JP2004179546A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線基板に内蔵したコンデンサ等の容量成分の測定・保証は、従来、個々の製品を一つ一つ手作業で容量成分の電気チェック等により行なっていたが、測定に時間がかかり、生産性が悪いという問題があった。
【解決手段】略四角形状のセラミック絶縁層を積層した絶縁基板1の内部に配線導体層3が形成され、中央部に配線基板領域4および外周部に枠状のダミー領域5を有するとともに、ダミー領域5に、ダミー領域5の外辺に平行な長方形状の開口を上側のセラミック絶縁層から順に長辺を短くするとともに短辺の外側に帯状のダミーの配線導体層3を被着して積層した、両方の短辺側に略等間隔の上面にダミーの配線導体層3を露出させた階段状の段差部が形成された凹部6を設けた配線基板である。凹部6の段差部に露出したダミーの配線導体層3の寸法を確認することにより、セラミック絶縁層の積層ずれの有無を正確に判定することが可能である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック絶縁層を積層して成る絶縁基板の内部に配線導体層が形成された配線基板およびその製造方法に関するものであり、特にコンデンサ電極層やコイル等が上下の層間で位置ずれなく形成され、容量成分等の機能を所望通りに発揮させることができる、電子部品搭載用に好適な配線基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や圧電振動子等の電子部品搭載用の基板となる配線基板は、表面に配線導体層を設けた多数のセラミック絶縁層を上下に積層した構造である。
【0003】
また、最近では、配線導体層の一部をコンデンサ電極層としたりコイル状のパターンとしてコンデンサやコイル等の容量成分を持たせ、機能を内蔵させるようにした配線基板が多用されるようになってきている。
【0004】
このような配線基板の製造方法は、従来、以下のようなものであった。すなわち、まずアルミナ・ホウ珪酸系ガラス等の原料粉末を有機溶剤・バインダとともにシート状に成形して、中央部に配線基板となる領域を有し、外周部にダミー領域を有する広面積のセラミックグリーンシートを複数枚作製する。次に、必要に応じて、それらセラミックグリーンシートの所定位置に貫通孔を形成する。
【0005】
次に、タングステン・モリブデン等の金属粉末に有機溶剤・バインダを添加・混練して導電ペーストを作製し、この導電ペーストをセラミックグリーンシートの表面に、コンデンサの電極やコイル状の所定パターンに印刷塗布する。
【0006】
そして、所定枚数のセラミックグリーンシートを積層して積層体を得て、この積層体を焼成することにより配線基板が形成される。
【0007】
この場合、セラミックグリーンシートが上下の層間で所定の位置からずれて積層されることによって積層ずれを起こすおそれがあり、積層ずれが発生すると、上下のセラミック絶縁層に形成された配線導体層が所定の位置関係からずれてしまい、各種の電気的な不具合を発生させてしまうこととなる。例えば、配線導体層がコンデンサ電極層やコイル層である場合は、配線基板の内部に内蔵したコンデンサおよびコイル等の容量成分が規定の数値からずれて、特性が規格値から外れてしまうという不具合を発生させてしまう。
【0008】
このような不具合の発生の有無を検知する方法としては、従来から、例えば、形成された配線基板について、内蔵したコンデンサやコイルが規定値の容量成分となっているか否かを、1個ずつ測定装置により測定し確認するという方法が用いられていた。
【0009】
これに対し、積層ずれの発生を防止する方法として、内部導体と、複数の印刷用基準穴と、複数の積層用基準穴と、複数の印刷用基準穴の周辺に形成された印刷用基準穴確認用導体パターンとをそれぞれ所定の位置に有するキャリアフィルムを形成し、所定枚数のキャリアフィルムを積層用基準穴が合致するように積層することによって内部導体の端部と印刷用基準穴によるバイアホールとの積層方向に対する位置ずれを防止することも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−339160号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、セラミック絶縁層を積層して成る絶縁基板の内部に配線導体層が形成されて成る従来の配線基板においては、コンデンサ電極層やコイル層等の配線導体層の位置ずれを検知するのに、個々の製品を一つ一つ手作業で容量成分の電気チェックにより測定する必要があり、測定に時間がかかり、生産性が悪いという問題点があった。また、測定時の誤差・誤操作等により、セラミック絶縁層の位置ずれを誤って検知したり検知できなかったりする場合があるという問題点もあった。
