JP2004182460A - 粒体移送用真空バルブおよびこれを設置した真空室 - Google Patents
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Abstract
【課題】粉体の開通および閉塞動作が円滑であって、確実な真空封止を可能とする簡単な構造の粉体移送用真空バルブおよびこれを設置した真空室を得ることを目的とする。
【解決手段】真空室10に設置する粉体移送用真空バルブ100を、粉体を遮断するフィード弁式粉体遮断弁20とその下方に配置した真空封止するゲート弁式真空封止弁30とによって構成する。真空室10の底部には漏斗14を設けその漏斗当接面15に、傾斜したフィード弁体当接面21を当接して粉体を遮断する。よって、粉体の落下不良や挟圧が生じ難い。また、フィード弁式粉体遮断弁20が粉体移送口40を閉塞した時間帯に限り、ゲート弁式真空封止弁30を前後進するから、ゲート弁体32に粉体が付着することがない。
【選択図】 図1
【解決手段】真空室10に設置する粉体移送用真空バルブ100を、粉体を遮断するフィード弁式粉体遮断弁20とその下方に配置した真空封止するゲート弁式真空封止弁30とによって構成する。真空室10の底部には漏斗14を設けその漏斗当接面15に、傾斜したフィード弁体当接面21を当接して粉体を遮断する。よって、粉体の落下不良や挟圧が生じ難い。また、フィード弁式粉体遮断弁20が粉体移送口40を閉塞した時間帯に限り、ゲート弁式真空封止弁30を前後進するから、ゲート弁体32に粉体が付着することがない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粒体移送用真空バルブおよびこれを具備する真空室、特に、真空室の開口部に設置されてこれを開通または閉塞し且つ真空室を真空封止する、合金等の切削チップの移送および離隔に好適な、粒体移送用真空バルブおよびこれを具備する真空室に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粒体(切削チップ、破砕小片、線材の短尺切断片等を含む)を真空処理または真空保管する真空室の開口部に設置される扉は、真空室を真空封止する機能と共に、粒体を真空室に移送したり真空室から排出したり、すなわち、開口部を粒体通過可能に開通および粒体通過不能に閉塞する機能を具備している。そして、かかる機能を一枚の扉で実施しようとすると、扉に付着した粒体が真空封止手段(Oリング等のシール材)を損傷して気密性が維持できないという問題点があった。
そこで、真空室の開口部を真空封止する機能を具備する弁体(以下、真空封止される位置を真空封止口と称し、真空封止口を真空封止する弁を真空封止弁と称す)と、開口部を粒体通過可能に開通および粒体通過不能に閉塞する機能を具備する弁体(以下、粒体が閉塞される位置を粒体移送口と称し、粒体移送口を閉塞す弁を粒体遮蔽弁と称す)との複数の弁体から構成された粒体移送用真空バルブが提案されている。
【0003】
図13は従来の粒体移送用真空バルブを示す側断面図である。図13において、骨材919(粒体に相当)を収容した真空槽本体902の下端部がシュート903、904によって縮径され、シュート904の下端部(粒体移送口に同じ)に閉止ダンパ908が設置され、閉止ダンパ908の上流にダンパプレート905が設けられている。よって、閉止ダンパ908およびダンパプレート905が骨材919の排出量の規制および排出の完全停止の役目を果たしている。
さらに、真空槽本体902の下端部には、閉止ダンパ908を収容する真空弁箱911が設けられ、真空弁箱911の下部開口部(真空封止口に同じ)が弁板913によって真空封止されるものである。
【0004】
このとき、前記粒体移送口の大きさが真空封止口の大きさより十分小さいため、落下する骨材919が該真空封止口の周囲(真空弁箱911の下部開口部近傍)に接することがない。
したがって、弁板913を開いた後で閉止ダンパ908を開いて骨材919を落下させ、一方、閉止ダンパ908を閉じた後で弁板913を閉じるから、弁体913は骨材919が落下していない時間帯に限って開閉動作をすることになる。よって、弁体913に骨材919が触れることがないから、骨材919の付着を原因とする真空封止効果の低下が防止されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−49954号公報(第2−4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の粒体移送用真空バルブは、閉止ダンパ908が水平な軸909を中心に鉛直面内で回転する円弧状板であるから、また、ダンパプレート905が水平面内で移動(前後進)する平板であるから、以下のような問題点があった。
▲1▼粒体移送用真空バルブがダンパプレート905と閉止ダンパ908と弁体913の合計3枚の弁によって構成されるため構造が複雑になる。
▲2▼閉止ダンパ908が回転して粒体移送口が除々に開通していく際、落下する骨材919は斜め下方向(図中、片矢印で示す左下方向)に落下するため、真空弁箱911の下部開口部(真空封止口に同じ)に骨材919が衝突して付着し、真空封止不良が生じるおそれがある。
▲3▼また、該骨材919の衝突を防止しようとすると、真空封止口が大径化し、真空弁箱911および弁板913が大型になる。
▲4▼さらに、閉止ダンパ908が骨材919を受け止めたまま時計回りの方向に回転するため、受け止められた骨材919は、閉止ダンパ908とシュータ904との隙間(図中、シュータ904の左側下端部P)に挟まって、閉止ダンパ908が回転不能を生じるおそれがある。
▲5▼ダンパプレート905が水平移動(図中、右側に後退)する際、ダンパプレート905に骨材919が乗ったまま収納ケース906内に引き込まれるため、ダンパプレート905と収納ケース906との隙間(図中、収納ケース906の左端部Q)に挟まって、ダンパプレート905の水平移動が不能になるおそれがある。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、粒体移送口を開通および閉塞する弁体の円滑な動作を保証すると共に、真空封止口を封止する弁体への粒体の付着を最少に抑えて、確実な真空封止を可能とする簡単な構造の粒体移送用真空バルブおよびこれを設置した真空室を得ることを目的とする。
なお、本発明における真空室とは文字通り減圧されるチャンバーの他に、大気圧または大気圧以上の状態で気密的に封止されるチャンバーを含むものであって、真空封止弁とは文字通り真空封止する弁の他に、かかるチャンバーの開口部を気密的に封止する弁を含むものである。さらに、粒体とは文字通り小さな塊まりである粒(つぶ)に限定するものではなく、小面積の板片、短い棒片、異形の切削屑や破砕片等を含むものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粒体移送用真空バルブは、真空室の開口部を開閉し且つ真空封止する粒体移送用真空バルブであって、
前記開口部を粒体が落下不能なように閉塞し且つ落下可能なように開通する粒体遮断弁と、
該粒体遮断弁の鉛直下方に設置され、前記開口部を真空封止し且つ粒体が落下可能なように開通する真空封止弁とを有し、
前記粒体遮断弁によって開通された範囲が前記真空封止弁によって開通された範囲より小さく、
前記粒体遮断弁が開口部を閉塞した状態において、前記真空封止弁が開口部を真空封止する動作または開通する動作をするとともに、
前記真空封止弁が開口部を開通した状態において、前記粒体遮断弁が開口部を閉塞する動作または開通する動作をする。
これによると、粒体移送用真空バルブが粒体遮断弁と真空封止弁との2枚の弁によって構成されるから、前者は粒体の投下に特化し、後者は真空封止に特化することができる。
さらに、粒体遮断弁が開口部を閉塞して粒体が落下不能な時間帯に限って、真空封止弁が真空封止する動作または開通する動作をするから、動作中の真空封止弁の弁体に粒体が衝突することがない。
また、真空封止弁が開口部を開通して、開口部から退避した(開口部内に真空封止弁の弁体が存在しない)時間帯に限って、粒体遮断弁が開口部を開通して粒体を落下させるから、落下する粒体が真空封止弁の弁体に衝突することがない。さらに、粒体遮断弁が開通した開口部(以下、粒体移送口と称する)の大きさが、真空封止弁が開通した開口部(以下、真空封止口と称する)の大きさより小さいから、すなわち、平面視において粒体移送口が真空封止口の内部に取り込まれるから、粒体移送口から落下する粒体が、真空封止口の周囲に衝突することがない。
よって、落下する粒体が真空封止弁の弁体または弁体ケースに衝突したり、付着したりしないから、弁体は円滑な真空封止動作または開通動作をするとともに、確実な真空封止(シール)を可能にする。
なお、粒体移送口の内径を真空封止弁の有効径の2/3以下にして、粒体遮断弁と真空封止弁とを近接して配置しておけば、落下する粒体の弁体への衝突、付着がより確実に防止できる。
【0009】
また、前記開口部に上方に向かって開いた上案内部が設けられてなることが好ましい。
これによると、前記粒体移送口が上案内部(下方に向かって閉じている)の下端によって形成されるから、粒体移送口の大きさ小さくすることができる。
たとえば、筒状の真空室の底部に粒体移送用バルブを設置する場合、真空室の底面を円錐台状に形成した上案内部としたり、真空室の底面の上(真空室内)に漏斗状の上案内部を配置したりすれば、粒体移送口の大きさを小さくすることができる。また、真空室の天井に粒体移送用バルブを設置する場合、該天井の上(真空室外)に粒体を受け入れる受け入れホッパーを配置して、該受け入れホッパーの底面を円錐台状に形成した上案内部にすれば、粒体移送口の大きさを小さくすることができる。
【0010】
なお、前記上案内部のテーパ角度が40°〜140°でなることが好ましい。これによれば、上案内部が上方に向かってテーパ角度が40°〜140°で開いている、つまり、鉛直方向に対して片側20〜70°の角度で傾斜しているから、粒体が該傾斜面を円滑に滑落する。すなわち、テーパ角度が40°以下(片側20°以下の急な傾斜)の場合、上案内部の高さが高くなり粒体移送用真空バルブが大型化することになる。一方、テーパ角度が140°以上(片側70°以上の緩やかな傾斜)の場合、粒体が上案内部の下端(斜面の終端、粒体移送口に同じ)で詰まりを生じる(いわゆるブリッジまたはブリッジングを生じる)。
特に、前記上案内部のテーパ角度を60°〜120°の範囲にしておけば、粒体移送用真空バルブの高さが極端に高くならず、しかも粒体の性状に比較的左右されなることなく、粒体が円滑に滑落して詰まりが生じ難くなる。
【0011】
さらに、前記上案内部の下端に筒状の下案内部が設けられてなることが好ましい。
これによれば、粒体移送口が筒状の下案内部の下端によって形成され、上案内部と下案内部とによって漏斗状の案内部が形成される。よって、上案内部に沿って移送された粒体がさらに下案内部に案内されるから、粒体が周囲に飛散することがない。
したがって、真空遮断弁の弁体または弁体ケースへの粒体の衝突がより確実に防止できるから、粒体が弁体または弁体ケースに付着しないため、弁体は円滑な真空封止動作または開通動作をするとともに、確実に真空封止する。
また、開口部の上案内部と真空遮断弁の弁体とを近接して配置することができない場合であっても、両者の間に下案内部(漏斗の下部)が配置されるから、粒体の周囲への飛散が防止される。さらに、下案内部の下端(粒体移送口)を弁体に直接当接自在にして、該当接によって粒体移送口が閉塞されるようにすれば、粒体遮断弁の機構が簡素になる。
なお、下案内部は全長が等径の管または上方が大径化したテーパ管等であって、断面形状は円形に限定するものではない。たとえば、上部が断面円形で下部が断面矩形であってもよい。
【0012】
さらに、前記粒体遮断弁が前後進自在なフィード弁であって、その弁体が鉛直方向に対して所定の当接角度で傾斜した弁体当接面を具備し、
前記上案内部の下端面または下案内部の下端面が、鉛直方向に対して前記当接角度で傾斜した漏斗当接面を具備し、
前記弁体が前進した際、前記弁体当接面が漏斗当接面に当接して粒体の落下を不能にすることが好ましい。
これによれば、粒体遮断弁の弁体の移動機構および粒体移送口(漏斗当接面によって包囲された範囲に同じ)の閉塞機構が簡素であるから、該弁体が円滑な閉塞動作または開通動作をする。また、弁体当接面が傾斜した傾斜面を形成するから、弁体当接面に粒体が滞留することがないため、粒体は停留することなく落下する。よって、閉塞する際(漏斗当接面に弁体当接面が当接する際)粒体を挟むことがなく、確実な閉塞が可能になる。
特に、下案内部を設置した場合には、上案内部の傾き(前記テーパ角度の1/2)と弁体当接面の傾きを同一にしたり後者の方を大きく(急な傾斜に)したりすることができるから粒体の落下はさらに確実になる。また、弁体が所定の距離だけ移動(後退)した時、弁体と漏斗当接面との間に所定の隙間が形成されるから、該隙間の大きさに応じた量の粒体が落下する。
さらに、フィード弁の弁体の前後進方向は水平方向に限定するものではなく、水平方向に対して所定の角度だけ傾斜してもよい。
【0013】
さらに、前記粒体遮断弁が水平方向に設けられた回動軸を中心に鉛直面内で回動自在な弁体を具備するスイング弁であって、
前記上案内部の下端面または下案内部の下端面が、鉛直方向に対して所定の当接角度で傾斜した漏斗当接面を具備し、
前記弁体が回動した際、前記漏斗当接面に当接して粒体の落下を不能にする弁体当接面を具備することが好ましい。
これによれば、スイング弁の弁体(上縁部に回動軸が設置されている)が下方向に垂れ下がった時に、粒体移送口(漏斗当接面によって包囲された範囲に同じ)が全開し、その弁体が上方向(垂直から水平になる方向に)に回動して弁体当接面が漏斗当接面に当接して、粒体移送口の全域を閉塞するから、粒体の落下を不能にする。また、この状態から弁体が所定の角度だけ下方向に回動した時、弁体当接面と漏斗当接面との間に所定の隙間が形成されるから、該隙間の大きさに応じた量の粒体が落下する。このとき、漏斗当接面を滑らかな平面に(弁体を平板によって形成)しておけば、粒体は漏斗当接面に停留することなく滑落する。
【0014】
さらに、前記当接角度が30〜60°でなることが好ましい。
これによれば、漏斗当接面が鉛直方向に対して30〜60°の角度で傾斜しているから、これに当接する弁体当接部の大きさを抑えることができ、フィード弁の弁体の高さ、あるいはスイング弁の弁体の長さを抑えることができる。
すなわち、フィード弁の場合、当接角度が30°以下(急な傾斜)であると、弁体の高さが高くなりフィード弁が大型になる。一方、当接角度が60°以上(緩やかな傾斜)であると、弁体当接面に粒体が停留(落下不良)することがあり、弁体の作動不良または閉塞不良が起こるおそれがある。そして、前記停留が起こると、弁体が前進した際、漏斗当接面と弁体当接面との間に粒体が挟まれて完全な閉塞ができなくなる。このため、弁体が前進を停止した後になって該粒体が落下するおそれが生じる。また、弁体の閉塞を確認する信号に基づいて真空封止弁の動作を制御するから、かかる一連の動作の進行が停止することになる。
また、スイング弁の場合、当接角度が30°以下(急な傾斜)であると、弁体が長くなるとともに、弁体のわずかの回転で粒体の落下量が大きく変化する。一方、当接角度が60°以上(緩やかな傾斜)であると、弁体が回動して漏斗当接面に当接する前に粒体が落下しなくなる(停留する)ため、該粒体を弁体当接面と漏斗当接面との間に挟み込み、弁体が回動を停止した後になって該粒体が真空封止弁の上に落下するおそれが生じる。また、弁体の閉塞を確認する信号に基づいて真空封止弁の動作を制御するから、かかる一連の動作の進行が停止することになる。
【0015】
さらに、前記上案内部の下端面または下案内部の下端面を包囲して鉛直下方に設けられた筒状の粒体遮断弁カバーを有することが好ましい。
これによれば、粒体移送口(前記上案内部の下端面によって包囲されている範囲または下案内部の下端面によって包囲されている範囲)から落下する粒体が粒体遮断弁カバーに案内されて周囲に飛散しないから、真空封止弁の弁体または弁体ケース(真空封止口の周囲に同じ)に衝突することがない。よって、粒体が真空封止弁の弁体または弁体ケースに付着しないから、弁体は円滑な真空封止動作または開通動作をするとともに、確実な真空封止を可能にし、さらに、真空封止手段(Oリング等)の損傷を防止する。
特に、フィード弁の弁体が傾斜した斜面を具備し、あるいはスイング弁の弁体が傾斜した斜面を形成するから、開通開始直後や閉塞完了直前に該斜面によって粒体が斜め下方に落下するため、粒体遮断弁カバーは該斜め方向の落下を防止するという顕著な効果を奏する。
また、粒体遮断弁と真空封止弁とが鉛直方向で離れている(粒体遮断弁の弁体と真空封止弁の弁体とが離れているに同じ)場合でも、粒体遮断弁カバーの下端部を真空封止弁の弁体の動作範囲の直近にまで延長することができるから、前記飛散防止効果を確実に得ることができる。
なお、フィード弁に設置される粒体遮断弁カバーにはフィード弁の弁体が進退自在なように開口部が側面に設けられている。また、スイング弁に設置される粒体遮断弁カバーには回動軸が貫通するための貫通孔が側面に設けられている。
また、粒体遮断弁カバーの平面形状は円形、矩形、あるいは略半円形(馬蹄形)等いずれの形状であってもよい。また、側面形状は矩形、台形、あるいは三角形(たとえば、粒体の落下方向側を長くする)等いずれの形状であってもよい。
【0016】
さらに、前記粒体が金属または合金を切削加工または穿孔加工した際に発生する切削チップまたは穿孔チップであることを特徴とすることがことが好ましい。これによれば、流動性の悪い金属または合金の切削チップまたは穿孔チップ(以下、切削チップと総称する)であっても、円滑に落下するとともに、粒体遮断弁に挟まれることがなく、さらに、真空封止弁に付着することがない。すなわち、かかる切削チップ類を処理する真空室に好適な粒体移送用真空バルブが得られる。
【0017】
さらに、前記真空封止弁が略水平方向に前後進自在なゲート弁または略水平面内で旋回自在なロータリ弁であることが好ましい。
これによれば、ゲート弁のゲート弁体が後退した際、真空封止口の全域が完全に開通し、しかも、ゲート弁体が十分に退避した状態で粒体が落下するから、粒体の落下が確実になるとともに、弁体への粒体の付着が確実に防止できる。仮に、ゲート弁体を収容するゲート弁ケース(真空封止口の周囲)に粒体が衝突した場合でも、該粒体が後退しているゲート弁体の位置にまで飛散することがない。また、ロータリ弁のロータリ弁体が所定の位置(一方の旋回限)に停止した際、ロータリ弁体に設けたロータリ弁体貫通孔が真空封止口の全域を完全に開通し、しかも、該開通した状態で粒体が落下するから、粒体の落下が確実になるとともに、弁体への粒体の付着が防止できる。特に、ロータリ弁体貫通孔の内径を真空封止口の内径より十分大きくしておけば、ロータリ弁体を収容するロータリ弁ケース(真空封止口の周囲)に粒体が衝突した場合でも、該粒体がロータリ弁体に触れることがない。
【0018】
さらに、前記ゲート弁のゲート弁体または該ゲート弁体を収容するゲート弁ケースの一方または両方に真空封止手段が設置され、
