JP4126916B2 - 無段変速機構を含む駆動系統の制御装置 - Google Patents

無段変速機構を含む駆動系統の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベルトやパワーローラなどのトルクの伝達を媒介するトルク伝達部材を、プーリーやディスクなどの回転部材に直接もしくは間接的に接触させ、接触圧力に応じてトルク容量が変化する無段変速機構を含む駆動系統の制御装置に関し、特に無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチの係合圧を制御するための制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機構は、ベルトやパワーローラなどのトルクの伝達を媒介する部材とプーリーやディスクとの接触位置あるいはトルク伝達位置を連続的に変化させて、変速比を無段階に変更するように構成されている。そのトルクの伝達は、摩擦力あるいはトラクションオイルのせん断力を利用しておこなわれる。したがって、トルクを伝達する部材とプーリーあるいはディスクとの接触圧あるいはトルクを伝達する部材を挟み付ける圧力(すなわち挟圧力)と、摩擦係数あるいはトラクションオイルのせん断力とに基づいて定まるトルク容量を超えてトルクが作用すると、ベルトやパワーローラの滑りが生じる。
【0003】
ベルトやパワーローラの滑りが過剰に生じると、プーリーやディスクに摩耗が生じ、その結果、その摩耗部分でのトルクの伝達ができなくなって無段変速機構としての機能を果たさなくなる。そのため、無段変速機構を搭載した車両の走行中に無段変速機構での滑りが生じないようにするためには、挟圧力を高くしてトルク容量を大きくしておくことが考えられる。
【0004】
しかしながら、挟圧力を高くすると、無段変速機構での動力の伝達効率が低下し、また油圧を発生させるオイルポンプを駆動するために多くの動力を消費することになるので、車両の燃費が悪化する。したがって、無段変速機構の挟圧力は滑りが生じない範囲で可及的に低くすることが好ましい。
【0005】
その場合、エンジンの出力トルクや車輪側の負トルクが頻繁にあるいは大きく変化する非定常的な走行状態であれば、無段変速機構に作用するトルクが予測できないので、安全率あるいはトルク容量の余裕代(定常状態で滑りの生じない最小もしくは限界のトルク容量に対するトルク容量の超過量)を大きくしてある程度高い挟圧力に設定せざるを得ない。これに対して定常的あるいは準定常的な走行状態であれば、無段変速機構に作用するトルクが安定するので、滑りが生じる直前の状態まで、挟圧力を下げることができる。
【0006】
しかしながら、定常的あるいは準定常的な走行状態であっても不測のトルクが生じることがあるので、たとえその場合であっても無段変速機構の滑りを防止もしくは回避する必要がある。そのため、例えば特開平10−2930号公報に記載された発明では、無段変速機構と直列にクラッチを配置し、そのクラッチの係合力の余裕を無段変速機構における挟圧力の余裕より小さく設定しておき、クラッチの滑りが検出されない場合には、その係合力および挟圧力を低下させ、また反対にクラッチの滑りが検出された場合には、その係合力および挟圧力を共に増大制御するように構成している。ここで、係合圧あるいは挟圧力の余裕とは、定常状態で滑りを生じさせることにない最小もしくは限界の係合圧あるいは挟圧力に対する超過分である。
【0007】
これは、クラッチおよび無段変速機構を直列に配列した駆動系統に作用するトルクが増大した場合に、クラッチを優先的に滑らせて無段変速機構に作用するトルクを制限し、その結果、無段変速機構の滑りを未然に回避する制御である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の公報に記載された発明では、クラッチの滑りが検出されない場合には、クラッチの係合力と無段変速機構の挟圧力とを低下させ、その結果、クラッチの滑りが検出されるとクラッチの係合力と無段変速機構の挟圧力とを増大させるから、これら係合力および挟圧力の低下と増大とを繰り返しおこなうことになり、それに伴ってクラッチの滑りが繰り返し生じることになる。そのため、上記従来の制御装置では、駆動系統での動力の伝達効率が低下し、燃費が悪化し、あるいは無段変速機構を採用することによる燃費の向上効果が損なわれる可能性がある。
【0009】
また、クラッチの係合力の制御には、油圧制御機器の特性やクラッチの摩擦係数の個体差などが原因で、不可避的なバラツキがあるが、上記の公報に記載された従来の装置では、クラッチの滑り検出後に係合圧および挟圧力を増大させる際に、この種のバラツキを考慮していないので、クラッチの係合圧が相対的に過大となる可能性がある。そのような場合には、クラッチの係合圧の余裕が無段変速機構の挟圧力の余裕と同等になったり、あるいは超えてしまったりし、それに伴って無段変速機構に滑りが生じる可能性がある。
【0010】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、無段変速機構に対して直列に配列されたクラッチの伝達トルクの余裕を、無段変速機構での伝達トルクの余裕に対して相対的に小さい状態に安定的に設定することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、この発明は、クラッチに対して負荷されるトルクに対して伝達トルク(トルク容量)の余裕のないクラッチの係合圧を求め、その係合圧に伝達トルクの所定の余裕に相当する値を加えた圧力を、クラッチの係合圧として設定するように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、無段変速機構とクラッチとがトルクの伝達方向で互いに直列に連結されるとともに、前記クラッチで滑りが生じるまでの前記クラッチの伝達トルクの余裕を、前記無段変速機構で滑りが生じるまでの前記無段変速機構の伝達トルクの余裕より小さく設定する無段変速機構を含む駆動系統の制御装置において、係合状態の前記クラッチの係合圧を、前記クラッチの滑りが生じるまで低下させる係合圧低下手段と、前記クラッチの滑りが検出された後に前記係合圧を昇圧して前記クラッチを再係合させる再係合手段と、前記クラッチが再係合した際の係合圧に前記クラッチの伝達トルクに前記余裕を与える所定値を加えた圧力を、前記クラッチの係合圧として設定する係合圧設定手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0012】
この請求項1の発明において、伝達トルクの余裕とは、定常状態で滑りの生じない最小の伝達トルクに対する伝達トルクの超過量であり、また「前記クラッチで滑りが生じるまでの前記クラッチの伝達トルクの余裕を、前記無段変速機構で滑りが生じるまでの前記無段変速機構の伝達トルクの余裕より小さく設定する」とは、駆動系統に所定のトルクが作用した場合に無段変速機構よりも先にクラッチが滑るように各々の伝達トルクを設定することである。したがって請求項1の発明では、係合状態のクラッチの係合圧が低下させられ、その滑りが検出されると、クラッチを再係合させるように係合圧が昇圧される。そして、クラッチが再係合すると、その時点の係合圧に、伝達トルクの所定の余裕に相当する所定値が加えられ、その圧力をもってクラッチの係合圧が設定される。そのため、伝達トルクに所定の余裕を持たせてクラッチの滑りが生じない状態が設定されると、その後に係合圧が低下させられることがない。その結果、クラッチの滑りを繰り返し生じさせることはない。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1における前記係合圧低下手段が、係合圧の低下率が異なりかつ係合圧が低下するほど前記低下率が小さくなる複数の段階を経て前記係合圧を低下させるように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0014】
したがって請求項2の発明では、係合状態にあるクラッチの係合圧を低下させる場合、低下開始時の低下率に対して、それ以降における係合圧の低下率が大きくなる。そのため、クラッチに滑りを生じさせる係合圧の低下制御の応答性が良好になり、また係合圧低下のいわゆるアンダーシュートを回避してクラッチが過剰に滑ることが防止され、さらにクラッチのいわゆる解放ショックが防止もしくは抑制される。
【0015】
さらに、請求項3の発明は、請求項2の発明における前記係合圧低下手段が、係合状態の前記クラッチの係合圧を、前記クラッチの滑りが生じるまで低下させる制御を開始する条件が成立した場合に最初に設定する係合圧として、前記無段変速機構の伝達トルクを設定する挟圧力に基づいて求められた無段変速機構の入力トルクに基づき、かつ前記クラッチの特性のバラツキを考慮しても前記クラッチに滑りが生じない係合圧を設定するように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0016】
したがって請求項3の発明では、クラッチに滑りが生じるようにその係合圧を低下させる過程で設定される係合圧が、無段変速機構の入力トルクに基づいた係合圧となる。そのため、無段変速機構の伝達トルクを定める挟圧力が何らかの理由で高くなっている場合、それに応じてクラッチの係合圧が高く設定され、その結果、係合圧を低下させる過程でクラッチに滑りを生じさせずに、所期の係合圧の低下制御を迅速に進行させることができる。
【0017】
