JP2004183826A - 機関輸送用固定治具 - Google Patents
機関輸送用固定治具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004183826A JP2004183826A JP2002353267A JP2002353267A JP2004183826A JP 2004183826 A JP2004183826 A JP 2004183826A JP 2002353267 A JP2002353267 A JP 2002353267A JP 2002353267 A JP2002353267 A JP 2002353267A JP 2004183826 A JP2004183826 A JP 2004183826A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- engine
- support member
- fixing
- fixing jig
- gantry
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Packaging Of Machine Parts And Wound Products (AREA)
- Pallets (AREA)
Abstract
【課題】機関輸送用固定治具において、輸送時における機関の支持を容易に解除可能として作業性の向上を図る。
【解決手段】エンジン41を防振用架台51上に固定するための機関輸送用固定治具11を、支持プレート61上に載置されてエンジン41の荷重を支持する下部支持部材12と、エンジン41の取付孔42に上方から着脱自在に嵌合すると共に下部支持部材12に係止する係止部材13と、取付孔42に上方から着脱自在に嵌合してエンジン41を上方から支持する上部支持部材14と、上部支持部材14と係止部材13と下部支持部材12を支持プレート61に固定する固定ボルト15とから構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジン41を防振用架台51上に固定するための機関輸送用固定治具11を、支持プレート61上に載置されてエンジン41の荷重を支持する下部支持部材12と、エンジン41の取付孔42に上方から着脱自在に嵌合すると共に下部支持部材12に係止する係止部材13と、取付孔42に上方から着脱自在に嵌合してエンジン41を上方から支持する上部支持部材14と、上部支持部材14と係止部材13と下部支持部材12を支持プレート61に固定する固定ボルト15とから構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンなどの機関を船やトラックで輸送する際、この機関を輸送用架台に位置決め固定するための機関輸送用固定治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、製造工場で製造したエンジンを造船工場まで搬送する場合、このエンジンを船やトラックに載せて輸送しており、この場合、輸送中にエンジンが移動して周辺物と接触して破損しないように所定の位置に固定している。
【0003】
図5に従来の機関輸送用固定治具を用いたエンジンの固定状態を表す概略を示す。図5に示すように、従来の機関輸送用固定治具101は、エンジン201の取付孔202に下方から嵌合する下部支持部材102と、この取付孔202に上方から嵌合する上部支持部材103と、この下部支持部材102及び上部支持部材103を木製の支持プレート104に固定する固定ボルト105から構成されている。下部支持部材102は、支持部102aと嵌合部102bとから構成され、中央部に貫通孔102cが形成されている。一方、上部支持部材103、フランジ部103aと嵌合部103bとから構成され、中央部に貫通孔103cが形成されている。
【0004】
従って、架台203上の所定の位置に支持プレート104をそれぞれ載置し、各支持プレート104上に下部支持部材102を載置する。そして、吊り上げたエンジン201を下部支持部材102の嵌合部102bに取付孔202が嵌合するように載置し、この取付孔202に上方から上部支持部材103の嵌合部103bを嵌合し、固定ボルト105を各貫通孔102c,103cに挿通して支持プレート104に螺合することで、エンジン201を架台203上に固定する。
【0005】
なお、コンテナ船の甲板上にコンテナを位置決め積載する技術としては、下記に記載した特許文献1がある。
【0006】
【特許文献1】
