JP2004180585A - スピニングリールのスプール - Google Patents

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Abstract

【課題】スプール軸に対してロック・ロック解除可能なスプールにおいて、スプールの回転位相が変化してもロック・ロック解除操作を容易にできるようにする。
【解決手段】スピニングリールのスプールは、糸巻胴部50と、前フランジ部51と、ロック機構52と、ロック操作機構53とを備えている。糸巻胴部は、スプール軸20に回転自在に装着され外周に釣り糸が巻き付けられるものである。前フランジ部は、糸巻胴部の前側に設けられ糸巻胴部より大径のものである。ロック機構は、糸巻胴部をスプール軸に対して少なくとも糸繰り出し方向に回転不能にロックするロック状態と回転可能にロック解除するロック解除状態とを取り得る。ロック操作機構は、糸巻胴部の一端部に回動自在に装着された環状の操作部59を有し、操作部の糸巻胴部に対する両方向の回動によりロック機構をロック・ロック解除する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプール、特に、スピニングリールのリール本体に前後移動自在に装着されたスプール軸の先端に装着されるスピニングリールのスプールに関する。
【0002】
【従来の技術】
スピニングリールには、釣り糸を巻き付けるためにスプールが装着されている。スプールは、ハンドルの回転によりリール本体に対して前後移動するスプール軸の先端に装着されている。スプールは、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部と、糸巻胴部と一体形成されたスカート部とを有している。スプールには、スプール軸の先端にドラグ機構を介して装着されているものと、スプール軸の先端に回転不能に装着されているものとがある。また、スプールの両側方にはロータのロータアームが配置されており、ロータアームの先端にはスプールに釣糸を案内するためのベールアームが装着されている。
【0003】
このようなスピニングリールでは、巻取時には、ハンドルを回すとロータアームが回転するとともにスプール軸が前後移動し、ベールアームがスプールの周りを回転して釣り糸をスプールに巻き付ける。繰り出し時には、ベールアームを開放姿勢することで釣り糸がスプールから前方に向けて放出される。
ドラグ機構を介してスプール軸に連結されたスピニングリールでは、仕掛けがなにかに引っ掛かる根掛かりが生じたとき、ドラグ力を最大にしてもドラグ機構が作動してスプールが回り釣り糸を切断できないときがある。また、太い釣り糸で大物を強引に釣り上げるときにもドラグ機構が作動してスプールが回り釣り糸を巻き取れないことがある。
【0004】
遠投用のスピニングリールでは、砂浜から遠いポイントに仕掛けを飛ばすキャスティングを行うときには、投げる前にハンドルを回転させてスプールを往復ストロークの最前方に位置させることがある。このようにスプールを最前方に位置させると、スプールから放出される釣糸とロータアームとの干渉を最小限に抑えることができ、仕掛けを遠くのポイントに飛ばしやすい。しかし、ハンドルによりスプールを最前方位置に配置すると、ロータも回転するため、仕掛けの垂らし長さ(竿先から仕掛けまでの釣り糸の長さ)が変化してしまう。仕掛けの垂らし長さが変化すると、仕掛けを遠くに飛ばしにくくなる。
【0005】
また、遠投用のスピニングリールでは、ドラグ力が弱いとキャスティング時の仕掛けに働く遠心力によりスプールが回転して釣り糸が繰り出されることがある。スプールの回転により釣り糸が繰り出されると、ドラグ抵抗により仕掛けを遠くに飛ばせなくなることがある。そこで、キャスティング時にドラグ力を強くしてキャスティングすることが行われている。しかし、ドラグ力を強くしてキャスティングすると、キャスティング後にもとのドラグ力に正確に戻すのが煩わしい。
【0006】
これらの問題を解決できるロック機構を有するスピニングリールが、従来知られている(特許文献1参照)。このスピニングリールは、スプールをスプール軸に対してロック・ロック解除可能なものである。従来のスピニングリールは、糸巻胴部の後部にスプール軸に回転不能に装着され外周面に係止部を有するロック部材及び糸巻胴部の後面にロック部材の係止部に係合するロック爪を有するロック手段と、スカート部に設けられロック手段をロック・ロック解除する操作手段とを備えている。操作手段は、スカート部に周方向移動自在にスカート部から突出して設けられている。この操作手段を周方向のロック位置とロック解除位置とに移動させることにより、スプールをスプール軸に対してロック・ロック解除できる。