前記ゲート弁体が前進限に到達した際、前記真空封止手段が前記ゲート弁体およびゲート弁ケースによって挟圧されることが好ましい。
これによれば、ゲート弁体が前進限に到達した際、ゲート弁体が鉛直方向に押し付けられて(移動して)真空封止手段(Oリング等)を押圧するから、真空封止手段によって確実な真空封止が図られる。すなわち、真空室内を減圧した際に作用する大気圧を利用して真空封止手段を押圧するものでないため、真空封止手段を弁体に対して真空室側またはこれと反対側のいずれの位置に配置しても、確実な真空封止が図られる。また、真空室に大気圧以上の圧力のガスを封入した場合でも、該ガスが流逸(リーク)することがない。
また、真空室の天井および床にそれぞれ粒体移送用真空バルブを設置した場合でも、それぞれに同じ型式のゲート弁を使用することができる。すなわち、一方のゲート弁では弁体に対して真空室側に真空封止手段を配置し、他方のゲート弁では弁体に対して真空室とは反対の側に真空封止手段を配置することができる。さらに、ゲート弁体が前進または後進する間、ゲート弁体に設置された真空封止手段はゲート弁ケースから離隔するから摺動することがなく、ゲート弁ケースに設置された真空封止手段はゲート弁体から離隔するから摺動することがないため、真空封止手段の損傷を最少に抑えることができる。
【0019】
同様に、前記ロータリ弁のロータリ弁体または該ロータリ弁体を収容するロータリ弁ケースの一方または両方に真空封止手段が設置され、
前記ロータリ弁体が一方の旋回限に到達した際、前記真空封止手段が前記ロータリ弁体およびロータリ弁ケースによって挟圧されることが好ましい。
これによれば、ロータリ弁体が一方の旋回限に到達した際、ロータリ弁体が鉛直方向に押し付けられて(移動して)真空封止手段(Oリング等)を押圧するから、真空封止手段によって確実な真空封止が図られる。すなわち、真空室内を減圧した際に作用する大気圧によって真空封止手段を押圧するものでないため、真空封止手段を弁体に対して真空室側またはこれと反対側のいずれの面に配置しても、確実な真空封止が図られる。また、真空室に大気圧以上の圧力のガスを封入した場合でも、該ガスが流逸(リーク)することがない。
また、真空室の天井および床にそれぞれ粒体移送用真空バルブを設置した場合でも、それぞれに同じ型式のロータリ弁を使用することができる。すなわち、一方のロータリ弁では弁体に対して真空室側に真空封止手段を配置し、他方のロータリ弁では弁体に対して真空室とは反対の側に真空封止手段を配置することができる。
さらに、ロータリ弁体が旋回する間、ロータリ弁体に設置された真空封止手段はロータリ弁ケースから離隔するから摺動することがなく、ロータリ弁ケースに設置された真空封止手段はロータリ弁体から離隔するから摺動することがないため、真空封止手段(Oリング等)の損傷を最少に抑えることができる。
【0020】
さらに、前記真空封止弁が略水平方向の回動軸を中心に回動自在なボール弁であることが好ましい。
これによれば、ボール弁のボール弁体に設けたボール弁体貫通穴の大きさが前記真空封止口(ボール弁体を収容するボール弁体ケースに設けた貫通孔の鉛直方向の上側の開口部を指す)の大きさより大きいから、ボール弁体貫通孔が鉛直になった際、真空封止口の全域が完全に開通し、しかも、ボール弁体の外周面が真空封止口に露出しないから、粒体の落下が確実になるとともに、ボール弁体の外周面への粒体の付着が防止される。
仮に、ボール弁体を収容するボール弁体ケース(真空封止口の周囲に同じ)に粒体が衝突した場合でも、該粒体がボール弁体の外周面に飛散(付着)することがない。
また、ボール弁体ケースに設けた下側の開口部の大きさをボール弁体貫通孔よりも大きくしておけば、ボール弁体貫通孔内を落下した粒体が、ボール弁体ケースのボール弁体摺動面に飛散(付着)することがない。
よって、ボール弁体またはボール弁体摺動面に粒体が付着しないから、確実な真空封止ができる。また、真空封止手段(Oリング等)をボール弁体またはボール弁体摺動面の一方または両方に設置した場合でも、これを損傷することがない。
【0021】
一方、本発明の真空室は、粒体が天井部に設けられた天井開口部から搬入され、一旦内部に収容された後、床部に設けられた床部開口部から搬出される真空室であって、
前記天井開口部および床部開口部に前記粒体移送用真空バルブが設置されることが好ましい。
これによると、粒体移送用真空バルブ自体が前記構成であって前記動作をするから(粒体遮断弁が粒体搬出口を閉塞している時間帯に限って真空封止弁が作動する等)、粒体の真空室への搬入および真空室からの搬出が円滑であり、真空室の真空封止が確実になる。
また、天井部に設置された粒体移送用真空バルブの真空封止弁と床部に設置された粒体移送用真空バルブの真空封止弁の一方が常時真空封止しているようにすれば(すなわち、それぞれの真空封止口を同時に開放しないようにすれば)、当該真空室の上部または下部に第二の真空室を設けた場合でも、該第二の真空室を気密的に封止することができる。
【0022】
また、前記真空室の床部開口部が射出成型機の加熱室に連結されることが好ましい。
これによると、真空室において所定の処理が施された粒体が射出成型機の加熱室に直接供給され、該粒体が加熱された後、金型内に射出されて成型されるため、良質の成型品が得られる。また、粒体の移送が円滑であるから、円滑な射出成型作業を保証することができる。
特に、真空室の下部と射出成型機の加熱室とを気密的に連結して、真空室の天井部に設置された粒体移送用真空バルブの真空封止弁と床部に設置された粒体移送用真空バルブの真空封止弁の一方が常時真空封止しているようにすれば、すなわち、天井部および床部の両方の真空封止口を同時に開放しないようにすれば、前記加熱室を大気に曝すことがなくなるから、所定の処理(たとえば、真空乾燥等)が施された粒体が再度大気汚染(たとえば、酸素や水分の再付着等)されることがない。
【0023】
さらに、前記真空室が真空封止された状態で、該真空室内のガスを排出してから真空室内に不活性ガスを注入する排気注気作業が複数回に渡って実施されることが好ましい。
これによると、排気および注気する作業をそれぞれ複数回繰り返すため、粒体に付随して真空室に取り込まれた空気や水分が効率良く除去されるから、射出成型機の加熱室における酸化物、窒化物、あるいは気泡等の発生が防止される。よって、良質の射出成型品が得られると共に、射出成型機の射出スクリューや加熱室の内壁の損傷を最少に抑えることが可能になる。
このとき、前記排気作業において到達する気圧が比較的高圧(真空度が悪い状態)であっても、真空室内の空気や水分が十分除去されるから、空封止手段の負担が比較的軽くなる。
【0024】
さらに、前記真空室内に不活性ガスを注入する際、該真空室が正圧に加圧されることが好ましい。
これによると、粒体移送用真空バルブは、真空室の内部が正圧に加圧されても内部の加圧ガスが流逸(リーク)しない構造になっているから、不活性ガスを注入してもこれが漏れることがない。よって、不活性ガスの無駄を防止するとともに、真空封止手段に不活性ガスがリークしながら直接触れないから、該不活性ガスに混入した粉塵類が真空封止手段に付着することがなく粉塵類による損傷が防止される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態1においてフィード弁式粒体遮断弁とゲート弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブについて、実施の形態2においてフィード弁式粒体遮断弁とボール弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブについて、実施の形態3においてスイング弁式粒体遮断弁とロータリ弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブについてそれぞれ説明し、その後、実施の形態4において真空室(実施の形態1に示す粒体移送用真空バルブが設置されている)について説明する。なお、実施の形態1〜4における各図の同じ部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0026】
[実施の形態1]
(フィード弁式粒体遮断弁とゲート弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブ)
図1は本発明の実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブを説明する縦断面図である。図1において、100は粒体移送用真空バルブ、10は真空室、20はフィード弁式粒体遮断弁(以下、フィード弁と称する場合がある)、30はゲート弁式真空封止弁(以下、ゲート弁と称する場合がある)である。
なお、図1において、真空室10の底部の下面に直接フィード弁式粒体遮断弁20が配置され、フィード弁式粒体遮断弁20の下面に直接ゲート弁式真空封止弁が設置されているが、本発明はこれに限定するものではなく、真空室10の天井部に粒体移送用真空バルブ100が設置、すなわち、真空室10の天井部の上面にゲート弁式真空封止弁30が直接配置され、ゲート弁式真空封止弁30の上面に直接フィード弁式粒体遮断弁が設置されてもよい。
図2は図1の一部を断面にして示す斜視図である。以下、図1および図2に基づいて各部位について説明する。
【0027】
(漏斗)
真空室10は筒体(円筒状)11によって形成され、筒体11の下端に円錐台状の上案内部12が設けられている。また、上案内部12の下端には筒状の下案内部13が設けられ、上案内部12と下案内部13とによって漏斗14が形成されている。
すなわち、漏斗14の下端が包囲する範囲(筒状の下案内部13の内径、または下案内部がテーパ管の場合その下端部の内径に相当)が、粒体が移送される粒体移送口40になっている。なお、漏斗14は上案内部12および下案内部13が一体化されたラッパ状またはテーパ状の場合、すなわち、上案内部12または下案内部13が明りょうに区分できない場合がある。
上案内部12は鉛直方向に対して片側で角度θ(以下、上案内角θと称す)だけ傾斜している(テーパ角度2θでもって上方に開いている)。図中、上案内角θは略45°であるが、移送される粒体の性状に応じて変更されるものであって、通常20〜70°、望ましく30〜60°に設定される。
漏斗14の下端面は鉛直方向に対して片側で角度φ(以下、漏斗当接角φと称す)だけ傾斜して漏斗当接面15を形成している。図中、漏斗当接角φは略45°であるが、移送される粒体の性状に応じて変更されるものであって、通常45°を標準にして、望ましくは30〜60°の範囲に設定される。
【0028】
(フィード弁式粒体遮断弁)
フィード弁式粒体遮断弁20は、フィード弁体当接面21を具備するフィード弁体22と、フィード弁体22を前後進させるフィード弁体進退手段23(油圧シリンダ等)と、フィード弁体22とフィード弁体進退手段23とを連結するフィード弁体連結棒24と、フィード弁体22を収容するフィード弁空間25と、フィード弁体進退手段23が設置されるフィード弁ケース26を有している。
フィード弁体22は直方体または円柱であって、前進方向(図中、左方向)の端面が、鉛直方向に対して所定の角度φ(以下、フィード弁体当接角φと称す)だけ傾斜したフィード弁体当接面21を形成し、フィード弁体当接角φは漏斗当接面15の漏斗当接角φに同じである。
【0029】
したがって、フィード弁体22が前進してフィード弁体当接面21が漏斗当接面15に当接すると、粒体移送口40の全域が閉塞されることになる。
また、フィード弁体22が後退してフィード弁体当接面21が漏斗当接面15から離れると、その隙間から粒体が落下する。したがって、フィード弁体22が僅かに後退して該隙間が狭ければ、僅かの粒体が落下し、一方、フィード弁体22が大きく後退して該隙間が広がれば、より多くの粒体が落下することになる。さらに、フィード弁体当接面21が所定のフィード弁体当接角φでもって傾斜しているため、粒体がフィード弁体当接面21上に停留(落下しないで付着)することがないから、フィード弁体22が前進してフィード弁体当接面21が漏斗当接面15に当接する際、粒体を挟むおそれがない。
【0030】
(ゲート弁式真空封止弁)
ゲート弁式真空封止弁30は、ゲート弁体封止面31を具備するゲート弁体32と、ゲート弁体32を前後進させるゲート弁体進退手段33(油圧シリンダ等)と、ゲート弁体32とゲート弁体進退手段33とを連結するゲート弁体連結棒34と、ゲート弁体32を収容するゲート弁ケース36とを有している。
ゲート弁ケース36の天井板37には上開口部41が、床板38には下開口部42がそれぞれ鉛直方向で略同一の位相になるように穿設され、天井板37と床板38とに挟まれて、上開口部41(下開口部42に同じ)から退避したゲート弁体32が収容されるゲート弁空間35が形成されている。
そして、天井板37の下面で上開口部41の周囲に真空封止のためのゲート弁ケース封止面39が形成されている。ゲート弁ケース封止面39は天井板37の下面そのものによって形成される場合や、真空封止手段50(Oリング等)の形状に合わせて環状の突条に形成される場合がある。なお、ゲート弁ケース封止面39に包囲された開口部(図1において上開口部41に同じ)を真空封止口と称す。
【0031】
ゲート弁体32は矩形平板または円形平板であって、その上面に真空封止手段50(Oリング等)が設置されるためのゲート弁体封止面31が形成され、ここに真空封止手段50(Oリング等)が設置されている。
なお、ゲート弁体封止面31はゲート弁体32の上面そのものによって形成される場合や、真空封止手段50(Oリング等)の形状に合わせて砲台状の突部または環状の突条に形成される場合がある。また、真空封止手段50の配置を容易且つ確実にするため環状の溝が設けられている。なお、以下、溝の部分を含めてゲート弁体封止面31と称する。
したがって、ゲート弁体32が前進して前進限に到達すると(図1に示す状態)、図示しない押し付け機構(以下に別途説明する)によってゲート弁体32が上方向に押し上げられるから、真空封止手段50はゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とによって挟圧され、上開口部41(真空封止口に同じ)は確実に真空封止される。
なお、真空室10が減圧された際、ゲート弁体32は真空室10側に押されるから、真空封止はさらに確実になる。よって、かかる押し付け機構を撤去して、減圧時の大気圧だけによってゲート弁体32を真空室10側に押し付けるようにしてもよい。
一方、かかる押し付け機構によって押し付け力が作用しているから、真空室10に加圧ガスが注入されて内部が大気圧以上になった場合でも、該加圧ガスが流逸(リーク)することがない。
【0032】
さらに、ゲート弁体32が後退する際、まず前記押し付け機構による押し付けがなくなって、ゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とが離隔し、ゲート弁体封止面31に設置された真空封止手段50はゲート弁ケース封止面39から離れる。そして、真空封止手段50はゲート弁ケース封止面39に摺動することなく後退する。
やがて、ゲート弁体32が後退限に到達して完全にゲート弁空間35内に収納されると(図2に示す状態)、上開口部41と下開口部42との間が開通して、粒体が落下自在になる。このとき、ゲート弁体32は十分後退しているから、粒体が付着することがない。
【0033】
また、粒体移送口40の大きさに比較して上開口部41の大きさが十分大きくなっているから、落下する粒体がゲート弁ケース36(天井板37の上面または開口部41を形成する内周面)に触れることがない。また、下開口部42の大きさを上開口部41の大きさより大きく形成しておけば、天井板37に一旦付着した粒体がその後剥離して落下しても、床板38の上面または開口部42を形成する内周面)に触れることがない。
【0034】
以上は、ゲート弁体32の上面にゲート弁体封止面31が形成され、ゲート弁ケース36の天井板37の下面にゲート弁ケース封止面39が形成されるものであるが、本発明はこれに限定するものはなく、ゲート弁体32の下面にゲート弁体封止面31を形成して、ゲート弁ケース36の床板38の上面にゲート弁ケース封止面39が形成されてもよい。
このとき、図示しない押し付け機構によってゲート弁体32を下方向に押し付けるようにしておけば、真空室10が減圧されても真空封止は継続(維持)されるものである。すなわち、真空封止手段50を押し付ける押し付け力が弱まるものの、真空室10内に大気が侵入することはない。
【0035】
また、真空封止手段(Oリング等)はゲート弁体封止面31またはゲート弁ケース封止面39の何れに設置されてもよいし、または両方に設置されてもよい。そして、真空封止手段50が設置される面には、この配置を容易且つ確実にするため環状の溝が設けられることになる。
たとえば、ゲート弁ケース封止面39に真空封止手段50が設置された場合は、ゲート弁ケース封止面39に環状の溝が設けられる。さらに、ゲート弁体32が後退する際、まず前記押し付け機構による押し付けがなくなって、ゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とが離隔し、真空封止手段50がゲート弁体封止面31から離れる。そして、真空封止手段50がゲート弁体封止面31に摺動することなく後退する。
【0036】
(粒体遮断弁カバー)
漏斗14の外壁に鉛直下方に向けて筒状の粒体遮断弁カバー60(以下、フィード弁カバー60と称す)が設けられ、フィード弁カバー60の側面には、後記フィード弁体21が進退自在なようにフィード弁カバー側面開口部61が設けられている。なお、フィード弁カバー60の下端面62は真空封止弁30のゲート弁体32または真空封止手段50に接触しない位置にまで近接している。すなわち、ゲート弁ケース36の上開口部41(真空封止口)の中に侵入している。
したがって、粒体移送口40が開いた際、粒体はフィード弁体当接面21に沿って斜め下方(図中、左下方向)に偏って落下するため、フィード弁カバー60がこれを受け止めて落下方向を鉛直下方に案内するとともに、飛散を防止している。
なお、フィード弁カバー60を形成する材質は金属板、ゴム板等を適宜選択することができる。たとえば、密度が低く飛散し易い粒体(樹脂粒、切削チップ等)に対してはゴム板を使用して跳ね返りを抑え、一方、重量が大きく硬さの高い粒体に対しては強度の高い金属板(たとえば、ステンレス鋼板等)を使用して摩耗を防ぐことが好ましい。また、その長さは、真空封止弁30のゲート弁体32や真空封止手段50(Oリング等)と干渉しない範囲で長くすることが好ましい。
【0037】
(押し付け機構)
図3は本発明の実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブに設置されるゲート弁体の押し付け機構の実施例1を説明する縦断面図であって、(a)はゲート弁体が押し付けられていない状態、(b)はゲート弁体が押し付けられている状態を示す。なお、図1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
