JP2004183704A - 無段変速機構を含む駆動系統の制御装置 - Google Patents

無段変速機構を含む駆動系統の制御装置 Download PDF

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Kazumi Hoshiya
一美 星屋
Yasunori Nakawaki
康則 中脇
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
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Abstract

【課題】無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチの異常による誤学習を防止して、クラッチの係合圧の設定をより適切に行なう。
【解決手段】無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチを無段変速機構よりも先に滑らせるように制御し、かつそのクラッチの係合圧を学習する学習手段を備えた無段変速機構を含む駆動系統の制御装置であって、クラッチ制御系に異常があった場合にクラッチの係合圧の学習制御を禁止する学習制御禁止手段(ステップS410,S430,S440およびステップS500,S580,S590およびステップS900からS930)を備えている。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベルトやパワーローラなどのトルクの伝達を媒介するトルク伝達部材を、プーリーやディスクなどの回転部材に直接もしくは間接的に接触させ、接触圧力に応じてトルク容量が変化する無段変速機構を含む駆動系統の制御装置に関し、特に無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチの係合圧を制御するための制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機構は、ベルトやパワーローラなどのトルクの伝達を媒介する部材とプーリーやディスクとの接触位置あるいはトルク伝達位置を連続的に変化させて、変速比を無段階に変更するように構成されている。そのトルクの伝達は、摩擦力あるいはトラクションオイルのせん断力を利用しておこなわれる。したがって、トルクを伝達する部材とプーリーあるいはディスクとの接触圧あるいはトルクを伝達する部材を挟み付ける圧力(すなわち挟圧力のこと。)と、摩擦係数あるいはトラクションオイルのせん断力とに基づいて定まるトルク容量(言い換えれば伝達トルクという。)を超えてトルクが作用すると、ベルトやパワーローラの滑りが生じる。
【0003】
ベルトやパワーローラの滑りが過剰に生じると、プーリーやディスクに摩耗が生じ、その結果、その摩耗部分でのトルクの伝達ができなくなって無段変速機構としての機能を果たさなくなる。そのため、無段変速機構を搭載した車両の走行中に無段変速機構での滑りが生じないようにするためには、挟圧力を高くしてトルク容量を大きくしておくことが考えられる。
【0004】
しかしながら、挟圧力を高くすると、無段変速機構での動力の伝達効率が低下し、また油圧を発生させるオイルポンプを駆動するために多くの動力を消費することになるので、車両の燃費が悪化する。したがって、無段変速機構の挟圧力は滑りが生じない範囲で可及的に低くすることが好ましい。
【0005】
その場合、エンジンの出力トルクや車輪側の負トルクが頻繁にあるいは大きく変化する非定常的な走行状態であれば、無段変速機構に作用するトルクが予測できないので、安全率あるいはトルク容量の余裕代(言い換えれば定常状態で滑りの生じない最小もしくは限界のトルク容量に対するトルク容量の超過量という。)を大きくしてある程度高い挟圧力に設定せざるを得ない。これに対して定常的あるいは準定常的な走行状態であれば、無段変速機構に作用するトルクが安定するので、滑りが生じる直前の状態まで、挟圧力を下げることができる。
【0006】
しかしながら、定常的あるいは準定常的な走行状態であっても不測のトルクが生じることがあるので、たとえその場合であっても無段変速機構の滑りを防止もしくは回避する必要がある。
【0007】
そのため、例えば従来、特許文献1に記載された発明では、エンジンから駆動輪に至る動力伝達経路内にクラッチ及びベルト式無段変速機を備え、クラッチのクラッチ締結力及びベルト式無段変速機のベルト押圧力を制御するベルト式無段変速機付車両の制御装置において、クラッチのスリップを検出するクラッチスリップ検出手段と、クラッチの伝達トルクに対して直列に配列されたクラッチ締結力の余裕が、ベルト式無段変速機の伝達トルクに対するベルト押圧力の余裕よりも小さくなるように、クラッチ締結力及びベルト押圧力をそれぞれ制御する制御手段と、を備え、制御手段は、クラッチのスリップが検出されたときにはクラッチ締結力及びベルト押圧力をそれぞれ増大制御すると共に、クラッチのスリップが検出されないときにはクラッチ締結力及びベルト押圧力をそれぞれ減少制御するように構成している。この構成により、クラッチの伝達トルクに対して直列に配列されたクラッチ締結力の余裕がベルト式無段変速機の伝達トルクに対するベルト押圧力の余裕よりも低くなるようにしている。このため、プーリと伝動ベルトがスリップするよりも先にクラッチがスリップすることになる。クラッチのスリップが検出されたときにはクラッチ締結力及びベルト押圧力をそれぞれ増大制御する。又、クラッチのスリップが検出されないときにはクラッチ締結力及びベルト押圧力をそれぞれ減少制御する。
【0008】
また、従来、特許文献2に記載された発明では、イナーシャフェーズ時間(つまりタイマTMの計測時間)が所定の目標値になるよう変速中のライン圧を学習制御する構成としている。この構成により、自動変速機の個体差や経時変化があっても、変速中のライン圧を過不足のない適正値に保つことができ、大きな変速ショックや摩擦要素の寿命低下を防止することができる。また、この学習制御を、ライン圧制御系が不正確になる制御系の異常中禁止することとしたから、この異常時変速中のライン圧制御がでたらめになるのを防止することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−2390号公報(段落番号0007〜0039)
【特許文献2】
特開平2−304262号公報(第2頁下段左欄下から第10行目〜第6頁下段左欄上から第4行目)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の公報に記載された発明では、クラッチのスリップが発生しているか否かにより、検出されない場合には、クラッチ締結力を増大補正、減少補正するとともに、クラッチ締結力の余裕をベルト押圧力の余裕より小さくするから、クラッチの締結力が設定される際に、その値が学習されるようにしたものではなく、上記クラッチ制御系にフェール状態があった時、例えばクラッチの異常が発生した時、クラッチの解放不良が発生した時、クラッチの係合不良が発生した時、バルブスティックが発生した時、ソレノイドフェイルがあった時等にどのような対処がなされているのかその構成に考慮されておらず、クラッチの締結力の設定をより適切に行なうことが困難であった。
【0011】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチの異常による誤学習を防止するとともに、クラッチの係合圧の設定をより適切に行なうことのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチを前記無段変速機構よりも先に滑らせるように制御し、かつそのクラッチの係合圧を学習する学習手段を備えた無段変速機構を含む駆動系統の制御装置であって、クラッチ制御系に異常があった場合に前記クラッチの係合圧の学習制御を禁止する学習制御禁止手段を備えていることを特徴とする無段変速機構を含む駆動系統の制御装置である。
【0013】
また、請求項2の発明は、無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチを前記無段変速機構よりも先に滑らせるように制御し、かつそのクラッチの係合圧を学習する学習手段を備えた無段変速機構を含む駆動系統の制御装置であって、前記駆動系統に異常があった場合に前記クラッチの係合圧の学習制御を禁止する学習制御禁止手段を備えていることを特徴とする無段変速機構を含む駆動系統の制御装置である。
【0014】
したがって請求項1の発明では、上記クラッチ制御系にフェール状態があった時、クラッチの係合圧を低下させる指令が出力されても実際のクラッチの係合圧が低下しないので、クラッチの解放が不能の場合にはクラッチの係合圧の学習が制御される。結果として、無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチなどのクラッチ制御系の異常による誤学習が防止されて、クラッチの係合圧の設定がより適切に行える。また、請求項2の発明では、上記駆動系統にフェール状態があった時、クラッチの係合圧を低下させる指令が出力されても実際のクラッチの係合圧が低下しないので、クラッチの解放が不能の場合にはクラッチの係合圧の学習が制御される。結果として、無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチなどの駆動系統の異常による誤学習が防止されて、クラッチの係合圧の設定がより適切に行える。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする無段変速機構を含む駆動系統について説明すると、この発明は、車両に搭載される駆動系統を対象とすることができ、その駆動系統に含まれる無段変速機構は、ベルトをトルク伝達部材としたベルト式の無段変速機構や、パワーローラをトルク伝達部材とするとともにオイル(言い換えればトラクション油という。)のせん断力を利用してトルクを伝達するトロイダル型(言い換えればトラクション式という。)無段変速機構である。図13には、ベルト式無段変速機構1を含む車両用駆動系統の一例を模式的に示しており、この無段変速機構1は、前後進切換機構2およびトルクコンバータ3を介して、動力源4に連結されている。
【0016】