【0007】
このような構成の従来のスピニングリールでは、ドラグ機構を有するスピニングリールの場合、スプールをスプール軸にロックすればドラグ機構が作動しなくなる。ドラグ機構が作動しなければ、スプールが回転しないので、根掛かりや大物釣りに対応できる。また、キャスティング時にロックして着水後にロック解除すればもとのドラグ力に容易に戻すことができる。さらに、スプールを最前方位置にした状態でロック解除すれば、スプールを回転させて仕掛けの垂らし長さを変更できる。
【0008】
【特許文献1】
実公平1−23265公報(たとえば、2頁第4欄、第2図参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のスピニングリールのスプールでは、ロック手段を操作する操作手段がスカート部に周方向に移動自在に設けられている。スカートを含むスプールは、ドラグが作動すると糸繰り出し方向に回転する。このため、操作手段の位置がスプールの回転位相によって変化する。操作手段の位置が変化すると、ロックやロック解除の操作をとっさに行おうとしても、操作手段を位置を確認しなければならず、ロック・ロック解除操作を瞬時に行いにくい。
【0010】
また、スプールのスカート部に操作手段が突出して設けられているので、糸ふけなどにより釣り糸がスプール後方に回り込んだとき、操作手段に釣り糸が絡むおそれがある。
本発明の課題は、スプール軸に対してロック・ロック解除可能なスプールにおいて、スプールの回転位相が変化してもロック・ロック解除操作を容易にできるようにすることにある。
【0011】
本発明の別の課題は、スプール軸に対してロック・ロック解除可能なスプールにおいて、糸絡みを抑えることができるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールのスプールは、スピニングリールのリール本体に前後移動自在に装着されたスプール軸の先端に装着されるスプールであって、糸巻胴部と、前フランジ部と、ロック手段と、操作手段とを備えている。糸巻胴部は、スプール軸に回転自在に装着され外周に釣り糸が巻き付けられるものである。前フランジ部は、糸巻胴部の前側に設けられ糸巻胴部より大径のものである。ロック手段は、糸巻胴部をスプール軸に対して少なくとも糸繰り出し方向に回転不能にロックするロック状態と回転可能にロック解除するロック解除状態とを取り得る手段である。操作手段は、糸巻胴部の一端部に回動自在に装着された環状の操作部を有し、操作部の糸巻胴部に対する両方向の回動によりロック手段をロック・ロック解除する手段である。
【0013】
このスプールでは、操作手段の操作部をスプール軸回りの両方向のいずれか一方に回動させることによりロック手段がロック状態になり、糸巻胴部をスプール軸に対してロックでき、他方向に回動させることによりロック解除できる。したがって、ドラグ機構を有するスプールの場合には、ロック状態でドラグ機構が動作しないのでスプールを完全にロックできる。また、ロック解除すればドラグ機構を動作させることができる。また、ドラグ機構を有さない場合には、ロック状態にすればスプールが自由回転可能状態になる。ここでは、糸巻胴部に対して回動する操作手段の操作部を環状に形成し、この環状の操作部の回動操作によりロック手段をロック状態とロック解除状態とに切り換えできるので、スプールの回転位相がどのような位置にあっても操作部を操作できる。このため、スプールの回転位相が変化してもロック・ロック解除操作を容易にできるようになる。また、環状の操作部で操作できるので、操作部を突出させる必要がなくなりスプールに余分の突起がなくなり、糸絡みが生じにくくなる。
【0014】
発明2に係るスピニングリールのスプールは、発明1に記載のスプールにおいて、糸巻胴部の後端部に回動自在に装着され糸巻胴部より大径に形成された筒状のスカート部をさらに備え、操作部はスカート部を有する。この場合には、スカート部と操作部とを兼用できるので、スプールの構成が簡素になるとともに、スカート部の外周に釣り糸が絡みにくくなる。
