JP2011040833A - 車載用デジタル放送受信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のアンテナを車両に搭載する場合に、各アンテナにて受信した受信信号をチューナへ伝送するための伝送線の数、及びシステム全体での部品数を削減することができる車載用デジタル放送受信システムを提供する。
【解決手段】4つのアンテナ2,2,2,2からの受信信号を第1信号処理装置10にて1つの伝送線6で伝送し、第2信号処理装置20が4つの受信信号チューナ3へ出力する。第1信号処理装置10は、3つの受信信号の周波数を周波数変換回路11,11,11にて変換し、合波器19に入力する。第2信号処理装置20では、受信信号と他の周波数の信号が混合されて周波数変換された信号が非線形特性を有する非線形増幅器26,27,28に入力され、非線形増幅器26,27,28から混変調により元の受信信号も出力され、BPF29,29,29が受信信号を取り出してチューナ3へ出力する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両に搭載されて、デジタル放送の受信を行なうための複数のアンテナを備える車載用デジタル放送受信システムに関する。特に、アンテナからチューナまでのデジタル放送の伝送線を省線化でき、且つ部品数も削減することができる車載用デジタル放送受信システムに関する。
従来、車両にアンテナ及びチューナを搭載することによってテレビ放送の電波を受信し、車内に配設されたディスプレイにテレビ番組を表示する車載テレビが普及している。車載テレビにおいては、安定した電波の受信を行なうために、車両に複数のアンテナを搭載する場合が多い。これは所謂ダイバーシティ方式による受信技術であり、複数のアンテナにて受信した信号を合成する、又は、受信した複数の信号の中で最も受信状態のよいものを選択することによって、電波の受信感度を高める技術である。また近年ではテレビ放送のデジタル化が進められているが、デジタル放送の受信を良好に行なうためには、車両に4つのアンテナを搭載することが好ましい。
図9はデジタル放送を受信する従来の車載テレビの構成を示す模式図であり、図10は同ブロック図である。図9において1は車両であり、車両1のフロントガラス及びリアガラスの左右上側には、デジタル放送を受信するための4つのアンテナ2が夫々配設されている。また、車両1の前部には、例えばインストルメントパネルの裏側などにデジタル放送受信用のチューナ3が配設されている。各アンテナ2は、受信信号を増幅する増幅器4(図9においては図示を省略する)と、受信信号を伝送するための伝送線5とを介して夫々チューナ3に接続されている。アンテナ2及びチューナ3を接続する4つの伝送線5は、車両の左右どちらかの前後2つのピラー内にまとめられて配策される場合が多い。
特許文献1においては、複数のアンテナのうち受信感度の優位なアンテナを選択して受信回路に接続することによって、受信回路をアンテナの数より削減し、コストを低減することができる車載用地上デジタルテレビの受信システムが提案されている。この受信システムでは、車両に搭載したGPS(Global Positioning System)受信機から得られる自車両の位置情報と、放送局側アンテナの位置情報とを基に、受信感度の優位なアンテナを選択している。
特開2007−281611号公報
車両には走行の安全性及び利便性等を向上させるために種々の電子機器が搭載されており、電子機器を動作させるためにはバッテリなどの電力供給源に接続するための電力ケーブル、及びECU(Electronic Control Unit)などの制御機器との間でデータの送受信を行なうための通信ケーブル等の伝送線を車両中に配設する必要がある。また近年では、車両の天井部分又はその近傍に配される電子機器が増加し、伝送線の数も増加しているが、車両のピラー内にはそれほど大きなスペースを確保できるわけではないため、ピラー内にこれらの伝送線を配策することが困難になる虞がある。
このため、上述のように従来の車載テレビ(図6参照)では、4つのアンテナ2及びチューナ3を接続する4つの伝送線5が車両のピラー内に配設されているが、4つの伝送線5を1つのピラー内に配設することは容易ではない。また、特許文献1に記載の車載用地上デジタルテレビの受信システムについても同様であり、上述の問題を解決することはできない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、デジタル放送を受信するための複数のアンテナを車両に搭載する場合に、各アンテナにて受信した受信信号をチューナへ伝送するための伝送線の数を削減して省線化を図ることができ、且つ部品数を削減して軽量化し、更に安価な構成で実現できる車載用デジタル放送受信システムを提供することを目的とする。
第1発明に係る車載用デジタル放送受信システムは、車両に搭載され、デジタル放送波を受信して受信信号を出力するアンテナを複数備え、該アンテナが出力する受信信号を伝送線にて伝送する車載用デジタル放送受信システムにおいて、複数の前記アンテナが出力した受信信号を夫々異なる周波数の信号に変換して同一の伝送線に出力する手段と、前記伝送線に出力された信号から、夫々異なる周波数帯域の信号を通過させる手段と、該手段が通過させた各信号を、非線形特性を有する回路にて混変調させる手段と、前記非線形回路から出力される信号から受信信号を選択して出力する手段とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る車載用デジタル放送受信システムは、車両に搭載され、デジタル放送波を受信して受信信号を出力するアンテナを複数備え、該アンテナが出力する受信信号を伝送線にて伝送する車載用デジタル放送受信システムにおいて、複数の前記アンテナが接続される第1信号処理装置と、該第1信号処理装置に伝送線を介して接続され、前記伝送線にて伝送された信号から複数の受信信号を選択して出力する第2信号処理装置とを含み、前記第1信号処理装置は、前記アンテナが出力する受信信号の周波数を、所定の周波数の信号を混合して変換する周波数変換部と、1つのアンテナが出力する受信信号、及び他のアンテナが出力して前記周波数変換部が周波数を変換した変換後の信号を同一の伝送線へ出力する出力部とを備え、前記第2信号処理装置は、前記伝送線に出力された信号から、夫々異なる周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタと、該バンドパスフィルタを通過した信号を混変調させる非線形回路と、該非線形回路から出力される信号から受信信号を選択して通過させるフィルタとを備えることを特徴とする。
