JP2004183307A - 足場用架橋部材及びその組付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単に組み付けることができる上、部品点数の削減、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる足場用手摺部材の組付構造を提供する。
【解決手段】本発明は、一対の支柱1間に手摺部材10を架け渡すようにした手摺部材の組付構造を対象とする。支柱1の外周面に、平面視コ字状のコマ金具2、3の両側片2b、3b先端が固定されて、コマ金具2、3の中間片2a、3aが支柱外周面から間隔をおいて保持される。手摺部材10が、手摺本体11と、その両端の楔部材20とを有し、楔部材20が、下方に向かうに従って幅が細くなる先細の楔片30を有する。コマ金具2、3のうち、足場通路方向Pに対し側方に取り付けられた外側コマ金具3の内部に、手摺部材10の楔片30が上方から打ち込まれることにより、楔片30が、その両側縁32、33がコマ金具3の中間片3aと支柱1の外周面に圧接されて固定される。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、一対の支柱1間に手摺部材10を架け渡すようにした手摺部材の組付構造を対象とする。支柱1の外周面に、平面視コ字状のコマ金具2、3の両側片2b、3b先端が固定されて、コマ金具2、3の中間片2a、3aが支柱外周面から間隔をおいて保持される。手摺部材10が、手摺本体11と、その両端の楔部材20とを有し、楔部材20が、下方に向かうに従って幅が細くなる先細の楔片30を有する。コマ金具2、3のうち、足場通路方向Pに対し側方に取り付けられた外側コマ金具3の内部に、手摺部材10の楔片30が上方から打ち込まれることにより、楔片30が、その両側縁32、33がコマ金具3の中間片3aと支柱1の外周面に圧接されて固定される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、仮設足場に組み付けられる手摺部材等の足場用架橋部材及びその組付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築工事中や改修工事中の家屋等の外周に組み立てられる仮設足場においては、各構成部材間の所要部分を楔により緊結固定するようにした楔式仮設足場が周知である。
【0003】
図10に示すように、楔式仮設足場は、複数の支柱(1)が所定の間隔おきに立設されるとともに、各支柱(1)の外周に設けられたコマ金具(2)(3)を介して、布材等の手摺部材(5)、筋交(6)及び踏板(7)等が組付られている。
【0004】
支柱(1)に設けられるコマ金具(2)(3)は、支柱(1)の長さ方向に沿って所定の間隔おきに周囲4箇ずつ溶接固定されている。このコマ金具(2)(3)は、図11に示すように、平面視コ字型の形状を有し、その両側片(2b)(3b)の先端が支柱(1)の外周面に溶接固定されることにより、中間片(2a)(3a)が支柱(1)の外周面から間隔をおいて配置されている。
【0005】
そして、手摺部材(5)等の架橋部材は、図12に示すように支柱(1)の周囲4つのコマ金具(2)(3)のうち、足場通路方向(P)に沿って配置されるコマ金具(芯側コマ金具2)に固定するようにした芯付け方式が採用される一方、筋交(6)等の架橋部材は、図14に示すように足場通路方向(P)に対し側方に配置されるコマ金具(外側コマ金具3)に固定するようにした外付け方式が採用されるのが通例である。
【0006】
図12及び図13に示すように、芯付け方式で組み付けられる手摺部材(5)は、両端に下向きに楔片(5a)(5a)が設けられ、その楔片(5a)(5a)が、対応する支柱(1)の芯側コマ金具(2)(2)に打ち込まれることにより、楔片(5)が支柱(1)の外周面とコマ金具(2)の中間片(2a)との間に圧入固定されるものである(特許文献1等)。
【0007】
また、図14及び図15に示すように、外付け方式で組み付けられる筋交(6)は、その両端に下向きに差込片(6a)(6a)が設けられるとともに、両端の差込片近傍に上下方向にスライド自在に楔片(6b)(6b)が設けられている。そして、両端の差込片(6a)が、対応する支柱(1)の外側コマ金具(3)に差し込まれ、その状態で、楔片(6b)(6b)が打ち込まれることにより、差込片(6a)及び楔片(6b)によって、コマ金具(3)の一側片(3a)を挟持させるものである(特許文献2等)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−268755号(図10)
【0009】
【特許文献2】
特許第3051699号(図3〜図5)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図12及び図13の手摺部材(5)のような芯付け方式の緊結構造では、手摺部材端部の楔片(5a)を、支柱(1)の外周面と芯側コマ金具(2)の中間片(2a)と間に圧入し、両部材に圧接支持させるものであるため、足場通路方向(P)における手摺部材(5)の支柱(1)に対する固定位置が一点に特定される。このため、一対の支柱(1)間に手摺部材(5)を架け渡す際に、組付誤差や部材寸法誤差等によって支柱(1)間の寸法に誤差が生じると、その誤差を吸収するのが困難であり、楔片(5a)打ち込む際に、その緊結部周辺に無理な荷重が加わることにより、組付作業が困難になるという問題があった。
【0011】
特に、一対の支柱(1)間が狭くなる方向(圧縮方向)に誤差が生じていると、手摺部材(5)の楔片(5a)をコマ金具(2)に打ち込む際に、楔片(5a)が支柱(1)の外周面に干渉して係止することにより、楔片(5a)をコマ金具(2)内に打ち込むことができず、場合によっては、手摺部材(5)を組み付けることができないこともあった。
【0012】
一方、上記図14及び図15の筋交(6)のような外付け方式の緊結構造では、筋交端部の差込片(6a)及び楔片(6b)によって、支柱(1)の外側コマ金具(3)の一側片(3b)を挟持させるものであるため、上記と同様、足場通路方向(P)における筋交(6)の支柱(1)に対する固定位置が特定される。従って、上記と同様、一対の支柱(1)間の寸法に誤差が生じると、その誤差をスムーズに吸収できず、組付作業が困難になるという問題を有している。