【0015】
発明3に係るスピニングリールのスプールは、発明1又は2に記載のスプールにおいて、ロック手段は、ロック状態で糸巻胴部の繰り出し方向の回転をロックし、糸巻取方向の回転を許容する、この場合には、ロック状態でも糸巻取方向にはスプールを回転させることができるので、ロック状態でも仕掛けの垂らし長さを糸巻取方向に回転させて調整できる。
【0016】
発明4に係るスピニングリールのスプールは、発明1から3のいずれかに記載のスプールにおいて、ロック手段は、スプール軸に回転不能に装着され、外周面に係止部を有するロック部材と、第1端がロック部材の係止部に係止されるロック位置と係止部から離反する解除位置とに揺動自在に糸巻胴部に装着され、第1端と揺動中心を挟んだ第2端が操作手段に係合するロック爪とを有し、操作手段は、糸巻胴部に対する操作の回動範囲を規制する規制手段と、操作部と糸巻胴部との間に配置され、操作部を回動範囲の両端に振り分けて付勢するトグルばね機構と、操作部の両方向の回動に連動してロック爪をロック位置と解除位置とに揺動させるように第2端を操作部に連結する連結手段とを有する。この場合には、ロック爪を連結手段により操作部と連結し、操作部の回動によりロック爪をロック部材の係止部に係止するロック位置と離反する離反位置とに操作する。この操作部は、トグルばね機構により回動範囲の両端に付勢されるので、ロック爪が両位置で確実に保持され、キャスティングなどの影響によりロック手段の状態が変化しにくい。
【0017】
発明5に係るスピニングリールのスプールは、発明1に記載のスプールにおいて、糸巻胴部は、外周に釣り糸が巻き付けられる第1筒状部と、第1筒状部の後端部に一体形成され第1筒状部より大径の第1フランジ部と、スプール軸に回転自在に装着される筒状のボス部と、ボス部と第1筒状部とを連結する円板状の壁部とを有し、操作部は、第1フランジ部に対向して配置された第2フランジ部と、第2フランジ部の外周側からリール本体に向かって延びる第2筒状部と、第2フランジ部の内周側から第1筒状部の内周面に沿ってリール本体から離れる方向に延び第1筒状部に回動自在に支持された第3筒状部と、第3筒状部の先端からスプール軸に向かって形成された第3フランジ部とを有し、規制手段は、第1及び第2フランジ部のいずれか一方に回動範囲に応じた長さで形成された円弧状の第1長孔と、第1及び第2フランジ部のいずれか他方に第1長孔を貫通可能に装着され第1長孔に係止される係止ピンとを有する。この場合には、両フランジ部の対向部分で操作部と糸巻胴部との回動範囲を規制できるとともに、第1筒状部の内周面に沿って延びる第3筒状部によって操作部を糸巻胴部に対して回動自在に装着できる。
【0018】
発明6に係るスピニングリールのスプールは、発明5に記載のスプールにおいて、トグルばね機構は、ボス部と壁部との間に配置されている。この場合には、ボス部とボス部の外周面と対向する壁部との間にトグルばね機構を配置することにより、トグルばね機構の配置が容易になる。
発明7に係るスピニングリールのスプールは、発明5又は6に記載のスプールにおいて、ロック爪は、糸巻胴部の壁部に揺動自在に装着されている。この場合には、糸巻胴部の壁部にロックつめを揺動自在に装着しているので、スプール軸に装着されたロック部材に接触させやすくなるとともに、操作部との連結も容易になる。
【0019】
発明8に係るスピニングリールのスプールは、発明5から7のいずれかに記載のスプールにおいて、連結手段は、第3フランジ部に回動範囲とロック爪の揺動範囲とに応じた長さで形成された円弧状の第2長孔と、ロック爪の第2端に設けられ、第2長孔に係止される連結ピンとを有する。この場合には、操作部の回動範囲をロック爪の揺動範囲より大きくして操作性を向上させることができる。
【0020】
発明9に係るスピニングリールのスプールは、発明1から8のいずれかに記載のスプールにおいて、糸巻胴部の内部に糸巻胴部を押圧可能に装着された摩擦部と、スプール軸の先端に螺合し摩擦部を押圧するつまみ部とを有するドラグ機構をさらに備える。この場合には、ドラグ機構を設けることにより、ロック手段をロック状態とロック解除状態とに切り換えて、ドラグを操作することなくスプールロック状態とドラグ作動状態とを瞬時に切り換えられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1において、本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、主に投げ釣り用のフロントドラグ型のスピニングリールであって、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は釣り糸をその外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動可能に配置されている。