ゲート弁体32は、下方に台形状に突出した斜面イおよび斜面ハを有す上ゲート弁体32a、上方に突出した斜面チを有す下ゲート弁体32b、斜面ヘを有すスライドブロック32c、および引っ張りバネ32dによって形成されている。そして、上ゲート弁体32aと下ゲート弁体32bとは引っ張りバネ32dによって常時相互に引っ張り合っている。
【0038】
図3の(a)において、ゲート弁体32が前進限にないとき、上ゲート弁体32aの下方に突出した下面ロは下ゲート弁体32bの上面トに当接して、真空封止手段50はゲート弁ケース封止面39から離隔しているから、ゲート弁体32が前進または後退する際、これらが摺動することがない。
このとき、上ゲート弁体32aの斜面イおよび斜面ハが、それぞれ下ゲート弁体32bの斜面トおよび斜面チに当接して、スライドブロック32cは前進方向(図中、左方向)に押し出されている。
また、斜面へと斜面チ(斜面イと斜面ハ)とは同じ傾斜角度であるものに限定するものではなく、相違、すなわち、非対称であってもよく、一方が前後進方向に垂直な平面であってもよい。また、斜面イと斜面チ(斜面ハと斜面チ)とは共に傾斜面であるものに限定するものではなく、一方が回転するローラ等であってもよい。
なお、図中、ゲート弁ケース36の床板38の上面と下ゲート弁体32bの下面とが離れて記載されているが、これは、当該面同士が押し付け合っていないことを模式的に示したものであって、相互に摺動してもよい。
【0039】
さらに、図3の(b)において、ゲート弁体32が前進限に近づくと、スライドブロック32cの前端面ホ(図中、左側面)がゲート弁ケース36の内壁ニに当接し、さらに、前進すると、スライドブロック32cは後方(図中、右方向)に押し戻される。すなわち、上ゲート弁体32aの下方に突出した台形状の部分は、斜面ヘ(スライドブロック32c)と斜面チ(下ゲート弁体32b)とによって挟まれて上方に押し出されることになる。
このとき、ゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とが近接し、真空封止手段50を挟圧するから、確実な真空封止ができる。
【0040】
図4は本発明の実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブに設置されるゲート弁体の押し付け機構の実施例2を説明する縦断面図であって、(a)はゲート弁体が押し付けられていない状態、(b)はゲート弁体が押し付けられている状態を示す。すなわち、図3におけるスライドブロック32cをゲート弁体連結棒34に設置したものである。なお、図1および図3と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
ゲート弁体32は、下方に台形状に突出した斜面イおよび斜面ハを有す上ゲート弁体32a、上方に突出した斜面ヌを有す下ゲート弁体32e、斜面オを有し且つゲート弁体連結棒34に設置されたスライドブロック32f、および引っ張りバネ32dによって形成されている。そして、上ゲート弁体32aと下ゲート弁体32eとは引っ張りバネ32dによって常時相互に引っ張り合っている。
【0041】
図4の(a)において、ゲート弁体32が前進限にないとき、上ゲート弁体32aの下方に突出した下面ロは下ゲート弁体32eの上面ルに当接して、真空封止手段50はゲート弁ケース封止面39から離隔しているから、ゲート弁体32が前進または後退する際、これらが摺動することがない。
このとき、上ゲート弁体32aの斜面イおよび斜面ハが、それぞれ下ゲート弁体32eの斜面ヌおよび斜面オに当接して、スライドブロック32fは後方(図中、右方向)に押し戻されている。
また、斜面ヌと斜面オ(斜面イと斜面ハ)とは同じ傾斜角度であるものに限定するものではなく、相違、すなわち、非対称であってもよく、一方が前後進方向に垂直な平面であってもよい。また、斜面イと斜面ヌ(斜面ハと斜面オ)とは共に傾斜面であるものに限定するものではなく、一方が回転するローラ等であってもよい。
なお、図中、ゲート弁ケース36の床板38の上面と下ゲート弁体32eの下面とが離れて記載されているが、これは、当該面同士が押し付け合っていないことを模式的に示したものであって、相互に摺動してもよい。
【0042】
さらに、図4の(b)において、ゲート弁体32が前進限に到達すると、下ゲート弁体32eの前端面リ(図中、左側面)がゲート弁ケース36の内壁ニに当接する。さらに、前進すると、スライドブロック32fは前方(図中、左方向)に押し込まれる。すなわち、上ゲート弁体32aの下方に突出した台形状の部分は、斜面オ(スライドブロック32f)と斜面ヌ(下ゲート弁体32e)とによって挟まれて上方に押し出されることになる。
このとき、ゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とが近接し、真空封止手段50を挟圧するから、確実な真空封止ができる。
【0043】
(粒体移送用真空バルブの動作)
図5は本発明の実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブの動作を説明する縦断面図である。かかる動作は図示しない制御手段によって制御されるものである。なお、図1および図2と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、フィード弁カバー60については並行線によって表示している。移送される粒体はマグネシウム合金を旋盤加工した際に発生する切削チップであって、概ね長さ7mmで断面が1mm角の略角柱状を呈している。該切削チップの表面には鋭い凹凸があるため流動性が悪い。
【0044】
(閉塞状態)
図5の(a)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20およびゲート弁式真空封止弁30の両方が閉まった状態である。
すなわち、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20のフィード弁体22が前進して、フィード弁体当接面21が漏斗当接面15に当接して、粒体移送口40を閉塞している。
また、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体32が前進限まで前進して、図示しない押し付け機構によって上方向に押し付けられ、真空封止手段50がゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とによって挟圧されている。すなわち、真空室10は真空封止されている。
【0045】
このとき、前進限センサLS1がフィード弁体22が前進限に到達したことを検知して前進を停止し、前進限センサLS3がゲート弁体32が前進限に到達したことを検知して前進を停止している。
なお、以上は、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体封止面31およびゲート弁ケース封止面39がゲート弁体32の前後進方向(水平面内)と平行であるが、本発明はこれに限定するものではなく、ゲート弁体封止面31およびゲート弁ケース封止面39がゲート弁体32の前後進方向に対して傾斜してもよい。このとき、前記押し付け機構を別途設けることなく、ゲート弁体が真空封止手段50を挟圧する。
【0046】
(真空解除状態)
図5の(b)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20が閉まり、一方、ゲート弁式真空封止弁30が真空封止を解除した状態である。
すなわち、粒体移送口40が閉塞された状態、すなわち、粒体が落下しない状態のまま、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体32が後退(図中、右方向に移動)し、後退限センサLS4がゲート弁体32が後進限に到達したことを検知して後退を停止している。よって、ゲート弁体32の移動中にゲート弁体封止面31(ゲート弁体32に同じ)や真空封止手段50の上に粒体が落下することがないから、当該部位が損傷することがないし、ゲート弁体32の後進に際し、ゲート弁ケース封止面39を損傷することがない。
また、仮に、ゲート弁ケース36の床板38の上面に粒体が付着した場合であっても、ゲート弁体封止面31がゲート弁体32の上面に設けられているから、かかる粒体によって真空封止手段50が損傷することがない。なお、ゲート弁体32の移動に際して、真空室10内は大気圧に戻されるからゲート弁体32が大気圧によって真空室10側に押し付けられることがない。
【0047】
(粒体落下状態)
図5の(c)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20およびゲート弁式真空封止弁30の両方が開いた状態である。
すなわち、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体32が後退して、上開口部41(真空封止口)および下開口部42から完全に退避した状態(図中、右方向に移動、後退限センサLS4が後退限にあることを検出している状態)で、フィード弁体22が後退して粒体移送口40が開かれている。
よって、落下する粒体がゲート弁体32に触れることがない。
【0048】
なお、フィード弁体当接面21が後退(図中、右方向に移動)を開始した直後は、粒体がフィード弁体当接面21に沿って斜め下方(図中、左下方向)に落下するため、フィード弁カバー60が粒体の落下軌跡を鉛直下方に案内している。また、上開口部41の内径および下開口部42の内径を粒体移送口40の内径に比較して十分大きく形成して、粒体が飛散した場合でも、ゲート弁ケース36に触れないようにしている。なお、フィード弁体当接面21が傾斜する方向(図中、左下方向)とは反対の方向にゲート弁体32を引き込むようにすれば、ゲート弁空間35内に落下する粒体が侵入するおそれがさらに減少する。
【0049】
その後、前記動作を逆に辿って、まず、フィード弁式粒体遮断弁20のフィード弁体22が前進して粒体移送口40を閉塞し(図5の(b))、その後、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体32が前進して真空封止口41を封止する(図5の(a))。
なお、フィード弁体22の動作の制御は、後退限にまで後退して所定の時間待機した後に再度前進するもの、真空室10内の粒体が全量落下したことを別途検出して該検出結果に基づいて再度前進するもの、あるいは、所定の距離だけ後退した後に再度前進するもの(後退限まで後退しない)等、真空室10の用途によって適宜選択できるものである。このとき、フィード弁体22の前後進速度、前後進加速度は適宜設定されるものである。
また、フィード弁体22およびゲート弁体32の位置検出は前進限センサLS1等の材料確認センサに限定するものではなく、距離センサ(マグネスケール(登録商標)等)であってもよい。
【0050】
(粒体移送口等の大きさ)
次に、真空室10の内径をb、粒体移送口40の内径をc、ゲート弁ケース36の上開口部41(真空封止口)の内径をd、下開口部42の内径をeとして、それらの寸法について説明する(図5の(b)参照)。
漏斗部14における出口の内径cの入口の内径bに対する絞り率c/bが1/3〜2/3の範囲が望ましい。絞り率c/bが1/3以下(出側がより小径)では粒体が詰まる(ブリッジする)おそれがある。2/3以上(出側が比較的大径)になるとフィード弁体22が大型になり、これに伴ってゲート弁式真空封止弁30も大型化することになる。
【0051】
粒体移送口40の内径cの真空封止口の内径dに対する割合c/dは2/3以下であることが望ましい。割合c/dが2/3以上では落下する粒体がゲート弁ケース36に触れるおそれがある。ただし、長いフィード弁カバー60が設置できる場合には、これによって落下する粒体が鉛直下方に案内されて飛散も防止されるから、割合c/dが2/3以上にすることができる。
さらに、上開口部41(真空封止口)の内径dを下開口部42の内径eよりも小さくしておけば、天井板37に衝突または付着した粒体が落下するような場合でも、該粒体が床板38の上面に落下しないからゲート弁空間35内に粒体が侵入することがない。よって、ゲート弁体32の前後進動作を円滑に維持することができる。
【0052】
(粒体移送用真空バルブの動作の制御)
図6および図7は、それぞれ本発明の実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブの動作の制御の一例を説明する単線結線図およびフローチャートである。図6および図7において、フィード弁式粒体遮断弁20のフィード弁体22による粒体移送口40の開通動作および閉塞動作をそれぞれ「FV開」および「FV閉」と、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体32による真空封止口41の開通動作および封止動作をそれぞれ「GV開」および「GV閉」と略記する。
また、フィード弁体22が前進限または後退限の位置にあることは、それぞれ「前進限センサLS1がON」または「後退限センサLS2がON]によって検出し、ゲート弁体32が前進限または後退限の位置にあることは、それぞれ「前進限センサLS3がON」または「後退限センサLS4がON]によって検出する。
【0053】
(単線結線図)
図6において、ローカルシーケンサの外部との信号の往来(I/O)にバルブ開閉指令、外部材料センサ信号およびエラー出力がある。
また、入力側(IN)には前進限センサLS1、後退限センサLS2、前退限センサLS3および後退限センサLS4が接続され、出力側(OUT)にはFV開およびFV閉のための電磁バルブの開閉指令、GV開およびGV閉のための電磁バルブの開閉指令が接続されている。
さらに、シーケンサ内部タイマーとして、フィード弁体22およびゲート弁体32の動作開始タイミングを規定して実際の動作を確認する(動作不調を検出する)ための動作開始タイマーと、フィード弁体22の動作保持時間を規定する動作保持タイマーが設定されている。
なお、図6は一例を示すものであって、ゲート弁体32の動作保持時間を規定する動作保持タイマーが追加される場合等、図示しない結線の場合がある。
【0054】
(フローチャート)
図7において、一連の動作は粒体移送用真空バルブを開く旨の「バルブ開信号」を受けることによってスタートし(S1)、まず、内部タイマーを設定する(S2)。
そして、GV開タイマーをスタートして(S3)、GV開指令を発する(S4)。
GVが開動作(後退動作)をして一定時間内に後退限センサLS4がONしたことを確認して(S5)、GVの開状態(後退限にある状態)を保持する(S6)。一方、LS4がONしない場合(後退していない場合、S5の2)、GVの動作が不調であると判断してエラーを表示する(S5の3)。
【0055】
つぎに、GVが開いた状態で、FV開タイマーをスタートして(S7)、FVの開指令を発する(S8)。
FVが開動作(後退動作)をして一定時間内に後退限センサLS2がONしたことを確認して(S9)、GVの開状態(後退限にある状態)を保持するためFV開保持タイマーをスタートする(S10)。一方、LS2がONしない場合(後退していない場合、S9の2)、FVの動作が不調であると判断してエラーを表示する(S9の3)。
【0056】
やがて、FV開状態が所定に時間経過したところで(保持タイマーがタイムアップしたところで、S11)、 FV閉タイマーをスタートして(S12)FVの閉指令を発する(S13)。
FVが閉動作(前進動作)をして一定時間内に前進限センサLS1がONしたことを確認したら(S14)、GV閉タイマーをスタートして(S15)、GVの閉指令を発する(S16)。 一方、LS1がONしない場合(前進していない場合、S14の2)、FVの動作が不調であると判断してエラーを表示する(S14の3)。
【0057】
そして、GVが前進限に到達して前退限センサLS3がONしたことを確認して(S17)一連の動作を終了する(S18)。一方、LS3がONしない場合(前進していない場合、S17の2)、GVの動作が不調であると判断してエラーを表示する(S17の3)。
以上より、図5に示す動作が実現されることになる。
【0058】
[実施の形態2]
(フィード弁式粒体遮断弁とボール弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブ)
図8は本発明の実施の形態2に係る粒体移送用真空バルブを説明する縦断面図である。図8において、200は粒体移送用真空バルブ、10は真空室、20はフィード弁式粒体遮断弁(以下、フィード弁と称する場合がある)、70はボール弁式真空封止弁である。なお、実施の形態1(図1および図2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、真空室10がボール式真空封止弁70の下方に配置、すなわち、真空室10の天井部に粒体移送用真空バルブ200が設置されてもよい。
【0059】
(ボール弁式真空封止弁)
ボール弁式真空封止弁70は、ボール弁体72と、ボール弁体72を水平軸中心に回動させるボール弁体回動手段73(油圧モータ等)と、ボール弁体72とボール弁体回動手段73とを連結するボール弁体回動軸74と、ボール弁ケース76とを有している。
また、ボール弁体72の外面は球面状のボール弁体封止面71を形成し、中心を貫通するボール弁体貫通孔43が設けられている。
【0060】
ボール弁ケース76の内部にはボール弁体72を収容する略球状のボール弁空間75が設けられ、外部にはボール弁体回動手段73が設置されている。また、ボール弁ケース76の上部および下部は開口し、それぞれ略球状のボール弁空間75に連通した上開口部41(真空封止口に同じ)および下開口部42が形成され、さらに、ボール弁空間75の内面の所定の範囲が、真空封止のためのボールケース封止面79を形成している。
そして、ボール弁体封止面71またはボールケース封止面79の一方または両方に真空封止手段50(Oリング等)が設置される。そして、かかる設置される面には真空封止手段50(Oリング等)の設置を容易且つ確実にするための溝が設けられている。なお、該溝の部分を含んでボール弁体封止面71またはボールケース封止面79と称す。
【0061】
したがって、真空封止手段50の全周がボール弁体封止面71とボールケース封止面79とによって挟圧されたとき、真空室10は真空封止され(図8に示す状態)、ボール弁体72が回動してボール弁体貫通孔43が開口部41および下開口部42に連通した時には、真空封止口41が開通され且つボール弁体貫通孔43内を粒体が落下自在になる。
【0062】
(粒体移送用真空バルブの動作)
図9は本発明の実施の形態2に係る粒体移送用真空バルブの動作を説明する縦断面図である。かかる動作は図示しない制御手段によって制御されるものであって、実施の形態1に準じるため(図5参照)、一部の説明を省略する。なお、図8と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0063】
(閉塞状態)
図9の(a)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20およびボール弁式真空封止弁70の両方が閉まった状態である。