第3発明に係る車載用デジタル放送受信システムは、前記第1信号処理装置は、前記周波数変換部が変換に用いる所定の周波数の局部発振信号を出力する発振器を備え、前記周波数変換部は、受信信号と前記局部発振信号とを混合して周波数を変換するようにしてあり、前記第1信号処理装置は、前記周波数変換部による周波数変換後の信号の内、前記所定の周波数から、デジタル放送電波の周波数と前記所定の周波数との和の周波数までの周波数帯域の信号を選択するフィルタを備えることを特徴とする。
第4発明に係る車載用デジタル放送受信システムは、前記第2信号処理装置のバンドパスフィルタは、前記所定の周波数からデジタル放送波の周波数と前記所定の周波数との和の周波数までの周波数帯域の信号を通過させるようにしてあることを特徴とする。
第5発明に係る車載用デジタル放送受信システムは、前記第1信号処理装置は、前記発振器から出力される局部発振信号の周波数を逓倍した逓倍信号を出力する逓倍部を備え、前記周波数変換部を複数備える場合、前記周波数変換部は夫々異なる逓倍数の逓倍信号を混合して周波数を変換するようにしてあることを特徴とする。
第6発明に係る車載用デジタル放送受信システムは、前記所定の周波数又は前記逓倍信号の周波数の内の最大周波数は、デジタル放送波の周波数との和が、前記伝送線にて伝送が可能である信号の最大周波数以下となるように選定されてあることを特徴とする。
第7発明に係る車載用デジタル放送受信システムは、前記所定の周波数は、デジタル放送波の周波数の2倍以上となるように選定されてあることを特徴とする。
第8発明に係る車載用デジタル放送受信システムは、前記アンテナを4つ備え、前記第1信号処理装置の周波数変換部は、前記他のアンテナが出力する受信信号の内の少なくとも1つの受信信号の周波数を変換するようにしてあり、前記第1信号処理装置の出力部は、前記1つのアンテナが出力する受信信号と、前記周波数変換部が変換した変換後の信号を同一の伝送線へ出力するようにしてあり、前記第2信号処理部は、前記バンドパスフィルタとして、前記受信信号及び前記変換後の周波数帯域の信号を夫々通過させるバンドパスフィルタを複数備え、前記非線形回路として、前記変換後の信号を夫々混変調させる非線形回路を少なくとも1つ備えることを特徴とする。
第9発明に係る車載用デジタル放送受信システムは、所定の周波数の局部発振信号を出力する発振器と、該発振器から出力される局部発振信号の周波数を逓倍した逓倍信号を出力する逓倍部とを備え、前記第1信号処理装置の周波数変換部は、前記他のアンテナが出力する受信信号の内の1つの受信信号の周波数を前記局部発振信号で変換し、他の受信信号の周波数を逓倍信号で変換するようにしてあり、前記第2信号処理装置の複数のバンドパスフィルタは、夫々、前記所定の周波数から、デジタル放送波の周波数と前記所定の周波数との和の周波数までの周波数帯域の信号、又は逓倍された周波数からデジタル放送波の周波数と前記逓倍された周波数との和の周波数までの周波数帯域の信号を通過させるようにしてあることを特徴とする。
第1発明及び第2発明では、複数のアンテナにて受信した複数の受信信号は、相互に異なる周波数の信号となるように変換され、局部発振器の周波数の信号成分と共に同一の伝送線にて伝送される。異なる周波数帯域の信号を通過させる手段を通過した各信号は、非線形特性を有する回路にて夫々混変調される。夫々周波数が変換された信号と、変換に用いられる局部発振周波数の信号との混変調により、周波数が変換される前の元の受信信号が発生するから、これを抽出する手段によって元の受信信号が抽出され、出力される。
図1は、非線形特性を有する回路の一例である増幅器における信号の入出力の非線形関係を示すグラフである。横軸に非線形増幅器への入力x、縦軸に出力yを示す。太い曲線にて非線形増幅器の入出力の関係を示し、細い曲線にて理想的な増幅器の入出力の関係を示す。増幅器の入出力x,yの関係は、一般的に以下の式(1)のように定義できる。
y=a・x+b・x2 +c・x3 …(1)
理想的な増幅器では、式(1)のb=0、c=0であり、入力される信号(波)xは、電力(振幅)がa倍となって出力される。
しかしながら、現実的な増幅器、特に非線形性が利用される非線形増幅器では、式(1)中のb、cはゼロでなく、入力される信号の2次成分及び3次成分も無視できない。このような増幅器に異なる周波数の2つの信号が入力されると、相互に干渉して混変調が起こる。ここで、2つの信号xi、xjを以下の式(2)に表わすと、2つの混合信号が非線形増幅器に入力された場合の出力yは以下の式(3)のようになる。
Figure 2011040833
式(3)にて得られる出力yを周波数軸にて示すと、図2のようになる。図2は、非線形増幅器に2つの周波数の異なる信号が入力された場合に出力される信号の周波数分布を示すグラフである。横軸に周波数、縦軸に出力を示す。なお、式(3)における3次周波数成分は図示を省略する。なお、ωiとfiとの関係は、ωi=2πfi、ωj=2πfjである。
式(3)及び図2に示すように、非線形特性を有する回路である非線形増幅器に、周波数が夫々fiとfjと異なる信号が混合されて入力された場合、元の周波数fi及びfjの信号のみならず、周波数が夫々2fi、2fj、fi−fj、fi+fj、2fj−fi、2fi−fjなどの信号成分も出力される。
このとき、周波数がfi−fjの信号も出力される。周波数fiを局部発振信号の可変の周波数f1と受信信号の周波数f2との和(fi=f1+f2)、周波数fjを局部発振信号の周波数(fj=f1)とすれば、周波数fi(=f1+f2)の信号とfj(=f1)の信号とを選択して非線形増幅器に入力することにより、fi−fj=f2の受信信号のみ取り出すことができる。