その動力源4は、一般の車両に搭載されている動力源と同様のものであって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいは天然ガスエンジンなどの内燃機関や、電動機、あるいは内燃機関と電動機とを組み合わせた機構などを採用することができる。なお、以下の説明では、動力源4をエンジン4と記す。
【0017】
エンジン4の出力軸に連結されたトルクコンバータ3は、従来一般の車両で採用しているトルクコンバータと同様の構造であって、エンジン4の出力軸が連結されたフロントカバー5にポンプインペラー6が一体化されており、そのポンプインペラー6に対向するタービンランナー7が、フロントカバー5の内面に隣接して配置されている。これらのポンプインペラー6とタービンランナー7とには、多数のブレード(図示せず)が設けられており、ポンプインペラー6が回転することによりフルードの螺旋流を生じさせ、その螺旋流をタービンランナー7に送ることによりタービンランナー7にトルクを与えて回転させるようになっている。
【0018】
また、ポンプインペラー6とタービンランナー7との内周側の部分には、タービンランナー7から送り出されたフルードの流動方向を選択的に変化させてポンプインペラー6に流入させるステータ8が配置されている。このステータ8は、一方向クラッチ9を介して所定の固定部10に連結されている。
【0019】
このトルクコンバータ3は、この発明におけるクラッチに相当するロックアップクラッチ(言い換えればL/Uクラッチという。)11を備えている。ロックアップクラッチ11は、ポンプインペラー6とタービンランナー7とステータ8とからなる実質的なトルクコンバータに対して並列に配置されたものであって、フロントカバー5の内面に対向した状態で前記タービンランナー7に保持されており、油圧によってフロントカバー5の内面に押し付けられることにより、入力部材であるフロントカバー5から出力部材であるタービンランナー7に直接、トルクを伝達するようになっている。なお、その油圧を制御することによりロックアップクラッチ11のトルク容量を制御できる。
【0020】
前後進切換機構2は、エンジン4の回転方向が一方向に限られていることに伴なって採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。図13に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。
【0021】
すなわち、サンギヤ12と同心円上にリングギヤ13が配置され、これらのサンギヤ12とリングギヤ13との間に、サンギヤ12に噛合したピニオンギヤ14とそのピニオンギヤ14およびリングギヤ13に噛合した他のピニオンギヤ15とが配置され、これらのピニオンギヤ14,15がキャリヤ16によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ12とキャリヤ16と)を一体的に連結する前進用クラッチ17が設けられ、またリングギヤ13を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ18が設けられている。
【0022】
無段変速機構1は、従来知られているベルト式無段変速機構と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリー19と従動プーリー20とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ21,22によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリー19,20の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴なって各プーリー19,20に巻掛けたベルト23の巻掛け半径(言い換えればプーリー19,20の有効径という。)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリー19が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ16に連結されている。
【0023】
なお、従動プーリー20における油圧アクチュエータ22には、無段変速機構1に入力されるトルクに応じた油圧(言い換えればライン圧もしくはその補正圧という。)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されている。したがって、従動プーリー20における各シーブがベルト23を挟み付けることにより、ベルト23に張力が付与され、各プーリー19,20とベルト15との挟圧力(言い換えれば接触圧力という。)が確保されるようになっている。言い換えれば、挟圧力に応じたトルク容量が設定される。これに対して駆動プーリー19における油圧アクチュエータ21には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(言い換えれば有効径という。)に設定するようになっている。
【0024】
無段変速機構1の出力部材である従動プーリー20がギヤ対24およびディファレンシャル25に連結され、さらにそのディファレンシャル25が左右の駆動輪26に連結されている。
【0025】
上記の無段変速機構1およびエンジン4を搭載した車両の動作状態(言い換えれば走行状態という。)を検出するために各種のセンサーが設けられている。すなわち、エンジン4の回転数(言い換えればロックアップクラッチ11の入力回転数という。)を検出して信号を出力するエンジン回転数センサー27、タービンランナー7の回転数(言い換えればロックアップクラッチ11の出力回転数という。)を検出して信号を出力するタービン回転数センサー28、駆動プーリー19の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサー29、従動プーリー20の回転数を検出して信号を出力する出力回転数センサー30などが設けられている。
【0026】
上記の前進用クラッチ17および後進用ブレーキ18の係合・解放の制御、および前記ベルト23の挟圧力の制御、ならびにロックアップクラッチ11の係合・解放を含むトルク容量の制御、さらには変速比の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(言い換えればCVT−ECUという。)31が設けられている。この電子制御装置31は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定などの制御を実行するように構成されている。また、エンジン4を制御するエンジン用電子制御装置(言い換えればE−ECUという。)32が設けられ、これらの電子制御装置31,32の間で相互にデータを通信するようになっている。
【0027】
上記の無段変速機構1を含む駆動系統を対象としたこの発明に係る制御装置は、前記のロックアップクラッチ11を無段変速機構1に対するいわゆるトルクヒューズとして機能させるように構成されている。これは、具体的には、トルクの変化が少ない定常走行状態あるいは準定常走行状態において、その時点に作用しているトルクで滑りが生じないように無段変速機構1のトルク容量およびロックアップクラッチ11のトルク容量を設定し、かつ各々のトルク容量(言い換えれば伝達トルクという。)のいわゆる余裕すなわち滑りが生じない範囲で最低のトルク容量に安全を見込んで付与されている余裕トルク容量が、無段変速機構1におけるよりもロックアップクラッチ11で小さくなるように設定する。これは、駆動系統に作用するトルクが増大(言い換えれば正方向に増大という。)もしくは低下(言い換えれば負方向に増大という。)した場合に、無段変速機構1に先行してロックアップクラッチ11に滑りを生じさせて無段変速機構1の滑りを防止する制御である。
【0028】
この発明に係る制御装置は、この種のクラッチを無段変速機構1に対していわゆるトルクヒューズとして機能させる制御を以下のようにして実行する。図1から図10はその制御例を示すフローチャートであり、図11はその制御を実行した場合の回転数、ロックアップクラッチ11の係合圧(言い換えれば油圧という。)、無段変速機構1における伝達トルクを決定するベルト挟圧力の変化を示すタイムチャートである。
【0029】
この発明では、ロックアップクラッチ11の伝達トルクに余裕を与えるようにその係合圧を設定するにあたり、先ず、ロックアップクラッチ11が安定的にオン制御されていることから制御を始める。これが、制御の前提条件であり、したがって図1に示すように、先ず、その制御前提条件の成立が判断される(ステップS110)。
【0030】
ここで、安定的にオン制御されているとは、その時点の通常の走行状態で滑りを生じることなく係合状態を維持する係合圧が設定され、しかもその係合圧が過渡的な圧力でなく、安定して維持されている状態である。後述するように、係合状態から滑りが生じる直前の状態もしくは滑りの開始の係合圧にまで係合圧を低下させる制御をおこなうからである。
【0031】
この制御前提条件が成立する状態は、図11のt1 時点以前の状態として示してある。すなわちエンジン回転数Ne およびタービン回転数Nt がほぼ一定に安定しており、またロックアップクラッチ(言い換えればL/Uクラッチという。)の油圧が滑りの生じない程度に高い圧力に一定しており、さらにベルト挟圧力がベルト滑りの生じない程度に高い圧力に一定している。これは、通常の走行状態での制御内容であり、図11には「phase0」として示してある。なお、この「phase 」とは実行するべき制御内容に付した記号であり、図1から図10のフローチャートでは制御ステップの行き先を示すようにも機能する。
【0032】
上記のステップS110で肯定的に判断された場合には、制御開始条件が成立しているか否かが判断される(ステップS120)。制御開始条件が成立したことが判断された場合、すなわちステップS120で肯定的に判断された場合には、「phase 」が“1”とされる(ステップS130)。なお、既に制御開始条件が成立している場合には、ステップS120で否定的に判断され、その場合はステップS130を飛ばしてステップS140に進む。
【0033】
ロックアップクラッチ11をいわゆるトルクヒューズとして作用させる制御は、エンジン4から入力される駆動トルク(あるいは正トルク)や駆動輪26側から掛かる負トルクが安定している場合に可能であり、したがって定常状態もしくは準定常状態を条件として制御をおこなう。これが制御開始条件である。その定常状態もしくは準定常状態とは、アクセル開度(図示しないアクセルペダルの踏み込み量)や無段変速機構1の出力側のトルク(例えば従動プーリー20の軸トルク)の所定時間内の変化が所定範囲内であることである。そして、その所定範囲は車速に応じた範囲とすることができる。