実開平6−029998号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の機関輸送用固定治具101を用いてエンジン201を搬送した後、このエンジン201を船舶に搭載する場合、エンジン201から固定治具101を外す必要がある。ところが、この場合、固定ボルト105を弛緩して取り外し、取付孔202から上部支持部材103を上方に抜き取った後、エンジン201を吊り上げた状態で、取付孔202から下部支持部材102を下方に抜き取らなければならない。即ち、このときにエンジン201の吊り上げ作業及び下部支持部材102の抜き取り作業が必要となり、作業が面倒なものなって作業時間も長くかかってしまうという問題がある。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するものであって、輸送時における機関の支持を容易に解除可能として作業性の向上を図った機関輸送用固定治具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の機関輸送用固定治具は、機関を輸送用架台に位置決め固定するための固定治具であって、前記架台上に載置されて前記機関の荷重を支持する支持部材と、前記機関の取付孔に上方から着脱自在に嵌合すると共に前記支持部材に係止する係止部材と、前記支持部材と前記係止部材とを前記架台に固定する固定ボルトとを具えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明の機関輸送用固定治具では、前記取付孔に上方から着脱自在に嵌合して前記機関を上方から支持する上部支持部材を設け、前記固定ボルトは該上部支持部材と前記係止部材と前記支持部材を貫通して前記架台に固定することを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明の機関輸送用固定治具では、前記固定ボルトは先端部が木製の基板に螺合し、該基板が前記架台上に載置されたことを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明の機関輸送用固定治具では、前記支持部材の高さを機関搭載時に装着される防振用ゴム部材の高さに設定したことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1に本発明の一実施形態に係る機関輸送用固定治具を用いたエンジンの固定状態を表す概略、図2に本実施形態の機関輸送用固定治具の分解斜視、図3にエンジンの輸送状態を表す概略、図4にエンジンの搭載状態を表す概略を示す。
【0015】
本実施形態にて、図3に示すように、機関輸送用固定治具11は、製造したエンジン(機関)41を船舶等で搬送する場合に、このエンジン41を防振用架台51上に位置決め固定するときに使用するものである。
【0016】
この機関輸送用固定治具11は、図1乃至図3に示すように、木製の支持プレート(基板)61上に載置されてエンジン41の荷重を支持する下部支持部材12と、エンジン41の取付孔42に上方から着脱自在に嵌合すると共に下部支持部材12に係止する係止部材13と、取付孔42に上方から着脱自在に嵌合してエンジン41を上方から支持する上部支持部材14と、上部支持部材14と係止部材13と下部支持部材12を支持プレート61に固定する固定ボルト15とから構成されている。
【0017】
この下部支持部材12は円盤形状をなし、上面に取付孔42より若干小さい円形凹状の嵌合穴21が形成されると共に、中央部に貫通孔22が形成されており、全体の高さがエンジン41を図示しない船舶の機関室に組付けられる際に装着される後述する防振用ゴム部材75の支持高さに設定されている。係止部材13は円盤形状をなし、外周部が取付孔42に嵌脱可能であり、下面に下部支持部材12の嵌合穴21に嵌合して係止する円形凸状の嵌合突起23が形成されると共に、中央部に貫通孔24が形成されている。上部支持部材14は円盤形状をなし、外径が取付孔42より若干大きいフランジ部25が形成されると共に、下面に取付孔42に嵌脱自在な円形凸状の嵌合突起26が形成され、中央部に貫通孔27が形成されている。
【0018】
また、固定ボルト15は、上部支持部材14、係止部材13、下部支持部材12の各貫通孔22,24,27に上方から貫通し、支持プレート61に形成されたねじ孔62に螺合可能となっている。
【0019】
従って、エンジン41をこの固定治具11を用いて船舶の防振用架台51上に固定するには、まず、この架台51上の所定の位置に複数の支持プレート61を載置し、各支持プレート61上に下部支持部材12をそれぞれ載置し、吊り上げたエンジン41を各下部支持部材12上の所定の位置に降ろす。次に、係止部材14をエンジン41の各取付孔42に対して上方から嵌入し、嵌合突起23を下部支持部材12の嵌合穴21に嵌合して係止する。そして、上部支持部材14を各取付孔42に対して上方からその嵌合部26を嵌合し、最後に、固定ボルト15を各貫通孔22,24,27に上方から挿通して支持プレート61のねじ孔62に螺合する。このようにしてエンジン41が架台51上に固定することができる。
【0020】