またさらに、請求項4の発明は、請求項2の発明おいて、前記係合圧低下手段が、前記クラッチに滑りが生じるように係合圧を次第に低下させる前記低下率を最も小さい低下率とする最終段階の開始前に設定する係合圧として、前記クラッチに実際に入力されるトルクを伝達するのに必要な係合圧を該係合圧低下手段による低下制御をおこなわない通常の係合制御時の係合圧に基づいて補正した圧力を設定するように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0018】
したがって請求項4の発明では、クラッチに滑りを生じさせるように係合圧を低下させる過程で、クラッチの滑りに到る最終段階の低下制御の直前に設定される係合圧が、クラッチの低下制御を伴わない通常の係合制御の際の係合圧に基づいて補正される。そのため、その係合圧を実際に必要とするクラッチの係合圧に近づけることができ、その結果、クラッチを滑らせない範囲で迅速に係合圧を低下させることができる。
【0019】
そして、請求項5の発明は、請求項1の発明における前記係合圧設定手段が、前記クラッチが再係合した際の係合圧を前記クラッチの伝達トルクに余裕がない係合圧とし、かつ該係合圧に前記伝達トルクに所定の余裕を与える前記所定値を加えた圧力をクラッチの係合圧とするように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0020】
したがって請求項5の発明では、クラッチの伝達トルクに余裕がない係合圧が明確にされた後、その係合圧に余裕分の所定値を加えた係合圧でクラッチが係合させられる。そのため、クラッチの伝達トルクにおける余裕代が適正化される。
【0021】
また、請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記クラッチの伝達トルクの余裕がゼロの状態の前記クラッチの係合圧を与える学習値を学習する学習手段を更に備えていることを特徴とする制御装置である。
【0022】
したがって請求項6の発明では、クラッチの伝達トルクの余裕がゼロの状態を与える学習値が学習に基づいて求められる。そのため、クラッチの係合圧は、クラッチの個体差や経時変化などの実際の状態を反映したものとなり、それに伴ってクラッチの伝達トルクの余裕代が適正化される。
【0023】
さらにまた、請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記クラッチの係合圧を、前記学習手段で得られた学習値に基づく係合圧に低下させる際に、なまし制御を施して前記係合圧を低下させる手段を更に備えていることを特徴とする制御装置である。
【0024】
したがって請求項7の発明では、低下させて設定するべきクラッチの係合圧が学習値として知られており、係合状態のクラッチの係合圧をその学習により得られた学習値に基づく値に低下させる場合、急激に低下させずになまし処理された制御により緩やかに低下させられる。その結果、係合圧のアンダーシュートやそれに起因するクラッチの解放などの事態が回避される。
【0025】
そしてさらに、請求項8の発明は、請求項6の発明において、前記学習手段が運転状態毎に前記係合圧についての前記学習値を学習するように構成され、かつ係合圧の学習の完了している運転状態と係合圧の学習が終了していない運転状態との間で運転状態が変化した場合に、その時点の係合圧の制御状態に応じて次におこなう係合圧の制御内容を決定する手段を更に備えていることを特徴とする制御装置である。
【0026】
したがって請求項8の発明では、係合状態のクラッチの係合圧を低下させて滑りを生じさせる過程、滑りの生じたクラッチの係合圧を昇圧する過程、クラッチを再係合させた状態などにおいて、駆動系統の運転状態が学習値の得られている状態と得られていない状態との間で変化した場合、その時点の係合圧の制御状態に基づいて次の制御内容が決定される。そのため、学習値の得られている運転状態に変化した場合には、その学習値を利用した係合圧の制御が可能になり、無駄な制御が省略される。また反対に学習値が得られていない運転状態に変化した場合には、学習値を得ることができる。
【0027】
そして、請求項9の発明は、請求項6の発明における前記再係合手段が、前記係合圧低下手段によって前記クラッチの係合圧を低下させている状態もしくは前記クラッチを再係合させた係合圧に維持している状態で前記クラッチの滑りが検出された場合に、前記クラッチを再係合させる係合圧に昇圧するよう構成され、また前記学習手段による係合圧についての前記学習値の学習を禁止する手段を備えていることを特徴とする制御装置である。
【0028】
したがって請求項9の発明では、クラッチの係合圧を、伝達トルクに所定の余裕がある係合圧に制御している過程でクラッチの滑りが生じた場合、クラッチを再係合させるように係合圧が昇圧され、かつ係合圧の学習が禁止される。そのため、クラッチの過剰な滑りが回避されると同時に、係合圧の誤学習が回避される。
【0029】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする無段変速機構を含む駆動系統について説明すると、この発明は、車両に搭載される駆動系統を対象とすることができ、その駆動系統に含まれる無段変速機構は、ベルトをトルク伝達部材としたベルト式の無段変速機構や、パワーローラをトルク伝達部材とするとともにオイル(トラクション油)のせん断力を利用してトルクを伝達するトロイダル型(トラクション式)無段変速機構である。図8には、ベルト式無段変速機構1を含む車両用駆動系統の一例を模式的に示しており、この無段変速機構1は、前後進切換機構2およびトルクコンバータ3を介して、動力源4に連結されている。
【0030】
その動力源4は、一般の車両に搭載されている動力源と同様のものであって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいは天然ガスエンジンなどの内燃機関や、電動機、あるいは内燃機関と電動機とを組み合わせた機構などを採用することができる。なお、以下の説明では、動力源4をエンジン4と記す。
【0031】
エンジン4の出力軸に連結されたトルクコンバータ3は、従来一般の車両で採用しているトルクコンバータと同様の構造であって、エンジン4の出力軸が連結されたフロントカバー5にポンプインペラー6が一体化されており、そのポンプインペラー6に対向するタービンランナー7が、フロントカバー5の内面に隣接して配置されている。これらのポンプインペラー6とタービンランナー7とには、多数のブレード(図示せず)が設けられており、ポンプインペラー6が回転することによりフルードの螺旋流を生じさせ、その螺旋流をタービンランナー7に送ることによりタービンランナー7にトルクを与えて回転させるようになっている。
【0032】
また、ポンプインペラー6とタービンランナー7との内周側の部分には、タービンランナー7から送り出されたフルードの流動方向を選択的に変化させてポンプインペラー6に流入させるステータ8が配置されている。このステータ8は、一方向クラッチ9を介して所定の固定部10に連結されている。
【0033】
このトルクコンバータ3は、この発明におけるクラッチに相当するロックアップクラッチ11を備えている。ロックアップクラッチ11は、ポンプインペラー6とタービンランナー7とステータ8とからなる実質的なトルクコンバータに対して並列に配置されたものであって、フロントカバー5の内面に対向した状態で前記タービンランナー7に保持されており、油圧によってフロントカバー5の内面に押し付けられることにより、入力部材であるフロントカバー5から出力部材であるタービンランナー7に直接、トルクを伝達するようになっている。なお、その油圧を制御することによりロックアップクラッチ11のトルク容量を制御できる。
【0034】
前後進切換機構2は、エンジン4の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。図8に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。
【0035】
すなわち、サンギヤ12と同心円上にリングギヤ13が配置され、これらのサンギヤ12とリングギヤ13との間に、サンギヤ12に噛合したピニオンギヤ14とそのピニオンギヤ14およびリングギヤ13に噛合した他のピニオンギヤ15とが配置され、これらのピニオンギヤ14,15がキャリヤ16によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ12とキャリヤ16と)を一体的に連結する前進用クラッチ17が設けられ、またリングギヤ13を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ18が設けられている。
【0036】
無段変速機構1は、従来知られているベルト式無段変速機構と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリー19と従動プーリー20とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ21,22によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリー19,20の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリー19,20に巻掛けたベルト23の巻掛け半径(プーリー19,20の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリー19が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ16に連結されている。
