルの内面形状において、
(ZPD−ZPH)/LPS=0.021、且つ、ZPD/LPD=0.039
の関係を満たし、しかも、マスク本体において、
(ZMD−ZMH)/LMS=0.007、且つ、ZMD/LMD=0.062
の関係を満たすカラー陰極線管によれば、周辺輝度は良好なレベルに保たれるものの、マスク本体の耐圧強度は60Paと不十分なものとなってしまう。このため、色純度の劣化など、表示品位の劣化が目立つ。
以上のように構成されたカラー陰極線管によれば、偏向ヨークに配置した磁石が発生する磁界により画面上の画像歪を完全に補正することができるとともに、マスク本体の曲率を適切な条件に設定したことにより、マスク本体の機械的強度を向上することができ、製造工程及び外部衝撃に対してマスク本体の変形を防止することができる。これにより、マスク本体の変形起因によるビームランディングのずれがもたらすの色純度の劣化を抑制することができる。
【0054】
また、歪みのない画像を表示可能としながら、マスク本体及びパネル内面のそれぞれの曲率を適切な条件に設定したことにより、画面全域において輝度を均一化することができ、品位良好な画像を表示できる。また、平面性の劣化を防止することができ、視認性を向上することができる。
【0055】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。例えば、この発明は、アスペクト比が4:3のカラー陰極線管に限らず、アスペクト比が16:9のカラー陰極線管にも適用可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、画面全域において輝度を均一化することができるとともに歪みの少ない品位良好な画像を表示でき、しかも、視認性の良好なカラー陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係るカラー陰極線管の構造を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示したカラー陰極線管の蛍光体スクリーンの構造を概略的に示す平面図である。
【図3】図3は、図1に示したカラー陰極線管におけるシャドウマスクの構造を概略的に示す平面図である。
【図4】図4は、図1に示したカラー陰極線管における偏向ヨークが発生する水平偏向磁界及び垂直偏向磁界の分布を示す図である。
【図5】図5は、カラー陰極線管において画面上に発生するピンクッション型歪を説明するための図である。
【図6】図6の(a)は、パネル有効部における断面形状を概略的に示す図であり、図6の(b)は、パネル有効部の平面形状を概略的に示す図である。
【図7】図7の(a)は、マスク本体の有効領域における断面形状を概略的に示す図であり、図7の(b)は、有効領域の平面形状を概略的に示す図である。
【図8】図8は、図5に示したピンクッション型歪を補正するための補正磁界を説明するための図である。
【図9】図9は、ピンクッション型歪の量と、この補正磁界を考慮して設定されたマスク本体の(ZMD−ZMH)/LMS値との関係を示す図である。
【図10】図10の(a)は、コンバージェンス特性の劣化を説明するための図であり、図10の(b)は、コンバージェンス特性の補償を説明するための図である。
【図11】図11の(a)は、コンバージェンス特性の補償前の電子ビーム軌道を説明するための図であり、図11の(b)は、コンバージェンス特性の補償後の電子ビーム軌道を説明するための図である。
【図12】図12は、落ち込み量ZMHに対するマスク本体の耐圧強度の関係を示す図である。
【図13】図13は、(ZMD−ZMH)/LMS値に対するマスク本体の耐圧強度の関係を示す図である。
【図14】図14は、(ZPD−ZPH)/LPS値と短辺付近でのピンクッション歪との関係を示す図である。
【図15】図15は、ZPD/LPD値と中央部輝度に対する対角軸端輝度の比率との関係を示す図である。
【図16】図16は、ZMD/LMD値と耐圧強度との関係を示す図である。
【図17】図17は、パネルの中心部から短軸端までの間のY座標に対する曲率半径の分布を示す図である。
【符号の説明】
1…有効部
3…パネル
4…ファンネル
5…蛍光体スクリーン
6…電子ビーム通過孔
7…マスク本体
7A…有効領域
9…シャドウマスク
12…電子銃構体
20…真空外囲器
Claims (5)
- ほぼ平坦な外面を有しほぼ矩形状のパネルと、前記パネルに接合されたファンネルと、を有した外囲器と、
前記パネルの内面に形成された蛍光体スクリーンと、
前記外囲器内に配設され、前記蛍光体スクリーンに向けて電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記蛍光体スクリーンに対向して配設されているとともに多数の電子ビーム通過孔が形成されたマスク本体と、前記マスク本体の周縁部を支持するマスクフレームと、を有したシャドウマスクと、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記外囲器は、前記パネルの中心部及び前記電子銃構体の中心を通って延びる管軸と、この管軸と直交して延びる水平軸と、前記管軸及び前記水平軸と直交して延びる垂直軸と、を有し、