一方、船舶の防振用架台51上に固定治具11により固定されたエンジン41を船舶の機関室に組み付けるには、まず、固定ボルト15を弛緩して各貫通孔22,24,27から上方に抜き取り、次に、上部支持部材14をエンジン41の取付孔42から上方に抜き取る。そして、このエンジン41の取付孔42に対して上方から係止部材14を抜き取ることで、エンジン41の拘束が解除される。従って、エンジン41は下部支持部材12上に載置されているだけであるため、この下部支持部材12を側方に移動することで、固定治具11によるエンジン41の支持を解除することができる。
【0021】
そして、図4に示すように、機関室のエンジンマウント71上に樹脂材72を介して取付プレート73をボルト74により固定し、この取付プレート73上に防振用ゴム部材75を締結ボルト76により固定しておく。そして、エンジン41の取付孔42に防振用ゴム部材75が係合するようにエンジン41を載置し、防振用ゴム部材75に取付プレート77を装着し、締結ボルト76に支持ナット78を螺合すると共に、取付プレート77を固定ボルト79によりエンジン41に連結する。このようにエンジン41は防振用ゴム部材75を介して機関室のエンジンマウント71上に支持されることとなる。
【0022】
なお、エンジン41の取付孔42に対して係止部材14を上方に抜き取るとき、必要に応じて図示しない取り外し治具を貫通孔24に引っかけて抜く取るようにしてもよい。また、エンジン41の下方に位置する下部支持部材12を側方に移動して取り外すとき、図示しない治具を用いてエンジン41における所定の部分だけ上方に持ち上げるようにしてもよい。
【0023】
このように本実施形態にあっては、エンジン41を防振用架台51上に固定するための機関輸送用固定治具11を、支持プレート61上に載置されてエンジン41の荷重を支持する下部支持部材12と、エンジン41の取付孔42に上方から着脱自在に嵌合すると共に下部支持部材12に係止する係止部材13と、取付孔42に上方から着脱自在に嵌合してエンジン41を上方から支持する上部支持部材14と、上部支持部材14と係止部材13と下部支持部材12を支持プレート61に固定する固定ボルト15とから構成している。
【0024】
従って、防振用架台51上のエンジン41に対して固定治具11による支持を解除するとき、固定ボルト15を弛緩して上方に抜き取った後、上部支持部材14をこの取付孔42から上方に抜き取る共に、係止部材13を上方に抜き取るだけで、下部支持部材12を側方に移動してエンジン41の支持を解除することができ、固定治具11の取り外し作業を短時間で容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0025】
また、下部支持部材12の嵌合穴21嵌合突起23に対して係止部材の下部支持部材12を嵌合することで係止するため、エンジン41を所定の位置に精度良く固定することができる。
【0026】
更に、防振用ゴム部材75の支持高さHが前述した下部支持部材12の高さとなっており、架台51に支持されたエンジン41をエンジンマウント71上に組み付けた後の軸心変化量を少なくすることができ、組み付け性を向上することができる。
【0027】
なお、上述した実施形態では、機関輸送用固定治具11を構成する下部支持部材12、係止部材13、上部支持部材14を円盤形状としたが、円形をなす取付孔42に合わせてこのような形状としたが、係止部材13が取付孔42に嵌合すると共に、下部支持部材12に係止可能であり、上部支持部材14が取付孔42に嵌合できれば、その形状は四角など異形であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の機関輸送用固定治具によれば、架台上に載置されて機関の荷重を支持する支持部材と、機関の取付孔に上方から着脱自在に嵌合すると共に支持部材に係止する係止部材と、支持部材と係止部材とを架台に固定する固定ボルトとを設けたので、架台上の機関に対して固定治具による支持を解除するとき、固定ボルトを弛緩して係止部材を上方に抜き取るだけで、支持部材を側方に移動して機関の支持を解除することができ、固定治具の取り外し作業を短時間で容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0029】
請求項2の発明の機関輸送用固定治具によれば、取付孔に上方から着脱自在に嵌合して機関を上方から支持する上部支持部材を設け、固定ボルトが上部支持部材と係止部材と支持部材を貫通して架台に固定するので、上部支持部材により機関を上方から支持するため、輸送中における機関の振動を確実に防止することができる。
【0030】
請求項3の発明の機関輸送用固定治具によれば、固定ボルトは先端部が木製の基板に螺合し、基板が架台上に載置されるので、架台への機関の固定作業を容易に行うことができる。
【0031】