このような混変調を利用し、同一の伝送線で伝送される夫々周波数変換された信号を非線形増幅器などの非線形特性を有する回路に入力する。これにより、変換前の受信信号の成分が出力されるから、複数のアンテナで夫々受信した電波環境が異なる同一の周波数の受信信号からいずれかを選択して復調するに際し、各受信信号を一旦、同一の伝送線で伝送することができると共に、多数のバンドパスフィルタを用いて変換に利用される周波数の信号をも各別に通過させるように構成することなしに、元の受信信号を出力し、チューナへ入力することが可能である。
第3発明では、周波数変換には発振器が出力する所定の周波数の局部発振信号が用いられ、周波数変換部により受信信号と局部発振信号とが混合される。周波数変換部から出力される混合信号からは、所定の周波数から、所定の周波数及び受信信号の周波数(デジタル放送波の周波数)の和の周波数までの帯域の信号が選択されて出力される。これにより、不要な周波数の信号成分が除かれて同一の伝送線にて出力される際に、和の周波数の帯域の信号だけでなく所定の周波数の局部発振信号も選択することにより、後段にて局部発振器、混合器等を設けることなく、混変調に用いて元の受信信号を抽出することが可能となる。
第4発明では、伝送線に重畳された信号から、バンドパスフィルタにより重畳された変換後の信号が夫々選択されて抽出される。周波数変換部の変換により、所定の周波数から、所定の周波数及び受信信号の周波数(デジタル放送波の周波数)の和の周波数までの帯域の信号が出力されるのに対し、バンドパスフィルタによって不要な周波数の信号を取り除くことが可能であると共に、和の周波数までの帯域の信号だけでなく、所定の周波数の局部発振信号も選択されることにより、後段にて局部発振器を設けることなく、混変調に用いて元の受信信号を抽出することが可能となる。
第5発明では、複数の受信信号を夫々異なる周波数の信号に変換する際に用いる信号は、1つの発振器から出力される局部発振信号、及び当該局部発振信号を夫々異なる逓倍数で逓倍した逓倍信号である。これにより、異なる周波数の信号に変換するための信号を出力するために各別に発振器を備えることなく1つの発振器を備える構成で済む。更に、逓倍信号を用いることにより、変換後の信号の周波数が相互に離散的に離れるから、バンドパスフィルタによる抽出が容易となる。
第6発明では、複数の受信信号に所定の周波数又は逓倍信号を混合して得られる変換後の信号の周波数が、伝送線で伝送可能な信号の周波数を超えないように選定される。
第7発明では、所定の周波数は、デジタル放送波の周波数の2倍以上となるように設定される。
車載用のアンテナからの伝送線は例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)の規格が用いられる。この場合、6GHzを超える周波数の信号を伝送することが困難である。また、地上デジタル放送波の周波数帯域は、470〜710MHzである。この場合、上述にて説明した周波数f2に、受信対象の地上デジタル放送波の周波数を当てはめた場合、周波数f1とf2との和が6GHz以下となるように変換に用いる所定の周波数f1が選定される。
図3は、本発明の車載用デジタル放送受信システムにて選定される周波数帯域の例を示す説明図である。横軸に周波数、縦軸に出力電圧を示す。図3には、4つのアンテナにてデジタル放送波が受信されて受信信号が出力される場合、その内の3つの受信信号を変換するときの一例を示す。本発明はこの構成に限られないことは勿論である。
図3に示す例でも、周波数f2に、受信対象の地上デジタル放送波の周波数(470〜710MHz)を当てはめる。そして、変換に用いられる3つの信号夫々の周波数f1、f’1、f”1(f1<f’1<f”1)とした場合、(f”1+f2)が6GHz以下となるようにf”1が選定され、且つf2、f1、f1+f2、f’1、f’1+f2、f”1、f”1+f2が夫々重ならないように周波数f1、f’1、f”1が選定される。また、f1とf1+f2との間に、2f2が入らないように、f1>2f2とすることが望ましい。
図3の例では、周波数f1、f’1、f”1を夫々、1.5GHz、3.0GHz、4.5GHzとしてある。これにより、(f”1+f2)の最大周波数は5.3GHz未満となって6GHzを満たす。f1=1.5GHzとした場合、地上デジタル周波数の周波数の上限710MHzに対してf1>2f2を満たしている。また、図3に示した例では、変換に用いる信号の周波数f1、f’1、f”1を、f’1=2f1、f”1=3f1となる逓倍の関係としたことにより、所定の周波数f1、f’1、f”1の内の最小周波数f1の信号を発振する発振器1つの構成で、周波数を逓倍する逓倍部により他の所定の周波数f’1、f”1が得られるから部品数を削減することが可能である。
第8発明では、アンテナが4つ備えられ、1つのアンテナを除く他のアンテナが出力する受信信号の内の少なくとも1つの受信信号の周波数が変換され、1つのアンテナからの受信信号と同一の伝送線にて伝送することが可能となる。他のアンテナが出力する受信信号の内の2つの受信信号の周波数が変換されてもよいし、他の3つのアンテナが出力する3つの受信信号全ての周波数が変換されてもよい。3つの受信信号全ての周波数が変換される場合は、1つのアンテナからの受信信号とあわせて全ての信号を同一の伝送線にて伝送することが可能であり、省線化を効果的に図ることができる。なお、同一の伝送線にて伝送した後は、バンドパスフィルタにて受信信号及び変換後の信号夫々の周波数帯域の信号が通過され、夫々が非線形回路にて混変調されて元の受信信号が出力される。
第9発明では、第8発明において、他のアンテナが出力する受信信号の周波数を変換するに際し、所定の周波数の局部発振信号と、逓倍信号が用いられる。これにより、1つの局部発振信号を出力する1つの発振器を備える部品数が少ない構成でも、複数の受信信号を夫々各別の周波数の信号に変換でき、且つ受信信号と変換後の信号とを同一の伝送線にて伝送する際に、相互干渉の影響を少なくすることが可能である。なおこのとき、同一の伝送線にて伝送した後にバンドパスフィルタにて受信信号及び変換後の信号夫々の周波数帯域の信号を通過させるためには、夫々、所定の周波数の信号、及び、所定の周波数とデジタル放送波の周波数との和の周波数の信号、又は逓倍された所定の周波数の信号、及び、逓倍された所定の周波数とデジタル放送波の周波数との和までの周波数帯域の信号が通過されるように構成される。これにより、第2信号処理装置の複数のバンドパスフィルタを通過した後の信号と、局部発振周波数の信号の混変調により、周波数が変換される前の元の受信信号が発生するから、複数のアンテナからの受信信号を同一の伝送線にて伝送しても各別に出力することが可能である。