【0013】
更にこのような筋交(6)においては、差込片(6a)の他に、スライド自在に楔片(6b)を設けるものであるため、部品点数が増大して、構造の複雑化を来たし、コストの増大を招くという問題も抱えている。
【0014】
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、支柱間に多少の誤差があろうとも、その誤差をスムーズに吸収できて、簡単に組み付けることができる上、部品点数の削減、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる手摺部材等の足場用架橋部材及びその組付構造を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この本第1発明は、仮設足場における一対の支柱間に架橋部材を架け渡すようにした足場用架橋部材の組付構造であって、前記支柱の外周面に、平面視コ字状のコマ金具の両側片先端が固定されて、そのコマ金具の中間片が支柱外周面から間隔をおいて配置され、前記架橋部材が、所定の長さを有する架橋部材本体と、その本体の両端に固定された楔部材とを有し、前記楔部材が、下方に向かうに従って幅が細くなる先細の楔片を有し、前記支柱の外周面に取り付けられるコマ金具のうち、足場通路方向に対し側方に取り付けられた外側コマ金具の内部に、前記架橋部材の楔片が上方から打ち込まれることにより、前記楔片の両側縁が前記コマ金具の中間片と前記支柱の外周面に圧接されて固定されるよう構成されてなるものを要旨としている。
【0016】
本第1発明の足場用架橋部材においては、架橋部材の楔片を支柱外周面と外側コマ金具の中間片との隙間に圧入して固定するものである。この隙間は、足場通路方向に長い長孔形状を有しているため、その長さ方向に楔片が多少位置ずれしていようとも、楔片を上記の隙間に無理なく正確に固定することができる。
【0017】
更に架橋部材は、その両端に、楔片を有する楔部材を設けるだけのシンプルな構成であるため、差込片やスライド自在な楔片を設ける必要がなく、その分、部品点数を削減することができる。
【0018】
本第1発明においては、前記外側コマ金具の内部が、足場通路方向に沿って一方側半部と他方側半部とに区分けされ、前記架橋部材の一端側に設けられた一方側の楔片が、前記一対の支柱のうち一方側の支柱の外側コマ金具における一方側半部に固定されるとともに、他方側の楔片が他方側支柱の外側金具における他方側半部に固定されてなる構成を採用するのが好ましい。
【0019】
すなわちこの構成を採用する場合、1つの外側コマ金具に対し、両側から2つの楔片を固定できるため、複数の支柱の各間に、架橋部材を直列状に連続して組み付けることができる。
【0020】
また本第1発明においては、前記楔片の両側縁のうち、少なくともいずれか一方の側縁に沿って折曲片が形成されてなる構成を採用するのが良い。
【0021】
すなわちこの構成を採用する場合には、その折曲片によって補強されて、楔片の強度を向上させることができ、長期間の使用等による変形や破損を有効に防止できて、耐久性を向上させることができる。
【0022】
更に本第1発明においては、前記楔片の両側縁のうち、少なくともいずれか一方の側縁に沿って折曲片が形成され、その折曲片先端が前記外側コマ金具における一側片内面に圧接支持されてなる構成を採用するのが望ましい。
【0023】
すなわちこの構成を採用する場合、楔片を、その両側縁と折曲片先端とにおいて、コマ金具及び支柱に三点以上の点で支持して固定できるため、架橋部材の支柱に対する取付強度を一段と高めることができる。
【0024】
また本第1発明において、架橋部材として手摺部材を採用するのが、より一層好ましい。
【0025】
すなわち本第1発明においては、前記架橋部材が前記一対の支柱間に水平に配置されて、その架橋部材によって手摺部材が形成されてなる構成を採用するのが、より一層好ましい。
【0026】
一方、本第2発明は、上記第1発明の足場組付構造に適用される架橋部材を特定するものである。
【0027】
すなわち本第2発明は、支柱の外周面に、平面視コ字状のコマ金具の両側片先端が固定されて、そのコマ金具の中間片が支柱外周面から間隔をおいて配置される仮設足場に組み付けられる足場用架橋部材であって、所定の長さを有する架橋部材本体と、前記架橋部材本体の両端に固定された楔部材とを備え、前記楔部材が、下方に向かうに従って幅が細くなる先細の楔片を有し、前記コマ金具の内部に、前記楔片が上方から打ち込まれることにより、前記楔片の両側縁が前記コマ金具の中間片と前記支柱の外周面に圧接されて固定されるよう構成されてなるものを要旨としている。
【0028】
本第2発明の架橋部材は、仮設足場に適用した際に、上記第1発明と同様に、同様の作用効果を発揮するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5はこの発明の実施形態である足場用手摺部材の組付構造を示す図である。これらの図に示すように、この実施形態に適用される手摺部材(10)は、金属製の丸パイプ材からなり、所定の長さを有する手摺本体(11)と、手摺本体(11)の両端に固定された楔部材(20)(20)とを備えている。
【0030】
手摺本体(11)は、その両端部が幅方向に圧潰変形されて、偏平な取付部(12)(12)が形成されている。
【0031】
楔部材(20)は、金属板のプレス成形品をもって構成されている。この楔部材(20)の上側部は、中間片(21)と、その両側に折曲形成された両側折曲片(22)(23)とを有する平面視コ字状に形成されるとともに、下側部は、内側折曲片が切除されて、中間片(21)と、外側折曲片(23)とを有する平面視L字状に形成されている。ここで本実施形態においては、中間片(21)の下側部によって、楔片(30)が構成されている。
【0032】
楔片(30)は、内側縁(32)が下方に向かうに従って外側縁(33)側に傾斜するように形成されることにより、幅寸法が下方に向かうに従って狭くなる先細形状に形成されている。
【0033】
この楔部材(20)の上側部におけるコ字溝内に、上記手摺本体(11)の偏平取付部(12)(12)に収容された状態でろう付けされることにより、楔部材(20)が手摺本体(11)の両端に接合固定されて、手摺部材(10)が構成されている。
【0034】
