JP2004179959A - 車載用通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信アンテナの設置場所の自由度が高まり、また受信アンテナと電子機器とを接続するワイヤーハーネスなどを削減することができる車載用通信装置を提供する。
【解決手段】車外のGPS、TV、FM、AMなどといった電波をGPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV及びFM、AMアンテナAFMAMが受信し、中継器51が、上記アンテナから得られる受信信号に基づき、送信信号を生成し、車両内に設けられた送信アンテナAthが、中継器51により生成された送信信号を、無線送信する。
【選択図】 図2
【解決手段】車外のGPS、TV、FM、AMなどといった電波をGPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV及びFM、AMアンテナAFMAMが受信し、中継器51が、上記アンテナから得られる受信信号に基づき、送信信号を生成し、車両内に設けられた送信アンテナAthが、中継器51により生成された送信信号を、無線送信する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載用通信装置に係わり、特に、車外の電波を受信する車載用通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、GPS、VICS、FM、AM、TV等の公衆電波を受信する装置として、図7に示されたようなカーナビゲーション装置、カーステレオ装置が知られている。同図に示すように、カーナビゲーション本体10及びカーステレオ本体20は、運転席から操作可能な位置である、車両100前方に設けられている。また、GPS、VICS、FM、AM、TV等の公衆電波を受信するGPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、FM、AMアンテナAFMAMは、車両前方に設置されており、TVアンテナATVは、車両100後方のルーフに設置されている。
【0003】
上記カーナビゲーション本体10と、GPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATVとは、ワイヤーハーネスを介して接続されており、このワイヤーハーネスを通じて、GPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS及びTVアンテナATVから得られる受信信号を、カーナビゲーション本体10に供給している。
【0004】
また、カーステレオ本体20と、FM、AMアンテナAFMAMとも、ワイヤーハーネスを介して接続されており、このワイヤーハーネスを通じて、FM、AMアンテナAFMAMから得られる受信信号を、カーステレオ本体10に供給している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来では、ワイヤーハーネスを用いて、各受信アンテナと、受信アンテナが受信した受信信号に応じて動作する、カーナビゲーション本体10や、カーステレオ本体20といった電子機器とを接続している。
【0006】
このため、例えば、図7中のGPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、FM、AMアンテナAFMAMのように、電子機器の近くにアンテナを設置すると、電子機器と受信アンテナとを接続するワイヤーハーネスの長さは短くすることができるが、受信アンテナの設置場所が限定されてしまうという問題が生じる。
【0007】
一方、図7中のTVアンテナATVのように、電子機器の設定位置に関係なく、受信状態の良好な場所に受信アンテナを設置すると、受信アンテナと電子機器とを接続するワイヤーハーネスが長くなり、その配索が困難となるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、受信アンテナの設置場所の自由度が高まり、また受信アンテナと電子機器とを接続するワイヤーハーネスなどを削減することができる車載用通信装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、車外の電波を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナから得られる受信信号に基づき、送信信号を生成する生成手段と、車内に設けられ、前記生成した送信信号を無線送信する送信アンテナとを備えたことを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、車外のGPS、TV、FM、AMなどといった電波を受信アンテナが受信し、生成手段が、受信アンテナから得られる受信信号に基づき、送信信号を生成し、車両内に設けられた送信アンテナが、生成手段により生成された送信信号を、無線送信する。従って、送信アンテナから無線送信された送信信号を受信して、その送信信号に応じて動作を行うことができる電子機器を設ければ、受信アンテナから電子機器に対して信号を送信するために、ワイヤハーネスを用いる必要がない。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車載用通信装置であって、前記生成手段は、車両の開口部枠又は車両内部に設けられた導電性膜に覆われた空間の開口部枠を導波管と見立てた場合に、この導波管の遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成することを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、導波管において、遮断周波数以下の周波数の電波は、導波管内を伝播する際に減衰することに着目し、生成手段が、車両の開口部枠または車両内部に設けられた導電性膜に覆われた空間の開口部枠を導波管と見立てた場合に、この導波管の遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成する。従って、電子機器の受信アンテナを車両内、または、車両内部の導電性膜に覆われた空間に設ければ、車内や、導電性膜に覆われた空間で発生した送信信号の電波が、その開口部枠を通過して、車外にでる際に、開口部枠(=導波管)により減衰され、外部の電子機器に影響を与える電界強度レベルで電波が車外にでることはない。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の車載用通信装置であって、前記生成手段は、前記受信信号の搬送波周波数を、前記遮断周波数以下に変換する周波数変換手段を有し、該周波数変換した受信信号を前記送信信号とすることを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、生成手段において、周波数変換手段が、受信信号の搬送波周波数を、遮断周波数以下に変換する。生成手段が、この周波数変換した受信信号を送信信号とする。従って、周波数変換手段を用いて簡単に、遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成することができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3項記載の車載用通信装置であって、前記受信アンテナは、複数の周波数帯の電波を受信するため、複数設けられ、前記生成手段は、前記周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成することを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、受信アンテナが、複数の周波数帯の電波を受信するため、複数設けられている。生成手段が、周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成する。従って、送信信号が、その周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有しているため、フィルタなどを用いれば、複数の送信信号の中から、特定の送信信号を抽出することができる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の車載用通信装置であって、前記周波数毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する複数の送信信号を混合する混合手段をさらに備え、前記混合手段は、混合した送信信号を、前記送信アンテナを用いて無線送信させることを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、混合手段が、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する複数の送信信号を混合し、混合した送信信号を、送信アンテナを用いて無線送信させる。