本発明による場合、複数のアンテナにて、夫々異なる電波環境を介して受信されたデジタル放送波から抽出される受信信号を同一の伝送線で伝送することができるから、各アンテナからチューナへ各別に伝送線を配策することなく、いずれかの受信信号からデジタル放送を良好に受信することができる。これにより、伝送線の数を削減して省線化を図ることができる。
本発明では更に、同一の伝送線で伝送された複数の受信信号を分離するに際し、各変換後の信号から夫々、変換前の受信信号を混変調により抽出する構成としているので、受信側で逆変換用の局部発振器を必要とせず、また、変換前の周波数の信号、及び変換に用いられる周波数の信号を抽出するフィルタを2つずつ備えずともよい。したがって、部品数を削減することができる。
したがって、例えば車両のフロントガラス及びリアガラスの左右上側に配されたアンテナからインストルメントパネルの裏側などに配設されたチューナまで受信信号を伝送する場合に、車両のピラー内に配策する伝送線の数を削減することができる。よって、車両のピラー内における伝送線の配策を容易化することができ、ピラー内に他の機器の伝送線を配策するなど伝送線の配策に係る自由度を高めることができると共に、システムを構成する装置の部品数を削減することができ、軽量化、更には安価に構成できることが可能となる。
非線形特性を有する回路の一例である増幅器における信号の入出力の非線形関係を示すグラフである。 非線形増幅器に2つの周波数の異なる信号が入力された場合に出力される信号の周波数分布を示すグラフである。 本発明の車載用デジタル放送受信システムにて選定される周波数帯域の例を示す説明図である。 実施の形態1における車載用デジタル放送受信システムを搭載した車両の構成を示す模式図である。 実施の形態1における車載用デジタル放送受信システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態2における車載用デジタル放送受信システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態3における車載用デジタル放送受信システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態4における車載用デジタル放送受信システムの構成を示すブロック図である。 デジタル放送を受信する従来の車載テレビの構成を示す模式図である。 デジタル放送を受信する従来の車載テレビの構成を示すブロック図である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図4は、実施の形態1における車載用デジタル放送受信システムを搭載した車両の構成を示す模式図である。また、図5は、実施の形態1における車載用デジタル放送受信システムの構成を示すブロック図である。図中の1は車両であり、車両1のフロントガラス及びリアガラスの左右上側には、デジタル放送を受信するための4つのアンテナ2,2,2,2が夫々配設されている。また、車両1の前部には、例えばインストルメントパネルの裏側などにデジタル放送受信用のチューナ3が配設されている。なお、4つのアンテナ2,2,2,2及びチューナ3の車両1における配設位置は、図9に示した従来の車載テレビでの配設位置と略同じである。
実施の形態1に係る車載用デジタル放送受信システムは、上述の4つのアンテナ2,2,2,2と、第1信号処理装置10及び第2信号処理装置20とを備えて構成されている。第1信号処理装置10は車両1の天井に配設されており、4つのアンテナ2,2,2,2は、受信信号を増幅する増幅器4,4,4,4(図1では図示せず)に夫々接続され、増幅器4,4,4,4からの信号は受信信号を伝送するための伝送線5,5,5,5を介して夫々第1信号処理装置10に接続される。第2信号処理装置20は、チューナ3の近傍に配設されており、4つの伝送線を介してチューナ3に接続される。また、第1信号処理装置10及び第2信号処理装置20は、車両1のピラー内に配策された伝送線6を介して接続される。
アンテナ2は、例えば周波数が470MHz〜710MHzの地上デジタルテレビジョン放送波を受信するためのものであり、車両1のフロントガラス及びリアガラスに搭載されている。4つのアンテナ2,2,2,2は同じ電波を受信するが、電波の送信元と車両1との位置関係、及び車両1の周囲の建造物等の影響により、各アンテナ2,2,2,2が受信した受信信号は信号強度などが夫々異なり、位相もずれる。4つのアンテナ2,2,2,2が受信した受信信号は、増幅器4,4,4,4により夫々増幅され、伝送線5,5,5,5を介して第1信号処理装置10に入力される。ここで、各アンテナ2,2,2,2が受信した受信信号の周波数をf01とする。
第1信号処理装置10は、3つの周波数変換回路11と、4つのBPF(Band Path Filter)12,13,14,15と、局部発振信号を出力する局部発振器16と、入力された信号の周波数を逓倍する2逓倍回路17及び3逓倍回路18と、1つの合波器19とを備える。
第1信号処理装置10には4つのアンテナ2,2,2,2が受信した4つの受信信号が入力されるが、これらの内の1つの受信信号はBPF15に入力され、BPF15を通過した受信信号が合波器19に入力されるようにしてある。また、他の3つの受信信号は夫々周波数変換回路11,11,11へ入力されて周波数が変換された後にBPF12,13,14に入力され、BPF12,13,14を通過した信号が合波器19に入力されるようにしてある。そして、合波器19に入力された4つの信号は、同一の伝送線6に重畳して出力される。なお、局部発振器16は局部発振信号を出力し、局部発振信号は1つの周波数変換回路11に与えられると共に、2逓倍回路17及び3逓倍回路18にも入力される。2逓倍回路17及び3逓倍回路18に入力された局部発振信号は夫々周波数変換回路11,11に与えられる。