【0034】
つぎに、ステップS140においてその時点の入力トルクの領域が記憶され、またフラグF2が“OFF”とされて初期化される。ここで入力トルクの領域とは、各種の制御を入力トルク毎に制御することとしており、そのために区分された入力トルクについての区分である。したがって入力トルクの属する領域が変動した場合には、運転状態が変化したことになる。
【0035】
入力トルク領域を記憶した後、制御終了条件が成立しているか否かが判断される(ステップS150)。この制御終了条件は、上記の制御開始条件とされているいずれかの状態が成立しなくなることであり、例えば車両の走行状態が定常状態もしくは準定常状態ではなくなったことである。
【0036】
このステップS150で、制御終了条件が成立していないことにより否定的に判断された場合には、入力トルク領域が記憶値から変化したか否かが判断される(ステップS200)。ステップS150で、制御終了条件が成立することにより肯定的に判断され、その場合には、「phase 」が“6”に設定されているか否かが判断される(ステップS160)。すなわち、ロックアップクラッチ11を再係合させる係合圧に所定の余裕圧を付与した係合圧でロックアップクラッチ11を係合させている状態か、あるいはそのための学習値DPLU1 を求める学習制御中かが判断される。
【0037】
このステップS160で否定的に判断された場合には、前述した学習値を求める制御が実行されている状態であるから、その学習制御中におけるロックアップクラッチ11の滑りの発生を検出するために、ロックアップクラッチ11の滑りの有無が判断される(ステップS180)。
【0038】
ロックアップクラッチ11に滑りが生じていてステップS180で肯定的に判断された場合には、フラグF4が“ON”に設定され(ステップS190)、その後、「phase 」が“7”に設定される(ステップS170)。なお、上記のステップS160で肯定的に判断された場合にも、ステップS170に進んで「phase 」が“7”に設定される。その後、ステップS230に進む。
【0039】
ロックアップクラッチ11の係合圧の学習を含む各種の制御を入力トルク毎におこなっているので、入力トルクが変化した場合には、それに応じた制御をおこなう必要がある。そのために、ステップS200の判断をおこなっている。したがってステップS200で肯定的に判断された場合には、フラグF2が“ON”とされる(ステップS210)。
【0040】
なお、入力トルクの変化は、例えば定常走行判定領域内のアクセル変化によって生じ、またエンジン4が希薄燃焼可能な場合には、その空燃比の変更によって生じ、さらに空調用コンプレッサーなどの補機類のON・OFFによってエンジン負荷を変化させるように構成されている場合には、その補機類のON・OFFの切り換えによって生じる。したがってステップS200の判断は、アクセル開度の変化や空燃比の変更の有無や補機類のON・OFFの切り替えの有無を判断するステップに変更してもよい。
【0041】
上記のステップS180でロックアップクラッチ11に滑りが生じていないことにより否定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ11の係合圧が最大圧に設定され、かつ「phase 」が“0”に設定される(ステップS220終了条件が成立した際にロックアップクラッチ11に滑りが生じていなければ、ロックアップクラッチ11の係合圧を、制御装置の元圧であるライン圧もしくはその補正圧に増大させて、ロックアップクラッチ11を完全係合状態とする。その場合、ロックアップクラッチ11が完全係合状態になることに伴なう回転変化が生じないので、慣性力やそれに起因するショックが発生することはない。
【0042】
上記のステップS200で肯定的に判断されてフラグF2が“ON”とされた場合、あるいはステップS200で否定的に判断された場合には、「phase 」が“1”に設定されているか否かが判断される(ステップS230)。上記のように制御開始条件が成立した場合には「phase 」が“1”に設定されているので、このステップS230では肯定的に判断される。その結果、ロックアップクラッチ11の係合圧が第1の所定油圧PLU1に設定される(ステップS240)。これは、図11のt1 時点である。
【0043】
この制御は、ロックアップクラッチ11の滑りを発生させる制御の応答性を向上させるために、予め係合圧を下げる制御であり、係合圧の低下率を特には制約しないように、すなわち直ちに低下するように制御される。言い換えれば、係合圧の低下勾配が最も大きくなるように制御される。
【0044】
そして、この第1所定油圧PLU1は、ロックアップクラッチ11の特性のバラツキを考慮しても滑りの生じない程度の係合圧である。その圧力は、ロックアップクラッチ11に対する入力トルクに基づいて求めた摩擦係数μや機構上の特性のバラツキを考慮して設定された油圧とすることができ、あるいは無段変速機構1における目標とする挟圧力から無段変速機構1の入力トルクを求め、その入力トルクに基づいて演算した油圧とすることができる。
【0045】
ついで、所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS250)。この所定時間は、係合圧を第1所定油圧PLU1に低下させる指令信号を出力してから係合圧が第1所定油圧PLU1に安定するまでに要する時間であり、予め定められた一定値もしくは車両の状態に応じて設定されたマップ値などである。図11では、t1 時点からt2 時点までの時間である。
【0046】
このステップS250で肯定的に判断された場合には、「phase1」の制御が終了したことになるので、「phase 」が“2”に設定される(ステップS260)。これは、図11のt2 時点である。そして、ロックアップクラッチ11に滑りが生じたか否かが判断される(ステップS270)。なお、上記の所定時間が経過していないことによりステップS250で否定的に判断された場合には、ステップS260を飛ばしてステップS270に進む。
【0047】
このステップS270は、ロックアップクラッチ11の状態を確認することを目的として実行される。すなわちロックアップクラッチ11の伝達トルクに所定の余裕を設定する制御の過程でロックアップクラッチ11に意図しない(もしくは想定しない)滑りが生じると、その制御を正常に実行できなくなるからである。また、ロックアップクラッチ11の滑りの検出もしくは判定は、ロックアップクラッチ11の入力側の回転数(例えばエンジン回転数Ne )と出力側の回転数(例えばタービン回転数Nt )とを比較することによりおこなうことができる。より具体的には、これらの回転数の差が予め定めたしきい値より大きくなったことによって、ロックアップクラッチ11に滑りが生じたことを検出することができる。
【0048】
制御が想定したとおりに進行すれば、ロックアップクラッチ11に滑りが生じないので、ステップS270で否定的に判断される。これに対して、何らかの理由でロックアップクラッチ11に意図しない滑りが生じた場合には、ステップS270で肯定的に判断される。その場合、「phase 」が“4”に設定され、かつフラグF0が“ON”に設定される(ステップS280)。その後、ステップS290に進む。なお、ロックアップクラッチ11に滑りが生じないことによりステップS270で否定的に判断された場合には、ステップS280を飛ばしてステップS290に進む。
【0049】
ステップS290では、「phase 」が“2”に設定されているか否かが判断される。上述したように、ロックアップクラッチ11の係合圧を上記の第1所定油圧PLU1に低下させる制御が実行された場合には、「phase 」が“2”に設定されている。すなわち、上記の所定時間が経過したことにより、ステップS260で「phase 」が“2”に設定され、かつロックアップクラッチ11に意図しない滑りが生じていないことにより、上記のステップS280を飛ばしてステップS290に進んでいるので、「phase 」が“2”に設定されている。したがって、ステップS290で肯定的に判断される。その場合には、ロックアップクラッチ11の係合圧が、第2所定油圧PLU2に向けて、所定の低下率(第1スイープ勾配)DLPLU1で低下させられる(ステップS300)。これは、図11のt2 時点からt3 時点までの制御である。
【0050】
この第1スイープ勾配DLPLU1は、上記の第1所定油圧PLU1に低下させる場合の低下率より小さいものの、ロックアップクラッチ11の係合圧をある程度、迅速に低下させるように設定された低下率である。すなわち、第1所定油圧PLU1に設定するのと同様に、ロックアップクラッチ11の滑りが生じる係合圧まで急激に低下させると、アンダーシュートによってロックアップクラッチ11が過剰に滑ってしまい、あるいはロックアップクラッチ11が解放してしまう。また、油圧の応答の遅れにより指令油圧と実油圧の偏差大となる。これを避けるために安定的な係合状態から徐々に係合圧を下げたのでは、応答性が悪くなる。そこで、最初にステップ的に係合圧を下げ、次にある程度大きい勾配で係合圧を低下させることとしたのである。
【0051】
ついで、係合圧が第2所定油圧PLU2に到達したか否かが判断される(ステップS310)。この判断は、油圧指令値により判断することができ、また予め定めた時間が経過したことによって判断することができ、あるいは図示しない油圧センサの検出値に基づいて判断することができる。
【0052】
また、第2所定油圧PLU2は、ロックアップクラッチ11の伝達トルクの余裕がゼロの係合圧に対して所定値だけ高い油圧であり、ロックアップクラッチ11に滑りが生じない圧力である。その一例を挙げれば、「phase0」の状態などの通常の走行時にロックアップクラッチ11を解放状態(OFF)から係合状態(ON)に切り替える際に設定される油圧である。
【0053】
その油圧は、余裕伝達トルクに加えてエンジン4の慣性トルク分の油圧が加算されているので、その加算分を前記所定値とすることができるからである。あるいは、第2所定油圧PLU2は、ロックアップクラッチ11をOFF状態からON状態に切り替える際のロックアップ油圧とその時点の入力トルクに基づいて求まる必要係合圧との差を、現時点の入力トルクから求まる必要係合圧に加算して補正した油圧とすることができる。