また、ボール弁式真空封止弁70のボール弁体72のボール弁体貫通孔43が略水平方向を向き、水平姿勢センサLS5(図示しない)がボール弁体貫通孔43が水平姿勢になっていることを検知している。
このとき、真空封止手段50の全周がボール弁体封止面71とボールケース封止面79とによって挟圧され、真空室10は真空封止されている(図8に示す状態に同じ)。
【0064】
(真空解除状態)
図9の(b)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20が閉まり、一方、ボール弁式真空封止弁70が真空封止を解除した状態である。
すなわち、粒体移送口40が閉塞された状態、すなわち、粒体が落下しない状態のまま、ボール弁式真空封止弁70のボール弁体72が回動(図中、水平軸を中心に回動)して、ボール弁体貫通孔43が鉛直姿勢で停止している。このとき、鉛直姿勢センサLS6(図示しない)はボール弁体貫通孔43が鉛直姿勢になっていることを検知して回動を停止している。
よって、ボール弁体72が回動している間、ボール弁体封止面71(ボール弁体72の外周面に同じ)に粒体が落下することがないから、真空封止手段50、ボール弁体封止面71およびボールケース封止面79が損傷することがない。
なお、ボール弁体72が回動している途中で、真空封止手段50の周方向の一部がボール弁体封止面71から離隔するものの、全周が離隔することはない。また、真空解除状態において、真空封止手段50の全周がボール弁体封止面71とボールケース封止面79とによって挟圧されている。
【0065】
(粒体落下状態)
図9の(c)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20およびボール弁式真空封止弁70の両方が開いた状態である。すなわち、ボール弁式真空封止弁70のボール弁体貫通孔43が鉛直姿勢になった(図中、上開口部41とボール弁体貫通孔43と下開口部42が一直線上に並んだ)状態で、粒体移送口40が開かれている。
よって、粒体移送口40から落下する粒体がボール弁体72に触れることがない。
その後、前記動作を逆に辿って、まず、フィード弁式粒体遮断弁20のフィード弁体22が前進して粒体移送口40を閉塞し(図9の(b))、その後、ボール弁式真空封止弁70のボール弁体貫通孔43が水平姿勢になって真空封止口41を封止する(図5の(a))。
以上より、ボール弁式真空封止弁70によって実施の形態1と同様の効果が得られる。また、ボール弁式真空封止弁70の方がゲート弁式真空封止弁30よりも安価に製造することができる。
【0066】
さらに、上開口部41(真空封止口)の内径dと、ボール弁体72のボール弁体貫通孔43の内径fと、下開口部42の内径eにおいて、下方になる程大きくなるようにしておけば(d<f<e)、ボール弁ケース76に衝突または付着した粒体が落下するような場合でも、ボール弁体封止面71に粒体が付着することがない。また、ボール弁体貫通孔43に衝突または付着した粒体が落下するような場合でも、ボール弁空間75の内面に粒体が付着することがない。よって、真空封止手段50の損傷が防止できるからより確実且つより長期間の真空封止が可能になる。
【0067】
[実施の形態3]
(スイング弁式粒体遮断弁とロータリ弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブ)
図10は本発明の実施の形態3に係る粒体移送用真空バルブを一部断面にして示す斜視図である。図10において、300は粒体移送用真空バルブ、10は真空室、80はスイング弁式粒体遮断弁(以下、スイング弁と称する場合がある)、90はロータリ弁式真空封止弁(以下、ロータリ弁と称する場合がある)である。なお、実施の形態1(図1および図2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0068】
(スイング弁式粒体遮断弁)
スイング弁式粒体遮断弁80は、スイング弁体当接面81を具備するスイング弁体82と、スイング弁体82を水平回転軸84(図中、X軸に平行)を中心
にして回転させる図示しないスイング弁回転手段とを有している。
スイング弁体82が略垂直に垂れ下がったとき(図中、XZ面に略平行)、粒体移送口40の全域を開通し、一方、スイング弁体82が案内部傾斜角φ(図1参照)になるまで上方向に回転(図中、時計回りに回転)したとき、スイング弁体当接面81が漏斗当接面15に当接して粒体移送口40を閉塞する。
かかる回転の際、粒体はスイング弁体当接面81に沿って落下するから、スイング弁体当接面81と漏斗当接面15の隙間に挟まれることがない。
また、スイング弁体82が所定の角度だけ回転した際、スイング弁体当接面81と漏斗当接面15との間に所定の隙間が生じるから、該隙間から所定の量の粒体が落下することになる。
【0069】
(ロータリ弁式真空封止弁)
ロータリ弁式真空封止弁90は水平面内で旋回する(図中、Z軸を旋回中心とする)ものであって、水平面内で前後進するゲート弁式真空封止弁30(実施の形態1)と移動要領が相違している。
ロータリ弁式真空封止弁90は、ロータリ弁体封止面91を具備するロータリ弁体92と、ロータリ弁体92を旋回させる図示しないロータリ弁体旋回手段(油圧モータ等)と、ロータリ弁体92とロータリ弁体旋回手段とを連結するロータリ弁体旋回軸94と、ロータリ弁ケース96とを有している。
ロータリ弁ケース96の天井板97には上開口部41が、床板98には下開口部42(図示しない)がそれぞれ鉛直方向で略同一の位相になるように穿設され、天井板97と床板98との間の空間に上開口部41(下開口部42に同じ)から退避したロータリ弁体92が収容されるロータリ弁空間95が形成されている。
そして、天井板97の下面で上開口部41の周囲に真空封止のためのロータリ弁ケース封止面99が形成されている。なお、ロータリ弁ケース封止面99に包囲された上開口部41を真空封止口と称す。
【0070】
ロータリ弁体92は扇型または半円型平板であって、平面視の一方側にスイング弁カバー65の外径よりも大きな内径のロータリ弁体貫通孔44が穿設され、他方側にロータリ弁体封止面91が形成され、ロータリ弁体封止面91に真空封止手段50(Oリング等)が設置されている(実施の形態1に準じる)。
したがって、ロータリ弁体92が旋回して、ロータリ弁体貫通孔44が上開口部41と同一の位相になったとき(図10に示す状態)、粒体移送口40、上開口部41(真空封止口に同じ)、ロータリ弁体貫通孔44および下開口部42が鉛直方向で一直線状に並ぶため、粒体はこの間を通過して落下することになる。一方、ロータリ弁体92が旋回して、ロータリ弁体封止面91が上開口部41(真空封止口に同じ)と同一の位相になったとき、ロータリ弁体92は図示しない押し付け手段によって持ち上げられ、真空封止手段50がロータリ弁体封止面91とロータリ弁ケース封止面99とによって挟圧されるから、真空室10は真空封止される。
なお、粒体移送口40、前記上開口部、ロータリ弁体貫通孔44および前記下開口部の大きさは実施の形態1に準じて設定されるものである。
【0071】
(スイング弁カバー)
スイング弁体82および粒体移送口40を収容する平面視略馬蹄形の筒状のスイング弁カバー65が設けられ、スイング弁カバー65の側面には水平回転軸84が貫通する図示しない貫通孔が設けられている。そして、スイング弁カバー65の下端面67はロータリ弁式真空封止弁90のロータリ弁体92または真空封止手段50に接触しない位置にまで下方に延長されている。すなわち、ロータリ弁ケース96の上開口部41(真空封止口)の中に侵入している。
したがって、粒体移送口40が開いた際、粒体はスイング弁体当接面81に沿って斜め下方(図中、左下方向)に偏って落下するため、スイング弁カバー65がこれを受け止めて落下方向を鉛直下方に案内するとともに、飛散を防止している。したがって、粒体がロータリ弁体92に付着することがない。
なお、スイング弁カバー65を形成する材質は金属板、ゴム板等を適宜選択することができる。たとえば、密度が低く飛散し易い粒体(樹脂粒、切削チップ等)に対してはゴム板を使用して跳ね返りを抑え、一方、重量が大きく硬さの高い粒体に対しては強度の高い金属板(たとえば、ステンレス鋼板等)を使用して摩耗を防ぐことが好ましい。
【0072】
(その他の態様)
本発明の粒体移送用真空バルブは、スイング弁式粒体遮断弁とロータリ弁式真空封止弁とを具備するものに限定するものではなく、スイング弁式粒体遮断弁(実施の形態3)とゲート弁式真空封止弁(実施の形態1)またはボール弁式真空封止弁(実施の形態2)とを具備するもの、あるいは、フィード弁式粒体遮断弁(実施の形態1または2)とロータリ弁式真空封止弁(実施の形態3)とを具備するものであってもよい。
【0073】
[実施の形態4]
(粒体移送用真空バルブを設置した真空室)
図11は本発明の実施の形態4に係る粒体移送用真空バルブを設置した真空室を説明する縦断面図である。図11において、1は粒体移送用真空バルブを設置した真空室、410は第一室、510は第二室(真空室)、610は第三室、400は第二室510の天井部に気密的に設置された上粒体移送用真空バルブ、500は第二室510の床部に気密的に設置された下粒体移送用真空バルブである。
なお、上粒体移送用真空バルブ400および下粒体移送用真空バルブ500はいずれも実施の形態1に示す粒体移送用真空バルブ100に同じであるため、実施の形態1と同じ部分には下二桁に同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0074】
(第一室)
第一室410は第二室510(真空室)に供給する粒体を一時ストックする大気圧の環境にあるホッパーであって、その上部に設置された図示しないスクリューコンベアによって粒体が搬送されて来るものである。
また、粒体はマグネシウム合金を旋盤加工した際に切削チップであるが、本発明はこれに限定するものではなく、その他の金属、合金または樹脂類の切削チップ、粉砕粉や噴霧粉(アトマイズ粉末)等であってもよい。
【0075】
(第二室)
第二室510は、粒体(マグネシウム合金切削チップ)を真空乾燥するための真空室であって、上粒体移送用真空バルブ400のゲート弁体432および下粒体移送用真空バルブ500のゲート弁体532によって真空封止される。すなわち、第二室510と、上粒体移送用真空バルブ400のゲート弁体空間435と、下粒体移送用真空バルブ500のフィード弁空間525とがまとめて真空封止されるものである。
また、内部に収容した粒体を乾燥処理するために、内部に不活性ガスを注入するガス注入管701と、内部のガスを排出するガス排出管702が設置されている。
なお、第二室510は粒体を真空乾燥するためのものに限定するものではなく、第二室510において何れの処理がされてもよい(たとえば、多孔質の粒体に所定の液体または気体を吸着する処理等)。
さらに、第二室510は減圧されるチャンバーの他に、大気圧または大気圧以上の状態で気密的に封止されるチャンバーであってもよい。
【0076】
(第三室)
第三室610は、下端部が粒体を射出成型する図示しない射出成型機の加熱室(スクリュー室)に気密的に連結されている。したがって、第二室510において、真空乾燥された粒体を大気に触れることなく該加熱室に供給することができるものである。
なお、本発明はこれに限定するものではなく、第三室610が何れの装置に連結されてもよく、また、第三室610が撤去されてもよい。
【0077】
(各部位の動作)
図12は、図11に示す第二室(真空室)における各部位の動作を説明する模式図である。図12において、上粒体移送用真空バルブ400のフィード弁式粒体遮断弁420式のフィード弁体422をFV1と、ゲート弁式真空封止弁430のゲート弁体のゲート弁体432をGV1と称する。また、下粒体移送用真空バルブ500のフィード弁式粒体遮断弁520式のフィード弁体522をFV2と、ゲート弁式真空封止弁530のゲート弁体532をGV2と称する。
【0078】
まず、FV1、GV1、FV2およびGV2の全てが閉の状態において、図示しないスクリューコンベアによって一定量の粒体を第一室410内に投入する(S1)。
次に、FV2およびGV2が閉状態(第二室510は大気圧の状態)において、GV1を開き第二室を大気環境にする。このとき、直上のFV1が閉じているから、GV1に粒体が付着することがない(S2)。
そして、GV1が開き切ったところで、FV1を開き粒体を第二室510に搬入する。このとき、GV1は粒体の落下経路(落下軌跡)から退避しているから、GV1に粒体が付着することがない(S3)。
次に、FV1を先に閉じて(S4)、その後にGV1を閉じる。このとき、FV1を閉じた後で(粒体が落下しない状態)GV1が前進するから、GV1に粒体が付着することがない(S5)。
【0079】
FV1、GV1、FV2およびGV2の全てが閉の状態になったところ、すなわち、第二室が真空封止(気密的に封止された状態)で、第二室510において、収容した粒体の真空乾燥処理をする。すなわち、第二室510内の空気を排出してアルゴン等の不活性ガスを注入する。このとき、かかる排気および注気作業を複数回繰り返して乾燥を促進してもよい。また、第二室510を加熱してもよい(S5)。
【0080】
前記真空乾燥処理が終了したところで、粒体を第三室610に搬出する。すなわち、まず、第二室510に不活性ガスを注入して略大気圧になった状態でGV2を開いて第二室と第三室(略大気圧に維持されている)とを連通する(S6)。そして、GV2が開き切ったところで、FV2を開き粒体を第三室610に搬出する(S7)。次に、FV2を先に閉じてから(S8)その後にGV2を閉じる(S9)。したがって、GV1と同様にGV2に粒体が付着することがない。
【0081】
以上より、GV1およびGV2の円滑な動きと、第二室(真空室)510の確実な真空封止が保証される。また、GV1およびGV2が同時に開くことがないから、第三室610が大気に曝されることがないため、第三室610に収容された粒体(真空処理済み)が再度大気に触れることがなく、また、図示しない射出成型機の加熱室内に大気が侵入することがない。よって、高品質の射出成型品を得ることができる。
さらに、GV1およびGV2が図示しない押し付け機構によって、それぞれゲート弁ケース封止面439およびゲート弁ケース封止面539に押し付けられているから、前記アルゴン等の不活性ガスの注入によって第二室510が正圧に加圧されても該不活性ガスが流逸することがない。
【0082】
また、上粒体移送用真空バルブ400において、ゲート弁体432の下面にゲート弁体封止面431を配置して、床板438の上面にゲート弁ケース封止面439を配置(すなわち、真空封止手段450を弁体に対して真空室側に配置)してもよい。このとき、第二室510の減圧に際して大気圧によって、ゲート弁体432、521の両方が第二室510側に押されるから、真空封止手段450、550による封止がより確実になる。
一方、第二室510は真空室に限定するものではなく、加圧室に使用してもよい。このとき、封止手段(真空封止手段に相当)を第二室510の反対側に配置すれば、内圧によって該封止手段が押し付けられて封止がより確実になる。
【0083】
さらに、上粒体移送用真空バルブ400および下粒体移送用真空バルブ500は実施の形態1に示す粒体移送用真空バルブ100に限定するものではなく、実施の形態2または3に示す粒体移送用真空バルブ200または300のいずれを設置してもよい。
また、上粒体移送用真空バルブ400および下粒体移送用真空バルブ500が相違する型式であってもよい。すなわち、フィード弁式またはスイング弁式の一方の粒体遮断弁と、ゲート弁式またはボール弁式またはロータリ弁式の何れかの真空封止弁とをそれぞれ任意に組み合わせて設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブを説明する縦断面図。
【図2】図1の一部を断面にして示す斜視図。
【図3】ゲート弁体の押し付け機構の実施例1を説明する縦断面図。
【図4】ゲート弁体の押し付け機構の実施例2を説明する縦断面図。
【図5】図1に示す粒体移送用真空バルブの動作を説明する縦断面図。
【図6】図1に示す粒体移送用真空バルブの制御のための単線結線図。
【図7】図1に示す粒体移送用真空バルブの動作のフローチャート。
【図8】実施の形態2に係る粒体移送用真空バルブを説明する縦断面図。
【図9】図8に示す粒体移送用真空バルブの動作を説明する縦断面図。
【図10】実施の形態3に係る粒体移送用真空バルブを示す一部断面斜視図。
【図11】実施の形態4に係る真空室を説明する縦断面図。
【図12】図11に示す真空室における各部位の動作を説明する模式図。
【図13】従来の粒体移送用真空バルブを示す側断面図である。
【符号の説明】
1 真空室、10 真空室、14 漏斗、15 漏斗当接面、20 フィード弁式粒体遮断弁、21 フィード弁体当接面、22 フィード弁体、30 ゲート弁式真空封止弁、31 ゲート弁体封止面、32 ゲート弁体、39 ゲート弁ケース封止面、40 粒体移送口、41 上開口部(真空封止口に同じ)、42 下開口部、50真空封止手段、60 フィード弁カバー、65 スイング弁カバー、70 ボール弁式真空封止弁、71 ボール弁体封止面、 72 ボール弁体、79 ボール弁ケース封止面、80 スイング弁式粒体遮断弁、81 スイング弁体当接面、82 スイング弁体、89 スイング弁体封止面、90 ロータリ弁式真空封止弁、91 ロータリ弁体封止面、92 ロータリ弁体、99 ロータリ弁ケース封止面、100 粒体移送用真空バルブ、200 粒体移送用真空バルブ、300 粒体移送用真空バルブ、400 粒体移送用真空バルブ、500 粒体移送用真空バルブ、510 第二室、θ 上案内角、φ 漏斗当接角
【発明の属する技術分野】
本発明は粒体移送用真空バルブおよびこれを具備する真空室、特に、真空室の開口部に設置されてこれを開通または閉塞し且つ真空室を真空封止する、合金等の切削チップの移送および離隔に好適な、粒体移送用真空バルブおよびこれを具備する真空室に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粒体(切削チップ、破砕小片、線材の短尺切断片等を含む)を真空処理または真空保管する真空室の開口部に設置される扉は、真空室を真空封止する機能と共に、粒体を真空室に移送したり真空室から排出したり、すなわち、開口部を粒体通過可能に開通および粒体通過不能に閉塞する機能を具備している。そして、かかる機能を一枚の扉で実施しようとすると、扉に付着した粒体が真空封止手段(Oリング等のシール材)を損傷して気密性が維持できないという問題点があった。
そこで、真空室の開口部を真空封止する機能を具備する弁体(以下、真空封止される位置を真空封止口と称し、真空封止口を真空封止する弁を真空封止弁と称す)と、開口部を粒体通過可能に開通および粒体通過不能に閉塞する機能を具備する弁体(以下、粒体が閉塞される位置を粒体移送口と称し、粒体移送口を閉塞す弁を粒体遮蔽弁と称す)との複数の弁体から構成された粒体移送用真空バルブが提案されている。
【0003】