周波数変換回路11,11,11は夫々、入力された信号の周波数を、与えられた局部発振信号の周波数に応じて変換する回路である。例えば、入力信号の周波数をfa とし、局部発振信号の周波数をfb とした場合、周波数変換回路11は周波数がfc =fa +fb の信号を出力する。なお、変換に用いられた局部発振信号も、周波数変換回路11から出力される。実施の形態1においては、3つの周波数変換回路11,11,11には、局部発振器16から出力された局部発振信号、2逓倍回路17を介して与えられる信号、3逓倍回路18を介して与えられる信号が夫々与えられている。
局部発振器16は、周波数f11の局部発振信号を生成して出力するものである。局部発振信号は、周波数変換回路11,11,11による周波数の変換処理に用いられる信号であり、例えば周波数が1GHz程度の信号とすることができる。
局部発振信号が直接的に入力される周波数変換回路11は、受信信号を周波数f02(=f01+f11)の信号に変換する。2逓倍回路17は、周波数f11の局部発振信号が入力されると周波数2f11の局部発振信号を出力するから、2逓倍回路17を介して局部発振信号が入力される周波数変換回路11は、受信信号を周波数f03(=f01+2f11)の信号に変換する。また、3逓倍回路18は、周波数f11の局部発振信号が入力されると3f11の局部発振信号を出力するから、3逓倍回路18を介して局部発振信号が入力される周波数変換回路11は、受信信号を周波数f04(=f01+3f11)の信号に変換する。
BPF12は、局部発振信号の周波数f11と変換後の周波数f02(=f01+f11)の信号を取り出すため、周波数f11から、受信信号の周波数f01との和f02=f01+f11までの周波数帯域f11〜f02(f11〜f01+f11)近傍の信号のみ通過させるようにしてある。BPF13は同様に、周波数2f11から、受信信号の周波数f01との和f03=f01+2f11までの周波数帯域2f11〜f03(2f11〜f01+2f11)近傍の信号のみ通過される。BPF14は同様に、周波数3f11から、受信信号の周波数f01との和f04=f01+3f11までの周波数帯域3f11〜f04(3f11〜f01+3f11)近傍の信号のみ通過させる。BPF15は受信信号の周波数f01近傍の信号のみ通過させる。
合波器19は、伝送線6を介して第2信号処理装置20に接続されており、4つのBPF12,13,14,15を通過して入力される相異なる周波数帯域の信号(周波数帯域f01近傍、f11〜f02近傍、2f11〜f03近傍、及び3f11〜f04近傍)を重畳して伝送線6に出力する。このとき、受信信号の周波数f01が約1GHz、局部発振信号の周波数f11が1.5GHzである場合、夫々の周波数帯域f01、f11〜f02(f11〜f01+f11)、2f11〜f03(2f11〜f01+2f11)及び3f11〜f04(3f11〜f01+3f11)は1GHz近傍、1.5〜2.5GHz、3〜4GHz、4.5〜5.5GHz近傍となる。
このように、相互の周波数帯域が十分に離れるから相互に干渉する影響を少なくすることができ、且つ、最大周波数5.5GHzはETCの5.8GHz帯を超えない。このように、3つの受信信号の周波数を変換することによって受信環境が異なる4つの受信信号を同一の伝送線6にて伝送することが可能である。また、周波数が相互に離散的に離れるから、後段の第2信号処理装置20のBPF22,23,24,25に信号を選択することが容易となる。伝送線6は、第2信号処理装置20へ4つの信号を伝送する。
第2信号処理装置20は、分波器21と、4つのBPF22,23,24,25と、3つの非線形増幅器26,27,28と、非線形増幅器26,27,28の後段にて所定の周波数の信号を通過させるBPF29,29,29とを備える。
伝送線6は分波器21に接続され、分波器21には第1信号処理装置10から伝送されてきた信号が入力される。分波器21にて分けられた信号は夫々BPF22,23,24,25に入力されBPF22,23,24を通過した信号は、非線形増幅器26,27,28に入力される。BPF25を通過した信号はそのまま直接的に、チューナ3へ出力される。非線形増幅器26,27,28から出力される信号は、BPF29,29,29に入力される。BPF29,29,29を通過した信号は夫々、チューナ3へ出力される。
分波器21は、伝送線6にて伝送された信号を4つに分け夫々BPF22,23,24,25へ与える。分波器21は信号を増幅・整形させる機能を有してもよい。
BPF22,23,24,25は、夫々所定の周波数帯域の信号を通過させるように構成されている。BPF22は、周波数帯域f11〜f02(f11〜f01+f11)の信号を通過させ、後段の非線形増幅器26へ与える。BPF23は、周波数帯域2f11〜f03(2f11〜f01+2f11)の信号を通過させ、後段の非線形増幅器27へ与える。BPF24は、周波数帯域3f11〜f04(3f11〜f01+3f11)の信号を通過させ、後段の非線形増幅器28へ与える。BPF25は周波数f01の信号を通過させる。
このように夫々、第1信号処理装置10の周波数変換回路11,11,11にて変換に用いた周波数f11から当該周波数f11とデジタル放送波の周波数f01との和(f11〜f01+f11、2f11〜f01+2f11、3f11〜f01+3f11)までの周波数帯域の信号を通過させることにより、後段の非線形増幅器26,27,28にて混変調がされたときに元の受信信号を十分な出力で得ることが可能となる。
非線形増幅器26,27,28は夫々、図2に示したように、2つの異なる周波数の信号が入力された場合に混変調を起こして周波数が異なる信号を出力する。BPF29は周波数f01の受信信号のみを通過させる。