従って、混合することにより、単一の送信アンテナを用いて、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する複数の送信信号を送信することができる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1又は2記載の車載用通信装置であって、前記生成手段は、前記受信信号をベースバンド信号に復調する復調手段を有し、該ベースバンド信号に基づき、送信信号を生成することを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、生成手段において、復調手段が、受信信号をベースバンド信号に復調する。生成手段が、このベースバンド信号に基づき、送信信号を生成する。従って、受信信号をベースバンド信号に復調することによって、受信信号のフォーマットとは異なる車内無線LAN独自のフォーマットなどに加工された送信信号を生成することができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、その前に、導波管の開口寸法と遮断周波数との一般関係について説明する。
【0022】
図1は、モデルケースとしての方形導波管の開口端付近の要部斜視図である。このような方形導波管を使って電波を伝搬させる場合に、その伝搬特性を司る方形導波管内の電界は、内部に誘電体が一様に分布しているものとすると、方形導波管の長辺方向両内面においてゼロになるという境界条件を満たす限り、方形導波管の内面に対する電波の入射波や反射波の線形結合によって決まる。
【0023】
したがって、電波の伝搬について考えるこのケースでは、導波方向と直交する方形導波管の断面方向における磁界がゼロであるものとして(TEモード)、マックスウェルの波動方程式の解を求めることで、方形導波管を伝搬する電波の波形や周波数の計算上の値が、いくつか決まる。
【0024】
但し、方形導波管の長辺の2倍以上の波形では、電波が方形導波管内に収まりきれないので、実際には、上記したようにしていくつか求まる計算上の波長のうち、方形導波管の長辺の2倍以下の波長の電波が、方形導波管を使って伝搬させることのできる電波であることになる。
【0025】
そして、上記した計算により求まる波長や周波数の組み合わせ、すなわち、方形導波管を伝導する電波の形(モード)は、複数存在し(波長の大きいものから順にTE10、TE20、TE01、TE21、…)、それぞれのモードに、それ以上でないと方形導波管内を電波が伝搬しない遮断周波数が存在する。
【0026】
つまり、導波方向と直交する方形導波管の断面方向における磁界がゼロであるTE(Toransverse Electricfield)モードでは、電界が方形導波管の断面方向成分しか存在しないので、各モードの遮断周波数以下の周波数の電波については、方形導波管を使って伝搬させることができないわけである。
【0027】
よって、この性質を利用して、波長の最も大きい(周波数の最も低い)モード(この場合にはTE10モード)の遮断周波数以下の電波を発生させれば、その電波を、方形導波管により減衰させることができる。
【0028】
ちなみに、方形導波管の長辺寸法をL、方形導波管の短辺寸法をMとして、方形導波管の場合のTEモードにおける遮断周波数fを一般式で表すと、
flm=c{[(l/L)2+(m/M)2]1/2}/2
となり、TE10モードにおける遮断周波数f10は、l=1、m=0を代入して、
f10=c{[(1/L)2+(0/M)2]1/2}/2=c/2L
となる。
【0029】
なお、ここでは方形導波管を例に取って説明したが、円形導波管の場合には、境界条件を考慮に入れてベッセル関数を解くことで、円形導波管を伝搬する電波(TEモード)の波長や周波数の計算上の値をいくつか求めることができる。また、任意断面形状の導波管の場合には、やはり境界条件を考慮に入れてヘルムホルツ方程式(ラプラス方程式)を解くことで、任意断面積形状の導波管を伝搬する電波(TEモード)の波長や周波数の計算上の値をいくつか求めることができる。
【0030】
そして、上記のようにしていくつか求めた各形状・寸法の導波管を伝搬する電波(TEモード)の周波数から定まる、いくつかの遮断周波数のうち、最も低い遮断周波数以下の周波数の電波を発生させれば、その電波は何れの形状・形状の導波管によっても減衰される。
【0031】
第1実施形態
次に、本発明の第1実施の形態を、図面を参照して説明する。図2は、本発明の車載用通信装置が設けられた車両の一実施の形態を示す図である。
同図に示すように、TVチューナ(図示せず)が内蔵されたカーナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40は、運転席から操作可能な位置である車両100前方に設けられている。また、車載用通信装置50は、車両100の後方に設けられている。
【0032】
車載用通信装置50は、車両100のルーフや、リアガラス付近に設けられ、車外のGPS、VICS、TV、AM、FMといった公衆電波を受信するためのGPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV及びFM、AMアンテナAFMAM(請求項中の受信アンテナに相当)を備えている。
【0033】
車載用通信装置50は、さらに、上記受信アンテナの近くに設けられ、各受信アンテナとワイヤーハーネスで接続されている生成手段としての中継器51と、上述したカーナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40と無線通信を行うための送信アンテナAthとを備えている。
【0034】
次に、上述した中継器51の詳細な構成について、図3を参照にして説明する。
同図に示すように、中継器51は、GPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV及びFM、AMアンテナAFMAMから得られる受信信号と、発振器LO11〜LO14から出力される発振周波数fLO1〜fLO4の発振信号とを乗算するミキサM11〜M14とを備える。
【0035】
上記発振信号の発振周波数fLO1〜fLO4は、ミキサM11〜M14によって乗算を行った結果、周波数f1〜f4の周波数成分を有する受信信号が得られるような値に設定されている。なお、上記周波数f1〜f4は、何れも車両内に設けられた複数の開口部枠のうち、最大の開口面積を持つ開口部枠(例えば、フロントガラスの開口部)を導波管と見立てた場合に、この導波管の遮断周波数以下の周波数であり、各々異なる周波数である。
【0036】
具体的には、fGPS=GPS周波数、fVICS=VICS周波数、fTV=TV周波数、fFMAM=FM、AM周波数としたとき、
fLO1=fGPS−f1
fLO2=fVICS−f2
fLO3=fTV−f3
fLO4=fFMAM−f4となるように設定している。
【0037】
また、中継器51は、ミキサM11〜M14から出力される信号から周波数f1〜f4以外の周波数成分を除去するためのバンドパスフィルタ(以下、BPフィルタ)F11〜F14を備えている。このBPフィルタF11〜F14を通過した信号を、送信信号とする。さらに、中継器51は、上記各BPフィルタF11〜F14から出力される送信信号を合成する合成器52を備える。合成器52によって合成された送信信号は、送信アンテナAthにより無線送信される。
【0038】
上述した構成の中継器51の動作について、以下説明する。まず、GPSアンテナAGPSは、車外のGPS電波を受信し、GPS電波をGPS受信信号に変換して、ミキサM11に出力する。ミキサM11は、上記GPS受信信号と、発振器LO11から出力される発振周波数fLO1の発振信号とを乗算し、(fGPS+fLO1)、(fGPS−fLO1=f1)の周波数成分を有する信号を、BPフィルタF11に対して出力する。
【0039】
BPフィルタF11は、ミキサM11から出力される信号から、(fGPS+fLO1)の周波数成分を除去して、遮断周波数以下の周波数成分(fGPS−fLO1=f1)を有する送信信号として出力する。以上のことから明らかなように、発振器LO11、ミキサM11及びBPフィルタF11は、GPS受信信号の搬送波周波数fGPSを、遮断周波数以下の周波数f1に変換する周波数変換手段として働くことがわかる。