図13は従来の粒体移送用真空バルブを示す側断面図である。図13において、骨材919(粒体に相当)を収容した真空槽本体902の下端部がシュート903、904によって縮径され、シュート904の下端部(粒体移送口に同じ)に閉止ダンパ908が設置され、閉止ダンパ908の上流にダンパプレート905が設けられている。よって、閉止ダンパ908およびダンパプレート905が骨材919の排出量の規制および排出の完全停止の役目を果たしている。
さらに、真空槽本体902の下端部には、閉止ダンパ908を収容する真空弁箱911が設けられ、真空弁箱911の下部開口部(真空封止口に同じ)が弁板913によって真空封止されるものである。
【0004】
このとき、前記粒体移送口の大きさが真空封止口の大きさより十分小さいため、落下する骨材919が該真空封止口の周囲(真空弁箱911の下部開口部近傍)に接することがない。
したがって、弁板913を開いた後で閉止ダンパ908を開いて骨材919を落下させ、一方、閉止ダンパ908を閉じた後で弁板913を閉じるから、弁体913は骨材919が落下していない時間帯に限って開閉動作をすることになる。よって、弁体913に骨材919が触れることがないから、骨材919の付着を原因とする真空封止効果の低下が防止されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−49954号公報(第2−4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の粒体移送用真空バルブは、閉止ダンパ908が水平な軸909を中心に鉛直面内で回転する円弧状板であるから、また、ダンパプレート905が水平面内で移動(前後進)する平板であるから、以下のような問題点があった。
▲1▼粒体移送用真空バルブがダンパプレート905と閉止ダンパ908と弁体913の合計3枚の弁によって構成されるため構造が複雑になる。
▲2▼閉止ダンパ908が回転して粒体移送口が除々に開通していく際、落下する骨材919は斜め下方向(図中、片矢印で示す左下方向)に落下するため、真空弁箱911の下部開口部(真空封止口に同じ)に骨材919が衝突して付着し、真空封止不良が生じるおそれがある。
▲3▼また、該骨材919の衝突を防止しようとすると、真空封止口が大径化し、真空弁箱911および弁板913が大型になる。
▲4▼さらに、閉止ダンパ908が骨材919を受け止めたまま時計回りの方向に回転するため、受け止められた骨材919は、閉止ダンパ908とシュータ904との隙間(図中、シュータ904の左側下端部P)に挟まって、閉止ダンパ908が回転不能を生じるおそれがある。
▲5▼ダンパプレート905が水平移動(図中、右側に後退)する際、ダンパプレート905に骨材919が乗ったまま収納ケース906内に引き込まれるため、ダンパプレート905と収納ケース906との隙間(図中、収納ケース906の左端部Q)に挟まって、ダンパプレート905の水平移動が不能になるおそれがある。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、粒体移送口を開通および閉塞する弁体の円滑な動作を保証すると共に、真空封止口を封止する弁体への粒体の付着を最少に抑えて、確実な真空封止を可能とする簡単な構造の粒体移送用真空バルブおよびこれを設置した真空室を得ることを目的とする。
なお、本発明における真空室とは文字通り減圧されるチャンバーの他に、大気圧または大気圧以上の状態で気密的に封止されるチャンバーを含むものであって、真空封止弁とは文字通り真空封止する弁の他に、かかるチャンバーの開口部を気密的に封止する弁を含むものである。さらに、粒体とは文字通り小さな塊まりである粒(つぶ)に限定するものではなく、小面積の板片、短い棒片、異形の切削屑や破砕片等を含むものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粒体移送用真空バルブは、真空室の開口部を開閉し且つ真空封止する粒体移送用真空バルブであって、
前記開口部を粒体が落下不能なように閉塞し且つ落下可能なように開通する粒体遮断弁と、
該粒体遮断弁の鉛直下方に設置され、前記開口部を真空封止し且つ粒体が落下可能なように開通する真空封止弁とを有し、
前記粒体遮断弁によって開通された範囲が前記真空封止弁によって開通された範囲より小さく、
前記粒体遮断弁が開口部を閉塞した状態において、前記真空封止弁が開口部を真空封止する動作または開通する動作をするとともに、
前記真空封止弁が開口部を開通した状態において、前記粒体遮断弁が開口部を閉塞する動作または開通する動作をする。
これによると、粒体移送用真空バルブが粒体遮断弁と真空封止弁との2枚の弁によって構成されるから、前者は粒体の投下に特化し、後者は真空封止に特化することができる。
さらに、粒体遮断弁が開口部を閉塞して粒体が落下不能な時間帯に限って、真空封止弁が真空封止する動作または開通する動作をするから、動作中の真空封止弁の弁体に粒体が衝突することがない。
また、真空封止弁が開口部を開通して、開口部から退避した(開口部内に真空封止弁の弁体が存在しない)時間帯に限って、粒体遮断弁が開口部を開通して粒体を落下させるから、落下する粒体が真空封止弁の弁体に衝突することがない。さらに、粒体遮断弁が開通した開口部(以下、粒体移送口と称する)の大きさが、真空封止弁が開通した開口部(以下、真空封止口と称する)の大きさより小さいから、すなわち、平面視において粒体移送口が真空封止口の内部に取り込まれるから、粒体移送口から落下する粒体が、真空封止口の周囲に衝突することがない。
よって、落下する粒体が真空封止弁の弁体または弁体ケースに衝突したり、付着したりしないから、弁体は円滑な真空封止動作または開通動作をするとともに、確実な真空封止(シール)を可能にする。
なお、粒体移送口の内径を真空封止弁の有効径の2/3以下にして、粒体遮断弁と真空封止弁とを近接して配置しておけば、落下する粒体の弁体への衝突、付着がより確実に防止できる。
【0009】
また、前記開口部に上方に向かって開いた上案内部が設けられてなることが好ましい。
これによると、前記粒体移送口が上案内部(下方に向かって閉じている)の下端によって形成されるから、粒体移送口の大きさ小さくすることができる。
たとえば、筒状の真空室の底部に粒体移送用バルブを設置する場合、真空室の底面を円錐台状に形成した上案内部としたり、真空室の底面の上(真空室内)に漏斗状の上案内部を配置したりすれば、粒体移送口の大きさを小さくすることができる。また、真空室の天井に粒体移送用バルブを設置する場合、該天井の上(真空室外)に粒体を受け入れる受け入れホッパーを配置して、該受け入れホッパーの底面を円錐台状に形成した上案内部にすれば、粒体移送口の大きさを小さくすることができる。
【0010】
なお、前記上案内部のテーパ角度が40°〜140°でなることが好ましい。これによれば、上案内部が上方に向かってテーパ角度が40°〜140°で開いている、つまり、鉛直方向に対して片側20〜70°の角度で傾斜しているから、粒体が該傾斜面を円滑に滑落する。すなわち、テーパ角度が40°以下(片側20°以下の急な傾斜)の場合、上案内部の高さが高くなり粒体移送用真空バルブが大型化することになる。一方、テーパ角度が140°以上(片側70°以上の緩やかな傾斜)の場合、粒体が上案内部の下端(斜面の終端、粒体移送口に同じ)で詰まりを生じる(いわゆるブリッジまたはブリッジングを生じる)。
特に、前記上案内部のテーパ角度を60°〜120°の範囲にしておけば、粒体移送用真空バルブの高さが極端に高くならず、しかも粒体の性状に比較的左右されなることなく、粒体が円滑に滑落して詰まりが生じ難くなる。
【0011】
さらに、前記上案内部の下端に筒状の下案内部が設けられてなることが好ましい。
これによれば、粒体移送口が筒状の下案内部の下端によって形成され、上案内部と下案内部とによって漏斗状の案内部が形成される。よって、上案内部に沿って移送された粒体がさらに下案内部に案内されるから、粒体が周囲に飛散することがない。
したがって、真空遮断弁の弁体または弁体ケースへの粒体の衝突がより確実に防止できるから、粒体が弁体または弁体ケースに付着しないため、弁体は円滑な真空封止動作または開通動作をするとともに、確実に真空封止する。
また、開口部の上案内部と真空遮断弁の弁体とを近接して配置することができない場合であっても、両者の間に下案内部(漏斗の下部)が配置されるから、粒体の周囲への飛散が防止される。さらに、下案内部の下端(粒体移送口)を弁体に直接当接自在にして、該当接によって粒体移送口が閉塞されるようにすれば、粒体遮断弁の機構が簡素になる。
なお、下案内部は全長が等径の管または上方が大径化したテーパ管等であって、断面形状は円形に限定するものではない。たとえば、上部が断面円形で下部が断面矩形であってもよい。
【0012】
さらに、前記粒体遮断弁が前後進自在なフィード弁であって、その弁体が鉛直方向に対して所定の当接角度で傾斜した弁体当接面を具備し、
前記上案内部の下端面または下案内部の下端面が、鉛直方向に対して前記当接角度で傾斜した漏斗当接面を具備し、
前記弁体が前進した際、前記弁体当接面が漏斗当接面に当接して粒体の落下を不能にすることが好ましい。
これによれば、粒体遮断弁の弁体の移動機構および粒体移送口(漏斗当接面によって包囲された範囲に同じ)の閉塞機構が簡素であるから、該弁体が円滑な閉塞動作または開通動作をする。また、弁体当接面が傾斜した傾斜面を形成するから、弁体当接面に粒体が滞留することがないため、粒体は停留することなく落下する。よって、閉塞する際(漏斗当接面に弁体当接面が当接する際)粒体を挟むことがなく、確実な閉塞が可能になる。
特に、下案内部を設置した場合には、上案内部の傾き(前記テーパ角度の1/2)と弁体当接面の傾きを同一にしたり後者の方を大きく(急な傾斜に)したりすることができるから粒体の落下はさらに確実になる。また、弁体が所定の距離だけ移動(後退)した時、弁体と漏斗当接面との間に所定の隙間が形成されるから、該隙間の大きさに応じた量の粒体が落下する。
さらに、フィード弁の弁体の前後進方向は水平方向に限定するものではなく、水平方向に対して所定の角度だけ傾斜してもよい。
【0013】
さらに、前記粒体遮断弁が水平方向に設けられた回動軸を中心に鉛直面内で回動自在な弁体を具備するスイング弁であって、
前記上案内部の下端面または下案内部の下端面が、鉛直方向に対して所定の当接角度で傾斜した漏斗当接面を具備し、
前記弁体が回動した際、前記漏斗当接面に当接して粒体の落下を不能にする弁体当接面を具備することが好ましい。
これによれば、スイング弁の弁体(上縁部に回動軸が設置されている)が下方向に垂れ下がった時に、粒体移送口(漏斗当接面によって包囲された範囲に同じ)が全開し、その弁体が上方向(垂直から水平になる方向に)に回動して弁体当接面が漏斗当接面に当接して、粒体移送口の全域を閉塞するから、粒体の落下を不能にする。また、この状態から弁体が所定の角度だけ下方向に回動した時、弁体当接面と漏斗当接面との間に所定の隙間が形成されるから、該隙間の大きさに応じた量の粒体が落下する。このとき、漏斗当接面を滑らかな平面に(弁体を平板によって形成)しておけば、粒体は漏斗当接面に停留することなく滑落する。
【0014】
さらに、前記当接角度が30〜60°でなることが好ましい。
これによれば、漏斗当接面が鉛直方向に対して30〜60°の角度で傾斜しているから、これに当接する弁体当接部の大きさを抑えることができ、フィード弁の弁体の高さ、あるいはスイング弁の弁体の長さを抑えることができる。
すなわち、フィード弁の場合、当接角度が30°以下(急な傾斜)であると、弁体の高さが高くなりフィード弁が大型になる。一方、当接角度が60°以上(緩やかな傾斜)であると、弁体当接面に粒体が停留(落下不良)することがあり、弁体の作動不良または閉塞不良が起こるおそれがある。そして、前記停留が起こると、弁体が前進した際、漏斗当接面と弁体当接面との間に粒体が挟まれて完全な閉塞ができなくなる。このため、弁体が前進を停止した後になって該粒体が落下するおそれが生じる。また、弁体の閉塞を確認する信号に基づいて真空封止弁の動作を制御するから、かかる一連の動作の進行が停止することになる。
また、スイング弁の場合、当接角度が30°以下(急な傾斜)であると、弁体が長くなるとともに、弁体のわずかの回転で粒体の落下量が大きく変化する。一方、当接角度が60°以上(緩やかな傾斜)であると、弁体が回動して漏斗当接面に当接する前に粒体が落下しなくなる(停留する)ため、該粒体を弁体当接面と漏斗当接面との間に挟み込み、弁体が回動を停止した後になって該粒体が真空封止弁の上に落下するおそれが生じる。また、弁体の閉塞を確認する信号に基づいて真空封止弁の動作を制御するから、かかる一連の動作の進行が停止することになる。
【0015】
さらに、前記上案内部の下端面または下案内部の下端面を包囲して鉛直下方に設けられた筒状の粒体遮断弁カバーを有することが好ましい。
これによれば、粒体移送口(前記上案内部の下端面によって包囲されている範囲または下案内部の下端面によって包囲されている範囲)から落下する粒体が粒体遮断弁カバーに案内されて周囲に飛散しないから、真空封止弁の弁体または弁体ケース(真空封止口の周囲に同じ)に衝突することがない。よって、粒体が真空封止弁の弁体または弁体ケースに付着しないから、弁体は円滑な真空封止動作または開通動作をするとともに、確実な真空封止を可能にし、さらに、真空封止手段(Oリング等)の損傷を防止する。
特に、フィード弁の弁体が傾斜した斜面を具備し、あるいはスイング弁の弁体が傾斜した斜面を形成するから、開通開始直後や閉塞完了直前に該斜面によって粒体が斜め下方に落下するため、粒体遮断弁カバーは該斜め方向の落下を防止するという顕著な効果を奏する。
また、粒体遮断弁と真空封止弁とが鉛直方向で離れている(粒体遮断弁の弁体と真空封止弁の弁体とが離れているに同じ)場合でも、粒体遮断弁カバーの下端部を真空封止弁の弁体の動作範囲の直近にまで延長することができるから、前記飛散防止効果を確実に得ることができる。
なお、フィード弁に設置される粒体遮断弁カバーにはフィード弁の弁体が進退自在なように開口部が側面に設けられている。また、スイング弁に設置される粒体遮断弁カバーには回動軸が貫通するための貫通孔が側面に設けられている。
また、粒体遮断弁カバーの平面形状は円形、矩形、あるいは略半円形(馬蹄形)等いずれの形状であってもよい。また、側面形状は矩形、台形、あるいは三角形(たとえば、粒体の落下方向側を長くする)等いずれの形状であってもよい。
【0016】
さらに、前記粒体が金属または合金を切削加工または穿孔加工した際に発生する切削チップまたは穿孔チップであることを特徴とすることがことが好ましい。これによれば、流動性の悪い金属または合金の切削チップまたは穿孔チップ(以下、切削チップと総称する)であっても、円滑に落下するとともに、粒体遮断弁に挟まれることがなく、さらに、真空封止弁に付着することがない。すなわち、かかる切削チップ類を処理する真空室に好適な粒体移送用真空バルブが得られる。
【0017】
さらに、前記真空封止弁が略水平方向に前後進自在なゲート弁または略水平面内で旋回自在なロータリ弁であることが好ましい。
これによれば、ゲート弁のゲート弁体が後退した際、真空封止口の全域が完全に開通し、しかも、ゲート弁体が十分に退避した状態で粒体が落下するから、粒体の落下が確実になるとともに、弁体への粒体の付着が確実に防止できる。仮に、ゲート弁体を収容するゲート弁ケース(真空封止口の周囲)に粒体が衝突した場合でも、該粒体が後退しているゲート弁体の位置にまで飛散することがない。また、ロータリ弁のロータリ弁体が所定の位置(一方の旋回限)に停止した際、ロータリ弁体に設けたロータリ弁体貫通孔が真空封止口の全域を完全に開通し、しかも、該開通した状態で粒体が落下するから、粒体の落下が確実になるとともに、弁体への粒体の付着が防止できる。特に、ロータリ弁体貫通孔の内径を真空封止口の内径より十分大きくしておけば、ロータリ弁体を収容するロータリ弁ケース(真空封止口の周囲)に粒体が衝突した場合でも、該粒体がロータリ弁体に触れることがない。
【0018】
さらに、前記ゲート弁のゲート弁体または該ゲート弁体を収容するゲート弁ケースの一方または両方に真空封止手段が設置され、
前記ゲート弁体が前進限に到達した際、前記真空封止手段が前記ゲート弁体およびゲート弁ケースによって挟圧されることが好ましい。
これによれば、ゲート弁体が前進限に到達した際、ゲート弁体が鉛直方向に押し付けられて(移動して)真空封止手段(Oリング等)を押圧するから、真空封止手段によって確実な真空封止が図られる。すなわち、真空室内を減圧した際に作用する大気圧を利用して真空封止手段を押圧するものでないため、真空封止手段を弁体に対して真空室側またはこれと反対側のいずれの位置に配置しても、確実な真空封止が図られる。また、真空室に大気圧以上の圧力のガスを封入した場合でも、該ガスが流逸(リーク)することがない。
また、真空室の天井および床にそれぞれ粒体移送用真空バルブを設置した場合でも、それぞれに同じ型式のゲート弁を使用することができる。すなわち、一方のゲート弁では弁体に対して真空室側に真空封止手段を配置し、他方のゲート弁では弁体に対して真空室とは反対の側に真空封止手段を配置することができる。さらに、ゲート弁体が前進または後進する間、ゲート弁体に設置された真空封止手段はゲート弁ケースから離隔するから摺動することがなく、ゲート弁ケースに設置された真空封止手段はゲート弁体から離隔するから摺動することがないため、真空封止手段の損傷を最少に抑えることができる。
【0019】
同様に、前記ロータリ弁のロータリ弁体または該ロータリ弁体を収容するロータリ弁ケースの一方または両方に真空封止手段が設置され、
前記ロータリ弁体が一方の旋回限に到達した際、前記真空封止手段が前記ロータリ弁体およびロータリ弁ケースによって挟圧されることが好ましい。
これによれば、ロータリ弁体が一方の旋回限に到達した際、ロータリ弁体が鉛直方向に押し付けられて(移動して)真空封止手段(Oリング等)を押圧するから、真空封止手段によって確実な真空封止が図られる。すなわち、真空室内を減圧した際に作用する大気圧によって真空封止手段を押圧するものでないため、真空封止手段を弁体に対して真空室側またはこれと反対側のいずれの面に配置しても、確実な真空封止が図られる。また、真空室に大気圧以上の圧力のガスを封入した場合でも、該ガスが流逸(リーク)することがない。
また、真空室の天井および床にそれぞれ粒体移送用真空バルブを設置した場合でも、それぞれに同じ型式のロータリ弁を使用することができる。すなわち、一方のロータリ弁では弁体に対して真空室側に真空封止手段を配置し、他方のロータリ弁では弁体に対して真空室とは反対の側に真空封止手段を配置することができる。
さらに、ロータリ弁体が旋回する間、ロータリ弁体に設置された真空封止手段はロータリ弁ケースから離隔するから摺動することがなく、ロータリ弁ケースに設置された真空封止手段はロータリ弁体から離隔するから摺動することがないため、真空封止手段(Oリング等)の損傷を最少に抑えることができる。
【0020】
さらに、前記真空封止弁が略水平方向の回動軸を中心に回動自在なボール弁であることが好ましい。