【0012】
また、特許文献1に記載されたような方法で積層ずれの発生を防止しようとするには、セラミックグリーンシートを1枚積層するごとに上層に配線導体層を印刷する作業を繰り返し行なうため、このようにセラミックグリーンシートの印刷工程と積層工程を交互に行なう手法では、配線基板の製造方法として作業効率が低いものとなってしまうという問題点があった。
【0013】
本発明は、このような従来の技術の問題点を解決するために考案されたものであり、その目的は、セラミック絶縁層を積層して成る絶縁基板の内部に配線導体層が形成されて成る配線基板、特にコンデンサやコイル等の機能を内蔵した、わずかな積層ずれでも電気特性に重大な影響があるような配線基板において、セラミック絶縁層の位置ずれの発生がなく、コンデンサの静電容量等の配線導体層の電気的特性が所望の数値のものとして得られる配線基板およびその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、複数の略四角形状のセラミック絶縁層を積層した絶縁基板の内部に複数の配線導体層が形成され、前記絶縁基板の中央部に配線基板領域および外周部に枠状のダミー領域を有するとともに、このダミー領域に、長辺の方向が前記ダミー領域の外辺に平行な長方形状の前記セラミック絶縁層を貫通する開口を上側の前記セラミック絶縁層から順に前記長辺を短くするとともに短辺の外側に帯状のダミーの配線導体層を被着して積層した、両方の短辺側に略等間隔の上面に前記ダミーの配線導体層を露出させた階段状の段差部がそれぞれ形成された凹部を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の配線基板は、上記構成において、前記絶縁基板の直交する2辺に位置する前記ダミー領域のそれぞれに、前記凹部をその長辺を直交させて設けたことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の配線基板の製造方法は、中央部に配線基板領域および外周部に枠状のダミー領域を有する略四角形状のセラミックグリーンシートを複数準備する工程と、前記ダミー領域に、長辺の方向が前記ダミー領域の外辺に平行な長方形状の前記セラミックグリーンシートを貫通する開口を上層となるものから下層となるものにかけて順に長辺の寸法が短くなるように形成する工程と、前記配線基板領域に配線導体層となる導体ペーストを印刷塗布するとともに、前記ダミー領域の前記開口の短辺の外側に帯状のダミーの配線導体層となる導体ペーストを印刷塗布する工程と、前記開口が上下に重なるようにして前記複数のセラミックグリーンシートを積層し、両方の短辺側に略等間隔の上面に前記ダミーの配線導体層となる導体ペーストを露出させた階段状の段差部がそれぞれ形成された凹部を設けた積層体を形成した後、該積層体を焼成する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記セラミックグリ−ンシートの直交する2辺に位置する前記ダミー領域のそれぞれに、前記凹部をその長辺を直交させて設けたことを特徴とするものである。
【0018】
本発明の配線基板によれば、凹部の階段状の段差部に露出させたダミーの配線導体層が各セラミック絶縁層に形成されたものであるため、その露出している寸法を目視や画像認識装置等で確認することにより、配線基板を形成するセラミック絶縁層の積層ずれの有無を正確に判定することが可能であり、これによりセラミック絶縁層の位置ずれを正確かつ容易に検出することができ、配線基板の内部の配線導体層の電気特性、例えば内蔵したコンデンサのコンデンサ電極層やコイル等の容量成分の値を確認して、内蔵した機能を確実に所望通りに得ることができる。
【0019】
また、このような凹部を絶縁基板の直交する2辺に位置するダミー領域のそれぞれに互いの長辺を直交させて設けるようにすると、セラミック絶縁層の面内における直交する2方向の位置ずれの発生の有無を容易かつ確実に確認できるため、より一層、確実にセラミック絶縁層の位置ずれのない配線基板を提供することができる。