一方、上記手摺部材(10)が組み付けられる仮設足場は、建造物の外周面に沿って所定の間隔おきに立設される断面円形の複数の支柱(1)を具備している。各支柱(1)には、その長さ方向に沿って所定の間隔おきに、周囲4個ずつコマ金具(2)(3)が溶接固定されている。コマ金具は、足場通路方向(P)に沿って配置される芯側コマ金具(2)と、足場通路方向(P)に対し側方に配置される外側コマ金具(3)とに区分けされている。
【0035】
また各コマ金具(2)(3)は、平面視コ字型の形状を有しており、その両側片(2b)(3b)の先端が支柱(1)の外周面に溶接固定されることにより、中間片(2a)(3a)が支柱(1)の外周面から所定の間隔をおいて配置されている。
【0036】
そして本実施形態においては、隣合う所定の支柱(1)(1)間に手摺部材(10)を架橋状に組み付けるに際して、各支柱(1)(1)の外側コマ金具(3)(3)を利用して、以下のようにして、手摺部材(10)を緊結固定するものである。なお、以下の説明においては、参考までに、図1(a)(b)を基準とした右側及び左側の方向を括弧付きで示す。
【0037】
すなわち、手摺部材(10)の一方側(右側)の楔片(30)を、一方側(右側)支柱(1)の対応する外側コマ金具(3)の内部における一方側(左側)半部(4a)の上方に位置させて、その一方側(右側)楔片(30)を上方からハンマー等により叩き込む。これにより図6に示すように、右側楔片(30)が外側コマ金具(3)の一方側(左側)半部(4a)内に圧入されて、(右側)楔片(30)の内側縁(32)が(右側)支柱(1)の外周面(1a)に圧接されるとともに、外側縁(33)、換言すれば外側折曲片(23)の外面がコマ金具(3)における中間片(3a)の内面に圧接されて、一方側(右側)楔片(30)がコマ金具(3)に緊結固定される。
【0038】
更に手摺部材(10)の他方側(左側)楔片(30)を、他方側(左側)支柱(1)の対応する外側コマ金具(3)の内部における他方側(右側)半部(4b)に上方から叩き込む。これにより他方側(左側)楔片(30)が外側コマ金具(3)の他方側(右側)半部(4b)内に圧入されて、楔片(30)の両側縁(32)(33)が(左側)支柱(1)の外周面とコマ金具(3)の中間片(3a)に圧接されて、他方側(左側)楔片(30)がコマ金具(3)に緊結固定される。
【0039】
こうして手摺部材(10)が一対の支柱(1)間に水平状態に組み付けられる。
【0040】
また本実施形態においては、図1の実線及び想像線に示すように、1つの外側コマ金具(3)の片側半部(4a)(4b)に楔片(30)を固定するものであるため、1つの外側コマ金具(3)に対し、両側から2つの楔片(30)を固定することができる。従って、複数の手摺部材(10)を各支柱(1)を介して直列状に組み付けることができる。
【0041】
以上のように、本実施形態の手摺部材の組付構造によれば、楔片(30)を外側コマ金具(3)の中間片(3a)と支柱外周面との間に圧入して固定するものであるため、支柱(1)間の寸法に誤差が発生したとしても、楔片(30)をコマ金具(3)に無理なく固定することができる。すなわち、楔片(30)が打ち込まれる外側コマ金具(3)の中間片(3)と支柱外周面との隙間は、足場通路方向(P)に長い長孔形状を有しているため、その長さ方向に楔片(30)が多少位置ずれしていようとも、楔片(30)を上記の隙間に確実に打ち込むことができる。従って、支柱(1)間の寸法に誤差が発生したとしても、楔片(30)をコマ金具(3)に無理なく固定することができ、手摺部材(10)の組付作業を簡単かつ確実に行うことができる。
【0042】
ここで図6に示すように、支柱(1)の外周面は円弧面に形成されているため、外側コマ金具(3)内の一方側半部(4a)は、その一方側半部(4a)に固定される手摺部材(10)の延長方向(P1)に向かうに従って狭くなる。このため、一方側半部(4a)内に楔片(30)を固定した状態においては、楔片(30)が延長する方向(P1)への移動は確実に規制されるものの、楔片(30)に圧縮する方向(P2)に多大な荷重が加わると、楔片(30)は圧縮方向(P2)へ位置ずれする恐れがある。換言すれば図1(a)(b)において、所定の支柱(1)間が、離間する方向に多大な荷重が加わると、楔片(30)のコマ金具(3)への緊結が解除される恐れがある。ところが、本実施形態においては、手摺部材(10)が複数の支柱(1)の各間に直列状に組み付けられるものであるため、所定の支柱(1)間が、離間する方向に多大な荷重が加わっとしても、その支柱(1)間の両隣に架橋された手摺部材(10)は圧縮方向に荷重が加わることになるので、各支柱(1)の足場通路方向(P)の移動は確実に規制される。従って、支柱(1)間に架橋される手摺部材(10)の緊結が解除される等の不具合を確実に防止することができる。
【0043】
また本実施形態の手摺部材(10)は、手摺本体(11)の両端に、楔片(30)を有する楔部材(20)を設けるだけのシンプルな構成であるため、上記図14及び図15に示す従来の外付け方式の緊結構造とは異なり、差込片やスライド自在な楔片を設ける必要がなく、その分、部品点数を削減できて、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0044】
また本実施形態においては、楔片(30)の外側縁(33)に、折曲片(23)を形成するものであるため、その折曲片(23)によって補強されて、楔片(30)の強度を向上させることができる。このため、長期間の使用によっても、楔片(30)の変形や破損を有効に防止することができ、楔片(30)の耐久性、ひいては手摺部材(10)の耐久性を向上させることができる。
【0045】
図7ないし図9はこの発明の他の実施例である手摺部材の組付構造を示す図である。両図に示すように、この実施形態においては、楔部材(20)における楔片(30)の両側縁(32)(33)が、下方に向かうに従って中心方向に傾斜するように形成されて、楔片(30)が、下方に向かうに従って幅寸法が狭くなる先細形状に形成されている。更に楔片(30)の両側縁(32)に沿って折曲片(22)(23)が形成されている。
【0046】
更にこの楔部材(20)の楔片(30)を、支柱(1)の外側コマ金具(3)に打ち込んだ状態においては、楔片(30)の両側縁(32)(33)が支柱外周面及びコマ金具(3)の中間片(3a)に圧接支持されると同時に、楔片(30)の両側折曲片(22)(23)のうちの少なくとも一方の先端が、コマ金具(3)の一側片(3b)の内面に圧接支持されるものである。