【0040】
同様に、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV、FM、AMアンテナAFMAMから各々得られるVICS受信信号、TV受信信号、FM、AM信号の搬送波周波数fVICS、fTV、fFMAMも、周波数変換手段として働く、発振器LO12〜LO14、ミキサM12〜M14及びBPフィルタF12〜F14によって、周波数変換され、結果、BPフィルタF12〜F14からは、遮断周波数以下の周波数成分f2〜f4を有する送信信号が各々出力される。
【0041】
BPフィルタF12〜F14から出力される周波数f1〜f4の送信信号は、合成器52によって合成され、合成された送信信号は、送信アンテナAthによって電波に変換されて、無線送信される。
【0042】
次に、上述した車載用通信装置から送信される送信信号を受信するカーナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40の詳細な構成について、図4を参照にして説明する。
同図(a)に示すように、カーナビゲーション装置30は、上記送信信号を受信するためのアンテナA1〜A3と、アンテナA1〜A3から得た受信信号から、周波数f1、f2、f3以外の成分を除去するBPフィルタF21〜F23と、このBPフィルタF21〜F23から出力される信号及び発振器LO21〜LO23から出力される発振周波数fLO1〜fLO3の発振信号とを乗算するミキサM21〜M23とを備える。
【0043】
また、カーナビゲーション装置30は、ミキサM21〜23から出力される信号から周波数fGPS、fVICS、fTV以外の周波数成分を除去するためのBPフィルタF31〜F33と、ナビゲーション本体31と、TVチューナ32とを備えている。なお、BPフィルタF33の出力のみが、TVチューナ32に供給される。
【0044】
また、同図(b)に示すように、カーステレオ装置40は、上記送信信号を受信するためのアンテナA4と、アンテナA4から得た受信信号から、周波数f4以外の成分を除去するBPフィルタF24と、このBPフィルタF24から出力される信号及び発振器LO24から出力される発振周波数fLO4の発振信号とを乗算するミキサM24とを備える。
【0045】
カーステレオ装40は、さらに、ミキサM24から出力される信号から周波数fFMAM以外の周波数成分を除去するためのBPフィルタF34と、カーステレオ本体41とを備えている。
【0046】
上述した構成のナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40の動作について、以下説明する。まず、アンテナA1は、車載用通信装置の送信アンテナAthから送信された電波を受信し、この電波を受信信号に変換して、BPフィルタF21に出力する。つまり、BPフィルタF21には、合成器52によって合成された送信信号と同等の周波数成分f1〜f4を有する受信信号が供給される。
【0047】
BPフィルタF21は、アンテナA1から得られる受信信号から、f2〜f4の周波数成分を除去して、周波数成分f1のみを、ミキサM21に対して出力する。ミキサM21は、上記周波数成分f1を有する受信信号と、発振器LO21から出力される発振周波数fLO1の発振信号とを乗算し、(f1+fLO1=fGPS)、(f1−fLO1)の周波数成分を有する信号をBPフィルタF31に対して出力する。
【0048】
BPフィルタF31は、ミキサM21から出力される信号から、(f1−fLO1)の周波数成分を除去して、GPS周波数fGPSを有する信号として、ナビゲーション本体31に対して出力する。つまり、GPSアンテナAGPSが受信したGPS信号と同等の信号をナビゲーション本体31に対して出力する。
【0049】
同様の動作で、BPフィルタF32は、VICSアンテナAVICSが受信したVICS信号と同等の信号をナビゲーション本体31に対して出力し、BPフィルタF33は、TVアンテナATVが受信したTV信号と同等の信号をTVチューナ32に対して出力する。また、BPフィルタF34は、FM、AMアンテナAFMAMが受信したFM、AM信号と同等の信号をカーステレオ本体41に対して出力する。
【0050】
上述した第1実施形態の発明によれば、車載用通信装置において、GPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV及びFM、AMアンテナAFMAMから受信した受信信号に基づいて、生成した送信信号を送信アンテナAthを用いてナビゲーション装置30や、カーステレオ装置40に対して送信している。
【0051】
このため、GPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV及びFM、AMアンテナAFMAMから、ナビゲーション装置30又はカーステレオ装置40に対して信号を送信するために、ワイヤーハーネスを用いる必要がなく、上述した受信アンテナの設置場所の自由度が高まり、また受信アンテナとナビゲーション装置30やカーステレオ装置40とを接続するワイヤーハーネスを削減することができる。
【0052】
また、第1実施形態の発明によれば、送信アンテナAthから送信される送信信号は、車両の開口部枠(フロントガラス枠など)を導波管と見立てた場合において、この導波管の遮断周波数以下の周波数成分f1〜f4を有している。このため、車内で発生した送信信号の電波が、その開口部枠を通過して、車外にでる際に、開口部枠(=導波管)により、減衰され、外部の電子機器に影響を与える電界強度レベルで電波が車外に出ることがなくなる。
【0053】
また、第1実施形態によれば、発振器LO11〜LO14、ミキサM11〜M14、BPフィルタF11〜F14によって、各受信アンテナによって得られる受信信号の搬送波周波数を、遮断周波数以下に変換している。このため、簡単な構成で、遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成することができ、コストダウンを図ることができる。
【0054】
また、第1実施形態によれば、受信アンテナは、GPS周波数帯、VICS周波数帯、TV周波数帯、FM、AM周波数帯受信用に複数、設けられている。また、各受信アンテナから得られる受信信号は、周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数f1〜f4に変換されている。このため、送信信号を受け取るナビゲーション装置30や、カーステレオ装置40においては、BPフィルタF21からF24を用いることにより、複数の送信信号を混合することなく、受信することができる。
【0055】
さらに、第1実施形態によれば、合成器52によって、BPフィルタF11〜F14から出力される各々異なる遮断周波数以下の周波数f1〜f4成分を有する複数の送信信号が混合されている。このため、単一の送信アンテナを用いて、簡単に送信信号を送信することができるようになる。
【0056】
第2実施形態
なお、上述した第1実施形態における車載用通信装置では、受信アンテナにより得られた受信信号の復調を行わず、周波数変換するだけで、送信信号の変調方式や、フォーマットは受信信号と変えていなかった。しかしながら、例えば、上記受信信号をベースバンド信号まで復調して、復調したベースバンド信号に基づき、車内無線LANなどに用いられる受信信号とは別のフォーマットに加工した送信信号を生成して送信することも考えられる。
【0057】
この場合の車載通信装置の構成について、図5を参照して以下説明する。上述した車載通信装置は、受信アンテナA5と、BPフィルタF41〜F43、周波数変換器53〜55、A/D変換器56、復調手段としてのデジタル復調・信号処理装置57、データ制御装置58、無線機59及び送受信用アンテナA6を備えている。上記受信アンテナA5は、GPS、VICS、地上波デジタル放送などの電波を受信する。なお、これら電波のベースバンド信号は、デジタル信号であるとする。
【0058】
また、BPフィルタF41〜F43は、各々GPS周波数、VICS周波数、デジタル放送周波数以外の周波数成分を除去する。従って、受信アンテナA5からのGPS受信信号は、BPフィルタF41を通過して、周波数変換器53に供給され、VICS受信信号は、BPフィルタF42を通過して、周波数変換器54に供給され、デジタル放送受信信号は、BPフィルタF43を通過して、周波数変換器55に供給される。
【0059】
上記周波数変換器53〜55は、供給されたGPS受信信号、VICS受信信号、デジタル放送受信信号の搬送波周波数を変換して、A/D変換器56に供給する。A/D変換器56は、周波数変換されたGPS受信信号、VICS受信信号、デジタル放送受信信号をデジタル信号に変換して、デジタル復調・信号処理装置57に対して供給する。