【0020】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、各セラミック絶縁層となるセラミックグリーンシートの外周のダミー領域に、上層となるものから下層となるものにかけて順に長辺の寸法が短くなるように、長辺の方向がダミー領域の外辺に平行な長方形状の開口を設けるとともに、ダミー領域の開口の短辺の外側に帯状のダミーの配線導体層となる導体ペーストを印刷塗布し、開口が上下に重なるようにして複数のセラミックグリーンシートを積層し、両方の短辺側に略等間隔の上面にダミーの配線導体層となる導体ペーストを露出させた階段状の凹部を設けた積層体を形成することから、配線基板におけるセラミック絶縁層の位置ずれを容易かつ確実に確認することが可能な配線基板を製造することができるため、生産性に優れた高精度の配線基板の製造方法を提供することができる。
【0021】
また、セラミックグリーンシートの直交する2辺に位置するダミー領域のそれぞれに凹部をその長辺を直交させて設けるようにすると、配線基板におけるセラミック絶縁層の直交する2方向の位置ずれの有無を容易かつ確実に確認することができるため、より一層、確実にセラミック絶縁層の位置ずれのない配線基板を製造することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板について、添付図面に基づき説明する。図1は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、1は絶縁基板、2は分割溝、3は配線導体層である。この絶縁基板1を分割溝2で縦横に区画し、多数の配線基板領域4を絶縁基板1の中央部に縦横に配列させるとともに、外周部に枠状のダミー領域5を形成することにより多数個取り配線基板が形成される。
【0023】
絶縁基板1は、略四角形状の平板状の酸化アルミニウム質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成るセラミック絶縁層を積層して成る。例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合には、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化カルシウム・酸化マグネシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して泥漿状のセラミックスラリーとなすとともに、このセラミックスラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法等のシート成形技術を採用しシート状となすことによって複数のセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得て、しかる後、このセラミックグリーンシートを切断加工や打ち抜き加工により適当な形状とするとともにこれらのセラミックグリーンシートを積層して積層体とし、最後にこの積層体を還元雰囲気中にて約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0024】
なお、絶縁基板1は、その形状が基本的には四角形状であるが、各角部に丸みがつけてあったり、各辺が直線でなくいくつかの凹凸が設けられたりしているような、略四角形状のものが用いられる。
【0025】
また絶縁基板1は、その上下の少なくとも一方の主面に分割溝2が縦横に形成され、この分割溝2によって多数個の四角形状の配線基板領域4が区画され中央部に縦横に配列されている。
【0026】
分割溝2は、多数個取り配線基板の絶縁基板1をこれに沿って撓折して個々の配線基板領域4をそれぞれの配線基板に分割する際に曲げ応力を集中させる機能を有し、絶縁基板1となるセラミックグリーンシートの主面に所定の断面形状を有する金属製のブレード(刃)を押圧し、その刃先を所定深さに侵入させることによって形成される。
【0027】
また各配線基板領域4は、その上面中央部に電子部品を塔載する搭載部を有し、この搭載部の周辺から下面にかけてタングステンやモリブデン・銅・銀等の金属材料から成る配線導体層3を有している。
【0028】
配線導体層3は、例えばタングステンから成る場合であれば、タングステン粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを、絶縁基板1の各セラミック絶縁層となるセラミックグリーンシートの上面に予めスクリーン印刷法等により所定パターン、例えば、コンデンサ電極層やコイル状のパターンに印刷塗布しておくことによって形成される。
【0029】
なお、配線導体層3の一部をコンデンサ電極層とした場合には、このコンデンサ電極層により挟まれるセラミック絶縁層が誘電体層として機能し、これらのコンデンサ電極層と誘電体層とにより配線基板に内蔵されるコンデンサが形成される。