【0054】
ロックアップクラッチ11の係合圧が上記の第2所定油圧PLU2に到達することによりステップS310で肯定的に判断されると、つぎの制御に進むために「phase 」が“3”に設定される(ステップS320)。ついで、その時点のロックアップクラッチ11に対する入力トルクが、後述する学習値を得られている領域に入っているか否かが判断される(ステップS330)。なお、係合圧が第2所定圧PLU2に到達していないことによりステップS310で否定的に判断された場合には、つぎの制御に進ませないようにするために、ステップS320を飛ばしてステップS330に進む。
【0055】
ここで説明している制御は、ロックアップクラッチ11の係合圧を伝達トルクに所定の余裕が生じる油圧に制御するためのものであり、そのために先ずはその余裕がゼロの状態を判定する必要があるが、その余裕がゼロの状態に相当する係合圧は、ロックアップクラッチ11に対する入力トルク毎に異なっている。そこで、伝達トルクについての所定の余裕を与える係合圧が求められた場合には、これを、その時点の入力トルクに対応させて記憶することにより、係合圧の学習をおこなうこととしてある。その学習は、後述するとおりである。したがって、既に学習値が得られている場合には、それを利用することにより不必要な制御を省略できるので、その時点の入力トルクが、学習値の得られているトルク領域に入っているか否かを判断することとしたのである。
【0056】
したがって、その時点の入力トルクが、学習値の得られているトルク領域に入っていることによりステップS330で肯定的に判断された場合には、それに応じた制御に進むために「phase 」が“6”に設定され(ステップS340)、ついでステップS350に進む。なお、その時点の入力トルクが、学習値の得られているトルク領域に入っていないことによりステップS330で否定的に判断された場合には、学習値を利用した制御に進めないので、ステップS330を飛ばしてステップS350に進む。
【0057】
このステップS350およびこれに続くステップS360は、前述したステップS270およびそれに続くステップS280と同様の制御ステップである。すなわち、上記のステップS330あるいはステップS340に至る過程で、ロックアップクラッチ11の係合圧が低下させられ、また入力トルクが変化することもあるので、ロックアップクラッチ11に滑りが生じたか否かが判断される(ステップS350)。
【0058】
そして、ロックアップクラッチ11の滑りが生じたことによりこのステップS350で肯定的に判断された場合には、その滑りが意図しないもの(あるいは想定していないもの)であるから、その滑りに対応した制御に進むために「phase 」が“4”に設定され、かつフラグF0が“ON”に設定される(ステップS360)。その後、ステップS120に進む。なお、ロックアップクラッチ11に滑りが生じないことによりステップS350で否定的に判断された場合には、ステップS360を飛ばしてステップS370に進む。
【0059】
ステップS370では、「phase 」が“3”に設定されているか否かが判断される。上述したように、ロックアップクラッチ11の係合圧を上記の第2所定油圧PLU2に低下させる制御が実行された場合には、「phase 」が“3”に設定されている。その状態で、入力トルクが学習値の得られていない領域であれば、ステップS340での「phase 」の書き換えがおこなわれず、また意図しない滑りが生じていない場合には、ステップS360での「phase 」の書き換えがおこなわれないので、「phase 」が“3”になっており、したがってステップS370で肯定的に判断される。その場合には、ロックアップクラッチ11の係合圧が、所定の低下率(第2スイープ勾配)DLPLU2で低下させられる(ステップS380)。これは、図11のt3 時点からt5 時点までの制御である。
【0060】
この第2スイープ勾配DLPLU2は、前述した第1スイープ勾配DLPLU1より小さい低下率である。すなわち、ロックアップクラッチ11の係合圧を低下させているので、油圧のわずかな変化でロックアップクラッチ11に滑りが生じ易く、したがってその滑りが過大にならないようにするために係合圧の低下率を小さく設定したのである。言い換えれば、油圧のアンダーシュートあるいはそれに起因する過大な滑りもしくはロックアップクラッチ11の解放を回避するためである。
【0061】
ついで、その時点のロックアップクラッチ11に対する入力トルクが、後述する学習値を得られている領域に入っているか否かが判断される(ステップS390)。このステップS390は、前述したステップS330と同様のステップであり、係合圧についての学習値が既に得られている場合には、それを利用するためである。
【0062】
したがってこのステップS390で肯定的に判断された場合には、学習値を利用した制御に進むために、「phase 」が“6”に設定される(ステップS400)。ついで、ステップS410に進む。これとは反対に、ロックアップクラッチ11に対する入力トルクが学習値の得られていない領域のトルクであれば、「phase 」を書き換えることなく、ステップS410に進む。
【0063】
上記のステップS380による油圧の低下制御は、係合状態にあったロックアップクラッチ11に滑りを生じさせるための油圧低下制御における最終段階の制御であり、したがってステップS410では、ロックアップクラッチ11に滑りが生じたか否かが判断される。この判断は、前述したステップS270やステップS350におけるのと同様に、入力側の回転数と出力側の回転数とを比較し、もしくはその回転数差を所定のしきい値と比較することによりおこなうことができる。より具体的には、このステップS410で検出するロックアップクラッチ11の滑りは、係合圧を僅かずつ低下させることにより生じる微少な滑りであり、具体的には、ロックアップクラッチ11の入力側の回転数と出力側の回転数との回転数差が、予め定めた所定回転数(例えば50rpm)以上の状態が、予め定めた所定時間(例えば50ms)継続したことによって、ロックアップクラッチ11の滑りを検出することができる。
【0064】
ロックアップクラッチ11に微少滑りが生じることによりステップS410で肯定的に判断された場合には、つぎの制御に進むために、「phase 」が“4”に設定される(ステップS420)。そして、ステップS450に進む。これとは反対にロックアップクラッチ11に未だ滑りが生じないことによりステップS410で否定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ11の係合圧が所定値以下か否かが判断される(ステップS430)。
【0065】
ロックアップクラッチ11の係合圧が所定値以下になっても滑りが検出されない場合、すなわちロックアップクラッチ11の係合状態が解放されない場合にロックアップクラッチ11の解放状態が異常と判断されることにより、このステップS430で肯定的に判断された場合には、フラグF5が“ON”に設定される(ステップS440)。これに対して、ロックアップクラッチ11の係合圧が所定値以上で滑りが検出されない場合にロックアップクラッチ11の解放状態が異常と判断されないことにより、このステップS430で否定的に判断された場合には、「phase3」の制御を継続するために、「phase 」を書き換えずに(ステップS420を飛ばして)、ステップS450に進む。
【0066】
したがって、ステップS430,S440では、例えば上記クラッチ制御系にフェール状態があった時、ロックアップクラッチ11の係合圧を低下させる指令が出力されても実際のロックアップクラッチの係合圧が低下しないので、ロックアップクラッチ11の解放が不能の場合にはロックアップクラッチ11の係合圧の学習を禁止することができる。
【0067】
このステップS450では、「phase 」が“4”に設定されているか否かが判断される。ロックアップクラッチ11の係合圧を上記の第2スイープ勾配DLPLU2で低下させることにより、ロックアップクラッチ11が想定したとおりに滑りを生じると、ステップS420で「phase 」が“4”に設定されるので、ステップS450で肯定的に判断される。
【0068】
この状態は、ロックアップクラッチ11の係合圧が、伝達トルクの余裕がゼロの係合圧よりも僅かに下回った状態である。したがってロックアップクラッチ11の滑りが検出された後に、上記の第2スイープ勾配DLPLU2で係合圧が増大させられる(ステップS460)。これは、ロックアップクラッチ11を微少滑り状態から再係合させるための制御であり、伝達トルクの余裕がゼロの状態で再係合させるために、第2スイープ勾配DLPLU3は最小の勾配に設定される。すなわち、ロックアップクラッチ11を係合させる油圧が、図示しないが極めて僅かずつ昇圧される。
【0069】
ついで、ロックアップクラッチ11がトルク容量を持ち始めたか否かが判断される(ステップS470)。この判断は、具体的には、ロックアップクラッチ11の入力回転数であるエンジン回転数Ne と出力回転数であるタービン回転数Ntとの差の変化率Δ(Ne −Nt)が予め定めた判断基準値DNEINより小さいか否かを判断することによりおこなわれる。すなわち、ロックアップクラッチ11に作用するトルクに対してロックアップクラッチ11のトルク容量が小さい場合には、滑りが生じて入力回転数と出力回転数との差が増大し、また反対に入力されるトルクに対してトルク容量が十分な大きさであれば、ロックアップクラッチ11が完全に係合するように滑り回転数が低下する。
【0070】
このステップS470で肯定的に判断された場合には、フラグF1が“ON”か否かが判断され(ステップS480)、そのフラグF1が“OFF”であることによりこのステップS480で否定的に判断された場合には、係合判定時の係合圧PLUEXCを、完全係合時の摩擦係数に対応したものとするために、その係合圧PLUEXCをμ勾配倍率でわり算し、その値に安全率SFを掛けるなどの所定の余裕圧を付与した係合圧から係合圧指令値PLUTTを減算して学習値DPLU1が求められ、同時にフラグF1が“ON”とされる(ステップS490)。その後、ステップS500に進む。ここで、上記の「所定の余裕圧の付与」は、ステップS470で肯定的に判断された時点の係合圧に所定の係数SF(>1)を掛けた値を求めることでもよく、あるいは予め定めた余裕圧を加算することでもよい。
【0071】