【0060】
デジタル復調・信号処理装置57は、供給されたGPS受信信号、VICS受信信号、デジタル放送受信信号のデジタル信号をデジタル信号処理して、それぞれベースバンド信号(デジタル信号)に復調して、データ制御装置58に対して供給する。データ制御装置58では、送信要求信号が供給されると、GPS受信信号、VICS受信信号、デジタル放送受信信号のベースバンド信号を、車内無線LAN用のフレームフォーマットに加工し、無線機59に対して出力する。
【0061】
上記無線機59は、遮断周波数以下の周波数の搬送波を用いて、車内無線LAN用のフレームフォーマットに加工されたベースバンド信号を変調した後、送信信号として、送受信用アンテナA6を用いて無線送信させる。
【0062】
これに対して、ナビゲーション装置30やカーステレオ装置40は、図6に示すような構成となる。同図に示すように、ナビゲーション装置30や、カーステレオ装置40は、各々受信アンテナA7、無線機61、データ制御装置62、装置本体63を備える。
【0063】
上述した受信アンテナA7は、受信した電波を受信信号に変換して、無線機61に対して出力する。無線機61は、上記受信信号を、車内無線LAN用のフレームフォーマットに加工されたベースバンド信号に復調し、データ制御装置62に供給する。データ制御装置62は、装置本体63に必要なデータを車内無線LAN用のフレームフォーマットに加工されたベースバンド信号から抽出して、装置本体63に対して供給する。データ制御装置62は、また、送信要求信号を無線機61及び送信アンテナA7を介して、車載用通信装置に対して無線送信させる。
【0064】
車載用通信装置−ナビゲーション装置30、カーステレオ装置40で行われる無線LAN方式は、周波数分割多重方式、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式などの各種デジタル多重方式を採用することができる。
【0065】
上述した第2実施形態によれば、デジタル復調・信号処理装置57が、受信信号をベースバンド信号に復調することにより、受信信号の変調方式やフォーマットとは異なる車内無線LAN独自のフォーマットに加工された送信信号を生成することができるようになる。
【0066】
なお、上述した第1及び第2実施形態では、車両の開口部を導波管と見立てていたが、例えば、導電性膜で覆われた空間を作って、その空間の開口部枠を導波管と見立てることも考えられる。この場合、上記空間で、車載用通信装置−ナビゲーション装置30、カーステレオ装置40の通信を行えば、導電性膜で完全に覆われた閉空間を作ることができず、その空間に開口部があったとしても、その開口部(=導波管)で電波が減衰されるため、空間外に外部の電子機器に影響を与える電界強度レベルで電波が出ることがない、つまり、車外に外部の電子機器に影響を与える電界強度レベルで電波が出ることがない。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、送信アンテナから無線送信された送信信号を受信して、その送信信号に応じて動作を行うことができる電子機器を設ければ、受信アンテナから電子機器に対して信号を送信するために、ワイヤハーネスを用いる必要がないので、受信アンテナの設置場所の自由度が高まり、また受信アンテナと電子機器とを接続するワイヤーハーネスなどを削減することができる車載用通信装置を得ることができる。
【0068】
請求項2記載の発明によれば、電子機器の受信アンテナを車両内、または、車両内部の導電性膜に覆われた空間に設ければ、車内や、導電性膜に覆われた空間で発生した送信信号の電波が、その開口部枠を通過して、車外にでる際に、開口部枠(=導波管)により減衰され、外部の電子機器に影響を与える電界強度レベルで電波が車外にでることはない車載用通信装置を得ることができる。
【0069】
請求項3記載の発明によれば、周波数変換手段を用いて簡単に、遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成することができるので、構成が簡単となり、コストダウンを図った車載用通信装置を得ることができる。
【0070】
請求項4記載の発明によれば、送信信号が、その周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有しているため、フィルタなどを用いれば、複数の送信信号の中から、特定の送信信号を抽出することができるので、特定の送信信号によって動作する電子機器が、他の送信信号によって誤動作することがない車載用通信装置を得ることができる。
【0071】
請求項5記載の発明によれば、混合することにより、単一の送信アンテナを用いて、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する複数の送信信号を送信することができるので、構成が簡単となり、コストダウンを図った車載用通信装置を得ることができる。
【0072】
請求項6記載の発明によれば、受信信号をベースバンド信号に復調することによって、受信信号のフォーマットとは異なる車内無線LAN独自のフォーマットなどに加工された送信信号を生成することができるようになるので、車内無線LANを利用して送信信号を送信することができるようになる車載用通信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】方形導波管の開口端付近の要部斜視図である。
【図2】本発明の車載用通信装置が設けられた車両の一実施の形態を示す図である。
【図3】第1実施形態における図2の車載用通信装置を構成する中継器51の詳細な構成を示す図である。
【図4】第1実施形態における図2のカーナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40の詳細な構成を示す図である。
【図5】第2実施形態における図2の車載用通信装置の構成を示す図である。
【図6】第1実施形態における図2のカーナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40といった電子機器の詳細な構成を示す図である。
【図7】従来のGPS、VICS、FM、AM、TV等の公衆電波を受信する装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
51 中継器(生成手段)
ARGPS GPSアンテナ(受信アンテナ)
ARVICS VICSアンテナ(受信アンテナ)
ARTV TVアンテナ(受信アンテナ)
ARFMAM FM、AMアンテナ(受信アンテナ)
Ath 送信アンテナ
LO11〜LO14 発振器(周波数変換手段)
M11〜M14 ミキサ(周波数変換手段)
F11〜F14 バンドパスフィルタ(周波数変換手段)
52 合成器(混合手段)
57 デジタル復調・信号処理装置(復調手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載用通信装置に係わり、特に、車外の電波を受信する車載用通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、GPS、VICS、FM、AM、TV等の公衆電波を受信する装置として、図7に示されたようなカーナビゲーション装置、カーステレオ装置が知られている。同図に示すように、カーナビゲーション本体10及びカーステレオ本体20は、運転席から操作可能な位置である、車両100前方に設けられている。また、GPS、VICS、FM、AM、TV等の公衆電波を受信するGPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、FM、AMアンテナAFMAMは、車両前方に設置されており、TVアンテナATVは、車両100後方のルーフに設置されている。
【0003】
上記カーナビゲーション本体10と、GPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATVとは、ワイヤーハーネスを介して接続されており、このワイヤーハーネスを通じて、GPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS及びTVアンテナATVから得られる受信信号を、カーナビゲーション本体10に供給している。
【0004】
また、カーステレオ本体20と、FM、AMアンテナAFMAMとも、ワイヤーハーネスを介して接続されており、このワイヤーハーネスを通じて、FM、AMアンテナAFMAMから得られる受信信号を、カーステレオ本体10に供給している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来では、ワイヤーハーネスを用いて、各受信アンテナと、受信アンテナが受信した受信信号に応じて動作する、カーナビゲーション本体10や、カーステレオ本体20といった電子機器とを接続している。