【0037】
なお、従動プーリー20における油圧アクチュエータ22には、無段変速機構1に入力されるトルクに応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されている。したがって、従動プーリー20における各シーブがベルト23を挟み付けることにより、ベルト23に張力が付与され、各プーリー19,20とベルト15との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。言い換えれば、挟圧力に応じたトルク容量が設定される。これに対して駆動プーリー19における油圧アクチュエータ21には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するようになっている。
【0038】
無段変速機構1の出力部材である従動プーリー20がギヤ対24およびディファレンシャル25に連結され、さらにそのディファレンシャル25が左右の駆動輪26に連結されている。
【0039】
上記の無段変速機構1およびエンジン4を搭載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各種のセンサーが設けられている。すなわち、エンジン4の回転数(ロックアップクラッチ11の入力回転数)を検出して信号を出力するエンジン回転数センサー27、タービンランナー7の回転数(ロックアップクラッチ11の出力回転数)を検出して信号を出力するタービン回転数センサー28、駆動プーリー19の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサー29、従動プーリー20の回転数を検出して信号を出力する出力回転数センサー30などが設けられている。
【0040】
上記の前進用クラッチ17および後進用ブレーキ18の係合・解放の制御、および前記ベルト23の挟圧力の制御、ならびにロックアップクラッチ11の係合・解放を含むトルク容量の制御、さらには変速比の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)31が設けられている。この電子制御装置31は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定などの制御を実行するように構成されている。また、エンジン4を制御するエンジン用電子制御装置(E−ECU)32が設けられ、これらの電子制御装置31,32の間で相互にデータを通信するようになっている。
【0041】
つぎに上記の無段変速機構1を含む駆動系統を対象としてこの発明の制御装置で実行される制御例を説明する。図1ないし図6はその制御例を示すフローチャートであり、図7はその制御を実行した場合の回転数、ロックアップクラッチ11の係合圧(油圧)、無段変速機構1における伝達トルクを決定するベルト挟圧力の変化を示すタイムチャートである。
【0042】
この発明の制御装置は、無段変速機構と直列に配列されたクラッチの伝達トルク(トルク容量)の余裕を、無段変速機構の伝達トルク(トルク容量)の余裕より小さく設定する制御をおこなう制御装置である。その「余裕」とは、定常状態で滑りが生じない最小の伝達トルクを超える伝達トルクの幅もしくは差である。したがって、その余裕の範囲で正トルクもしくは負トルクが変化しても、上記のロックアップクラッチ11や無段変速機構1に滑りが生じない。また、その余裕を超えて正トルクもしくは負トルクが変化した場合には、クラッチが無段変速機構よりも先に滑り、いわゆるトルクヒューズとして機能する。
【0043】
この発明では、ロックアップクラッチ11の伝達トルクに余裕を与えるようにその係合圧(油圧)を設定するにあたり、先ず、ロックアップクラッチ11が安定的にオン制御されていることから制御を始める。これが、制御の前提条件であり、したがって図1に示すように、先ず、その制御前提条件の成立が判断される(ステップS101)。
【0044】
ここで、安定的にオン制御されているとは、その時点の通常の走行状態で滑りを生じることなく係合状態を維持する係合圧が設定され、しかもその係合圧が過渡的な圧力でなく、安定して維持されている状態である。後述するように、係合状態から滑りが生じる直前の状態もしくは滑りの開始の係合圧にまで係合圧を低下させる制御をおこなうからである。
【0045】
この制御前提条件が成立する状態は、図7のt1 時点以前の状態として示してある。すなわちエンジン回転数Ne およびタービン回転数Nt がほぼ一定に安定しており、またロックアップクラッチ(L/Uクラッチ)の油圧が滑りの生じない程度に高い圧力に一定しており、さらにベルト挟圧力がベルト滑りの生じない程度に高い圧力に一定している。これは、通常の走行状態での制御内容であり、図7には「phase0」として示してある。なお、この「phase 」とは実行するべき制御内容に付した記号であり、図1ないし図6のフローチャートでは制御ステップの行き先を示すようにも機能する。
【0046】
上記のステップS101で肯定的に判断された場合には、制御開始条件が成立したか否かが判断される(ステップS102)。制御開始条件が成立したことが判断された場合、すなわちステップS102で肯定的に判断された場合には、「phase 」が“1”とされる(ステップS103)。なお、既に制御開始条件が成立している場合には、ステップS102で否定的に判断され、その場合はステップS103を飛ばしてステップS104に進む。
【0047】
ロックアップクラッチ11をいわゆるトルクヒューズとして作用させる制御は、エンジン4から入力される駆動トルク(あるいは正トルク)や駆動輪26側から掛かる負トルクが安定している場合に可能であり、したがって定常状態を条件として制御をおこなう。これが制御開始条件である。その定常状態とは、アクセル開度(図示しないアクセルペダルの踏み込み量)や無段変速機構1の出力側のトルク(例えば従動プーリー20の軸トルク)の所定時間内の変化が所定範囲内であることである。そして、その所定範囲は車速に応じた範囲とすることができる。
【0048】
つぎに、ステップS104において制御終了条件が成立しているか否かが判断される。この制御終了条件は、上記の制御開始条件とされているいずれかの状態が成立しなくなることであり、例えば車両の走行状態が定常状態ではなくなったこと、あるいはロックアップクラッチ11が係合状態ではなくなったことなどである。
【0049】
制御終了条件が成立していないことによりステップS104で否定的に判断された場合には、「phase 」が“1”に設定されているか否かが判断される(ステップS105)。上記のように制御開始条件が成立した場合には「phase 」が“1”に設定されているので、このステップS105では肯定的に判断される。その結果、ロックアップクラッチ11の係合圧(油圧)が第1の所定油圧PLU1に設定される(ステップS106)。これは、図7のt1 時点である。
【0050】
この制御は、ロックアップクラッチ11の滑りを発生させる制御の応答性を向上させるために、予め係合圧を下げる制御であり、係合圧の低下率を特には制約しないように、すなわち直ちに低下するように制御される。言い換えれば、係合圧の低下勾配が最も大きくなるように制御される。
【0051】
そして、この第1所定油圧PLU1は、ロックアップクラッチ11の特性のバラツキを考慮しても滑りの生じない程度の係合圧である。その圧力は、ロックアップクラッチ11に対する入力トルクに基づいて求めた摩擦係数μや機構上の特性のバラツキを考慮して設定された油圧とすることができ、あるいは無段変速機構1における目標とする挟圧力から無段変速機構1の入力トルクを求め、その入力トルクに基づいて演算した油圧とすることができる。
【0052】
ついで、所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS107)。この所定時間は、係合圧を第1所定油圧PLU1に低下させる指令信号を出力してから係合圧が第1所定油圧PLU1に安定するまでに要する時間であり、予め定められた一定値もしくは車両の状態に応じて設定されたマップ値などである。図7では、t1 時点からt2 時点までの時間である。
【0053】
このステップS107で肯定的に判断された場合には、「phase1」の制御が終了したことになるので、「phase 」が“2”に設定される(ステップS108)。これは、図7のt2 時点である。そして、ロックアップクラッチ11に滑りが生じたか否かが判断される(ステップS109)。なお、上記の所定時間が経過していないことによりステップS107で否定的に判断された場合には、ステップS108を飛ばしてステップS109に進む。
【0054】
このステップS109は、ロックアップクラッチ11の状態を確認することを目的として実行される。すなわちロックアップクラッチ11の伝達トルクに所定の余裕を設定する制御の過程でロックアップクラッチ11に意図しない(もしくは想定しない)滑りが生じると、その制御を正常に実行できなくなるからである。また、ロックアップクラッチ11の滑りの検出もしくは判定は、ロックアップクラッチ11の入力側の回転数(例えばエンジン回転数Ne )と出力側の回転数(例えばタービン回転数Nt )とを比較することによりおこなうことができる。より具体的には、これらの回転数の差が予め定めたしきい値より大きくなったことによって、ロックアップクラッチ11に滑りが生じたことを検出することができる。