なお、上記のフラグF1は、学習値DPLU1が算出されることにより“ON”とされるフラグであるから、既に学習値DPLU1が算出されていれば、上記のステップS480で肯定的に判断される。その場合、学習値DPLU1を再度算出することなく(すなわちステップS490を飛ばして)ステップS500に進む。また、ロックアップクラッチ11の入出力回転数の差の変化率Δ(Ne −Nt)が判断基準値DNEIN以上であることによりステップS470で否定的に判断された場合にも、ステップS500に進む。
【0072】
このステップS500では、ロックアップクラッチ11の係合判定が成立しているか否か、すなわちロックアップクラッチ11が係合したか否かが判断される。伝達トルクの余裕がゼロであれば、ロックアップクラッチ11の入力回転数と出力回転数との差がなくなるが、これは、伝達トルクの余裕が過大である場合と同じであるから、伝達トルクの余裕がゼロの状態の再係合を検出することは、必ずしも正確にはおこなえない。そのため、上記の第2スイープ勾配DLPLU2で係合圧を昇圧している状態で、ロックアップクラッチ11の入力回転数と出力回転数との回転数差が所定値(例えば50rpm)より小さい状態が所定時間(例えば100ms)継続した場合に、ロックアップクラッチ11の再係合の判定が成立する。なお、この時点におけるロックアップクラッチ11の係合圧は、入力トルクに応じて設定されている係合圧である。ロックアップクラッチ11の係合判定が成立した場合、、すなわちロックアップクラッチ11が係合したと判断されることにより、ステップS500が肯定的に判断された場合には、ステップS510に進む。ステップS510では、前述したフラグF5が“ON”か否かが判断される。ステップS510で肯定的に判断された場合には、「phase 」が“0”に設定され、制御を終了する。
【0073】
ステップS510で否定的に判断された場合、「phase4」の制御が終了したことになるので、つぎの制御に進むために、「phase 」が“5”に設定される(ステップS540)。これに続けて前述したフラグF0が“ON”か否かが判断される(ステップS550)。このように、フラグF0は、前述したように、係合圧の制御の過程で意図しない(もしくは想定しない)ロックアップクラッチ11の滑りが検出された場合に“ON”に設定される(ステップS280,S360)から、ステップS510,S550では、ロックアップクラッチ11が意図しない滑りの後に再係合したか否かを判断していることになる。
【0074】
したがってステップS550で肯定的に判断された場合には、再度ロックアップクラッチ11を微少滑り状態とすることにより再学習を行なうために、「phase 」が“3”に設定され、またフラグF0が“OFF”に設定される(ステップS560)。その後、ステップS530に進む。
【0075】
一方、ロックアップクラッチ11が意図した滑りの後に再係合したことによりステップS550で否定的に判断された場合には、フラグF2が“ON”か否かが判断される(ステップS570)。すなわち、入力トルクが領域を渡って変化したか否かが判断される。このステップS570で肯定的に判断された場合には、入力トルクが変化し、係合圧の学習の前提とする状態が変化したことになるので、入力トルクが安定した状態で再学習するために、ステップS560に進んで前記「phase3」の制御をおこなうために、「phase 」が“3”に設定され、またフラグF0が“OFF”に設定される。すなわちロックアップクラッチ11を解放させた後、再係合させる。係合圧の学習を再度おこなうためである。これに対してステップS570で否定的に判断された場合、すなわち入力トルクの変動が生じていない場合には、ステップS530に進む。
【0076】
また、ロックアップクラッチ11の係合判定が成立しない場合、、すなわちロックアップクラッチ11が係合されたと判断されないことにより、ステップS500が否定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ11の係合圧が所定値以上か否かが判断される(ステップS580)。ステップS580では、たとえば通常のロックアップクラッチの制御、すなわちステップS900からステップSS910に示すOFFからONもしくはONからOFFに切換える制御においてロックアップクラッチ11の係合および解放が不能になった場合には、ロックアップクラッチ11の滑りが発生する限界の係合圧に対する学習の制御においても、同様にロックアップクラッチ11の係合および解放が不能になる可能性が高いため、その通常のロックアップクラッチの学習の制御を禁止することができる。
【0077】
ロックアップクラッチ11の係合圧が所定値以上になっても、ロックアップクラッチ11の係合判定がされない場合にロックアップクラッチ11の係合状態が異常ありと判断されることにより、このステップS580で肯定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ11の係合圧が“0”に設定され、また「phase 」が“0”に設定され、さらにフラグF5が“ON”に設定される(ステップS590)。
【0078】
これに対して、ロックアップクラッチ11の係合判定が不成立の時のロックアップクラッチ11の係合圧が所定値以上の判定がされた場合にロックアップクラッチ11の係合状態を異常ありと判断されないことにより、このステップS580で否定的に判断された場合には、「phase4」を継続するために、「phase 」を書き換えずに制御を終了する。
【0079】
このステップS530では、「phase 」が“5”に設定されているか否かが判断される。上記のように係合圧をゆっくり低下させることによりロックアップクラッチ11が微少滑りを生じ、その後に係合圧を最小勾配で増大させたことによりロックアップクラッチ11の再係合の判定が成立すれば、「phase 」が“5”に設定されているので、ステップS530で肯定的に判断される。すなわち、係合圧の変化に伴なうロックアップクラッチ11の挙動が想定したとおりに変化すると、「phase5」の制御に進むことになる。
【0080】
ステップS530で肯定的に判断されると、ロックアップクラッチ11の係合圧が、「phase4」の終了時点における油圧、すなわちロックアップクラッチ11の再係合が判定された時点の油圧(入力トルクに相当する油圧)に設定される(ステップS600)。そして、所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS610)。この所定時間は、図示しないがロックアップクラッチ11の係合圧を所定値に安定させるための予め定めた時間である。
【0081】
所定時間が経過することによりステップS610で肯定的に判断された場合には、前述した学習値DPLU1 が予め定めた所定範囲内か否かが判断される(ステップS620)。この判断は、例えば、算出された学習値DPLU1 を所定の判断基準値と比較することによっておこなうことができ、あるいは所定数のトルク領域での学習値の平均との大小を比較し、その差が大きい場合に所定範囲を外れていると判断することによりおこなうことができ、さらには継続して得られた学習値DPLU1 の平均値に基づいて判断することとしてもよい。
【0082】
油圧制御系統の異常やロックアップクラッチ11の摩擦材の異常あるいはトルクコンバータ3のフルードの変化などが生じていなければ、学習値DPLU1 が所定の範囲内の値に収まるが、異常が生じているとその影響で学習値が極端に大きくなるなどの事態が生じる。すなわちステップS620では学習が正常におこなわれたか否かが判断されることになる。
【0083】
学習値DPLU1 が所定範囲内に収まっていることによりステップS620で肯定的に判断された場合には、つぎの制御に進むために、「phase 」が“6”に設定される(ステップS630)。そして、上記の学習値DPLU1 が記憶される(ステップS640)。
【0084】
すなわち、ロックアップクラッチ11に一旦滑りを生じさせた後、ロックアップクラッチ11が再係合する係合圧に所定の余裕圧を付与した係合圧と、入力トルクに応じた係合圧として予め設定もしくは記憶されている係合圧との差が、ロックアップクラッチ11の係合圧を補正するための値として、上記の学習値DPLU1が記憶される。
【0085】
なお、この学習値DPLU1は、入力トルクを所定の複数の領域に分割し、各領域毎に記憶し、マップとして保持する。したがって前述したステップS330やステップS390での判断は、このようにして得られた学習値の有無に基づく判断である。
【0086】
一方、学習値DPLU1 が所定範囲を超えていることによりステップS620で否定的に判断された場合には、再度、学習をおこなうために「phase 」が“3”に設定される(ステップS650)。また、所定範囲を超えた値であっても得られた学習値DPLU1を無段変速機構1の挟圧力の制御に反映させるために、前述したステップS490で得られた学習値DPLU1 が仮学習値として記憶される(ステップS660)。そして、この仮学習値DPLU1 の平均値の絶対値が予め定めた所定値以上か否かが判断される(ステップS670)。このステップS670で肯定的に判断された場合には、仮学習値DPLU1 が大きく偏っていることになるので、フラグF3が“ON”とされる(ステップS680)。
【0087】
これに対してステップS670で否定的に判断された場合には、予め定めた所定値を超える仮学習値DPLU1 の数が所定数以上か否かが判断される(ステップS690)。すなわち平均値としては所定値以下であるが、過大もしくは過小の仮学習値DPLU1 が多いか否かが判断される。この判断結果が肯定的であれば、何らかの異常があるものと考えられるので、ステップS680に進んでフラグF3が“ON”とされる。反対に否定的に判断された場合には、フラグF3が“OFF”とされる(ステップS700)。すなわち、仮学習値DPLU1を無段変速機構1の挟圧力に反映させる制御をおこなわない。
【0088】
上記のステップS640もしくはステップS680あるいはステップS700を経た後に、ステップS710に進む。また、所定時間が経過していないことによりステップS610で否定的に判断された場合には、直ちにステップS710に進み、この場合は、「phase 」は書き換えられずに“5”に維持される。
【0089】