【0006】
このため、例えば、図7中のGPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、FM、AMアンテナAFMAMのように、電子機器の近くにアンテナを設置すると、電子機器と受信アンテナとを接続するワイヤーハーネスの長さは短くすることができるが、受信アンテナの設置場所が限定されてしまうという問題が生じる。
【0007】
一方、図7中のTVアンテナATVのように、電子機器の設定位置に関係なく、受信状態の良好な場所に受信アンテナを設置すると、受信アンテナと電子機器とを接続するワイヤーハーネスが長くなり、その配索が困難となるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、受信アンテナの設置場所の自由度が高まり、また受信アンテナと電子機器とを接続するワイヤーハーネスなどを削減することができる車載用通信装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、車外の電波を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナから得られる受信信号に基づき、送信信号を生成する生成手段と、車内に設けられ、前記生成した送信信号を無線送信する送信アンテナとを備えたことを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、車外のGPS、TV、FM、AMなどといった電波を受信アンテナが受信し、生成手段が、受信アンテナから得られる受信信号に基づき、送信信号を生成し、車両内に設けられた送信アンテナが、生成手段により生成された送信信号を、無線送信する。従って、送信アンテナから無線送信された送信信号を受信して、その送信信号に応じて動作を行うことができる電子機器を設ければ、受信アンテナから電子機器に対して信号を送信するために、ワイヤハーネスを用いる必要がない。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車載用通信装置であって、前記生成手段は、車両の開口部枠又は車両内部に設けられた導電性膜に覆われた空間の開口部枠を導波管と見立てた場合に、この導波管の遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成することを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、導波管において、遮断周波数以下の周波数の電波は、導波管内を伝播する際に減衰することに着目し、生成手段が、車両の開口部枠または車両内部に設けられた導電性膜に覆われた空間の開口部枠を導波管と見立てた場合に、この導波管の遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成する。従って、電子機器の受信アンテナを車両内、または、車両内部の導電性膜に覆われた空間に設ければ、車内や、導電性膜に覆われた空間で発生した送信信号の電波が、その開口部枠を通過して、車外にでる際に、開口部枠(=導波管)により減衰され、外部の電子機器に影響を与える電界強度レベルで電波が車外にでることはない。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の車載用通信装置であって、前記生成手段は、前記受信信号の搬送波周波数を、前記遮断周波数以下に変換する周波数変換手段を有し、該周波数変換した受信信号を前記送信信号とすることを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、生成手段において、周波数変換手段が、受信信号の搬送波周波数を、遮断周波数以下に変換する。生成手段が、この周波数変換した受信信号を送信信号とする。従って、周波数変換手段を用いて簡単に、遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成することができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3項記載の車載用通信装置であって、前記受信アンテナは、複数の周波数帯の電波を受信するため、複数設けられ、前記生成手段は、前記周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成することを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、受信アンテナが、複数の周波数帯の電波を受信するため、複数設けられている。生成手段が、周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成する。従って、送信信号が、その周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有しているため、フィルタなどを用いれば、複数の送信信号の中から、特定の送信信号を抽出することができる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の車載用通信装置であって、前記周波数毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する複数の送信信号を混合する混合手段をさらに備え、前記混合手段は、混合した送信信号を、前記送信アンテナを用いて無線送信させることを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、混合手段が、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する複数の送信信号を混合し、混合した送信信号を、送信アンテナを用いて無線送信させる。従って、混合することにより、単一の送信アンテナを用いて、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する複数の送信信号を送信することができる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1又は2記載の車載用通信装置であって、前記生成手段は、前記受信信号をベースバンド信号に復調する復調手段を有し、該ベースバンド信号に基づき、送信信号を生成することを特徴とする車載用通信装置に存する。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、生成手段において、復調手段が、受信信号をベースバンド信号に復調する。生成手段が、このベースバンド信号に基づき、送信信号を生成する。従って、受信信号をベースバンド信号に復調することによって、受信信号のフォーマットとは異なる車内無線LAN独自のフォーマットなどに加工された送信信号を生成することができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、その前に、導波管の開口寸法と遮断周波数との一般関係について説明する。
【0022】
図1は、モデルケースとしての方形導波管の開口端付近の要部斜視図である。このような方形導波管を使って電波を伝搬させる場合に、その伝搬特性を司る方形導波管内の電界は、内部に誘電体が一様に分布しているものとすると、方形導波管の長辺方向両内面においてゼロになるという境界条件を満たす限り、方形導波管の内面に対する電波の入射波や反射波の線形結合によって決まる。
【0023】
したがって、電波の伝搬について考えるこのケースでは、導波方向と直交する方形導波管の断面方向における磁界がゼロであるものとして(TEモード)、マックスウェルの波動方程式の解を求めることで、方形導波管を伝搬する電波の波形や周波数の計算上の値が、いくつか決まる。
【0024】
但し、方形導波管の長辺の2倍以上の波形では、電波が方形導波管内に収まりきれないので、実際には、上記したようにしていくつか求まる計算上の波長のうち、方形導波管の長辺の2倍以下の波長の電波が、方形導波管を使って伝搬させることのできる電波であることになる。
【0025】
そして、上記した計算により求まる波長や周波数の組み合わせ、すなわち、方形導波管を伝導する電波の形(モード)は、複数存在し(波長の大きいものから順にTE10、TE20、TE01、TE21、…)、それぞれのモードに、それ以上でないと方形導波管内を電波が伝搬しない遮断周波数が存在する。
【0026】