これによれば、ボール弁のボール弁体に設けたボール弁体貫通穴の大きさが前記真空封止口(ボール弁体を収容するボール弁体ケースに設けた貫通孔の鉛直方向の上側の開口部を指す)の大きさより大きいから、ボール弁体貫通孔が鉛直になった際、真空封止口の全域が完全に開通し、しかも、ボール弁体の外周面が真空封止口に露出しないから、粒体の落下が確実になるとともに、ボール弁体の外周面への粒体の付着が防止される。
仮に、ボール弁体を収容するボール弁体ケース(真空封止口の周囲に同じ)に粒体が衝突した場合でも、該粒体がボール弁体の外周面に飛散(付着)することがない。
また、ボール弁体ケースに設けた下側の開口部の大きさをボール弁体貫通孔よりも大きくしておけば、ボール弁体貫通孔内を落下した粒体が、ボール弁体ケースのボール弁体摺動面に飛散(付着)することがない。
よって、ボール弁体またはボール弁体摺動面に粒体が付着しないから、確実な真空封止ができる。また、真空封止手段(Oリング等)をボール弁体またはボール弁体摺動面の一方または両方に設置した場合でも、これを損傷することがない。
【0021】
一方、本発明の真空室は、粒体が天井部に設けられた天井開口部から搬入され、一旦内部に収容された後、床部に設けられた床部開口部から搬出される真空室であって、
前記天井開口部および床部開口部に前記粒体移送用真空バルブが設置されることが好ましい。
これによると、粒体移送用真空バルブ自体が前記構成であって前記動作をするから(粒体遮断弁が粒体搬出口を閉塞している時間帯に限って真空封止弁が作動する等)、粒体の真空室への搬入および真空室からの搬出が円滑であり、真空室の真空封止が確実になる。
また、天井部に設置された粒体移送用真空バルブの真空封止弁と床部に設置された粒体移送用真空バルブの真空封止弁の一方が常時真空封止しているようにすれば(すなわち、それぞれの真空封止口を同時に開放しないようにすれば)、当該真空室の上部または下部に第二の真空室を設けた場合でも、該第二の真空室を気密的に封止することができる。
【0022】
また、前記真空室の床部開口部が射出成型機の加熱室に連結されることが好ましい。
これによると、真空室において所定の処理が施された粒体が射出成型機の加熱室に直接供給され、該粒体が加熱された後、金型内に射出されて成型されるため、良質の成型品が得られる。また、粒体の移送が円滑であるから、円滑な射出成型作業を保証することができる。
特に、真空室の下部と射出成型機の加熱室とを気密的に連結して、真空室の天井部に設置された粒体移送用真空バルブの真空封止弁と床部に設置された粒体移送用真空バルブの真空封止弁の一方が常時真空封止しているようにすれば、すなわち、天井部および床部の両方の真空封止口を同時に開放しないようにすれば、前記加熱室を大気に曝すことがなくなるから、所定の処理(たとえば、真空乾燥等)が施された粒体が再度大気汚染(たとえば、酸素や水分の再付着等)されることがない。
【0023】
さらに、前記真空室が真空封止された状態で、該真空室内のガスを排出してから真空室内に不活性ガスを注入する排気注気作業が複数回に渡って実施されることが好ましい。
これによると、排気および注気する作業をそれぞれ複数回繰り返すため、粒体に付随して真空室に取り込まれた空気や水分が効率良く除去されるから、射出成型機の加熱室における酸化物、窒化物、あるいは気泡等の発生が防止される。よって、良質の射出成型品が得られると共に、射出成型機の射出スクリューや加熱室の内壁の損傷を最少に抑えることが可能になる。
このとき、前記排気作業において到達する気圧が比較的高圧(真空度が悪い状態)であっても、真空室内の空気や水分が十分除去されるから、空封止手段の負担が比較的軽くなる。
【0024】
さらに、前記真空室内に不活性ガスを注入する際、該真空室が正圧に加圧されることが好ましい。
これによると、粒体移送用真空バルブは、真空室の内部が正圧に加圧されても内部の加圧ガスが流逸(リーク)しない構造になっているから、不活性ガスを注入してもこれが漏れることがない。よって、不活性ガスの無駄を防止するとともに、真空封止手段に不活性ガスがリークしながら直接触れないから、該不活性ガスに混入した粉塵類が真空封止手段に付着することがなく粉塵類による損傷が防止される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態1においてフィード弁式粒体遮断弁とゲート弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブについて、実施の形態2においてフィード弁式粒体遮断弁とボール弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブについて、実施の形態3においてスイング弁式粒体遮断弁とロータリ弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブについてそれぞれ説明し、その後、実施の形態4において真空室(実施の形態1に示す粒体移送用真空バルブが設置されている)について説明する。なお、実施の形態1〜4における各図の同じ部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0026】
[実施の形態1]
(フィード弁式粒体遮断弁とゲート弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブ)
図1は本発明の実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブを説明する縦断面図である。図1において、100は粒体移送用真空バルブ、10は真空室、20はフィード弁式粒体遮断弁(以下、フィード弁と称する場合がある)、30はゲート弁式真空封止弁(以下、ゲート弁と称する場合がある)である。
なお、図1において、真空室10の底部の下面に直接フィード弁式粒体遮断弁20が配置され、フィード弁式粒体遮断弁20の下面に直接ゲート弁式真空封止弁が設置されているが、本発明はこれに限定するものではなく、真空室10の天井部に粒体移送用真空バルブ100が設置、すなわち、真空室10の天井部の上面にゲート弁式真空封止弁30が直接配置され、ゲート弁式真空封止弁30の上面に直接フィード弁式粒体遮断弁が設置されてもよい。
図2は図1の一部を断面にして示す斜視図である。以下、図1および図2に基づいて各部位について説明する。
【0027】
(漏斗)
真空室10は筒体(円筒状)11によって形成され、筒体11の下端に円錐台状の上案内部12が設けられている。また、上案内部12の下端には筒状の下案内部13が設けられ、上案内部12と下案内部13とによって漏斗14が形成されている。
すなわち、漏斗14の下端が包囲する範囲(筒状の下案内部13の内径、または下案内部がテーパ管の場合その下端部の内径に相当)が、粒体が移送される粒体移送口40になっている。なお、漏斗14は上案内部12および下案内部13が一体化されたラッパ状またはテーパ状の場合、すなわち、上案内部12または下案内部13が明りょうに区分できない場合がある。
上案内部12は鉛直方向に対して片側で角度θ(以下、上案内角θと称す)だけ傾斜している(テーパ角度2θでもって上方に開いている)。図中、上案内角θは略45°であるが、移送される粒体の性状に応じて変更されるものであって、通常20〜70°、望ましく30〜60°に設定される。
漏斗14の下端面は鉛直方向に対して片側で角度φ(以下、漏斗当接角φと称す)だけ傾斜して漏斗当接面15を形成している。図中、漏斗当接角φは略45°であるが、移送される粒体の性状に応じて変更されるものであって、通常45°を標準にして、望ましくは30〜60°の範囲に設定される。
【0028】
(フィード弁式粒体遮断弁)
フィード弁式粒体遮断弁20は、フィード弁体当接面21を具備するフィード弁体22と、フィード弁体22を前後進させるフィード弁体進退手段23(油圧シリンダ等)と、フィード弁体22とフィード弁体進退手段23とを連結するフィード弁体連結棒24と、フィード弁体22を収容するフィード弁空間25と、フィード弁体進退手段23が設置されるフィード弁ケース26を有している。
フィード弁体22は直方体または円柱であって、前進方向(図中、左方向)の端面が、鉛直方向に対して所定の角度φ(以下、フィード弁体当接角φと称す)だけ傾斜したフィード弁体当接面21を形成し、フィード弁体当接角φは漏斗当接面15の漏斗当接角φに同じである。
【0029】
したがって、フィード弁体22が前進してフィード弁体当接面21が漏斗当接面15に当接すると、粒体移送口40の全域が閉塞されることになる。
また、フィード弁体22が後退してフィード弁体当接面21が漏斗当接面15から離れると、その隙間から粒体が落下する。したがって、フィード弁体22が僅かに後退して該隙間が狭ければ、僅かの粒体が落下し、一方、フィード弁体22が大きく後退して該隙間が広がれば、より多くの粒体が落下することになる。さらに、フィード弁体当接面21が所定のフィード弁体当接角φでもって傾斜しているため、粒体がフィード弁体当接面21上に停留(落下しないで付着)することがないから、フィード弁体22が前進してフィード弁体当接面21が漏斗当接面15に当接する際、粒体を挟むおそれがない。
【0030】
(ゲート弁式真空封止弁)
ゲート弁式真空封止弁30は、ゲート弁体封止面31を具備するゲート弁体32と、ゲート弁体32を前後進させるゲート弁体進退手段33(油圧シリンダ等)と、ゲート弁体32とゲート弁体進退手段33とを連結するゲート弁体連結棒34と、ゲート弁体32を収容するゲート弁ケース36とを有している。
ゲート弁ケース36の天井板37には上開口部41が、床板38には下開口部42がそれぞれ鉛直方向で略同一の位相になるように穿設され、天井板37と床板38とに挟まれて、上開口部41(下開口部42に同じ)から退避したゲート弁体32が収容されるゲート弁空間35が形成されている。
そして、天井板37の下面で上開口部41の周囲に真空封止のためのゲート弁ケース封止面39が形成されている。ゲート弁ケース封止面39は天井板37の下面そのものによって形成される場合や、真空封止手段50(Oリング等)の形状に合わせて環状の突条に形成される場合がある。なお、ゲート弁ケース封止面39に包囲された開口部(図1において上開口部41に同じ)を真空封止口と称す。
【0031】
ゲート弁体32は矩形平板または円形平板であって、その上面に真空封止手段50(Oリング等)が設置されるためのゲート弁体封止面31が形成され、ここに真空封止手段50(Oリング等)が設置されている。
なお、ゲート弁体封止面31はゲート弁体32の上面そのものによって形成される場合や、真空封止手段50(Oリング等)の形状に合わせて砲台状の突部または環状の突条に形成される場合がある。また、真空封止手段50の配置を容易且つ確実にするため環状の溝が設けられている。なお、以下、溝の部分を含めてゲート弁体封止面31と称する。
したがって、ゲート弁体32が前進して前進限に到達すると(図1に示す状態)、図示しない押し付け機構(以下に別途説明する)によってゲート弁体32が上方向に押し上げられるから、真空封止手段50はゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とによって挟圧され、上開口部41(真空封止口に同じ)は確実に真空封止される。
なお、真空室10が減圧された際、ゲート弁体32は真空室10側に押されるから、真空封止はさらに確実になる。よって、かかる押し付け機構を撤去して、減圧時の大気圧だけによってゲート弁体32を真空室10側に押し付けるようにしてもよい。
一方、かかる押し付け機構によって押し付け力が作用しているから、真空室10に加圧ガスが注入されて内部が大気圧以上になった場合でも、該加圧ガスが流逸(リーク)することがない。
【0032】
さらに、ゲート弁体32が後退する際、まず前記押し付け機構による押し付けがなくなって、ゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とが離隔し、ゲート弁体封止面31に設置された真空封止手段50はゲート弁ケース封止面39から離れる。そして、真空封止手段50はゲート弁ケース封止面39に摺動することなく後退する。
やがて、ゲート弁体32が後退限に到達して完全にゲート弁空間35内に収納されると(図2に示す状態)、上開口部41と下開口部42との間が開通して、粒体が落下自在になる。このとき、ゲート弁体32は十分後退しているから、粒体が付着することがない。
【0033】
また、粒体移送口40の大きさに比較して上開口部41の大きさが十分大きくなっているから、落下する粒体がゲート弁ケース36(天井板37の上面または開口部41を形成する内周面)に触れることがない。また、下開口部42の大きさを上開口部41の大きさより大きく形成しておけば、天井板37に一旦付着した粒体がその後剥離して落下しても、床板38の上面または開口部42を形成する内周面)に触れることがない。
【0034】
以上は、ゲート弁体32の上面にゲート弁体封止面31が形成され、ゲート弁ケース36の天井板37の下面にゲート弁ケース封止面39が形成されるものであるが、本発明はこれに限定するものはなく、ゲート弁体32の下面にゲート弁体封止面31を形成して、ゲート弁ケース36の床板38の上面にゲート弁ケース封止面39が形成されてもよい。
このとき、図示しない押し付け機構によってゲート弁体32を下方向に押し付けるようにしておけば、真空室10が減圧されても真空封止は継続(維持)されるものである。すなわち、真空封止手段50を押し付ける押し付け力が弱まるものの、真空室10内に大気が侵入することはない。
【0035】
また、真空封止手段(Oリング等)はゲート弁体封止面31またはゲート弁ケース封止面39の何れに設置されてもよいし、または両方に設置されてもよい。そして、真空封止手段50が設置される面には、この配置を容易且つ確実にするため環状の溝が設けられることになる。
たとえば、ゲート弁ケース封止面39に真空封止手段50が設置された場合は、ゲート弁ケース封止面39に環状の溝が設けられる。さらに、ゲート弁体32が後退する際、まず前記押し付け機構による押し付けがなくなって、ゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とが離隔し、真空封止手段50がゲート弁体封止面31から離れる。そして、真空封止手段50がゲート弁体封止面31に摺動することなく後退する。
【0036】
(粒体遮断弁カバー)
漏斗14の外壁に鉛直下方に向けて筒状の粒体遮断弁カバー60(以下、フィード弁カバー60と称す)が設けられ、フィード弁カバー60の側面には、後記フィード弁体21が進退自在なようにフィード弁カバー側面開口部61が設けられている。なお、フィード弁カバー60の下端面62は真空封止弁30のゲート弁体32または真空封止手段50に接触しない位置にまで近接している。すなわち、ゲート弁ケース36の上開口部41(真空封止口)の中に侵入している。
したがって、粒体移送口40が開いた際、粒体はフィード弁体当接面21に沿って斜め下方(図中、左下方向)に偏って落下するため、フィード弁カバー60がこれを受け止めて落下方向を鉛直下方に案内するとともに、飛散を防止している。
なお、フィード弁カバー60を形成する材質は金属板、ゴム板等を適宜選択することができる。たとえば、密度が低く飛散し易い粒体(樹脂粒、切削チップ等)に対してはゴム板を使用して跳ね返りを抑え、一方、重量が大きく硬さの高い粒体に対しては強度の高い金属板(たとえば、ステンレス鋼板等)を使用して摩耗を防ぐことが好ましい。また、その長さは、真空封止弁30のゲート弁体32や真空封止手段50(Oリング等)と干渉しない範囲で長くすることが好ましい。
【0037】
(押し付け機構)
図3は本発明の実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブに設置されるゲート弁体の押し付け機構の実施例1を説明する縦断面図であって、(a)はゲート弁体が押し付けられていない状態、(b)はゲート弁体が押し付けられている状態を示す。なお、図1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
ゲート弁体32は、下方に台形状に突出した斜面イおよび斜面ハを有す上ゲート弁体32a、上方に突出した斜面チを有す下ゲート弁体32b、斜面ヘを有すスライドブロック32c、および引っ張りバネ32dによって形成されている。そして、上ゲート弁体32aと下ゲート弁体32bとは引っ張りバネ32dによって常時相互に引っ張り合っている。
【0038】
図3の(a)において、ゲート弁体32が前進限にないとき、上ゲート弁体32aの下方に突出した下面ロは下ゲート弁体32bの上面トに当接して、真空封止手段50はゲート弁ケース封止面39から離隔しているから、ゲート弁体32が前進または後退する際、これらが摺動することがない。
このとき、上ゲート弁体32aの斜面イおよび斜面ハが、それぞれ下ゲート弁体32bの斜面トおよび斜面チに当接して、スライドブロック32cは前進方向(図中、左方向)に押し出されている。
また、斜面へと斜面チ(斜面イと斜面ハ)とは同じ傾斜角度であるものに限定するものではなく、相違、すなわち、非対称であってもよく、一方が前後進方向に垂直な平面であってもよい。また、斜面イと斜面チ(斜面ハと斜面チ)とは共に傾斜面であるものに限定するものではなく、一方が回転するローラ等であってもよい。
なお、図中、ゲート弁ケース36の床板38の上面と下ゲート弁体32bの下面とが離れて記載されているが、これは、当該面同士が押し付け合っていないことを模式的に示したものであって、相互に摺動してもよい。
【0039】
さらに、図3の(b)において、ゲート弁体32が前進限に近づくと、スライドブロック32cの前端面ホ(図中、左側面)がゲート弁ケース36の内壁ニに当接し、さらに、前進すると、スライドブロック32cは後方(図中、右方向)に押し戻される。すなわち、上ゲート弁体32aの下方に突出した台形状の部分は、斜面ヘ(スライドブロック32c)と斜面チ(下ゲート弁体32b)とによって挟まれて上方に押し出されることになる。
このとき、ゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とが近接し、真空封止手段50を挟圧するから、確実な真空封止ができる。
【0040】
図4は本発明の実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブに設置されるゲート弁体の押し付け機構の実施例2を説明する縦断面図であって、(a)はゲート弁体が押し付けられていない状態、(b)はゲート弁体が押し付けられている状態を示す。すなわち、図3におけるスライドブロック32cをゲート弁体連結棒34に設置したものである。なお、図1および図3と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
ゲート弁体32は、下方に台形状に突出した斜面イおよび斜面ハを有す上ゲート弁体32a、上方に突出した斜面ヌを有す下ゲート弁体32e、斜面オを有し且つゲート弁体連結棒34に設置されたスライドブロック32f、および引っ張りバネ32dによって形成されている。そして、上ゲート弁体32aと下ゲート弁体32eとは引っ張りバネ32dによって常時相互に引っ張り合っている。