非線形増幅器26は、周波数f11の信号と周波数f02(=f01+f11)の信号とが入力された場合、混変調により、周波数がf11、f02−f11、2f11、f02、f02+f11、2f11−f02、2f02などである信号を出力する(図2参照、ただしfi=f02、fj=f11)。ここで、周波数f02−f11は受信信号の周波数f01である。したがって、非線形増幅器26からの信号の内、BPF29にて周波数f01のみが通過されることにより、受信信号がチューナ3へ出力される。非線形増幅器27は、周波数2f11の信号と、周波数f03(f01+2f11)の信号が入力された場合、混変調により、周波数が2f11、f03−2f11、2*2f11、f03、f03+2f11、2*2f11−f03、2f03などの周波数の信号をも出力する。ここで、周波数f03−2f11は受信信号の周波数f01である。したがって、非線形増幅器26からの信号はBPF29にて周波数f01のみが通過されることにより、受信信号がチューナ3へ出力される。非線形増幅器28は、周波数3f11の信号と、周波数がf04(f01+3f11)の信号が入力された場合、混変調により周波数が3f11、f04−3f11、2*3f11、f04、f04+3f11、2*3f11−f04、2f04などである信号を出力する。ここで、周波数f04−3f11は受信信号の周波数f01である。したがって、非線形増幅器26からの信号はBPF29にて周波数f01のみが通過されることにより、受信信号がチューナ3へ出力される。
これにより、第2信号処理装置20は、4つのアンテナ2にて受信した周波数f01の4つの受信信号を出力してチューナ3へ与えることができる。
このように構成される車載用デジタル放送受信システムにおいては、4つのアンテナ2,2,2,2にて受信した4つの受信信号が第1信号処理装置10にて重畳されて伝送線6に出力されて第2信号処理装置20へ与えられ、重畳された信号から4つの受信信号が夫々第2信号処理装置にて選択されてチューナ3へ与えられる。これにより、第1信号処理装置10及び第2信号処理装置20は1つの伝送線6で接続すればよい(電力供給線を接続する必要はあるが、第1信号処理装置10及び第2信号処理装置20、夫々別個の電力供給線から電力の供給を受ければよい)。よって、アンテナ2,2,2,2をフロントガラス及びリアガラスの左右上側に夫々配設し、第1信号処理装置10を車両1の天井部分に配設し、第2信号処理装置20を車両1のインストルメントパネルの裏側などチューナ3の近傍に配設することで、車両1のピラー内には1つの伝送線6を配策するのみでよく、アンテナ2,2,2,2毎に伝送線をピラー内に配策する場合と比較して、車両1のピラー内における伝送線の配策を容易化することができ、ピラー内に他の機器の伝送線を配策するなど伝送線の配策に係る自由度を高めることができる。
第2信号処理装置20にて伝送線6にて伝送される重畳された信号から、夫々変換前の受信信号を取り出すために第1信号処理装置10の周波数変換器11,11,11にて変換に用いた周波数f11の信号が必要である。正確に元に戻すには第1信号処理装置10にて変換に用いた信号の周波数f11と同一の周波数の信号が必要となるので、従来では、重畳された信号から周波数f11の信号をも取り出すためのBPFが周波数f02、f11、f03、2f11、f04、3f11用と6つ分用いていた。これに対し、実施の形態1の第2信号処理装置20では、周波数f11とf01+f11とを含むf11〜f02の周波数帯域の信号、2f11とf01+2f11とを含む2f11〜f03の周波数帯域の信号、周波数3f11とf01+3f11とを含む3f11〜f04の周波数の帯域の信号を通過させる3つのBPF22,23,24で済み、部品数を削減して、車載用デジタル放送受信システムの軽量化、更にはコスト増大を抑制できる。
更に、第1信号処理装置では周波数変換に3つの異なる周波数の信号を用いたが、いずれも1つのみ局部発振器16を備える構成にて、2逓倍回路17及び3逓倍回路18を用いて周波数f11、2f11、3f11の信号を生成することができる。局部発振器16を1つのみ備えればよいため車載用デジタル放送受信システムのコスト増大を抑制できる。
なお、また、車両1におけるアンテナ2、第1信号処理装置10、第2信号処理装置20、チューナ3及び伝送線6等の配設位置は、図1に示したものに限らない。また、車載用デジタル放送受信システムが地上デジタルテレビジョン放送に係る電波を受信するものとしたが、これに限るものではなく、衛星デジタルテレビジョン放送、地上デジタル音声放送(デジタルラジオ)、携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス(ワンセグ)、又はデジタルデータ放送等のその他のデジタル放送を受信するシステムであっても同様の構成を適用することができる。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2における車載用デジタル放送受信システムの構成を示すブロック図である。実施の形態2では、第1信号処理装置10bの局部発振器16から出力される周波数f11の局部発振信号、2逓倍回路17、3逓倍回路18から出力される周波数2f11、3f11の逓倍信号をも合波器19にて合波して出力する構成とする。
実施の形態2における車載用デジタル放送受信システムの構成は、第1信号処理装置10bの内部構成の一部が異なるのみで、各装置の配置及び内部構成は実施の形態1と同様である。したがって、共通する構成については実施の形態1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第1信号処理装置10bの局部発振器16から出力される局部発振信号は、周波数変換回路11へ与えられるか、2逓倍回路17及び3逓倍回路18へ入力されるのみならず、BPF12bを介して合波器19に入力される。BPF12bは周波数f11の局部発振信号を通過させる。また、2逓倍回路17から出力される周波数2f11の逓倍信号は、1つの周波数変換回路11へ与えられるのみならず、BPF13bを介して合波器19に入力される。BPF13bは周波数2f11の逓倍信号を通過させる。3逓倍回路18から出力される周波数3f11の逓倍信号も、1つの周波数変換回路11へ与えられるのみならず、BPF14bを介して合波器19に入力される。BPF14bは周波数3f11の逓倍信号を通過させる。
したがって、実施の形態2における合波器19は、7つのBPF12,12b,13,13b,14,14b,15を通過して入力される夫々異なる周波数帯域の信号(周波数f01、f11、f11〜f02、2f11、2f11〜f03、3f11及び3f11〜f04の近傍)を重畳して伝送線6に出力する。
これにより、後段の第2信号処理装置20にて、非線形増幅器26,27,28に、十分な出力電圧の周波数f11、2f11、3f11の信号が入力されるから、混変調の発生が鮮明となり、十分な出力電圧の周波数f01の受信信号が夫々出力される。