【0047】
その他の構成は、上記図1ないし図6に示す実施形態と同様であるため、同一部分に同一符号を付して、重複説明は省略する。
【0048】
この手摺部材の組付構造においては、上記の実施形態と同様に、同様の作用効果を得ることができる上更に、楔片(30)を、コマ金具(3)及び支柱(1)に三点以上の点で支持して緊結固定するものであるため、楔片(30)の支柱(1)に対する取付強度を、より一層高めることができる。
【0049】
更に楔片(30)の両側縁(32)(33)に沿って折曲片(22)(23)が形成されるものであるため、その折曲片(22)(23)によって楔片(30)が補強されて、楔片(30)の強度を、より一層向上させることができ、耐久性を一段と向上させることができる。
【0050】
また本実施形態においては、楔片(30)がその内側形状と外側形状とが同一形状に形成されて、左右対称形状に形成されているため、支柱(1)への組付時に、表裏(内外)の区別を行う必要がなく、その分、作業者の負担が軽減されて、組付作業をより一層簡単に行うことができる。
【0051】
なお上記実施形態においては、手摺部材(10)の楔片(30)を、外側コマ金具(3)のうち、支柱(1)における足場通路に対し外面側に配置された外側コマ金具(3)に固定する場合について説明したが、本発明はそれだけに限られず、楔片(30)を、外側コマ金具(3)のうち、支柱(1)における足場通路に対し内面側に配置された外側(内側)コマ金具(3)に固定するようにしても良い。
【0052】
また上記実施形態においては、架橋部材として手摺部材を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明の架橋部材は、筋交、布材等、支柱間に架け渡される部材であれば、どのようなものにも適用することができる。
【0053】
また上記実施形態においては、コマ金具として、金属板材をコ字状に折曲成形したものを用いているが、本発明はそれだけに限られず、金属板材をコ字状に打ち抜き成形したものや、金属棒材をコ字状に折曲成形したものからなるコマ金具等も用いることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本第1発明の足場用架橋部材の組付構造によれば、手摺部材等の架橋部材の楔片を支柱外周面と外側コマ金具の中間片との間に圧入して固定するものであるため、支柱間の寸法に多少の誤差が発生したとしても、楔片をコマ金具に無理なくスムーズに固定でき、架橋部材を簡単かつ確実に組み付けることができる。更に手摺部材は、その両端に、楔片を有する楔部材を設けるだけのシンプルな構成であるため、部品点数を削減できて、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができるという効果がある。
【0055】
本第1発明において、架橋部材の楔片を、外側コマ金具の片側半部に固定する場合には、複数の支柱の各間に、架橋部材を直列状に連続して組み付けることができるという利点がある。
【0056】
本第1発明において、楔片の側縁に折曲片を形成する場合には、その折曲片によって補強されて、楔片の強度を向上させることができ、耐久性を向上させることができるという利点がある。
【0057】
本第1発明において、楔片の側縁に折曲片を形成し、その折曲片先端を外側コマ金具における一側片内面に圧接支持させる場合には、楔片を、コマ金具及び支柱に三点以上の点で支持して固定できるため、架橋部材の支柱に対する取付強度を、より一層高めることができるという利点がある。
【0058】
本第2発明は、上記第1発明の組付構造に採用される足場用架橋部材を特定するものであるため、上記と同様に同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である足場用手摺部材の組付構造を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図、同図(c)は緊結部周辺の断面図である。
【図2】実施形態の組付構造における緊結部周辺を拡大して示す平面図である。
【図3】実施形態の組付構造における緊結部周辺を拡大して示す側面断面図である。
【図4】実施形態の組付構造における緊結部周辺を拡大して示す断面図である。
【図5】実施形態の組付構造に適用された手摺部材の端部を拡大して示す斜視図である。
【図6】実施形態の組付構造における緊結部を拡大して示す平面断面図である。
【図7】この発明の他の実施形態である足場用手摺部材の組付構造における緊結部周辺を拡大して示す側面断面図である。
【図8】他の実施形態に適用された手摺部材の楔部材を示す図であって、同図(a)は背面図、同図(b)は側面図である。
【図9】他の実施形態に適用された手摺部材の端部を拡大して示す斜視図である。
【図10】仮設足場を示す斜視図である。
【図11】仮設足場の支柱におけるコマ金具周辺を拡大して示す平面断面図である。
【図12】従来の芯付け方式による仮設足場を示す平面図である。
【図13】従来の芯付け方式による手摺部材の組付構造を分解して示す斜視図である。
【図14】従来の外付け方式による仮設足場を示す平面図である。
【図15】従来の外付け方式による筋交の組付構造を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1…支柱
2…芯側コマ金具
2a…中間片
2b…側片
3…外側コマ金具
3a…中間片
3b…側片
4a…一方側半部
4b…他方側半部
10…手摺部材(架橋部材)
11…手摺本体(架橋部材本体)
20…楔部材
22…内側折曲片
23…外側折曲片
30…楔片
32…内側縁
33…外側縁
P…足場通路方向
【発明の属する技術分野】
この発明は、仮設足場に組み付けられる手摺部材等の足場用架橋部材及びその組付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築工事中や改修工事中の家屋等の外周に組み立てられる仮設足場においては、各構成部材間の所要部分を楔により緊結固定するようにした楔式仮設足場が周知である。
【0003】