さらに、この時点においても意図しないロックアップクラッチ11の滑りが生じたか否かが判断される。これがステップS710の制御である。これは、前述したステップS270やステップS350と同様のステップであり、したがってこのステップS710で肯定的に判断された場合には、その滑りに対応した制御に進むために「phase 」が“4”に設定され、かつフラグF0が“ON”に設定される(ステップS720)。その後、ステップS730に進む。なお、ロックアップクラッチ11に滑りが生じないことによりステップS710で否定的に判断された場合には、ステップS720を飛ばしてステップS730に進む。
【0090】
ステップS730では、「phase 」が“6”に設定されているか否かが判断される。上述したように、ロックアップクラッチ11が再係合する係合圧に所定の余裕圧を付与した係合圧と、その時点の入力トルクに応じて指令もしくは設定されている係合圧との差が学習値DPLU1 として記憶されており、その学習値DPLU1 に異常がない場合には、「phase 」が“6”に設定されているので、ロックアップクラッチ11の意図しない滑りが検出されない限り、ステップS730で肯定的に判断される。
【0091】
その場合には、ロックアップクラッチ11の係合圧として、入力トルクに基づいて求まる係合圧PLUTT に、その補正値として上記の学習値DPLU1 を加算(学習値DPLU1 が負の値であれば、減算)してロックアップクラッチ11の係合圧が求められる(ステップS740)。すなわち予め得られている係合圧が、上記の学習値DPLU1 によって補正される。その結果、ロックアップクラッチ11の係合圧として、その時点の入力トルクに対して伝達トルクに余裕がない係合圧(つまり余裕がゼロの油圧のこと。)に、予め定められている所定の余裕油圧を加算した油圧であって、実際の無段変速機構1あるいは駆動系統の状態を反映した油圧が設定される。その余裕油圧DPLU2 は、定常的もしくは準定常的な走行状態でロックアップクラッチ11に滑りが生じるおそれがなく、また定常的もしくは準定常的な走行状態で作用するトルクを超えるトルクが作用した場合には、ロックアップクラッチ11に滑りが生じる程度の油圧である。
【0092】
ロックアップクラッチ11の係合圧を上記のように設定している状態でロックアップクラッチ11に対する入力トルクが変化することがあるので、上記のステップS740に続けて、入力トルクが未学習領域に入ったか否か、すなわち上記の学習値が得られていない入力トルクに変化したか否かが判断される(ステップS750)。その時点の状況は、図示しないがロックアップクラッチ11が滑りを生じることなく係合しており、かつその係合圧は伝達トルクの余裕の小さい油圧である。
【0093】
したがってステップS750で肯定的に判断された場合には、再度、微少滑りを生じさせて学習をおこなうために、「phase2」の制御を実行することになる。すなわち「phase 」が“2”に設定される(ステップS760)。ついでステップS770に進む。なお、入力トルクが学習値の得られている領域に入っていることによりステップS750で否定的に判断された場合には、「phase 」を変更することなく、直ちにステップS770に進む。
【0094】
この時点においても意図しないロックアップクラッチ11の滑りが生じたか否かが判断される。これがステップS770の制御である。これは、前述したステップS270やステップS350、ステップS710と同様のステップであり、したがってこのステップS770で肯定的に判断された場合には、その滑りに対応した制御に進むために「phase 」が“4”に設定され、かつフラグF0が“ON”に設定される(ステップS780)。ステップS790では、「phase 」が“7”に設定されているか否かが判断される。このステップS790で否定的に判断された場合には、直ちにステップS860に進み、設定されている「phase 」に従った制御が実行される。これとは反対にステップS790で肯定的に判断された場合には、フラグF4が“ON”か否かが判断される(ステップS800)。
【0095】
このフラグF4は、前述したように、制御終了条件が成立した後にロックアップクラッチ11に滑りが検出された場合に“ON”とされるフラグである。したがってこのステップS800で否定的に判断された場合には、予め定めた所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS810)。その所定時間は、前述したステップS150で制御終了条件の成立が判断された場合、無段変速機構1のベルト挟圧力が通常時の圧力(つまり最大圧力のこと。)に増大させられるので、この増大制御が完了するまで(すなわちベルト挟圧力が最大圧に安定するまで)の時間と場合には、入力トルクに応じて設定された係合圧PLUTT を前記学習値DPLU1 で補正した係合圧でロックアップクラッチ11を係合させる制御が継続される(ステップS820)。その後、ステップS860に進む。
【0096】
ロックアップクラッチ11に滑りが生じていてステップS800で肯定的に判断された場合や、前記の所定時間が経過してステップS810で肯定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ11の係合判定が成立しているか否かが判断される(ステップS830)。
【0097】
ロックアップクラッチ11に滑りが生じていることによりステップS830で否定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ11の係合圧が徐々に増大させられる(ステップS840)。すなわちスイープアップされる。その後、ステップS860に進む。その場合、前述したステップS800で肯定的に判断されるので、ロックアップクラッチ11の係合圧のスイープアップが継続される。
【0098】
ロックアップクラッチ11の係合圧を徐々に増大させた結果、ロックアップクラッチ11が係合すると、ステップS830で肯定的に判断される。その場合、フラグF4が“OFF”とされ(ステップS850)、その後、ステップS860に進む。この場合、前述したステップS180で否定的に判断されるので、ロックアップクラッチ11の係合圧が最大値に増大させられる(ステップS220)。すなわち、ロックアップクラッチ11は滑りを生じていない状態で完全係合状態に設定されるので、回転変動やそれに起因するショックが生じることはない。その後、ステップS860に進む。なお、ロックアップクラッチ11に滑りが生じないことによりステップS770で否定的に判断された場合には、ステップS780を飛ばしてステップS860に進む。
【0099】
このステップS860では、「phase 」が“6”に設定されているか否かが判断される。この判断結果が否定的の場合には、このルーチンを一旦終了する。これに対して肯定的に判断された場合には、前述した仮学習値DPLU1 を無段変速機構1の挟圧力に反映させるべきか否かが判断される(ステップS870)。具体的には、前述したフラグF3が“OFF”か否かが判断される。学習値DPLU1 が所定の範囲に入っていなくても、その平均値の絶対値が所定値以内であったり、あるいは絶対値が所定値を超える個数が少ないなどのいわゆる異常の判定が成立しない場合には、フラグF3が“OFF”にセットされている(ステップS700)。したがってステップS870で肯定的に判断された場合には、無段変速機構1のベルト挟圧力が、伝達トルクに所定の余裕を与える圧力に低下させられる(ステップS880)。なお、こうして設定される無段変速機構1での伝達トルクの余裕は、ロックアップクラッチ11における伝達トルクの余裕より大きく、したがって駆動トルクや負トルクなどが変化した場合には、ロックアップクラッチ11が無段変速機構1に先行して滑りを生じる。
【0100】
一方、フラグF3が“ON”に設定されていてステップS870で否定的に判断された場合には、通常の無段変速機構1のベルト挟圧力が設定される(ステップS890)。なお、この補正は、無段変速機構1の伝達トルクに所定の余裕を与える圧力として予め定められている値を増大補正するものであってもよく、あるいは上記の伝達トルクに余裕を与える圧力に低下させる制御自体を禁止するものであっもよい。
【0101】
なお、ステップS110からステップS840までのロックアップクラッチ11のトルクフューズ制御およびステップS850からステップS890の挟圧力判断が終了した後もしくは別のタイミングにて、トルクヒューズ制御での係合圧の学習を対象としたクラッチの通常のクラッチ制御、例えば、ロックアップの状態をオフからオンに切換えるロックアップクラッチ11の係合もしくは解放の制御において、ロックアップクラッチ11の係合制御が正常に実施されているか否かが判断される(ステップS900)。図10に示すステップS900で否定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ11の解放制御が正常に実施されているか否かが判断される(ステップS910)。
【0102】
このステップS900で否定的に判断された場合、およびステップS910で否定的に判断された場合、すなわち通常のクラッチ制御で係合制御が異常無しと判断された場合、および通常のクラッチ制御で解放制御が異常無しと判断された場合には、フラグF5が“OFF”に設定される(ステップS920)。それに対して、ステップS900もしくはステップS910で、肯定的に判断された場合には、プラグF5が“ON”に設定される(ステップS930)。その後、このルーチンを終了する。その場合、ロックアップクラッチ11の係合圧を低下させ、また無段変速機構1の挟圧力を低下させるいわゆるトルクヒューズ制御が終了もしくは禁止され、その係合圧が通常時の圧力に増大もしくは“0”とさせられる。これは図11のt5時点の状態である。
【0103】
なお、上述した図1から図10に示すルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。したがってその過程では、学習値が既に得られている領域に、その時点の入力トルクが入っていることがあり、その場合には以下のように制御される。
【0104】
すなわち入力トルクが学習値の得られている領域に入っていると、図3に示すステップS330で肯定的に判断され、「phase 」が“6”に設定される(ステップS340)。この判断は、「phase1」において係合圧を第1所定油圧PLU1にステップ的に低下させた後、「phase2」で第1スイープ勾配DLPLU1で係合圧を低下させている途中で実行される。
【0105】