(実施の形態3)
図7は、実施の形態3における車載用デジタル放送受信システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1及び2にに車載用デジタル放送受信システムは4つのアンテナ2,2,2,2が受信した4つの受信信号を重畳して出力する構成であるが、実施の形態3では、車載用デジタル放送受信システムは、4つのアンテナ2,2,2,2が受信した4つの受信信号のうち2つのみを重畳して出力する構成とする。
実施の形態3における車載用デジタル放送受信システムの構成は、第1信号処理装置10cは2つの信号を重畳して伝送線6に出力し、第2信号処理装置20cは2つの信号から受信信号を取り出す構成であることが異なるのみで、夫々の内部で用いられる回路などは実施の形態1と同様である。したがって、共通する構成については実施の形態1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施の形態3では、4つのアンテナ2,2,2,2は受信信号を増幅する増幅器4,4,4,4に夫々接続され、2つの増幅器4,4からの信号は伝送線5,5を介して直接的にチューナ3に接続される。残りの2つの増幅器4,4からの信号が伝送線5,5を介して第1信号処理装置10cに接続される。
第1信号処理装置10cは、1つの周波数変換回路11と、2つのBPF12,15と、局部発振器16と、1つの合波器19とを備える。各構成部の機能の詳細は実施の形態1と同様である。局部発振器16から出力される局部発振信号は1つの周波数変換回路11のみに与えられ、周波数変換回路11は、周波数f01の受信信号を周波数f02(=f01+f11)に変換し、周波数帯域f11〜f01+f11の信号を通過させるBPF12へ変換後の信号を入力する。合波器19にて、周波数f02に変換された信号と、周波数f01の受信信号とが重畳されて伝送線6に出力される。このように、一方の受信信号の周波数を変換することによって受信環境が異なる2つの受信信号を同一の伝送線6にて伝送することが可能である。
第2信号処理装置20cは、分波器21と、1つのBPF22と、1つの非線形増幅器26と、受信信号を通過させるBPF25,29とを備える。各構成部の機能の詳細は実施の形態1と同様である。分波器21にて分けられた信号は夫々BPF22,25に入力される。BPF25は周波数f01の受信信号のみ通過させるから、そのまま直接的にチューナ3へ受信信号を出力する。BPF22は、周波数f11から当該周波数f11と受信信号f01との和の周波数までの信号(周波数帯域f11〜f01+f11)を取り出して非線形増幅器26に入力する。非線形増幅器26からは、周波数f01の受信信号を含む信号が出力され、BPF29にて受信信号のみを通過させてチューナ3へ出力する。
このように、実施の形態3の構成でも、図10に示した従来の構成と比較すれば伝送線5の数を減らすことができ、且つ、チューナ3側の第2信号処理装置20cにおける部品数も削減できる。
(実施の形態4)
図8は、実施の形態4における車載用デジタル放送受信システムの構成を示すブロック図である。実施の形態4では、車載用デジタル放送受信システムは、4つのアンテナ2,2,2,2が受信した4つの受信信号のうち3つを重畳して出力する構成とする。
実施の形態4における車載用デジタル放送受信システムの構成は、第1信号処理装置10dが3つの信号を重畳して伝送線6に出力し、第2信号処理装置20dは3つの信号から受信信号を取り出す構成であることがことなるのみで、夫々の内部で用いられる回路などは実施の形態1と同様である。したがって、共通する構成については実施の形態1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施の形態4では、4つのアンテナ2,2,2,2は受信信号を増幅する増幅器4,4,4,4に夫々接続され、1つの増幅器4からの信号は伝送線5を介して直接的にチューナ3に接続される。残りの3つの増幅器4,4,4からの信号が伝送線5,5,5を介して第1信号処理装置10dに接続される。
第1信号処理装置10dは、2つの周波数変換回路11,11と、3つのBPF12,13,15と、局部発振器16と、2逓倍回路17とを備える。各構成部の機能の詳細は実施の形態1と同様である。局部発振器16から出力される局部発振信号は1つの周波数変換回路11に与えられると共に、2逓倍回路17に入力される。周波数変換回路11,11は、受信信号を夫々周波数f02(=f01+f11)、f03(=f01+2f11)の信号に変換する。BPF12,13により夫々、周波数帯域f11〜f02(f11〜f01+f11)近傍の信号のみ、周波数帯域2f11〜f03(2f11〜f01+2f11)近傍の信号のみが通過されて、BPF15を通過した周波数f01の受信信号と合波器19にて重畳される。これにより、受信環境が異なる3つの受信信号を同一の伝送線6にて伝送することが可能である。
第2信号処理装置20dは、分波器21と、BPF22,23と、2つの非線形増幅器26,27と、受信信号を通過させるBPF25,29,29とを備える。各構成部の機能の詳細は実施の形態1と同様である。分波器21にて分けられた信号は夫々BPF22,23,25に入力される。BPF25は周波数f01の受信信号のみ通過させるから、そのまま直接的にチューナ3へ受信信号を出力する。BPF22,23は夫々、第1信号処理装置10dで周波数変換に用いられた周波数f11から当該周波数f11と受信信号f01との和の周波数までの信号(周波数帯域f11〜f01+f11)、周波数2f11から当該周波数f11と受信信号f01との和の周波数までの信号(周波数帯域2f11〜f01+2f11)を取り出して非線形増幅器26,27に入力する。非線形増幅器26,27からは夫々、周波数f01の受信信号をも含む信号が出力され、BPF29,29にて受信信号のみを通過させてチューナ3へ出力する。
このように、実施の形態4の構成でも、図10に示した従来の構成と比較すれば伝送線5の数を減らすことができ、且つ、チューナ3側の第2信号処理装置20cにおける部品数も削減できる。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 車両