請求項4の発明の機関輸送用固定治具によれば、支持部材の高さを機関搭載時に装着される防振用ゴム部材の高さに設定したので、架台に支持された機関を実際に組み付けた後の軸心変化量を少なくすることができ、組み付け性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る機関輸送用固定治具を用いたエンジンの固定状態を表す概略図である。
【図2】本実施形態の機関輸送用固定治具の分解斜視図である。
【図3】エンジンの輸送状態を表す概略図である。
【図4】エンジンの搭載状態を表す概略図である。
【図5】従来の機関輸送用固定治具を用いたエンジンの固定状態を表す概略図である。
【符号の説明】
11 機関輸送用固定治具
12 下部支持部材
13 係止部材
14 上部支持部材
15 固定ボルト
21 嵌合穴
23 嵌合突起
25 フランジ部
26 嵌合突起
41 エンジン(機関)
42 取付孔
51 防振用架台
61 支持プレート(基板)
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンなどの機関を船やトラックで輸送する際、この機関を輸送用架台に位置決め固定するための機関輸送用固定治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、製造工場で製造したエンジンを造船工場まで搬送する場合、このエンジンを船やトラックに載せて輸送しており、この場合、輸送中にエンジンが移動して周辺物と接触して破損しないように所定の位置に固定している。
【0003】
図5に従来の機関輸送用固定治具を用いたエンジンの固定状態を表す概略を示す。図5に示すように、従来の機関輸送用固定治具101は、エンジン201の取付孔202に下方から嵌合する下部支持部材102と、この取付孔202に上方から嵌合する上部支持部材103と、この下部支持部材102及び上部支持部材103を木製の支持プレート104に固定する固定ボルト105から構成されている。下部支持部材102は、支持部102aと嵌合部102bとから構成され、中央部に貫通孔102cが形成されている。一方、上部支持部材103、フランジ部103aと嵌合部103bとから構成され、中央部に貫通孔103cが形成されている。
【0004】
従って、架台203上の所定の位置に支持プレート104をそれぞれ載置し、各支持プレート104上に下部支持部材102を載置する。そして、吊り上げたエンジン201を下部支持部材102の嵌合部102bに取付孔202が嵌合するように載置し、この取付孔202に上方から上部支持部材103の嵌合部103bを嵌合し、固定ボルト105を各貫通孔102c,103cに挿通して支持プレート104に螺合することで、エンジン201を架台203上に固定する。
【0005】
なお、コンテナ船の甲板上にコンテナを位置決め積載する技術としては、下記に記載した特許文献1がある。
【0006】
【特許文献1】
実開平6−029998号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の機関輸送用固定治具101を用いてエンジン201を搬送した後、このエンジン201を船舶に搭載する場合、エンジン201から固定治具101を外す必要がある。ところが、この場合、固定ボルト105を弛緩して取り外し、取付孔202から上部支持部材103を上方に抜き取った後、エンジン201を吊り上げた状態で、取付孔202から下部支持部材102を下方に抜き取らなければならない。即ち、このときにエンジン201の吊り上げ作業及び下部支持部材102の抜き取り作業が必要となり、作業が面倒なものなって作業時間も長くかかってしまうという問題がある。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するものであって、輸送時における機関の支持を容易に解除可能として作業性の向上を図った機関輸送用固定治具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の機関輸送用固定治具は、機関を輸送用架台に位置決め固定するための固定治具であって、前記架台上に載置されて前記機関の荷重を支持する支持部材と、前記機関の取付孔に上方から着脱自在に嵌合すると共に前記支持部材に係止する係止部材と、前記支持部材と前記係止部材とを前記架台に固定する固定ボルトとを具えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明の機関輸送用固定治具では、前記取付孔に上方から着脱自在に嵌合して前記機関を上方から支持する上部支持部材を設け、前記固定ボルトは該上部支持部材と前記係止部材と前記支持部材を貫通して前記架台に固定することを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明の機関輸送用固定治具では、前記固定ボルトは先端部が木製の基板に螺合し、該基板が前記架台上に載置されたことを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明の機関輸送用固定治具では、前記支持部材の高さを機関搭載時に装着される防振用ゴム部材の高さに設定したことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1に本発明の一実施形態に係る機関輸送用固定治具を用いたエンジンの固定状態を表す概略、図2に本実施形態の機関輸送用固定治具の分解斜視、図3にエンジンの輸送状態を表す概略、図4にエンジンの搭載状態を表す概略を示す。