図10に示すように、楔式仮設足場は、複数の支柱(1)が所定の間隔おきに立設されるとともに、各支柱(1)の外周に設けられたコマ金具(2)(3)を介して、布材等の手摺部材(5)、筋交(6)及び踏板(7)等が組付られている。
【0004】
支柱(1)に設けられるコマ金具(2)(3)は、支柱(1)の長さ方向に沿って所定の間隔おきに周囲4箇ずつ溶接固定されている。このコマ金具(2)(3)は、図11に示すように、平面視コ字型の形状を有し、その両側片(2b)(3b)の先端が支柱(1)の外周面に溶接固定されることにより、中間片(2a)(3a)が支柱(1)の外周面から間隔をおいて配置されている。
【0005】
そして、手摺部材(5)等の架橋部材は、図12に示すように支柱(1)の周囲4つのコマ金具(2)(3)のうち、足場通路方向(P)に沿って配置されるコマ金具(芯側コマ金具2)に固定するようにした芯付け方式が採用される一方、筋交(6)等の架橋部材は、図14に示すように足場通路方向(P)に対し側方に配置されるコマ金具(外側コマ金具3)に固定するようにした外付け方式が採用されるのが通例である。
【0006】
図12及び図13に示すように、芯付け方式で組み付けられる手摺部材(5)は、両端に下向きに楔片(5a)(5a)が設けられ、その楔片(5a)(5a)が、対応する支柱(1)の芯側コマ金具(2)(2)に打ち込まれることにより、楔片(5)が支柱(1)の外周面とコマ金具(2)の中間片(2a)との間に圧入固定されるものである(特許文献1等)。
【0007】
また、図14及び図15に示すように、外付け方式で組み付けられる筋交(6)は、その両端に下向きに差込片(6a)(6a)が設けられるとともに、両端の差込片近傍に上下方向にスライド自在に楔片(6b)(6b)が設けられている。そして、両端の差込片(6a)が、対応する支柱(1)の外側コマ金具(3)に差し込まれ、その状態で、楔片(6b)(6b)が打ち込まれることにより、差込片(6a)及び楔片(6b)によって、コマ金具(3)の一側片(3a)を挟持させるものである(特許文献2等)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−268755号(図10)
【0009】
【特許文献2】
特許第3051699号(図3〜図5)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図12及び図13の手摺部材(5)のような芯付け方式の緊結構造では、手摺部材端部の楔片(5a)を、支柱(1)の外周面と芯側コマ金具(2)の中間片(2a)と間に圧入し、両部材に圧接支持させるものであるため、足場通路方向(P)における手摺部材(5)の支柱(1)に対する固定位置が一点に特定される。このため、一対の支柱(1)間に手摺部材(5)を架け渡す際に、組付誤差や部材寸法誤差等によって支柱(1)間の寸法に誤差が生じると、その誤差を吸収するのが困難であり、楔片(5a)打ち込む際に、その緊結部周辺に無理な荷重が加わることにより、組付作業が困難になるという問題があった。
【0011】
特に、一対の支柱(1)間が狭くなる方向(圧縮方向)に誤差が生じていると、手摺部材(5)の楔片(5a)をコマ金具(2)に打ち込む際に、楔片(5a)が支柱(1)の外周面に干渉して係止することにより、楔片(5a)をコマ金具(2)内に打ち込むことができず、場合によっては、手摺部材(5)を組み付けることができないこともあった。
【0012】
一方、上記図14及び図15の筋交(6)のような外付け方式の緊結構造では、筋交端部の差込片(6a)及び楔片(6b)によって、支柱(1)の外側コマ金具(3)の一側片(3b)を挟持させるものであるため、上記と同様、足場通路方向(P)における筋交(6)の支柱(1)に対する固定位置が特定される。従って、上記と同様、一対の支柱(1)間の寸法に誤差が生じると、その誤差をスムーズに吸収できず、組付作業が困難になるという問題を有している。
【0013】
更にこのような筋交(6)においては、差込片(6a)の他に、スライド自在に楔片(6b)を設けるものであるため、部品点数が増大して、構造の複雑化を来たし、コストの増大を招くという問題も抱えている。
【0014】
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、支柱間に多少の誤差があろうとも、その誤差をスムーズに吸収できて、簡単に組み付けることができる上、部品点数の削減、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる手摺部材等の足場用架橋部材及びその組付構造を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この本第1発明は、仮設足場における一対の支柱間に架橋部材を架け渡すようにした足場用架橋部材の組付構造であって、前記支柱の外周面に、平面視コ字状のコマ金具の両側片先端が固定されて、そのコマ金具の中間片が支柱外周面から間隔をおいて配置され、前記架橋部材が、所定の長さを有する架橋部材本体と、その本体の両端に固定された楔部材とを有し、前記楔部材が、下方に向かうに従って幅が細くなる先細の楔片を有し、前記支柱の外周面に取り付けられるコマ金具のうち、足場通路方向に対し側方に取り付けられた外側コマ金具の内部に、前記架橋部材の楔片が上方から打ち込まれることにより、前記楔片の両側縁が前記コマ金具の中間片と前記支柱の外周面に圧接されて固定されるよう構成されてなるものを要旨としている。
【0016】
本第1発明の足場用架橋部材においては、架橋部材の楔片を支柱外周面と外側コマ金具の中間片との隙間に圧入して固定するものである。この隙間は、足場通路方向に長い長孔形状を有しているため、その長さ方向に楔片が多少位置ずれしていようとも、楔片を上記の隙間に無理なく正確に固定することができる。
【0017】
更に架橋部材は、その両端に、楔片を有する楔部材を設けるだけのシンプルな構成であるため、差込片やスライド自在な楔片を設ける必要がなく、その分、部品点数を削減することができる。
【0018】
本第1発明においては、前記外側コマ金具の内部が、足場通路方向に沿って一方側半部と他方側半部とに区分けされ、前記架橋部材の一端側に設けられた一方側の楔片が、前記一対の支柱のうち一方側の支柱の外側コマ金具における一方側半部に固定されるとともに、他方側の楔片が他方側支柱の外側金具における他方側半部に固定されてなる構成を採用するのが好ましい。
【0019】