【0030】
そして、各搭載部には半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品(図示せず)が塔載されるとともに、配線導体層3にはこの電子部品の各電極が、例えばボンディングワイヤや半田バンプ等の電気的接続手段を介して電気的に接続される。
【0031】
そして、搭載部に電子部品を塔載するとともに、この電子部品の各電極を電気的接続手段を介して配線導体層3に電気的に接続した後、各配線基板領域4の上面に図示しない蓋体を電子部品を覆うように取着することによって電子部品が気密に封止され、多数個の電子装置が縦横に配列形成されることとなり、次いで分割溝2に沿って絶縁基板1を撓折することにより、各配線基板を用いた多数の電子装置が同時集約的に製造される。
【0032】
本発明の配線基板においては、絶縁基板1の外周部に枠状のダミー領域5を設けるとともに、このダミー領域5に、図2に要部断面図で示すように、長辺の方向がダミー領域5の外辺に平行な長方形状のセラミック絶縁層を貫通する開口を上側のセラミック絶縁層から順に長辺を短くするとともに短辺の外側に帯状のダミーの配線導体層3を被着して積層した、両方の短辺側に略等間隔の上面にダミーの配線導体層3を露出させた階段状の段差部がそれぞれ形成された凹部6を設けることが重要である。
【0033】
本発明の配線基板によれば、凹部6の両方の短辺側の階段状の段差部に略等間隔に露出させたダミーの配線導体層3の露出している寸法を確認することにより、配線基板を形成するセラミック絶縁層の積層ずれの有無を正確に判定することが可能であり、これにより配線基板に内蔵したコンデンサおよびコイル等の容量成分の値を確認し、内蔵した機能を容易かつ確実に発揮させることが可能な、生産性に優れた配線基板を提供することができる。
【0034】
これは、凹部6の段差部が、各セラミック絶縁層に、上側の層になるほど大きくなるような開口を設けておくことにより形成されるものであるとともに、階段状の段差部上に露出するダミーの配線導体層3が、例えば各セラミック絶縁層の配線導体層3と同じ印刷用製版を用いて同時に、互いに位置ずれなく形成されるものであるためである。つまり、段差部の上面に露出するダミーの配線導体層3が正確に等間隔で形成されていることを確認することにより、各セラミック絶縁層の配線導体層3が正確に上下に位置ずれなく形成されていることを確認することができる。
【0035】
また、このような凹部6は、図1に示すように、絶縁基板1の直交する2辺に位置するダミー領域5のそれぞれに、凹部6の長辺を互いに直交させて設けておくことが好ましい。このように、絶縁基板1の直交する2辺に位置するダミー領域5にそれぞれ凹部6を、それぞれ長辺の方向が絶縁基板1の外辺に平行となるようにして、その長辺を直交させて設けることにより、略四角形状の絶縁基板1の縦方向および横方向の双方の積層ずれ量をより確実に確認することが可能となり、より一層確実にセラミック絶縁層のずれのない配線基板を得ることができる。
【0036】
次に、本発明の配線基板の製造方法を詳細に説明する。
【0037】
まず、アルミナ・ホウ珪酸系ガラス等の原料粉末を有機溶剤・バインダとともにシート状に成形して中央部に配線基板領域4を、および外周部に枠状のダミー領域5を有する略四角形状のセラミックグリーンシートを複数作製する。
【0038】
次に、ダミー領域5に、長辺の方向がダミー領域5の外辺(通常はそのダミー領域5が配置された側の絶縁基板1の外辺と同じである)に平行な長方形状のセラミックグリーンシートを貫通する開口を上層となるものから下層となるものにかけて順に長辺の寸法が短くなるように形成する。この際に、必要に応じて所定位置に、配線導体層3の一部としての貫通導体を形成するための貫通孔を形成する。
【0039】
そして、配線基板領域4には、タングステン・モリブデン等の金属粉末に有機溶剤・バインダを添加・混練して導電ペーストを作製し、この導電ペーストをセラミックグリーンシートの表面に所定のコンデンサ用電極やコイル状のパターンに配線導体層3となる導体パターンとして印刷塗布する。なお、必要に応じて貫通孔内にも貫通導体となる導電ペーストを印刷充填する。この際に、ダミー領域5の開口のそれぞれの短辺の外側にも帯状のダミーの配線導体層3となる導体ペーストを印刷塗布する。
【0040】