前記偏向ヨークの前記蛍光体スクリーン側における水平軸上に少なくとも一対の磁石が配置され、
しかも、前記マスク本体は、所定の曲率を有するほぼ矩形状の有効領域において、中心部から対角軸端までの距離をLMD、水平軸端から対角軸端までの距離をLMS、中心部と対角軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMD、中心部と水平軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMHとすると、
(ZMD−ZMH)/LMS ≧ 0.020
かつ、 0.065≦ZMD/LMD≦0.095
を満たすことを特徴とするカラー陰極線管。 - ほぼ平坦な外面を有しほぼ矩形状の有効部を備えたパネルと、前記パネルに接合されたファンネルと、を有した外囲器と、
前記パネルの内面に形成された蛍光体スクリーンと、
前記外囲器内に配設され、前記蛍光体スクリーンに向けて電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記蛍光体スクリーンに対向して配設されているとともに多数の電子ビーム通過孔が形成されたマスク本体と、前記マスク本体の周縁部を支持するマスクフレームと、を有したシャドウマスクと、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記外囲器は、前記パネルの中心部及び前記電子銃構体の中心を通って延びる管軸と、この管軸と直交して延びる水平軸と、前記管軸及び前記水平軸と直交して延びる垂直軸と、を有し、
前記偏向ヨークの前記蛍光体スクリーン側における水平軸上に少なくとも一対の磁石が配置され、
しかも、前記パネルにおける前記有効部は、所定の曲率を有するほぼ矩形状の内面において、中心部から対角軸端までの距離をLPD、水平軸端から対角軸端までの距離をLPS、中心部と対角軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZPD、中心部と水平軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZPHとすると、
(ZPD−ZPH)/LPS ≧ 0.030
かつ、 0.045≦ZPD/LPD≦0.075
を満たすことを特徴とするカラー陰極線管。 - ほぼ平坦な外面を有しほぼ矩形状の有効部を備えたパネルと、前記パネルに接合されたファンネルと、を有した外囲器と、
前記パネルの内面に形成された蛍光体スクリーンと、
前記外囲器内に配設され、前記蛍光体スクリーンに向けて電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記蛍光体スクリーンに対向して配設されているとともに多数の電子ビーム通過孔が形成されたマスク本体と、前記マスク本体の周縁部を支持するマスクフレームと、を有したシャドウマスクと、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記外囲器は、前記パネルの中心部及び前記電子銃構体の中心を通って延びる管軸と、この管軸と直交して延びる水平軸と、前記管軸及び前記水平軸と直交して延びる垂直軸と、を有し、
前記偏向ヨークの前記蛍光体スクリーン側における水平軸上に少なくとも一対の磁石が配置され、
しかも、前記パネルにおける前記有効部は、所定の曲率を有するほぼ矩形状の内面において、中心部から対角軸端までの距離をLPD、水平軸端から対角軸端までの距離をLPS、中心部と対角軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZPD、中心部と水平軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZPHとすると、
(ZPD−ZPH)/LPS ≧ 0.030
かつ、 0.045≦ZPD/LPD≦0.075
を満たし、
さらに、前記マスク本体は、所定の曲率を有するほぼ矩形状の有効領域において、中心部から対角軸端までの距離をLMD、水平軸端から対角軸端までの距離をLMS、中心部と対角軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMD、中心部と水平軸端とでの管軸方向に沿った高さの差をZMHとすると、
(ZMD−ZMH)/LMS ≧ 0.020
かつ、 0.065≦ZMD/LMD≦0.095
を満たすことを特徴とするカラー陰極線管。 - 前記パネルにおける中心部から水平軸端までの間の少なくとも水平軸端側1/3の範囲において、垂直軸に平行な方向の曲率半径が極大値及び極小値をもたずかつ水平軸から離れるに従って単調増加するように設定されたことを特徴とする請求項2に記載のカラー陰極線管。
- 前記パネルにおける前記有効部は、中心部における波長546nmでの光透過率が45%乃至55%であることを特徴とする請求項2に記載のカラー陰極線管。
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