すなわちこの構成を採用する場合、1つの外側コマ金具に対し、両側から2つの楔片を固定できるため、複数の支柱の各間に、架橋部材を直列状に連続して組み付けることができる。
【0020】
また本第1発明においては、前記楔片の両側縁のうち、少なくともいずれか一方の側縁に沿って折曲片が形成されてなる構成を採用するのが良い。
【0021】
すなわちこの構成を採用する場合には、その折曲片によって補強されて、楔片の強度を向上させることができ、長期間の使用等による変形や破損を有効に防止できて、耐久性を向上させることができる。
【0022】
更に本第1発明においては、前記楔片の両側縁のうち、少なくともいずれか一方の側縁に沿って折曲片が形成され、その折曲片先端が前記外側コマ金具における一側片内面に圧接支持されてなる構成を採用するのが望ましい。
【0023】
すなわちこの構成を採用する場合、楔片を、その両側縁と折曲片先端とにおいて、コマ金具及び支柱に三点以上の点で支持して固定できるため、架橋部材の支柱に対する取付強度を一段と高めることができる。
【0024】
また本第1発明において、架橋部材として手摺部材を採用するのが、より一層好ましい。
【0025】
すなわち本第1発明においては、前記架橋部材が前記一対の支柱間に水平に配置されて、その架橋部材によって手摺部材が形成されてなる構成を採用するのが、より一層好ましい。
【0026】
一方、本第2発明は、上記第1発明の足場組付構造に適用される架橋部材を特定するものである。
【0027】
すなわち本第2発明は、支柱の外周面に、平面視コ字状のコマ金具の両側片先端が固定されて、そのコマ金具の中間片が支柱外周面から間隔をおいて配置される仮設足場に組み付けられる足場用架橋部材であって、所定の長さを有する架橋部材本体と、前記架橋部材本体の両端に固定された楔部材とを備え、前記楔部材が、下方に向かうに従って幅が細くなる先細の楔片を有し、前記コマ金具の内部に、前記楔片が上方から打ち込まれることにより、前記楔片の両側縁が前記コマ金具の中間片と前記支柱の外周面に圧接されて固定されるよう構成されてなるものを要旨としている。
【0028】
本第2発明の架橋部材は、仮設足場に適用した際に、上記第1発明と同様に、同様の作用効果を発揮するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5はこの発明の実施形態である足場用手摺部材の組付構造を示す図である。これらの図に示すように、この実施形態に適用される手摺部材(10)は、金属製の丸パイプ材からなり、所定の長さを有する手摺本体(11)と、手摺本体(11)の両端に固定された楔部材(20)(20)とを備えている。
【0030】
手摺本体(11)は、その両端部が幅方向に圧潰変形されて、偏平な取付部(12)(12)が形成されている。
【0031】
楔部材(20)は、金属板のプレス成形品をもって構成されている。この楔部材(20)の上側部は、中間片(21)と、その両側に折曲形成された両側折曲片(22)(23)とを有する平面視コ字状に形成されるとともに、下側部は、内側折曲片が切除されて、中間片(21)と、外側折曲片(23)とを有する平面視L字状に形成されている。ここで本実施形態においては、中間片(21)の下側部によって、楔片(30)が構成されている。
【0032】
楔片(30)は、内側縁(32)が下方に向かうに従って外側縁(33)側に傾斜するように形成されることにより、幅寸法が下方に向かうに従って狭くなる先細形状に形成されている。
【0033】
この楔部材(20)の上側部におけるコ字溝内に、上記手摺本体(11)の偏平取付部(12)(12)に収容された状態でろう付けされることにより、楔部材(20)が手摺本体(11)の両端に接合固定されて、手摺部材(10)が構成されている。
【0034】
一方、上記手摺部材(10)が組み付けられる仮設足場は、建造物の外周面に沿って所定の間隔おきに立設される断面円形の複数の支柱(1)を具備している。各支柱(1)には、その長さ方向に沿って所定の間隔おきに、周囲4個ずつコマ金具(2)(3)が溶接固定されている。コマ金具は、足場通路方向(P)に沿って配置される芯側コマ金具(2)と、足場通路方向(P)に対し側方に配置される外側コマ金具(3)とに区分けされている。
【0035】
また各コマ金具(2)(3)は、平面視コ字型の形状を有しており、その両側片(2b)(3b)の先端が支柱(1)の外周面に溶接固定されることにより、中間片(2a)(3a)が支柱(1)の外周面から所定の間隔をおいて配置されている。
【0036】
そして本実施形態においては、隣合う所定の支柱(1)(1)間に手摺部材(10)を架橋状に組み付けるに際して、各支柱(1)(1)の外側コマ金具(3)(3)を利用して、以下のようにして、手摺部材(10)を緊結固定するものである。なお、以下の説明においては、参考までに、図1(a)(b)を基準とした右側及び左側の方向を括弧付きで示す。
【0037】
すなわち、手摺部材(10)の一方側(右側)の楔片(30)を、一方側(右側)支柱(1)の対応する外側コマ金具(3)の内部における一方側(左側)半部(4a)の上方に位置させて、その一方側(右側)楔片(30)を上方からハンマー等により叩き込む。これにより図6に示すように、右側楔片(30)が外側コマ金具(3)の一方側(左側)半部(4a)内に圧入されて、(右側)楔片(30)の内側縁(32)が(右側)支柱(1)の外周面(1a)に圧接されるとともに、外側縁(33)、換言すれば外側折曲片(23)の外面がコマ金具(3)における中間片(3a)の内面に圧接されて、一方側(右側)楔片(30)がコマ金具(3)に緊結固定される。
【0038】
更に手摺部材(10)の他方側(左側)楔片(30)を、他方側(左側)支柱(1)の対応する外側コマ金具(3)の内部における他方側(右側)半部(4b)に上方から叩き込む。これにより他方側(左側)楔片(30)が外側コマ金具(3)の他方側(右側)半部(4b)内に圧入されて、楔片(30)の両側縁(32)(33)が(左側)支柱(1)の外周面とコマ金具(3)の中間片(3a)に圧接されて、他方側(左側)楔片(30)がコマ金具(3)に緊結固定される。
【0039】
こうして手摺部材(10)が一対の支柱(1)間に水平状態に組み付けられる。
【0040】