上記のステップS340で「phase 」が“6”に設定された場合、「phase 」を判断するステップS370、ステップS450、ステップS530のいずれでも否定的に判断される。そのため、直ちにステップS730に進み、ここで肯定的に判断される。このステップS730以降の制御は、既に説明したとおりである。
【0106】
したがって学習値が既に得られている場合には、入力トルクに基づく第1所定油圧PLU1を設定する「phase1」の制御が実行された後、直ちに学習値DPLU1で補正した係合圧に低下させられる(ステップS740)。その場合、設定するべき係合圧が、ロックアップクラッチ11の滑りが生じる係合圧に近いので、油圧のアンダーシュートによるロックアップクラッチ11の解放もしくは過剰な滑りを防止するために、なまし制御を施して係合圧の低下制御を実行することが好ましい。
【0107】
具体的に説明すると、学習値が得られているトルク領域から学習値の得られていないトルク領域に、ロックアップクラッチ11の入力トルクが変化した場合、上述したステップS330で否定的に判断され、あるいはステップS390で否定的に判断される。したがって伝達トルクの余裕がゼロの係合圧に所定の余裕油圧を加えた係合圧に設定する以前に、入力トルクが学習値の得られていないトルク領域に変化した場合には、「phase1」から「phase6」の一連の制御が前述した順に実行される。
【0108】
これに対して、ロックアップクラッチ11の伝達トルクに所定の余裕を生じさせる係合圧を設定した後に、入力トルクが学習値の得られていないトルク領域に変化すると、前記ステップS750で肯定的に判断される。それに伴なって「phase 」が“2”に設定されるので、「phase2」の制御が実行される。これは、図3に示すステップS290で肯定的に判断された場合の制御であり、ロックアップクラッチ11に微少滑りが生じるように係合圧を第1スイープ勾配DLPLU1で低下させるとともに、第2所定油圧PLU2に達した後は、第2スイープ勾配DLPU2で係合圧を低下させ、その結果、ロックアップクラッチ11の微少滑りが検出された後に、第2スイープ勾配DLPLU2で昇圧し、再係合が検出された後に、その時点の油圧に所定油圧を加えた係合圧が設定される。これは、前述した一連の制御のステップS290以降の制御である。
【0109】
一方、入力トルクが学習値の得られていないトルク領域から学習値の得られているトルク領域に変化した場合の例として、前記第1所定油圧PLU1にステップダウンした後(つまり「phase1」の制御が完了した後のこと。)、ロックアップクラッチ11の入力トルクが、学習値の得られているトルク領域に入ると、図3に示す上記のステップS330で肯定的に判断される。この場合の制御は、上記の学習値が得られている場合と同様であって、直ちにステップS730に進んで、ロックアップクラッチ11の伝達トルクに所定の余裕を与える学習値に基づく係合圧の設定が実行される(ステップS740)。
【0110】
また、第2所定油圧PLU2まで係合圧を低下させた後に、入力トルクが学習値の得られているトルク領域に変化すると、図4に示すステップS390で肯定的に判断される。その結果、「phase 」が“6”に設定されるので、直ちにステップS730に進んで、学習値に基づいて、伝達トルクに所定の余裕が生じるように係合圧が設定される。
【0111】
なお、ロックアップクラッチ11の微少滑りが検出された後は、前述した一連の制御の順に従って各制御が実行される。すなわち、前述した一連の制御と変わるところはない。
【0112】
このようにこの発明に係る上記の制御装置では、入力トルクがいわゆる既学習領域と未学習領域との間で変化した場合、係合圧の制御の進行状態に応じて、その後の制御が選択される。そのため、上述した係合圧の学習をおこなうことができると同時に、必要としない無駄な制御を省略することができる。
【0113】
ところで、ロックアップクラッチ11の係合圧を、伝達トルクに所定の余裕が生じるように制御する上記の一連の過程の中で、係合圧の低下や入力トルクの変化などに起因してロックアップクラッチ11の滑りが生じることがある。これは、例えばステップS270、ステップS350、ステップS410、ステップS710、ステップS770で検出される。
【0114】
したがって係合圧を第2所定油圧PLU2まで低下させる過程、あるいはその第2所定圧PLU2になっている状態でロックアップクラッチ11に滑りが生じると、ステップS270もしくはステップS350で肯定的に判断される。これらいずれの場合であっても、「phase 」が“4”に設定され、またフラグF0が“ON”に制御される(ステップS280、ステップS360)。その結果、図5に示すステップS450に進んでこれ以降の制御が順に実行され、係合圧がゆっくり昇圧される。
【0115】
その結果、一旦、滑りの生じたロックアップクラッチ11が再係合するが、この場合、フラグF0が“ON”に設定されているので、「phase 」が“3”に設定され(ステップS550、ステップS560)、したがって制御は「phase3」に戻る。そのため、図6に示すステップS630に至らないので、学習がおこなわれない。これが学習の禁止に相当する。
【0116】
このように、制御の過程で意図しないロックアップクラッチ11の滑りが生じた場合には、ロックアップクラッチ11を係合状態に戻し、再度、係合圧の低下、微少滑りの検出、昇圧などの上述した一連の制御が実行される。また、同時に伝達トルクの余裕がゼロとなる係合圧の学習、あるいはこれを含めた伝達トルクに所定の余裕が生じる係合圧の学習が禁止される。
【0117】
また、第2所定油圧PLU2から低下させている場合にロックアップクラッチ11の滑りが生じた場合、図4に示すステップS410で肯定的に判断される。これは、意図した滑りであるから、「phase 」を“4”に設定し(ステップS420)、その後、前述した一連の制御が実行される。すなわち上記の一連の制御と変わるところはない。
【0118】
さらに、ロックアップクラッチ11が再係合した後に意図しない滑りが生じた場合には、ステップS710で肯定的に判断される。この場合は、「phase 」が“4”に設定され、またフラグF0が“ON”に制御される(ステップS720)ので、図5に示すステップS450に進んでこれ以降の制御が順に実行され、係合圧がゆっくり昇圧される。これは、上述した例と同様である。
【0119】
このように、上記の制御では、ロックアップクラッチ11の滑りが意図せずに生じた場合には、その時点の制御の状況に応じて次におこなうべき制御を選択するので、ロックアップクラッチ11が過剰に滑ったり、あるいは不必要な制御を繰り返すなどの不都合を回避することができる。
【0120】
また、図1から図10に示すフローチャートにおいて、「phase 」についてのステップS230,S290,S370,S450,S530,S730で否定的に判断された場合には、その判断がおこなわれたステップ以降の「phase 」についてのステップに順に進む。そして、「phase 」についての最終のステップS860で否定的に判断された場合には、図10に示すステップS900に進む。
【0121】
上述したロックアップクラッチ11を無段変速機構1に対するいわゆるトルクヒューズとして機能させる制御は、無段変速機構1のベルト挟圧力を可及的に低下させてその動力伝達効率を向上させ、かつ突発的な外乱によっても無段変速機構1に滑りが生じないようにする制御である。したがってその制御の開始条件は、例えば、車両が平坦路を所定のエンジン負荷以下で定速走行しているなどの定常走行状態あるいは準定常走行状態であることや、ロックアップクラッチ11もしくは無段変速機構1に滑りが生じていないことなどである。したがってこの制御開始条件が成立しなくなった場合、すなわち制御終了条件が成立すると、ロックアップクラッチ11の係合圧や無段変速機構1のベルト挟圧力の低下制御を終了してそれらの圧力を増大させることになる。
【0122】
ところで、上述した制御を実行するように構成されたこの発明の制御装置では、ロックアップクラッチ11などのいわゆるトルクヒューズとして機能とするクラッチの係合圧を一旦低下させた後、その係合圧を次第に増大させて再係合させる場合、そのクラッチの入力回転数と出力回転数との差が次第に小さくなる状態での圧力を、いわゆる余裕がゼロの係合圧(つまり滑りが生じない範囲での最小の係合圧のこと。)として採用している。すなわちロックアップクラッチ11の滑りが生じている。これに対していわゆる余裕のある伝達トルクは、ロックアップクラッチ11に滑りがない状態の伝達トルクであり、上記の再係合する係合圧に所定の余裕圧を付与した係合圧で得られるトルク容量である。
【0123】
しかしながら、上記のロックアップクラッチ11などの摩擦式クラッチの摩擦係数は、入出力回転数の偏差(言い換えれば滑り率という。)によって異なっているのが一般的であるから、入出力回転数差が生じている状態におけるいわゆる余裕がゼロの係合圧と、入出力回転数差が生じていない状態におけるいわゆる余裕がゼロの係合圧とは、摩擦係数の相違が原因となって、異なったものとなる。
【0124】
ところで、摩擦式のクラッチにおける不都合としてジャダーが知られている。ジャダーは、クラッチの係合と滑りとが繰り返し生じ、その結果、出力側のトルクが大きく変動して車体の振動などを引き起こす現象であり、これは、摩擦係数が完全係合時と滑り発生時とで異なっていることに起因するものと思われる。したがってジャダーは、滑り状態と完全係合状態との間での移行時に生じる。
【0125】
この発明で対象としている制御は、無段変速機構1に対していわゆるトルクヒューズとして機能するクラッチを、係合状態から一旦滑り状態に移行させ、その後に係合圧を増大させて再係合させ、その再係合のための係合圧に所定の余裕圧を付与してクラッチをトルクヒューズとして機能させる。これは、クラッチの係合圧を学習する制御を含んでおり、その過程でクラッチを係合状態から滑り状態に移行させ、さらに滑り状態から係合状態に移行させるから、ジャダーの発生の可能性がある。そこでこの発明の制御装置では、ジャダーの発生履歴を制御の開始条件あるいは終了条件とすることが好ましい。
【0126】