【0022】
リール本体2は、ロータ3やスプール4を支持するリールボディ10と、リールボディ10から上方に延びる竿取付脚部12とを有している。リールボディ10はたとえばアルミニウム合金製の部材であり、ハンドル1を左右何れからか装着可能なものである。リールボディ10の内部には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、スプール4を前後移動させて均一に釣り糸を巻き取るためのレベルワインド機構6とが設けられている。
【0023】
竿取付脚部12は、リールボディ10から上方に斜め前方に延びる部材であり、リールボディ10と一体で略T字型に形成されている。
ロータ駆動機構5は、ハンドル軸7にハンドル軸7と一体で形成されたマスターギア13と、マスターギア13に噛み合うピニオンギア14とを有している。ピニオンギア14は筒状に形成されており、ピニオンギア14の前部はロータ3の中心部を貫通してスプール4側に延びている。そして、その先端にはねじ部が形成されている。ピニオンギア14は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受15、16を介してリール本体2に回転自在に支持されている。
【0024】
レベルワインド機構6は、図1に示すように、スプール4の中心部を先端で固定したスプール軸20を前後方向に往復移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。レベルワインド機構6は、スプール軸20の上方に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。螺軸21は、スプール軸20と平行に配置されており、先端部がロータ3の内部でリールボディ10に回転自在に支持されている。また、螺軸21の外周部には螺旋状の溝21aが形成されている。スライダ22にはスプール軸20の後端が軸方向移動不能及び回転不能に固定されている。スライダ22は、螺軸21の上方及び下方に平行に配置されたガイド軸24a、24bにより軸方向に案内される。中間ギア23は、螺軸21の先端部に固定されており、ピニオンギア14に噛み合っている。
【0025】
ロータ3は、円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とを有している。円筒部30と第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とは一体成形されている。円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス33aが形成されている。このボス33aの貫通孔をピニオンギア14の前部及びスプール軸20が貫通している。前壁33の前方側にはナット34が配置されており、このナット34がピニオンギア14の先端のねじ部に螺合している。ナット34の内周部には、ナット34をスプール軸20に対して回転自在に支持するための軸受35が配置されている。
【0026】
また、円筒部30の内部にはロータ3の逆転防止機構37が配置されている。逆転防止機構37は、図示しないローラ型のワンウェイクラッチと、ワンウェイクラッチを作動状態及び非作動状態に切り換える操作機構38とを有している。ワンウェイクラッチは、外輪がリールボディ10に固定され、内輪がピニオンギア14に固定されている。操作機構38は、リールボディ10の下部に配置された操作レバー39を有しており、操作レバー39を揺動させることでワンウェイクラッチが2つの状態に切り換られ、作動状態のときにロータ3が逆転不能になり、非作動状態のときロータ3が逆転可能になる。
【0027】