また本実施形態においては、図1の実線及び想像線に示すように、1つの外側コマ金具(3)の片側半部(4a)(4b)に楔片(30)を固定するものであるため、1つの外側コマ金具(3)に対し、両側から2つの楔片(30)を固定することができる。従って、複数の手摺部材(10)を各支柱(1)を介して直列状に組み付けることができる。
【0041】
以上のように、本実施形態の手摺部材の組付構造によれば、楔片(30)を外側コマ金具(3)の中間片(3a)と支柱外周面との間に圧入して固定するものであるため、支柱(1)間の寸法に誤差が発生したとしても、楔片(30)をコマ金具(3)に無理なく固定することができる。すなわち、楔片(30)が打ち込まれる外側コマ金具(3)の中間片(3)と支柱外周面との隙間は、足場通路方向(P)に長い長孔形状を有しているため、その長さ方向に楔片(30)が多少位置ずれしていようとも、楔片(30)を上記の隙間に確実に打ち込むことができる。従って、支柱(1)間の寸法に誤差が発生したとしても、楔片(30)をコマ金具(3)に無理なく固定することができ、手摺部材(10)の組付作業を簡単かつ確実に行うことができる。
【0042】
ここで図6に示すように、支柱(1)の外周面は円弧面に形成されているため、外側コマ金具(3)内の一方側半部(4a)は、その一方側半部(4a)に固定される手摺部材(10)の延長方向(P1)に向かうに従って狭くなる。このため、一方側半部(4a)内に楔片(30)を固定した状態においては、楔片(30)が延長する方向(P1)への移動は確実に規制されるものの、楔片(30)に圧縮する方向(P2)に多大な荷重が加わると、楔片(30)は圧縮方向(P2)へ位置ずれする恐れがある。換言すれば図1(a)(b)において、所定の支柱(1)間が、離間する方向に多大な荷重が加わると、楔片(30)のコマ金具(3)への緊結が解除される恐れがある。ところが、本実施形態においては、手摺部材(10)が複数の支柱(1)の各間に直列状に組み付けられるものであるため、所定の支柱(1)間が、離間する方向に多大な荷重が加わっとしても、その支柱(1)間の両隣に架橋された手摺部材(10)は圧縮方向に荷重が加わることになるので、各支柱(1)の足場通路方向(P)の移動は確実に規制される。従って、支柱(1)間に架橋される手摺部材(10)の緊結が解除される等の不具合を確実に防止することができる。
【0043】
また本実施形態の手摺部材(10)は、手摺本体(11)の両端に、楔片(30)を有する楔部材(20)を設けるだけのシンプルな構成であるため、上記図14及び図15に示す従来の外付け方式の緊結構造とは異なり、差込片やスライド自在な楔片を設ける必要がなく、その分、部品点数を削減できて、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0044】
また本実施形態においては、楔片(30)の外側縁(33)に、折曲片(23)を形成するものであるため、その折曲片(23)によって補強されて、楔片(30)の強度を向上させることができる。このため、長期間の使用によっても、楔片(30)の変形や破損を有効に防止することができ、楔片(30)の耐久性、ひいては手摺部材(10)の耐久性を向上させることができる。
【0045】
図7ないし図9はこの発明の他の実施例である手摺部材の組付構造を示す図である。両図に示すように、この実施形態においては、楔部材(20)における楔片(30)の両側縁(32)(33)が、下方に向かうに従って中心方向に傾斜するように形成されて、楔片(30)が、下方に向かうに従って幅寸法が狭くなる先細形状に形成されている。更に楔片(30)の両側縁(32)に沿って折曲片(22)(23)が形成されている。
【0046】
更にこの楔部材(20)の楔片(30)を、支柱(1)の外側コマ金具(3)に打ち込んだ状態においては、楔片(30)の両側縁(32)(33)が支柱外周面及びコマ金具(3)の中間片(3a)に圧接支持されると同時に、楔片(30)の両側折曲片(22)(23)のうちの少なくとも一方の先端が、コマ金具(3)の一側片(3b)の内面に圧接支持されるものである。
【0047】
その他の構成は、上記図1ないし図6に示す実施形態と同様であるため、同一部分に同一符号を付して、重複説明は省略する。
【0048】
この手摺部材の組付構造においては、上記の実施形態と同様に、同様の作用効果を得ることができる上更に、楔片(30)を、コマ金具(3)及び支柱(1)に三点以上の点で支持して緊結固定するものであるため、楔片(30)の支柱(1)に対する取付強度を、より一層高めることができる。
【0049】
更に楔片(30)の両側縁(32)(33)に沿って折曲片(22)(23)が形成されるものであるため、その折曲片(22)(23)によって楔片(30)が補強されて、楔片(30)の強度を、より一層向上させることができ、耐久性を一段と向上させることができる。
【0050】
また本実施形態においては、楔片(30)がその内側形状と外側形状とが同一形状に形成されて、左右対称形状に形成されているため、支柱(1)への組付時に、表裏(内外)の区別を行う必要がなく、その分、作業者の負担が軽減されて、組付作業をより一層簡単に行うことができる。
【0051】
なお上記実施形態においては、手摺部材(10)の楔片(30)を、外側コマ金具(3)のうち、支柱(1)における足場通路に対し外面側に配置された外側コマ金具(3)に固定する場合について説明したが、本発明はそれだけに限られず、楔片(30)を、外側コマ金具(3)のうち、支柱(1)における足場通路に対し内面側に配置された外側(内側)コマ金具(3)に固定するようにしても良い。
【0052】
また上記実施形態においては、架橋部材として手摺部材を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明の架橋部材は、筋交、布材等、支柱間に架け渡される部材であれば、どのようなものにも適用することができる。
【0053】
また上記実施形態においては、コマ金具として、金属板材をコ字状に折曲成形したものを用いているが、本発明はそれだけに限られず、金属板材をコ字状に打ち抜き成形したものや、金属棒材をコ字状に折曲成形したものからなるコマ金具等も用いることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本第1発明の足場用架橋部材の組付構造によれば、手摺部材等の架橋部材の楔片を支柱外周面と外側コマ金具の中間片との間に圧入して固定するものであるため、支柱間の寸法に多少の誤差が発生したとしても、楔片をコマ金具に無理なくスムーズに固定でき、架橋部材を簡単かつ確実に組み付けることができる。更に手摺部材は、その両端に、楔片を有する楔部材を設けるだけのシンプルな構成であるため、部品点数を削減できて、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができるという効果がある。