この種の油圧式の制御装置においては、オイルの粘性が油圧の制御性に影響を及ぼすことがあり、その一般的傾向は、油温が低い場合には、粘度が高くなって油圧制御の精度が低下する。そこで、この油温は制御の開始条件あるいは終了条件とされる。その制御例を図12に示してある。図12は前述したステップS120の制御内容を具体的に示すものであって、制御前提条件が成立していることにより前記ステップS110で肯定的に判断された場合、定常走行の判定中か否か、すなわち定常走行の判定が成立しているか否かが判断される(ステップS121)。この定常走行状態の判定は、例えば無段変速機構1の入力トルクと変速比とから算出した従動プーリー20の軸トルクが予め定めた所定範囲内であることなどを判断することによりおこなうことができる。
【0127】
このステップS121で否定的に判断された場合には、開始条件が成立していないことになるので、前述したステップS120で否定的に判断された場合と同様に、「phase 」の設定などの制御をおこなうことなく、ステップS140に進む。すなわち制御を開始しない。
【0128】
定常走行の判定中であることにより、ロックアップクラッチ11が過去にジャダーを発生したことがあるか否かが判断される(ステップS122)。なお、そのジャダーの発生履歴は、入力トルクの領域毎に判断することとしてもよい。このステップS122で肯定的に判断された場合には、ジャダーの発生履歴があることにより「phase 」の設定などの制御を特におこなうことなくステップS140に進む。すなわち、前述したいずれの「phase 」にも進まないので、制御が開始されない。
【0129】
これに対してジャダーの発生履歴がないことによりステップS122で否定的に判断された場合には、ステップS122で否定的に判断された場合には、前述したフラッグF5が“ON”か否かが判断される(ステップS123)。そのフラグF5が“OFF”であることにより、このステップS123で否定的に判断された場合には、その時点の入力トルクが、学習値を既に得られている領域に入っているか否かが判断される(ステップS124)。その判断結果が肯定的である場合、油温が予め定めた第1基準値THOH1 以上か否かが判断される(ステップS125)。この第1基準値THOH1 は比較的低い温度であり、このステップS125で肯定的に判断された場合には、制御開始条件が成立したことになり、制御が開始される。すなわち学習値が既に得られていれば、ロックアップクラッチ11の解放および係合を伴なう学習を実施する必要がなく、ロックアップクラッチ11は、係合したままの状態でよいため油温が相対的に低くて油圧制御精度が特には高くなくても、ロックアップクラッチ11をいわゆるトルクヒューズとして機能させる制御を実行できる。
【0130】
そのため、ステップS125で肯定的に判断された場合には、「phase 」が“0”に設定されているか否かが判断される(ステップS126)。このステップS126で否定的に判断された場合には、設定されている「phase 」に応じた制御をおこなうために、ステップS140に進む。これとは反対に「phase 」が“0”に設定されていることによりステップS126で肯定的に判断された場合には、制御を順におこなうために、ステップS130に進んで「phase 」が“1”に設定される。
【0131】
一方、ステップS124で否定的に判断された場合、すなわちその時点の入力トルクが、学習値の得られていない領域に入っている場合には、油温が第2基準値THOH2 以上か否かが判断される(ステップS127)。この第2基準値THOH2 は前記第1基準値THOH1 より高い温度である。
【0132】
このステップS127で肯定的に判断された場合には、制御開始条件が成立したことになり、制御が開始される。すなわち学習値が未だ得られていなければ、ロックアップクラッチ11の係合圧を滑りに対して所定の余裕が生じるように正確に設定することが困難であるから、油温が高いことにより油圧の制御が安定している状態で制御が開始される。
【0133】
そのため、ステップS127で肯定的に判断された場合には、上記のステップS126に進む。これに対してステップS127で否定的に判断された場合には、制御開始条件が成立していないことになるので、「phase 」の設定などの制御をおこなうことなく、ステップS140に進む。すなわち制御を開始しない。
【0134】
ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、ステップS410,S430,S440およびステップS500,S580,S590およびステップS900からS930の機能的手段が、この発明の学習制御禁止手段に相当する。
【0135】
なお、上記の具体例では、無段変速機構の入力側に直列に配置されたロックアップクラッチを例に採って説明したが、この発明におけるクラッチは、要は、無段変速機構に対してトルクの伝達方向で直列に配列されたクラッチであればよく、したがって無段変速機構の出力側に配置されたクラッチでもよく、またロックアップクラッチ以外のクラッチであってもよい。また、無段変速機構はベルト式に限らず、トラクション式の無段変速機構であってもよい。さらに、上記の具体例で述べたμ勾配倍率については、図示しないが入出力回転数差が生じている係合判定時の摩擦係数μ1 に対して、入出力回転数差が生じていない完全係合時の摩擦係数μ0 が小さい値を示すことよりこれらの摩擦係数μ1 ,μ0 の比率(μ1 /μ0 )を定義したものである。そして、上記の具体例のトルクヒューズ制御において、ロックアップクラッチ11の係合圧、無段変速機構1の挟圧力を低下させると述べたが、ロックアップクラッチ11の伝達トルク、無段変速機構1の伝達トルクを低下させるとする方が好ましい。たとえば実際に車両にトルク測定器を設けて、走行中ロックアップクラッチ11や無段変速機構1の伝達トルクを測定するのはその機構上困難であることからロックアップクラッチ11の係合圧、無段変速機構1の挟圧力を低下させるとした。また、クラッチ制御系は、クラッチのON・OFFを切り替えるアクチュエータ、実クラッチ位置を検出する位置検出センサ、この位置検出センサからの出力に基づいて実クラッチ信号を出力する演算部等で構成されたものであってもよい。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、上記クラッチ制御系にフェール状態があった時、クラッチの係合圧を低下させる指令が出力されても実際のクラッチの係合圧が低下しないので、クラッチの解放が不能の場合にはクラッチの係合圧の学習が制御され、結果として、その駆動系統に対して直列に配列されたクラッチなどのクラッチ制御系の異常による誤学習を防止することができ、クラッチの係合圧の設定をより適切に行なうことができる。
【0137】
請求項2の発明によれば、上記駆動系統にフェール状態があった時、クラッチの係合圧を低下させる指令が出力されても実際のクラッチの係合圧が低下しないので、クラッチの解放が不能の場合にはクラッチの係合圧の学習が制御され、結果として、その駆動系統に対して直列に配列されたクラッチなどの駆動系統の異常による誤学習を防止することができ、クラッチの係合圧の設定をより適切に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図2】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図1に続く部分を示す図である。
【図3】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図2に続く部分を示す図である。
【図4】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図3に続く部分を示す図である。
【図5】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図4に続く部分を示す図である。
【図6】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図5に続く部分を示す図である。
【図7】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図6に続く部分を示す図である。
【図8】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図7に続く部分を示す図である。
【図9】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図8に続く部分を示す図である。
【図10】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図9に続く部分を示す図である。
【図11】図1から図10に示すフローチャートを含むルーチンで制御を実行した場合のタイムチャートである。
【図12】この発明の制御装置による制御の他の例を説明するためのフローチャートであって図1の一部を変更したフローチャートを示す図である。
【図13】この発明に係る無段変速機構を含む駆動系統を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機構、 3…トルクコンバータ、 4…エンジン(動力源)、 11…ロックアップクラッチ、 19…駆動プーリー、 20…従動プーリー、23…ベルト、 26…駆動輪、 31…変速機用電子制御装置(CVT−ECU)。

Claims (2)

  1. 無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチを前記無段変速機構よりも先に滑らせるように制御し、かつそのクラッチの係合圧を学習する学習手段を備えた無段変速機構を含む駆動系統の制御装置であって、クラッチ制御系に異常があった場合に前記クラッチの係合圧の学習制御を禁止する学習制御禁止手段を備えていることを特徴とする無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
  2. 無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチを前記無段変速機構よりも先に滑らせるように制御し、かつそのクラッチの係合圧を学習する学習手段を備えた無段変速機構を含む駆動系統の制御装置であって、前記駆動系統に異常があった場合に前記クラッチの係合圧の学習制御を禁止する学習制御禁止手段を備えていることを特徴とする無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
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