第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32の先端の内周側には、図1から図3に示すように、第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材41がそれぞれ揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40は第1ロータアーム31に回転自在に支持されている。第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材41の先端には、釣り糸をスプール4に案内するために釣り糸案内機構42が装着されている。
【0028】
釣り糸案内機構42は、第1ベール支持部材40に一端が固定された図示しない固定軸と、固定軸と一体で形成された固定軸カバー44と、概略筒状のラインローラ45と、ベール46とを有している。ベール46は、第2ベール支持部材41と固定軸カバー44とに両端が固定され、スプール4の周方向外方に湾曲して配置され、釣り糸を固定軸カバー44を介してラインローラ45に導く。
【0029】
スプール4は、図1から図3に示すように、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸20の先端にドラグ機構60を介して連結されている。
スプール4は、図2に拡大して示すように、スプール軸20に回転自在に装着され外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部50と、糸巻胴部50の前側に一体で設けられ糸巻胴部50より大径の前フランジ部51と、ロック機構52と、ロック操作機構53と、糸巻胴部50の後端部に回動自在に装着され糸巻胴部50より大径に形成された筒状のスカート部54とを有している。
【0030】
糸巻胴部50は、外周に釣り糸が巻き付けられる第1筒状部50aと、第1筒状部50aの後端部に一体形成され第1筒状部50aより大径の第1フランジ部50bと、スプール軸20に回転自在に装着される筒状のボス部50cと、ボス部50cと第1筒状部50aとを連結する円板状の壁部50dと、壁部50dの前面に形成された筒状のドラグ収納部50eとを有している。第1筒状部50aは、前側がわずかに縮径したテーパ状の外周面を有している。
【0031】
第1フランジ部50bには、周方向の4箇所に係止ピン70がねじ込まれている。ボス部50cとスプール軸20との間には、鍔71a付きのブッシュ71が装着されており、これにより、スプール4がスプール軸20に対して回転自在に装着されている。壁部50dの後面には、ロック機構52のロック爪58を装着するための段付きの軸ボス部50fが後方に突出して形成されている。ドラグ収納部50eは、ドラグ収納部50eから放射状に第1筒状部50aに向けて形成された4つのリブ50gにより補強されている。リブ50gには、ドラグ機構60の後述するドラグディスクを抜け止めするための抜け止め板55がねじ56により固定されている。また、リブ50gの形成部分のドラグ収納部50eの内周面には、ドラグディスクを回り止めするための係止溝50hが4箇所形成されている。抜け止め板55は、前フランジ部51の前面及びリブ50gの前面に接触して配置されている。なお、図2では、スプール軸20を挟んでリブ50g形成部分と非形成部分との断面を描いている。
【0032】
ロック機構52は、糸巻胴部50をスプール軸20に対して少なくとも糸繰り出し方向に回転不能にロックするロック状態と回転可能にロック解除するロック解除状態とを取り得る機構である。ロック機構52は、図2〜図4に示すように、スプール軸20に回転不能に装着されたロック部材57と、ロック部材57に係止されるロック爪58とを有している。
【0033】
ロック部材57は、外周面に周方向に間隔を隔てて配置された複数の凹凸からなる係止部57aを有する円板状の部材であり、内周面にスプール軸20の先端に互いに並行に形成された面取り部20aに係合する長円形のスリット57bを有している。また、ロック部材57は、面取り部20aの後端にブッシュ71の鍔71aの後面に接触して配置されており、面取り部20aの段差に接触してドラグ機構60により押圧されるスプール4の後方への移動を規制する機能も有している。
【0034】