【0055】
本第1発明において、架橋部材の楔片を、外側コマ金具の片側半部に固定する場合には、複数の支柱の各間に、架橋部材を直列状に連続して組み付けることができるという利点がある。
【0056】
本第1発明において、楔片の側縁に折曲片を形成する場合には、その折曲片によって補強されて、楔片の強度を向上させることができ、耐久性を向上させることができるという利点がある。
【0057】
本第1発明において、楔片の側縁に折曲片を形成し、その折曲片先端を外側コマ金具における一側片内面に圧接支持させる場合には、楔片を、コマ金具及び支柱に三点以上の点で支持して固定できるため、架橋部材の支柱に対する取付強度を、より一層高めることができるという利点がある。
【0058】
本第2発明は、上記第1発明の組付構造に採用される足場用架橋部材を特定するものであるため、上記と同様に同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である足場用手摺部材の組付構造を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図、同図(c)は緊結部周辺の断面図である。
【図2】実施形態の組付構造における緊結部周辺を拡大して示す平面図である。
【図3】実施形態の組付構造における緊結部周辺を拡大して示す側面断面図である。
【図4】実施形態の組付構造における緊結部周辺を拡大して示す断面図である。
【図5】実施形態の組付構造に適用された手摺部材の端部を拡大して示す斜視図である。
【図6】実施形態の組付構造における緊結部を拡大して示す平面断面図である。
【図7】この発明の他の実施形態である足場用手摺部材の組付構造における緊結部周辺を拡大して示す側面断面図である。
【図8】他の実施形態に適用された手摺部材の楔部材を示す図であって、同図(a)は背面図、同図(b)は側面図である。
【図9】他の実施形態に適用された手摺部材の端部を拡大して示す斜視図である。
【図10】仮設足場を示す斜視図である。
【図11】仮設足場の支柱におけるコマ金具周辺を拡大して示す平面断面図である。
【図12】従来の芯付け方式による仮設足場を示す平面図である。
【図13】従来の芯付け方式による手摺部材の組付構造を分解して示す斜視図である。
【図14】従来の外付け方式による仮設足場を示す平面図である。
【図15】従来の外付け方式による筋交の組付構造を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1…支柱
2…芯側コマ金具
2a…中間片
2b…側片
3…外側コマ金具
3a…中間片
3b…側片
4a…一方側半部
4b…他方側半部
10…手摺部材(架橋部材)
11…手摺本体(架橋部材本体)
20…楔部材
22…内側折曲片
23…外側折曲片
30…楔片
32…内側縁
33…外側縁
P…足場通路方向
Claims (6)
- 仮設足場における一対の支柱間に架橋部材を架け渡すようにした足場用架橋部材の組付構造であって、
前記支柱の外周面に、平面視コ字状のコマ金具の両側片先端が固定されて、そのコマ金具の中間片が支柱外周面から間隔をおいて配置され、
前記架橋部材が、所定の長さを有する架橋部材本体と、その本体の両端に固定された楔部材とを有し、
前記楔部材が、下方に向かうに従って幅が細くなる先細の楔片を有し、
前記支柱の外周面に取り付けられるコマ金具のうち、足場通路方向に対し側方に取り付けられた外側コマ金具の内部に、前記架橋部材の楔片が上方から打ち込まれることにより、前記楔片の両側縁が前記コマ金具の中間片と前記支柱の外周面に圧接されて固定されるよう構成されてなることを特徴とする足場用架橋部材の組付構造。 - 前記外側コマ金具の内部が、足場通路方向に沿って一方側半部と他方側半部とに区分けされ、
前記架橋部材の一端側に設けられた一方側の楔片が、前記一対の支柱のうち一方側の支柱の外側コマ金具における一方側半部に固定されるとともに、他方側の楔片が他方側支柱の外側金具における他方側半部に固定されてなる請求項1記載の足場用架橋部材の組付構造。 - 前記楔片の両側縁のうち、少なくともいずれか一方の側縁に沿って折曲片が形成されてなる請求項1又は2記載の足場用架橋部材の組付構造。
- 前記楔片の両側縁のうち、少なくともいずれか一方の側縁に沿って折曲片が形成され、その折曲片先端が前記外側コマ金具における一側片内面に圧接支持されてなる請求項1ないし3のいずれかに記載の足場用架橋部材の組付構造。
- 前記架橋部材が前記一対の支柱間に水平に配置されて、その架橋部材によって手摺部材が形成されてなる請求項1ないし4のいずれかに記載の足場用架橋部材の組付構造。
- 支柱の外周面に、平面視コ字状のコマ金具の両側片先端が固定されて、そのコマ金具の中間片が支柱外周面から間隔をおいて配置される仮設足場に組み付けられる足場用架橋部材であって、
所定の長さを有する架橋部材本体と、
前記架橋部材本体の両端に固定された楔部材とを備え、
前記楔部材が、下方に向かうに従って幅が細くなる先細の楔片を有し、
前記コマ金具の内部に、前記楔片が上方から打ち込まれることにより、前記楔片の両側縁が前記コマ金具の中間片と前記支柱の外周面に圧接されて固定されるよう構成されてなることを特徴とする足場用架橋部材。
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JP2012092550A (ja) * | 2010-10-27 | 2012-05-17 | Alinco Inc | 楔緊結式足場における階段手摺り |
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- 2002-12-03 JP JP2002351089A patent/JP2004183307A/ja active Pending
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