【0055】
制御が想定したとおりに進行すれば、ロックアップクラッチ11に滑りが生じないので、ステップS109で否定的に判断される。これに対して、何らかの理由でロックアップクラッチ11に意図しない滑りが生じた場合には、ステップS109で肯定的に判断される。その場合、「phase 」が“4”に設定され、かつフラグF0 が“ON”に設定される(ステップS110)。その後、ステップS112に進む。なお、ロックアップクラッチ11に滑りが生じないことによりステップS109で否定的に判断された場合には、ステップS110を飛ばしてステップS112に進む。
【0056】
ステップS112では、「phase 」が“2”に設定されているか否かが判断される。上述したように、ロックアップクラッチ11の係合圧を上記の第1所定油圧PLU1に低下させる制御が実行された場合には、「phase 」が“2”に設定されている。すなわち、上記の所定時間が経過したことにより、ステップS108で「phase 」が“2”に設定され、かつロックアップクラッチ11に意図しない滑りが生じていないことにより、上記のステップS110を飛ばしてステップS112に進んでいるので、「phase 」が“2”に設定されている。したがって、ステップS112で肯定的に判断される。その場合には、ロックアップクラッチ11の係合圧(油圧)が、第2所定油圧PLU2に向けて、所定の低下率(第1スイープ勾配)DLPLU1で低下させられる(ステップS113)。これは、図7のt2 時点からt3 時点までの制御である。
【0057】
この第1スイープ勾配DLPLU1は、上記の第1所定油圧PLU1に低下させる場合の低下率より小さいものの、ロックアップクラッチ11の係合圧をある程度、迅速に低下させるように設定された低下率である。すなわち、第1所定油圧PLU1に設定するのと同様に、ロックアップクラッチ11の滑りが生じる係合圧まで急激に低下させると、アンダーシュートによってロックアップクラッチ11が過剰に滑ってしまい、あるいはロックアップクラッチ11が解放してしまう。これを避けるために安定的な係合状態から徐々に係合圧を下げたのでは、応答性が悪くなる。そこで、最初にステップ的に係合圧を下げ、次にある程度大きい勾配で係合圧を低下させることとしたのである。
【0058】
ついで、係合圧が第2所定油圧PLU2に到達したか否かが判断される(ステップS114)。この判断は、予め定めた時間が経過したことによって判断することができ、あるいは図示しない油圧センサの検出値に基づいて判断することができる。
【0059】
また、第2所定油圧PLU2は、ロックアップクラッチ11の伝達トルクの余裕がゼロの係合圧に対して所定値αだけ高い油圧であり、ロックアップクラッチ11に滑りが生じない圧力である。その一例を挙げれば、「phase0」の状態などの通常の走行時にロックアップクラッチ11を解放状態(OFF)から係合状態(ON)に切り替える際に設定される油圧である。
【0060】
その油圧は、余裕伝達トルクに加えてエンジン4の慣性トルク分の油圧が加算されているので、その加算分を前記所定値αとすることができるからである。あるいは、第2所定油圧PLU2は、ロックアップクラッチ11をOFF状態からON状態に切り替える際のロックアップ油圧とその時点の入力トルクに基づいて求まる必要係合油圧との差を、現時点の入力トルクから求まる必要係合油圧に加算して補正した油圧とすることができる。
【0061】
ロックアップクラッチ11の係合圧が上記の第2所定油圧PLU2に到達することによりステップS114で肯定的に判断されると、つぎの制御に進むために「phase 」が“3”に設定される(ステップS115)。ついで、その時点のロックアップクラッチ11に対する入力トルクが、後述する学習値を得られている領域に入っているか否かが判断される(ステップS116)。なお、係合圧が第2所定圧PLU2に到達していないことによりステップS114で否定的に判断された場合には、つぎの制御に進ませないようにするために、ステップS115を飛ばしてステップS116に進む。
【0062】
ここで説明している制御は、ロックアップクラッチ11の係合圧を伝達トルクに所定の余裕が生じる油圧に制御するためのものであり、そのために先ずはその余裕がゼロの状態を判定する必要があるが、その余裕がゼロの状態に相当する係合圧は、ロックアップクラッチ11に対する入力トルク毎に異なっている。そこで、伝達トルクについての所定の余裕を与える係合圧が求められた場合には、これを、その時点の入力トルクに対応させて記憶することにより、係合圧の学習をおこなうこととしてある。その学習は、後述するとおりである。したがって、既に学習値から得られている場合には、それを利用することにより不必要な制御を省略できるので、その時点の入力トルクが、学習値の得られているトルク領域に入っているか否かを判断することとしたのである。
【0063】
したがって、その時点の入力トルクが、学習値の得られているトルク領域に入っていることによりステップS116で肯定的に判断された場合には、それに応じた制御に進むために「phase 」が“6”に設定され(ステップS117)、ついでステップS118に進む。なお、その時点の入力トルクが、学習値の得られているトルク領域に入っていないことによりステップS116で否定的に判断された場合には、学習値を利用した制御に進めないので、ステップS116を飛ばしてステップS118に進む。
【0064】
このステップS118およびこれに続くステップS119は、前述したステップS109およびそれに続くステップS110と同様の制御ステップである。すなわち、上記のステップS116あるいはステップS117に至る過程で、ロックアップクラッチ11の係合圧が低下させられ、また入力トルクが変化することもあるので、ロックアップクラッチ11に滑りが生じたか否かが判断される(ステップS118)。
【0065】
そして、ロックアップクラッチ11の滑りが生じたことによりこのステップS118で肯定的に判断された場合には、その滑りが意図しないもの(あるいは想定していないもの)であるから、その滑りに対応した制御に進むために「phase 」が“4”に設定され、かつフラグF0 が“ON”に設定される(ステップS119)。その後、ステップS120に進む。なお、ロックアップクラッチ11に滑りが生じないことによりステップS118で否定的に判断された場合には、ステップS119を飛ばしてステップS120に進む。
【0066】
ステップS120では、「phase 」が“3”に設定されているか否かが判断される。上述したように、ロックアップクラッチ11の係合圧を上記の第2所定油圧PLU2に低下させる制御が実行された場合には、「phase 」が“3”に設定されている。その状態で、入力トルクが学習値の得られていない領域であれば、ステップS117での「phase 」の書き換えがおこなわれず、また意図しない滑りが生じていない場合には、ステップS119での「phase 」の書き換えがおこなわれないので、「phase 」が“3”になっており、したがってステップS120で肯定的に判断される。その場合には、ロックアップクラッチ11の係合圧(油圧)が、所定の低下率(第2スイープ勾配)DLPLU2で低下させられる(ステップS121)。これは、図7のt3 時点からt4 時点までの制御である。
【0067】
この第2スイープ勾配DLPLU2は、前述した第1スイープ勾配DLPLU1より小さい低下率である。すなわち、ロックアップクラッチ11の係合圧を低下させているので、油圧のわずかな変化でロックアップクラッチ11に滑りが生じ易く、したがってその滑りが過大にならないようにするために係合圧の低下率を小さく設定したのである。言い換えれば、油圧のアンダーシュートあるいはそれに起因する過大な滑りもしくはロックアップクラッチ11の解放を回避するためである。
【0068】
ついで、その時点のロックアップクラッチ11に対する入力トルクが、後述する学習値を得られている領域に入っているか否かが判断される(ステップS122)。このステップS122は、前述したステップS116と同様の判断ステップであり、係合圧についての学習値が既に得られている場合には、それを利用するためである。
【0069】
したがってこのステップS122で肯定的に判断された場合には、学習値を利用した制御に進むために、「phase 」が“6”に設定される(ステップS123)。ついで、ステップS124に進む。これとは反対に、ロックアップクラッチ11に対する入力トルクが学習値の得られていない領域のトルクであれば、「phase 」を書き換えることなく、ステップS124に進む。
【0070】
上記のステップS121による油圧の低下制御は、係合状態にあったロックアップクラッチ11に滑りを生じさせるための油圧低下制御における最終段階の制御であり、したがってステップS124では、ロックアップクラッチ11に滑りが生じたか否かが判断される。この判断は、前述したステップS109やステップS118におけるのと同様に、入力側の回転数と出力側の回転数とを比較し、もしくはその回転数差を所定のしきい値と比較することによりおこなうことができる。より具体的には、このステップS124で検出するロックアップクラッチ11の滑りは、係合圧を僅かずつ低下させることにより生じる微少な滑りであり、具体的には、ロックアップクラッチ11の入力側の回転数と出力側の回転数との回転数差が、予め定めた所定回転数(例えば50rpm)以上の状態が、予め定めた所定時間(例えば50ms)継続したことによって、ロックアップクラッチ11の滑りを検出することができる。