【0041】
図4の(a)において、ゲート弁体32が前進限にないとき、上ゲート弁体32aの下方に突出した下面ロは下ゲート弁体32eの上面ルに当接して、真空封止手段50はゲート弁ケース封止面39から離隔しているから、ゲート弁体32が前進または後退する際、これらが摺動することがない。
このとき、上ゲート弁体32aの斜面イおよび斜面ハが、それぞれ下ゲート弁体32eの斜面ヌおよび斜面オに当接して、スライドブロック32fは後方(図中、右方向)に押し戻されている。
また、斜面ヌと斜面オ(斜面イと斜面ハ)とは同じ傾斜角度であるものに限定するものではなく、相違、すなわち、非対称であってもよく、一方が前後進方向に垂直な平面であってもよい。また、斜面イと斜面ヌ(斜面ハと斜面オ)とは共に傾斜面であるものに限定するものではなく、一方が回転するローラ等であってもよい。
なお、図中、ゲート弁ケース36の床板38の上面と下ゲート弁体32eの下面とが離れて記載されているが、これは、当該面同士が押し付け合っていないことを模式的に示したものであって、相互に摺動してもよい。
【0042】
さらに、図4の(b)において、ゲート弁体32が前進限に到達すると、下ゲート弁体32eの前端面リ(図中、左側面)がゲート弁ケース36の内壁ニに当接する。さらに、前進すると、スライドブロック32fは前方(図中、左方向)に押し込まれる。すなわち、上ゲート弁体32aの下方に突出した台形状の部分は、斜面オ(スライドブロック32f)と斜面ヌ(下ゲート弁体32e)とによって挟まれて上方に押し出されることになる。
このとき、ゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とが近接し、真空封止手段50を挟圧するから、確実な真空封止ができる。
【0043】
(粒体移送用真空バルブの動作)
図5は本発明の実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブの動作を説明する縦断面図である。かかる動作は図示しない制御手段によって制御されるものである。なお、図1および図2と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、フィード弁カバー60については並行線によって表示している。移送される粒体はマグネシウム合金を旋盤加工した際に発生する切削チップであって、概ね長さ7mmで断面が1mm角の略角柱状を呈している。該切削チップの表面には鋭い凹凸があるため流動性が悪い。
【0044】
(閉塞状態)
図5の(a)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20およびゲート弁式真空封止弁30の両方が閉まった状態である。
すなわち、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20のフィード弁体22が前進して、フィード弁体当接面21が漏斗当接面15に当接して、粒体移送口40を閉塞している。
また、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体32が前進限まで前進して、図示しない押し付け機構によって上方向に押し付けられ、真空封止手段50がゲート弁体封止面31とゲート弁ケース封止面39とによって挟圧されている。すなわち、真空室10は真空封止されている。
【0045】
このとき、前進限センサLS1がフィード弁体22が前進限に到達したことを検知して前進を停止し、前進限センサLS3がゲート弁体32が前進限に到達したことを検知して前進を停止している。
なお、以上は、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体封止面31およびゲート弁ケース封止面39がゲート弁体32の前後進方向(水平面内)と平行であるが、本発明はこれに限定するものではなく、ゲート弁体封止面31およびゲート弁ケース封止面39がゲート弁体32の前後進方向に対して傾斜してもよい。このとき、前記押し付け機構を別途設けることなく、ゲート弁体が真空封止手段50を挟圧する。
【0046】
(真空解除状態)
図5の(b)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20が閉まり、一方、ゲート弁式真空封止弁30が真空封止を解除した状態である。
すなわち、粒体移送口40が閉塞された状態、すなわち、粒体が落下しない状態のまま、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体32が後退(図中、右方向に移動)し、後退限センサLS4がゲート弁体32が後進限に到達したことを検知して後退を停止している。よって、ゲート弁体32の移動中にゲート弁体封止面31(ゲート弁体32に同じ)や真空封止手段50の上に粒体が落下することがないから、当該部位が損傷することがないし、ゲート弁体32の後進に際し、ゲート弁ケース封止面39を損傷することがない。
また、仮に、ゲート弁ケース36の床板38の上面に粒体が付着した場合であっても、ゲート弁体封止面31がゲート弁体32の上面に設けられているから、かかる粒体によって真空封止手段50が損傷することがない。なお、ゲート弁体32の移動に際して、真空室10内は大気圧に戻されるからゲート弁体32が大気圧によって真空室10側に押し付けられることがない。
【0047】
(粒体落下状態)
図5の(c)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20およびゲート弁式真空封止弁30の両方が開いた状態である。
すなわち、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体32が後退して、上開口部41(真空封止口)および下開口部42から完全に退避した状態(図中、右方向に移動、後退限センサLS4が後退限にあることを検出している状態)で、フィード弁体22が後退して粒体移送口40が開かれている。
よって、落下する粒体がゲート弁体32に触れることがない。
【0048】
なお、フィード弁体当接面21が後退(図中、右方向に移動)を開始した直後は、粒体がフィード弁体当接面21に沿って斜め下方(図中、左下方向)に落下するため、フィード弁カバー60が粒体の落下軌跡を鉛直下方に案内している。また、上開口部41の内径および下開口部42の内径を粒体移送口40の内径に比較して十分大きく形成して、粒体が飛散した場合でも、ゲート弁ケース36に触れないようにしている。なお、フィード弁体当接面21が傾斜する方向(図中、左下方向)とは反対の方向にゲート弁体32を引き込むようにすれば、ゲート弁空間35内に落下する粒体が侵入するおそれがさらに減少する。
【0049】
その後、前記動作を逆に辿って、まず、フィード弁式粒体遮断弁20のフィード弁体22が前進して粒体移送口40を閉塞し(図5の(b))、その後、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体32が前進して真空封止口41を封止する(図5の(a))。
なお、フィード弁体22の動作の制御は、後退限にまで後退して所定の時間待機した後に再度前進するもの、真空室10内の粒体が全量落下したことを別途検出して該検出結果に基づいて再度前進するもの、あるいは、所定の距離だけ後退した後に再度前進するもの(後退限まで後退しない)等、真空室10の用途によって適宜選択できるものである。このとき、フィード弁体22の前後進速度、前後進加速度は適宜設定されるものである。
また、フィード弁体22およびゲート弁体32の位置検出は前進限センサLS1等の材料確認センサに限定するものではなく、距離センサ(マグネスケール(登録商標)等)であってもよい。
【0050】
(粒体移送口等の大きさ)
次に、真空室10の内径をb、粒体移送口40の内径をc、ゲート弁ケース36の上開口部41(真空封止口)の内径をd、下開口部42の内径をeとして、それらの寸法について説明する(図5の(b)参照)。
漏斗部14における出口の内径cの入口の内径bに対する絞り率c/bが1/3〜2/3の範囲が望ましい。絞り率c/bが1/3以下(出側がより小径)では粒体が詰まる(ブリッジする)おそれがある。2/3以上(出側が比較的大径)になるとフィード弁体22が大型になり、これに伴ってゲート弁式真空封止弁30も大型化することになる。
【0051】
粒体移送口40の内径cの真空封止口の内径dに対する割合c/dは2/3以下であることが望ましい。割合c/dが2/3以上では落下する粒体がゲート弁ケース36に触れるおそれがある。ただし、長いフィード弁カバー60が設置できる場合には、これによって落下する粒体が鉛直下方に案内されて飛散も防止されるから、割合c/dが2/3以上にすることができる。
さらに、上開口部41(真空封止口)の内径dを下開口部42の内径eよりも小さくしておけば、天井板37に衝突または付着した粒体が落下するような場合でも、該粒体が床板38の上面に落下しないからゲート弁空間35内に粒体が侵入することがない。よって、ゲート弁体32の前後進動作を円滑に維持することができる。
【0052】
(粒体移送用真空バルブの動作の制御)
図6および図7は、それぞれ本発明の実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブの動作の制御の一例を説明する単線結線図およびフローチャートである。図6および図7において、フィード弁式粒体遮断弁20のフィード弁体22による粒体移送口40の開通動作および閉塞動作をそれぞれ「FV開」および「FV閉」と、ゲート弁式真空封止弁30のゲート弁体32による真空封止口41の開通動作および封止動作をそれぞれ「GV開」および「GV閉」と略記する。
また、フィード弁体22が前進限または後退限の位置にあることは、それぞれ「前進限センサLS1がON」または「後退限センサLS2がON]によって検出し、ゲート弁体32が前進限または後退限の位置にあることは、それぞれ「前進限センサLS3がON」または「後退限センサLS4がON]によって検出する。
【0053】
(単線結線図)
図6において、ローカルシーケンサの外部との信号の往来(I/O)にバルブ開閉指令、外部材料センサ信号およびエラー出力がある。
また、入力側(IN)には前進限センサLS1、後退限センサLS2、前退限センサLS3および後退限センサLS4が接続され、出力側(OUT)にはFV開およびFV閉のための電磁バルブの開閉指令、GV開およびGV閉のための電磁バルブの開閉指令が接続されている。
さらに、シーケンサ内部タイマーとして、フィード弁体22およびゲート弁体32の動作開始タイミングを規定して実際の動作を確認する(動作不調を検出する)ための動作開始タイマーと、フィード弁体22の動作保持時間を規定する動作保持タイマーが設定されている。
なお、図6は一例を示すものであって、ゲート弁体32の動作保持時間を規定する動作保持タイマーが追加される場合等、図示しない結線の場合がある。
【0054】
(フローチャート)
図7において、一連の動作は粒体移送用真空バルブを開く旨の「バルブ開信号」を受けることによってスタートし(S1)、まず、内部タイマーを設定する(S2)。
そして、GV開タイマーをスタートして(S3)、GV開指令を発する(S4)。
GVが開動作(後退動作)をして一定時間内に後退限センサLS4がONしたことを確認して(S5)、GVの開状態(後退限にある状態)を保持する(S6)。一方、LS4がONしない場合(後退していない場合、S5の2)、GVの動作が不調であると判断してエラーを表示する(S5の3)。
【0055】
つぎに、GVが開いた状態で、FV開タイマーをスタートして(S7)、FVの開指令を発する(S8)。
FVが開動作(後退動作)をして一定時間内に後退限センサLS2がONしたことを確認して(S9)、GVの開状態(後退限にある状態)を保持するためFV開保持タイマーをスタートする(S10)。一方、LS2がONしない場合(後退していない場合、S9の2)、FVの動作が不調であると判断してエラーを表示する(S9の3)。
【0056】
やがて、FV開状態が所定に時間経過したところで(保持タイマーがタイムアップしたところで、S11)、 FV閉タイマーをスタートして(S12)FVの閉指令を発する(S13)。
FVが閉動作(前進動作)をして一定時間内に前進限センサLS1がONしたことを確認したら(S14)、GV閉タイマーをスタートして(S15)、GVの閉指令を発する(S16)。 一方、LS1がONしない場合(前進していない場合、S14の2)、FVの動作が不調であると判断してエラーを表示する(S14の3)。
【0057】
そして、GVが前進限に到達して前退限センサLS3がONしたことを確認して(S17)一連の動作を終了する(S18)。一方、LS3がONしない場合(前進していない場合、S17の2)、GVの動作が不調であると判断してエラーを表示する(S17の3)。
以上より、図5に示す動作が実現されることになる。
【0058】
[実施の形態2]
(フィード弁式粒体遮断弁とボール弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブ)
図8は本発明の実施の形態2に係る粒体移送用真空バルブを説明する縦断面図である。図8において、200は粒体移送用真空バルブ、10は真空室、20はフィード弁式粒体遮断弁(以下、フィード弁と称する場合がある)、70はボール弁式真空封止弁である。なお、実施の形態1(図1および図2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、真空室10がボール式真空封止弁70の下方に配置、すなわち、真空室10の天井部に粒体移送用真空バルブ200が設置されてもよい。
【0059】
(ボール弁式真空封止弁)
ボール弁式真空封止弁70は、ボール弁体72と、ボール弁体72を水平軸中心に回動させるボール弁体回動手段73(油圧モータ等)と、ボール弁体72とボール弁体回動手段73とを連結するボール弁体回動軸74と、ボール弁ケース76とを有している。
また、ボール弁体72の外面は球面状のボール弁体封止面71を形成し、中心を貫通するボール弁体貫通孔43が設けられている。
【0060】
ボール弁ケース76の内部にはボール弁体72を収容する略球状のボール弁空間75が設けられ、外部にはボール弁体回動手段73が設置されている。また、ボール弁ケース76の上部および下部は開口し、それぞれ略球状のボール弁空間75に連通した上開口部41(真空封止口に同じ)および下開口部42が形成され、さらに、ボール弁空間75の内面の所定の範囲が、真空封止のためのボールケース封止面79を形成している。
そして、ボール弁体封止面71またはボールケース封止面79の一方または両方に真空封止手段50(Oリング等)が設置される。そして、かかる設置される面には真空封止手段50(Oリング等)の設置を容易且つ確実にするための溝が設けられている。なお、該溝の部分を含んでボール弁体封止面71またはボールケース封止面79と称す。
【0061】
したがって、真空封止手段50の全周がボール弁体封止面71とボールケース封止面79とによって挟圧されたとき、真空室10は真空封止され(図8に示す状態)、ボール弁体72が回動してボール弁体貫通孔43が開口部41および下開口部42に連通した時には、真空封止口41が開通され且つボール弁体貫通孔43内を粒体が落下自在になる。
【0062】
(粒体移送用真空バルブの動作)
図9は本発明の実施の形態2に係る粒体移送用真空バルブの動作を説明する縦断面図である。かかる動作は図示しない制御手段によって制御されるものであって、実施の形態1に準じるため(図5参照)、一部の説明を省略する。なお、図8と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0063】
(閉塞状態)
図9の(a)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20およびボール弁式真空封止弁70の両方が閉まった状態である。
また、ボール弁式真空封止弁70のボール弁体72のボール弁体貫通孔43が略水平方向を向き、水平姿勢センサLS5(図示しない)がボール弁体貫通孔43が水平姿勢になっていることを検知している。
このとき、真空封止手段50の全周がボール弁体封止面71とボールケース封止面79とによって挟圧され、真空室10は真空封止されている(図8に示す状態に同じ)。
【0064】
(真空解除状態)
図9の(b)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20が閉まり、一方、ボール弁式真空封止弁70が真空封止を解除した状態である。
すなわち、粒体移送口40が閉塞された状態、すなわち、粒体が落下しない状態のまま、ボール弁式真空封止弁70のボール弁体72が回動(図中、水平軸を中心に回動)して、ボール弁体貫通孔43が鉛直姿勢で停止している。このとき、鉛直姿勢センサLS6(図示しない)はボール弁体貫通孔43が鉛直姿勢になっていることを検知して回動を停止している。
よって、ボール弁体72が回動している間、ボール弁体封止面71(ボール弁体72の外周面に同じ)に粒体が落下することがないから、真空封止手段50、ボール弁体封止面71およびボールケース封止面79が損傷することがない。
なお、ボール弁体72が回動している途中で、真空封止手段50の周方向の一部がボール弁体封止面71から離隔するものの、全周が離隔することはない。また、真空解除状態において、真空封止手段50の全周がボール弁体封止面71とボールケース封止面79とによって挟圧されている。
【0065】
(粒体落下状態)
図9の(c)は、フィード弁式粒体遮断弁(フィード弁)20およびボール弁式真空封止弁70の両方が開いた状態である。すなわち、ボール弁式真空封止弁70のボール弁体貫通孔43が鉛直姿勢になった(図中、上開口部41とボール弁体貫通孔43と下開口部42が一直線上に並んだ)状態で、粒体移送口40が開かれている。
よって、粒体移送口40から落下する粒体がボール弁体72に触れることがない。
その後、前記動作を逆に辿って、まず、フィード弁式粒体遮断弁20のフィード弁体22が前進して粒体移送口40を閉塞し(図9の(b))、その後、ボール弁式真空封止弁70のボール弁体貫通孔43が水平姿勢になって真空封止口41を封止する(図5の(a))。
以上より、ボール弁式真空封止弁70によって実施の形態1と同様の効果が得られる。また、ボール弁式真空封止弁70の方がゲート弁式真空封止弁30よりも安価に製造することができる。
【0066】
さらに、上開口部41(真空封止口)の内径dと、ボール弁体72のボール弁体貫通孔43の内径fと、下開口部42の内径eにおいて、下方になる程大きくなるようにしておけば(d<f<e)、ボール弁ケース76に衝突または付着した粒体が落下するような場合でも、ボール弁体封止面71に粒体が付着することがない。また、ボール弁体貫通孔43に衝突または付着した粒体が落下するような場合でも、ボール弁空間75の内面に粒体が付着することがない。よって、真空封止手段50の損傷が防止できるからより確実且つより長期間の真空封止が可能になる。
【0067】
[実施の形態3]