ロック爪58は、先端58aがロック部材57の係止部57aに係止されるロック位置(図3)と係止部57aから離反する解除位置(図4)とに揺動自在に糸巻胴部50の軸ボス部50fに装着されている。ロック爪58の先端58aと揺動中心を挟んで逆側の基端部58bはロック操作機構53に係合している。基端部58bには、ロック操作機構53に係止される連結ピン58cがロック操作機構53に向けて突出している。ロック爪58は、矢符Aで示すスプール4の糸繰り出し方向の回転をロックするように、先端58aが糸繰り出し方向上流側に向けて配置されている。したがって、スプール4の糸繰り出し方向の回転は許容される。
【0035】
ロック操作機構53は、糸巻胴部50の後端部にスプール軸回りに回動自在に装着された環状の操作部59を有し、操作部59の糸巻胴部50に対する両方向の回動によりロック機構52をロック・ロック解除するものである。また、ロック操作機構53は、糸巻胴部50に対する操作部59の回動範囲を規制する規制機構72と、操作部59と糸巻胴部50との間に配置され、操作部59を回動範囲の両端に振り分けて付勢するトグルばね機構73と、操作部59の両方向の回動に連動してロック爪58をロック位置と解除位置とに揺動させるようにロック爪58の基端部58bを操作部59に連結する連結機構74とを有している。
【0036】
操作部59は、第1フランジ部50bに対向して配置された第2フランジ部59aと、第2フランジ部59aの外周側から前記リール本体2に向かって延びる第2筒状部59bと、第2フランジ部59aの内周側から第1筒状部50aの内周面に沿ってリール本体2から離れる方向に延びる第3筒状部59cと、第3筒状部59cの先端からスプール軸20に向かって形成された第3フランジ部59dと、第3筒状部59cの前端から前方に延びた後にスプール軸20に向かって延びるトグル取付部59eとを有している。この第2筒状部59bがスカート部54を兼ねている。
【0037】
第2フランジ部59aには、係止ピン70が貫通する円弧状の第1長孔72aが円周方向の4箇所に操作部59の回動範囲に応じた長さで形成されている。この係止ピン70と第1長孔72aとにより操作部59の回動範囲を規制する規制機構72が構成されている。この実施形態では、第1長孔72aは、スプール軸芯に対して略35度の角度となるような長さで形成されている。
【0038】
第3筒状部59cは、第1筒状部50aの内周面に回動自在に支持されている。第3筒状部59cは、第1筒状部50aと同様に僅かに先細りに形成されている。
第3フランジ部59dは、中心が大きく開口するリング状の部材であり、そこには、ロック爪58の基端部58bに立設された連結ピン58cが係止される円弧状の第2長孔74aが形成されている。この連結ピン58cと第2長孔74aとにより、操作部59の両方向の回動に連動してロック爪58をロック位置と解除位置とに揺動させるようにロック爪58と操作部59とを連結する連結機構74が構成される。すなわち、第2長孔74aの図3左端に連結ピン58cに配置された状態の位置から操作部59が矢符Aで示す方向に回動して、図4に示す位置に到達すると、第2長孔74aの右端に連結ピン58cが係止されて、回動途中でロック爪58が揺動を開始し、ロック位置に揺動する。
【0039】
トグルばね機構73は、トグル取付部59eに揺動自在に装着されたガイド筒部73aと、ガイド筒部73a内に進退自在に装着されたバネ軸73bと、バネ軸73aを進出方向に付勢するコイルばね73cとを有している。バネ軸73bの先端は、糸巻胴部50の壁部50dに円弧状に凹んで形成された係止凹部50iに当接する半円断面を有している。トグルばね機構73は、糸巻胴部50と操作部59とが相対回動すると、その回動範囲の中心を死点として回動範囲の両側に向けて操作部59を振り分けて付勢する。
【0040】
ドラグ機構60は、図2に示すように、スプール軸20の先端に形成された雄ねじ部20bに螺合するナット80を有する操作つまみ81と、操作つまみ81により押圧される、たとえば6枚のドラグディスク82〜87とを有している。ドラグディスク82は、操作つまみ81に接触しており、ドラグディスク87は、糸巻胴部50の壁部50dの前面に接触している。その間にドラグディスク83〜86がこの順に配置されている。ドラグディスク82,86は,たとえば金属製の部材であり、内周面に面取り部20aに回転不能に係止されるスリット(図示せず)が形成されている。ドラグディスク83,85,87は,たとえばフェルト製である。ドラグディスク84は、たとえば金属製の部材であり、外周部に係止溝50hに係合する耳部84aが径方向に突出して4箇所形成されている。