【0071】
ロックアップクラッチ11に微少滑りが生じることによりステップS124で肯定的に判断された場合には、つぎの制御に進むために、「phase 」が“4”に設定される(ステップS125)。そして、ステップS126に進む。これとは反対にロックアップクラッチ11に未だ滑りが生じないことによりステップS124で否定的に判断された場合に、つぎの制御に進めないので、「phase 」を書き換えずに(ステップS125を飛ばして)、ステップS126に進む。
【0072】
このステップS126では、「phase 」が“4”に設定されているか否かが判断される。ロックアップクラッチ11の係合圧を上記の第2スイープ勾配DLPLU2で低下させることにより、ロックアップクラッチ11が想定したとおりに滑りを生じると、ステップS125で「phase 」が“4”に設定されるので、ステップS126で肯定的に判断される。
【0073】
この状態は、ロックアップクラッチ11の係合圧が、伝達トルクの余裕がゼロの係合圧よりも僅かに下回った状態である。したがってロックアップクラッチ11の滑りが検出された後に、第3スイープ勾配(油圧の増加率)DLPLU3で係合油圧が増大させられる(ステップS127)。これは、ロックアップクラッチ11を微少滑り状態から再係合させるための制御であり、伝達トルクの余裕がゼロの状態で再係合させるために、その第3スイープ勾配DLPLU3は最小の勾配に設定される。すなわち、ロックアップクラッチ11を係合させる油圧が、極めて僅かずつ昇圧される。これは、図7におけるt4 時点からt5 時点までの制御である。
【0074】
ついで、ロックアップクラッチ11の係合判定が成立したか否か、すなわちロックアップクラッチ11が係合したか否かが判断される(ステップS128)。伝達トルクの余裕がゼロであれば、ロックアップクラッチ11の入力回転数と出力回転数との差がなくなるが、これは、伝達トルクの余裕が過大である場合と同じであるから、伝達トルクの余裕がゼロの状態の再係合を検出することは、必ずしも正確にはおこなえない。そのため、上記の第3スイープ勾配DLPLU3で係合圧を昇圧している状態で、ロックアップクラッチ11の入力回転数と出力回転数との回転数差が所定値(例えば50rpm)より小さい状態が所定時間(例えば100ms)継続した場合に、ロックアップクラッチ11の再係合の判定が成立する。これは、図7のt5 時点である。
【0075】
こうして「phase4」の制御が終了したことになるので、つぎの制御に進むために、「phase 」が“5”に設定される(ステップS129)。これに続けて前述したフラグF0 が“ON”か否かが判断される(ステップS130)。このフラグF0 は、前述したように、係合圧の制御の過程で意図しない(もしくは想定しない)ロックアップクラッチ11の滑りが検出された場合に“ON”に設定される(ステップS110,S119)から、ステップS130では、ロックアップクラッチ11が意図しない滑りの後に再係合したか否かを判断していることになる。
【0076】
したがってステップS130で肯定的に判断された場合には、意図しないロックアップクラッチ11の滑りに対応した前記「phase3」の制御をおこなうために、「phase 」が“3”に設定され、またフラグF0 が“OFF”に設定される(ステップS131)。その後、ステップS132に進む。なお、ロックアップクラッチ11が意図した滑りの後に再係合したことによりステップS130で否定的に判断された場合には、ステップS131を飛ばしてステップS132に進む。すなわち「phase 」は“5”に維持される。
【0077】
ステップS132では、「phase 」が“5”に設定されているか否かが判断される。上記のように係合圧をゆっくり低下させることによりロックアップクラッチ11が微少滑りを生じ、その後に係合圧を最小勾配で増大させたことによりロックアップクラッチ11の再係合の判定が成立すれば、「phase 」が“5”に設定されているので、ステップS132で肯定的に判断される。すなわち、係合圧の変化に伴うロックアップクラッチ11の挙動の変化が想定したとおりに変化すると、 「phase5」の制御に進むことになる。
【0078】
ステップS132で肯定的に判断されると、ロックアップクラッチ11の係合油圧が、「phase4」の終了時点(図7のt5 時点)における油圧、すなわちロックアップクラッチ11の再係合が判定された時点の油圧に設定される(ステップS133)。そして、所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS134)。これは、図7におけるt5 時点からt6 時点までの間であり、ロックアップクラッチ11の係合油圧をt5 時点の油圧に安定させるための予め定めた時間である。
【0079】
所定時間が経過することによりステップS134で肯定的に判断された場合には、つぎの制御に進むために、「phase 」が“6”に設定される(ステップS135)。そして、油圧学習値が記憶される(ステップS136)。そして、ステップS137に進む。
【0080】
すなわち、ロックアップクラッチ11を係合状態に維持している油圧からステップ的に低下させて設定した前記第1所定油圧PLU1と、ロックアップクラッチ11が再係合した際の第3所定油圧PLU3との圧力差DPLU1を、伝達トルクの余裕がゼロの状態での油圧(係合圧)として記憶する。言い換えれば、伝達トルクの余裕がゼロの状態のロックアップクラッチ11の係合圧を与える学習値DPLU1を記憶する。
【0081】
なお、この学習値DPLU1は、入力トルクを所定の複数の領域に分割し、各領域毎に記憶し、マップとして保持する。したがって前述したステップS116やステップS122での判断は、このようにして得られた学習値の有無に基づく判断である。
【0082】
また、所定時間が経過していないことによりステップS134で否定的に判断された場合には、ステップS135およびステップS136を飛ばしてステップS137に進む。したがってこの場合は、「phase 」は書き換えられずに“5”に維持される。
【0083】
さらに、この時点においても意図しないロックアップクラッチ11の滑りが生じたか否かが判断される。これがステップS137の制御である。これは、前述したステップS109やステップS118と同様の判断ステップであり、したがってこのステップS137で肯定的に判断された場合には、その滑りに対応した制御に進むために「phase 」が“4”に設定され、かつフラグF0 が“ON”に設定される(ステップS138)。その後、ステップS139に進む。なお、ロックアップクラッチ11に滑りが生じないことによりステップS137で否定的に判断された場合には、ステップS138を飛ばしてステップS139に進む。
【0084】
ステップS139では、「phase 」が“6”に設定されているか否かが判断される。上述したように、ロックアップクラッチ11の係合油圧を伝達トルクの余裕がゼロの油圧PLU3に維持している状態で学習値が記憶され、かつロックアップクラッチ11に意図しない滑りが生じていない場合には、「phase 」が“6”に設定されているので、ステップS139で肯定的に判断される。
【0085】
その場合には、ロックアップクラッチ11の係合油圧が、入力トルクに基づいて算出される油圧に、上記の学習値による学習補正を施した油圧に設定される(ステップS140)。具体的には、上記の「phase1」でステップダウンして設定する第1所定油圧PLU1を現時点の入力トルクに基づいて算出して、これをロックアップクラッチ11の入力トルクに基づいた油圧とする。ついで、その油圧PLU1から上記の学習値DPLU1を減じて、ロックアップクラッチ11の伝達トルクに余裕がない油圧(余裕がゼロの油圧)を求める。こうして得られた伝達トルクの余裕がゼロの油圧に、予め定められている所定の余裕油圧DPLU2 を加算して、ロックアップクラッチ11の油圧が設定される。これは、図7のt6 時点での制御である。その余裕油圧DPLU2 は、定常的もしくは準定常的な走行状態でロックアップクラッチ11に滑りが生じるおそれがなく、また定常的もしくは準定常的な走行状態で作用するトルクを超えるトルクが作用した場合には、ロックアップクラッチ11に滑りが生じる程度の油圧である。
【0086】
ロックアップクラッチ11の係合油圧を上記のように設定している状態でロックアップクラッチ11に対する入力トルクが変化することがあるので、上記のステップS140に続けて、入力トルクが未学習領域に入ったか否か、すなわち上記の学習値が得られていない入力トルクに変化したか否かが判断される(ステップS141)。その時点の状況は、ロックアップクラッチ11が滑りを生じることなく係合しており、かつその係合圧は伝達トルクの余裕の小さい油圧である。
【0087】
したがって再度、微少滑りを生じさせて再度学習をおこなうために、「phase2」の制御を実行することになる。すなわち「phase 」が“2”に設定される(ステップS142)。ついでステップS143に進む。なお、入力トルクが学習値の得られている領域に入っていることによりステップS141で肯定的に判断された場合には、「phase 」を変更することなく、直ちにステップS143に進む。
【0088】