【0015】
本実施形態にて、図3に示すように、機関輸送用固定治具11は、製造したエンジン(機関)41を船舶等で搬送する場合に、このエンジン41を防振用架台51上に位置決め固定するときに使用するものである。
【0016】
この機関輸送用固定治具11は、図1乃至図3に示すように、木製の支持プレート(基板)61上に載置されてエンジン41の荷重を支持する下部支持部材12と、エンジン41の取付孔42に上方から着脱自在に嵌合すると共に下部支持部材12に係止する係止部材13と、取付孔42に上方から着脱自在に嵌合してエンジン41を上方から支持する上部支持部材14と、上部支持部材14と係止部材13と下部支持部材12を支持プレート61に固定する固定ボルト15とから構成されている。
【0017】
この下部支持部材12は円盤形状をなし、上面に取付孔42より若干小さい円形凹状の嵌合穴21が形成されると共に、中央部に貫通孔22が形成されており、全体の高さがエンジン41を図示しない船舶の機関室に組付けられる際に装着される後述する防振用ゴム部材75の支持高さに設定されている。係止部材13は円盤形状をなし、外周部が取付孔42に嵌脱可能であり、下面に下部支持部材12の嵌合穴21に嵌合して係止する円形凸状の嵌合突起23が形成されると共に、中央部に貫通孔24が形成されている。上部支持部材14は円盤形状をなし、外径が取付孔42より若干大きいフランジ部25が形成されると共に、下面に取付孔42に嵌脱自在な円形凸状の嵌合突起26が形成され、中央部に貫通孔27が形成されている。
【0018】
また、固定ボルト15は、上部支持部材14、係止部材13、下部支持部材12の各貫通孔22,24,27に上方から貫通し、支持プレート61に形成されたねじ孔62に螺合可能となっている。
【0019】
従って、エンジン41をこの固定治具11を用いて船舶の防振用架台51上に固定するには、まず、この架台51上の所定の位置に複数の支持プレート61を載置し、各支持プレート61上に下部支持部材12をそれぞれ載置し、吊り上げたエンジン41を各下部支持部材12上の所定の位置に降ろす。次に、係止部材14をエンジン41の各取付孔42に対して上方から嵌入し、嵌合突起23を下部支持部材12の嵌合穴21に嵌合して係止する。そして、上部支持部材14を各取付孔42に対して上方からその嵌合部26を嵌合し、最後に、固定ボルト15を各貫通孔22,24,27に上方から挿通して支持プレート61のねじ孔62に螺合する。このようにしてエンジン41が架台51上に固定することができる。
【0020】
一方、船舶の防振用架台51上に固定治具11により固定されたエンジン41を船舶の機関室に組み付けるには、まず、固定ボルト15を弛緩して各貫通孔22,24,27から上方に抜き取り、次に、上部支持部材14をエンジン41の取付孔42から上方に抜き取る。そして、このエンジン41の取付孔42に対して上方から係止部材14を抜き取ることで、エンジン41の拘束が解除される。従って、エンジン41は下部支持部材12上に載置されているだけであるため、この下部支持部材12を側方に移動することで、固定治具11によるエンジン41の支持を解除することができる。
【0021】
そして、図4に示すように、機関室のエンジンマウント71上に樹脂材72を介して取付プレート73をボルト74により固定し、この取付プレート73上に防振用ゴム部材75を締結ボルト76により固定しておく。そして、エンジン41の取付孔42に防振用ゴム部材75が係合するようにエンジン41を載置し、防振用ゴム部材75に取付プレート77を装着し、締結ボルト76に支持ナット78を螺合すると共に、取付プレート77を固定ボルト79によりエンジン41に連結する。このようにエンジン41は防振用ゴム部材75を介して機関室のエンジンマウント71上に支持されることとなる。
【0022】
なお、エンジン41の取付孔42に対して係止部材14を上方に抜き取るとき、必要に応じて図示しない取り外し治具を貫通孔24に引っかけて抜く取るようにしてもよい。また、エンジン41の下方に位置する下部支持部材12を側方に移動して取り外すとき、図示しない治具を用いてエンジン41における所定の部分だけ上方に持ち上げるようにしてもよい。
【0023】