つまり、導波方向と直交する方形導波管の断面方向における磁界がゼロであるTE(Toransverse Electricfield)モードでは、電界が方形導波管の断面方向成分しか存在しないので、各モードの遮断周波数以下の周波数の電波については、方形導波管を使って伝搬させることができないわけである。
【0027】
よって、この性質を利用して、波長の最も大きい(周波数の最も低い)モード(この場合にはTE10モード)の遮断周波数以下の電波を発生させれば、その電波を、方形導波管により減衰させることができる。
【0028】
ちなみに、方形導波管の長辺寸法をL、方形導波管の短辺寸法をMとして、方形導波管の場合のTEモードにおける遮断周波数fを一般式で表すと、
flm=c{[(l/L)2+(m/M)2]1/2}/2
となり、TE10モードにおける遮断周波数f10は、l=1、m=0を代入して、
f10=c{[(1/L)2+(0/M)2]1/2}/2=c/2L
となる。
【0029】
なお、ここでは方形導波管を例に取って説明したが、円形導波管の場合には、境界条件を考慮に入れてベッセル関数を解くことで、円形導波管を伝搬する電波(TEモード)の波長や周波数の計算上の値をいくつか求めることができる。また、任意断面形状の導波管の場合には、やはり境界条件を考慮に入れてヘルムホルツ方程式(ラプラス方程式)を解くことで、任意断面積形状の導波管を伝搬する電波(TEモード)の波長や周波数の計算上の値をいくつか求めることができる。
【0030】
そして、上記のようにしていくつか求めた各形状・寸法の導波管を伝搬する電波(TEモード)の周波数から定まる、いくつかの遮断周波数のうち、最も低い遮断周波数以下の周波数の電波を発生させれば、その電波は何れの形状・形状の導波管によっても減衰される。
【0031】
第1実施形態
次に、本発明の第1実施の形態を、図面を参照して説明する。図2は、本発明の車載用通信装置が設けられた車両の一実施の形態を示す図である。
同図に示すように、TVチューナ(図示せず)が内蔵されたカーナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40は、運転席から操作可能な位置である車両100前方に設けられている。また、車載用通信装置50は、車両100の後方に設けられている。
【0032】
車載用通信装置50は、車両100のルーフや、リアガラス付近に設けられ、車外のGPS、VICS、TV、AM、FMといった公衆電波を受信するためのGPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV及びFM、AMアンテナAFMAM(請求項中の受信アンテナに相当)を備えている。
【0033】
車載用通信装置50は、さらに、上記受信アンテナの近くに設けられ、各受信アンテナとワイヤーハーネスで接続されている生成手段としての中継器51と、上述したカーナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40と無線通信を行うための送信アンテナAthとを備えている。
【0034】
次に、上述した中継器51の詳細な構成について、図3を参照にして説明する。
同図に示すように、中継器51は、GPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV及びFM、AMアンテナAFMAMから得られる受信信号と、発振器LO11〜LO14から出力される発振周波数fLO1〜fLO4の発振信号とを乗算するミキサM11〜M14とを備える。
【0035】
上記発振信号の発振周波数fLO1〜fLO4は、ミキサM11〜M14によって乗算を行った結果、周波数f1〜f4の周波数成分を有する受信信号が得られるような値に設定されている。なお、上記周波数f1〜f4は、何れも車両内に設けられた複数の開口部枠のうち、最大の開口面積を持つ開口部枠(例えば、フロントガラスの開口部)を導波管と見立てた場合に、この導波管の遮断周波数以下の周波数であり、各々異なる周波数である。
【0036】
具体的には、fGPS=GPS周波数、fVICS=VICS周波数、fTV=TV周波数、fFMAM=FM、AM周波数としたとき、
fLO1=fGPS−f1
fLO2=fVICS−f2
fLO3=fTV−f3
fLO4=fFMAM−f4となるように設定している。
【0037】
また、中継器51は、ミキサM11〜M14から出力される信号から周波数f1〜f4以外の周波数成分を除去するためのバンドパスフィルタ(以下、BPフィルタ)F11〜F14を備えている。このBPフィルタF11〜F14を通過した信号を、送信信号とする。さらに、中継器51は、上記各BPフィルタF11〜F14から出力される送信信号を合成する合成器52を備える。合成器52によって合成された送信信号は、送信アンテナAthにより無線送信される。
【0038】
上述した構成の中継器51の動作について、以下説明する。まず、GPSアンテナAGPSは、車外のGPS電波を受信し、GPS電波をGPS受信信号に変換して、ミキサM11に出力する。ミキサM11は、上記GPS受信信号と、発振器LO11から出力される発振周波数fLO1の発振信号とを乗算し、(fGPS+fLO1)、(fGPS−fLO1=f1)の周波数成分を有する信号を、BPフィルタF11に対して出力する。
【0039】
BPフィルタF11は、ミキサM11から出力される信号から、(fGPS+fLO1)の周波数成分を除去して、遮断周波数以下の周波数成分(fGPS−fLO1=f1)を有する送信信号として出力する。以上のことから明らかなように、発振器LO11、ミキサM11及びBPフィルタF11は、GPS受信信号の搬送波周波数fGPSを、遮断周波数以下の周波数f1に変換する周波数変換手段として働くことがわかる。
【0040】
同様に、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV、FM、AMアンテナAFMAMから各々得られるVICS受信信号、TV受信信号、FM、AM信号の搬送波周波数fVICS、fTV、fFMAMも、周波数変換手段として働く、発振器LO12〜LO14、ミキサM12〜M14及びBPフィルタF12〜F14によって、周波数変換され、結果、BPフィルタF12〜F14からは、遮断周波数以下の周波数成分f2〜f4を有する送信信号が各々出力される。
【0041】
BPフィルタF12〜F14から出力される周波数f1〜f4の送信信号は、合成器52によって合成され、合成された送信信号は、送信アンテナAthによって電波に変換されて、無線送信される。
【0042】
次に、上述した車載用通信装置から送信される送信信号を受信するカーナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40の詳細な構成について、図4を参照にして説明する。
同図(a)に示すように、カーナビゲーション装置30は、上記送信信号を受信するためのアンテナA1〜A3と、アンテナA1〜A3から得た受信信号から、周波数f1、f2、f3以外の成分を除去するBPフィルタF21〜F23と、このBPフィルタF21〜F23から出力される信号及び発振器LO21〜LO23から出力される発振周波数fLO1〜fLO3の発振信号とを乗算するミキサM21〜M23とを備える。
【0043】
また、カーナビゲーション装置30は、ミキサM21〜23から出力される信号から周波数fGPS、fVICS、fTV以外の周波数成分を除去するためのBPフィルタF31〜F33と、ナビゲーション本体31と、TVチューナ32とを備えている。なお、BPフィルタF33の出力のみが、TVチューナ32に供給される。
【0044】
また、同図(b)に示すように、カーステレオ装置40は、上記送信信号を受信するためのアンテナA4と、アンテナA4から得た受信信号から、周波数f4以外の成分を除去するBPフィルタF24と、このBPフィルタF24から出力される信号及び発振器LO24から出力される発振周波数fLO4の発振信号とを乗算するミキサM24とを備える。
【0045】
カーステレオ装40は、さらに、ミキサM24から出力される信号から周波数fFMAM以外の周波数成分を除去するためのBPフィルタF34と、カーステレオ本体41とを備えている。
【0046】
上述した構成のナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40の動作について、以下説明する。まず、アンテナA1は、車載用通信装置の送信アンテナAthから送信された電波を受信し、この電波を受信信号に変換して、BPフィルタF21に出力する。つまり、BPフィルタF21には、合成器52によって合成された送信信号と同等の周波数成分f1〜f4を有する受信信号が供給される。