【0041】
ドラグ機構60では、スプール4がスプール軸に対して回転可能な状態で操作つまみ81を回すことで、ドラグディスク82〜87への圧接力を変化させ、ドラグ力を調整できる。
このように構成されたスピニングリールのスプール4では、操作部59を回動することにより、スプール4をスプール軸20に対して回動不能なロック状態と回動可能なロック解除状態に切り換えることができる。スカート部54を含む操作部59を図3に示す位置に配置すると、ロック爪58がロック部材57の係合部に接触してスプール4の糸繰り出し方向の回転が禁止され、スプール4がロック状態になる。この状態では、ドラグ機構60によるドラグ力は作用せずにスプール4は、スプール軸20に対してロックされる。このため、根掛かりしたときなどに釣糸を切断しやすくなる。
【0042】
そして、スカート部54を糸巻胴部50に対して回動させて図3に示す位置から図4に示す位置に配置すると、第2長孔74aにより連結ピン58cが係止されてロック爪58が離反位置に揺動し、ロック解除される。このとき、トグルばね機構73の死点を超えると、操作部59はロック解除する位置側に付勢されるため、ロック爪58は解除位置側に保持される。この状態では、スプール4はスプール軸20に対して相対回転可能であるため、ドラグ機構60によるドラグ力がスプール4に作用する。したがって、スプール4をロックした後に設定されたドラグ力に簡単に戻すことができる。
【0043】
ここでは、糸巻胴部50に対して回動する操作機構の操作部59を環状に形成し、この環状の操作部59の回動操作によりロック機構52をロック状態とロック解除状態とに切り換えできるので、スプール4の回転位相がどのような位置にあっても操作部59を操作できる。このため、スプールの回転位相が変化してもロック・ロック解除操作を容易にできるようになる。また、環状の操作部59で操作できるので、操作部59を突出させる必要がなくなりスプールに余分の突起がなくなり、糸絡みが生じにくくなる。
【0044】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、操作部59をスカート部に設けたが、操作部を前フランジ部に設けてもよい。
(b)前記実施形態では、ドラグ機構60をスプール4に内蔵したが、ドラグ機構を有さないスプールにも本発明を適用できる。この場合、スプールをロック状態と回転可能状態とに切り換えることができる。このため、仕掛けの垂らし長さを容易に変更でき、ドラグ機構を有さない投げ釣り用のスピニングリールに好適である。
【0045】
(c)実施形態では、スプール内にドラグ機構を有するフロントドラグ型のスピニングリールを例に説明したが、リアドラグ型のスピニングリールや、ロータを制動するレバーブレーキ型のスピニングリールのスプールにも本発明を適用できる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、糸巻胴部に対して回動する操作手段の操作部を環状に形成し、この環状の操作部の回動操作によりロック手段をロック状態とロック解除状態とに切り換えできるので、スプールの回転位相がどのような位置にあっても操作部を操作できる。このため、スプールの回転位相が変化してもロック・ロック解除操作を容易にできるようになる。また、環状の操作部で操作できるので、操作部を突出させる必要がなくなりスプールに余分の突起がなくなり、糸絡みが生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの側面断面図。
【図2】そのスプールの断面拡大図。
【図3】ロック状態においてスプールを後方から見た断面図。
【図4】ロック解除状態においてスプールを後方から見た断面図。
【符号の説明】
2 リール本体
4 スプール
20 スプール軸
50 糸巻胴部
50a 第1筒状部
50b 第1フランジ部
50c ボス部
50d 壁部
51 前フランジ部
52 ロック機構
53 ロック操作機構
54 スカート部
57 ロック部材
58 ロック爪
59 操作部
59a 第2フランジ部
59b 第2筒状部
59c 第3筒状部
59d 第3フランジ部
70 係止ピン
72 規制機構
72a 第1長孔
73 トグルばね機構
74 連結機構