このステップS143では、ロックアップクラッチ11に滑りが生じたか否かが判断される。すなわち定常状態もしくは準定常状態で走行している場合には、駆動トルクあるいは出力側の負トルクの変化が少なく、伝達トルクについての上記の余裕によってロックアップクラッチ11に滑りが生じないが、その余裕を超えるトルクがロックアップクラッチ11に加わると、ロックアップクラッチ11に滑りが生じる。したがってステップS143でロックアップクラッチ11の滑りが検出されて、肯定的に判断された場合には、非定常的な走行状態に変化したことになる。
【0089】
したがってステップS143で肯定的に判断された場合には、「phase 」が“0”に設定される(ステップS144)。ついでステップS145に進む。なお、ロックアップクラッチ11の滑りが検出されないことによりステップS143で否定的に判断された場合には、「phase 」を変更することなく、すなわちステップS144を飛ばしてステップS145に進む。
【0090】
「phase0」の制御内容は、図7に示すt1 時点以前あるいはt7 時点以降の制御内容であり、ロックアップクラッチ11の係合圧および無段変速機構1の挟圧力について、通常の制御が実施される。具体的には、ロックアップクラッチ11の係合圧および無段変速機構1の挟圧力を高くし、エンジントルクの変化や出力側の負トルクの変化によってはこれらロックアップクラッチ11および無段変速機構1に滑りが生じない状態である。
【0091】
そして、ステップS145では、「phase 」が“6”に設定されているか否かが判断される。上記のように「phase6」は、ロックアップクラッチ11の伝達トルクに所定の余裕を与える係合油圧が安定的に設定されている状態であり、これは、図7のt6 時点からt7 時点までの状態である。
【0092】
したがって「phase 」が“6”に設定されていることによりステップS145で肯定的に判断された場合には、無段変速機構1のベルト挟圧力が、伝達トルクに所定の余裕を与える圧力に低下させられる(ステップS146)。その挟圧力は、図7に示すように、伝達トルクの余裕がゼロの圧力に、予め定めた所定値を加えた圧力である。なお、こうして設定される無段変速機構1での伝達トルクの余裕は、ロックアップクラッチ11における伝達トルクの余裕より大きく、したがって駆動トルクや負トルクなどが変化した場合には、ロックアップクラッチ11が無段変速機構1に先行して滑りを生じる。
【0093】
したがって上記の制御をおこなうこの発明の制御装置によれば、ロックアップクラッチ11の伝達トルクの余裕がゼロとなる係合圧力を求め、その圧力に、伝達トルクに所定の余裕を与えるいわゆる余裕圧力を加えて、ロックアップクラッチ11の係合圧力を設定するので、それ以降にロックアップクラッチ11の係合圧を滑りが生じるまで低下制御することがない。そのため、ロックアップクラッチ11の滑りが繰り返し生じたり、それに伴って駆動系統の動力の伝達効率が低下して燃費が悪化するなどの事態を未然に回避することができる。
【0094】
また、ロックアップクラッチ11の伝達トルクの余裕がゼロの状態を検出もしくは判定し、これに余裕圧力を加えるから、ロックアップクラッチ11の係合圧が過大になることがなく、その結果、ロックアップクラッチ11の伝達トルクの余裕を無段変速機構1での余裕に対して確実に小さく設定できる。さらに、その伝達トルクの余裕がゼロとなる係合油圧を学習制御によって求めるので、ロックアップクラッチ11やその油圧制御機器などに個体差や経時変化があっても、これらに影響されずに、伝達トルクに所定の余裕が生じる係合圧を安定して設定することができる。
【0095】
さらにまた、定常的あるいは準定常的な走行状態でエンジントルクや駆動輪側の負トルクが急激に変化した場合には、ロックアップクラッチ11が無段変速機構1に先行して滑りを生じるので、無段変速機構1に滑りが生じることを確実に防止することができる。そして、そのような無段変速機構1の滑りを防止しつつ、その挟圧力を可及的に低くすることができるので、無段変速機構1での動力の伝達効率を向上させて、燃費を改善することができる。
【0096】
以上説明した一連の制御は、前述した学習値の得られていない入力トルクがロックアップクラッチ11に作用している状態での制御である。そのため、ロックアップクラッチ11に微少滑りが生じるまで、その係合圧を複数段階に分けて低下させ、その後、係合圧を昇圧してロックアップクラッチ11を再係合させる上記の各種の制御を実行した。これに対して学習値が既に得られている場合には、以下のように制御される。
【0097】
すなわち入力トルクが学習値の得られている領域に入っていると、図2に示すステップS116で肯定的に判断され、「phase 」が“6”に設定される(ステップS117)。この判断は、「phase1」において係合圧を第1所定油圧PLU1にステップ的に低下させた後、「phase2」で第1スイープ勾配DLPLU1で係合圧を低下させている途中で実行される。
【0098】
上記のステップS117で「phase 」が“6”に設定された場合、「phase 」を判断するステップS120、ステップS126、ステップS132のいずれでも否定的に判断される。そのため、直ちにステップS139に進み、ここで肯定的に判断される。このステップS139以降の制御は、既に説明したとおりである。
【0099】
したがって学習値が既に得られている場合には、入力トルクに基づく第1所定油圧PLU1を設定する「phase1」の制御が実行された後、直ちに学習値DPLU1で補正した係合圧に低下させられる(ステップS140)。その場合、設定するべき係合油圧が、ロックアップクラッチ11の滑りが生じる係合油圧に近いので、油圧のアンダーシュートによるロックアップクラッチ11の解放もしくは過剰な滑りを防止するために、なまし制御を施して係合油圧の低下制御が実行される。
【0100】
このように学習値が得られている場合には、その学習値を利用してロックアップクラッチ11の係合圧を低下制御できるので、上述した「phase2」ないし「phase5」の制御を省略して迅速な制御が可能になる。
【0101】
また、上述した一連の制御の過程で入力トルクが変化し、その結果、入力トルクが学習値の得られている領域から学習値の得られていない領域に入ったり、その反対に学習値の得られていない領域から学習値の得られている領域に入る場合がある。前者の場合には、学習値を利用した制御をできないので、学習をおこなう必要があり、また後者の場合には、学習値を得るための制御が不要になるとともに、学習値を利用した制御が可能になる。
【0102】
具体的に説明すると、学習値が得られているトルク領域から学習値の得られていないトルク領域に、ロックアップクラッチ11の入力トルクが変化した場合、上述したステップS116で否定的に判断され、あるいはステップS122で否定的に判断される。したがって伝達トルクの余裕がゼロの係合油圧に所定の余裕油圧を加えた係合油圧に設定する以前に、入力トルクが学習値の得られていないトルク領域に変化した場合には、「phase1」ないし「phase6」の一連の制御が前述した順に実行される。
【0103】
これに対して、ロックアップクラッチ11の伝達トルクに所定の余裕を生じさせる係合油圧を設定した後に、入力トルクが学習値の得られていないトルク領域に変化すると、前記ステップS141で肯定的に判断される。それに伴って「phase 」が“2”に設定されるので、「phase2」の制御が実行される。これは、図2に示すステップS112で肯定的に判断された場合の制御であり、ロックアップクラッチ11に微少滑りが生じるように係合圧を第1スイープ勾配DLPLU1で低下させるとともに、第2所定油圧PLU2に達した後は、第2スイープ勾配DLPU2で係合圧を低下させ、その結果、ロックアップクラッチ11の微少滑りが検出された後に、第3スイープ勾配DLPLU3で昇圧し、再係合が検出された後に、その時点の油圧に所定油圧を加えた係合圧が設定される。これは、前述した一例の制御のステップS112以降の制御である。
【0104】
一方、入力トルクが学習値の得られていないトルク領域から学習値の得られているトルク領域に変化した場合の例として、前記第1所定油圧PLU1にステップダウンした後(「phase1」の制御が完了した後)、ロックアップクラッチ11の入力トルクが、学習値の得られているトルク領域に入ると、図1に示す上記のステップS116で肯定的に判断される。この場合の制御は、上記の学習値が得られている場合と同様であって、直ちにステップS139に進んで、ロックアップクラッチ11の伝達トルクに所定の余裕を与える学習値に基づく係合油圧の設定が実行される(ステップS140)。
【0105】
また、第2所定油圧PLU2まで係合圧を低下させた後に、入力トルクが学習値の得られているトルク領域に変化すると、図3に示すステップS122で肯定的に判断される。その結果、「phase 」が“6”に設定されるので、直ちにステップS139に進んで、学習値に基づいて、伝達トルクに所定の余裕が生じるように係合圧が設定される。
【0106】
なお、ロックアップクラッチ11の微少滑りが検出された後は、前述した一連の制御の順に従って各制御が実行される。すなわち、前述した一連の制御と変わるところはない。
【0107】
このようにこの発明に係る上記の制御装置では、入力トルクがいわゆる既学習領域と未学習領域との間で変化した場合、係合圧の制御の進行状態に応じて、その後の制御が選択される。そのため、上述した係合圧の学習をおこなうことができると同時に、必要としない無駄な制御を省略することができる。
【0108】