【0047】
BPフィルタF21は、アンテナA1から得られる受信信号から、f2〜f4の周波数成分を除去して、周波数成分f1のみを、ミキサM21に対して出力する。ミキサM21は、上記周波数成分f1を有する受信信号と、発振器LO21から出力される発振周波数fLO1の発振信号とを乗算し、(f1+fLO1=fGPS)、(f1−fLO1)の周波数成分を有する信号をBPフィルタF31に対して出力する。
【0048】
BPフィルタF31は、ミキサM21から出力される信号から、(f1−fLO1)の周波数成分を除去して、GPS周波数fGPSを有する信号として、ナビゲーション本体31に対して出力する。つまり、GPSアンテナAGPSが受信したGPS信号と同等の信号をナビゲーション本体31に対して出力する。
【0049】
同様の動作で、BPフィルタF32は、VICSアンテナAVICSが受信したVICS信号と同等の信号をナビゲーション本体31に対して出力し、BPフィルタF33は、TVアンテナATVが受信したTV信号と同等の信号をTVチューナ32に対して出力する。また、BPフィルタF34は、FM、AMアンテナAFMAMが受信したFM、AM信号と同等の信号をカーステレオ本体41に対して出力する。
【0050】
上述した第1実施形態の発明によれば、車載用通信装置において、GPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV及びFM、AMアンテナAFMAMから受信した受信信号に基づいて、生成した送信信号を送信アンテナAthを用いてナビゲーション装置30や、カーステレオ装置40に対して送信している。
【0051】
このため、GPSアンテナAGPS、VICSアンテナAVICS、TVアンテナATV及びFM、AMアンテナAFMAMから、ナビゲーション装置30又はカーステレオ装置40に対して信号を送信するために、ワイヤーハーネスを用いる必要がなく、上述した受信アンテナの設置場所の自由度が高まり、また受信アンテナとナビゲーション装置30やカーステレオ装置40とを接続するワイヤーハーネスを削減することができる。
【0052】
また、第1実施形態の発明によれば、送信アンテナAthから送信される送信信号は、車両の開口部枠(フロントガラス枠など)を導波管と見立てた場合において、この導波管の遮断周波数以下の周波数成分f1〜f4を有している。このため、車内で発生した送信信号の電波が、その開口部枠を通過して、車外にでる際に、開口部枠(=導波管)により、減衰され、外部の電子機器に影響を与える電界強度レベルで電波が車外に出ることがなくなる。
【0053】
また、第1実施形態によれば、発振器LO11〜LO14、ミキサM11〜M14、BPフィルタF11〜F14によって、各受信アンテナによって得られる受信信号の搬送波周波数を、遮断周波数以下に変換している。このため、簡単な構成で、遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成することができ、コストダウンを図ることができる。
【0054】
また、第1実施形態によれば、受信アンテナは、GPS周波数帯、VICS周波数帯、TV周波数帯、FM、AM周波数帯受信用に複数、設けられている。また、各受信アンテナから得られる受信信号は、周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数f1〜f4に変換されている。このため、送信信号を受け取るナビゲーション装置30や、カーステレオ装置40においては、BPフィルタF21からF24を用いることにより、複数の送信信号を混合することなく、受信することができる。
【0055】
さらに、第1実施形態によれば、合成器52によって、BPフィルタF11〜F14から出力される各々異なる遮断周波数以下の周波数f1〜f4成分を有する複数の送信信号が混合されている。このため、単一の送信アンテナを用いて、簡単に送信信号を送信することができるようになる。
【0056】
第2実施形態
なお、上述した第1実施形態における車載用通信装置では、受信アンテナにより得られた受信信号の復調を行わず、周波数変換するだけで、送信信号の変調方式や、フォーマットは受信信号と変えていなかった。しかしながら、例えば、上記受信信号をベースバンド信号まで復調して、復調したベースバンド信号に基づき、車内無線LANなどに用いられる受信信号とは別のフォーマットに加工した送信信号を生成して送信することも考えられる。
【0057】
この場合の車載通信装置の構成について、図5を参照して以下説明する。上述した車載通信装置は、受信アンテナA5と、BPフィルタF41〜F43、周波数変換器53〜55、A/D変換器56、復調手段としてのデジタル復調・信号処理装置57、データ制御装置58、無線機59及び送受信用アンテナA6を備えている。上記受信アンテナA5は、GPS、VICS、地上波デジタル放送などの電波を受信する。なお、これら電波のベースバンド信号は、デジタル信号であるとする。
【0058】
また、BPフィルタF41〜F43は、各々GPS周波数、VICS周波数、デジタル放送周波数以外の周波数成分を除去する。従って、受信アンテナA5からのGPS受信信号は、BPフィルタF41を通過して、周波数変換器53に供給され、VICS受信信号は、BPフィルタF42を通過して、周波数変換器54に供給され、デジタル放送受信信号は、BPフィルタF43を通過して、周波数変換器55に供給される。
【0059】
上記周波数変換器53〜55は、供給されたGPS受信信号、VICS受信信号、デジタル放送受信信号の搬送波周波数を変換して、A/D変換器56に供給する。A/D変換器56は、周波数変換されたGPS受信信号、VICS受信信号、デジタル放送受信信号をデジタル信号に変換して、デジタル復調・信号処理装置57に対して供給する。
【0060】
デジタル復調・信号処理装置57は、供給されたGPS受信信号、VICS受信信号、デジタル放送受信信号のデジタル信号をデジタル信号処理して、それぞれベースバンド信号(デジタル信号)に復調して、データ制御装置58に対して供給する。データ制御装置58では、送信要求信号が供給されると、GPS受信信号、VICS受信信号、デジタル放送受信信号のベースバンド信号を、車内無線LAN用のフレームフォーマットに加工し、無線機59に対して出力する。
【0061】
上記無線機59は、遮断周波数以下の周波数の搬送波を用いて、車内無線LAN用のフレームフォーマットに加工されたベースバンド信号を変調した後、送信信号として、送受信用アンテナA6を用いて無線送信させる。
【0062】
これに対して、ナビゲーション装置30やカーステレオ装置40は、図6に示すような構成となる。同図に示すように、ナビゲーション装置30や、カーステレオ装置40は、各々受信アンテナA7、無線機61、データ制御装置62、装置本体63を備える。
【0063】
上述した受信アンテナA7は、受信した電波を受信信号に変換して、無線機61に対して出力する。無線機61は、上記受信信号を、車内無線LAN用のフレームフォーマットに加工されたベースバンド信号に復調し、データ制御装置62に供給する。データ制御装置62は、装置本体63に必要なデータを車内無線LAN用のフレームフォーマットに加工されたベースバンド信号から抽出して、装置本体63に対して供給する。データ制御装置62は、また、送信要求信号を無線機61及び送信アンテナA7を介して、車載用通信装置に対して無線送信させる。
【0064】
車載用通信装置−ナビゲーション装置30、カーステレオ装置40で行われる無線LAN方式は、周波数分割多重方式、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式などの各種デジタル多重方式を採用することができる。
【0065】
上述した第2実施形態によれば、デジタル復調・信号処理装置57が、受信信号をベースバンド信号に復調することにより、受信信号の変調方式やフォーマットとは異なる車内無線LAN独自のフォーマットに加工された送信信号を生成することができるようになる。
【0066】
なお、上述した第1及び第2実施形態では、車両の開口部を導波管と見立てていたが、例えば、導電性膜で覆われた空間を作って、その空間の開口部枠を導波管と見立てることも考えられる。この場合、上記空間で、車載用通信装置−ナビゲーション装置30、カーステレオ装置40の通信を行えば、導電性膜で完全に覆われた閉空間を作ることができず、その空間に開口部があったとしても、その開口部(=導波管)で電波が減衰されるため、空間外に外部の電子機器に影響を与える電界強度レベルで電波が出ることがない、つまり、車外に外部の電子機器に影響を与える電界強度レベルで電波が出ることがない。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、送信アンテナから無線送信された送信信号を受信して、その送信信号に応じて動作を行うことができる電子機器を設ければ、受信アンテナから電子機器に対して信号を送信するために、ワイヤハーネスを用いる必要がないので、受信アンテナの設置場所の自由度が高まり、また受信アンテナと電子機器とを接続するワイヤーハーネスなどを削減することができる車載用通信装置を得ることができる。