このように本実施形態にあっては、エンジン41を防振用架台51上に固定するための機関輸送用固定治具11を、支持プレート61上に載置されてエンジン41の荷重を支持する下部支持部材12と、エンジン41の取付孔42に上方から着脱自在に嵌合すると共に下部支持部材12に係止する係止部材13と、取付孔42に上方から着脱自在に嵌合してエンジン41を上方から支持する上部支持部材14と、上部支持部材14と係止部材13と下部支持部材12を支持プレート61に固定する固定ボルト15とから構成している。
【0024】
従って、防振用架台51上のエンジン41に対して固定治具11による支持を解除するとき、固定ボルト15を弛緩して上方に抜き取った後、上部支持部材14をこの取付孔42から上方に抜き取る共に、係止部材13を上方に抜き取るだけで、下部支持部材12を側方に移動してエンジン41の支持を解除することができ、固定治具11の取り外し作業を短時間で容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0025】
また、下部支持部材12の嵌合穴21嵌合突起23に対して係止部材の下部支持部材12を嵌合することで係止するため、エンジン41を所定の位置に精度良く固定することができる。
【0026】
更に、防振用ゴム部材75の支持高さHが前述した下部支持部材12の高さとなっており、架台51に支持されたエンジン41をエンジンマウント71上に組み付けた後の軸心変化量を少なくすることができ、組み付け性を向上することができる。
【0027】
なお、上述した実施形態では、機関輸送用固定治具11を構成する下部支持部材12、係止部材13、上部支持部材14を円盤形状としたが、円形をなす取付孔42に合わせてこのような形状としたが、係止部材13が取付孔42に嵌合すると共に、下部支持部材12に係止可能であり、上部支持部材14が取付孔42に嵌合できれば、その形状は四角など異形であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の機関輸送用固定治具によれば、架台上に載置されて機関の荷重を支持する支持部材と、機関の取付孔に上方から着脱自在に嵌合すると共に支持部材に係止する係止部材と、支持部材と係止部材とを架台に固定する固定ボルトとを設けたので、架台上の機関に対して固定治具による支持を解除するとき、固定ボルトを弛緩して係止部材を上方に抜き取るだけで、支持部材を側方に移動して機関の支持を解除することができ、固定治具の取り外し作業を短時間で容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0029】
請求項2の発明の機関輸送用固定治具によれば、取付孔に上方から着脱自在に嵌合して機関を上方から支持する上部支持部材を設け、固定ボルトが上部支持部材と係止部材と支持部材を貫通して架台に固定するので、上部支持部材により機関を上方から支持するため、輸送中における機関の振動を確実に防止することができる。
【0030】
請求項3の発明の機関輸送用固定治具によれば、固定ボルトは先端部が木製の基板に螺合し、基板が架台上に載置されるので、架台への機関の固定作業を容易に行うことができる。
【0031】
請求項4の発明の機関輸送用固定治具によれば、支持部材の高さを機関搭載時に装着される防振用ゴム部材の高さに設定したので、架台に支持された機関を実際に組み付けた後の軸心変化量を少なくすることができ、組み付け性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る機関輸送用固定治具を用いたエンジンの固定状態を表す概略図である。
【図2】本実施形態の機関輸送用固定治具の分解斜視図である。
【図3】エンジンの輸送状態を表す概略図である。
【図4】エンジンの搭載状態を表す概略図である。
【図5】従来の機関輸送用固定治具を用いたエンジンの固定状態を表す概略図である。
【符号の説明】
11 機関輸送用固定治具
12 下部支持部材
13 係止部材
14 上部支持部材
15 固定ボルト
21 嵌合穴
23 嵌合突起
25 フランジ部
26 嵌合突起
41 エンジン(機関)
42 取付孔
51 防振用架台
61 支持プレート(基板)
Claims (4)
- 機関を輸送用架台に位置決め固定するための固定治具であって、前記架台上に載置されて前記機関の荷重を支持する支持部材と、前記機関の取付孔に上方から着脱自在に嵌合すると共に前記支持部材に係止する係止部材と、前記支持部材と前記係止部材とを前記架台に固定する固定ボルトとを具えたことを特徴とする機関輸送用固定治具。
- 請求項1記載の機関輸送用固定治具において、前記取付孔に上方から着脱自在に嵌合して前記機関を上方から支持する上部支持部材を設け、前記固定ボルトは該上部支持部材と前記係止部材と前記支持部材を貫通して前記架台に固定することを特徴とする機関輸送用固定治具。
- 請求項1または2記載の機関輸送用固定治具において、前記固定ボルトは先端部が木製の基板に螺合し、該基板が前記架台上に載置されたことを特徴とする機関輸送用固定治具。