ところで、ロックアップクラッチ11の係合油圧を、伝達トルクに所定の余裕が生じるように制御する上記の一連の過程の中で、係合油圧の低下や入力トルクの変化などに起因してロックアップクラッチ11の滑りが生じることがある。これは、例えばステップS109、ステップS118、ステップS124、ステップS137、ステップS143で検出される。
【0109】
したがって係合圧を第2所定油圧PLU2まで低下させる過程、あるいはその第2所定圧PLU2になっている状態でロックアップクラッチ11に滑りが生じると、ステップS109もしくはステップS118で肯定的に判断される。これらいずれの場合であっても、「phase 」が“4”に設定され、またフラグF0 が“ON”に制御される(ステップS110、ステップS119)。その結果、図4に示すステップS126に進んでこれ以降の制御が順に実行され、係合圧がゆっくり昇圧される。
【0110】
その結果、一旦、滑りの生じたロックアップクラッチ11が再係合する(ステップS128)が、この場合、フラグF0 が“ON”に設定されているので、「phase 」が“3”に設定され(ステップS130、ステップS131)、したがって制御は「phase3」に戻る。そのため、図5に示すステップS135に至らないので、学習がおこなわれない。これが学習の禁止に相当する。
【0111】
このように、制御の過程で意図しないロックアップクラッチ11の滑りが生じた場合には、ロックアップクラッチ11を係合状態に戻し、再度、係合圧の低下、微少滑りの検出、昇圧などの上述した一連の制御が実行される。また、同時に伝達トルクの余裕がゼロとなる係合圧の学習、あるいはこれを含めた伝達トルクに所定の余裕が生じる係合圧の学習が禁止される。
【0112】
また、第2所定油圧PLU2から低下させている場合にロックアップクラッチ11の滑りが生じた場合、図3に示すステップS124で肯定的に判断される。これは、意図した滑りであるから、「phase 」を“4”に設定し(ステップS125」、その後、前述した一連の制御が実行される。すなわち上記の一連の制御と変わるところはない。
【0113】
さらに、ロックアップクラッチ11が再係合した後に意図しない滑りが生じた場合には、ステップS137で肯定的に判断される。この場合は、「phase 」が“4”に設定され、またフラグF0 が“ON”に制御される(ステップS138)ので、図4に示すステップS126に進んでこれ以降の制御が順に実行され、係合圧がゆっくり昇圧される。これは、上述した例と同様である。
【0114】
そして、伝達トルクに所定の余裕を生じさせるように係合圧を設定した後にロックアップクラッチ11の滑りが生じると、ステップS143で肯定的に判断され、「phase 」が“0”に設定される(ステップS144)。すなわち、車両の走行状態が非定常状態になったものとして、制御を終了する。この場合は、再度ステップS101から始めことになる。
【0115】
このように、上記の制御では、ロックアップクラッチ11の滑りが意図せずに生じた場合には、その時点の制御の状況に応じて次におこなうべき制御を選択するので、ロックアップクラッチ11が過剰に滑ったり、あるいは不必要な制御を繰り返すなどの不都合を回避することができる。
【0116】
なお、制御の前提条件が成立したいないことによりステップS101で否定的に判断された場合、および制御終了条件が成立していることによりステップS104で肯定的に判断された場合には、「phase 」が“0”に設定される(ステップS111)。これは、図6に示すステップS144と同じであり、したがってロックアップクラッチ11の係合圧および無段変速機構1の挟圧力が、通常の走行状態で設定される相対的に高い圧力に制御される。そして、ステップS145に進むが、「phase 」が“0”に設定されているために、ステップS145では否定的に判断されて、制御が終了する。
【0117】
また、図1ないし図6に示すフローチャートにおいて、「phase 」についての判断ステップS105,S112,S120,S126,S132,S139で否定的に判断された場合には、その判断がおこなわれたステップ以降の「phase 」についての判断ステップに順に進む。そして、「phase 」についての最終の判断ステップS145で否定的に判断された場合には、図1ないし図6に示すルーチンから抜ける。
【0118】
ここで、上記の具体例とこの発明の関係を簡単に説明すると、ステップS106,S113,S121の各機能的手段が、この発明の係合圧低下手段に相当し、ステップS127の機構的手段が、この発明の再係合手段に相当し、ステップS140の機能的手段が、この発明の係合圧設定手段に相当する。また、ステップS133,S136の各機能的手段が、この発明の学習手段に相当し、ステップS140で学習値を利用した係合圧の制御をなまし処理を施して実行する機能的手段が、この発明の「なまし処理を施して前記係合圧を低下させる手段」に相当する。
【0119】
なおここで、上記の具体例として開示してあるこの発明の他の態様を例示すれば、以下のとおりである。
【0120】
請求項1に記載されている発明において、クラッチの伝達トルクに所定の余裕を生じさせる係合圧を設定する以前では、無段変速機構の挟圧力を滑りの生じない高い圧力に維持し、クラッチの伝達トルクに所定の余裕を生じさせる係合圧が設定された後に無段変速機構の挟圧力を、伝達トルクに所定の余裕が生じる圧力に低下させる手段を備えている制御装置とすることができる。これは、図7に示すt6 時点までベルト挟圧力を高く維持することに対応している。
【0121】
請求項1に記載されている発明において、クラッチの伝達トルクに所定の余裕が生じる係合圧に設定している状態で、クラッチに滑りが生じた場合には、クラッチに滑りが生じない係合圧に昇圧し、かつ無段変速機構の挟圧力を滑りの生じない圧力に昇圧する手段を備えている制御装置とすることができる。これは、前述したステップS144の制御に対応している。
【0122】
請求項2に記載されている発明において、最初に低下させて設定する係合圧を、クラッチの入力トルクから算出したクラッチの特性のばらつきを考慮してもクラッチに滑りが生じない油圧に設定するよう構成した制御装置とすることができる。これは、ステップS106に対応している。
【0123】
請求項2に記載された発明において、係合圧を複数段階で低下させる過程で第2番目に設定される係合圧を、通常の走行時にクラッチをオフからオンに切り替える際に設定される係合圧とするように構成した制御装置とすることができる。
【0124】
請求項2に記載された発明において、係合圧を低下させる過程で、第1の所定値に所定時間維持した後、所定のスイープ勾配で係合圧を低下させるように構成した制御装置とすることができる。これは、上記の「phase1」ないし「phase3」の制御に相当し、こうすることにより油圧応答性が向上し、また油圧のアンダーシュートを回避することができる。
【0125】
請求項1に記載された発明において、クラッチの再係合の判定は、入力側の回転数と出力側の回転数との差が所定値以下に低下している状態が、所定時間継続したことをもっておこなうように構成した制御装置とすることができる。これは、ステップS128の制御に対応し、こうすることにより伝達トルクの余裕がゼロの状態を確実に検出もしくは判定することができる。
【0126】
請求項1に記載された発明において、クラッチの伝達トルクに所定の余裕を生じさせる係合圧を、クラッチの入力トルクに基づいて求める手段を備えた構成の制御装置とすることができる。
【0127】
あるいは請求項1に記載された発明において、クラッチの伝達トルクに所定の余裕を生じさせる係合圧を、クラッチを再係合させた際の油圧に基づいて求める手段を備えた構成の制御装置とすることができる。その場合、再係合時のイナーシャトルクに対応する油圧分、低い油圧を設定することができる。
【0128】
請求項1に記載された発明において、定常走行中であることを制御開始条件とするように構成した制御装置とすることができる。その場合、アクセル開度が所定時間継続して所定値以内であることによって、定常状態であることを判定するように構成することができる。また、入力トルクから算出した無段変速機構の出力側のトルクが所定時間の間、継続して所定値以内になっていることをもって定常状態と判定するように構成することができる。これは、ステップS102に対応するものである。
【0129】
なお、車両の定常走行状態は、車両の基準加速度が所定範囲内であること、あるいは路面勾配が所定範囲内であることによって判定するように構成してもよい。路面勾配が大きいことにより入力トルクが大きい場合に、伝達トルクに所定の余裕を与える係合圧の制御を禁止し、その結果、クラッチの滑りをより確実に防止することができる。
【0130】
そして、この発明は、上述した具体例に限定されないのであって、この発明のクラッチは、上記のロックアップクラッチ以外に、車両の発進の際に次第に係合させられるいわゆる発進クラッチであってもよく、またその配列は、要は、トルクの伝達方向で無段変速機構と直列であればよく、したがって無段変速機構の入力側と出力側とのいずれであってもよい。さらに、無段変速機構はベルト式のものに限られず、トロイダル型(トラクション式)のものであってもよい。そしてまた、係合圧を低下させる場合、上記の具体例におけるように三段階に分けて低下させる以外に二段階に低下させてもよく、要は、複数段階に分けていればよい。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、伝達トルクに所定の余裕を持たせてクラッチの滑りが生じない状態が設定されると、その後に係合圧が低下させられることがないので、クラッチの滑りを繰り返し生じさせることがなく、そのため動力の伝達効率の悪化やクラッチの耐久性の低下などの不都合を未然に回避することができる。