2 アンテナ
3 チューナ
4 増幅器
5 伝送線
6 伝送線
10 第1信号処理装置
10b,10c,10d 第1信号処理装置
11 周波数変換回路(周波数変換部)
12,13,14,15 BPF(フィルタ)
16 局部発振器(発振器)
17 2逓倍回路(逓倍部)
18 3逓倍回路(逓倍部)
20 第2信号処理装置
20b,20c,20d 第2信号処理装置
22,23,24 BPF(バンドパスフィルタ)
26,27,28 非線形増幅器(非線形回路)
25,29 BPF(フィルタ)

Claims (9)

  1. 車両に搭載され、デジタル放送波を受信して受信信号を出力するアンテナを複数備え、該アンテナが出力する受信信号を伝送線にて伝送する車載用デジタル放送受信システムにおいて、
    複数の前記アンテナが出力した受信信号を夫々異なる周波数の信号に変換して同一の伝送線に出力する手段と、
    前記伝送線に出力された信号から、夫々異なる周波数帯域の信号を通過させる手段と、
    該手段が通過させた各信号を、非線形特性を有する回路にて混変調させる手段と、
    前記非線形回路から出力される信号から受信信号を選択して出力する手段と
    を備えることを特徴とする車載用デジタル放送受信システム。
  2. 車両に搭載され、デジタル放送波を受信して受信信号を出力するアンテナを複数備え、該アンテナが出力する受信信号を伝送線にて伝送する車載用デジタル放送受信システムにおいて、
    複数の前記アンテナが接続される第1信号処理装置と、
    該第1信号処理装置に伝送線を介して接続され、前記伝送線にて伝送された信号から複数の受信信号を選択して出力する第2信号処理装置と
    を含み、
    前記第1信号処理装置は、
    前記アンテナが出力する受信信号の周波数を、所定の周波数の信号を混合して変換する周波数変換部と、
    1つのアンテナが出力する受信信号、及び他のアンテナが出力して前記周波数変換部が周波数を変換した変換後の信号を同一の伝送線へ出力する出力部と
    を備え、
    前記第2信号処理装置は、
    前記伝送線に出力された信号から、夫々異なる周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタと、
    該バンドパスフィルタを通過した信号を混変調させる非線形回路と、
    該非線形回路から出力される信号から受信信号を選択して通過させるフィルタと
    を備えること
    を特徴とする車載用デジタル放送受信システム。
  3. 前記第1信号処理装置は、
    前記周波数変換部が変換に用いる所定の周波数の局部発振信号を出力する発振器を備え、
    前記周波数変換部は、
    受信信号と前記局部発振信号とを混合して周波数を変換するようにしてあり、
    前記第1信号処理装置は、
    前記周波数変換部による周波数変換後の信号の内、前記所定の周波数から、デジタル放送電波の周波数と前記所定の周波数との和の周波数までの周波数帯域の信号を選択するフィルタを備えること
    を特徴とする請求項2に記載の車載用デジタル放送受信システム。
  4. 前記第2信号処理装置のバンドパスフィルタは、
    前記所定の周波数からデジタル放送波の周波数と前記所定の周波数との和の周波数までの周波数帯域の信号を通過させるようにしてあること
    を特徴とする請求項2又は3に記載の車載用デジタル放送受信システム。
  5. 前記第1信号処理装置は、
    前記発振器から出力される局部発振信号の周波数を逓倍した逓倍信号を出力する逓倍部を備え、
    前記周波数変換部を複数備える場合、前記周波数変換部は夫々異なる逓倍数の逓倍信号を混合して周波数を変換するようにしてあること
    を特徴とする請求項3又は4に記載の車載用デジタル放送受信システム。
  6. 前記所定の周波数又は前記逓倍信号の周波数の内の最大周波数は、
    デジタル放送波の周波数との和が、前記伝送線にて伝送が可能である信号の最大周波数以下となるように選定されてあること
    を特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の車載用デジタル放送受信システム。
  7. 前記所定の周波数は、デジタル放送波の周波数の2倍以上となるように選定されてあること
    を特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の車載用デジタル放送受信システム。
  8. 前記アンテナを4つ備え、
    前記第1信号処理装置の周波数変換部は、前記他のアンテナが出力する受信信号の内の少なくとも1つの受信信号の周波数を変換するようにしてあり、
    前記第1信号処理装置の出力部は、前記1つのアンテナが出力する受信信号と、前記周波数変換部が変換した変換後の信号を同一の伝送線へ出力するようにしてあり、
    前記第2信号処理部は、
    前記バンドパスフィルタとして、前記受信信号及び前記変換後の周波数帯域の信号を夫々通過させるバンドパスフィルタを複数備え、
    前記非線形回路として、前記変換後の信号を夫々混変調させる非線形回路を少なくとも1つ備えること
    を特徴とする請求項2に記載の車載用デジタル放送受信システム。
  9. 所定の周波数の局部発振信号を出力する発振器と、
    該発振器から出力される局部発振信号の周波数を逓倍した逓倍信号を出力する逓倍部とを備え、
    前記第1信号処理装置の周波数変換部は、前記他のアンテナが出力する受信信号の内の1つの受信信号の周波数を前記局部発振信号で変換し、他の受信信号の周波数を逓倍信号で変換するようにしてあり、
    前記第2信号処理装置の複数のバンドパスフィルタは、夫々、
    前記所定の周波数から、デジタル放送波の周波数と前記所定の周波数との和の周波数までの周波数帯域の信号、又は逓倍された周波数からデジタル放送波の周波数と前記逓倍された周波数との和の周波数までの周波数帯域の信号を通過させるようにしてあること
    を特徴とする請求項8に記載の車載用デジタル放送受信システム。
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