- 請求項1記載の機関輸送用固定治具において、前記支持部材の高さを機関搭載時に装着される防振用ゴム部材の高さに設定したことを特徴とする機関輸送用固定治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002353267A JP2004183826A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 機関輸送用固定治具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002353267A JP2004183826A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 機関輸送用固定治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004183826A true JP2004183826A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32754593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002353267A Withdrawn JP2004183826A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 機関輸送用固定治具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004183826A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101403612B1 (ko) | 2012-09-21 | 2014-06-05 | 대우조선해양 주식회사 | 대형 로테이션 장비 설치 시스템 |
-
2002
- 2002-12-05 JP JP2002353267A patent/JP2004183826A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101403612B1 (ko) | 2012-09-21 | 2014-06-05 | 대우조선해양 주식회사 | 대형 로테이션 장비 설치 시스템 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6341452B1 (en) | Transport anchor for embedding in prefabricated reinforced concrete parts | |
KR101723912B1 (ko) | 경화 소자를 가진 라이너를 포함하는 박벽 컴포넌트를 고정하기 위한 장치 | |
JP2011010691A (ja) | 装置の固定具 | |
JP6819724B2 (ja) | 乗客コンベアの部品運搬工具、及びそれを用いた部品運搬方法 | |
JP2004183826A (ja) | 機関輸送用固定治具 | |
JP2007197140A (ja) | 車両用吊り装置 | |
JP2001277223A (ja) | コンクリート製品の吊上反転穴形成装置 | |
JP2560187B2 (ja) | 吊上げ穴形成装置 | |
JP2008085008A (ja) | 部材固定用ホルダ | |
JP3590852B2 (ja) | 柱取付用小型クレーンの取付治具 | |
JP4285986B2 (ja) | 水中ポンプ吊下げ用チェーンの上端支持装置 | |
JPH1095429A (ja) | 機器搭載用パレットの支持構造 | |
JP2009262950A (ja) | 搬送フレーム | |
JP2003312979A (ja) | パネル材用吊り金具 | |
JP3851186B2 (ja) | 温水器の据付装置 | |
JPH09210040A (ja) | ボルトの保持装置 | |
JPS6350513Y2 (ja) | ||
JP3717911B2 (ja) | ヘリコプタによる鉄塔解体方法及び作業用治具 | |
JPH10159058A (ja) | 防舷材の取付け構造 | |
JP4695475B2 (ja) | 鉄塔解体用作業用治具 | |
JP2004142909A (ja) | モジュール用吊金具 | |
JP5457410B2 (ja) | キャスター構造 | |
JP3120846U (ja) | マンホ―ル用中間スラブ | |
JP4755479B2 (ja) | ヘリコプタによる鉄塔解体方法 | |
JP2011072275A (ja) | 釣竿支持装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060207 |