【0132】
また、請求項2の発明によれば、係合状態にあるクラッチの係合圧を低下させる場合、低下開始時の低下率に対して、それ以降における係合圧の低下率が大きくなるため、クラッチに滑りを生じさせる係合圧の低下制御の応答性を向上させることができ、また係合圧低下のいわゆるアンダーシュートを回避してクラッチが過剰に滑ることを防止でき、さらにクラッチのいわゆる解放ショックを防止もしくは抑制することができる。
【0133】
さらに、請求項3の発明によれば、クラッチに滑りが生じるようにその係合圧を低下させる過程で設定される係合圧が、無段変速機構の入力トルクに基づいた係合圧となるため、無段変速機構の伝達トルクを定める挟圧力が何らかの理由で高くなっている場合、それに応じてクラッチの係合圧が高く設定され、その結果、係合圧を低下させる過程でクラッチに滑りを生じさせずに、所期の係合圧の低下制御を迅速に進行させることができる。
【0134】
またさらに、請求項4の発明によれば、クラッチに滑りを生じさせるように係合圧を低下させる過程で、クラッチの滑りに到る最終段階の低下制御の直前に設定される係合圧が、クラッチの低下制御を伴わない通常の係合制御の際の係合圧に基づいて補正されるため、その係合圧を実際に必要とするクラッチの係合圧に近づけることができ、その結果、クラッチを滑らせない範囲で迅速に係合圧を低下させることができる。
【0135】
そして、請求項5の発明によれば、クラッチの伝達トルクに余裕がない係合圧が明確にされた後、その係合圧に余裕分の所定値を加えた係合圧でクラッチが係合させられるため、クラッチの伝達トルクにおける余裕代を適正化することができる。
【0136】
また、請求項6の発明によれば、クラッチの伝達トルクに所定の余裕を与える係合圧が学習に基づいて求められるため、その係合圧は、クラッチの個体差や経時変化などの実際の状態を反映したものとなり、それに伴ってクラッチの伝達トルクの余裕代を適正化することができる。
【0137】
さらにまた、請求項7の発明によれば、低下させて設定するべきクラッチの係合圧が学習値として知られており、係合状態のクラッチの係合圧をその学習により得られた値に低下させる場合、急激に低下させずになまし処理された制御により緩やかに低下させるので、係合圧のアンダーシュートやそれに起因するクラッチの解放などの事態を未然に回避することができる。
【0138】
そしてさらに、請求項8の発明によれば、係合状態のクラッチの係合圧を低下させて滑りを生じさせる過程、滑りの生じたクラッチの係合圧を昇圧する過程、クラッチを再係合させた状態などにおいて、駆動系統の運転状態が学習値の得られている状態と得られていない状態との間で変化した場合、その時点の係合圧の制御状態に基づいて次の制御内容が決定されるため、学習値の得られている運転状態に変化した場合には、その学習値を利用した係合圧の制御が可能になり、無駄な制御を省略して迅速かつ容易な制御をおこなうことができる。また反対に学習値が得られていない運転状態に変化した場合には、学習値を得ることができる。
【0139】
そして、請求項9の発明によれば、クラッチの係合圧を、伝達トルクに所定の余裕がある係合圧に制御している過程でクラッチの滑りが生じた場合、クラッチを再係合させるように係合圧が昇圧され、かつ係合圧の学習が禁止されるため、クラッチの過剰な滑りを回避できると同時に、係合圧の誤学習を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図2】 この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図1に続く部分を示す図である。
【図3】 この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図2に続く部分を示す図である。
【図4】 この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図3に続く部分を示す図である。
【図5】 この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図4に続く部分を示す図である。
【図6】 この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの図5に続く部分を示す図である。
【図7】 この発明による制御を実行した場合のロックアップクラッチの入力側および出力側の回転数の変化、ロックアップクラッチの係合油圧の変化、ベルト挟圧力の変化を示すタイムチャートである。
【図8】 この発明に係る無段変速機構を含む駆動系統を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機構、 3…トルクコンバータ、 4…エンジン(動力源)、 11…ロックアップクラッチ、 19…駆動プーリー、 20…従動プーリー、23…ベルト、 26…駆動輪、 31…変速機用電子制御装置(CVT−ECU)。

Claims (9)

  1. 無段変速機構とクラッチとがトルクの伝達方向で互いに直列に連結されるとともに、前記クラッチで滑りが生じるまでの前記クラッチの伝達トルクの余裕を、前記無段変速機構で滑りが生じるまでの前記無段変速機構の伝達トルクの余裕より小さく設定する無段変速機構を含む駆動系統の制御装置において、
    係合状態の前記クラッチの係合圧を、前記クラッチの滑りが生じるまで低下させる係合圧低下手段と、
    前記クラッチの滑りが検出された後に前記係合圧を昇圧して前記クラッチを再係合させる再係合手段と、
    前記クラッチが再係合した際の係合圧に、前記クラッチの伝達トルクに前記余裕を与える所定値を加えた圧力を、前記クラッチの係合圧として設定する係合圧設定手段と
    を備えていることを特徴とする無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
  2. 前記係合圧低下手段は、係合圧の低下率が異なりかつ係合圧が低下するほど前記低下率が小さくなる複数の段階を経て前記係合圧を低下させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
  3. 前記係合圧低下手段は、係合状態の前記クラッチの係合圧を、前記クラッチの滑りが生じるまで低下させる制御を開始する条件が成立した場合に最初に設定する係合圧として、前記無段変速機構の伝達トルクを設定する挟圧力に基づいて求められた無段変速機構の入力トルクに基づき、かつ前記クラッチの特性のバラツキを考慮しても前記クラッチに滑りが生じない係合圧を設定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
  4. 前記係合圧低下手段は、前記クラッチに滑りが生じるように係合圧を次第に低下させる前記低下率を最も小さい低下率とする最終段階の開始前に設定する係合圧として、前記クラッチに実際に入力されるトルクを伝達するのに必要な係合圧を該係合圧低下手段による低下制御をおこなわない通常の係合制御時の係合圧に基づいて補正して得られる圧力を設定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
  5. 前記係合圧設定手段は、前記クラッチが再係合した際の係合圧を前記クラッチの伝達トルクに余裕がない係合圧とし、かつ該係合圧に前記伝達トルクに所定の余裕を与える前記所定値を加えた圧力をクラッチの係合圧とするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
  6. 前記クラッチの伝達トルクの余裕がゼロの状態の前記クラッチの係合圧を与える学習値を学習する学習手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
  7. 前記クラッチの係合圧を、前記学習手段で得られた学習値に基づく係合圧に低下させる際に、なまし制御を施して前記係合圧を低下させる手段を更に備えていることを特徴とする請求項6に記載の無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
  8. 前記学習手段が運転状態毎に前記係合圧についての前記学習値を学習するように構成され、かつ
    係合圧の学習の完了している運転状態と係合圧の学習が終了していない運転状態との間で運転状態が変化した場合に、その時点の係合圧の制御状態に応じて次におこなう係合圧の制御内容を決定する手段を更に備えていることを特徴とする請求項6に記載の無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
  9. 前記再係合手段は、前記係合圧低下手段によって前記クラッチの係合圧を低下させている状態もしくは前記クラッチを再係合させた係合圧に維持している状態で前記クラッチの滑りが検出された場合に、前記クラッチを再係合させる係合圧に昇圧するよう構成され、また前記学習手段による係合圧についての前記学習値の学習を禁止する手段を備えていることを特徴とする請求項6に記載の無段変速機構を含む駆動系統の制御装置。
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