74a 第2長孔

Claims (9)

  1. スピニングリールのリール本体に前後移動自在に装着されたスプール軸の先端に装着されるスピニングリールのスプールであって、
    前記スプール軸に回転自在に装着され外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部と、
    前記糸巻胴部の前側に設けられ前記糸巻胴部より大径の前フランジ部と、
    前記糸巻胴部を前記スプール軸に対して少なくとも糸繰り出し方向に回転不能にロックするロック状態と回転可能にロック解除するロック解除状態とを取り得るロック手段と、
    前記糸巻胴部の一端部に前記スプール軸回りに回動自在に装着された環状の操作部を有し、前記操作部の前記糸巻胴部に対する両方向の回動により前記ロック手段をロック・ロック解除する操作手段と、
    を備えたスピニングリールのスプール。
  2. 前記糸巻胴部の後端部に回動自在に装着され前記糸巻胴部より大径に形成された筒状のスカート部をさらに備え、
    前記操作部は前記スカート部を有する、請求項1に記載のスピニングリールのスプール。
  3. 前記ロック手段は、前記ロック状態で前記糸巻胴部の繰り出し方向の回転をロックし、糸巻取方向の回転を許容する、請求項1又は2に記載のスピニングリールのスプール。
  4. 前記ロック手段は、
    前記スプール軸に回転不能に装着され、外周面に係止部を有するロック部材と、
    第1端が前記ロック部材の係止部に係止されるロック位置と前記係止部から離反する解除位置とに揺動自在に前記糸巻胴部に装着され、前記第1端と揺動中心を挟んだ第2端が前記操作部に係合するロック爪とを有し、
    前記操作手段は、
    前記糸巻胴部に対する前記操作部の回動範囲を規制する規制手段と、
    前記操作部と前記糸巻胴部との間に配置され、前記操作部を回動範囲の両端に振り分けて付勢するトグルばね機構と、
    前記操作部の前記両方向の回動に連動して前記ロック爪を前記ロック位置と前記解除位置とに揺動させるように前記第2端を前記操作部に連結する連結手段とを有する、請求項1から3のいずれかに記載のスピニングリールのスプール。
  5. 前記糸巻胴部は、
    外周に釣り糸が巻き付けられる第1筒状部と、
    前記第1筒状部の後端部に一体形成され前記第1筒状部より大径の第1フランジ部と、
    前記スプール軸に回転自在に装着される筒状のボス部と、
    前記ボス部と前記第1筒状部とを連結する円板状の壁部とを有し、
    前記操作部は、
    前記第1フランジ部に対向して配置された第2フランジ部と、
    前記第2フランジ部の外周側から前記リール本体に向かって延びる第2筒状部と、
    前記第2フランジ部の内周側から第1筒状部の内周面に沿って前記リール本体から離れる方向に延び前記第1筒状部に回動自在に支持された第3筒状部と、
    前記第3筒状部の先端から前記スプール軸に向かって形成された第3フランジ部とを有し、
    前記規制手段は、
    前記第1及び第2フランジ部のいずれか一方に前記回動範囲に応じた長さで形成された円弧状の第1長孔と、
    前記第1及び第2フランジ部のいずれか他方に前記第1長孔を貫通可能に装着され前記長孔に係止される係止ピンとを有する、請求項4に記載のスピニングリールのスプール。
  6. 前記トグルばね機構は、前記ボス部と前記壁部との間に配置されている、請求項5に記載のスピニングリールのスプール。
  7. 前記ロック爪は、前記糸巻胴部の壁部に揺動自在に装着されている、請求項5又は6に記載のスピニングリールのスプール。
  8. 前記連結手段は、
    前記第3フランジ部に前記回動範囲と前記ロック爪の揺動範囲とに応じた長さで形成された円弧状の第2長孔と、
    前記ロック爪の第2端に設けられ、前記第2長孔に係止される連結ピンとを有する、請求項5から7のいずれかに記載のスピニングリールのスプール。
  9. 前記糸巻胴部の内部に前記糸巻胴部を押圧可能に装着された摩擦部と、
    前記スプール軸の先端に螺合し前記摩擦部を押圧するつまみ部とを有するドラグ機構をさらに備える、請求項1から8のいずれかに記載のスピニングリールのスプール。
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