【0068】
請求項2記載の発明によれば、電子機器の受信アンテナを車両内、または、車両内部の導電性膜に覆われた空間に設ければ、車内や、導電性膜に覆われた空間で発生した送信信号の電波が、その開口部枠を通過して、車外にでる際に、開口部枠(=導波管)により減衰され、外部の電子機器に影響を与える電界強度レベルで電波が車外にでることはない車載用通信装置を得ることができる。
【0069】
請求項3記載の発明によれば、周波数変換手段を用いて簡単に、遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成することができるので、構成が簡単となり、コストダウンを図った車載用通信装置を得ることができる。
【0070】
請求項4記載の発明によれば、送信信号が、その周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有しているため、フィルタなどを用いれば、複数の送信信号の中から、特定の送信信号を抽出することができるので、特定の送信信号によって動作する電子機器が、他の送信信号によって誤動作することがない車載用通信装置を得ることができる。
【0071】
請求項5記載の発明によれば、混合することにより、単一の送信アンテナを用いて、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する複数の送信信号を送信することができるので、構成が簡単となり、コストダウンを図った車載用通信装置を得ることができる。
【0072】
請求項6記載の発明によれば、受信信号をベースバンド信号に復調することによって、受信信号のフォーマットとは異なる車内無線LAN独自のフォーマットなどに加工された送信信号を生成することができるようになるので、車内無線LANを利用して送信信号を送信することができるようになる車載用通信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】方形導波管の開口端付近の要部斜視図である。
【図2】本発明の車載用通信装置が設けられた車両の一実施の形態を示す図である。
【図3】第1実施形態における図2の車載用通信装置を構成する中継器51の詳細な構成を示す図である。
【図4】第1実施形態における図2のカーナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40の詳細な構成を示す図である。
【図5】第2実施形態における図2の車載用通信装置の構成を示す図である。
【図6】第1実施形態における図2のカーナビゲーション装置30及びカーステレオ装置40といった電子機器の詳細な構成を示す図である。
【図7】従来のGPS、VICS、FM、AM、TV等の公衆電波を受信する装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
51 中継器(生成手段)
ARGPS GPSアンテナ(受信アンテナ)
ARVICS VICSアンテナ(受信アンテナ)
ARTV TVアンテナ(受信アンテナ)
ARFMAM FM、AMアンテナ(受信アンテナ)
Ath 送信アンテナ
LO11〜LO14 発振器(周波数変換手段)
M11〜M14 ミキサ(周波数変換手段)
F11〜F14 バンドパスフィルタ(周波数変換手段)
52 合成器(混合手段)
57 デジタル復調・信号処理装置(復調手段)
Claims (6)
- 車外の電波を受信する受信アンテナと、
前記受信アンテナから得られる受信信号に基づき、送信信号を生成する生成手段と、
車内に設けられ、前記生成した送信信号を無線送信する送信アンテナと
を備えたことを特徴とする車載用通信装置。 - 請求項1記載の車載用通信装置であって、
前記生成手段は、車両の開口部枠又は車両内部に設けられた導電性膜に覆われた空間の開口部枠を導波管と見立てた場合に、この導波管の遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成する
ことを特徴とする車載用通信装置。 - 請求項2記載の車載用通信装置であって、
前記生成手段は、前記受信信号の搬送波周波数を、前記遮断周波数以下に変換する周波数変換手段を有し、該周波数変換した受信信号を前記送信信号とする
ことを特徴とする車載用通信装置。 - 請求項2又は3項記載の車載用通信装置であって、
前記受信アンテナは、複数の周波数帯の電波を受信するため、複数設けられ、
前記生成手段は、前記周波数帯毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する送信信号を生成する
ことを特徴とする車載用通信装置。 - 請求項4記載の車載用通信装置であって、
前記周波数毎に、各々異なる遮断周波数以下の周波数成分を有する複数の送信信号を混合する混合手段をさらに備え、
前記混合手段は、混合した送信信号を、前記送信アンテナを用いて無線送信させる
ことを特徴とする車載用通信装置。 - 請求項1又は2記載の車載用通信装置であって、
前記生成手段は、前記受信信号をベースバンド信号に復調する復調手段を有し、該ベースバンド信号に基づき、送信信号を生成する
ことを特徴とする車載用通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002343771A JP2004179959A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 車載用通信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002343771A JP2004179959A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 車載用通信装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004179959A true JP2004179959A (ja) | 2004-06-24 |
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ID=32705479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002343771A Withdrawn JP2004179959A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 車載用通信装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004179959A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100844643B1 (ko) * | 2006-11-17 | 2008-07-07 | 현대자동차주식회사 | 무선통신을 이용한 차량용 통합안테나의 무선 송수신시스템 |
EP2099092A1 (en) | 2008-03-04 | 2009-09-09 | Bury Sp.z.o.o | A method of transmission of a satellite positioning signal from an external antenna to an unexposed receiver, especially in mechanical vehicles, and a device, which is adapted to use this method |
JP2016521928A (ja) * | 2013-05-27 | 2016-07-25 | エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー | 高速の乗り物に関する無線通信における歪みを低減すること |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002343771A patent/JP2004179959A/ja not_active Withdrawn
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