(スイング弁式粒体遮断弁とロータリ弁式真空封止弁を具備する粒体移送用真空バルブ)
図10は本発明の実施の形態3に係る粒体移送用真空バルブを一部断面にして示す斜視図である。図10において、300は粒体移送用真空バルブ、10は真空室、80はスイング弁式粒体遮断弁(以下、スイング弁と称する場合がある)、90はロータリ弁式真空封止弁(以下、ロータリ弁と称する場合がある)である。なお、実施の形態1(図1および図2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0068】
(スイング弁式粒体遮断弁)
スイング弁式粒体遮断弁80は、スイング弁体当接面81を具備するスイング弁体82と、スイング弁体82を水平回転軸84(図中、X軸に平行)を中心
にして回転させる図示しないスイング弁回転手段とを有している。
スイング弁体82が略垂直に垂れ下がったとき(図中、XZ面に略平行)、粒体移送口40の全域を開通し、一方、スイング弁体82が案内部傾斜角φ(図1参照)になるまで上方向に回転(図中、時計回りに回転)したとき、スイング弁体当接面81が漏斗当接面15に当接して粒体移送口40を閉塞する。
かかる回転の際、粒体はスイング弁体当接面81に沿って落下するから、スイング弁体当接面81と漏斗当接面15の隙間に挟まれることがない。
また、スイング弁体82が所定の角度だけ回転した際、スイング弁体当接面81と漏斗当接面15との間に所定の隙間が生じるから、該隙間から所定の量の粒体が落下することになる。
【0069】
(ロータリ弁式真空封止弁)
ロータリ弁式真空封止弁90は水平面内で旋回する(図中、Z軸を旋回中心とする)ものであって、水平面内で前後進するゲート弁式真空封止弁30(実施の形態1)と移動要領が相違している。
ロータリ弁式真空封止弁90は、ロータリ弁体封止面91を具備するロータリ弁体92と、ロータリ弁体92を旋回させる図示しないロータリ弁体旋回手段(油圧モータ等)と、ロータリ弁体92とロータリ弁体旋回手段とを連結するロータリ弁体旋回軸94と、ロータリ弁ケース96とを有している。
ロータリ弁ケース96の天井板97には上開口部41が、床板98には下開口部42(図示しない)がそれぞれ鉛直方向で略同一の位相になるように穿設され、天井板97と床板98との間の空間に上開口部41(下開口部42に同じ)から退避したロータリ弁体92が収容されるロータリ弁空間95が形成されている。
そして、天井板97の下面で上開口部41の周囲に真空封止のためのロータリ弁ケース封止面99が形成されている。なお、ロータリ弁ケース封止面99に包囲された上開口部41を真空封止口と称す。
【0070】
ロータリ弁体92は扇型または半円型平板であって、平面視の一方側にスイング弁カバー65の外径よりも大きな内径のロータリ弁体貫通孔44が穿設され、他方側にロータリ弁体封止面91が形成され、ロータリ弁体封止面91に真空封止手段50(Oリング等)が設置されている(実施の形態1に準じる)。
したがって、ロータリ弁体92が旋回して、ロータリ弁体貫通孔44が上開口部41と同一の位相になったとき(図10に示す状態)、粒体移送口40、上開口部41(真空封止口に同じ)、ロータリ弁体貫通孔44および下開口部42が鉛直方向で一直線状に並ぶため、粒体はこの間を通過して落下することになる。一方、ロータリ弁体92が旋回して、ロータリ弁体封止面91が上開口部41(真空封止口に同じ)と同一の位相になったとき、ロータリ弁体92は図示しない押し付け手段によって持ち上げられ、真空封止手段50がロータリ弁体封止面91とロータリ弁ケース封止面99とによって挟圧されるから、真空室10は真空封止される。
なお、粒体移送口40、前記上開口部、ロータリ弁体貫通孔44および前記下開口部の大きさは実施の形態1に準じて設定されるものである。
【0071】
(スイング弁カバー)
スイング弁体82および粒体移送口40を収容する平面視略馬蹄形の筒状のスイング弁カバー65が設けられ、スイング弁カバー65の側面には水平回転軸84が貫通する図示しない貫通孔が設けられている。そして、スイング弁カバー65の下端面67はロータリ弁式真空封止弁90のロータリ弁体92または真空封止手段50に接触しない位置にまで下方に延長されている。すなわち、ロータリ弁ケース96の上開口部41(真空封止口)の中に侵入している。
したがって、粒体移送口40が開いた際、粒体はスイング弁体当接面81に沿って斜め下方(図中、左下方向)に偏って落下するため、スイング弁カバー65がこれを受け止めて落下方向を鉛直下方に案内するとともに、飛散を防止している。したがって、粒体がロータリ弁体92に付着することがない。
なお、スイング弁カバー65を形成する材質は金属板、ゴム板等を適宜選択することができる。たとえば、密度が低く飛散し易い粒体(樹脂粒、切削チップ等)に対してはゴム板を使用して跳ね返りを抑え、一方、重量が大きく硬さの高い粒体に対しては強度の高い金属板(たとえば、ステンレス鋼板等)を使用して摩耗を防ぐことが好ましい。
【0072】
(その他の態様)
本発明の粒体移送用真空バルブは、スイング弁式粒体遮断弁とロータリ弁式真空封止弁とを具備するものに限定するものではなく、スイング弁式粒体遮断弁(実施の形態3)とゲート弁式真空封止弁(実施の形態1)またはボール弁式真空封止弁(実施の形態2)とを具備するもの、あるいは、フィード弁式粒体遮断弁(実施の形態1または2)とロータリ弁式真空封止弁(実施の形態3)とを具備するものであってもよい。
【0073】
[実施の形態4]
(粒体移送用真空バルブを設置した真空室)
図11は本発明の実施の形態4に係る粒体移送用真空バルブを設置した真空室を説明する縦断面図である。図11において、1は粒体移送用真空バルブを設置した真空室、410は第一室、510は第二室(真空室)、610は第三室、400は第二室510の天井部に気密的に設置された上粒体移送用真空バルブ、500は第二室510の床部に気密的に設置された下粒体移送用真空バルブである。
なお、上粒体移送用真空バルブ400および下粒体移送用真空バルブ500はいずれも実施の形態1に示す粒体移送用真空バルブ100に同じであるため、実施の形態1と同じ部分には下二桁に同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0074】
(第一室)
第一室410は第二室510(真空室)に供給する粒体を一時ストックする大気圧の環境にあるホッパーであって、その上部に設置された図示しないスクリューコンベアによって粒体が搬送されて来るものである。
また、粒体はマグネシウム合金を旋盤加工した際に切削チップであるが、本発明はこれに限定するものではなく、その他の金属、合金または樹脂類の切削チップ、粉砕粉や噴霧粉(アトマイズ粉末)等であってもよい。
【0075】
(第二室)
第二室510は、粒体(マグネシウム合金切削チップ)を真空乾燥するための真空室であって、上粒体移送用真空バルブ400のゲート弁体432および下粒体移送用真空バルブ500のゲート弁体532によって真空封止される。すなわち、第二室510と、上粒体移送用真空バルブ400のゲート弁体空間435と、下粒体移送用真空バルブ500のフィード弁空間525とがまとめて真空封止されるものである。
また、内部に収容した粒体を乾燥処理するために、内部に不活性ガスを注入するガス注入管701と、内部のガスを排出するガス排出管702が設置されている。
なお、第二室510は粒体を真空乾燥するためのものに限定するものではなく、第二室510において何れの処理がされてもよい(たとえば、多孔質の粒体に所定の液体または気体を吸着する処理等)。
さらに、第二室510は減圧されるチャンバーの他に、大気圧または大気圧以上の状態で気密的に封止されるチャンバーであってもよい。
【0076】
(第三室)
第三室610は、下端部が粒体を射出成型する図示しない射出成型機の加熱室(スクリュー室)に気密的に連結されている。したがって、第二室510において、真空乾燥された粒体を大気に触れることなく該加熱室に供給することができるものである。
なお、本発明はこれに限定するものではなく、第三室610が何れの装置に連結されてもよく、また、第三室610が撤去されてもよい。
【0077】
(各部位の動作)
図12は、図11に示す第二室(真空室)における各部位の動作を説明する模式図である。図12において、上粒体移送用真空バルブ400のフィード弁式粒体遮断弁420式のフィード弁体422をFV1と、ゲート弁式真空封止弁430のゲート弁体のゲート弁体432をGV1と称する。また、下粒体移送用真空バルブ500のフィード弁式粒体遮断弁520式のフィード弁体522をFV2と、ゲート弁式真空封止弁530のゲート弁体532をGV2と称する。
【0078】
まず、FV1、GV1、FV2およびGV2の全てが閉の状態において、図示しないスクリューコンベアによって一定量の粒体を第一室410内に投入する(S1)。
次に、FV2およびGV2が閉状態(第二室510は大気圧の状態)において、GV1を開き第二室を大気環境にする。このとき、直上のFV1が閉じているから、GV1に粒体が付着することがない(S2)。
そして、GV1が開き切ったところで、FV1を開き粒体を第二室510に搬入する。このとき、GV1は粒体の落下経路(落下軌跡)から退避しているから、GV1に粒体が付着することがない(S3)。
次に、FV1を先に閉じて(S4)、その後にGV1を閉じる。このとき、FV1を閉じた後で(粒体が落下しない状態)GV1が前進するから、GV1に粒体が付着することがない(S5)。
【0079】
FV1、GV1、FV2およびGV2の全てが閉の状態になったところ、すなわち、第二室が真空封止(気密的に封止された状態)で、第二室510において、収容した粒体の真空乾燥処理をする。すなわち、第二室510内の空気を排出してアルゴン等の不活性ガスを注入する。このとき、かかる排気および注気作業を複数回繰り返して乾燥を促進してもよい。また、第二室510を加熱してもよい(S5)。
【0080】
前記真空乾燥処理が終了したところで、粒体を第三室610に搬出する。すなわち、まず、第二室510に不活性ガスを注入して略大気圧になった状態でGV2を開いて第二室と第三室(略大気圧に維持されている)とを連通する(S6)。そして、GV2が開き切ったところで、FV2を開き粒体を第三室610に搬出する(S7)。次に、FV2を先に閉じてから(S8)その後にGV2を閉じる(S9)。したがって、GV1と同様にGV2に粒体が付着することがない。
【0081】
以上より、GV1およびGV2の円滑な動きと、第二室(真空室)510の確実な真空封止が保証される。また、GV1およびGV2が同時に開くことがないから、第三室610が大気に曝されることがないため、第三室610に収容された粒体(真空処理済み)が再度大気に触れることがなく、また、図示しない射出成型機の加熱室内に大気が侵入することがない。よって、高品質の射出成型品を得ることができる。
さらに、GV1およびGV2が図示しない押し付け機構によって、それぞれゲート弁ケース封止面439およびゲート弁ケース封止面539に押し付けられているから、前記アルゴン等の不活性ガスの注入によって第二室510が正圧に加圧されても該不活性ガスが流逸することがない。
【0082】
また、上粒体移送用真空バルブ400において、ゲート弁体432の下面にゲート弁体封止面431を配置して、床板438の上面にゲート弁ケース封止面439を配置(すなわち、真空封止手段450を弁体に対して真空室側に配置)してもよい。このとき、第二室510の減圧に際して大気圧によって、ゲート弁体432、521の両方が第二室510側に押されるから、真空封止手段450、550による封止がより確実になる。
一方、第二室510は真空室に限定するものではなく、加圧室に使用してもよい。このとき、封止手段(真空封止手段に相当)を第二室510の反対側に配置すれば、内圧によって該封止手段が押し付けられて封止がより確実になる。
【0083】
さらに、上粒体移送用真空バルブ400および下粒体移送用真空バルブ500は実施の形態1に示す粒体移送用真空バルブ100に限定するものではなく、実施の形態2または3に示す粒体移送用真空バルブ200または300のいずれを設置してもよい。
また、上粒体移送用真空バルブ400および下粒体移送用真空バルブ500が相違する型式であってもよい。すなわち、フィード弁式またはスイング弁式の一方の粒体遮断弁と、ゲート弁式またはボール弁式またはロータリ弁式の何れかの真空封止弁とをそれぞれ任意に組み合わせて設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る粒体移送用真空バルブを説明する縦断面図。
【図2】図1の一部を断面にして示す斜視図。
【図3】ゲート弁体の押し付け機構の実施例1を説明する縦断面図。
【図4】ゲート弁体の押し付け機構の実施例2を説明する縦断面図。
【図5】図1に示す粒体移送用真空バルブの動作を説明する縦断面図。
【図6】図1に示す粒体移送用真空バルブの制御のための単線結線図。
【図7】図1に示す粒体移送用真空バルブの動作のフローチャート。
【図8】実施の形態2に係る粒体移送用真空バルブを説明する縦断面図。
【図9】図8に示す粒体移送用真空バルブの動作を説明する縦断面図。
【図10】実施の形態3に係る粒体移送用真空バルブを示す一部断面斜視図。
【図11】実施の形態4に係る真空室を説明する縦断面図。
【図12】図11に示す真空室における各部位の動作を説明する模式図。
【図13】従来の粒体移送用真空バルブを示す側断面図である。
【符号の説明】
1 真空室、10 真空室、14 漏斗、15 漏斗当接面、20 フィード弁式粒体遮断弁、21 フィード弁体当接面、22 フィード弁体、30 ゲート弁式真空封止弁、31 ゲート弁体封止面、32 ゲート弁体、39 ゲート弁ケース封止面、40 粒体移送口、41 上開口部(真空封止口に同じ)、42 下開口部、50真空封止手段、60 フィード弁カバー、65 スイング弁カバー、70 ボール弁式真空封止弁、71 ボール弁体封止面、 72 ボール弁体、79 ボール弁ケース封止面、80 スイング弁式粒体遮断弁、81 スイング弁体当接面、82 スイング弁体、89 スイング弁体封止面、90 ロータリ弁式真空封止弁、91 ロータリ弁体封止面、92 ロータリ弁体、99 ロータリ弁ケース封止面、100 粒体移送用真空バルブ、200 粒体移送用真空バルブ、300 粒体移送用真空バルブ、400 粒体移送用真空バルブ、500 粒体移送用真空バルブ、510 第二室、θ 上案内角、φ 漏斗当接角
Claims (17)
- 真空室の開口部を開閉し且つ真空封止する粒体移送用真空バルブであって、
前記開口部を粒体が落下不能なように閉塞し且つ落下可能なように開通する粒体遮断弁と、
該粒体遮断弁の鉛直下方に設置され、前記開口部を真空封止し且つ粒体が落下可能なように開通する真空封止弁とを有し、
前記粒体遮断弁によって開通された範囲が前記真空封止弁によって開通された範囲より小さく、
前記粒体遮断弁が開口部を閉塞した状態において、前記真空封止弁が開口部を真空封止する動作または開通する動作をするとともに、
前記真空封止弁が開口部を開通した状態において、前記粒体遮断弁が開口部を閉塞する動作または開通する動作をすることを特徴とする粒体移送用真空バルブ。 - 前記開口部に上方に向かって開いた上案内部が設けられてなることを特徴とする請求項1記載の粒体移送用真空バルブ。
- 前記上案内部のテーパ角度が40°〜140°でなることを特徴とする請求項2記載の粒体移送用真空バルブ。
- 前記上案内部の下端に筒状の下案内部が設けられてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の粒体移送用真空バルブ。
- 前記粒体遮断弁が前後進自在なフィード弁であって、その弁体が鉛直方向に対して所定の当接角度で傾斜した弁体当接面を具備し、
前記上案内部の下端面または下案内部の下端面が、鉛直方向に対して前記当接角度で傾斜した漏斗当接面を具備し、
前記弁体が前進した際、前記弁体当接面が漏斗当接面に当接して粒体の落下を不能にすることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の粒体移送用真空バルブ。 - 前記粒体遮断弁が水平方向に設けられた回動軸を中心に鉛直面内で回動自在な弁体を具備するスイング弁であって、
前記上案内部の下端面または下案内部の下端面が、鉛直方向に対して所定の当接角度で傾斜した漏斗当接面を具備し、
前記弁体が回動した際、前記漏斗当接面に当接して粒体の落下を不能にする弁体当接面を具備することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の粒体移送用真空バルブ。 - 前記当接角度が30〜60°でなることを特徴とする請求項5または6記載の粒体移送用真空バルブ。
- 前記上案内部の下端面または下案内部の下端面を包囲して鉛直下方に設けられた筒状の粒体遮断弁カバーを有することを特徴とする請求項2乃至7の何れかに記載の粒体移送用真空バルブ。
- 前記粒体が、金属または合金を切削加工または穿孔加工した際に発生する切削チップまたは穿孔チップであることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の粒体移送用真空バルブ。
- 前記真空封止弁が略水平方向に前後進自在なゲート弁または略水平面内で旋回自在なロータリ弁であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の粒体移送用真空バルブ。
- 前記ゲート弁のゲート弁体または該ゲート弁体を収容するゲート弁ケースの一方または両方に真空封止手段が設置され、
前記ゲート弁体が前進限に到達した際、前記真空封止手段が前記ゲート弁体およびゲート弁ケースによって挟圧されることを特徴とする請求項10記載の粒体移送用真空バルブ。 - 前記ロータリ弁のロータリ弁体または該ロータリ弁体を収容するロータリ弁ケースの一方または両方に真空封止手段が設置され、
前記ロータリ弁体が一方の旋回限に到達した際、前記真空封止手段が前記ロータリ弁体およびロータリ弁ケースによって挟圧されることを特徴とする請求項10記載の粒体移送用真空バルブ。 - 前記真空封止弁が略水平方向の回動軸を中心に回動自在なボール弁であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の粒体移送用真空バルブ。
- 粒体が天井部に設けられた天井開口部から搬入され、一旦内部に収容された後、床部に設けられた床部開口部から搬出される真空室であって、
前記天井開口部および床部開口部に請求項1乃至12の何れかに記載の粒体移送用真空バルブが設置されることを特徴とする真空室。 - 前記真空室の床部開口部が射出成型機の加熱室に連結されることを特徴とする請求項14記載の真空室。
- 前記真空室が真空封止された状態で、該真空室内のガスを排出してから真空室内に不活性ガスを注入する排気注気作業が複数回に渡って実施されることを特徴とする請求項14または15記載の真空室。
- 前記真空室内に不活性ガスを注入する際、該真空室が正圧に加圧されることを特徴とする請求項16記載の真空室。
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