最後に、上層となるものから下層となるものにかけて順に開口の長辺の寸法が短くなるように、開口が上下に重なるようにして複数のセラミックグリーンシートを積層し、両方の短辺側に略等間隔の上面にダミーの配線導体層3となる導体ペーストを露出させた階段状の段差部がそれぞれ形成された凹部6を設けた積層体を形成した後、この積層体を焼成することで本発明の配線基板が完成する。
【0041】
このとき、セラミックグリーンシートを積層して得た積層体において、外周のダミー領域5に設けた下層から順次長辺の寸法が大きくなる開口は、積層後には、ダミー領域5で階段状の段差部を有する凹部6となり、段差部の短辺側に外側に向けて形成した帯状のダミーの配線導体層3が各段毎にその上面に略同じ幅で露出して見えるようになる。
【0042】
このパターンが、正確に等間隔を上面を有する階段状に並んで見えるか否かにより、セラミックグリーンシートの積層ずれの有無を正確に判定することができ、内蔵したコンデンサおよびコイル等の容量成分の値を所望の値に設定することができるものとなる。
【0043】
その結果、焼成後の配線基板において、1個ずつ手作業で容量成分を測定する必要がない配線基板を得ることができるとともに、その製造方法を生産性に優れたものとすることができる。
【0044】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更・改良を施すことは何ら差し支えない。例えば、ダミー領域5の凹部6は、以上の実施の形態の例では、絶縁基板1の直交する2辺に位置するダミー領域5のそれぞれに凹部6の長辺を互いに直交させて設けたものを示したが、絶縁基体1の4辺の各々に位置する各ダミー領域5に設けてもよい。
【0045】
また、ダミー領域5の凹部6被着されたダミーの配線導体層3は、以上の実施の形態の例では凹部6の段差部となる開口の短辺に沿うような長方形状に形成したが、凹部6の段差部となるダミー領域5の開口の短辺側の上面に、段差部の縁辺を底辺とするような台形の形状として形成してもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、凹部の階段状の段差部に露出させたダミーの配線導体層が各セラミック絶縁層に形成されたものであるため、その露出している寸法を目視や画像認識装置等で確認することにより、配線基板を形成するセラミック絶縁層の積層ずれの有無を正確に判定することが可能であり、これによりセラミック絶縁層の位置ずれを正確かつ容易に検出することができ、配線基板に内蔵したコンデンサおよびコイル等の容量成分の値を確認して、内蔵した機能を確実に所望通りに得ることが可能な、生産性に優れた配線基板を提供することができる。
【0047】
また、このような凹部を絶縁基板の直交する2辺に位置するダミー領域のそれぞれに互いの長辺を直交させて設けるようにすると、セラミック絶縁層の面内における直交する2方向の位置ずれの発生の有無を容易かつ確実に確認できるため、より一層、確実にセラミック絶縁層の位置ずれのない配線基板を提供することができる。
【0048】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、各セラミック絶縁層となるセラミックグリーンシートの外周のダミー領域に、上層となるものから下層となるものにかけて順に長辺の寸法が短くなるように、長辺の方向がダミー領域の外辺に平行な長方形状の開口を設けるとともに、ダミー領域の開口の短辺の外側に帯状のダミーの配線導体層となる導体ペーストを印刷塗布し、開口が上下に重なるようにして複数のセラミックグリーンシートを積層し、両方の短辺側に略等間隔の上面にダミーの配線導体層となる導体ペーストを露出させた階段状の凹部を設けた積層体を形成することから、配線基板におけるセラミック絶縁層の位置ずれを容易かつ確実に確認することが可能な配線基板を製造することができるため、生産性に優れた高精度の配線基板の製造方法を提供することができる。
【0049】
また、セラミックグリーンシートの直交する2辺に位置するダミー領域のそれぞれに凹部をその長辺を直交させて設けるようにすると、配線基板におけるセラミック絶縁層の直交する2方向の位置ずれの有無を容易かつ確実に確認することができるため、より一層、確実にセラミック絶縁層の位置ずれのない配線基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す配線基板の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・・絶縁基板
2・・・・分割溝
3・・・・配線導体層
4・・・・配線基板領域
5・・・・ダミー領域
6・・・・凹部

Claims (4)

  1. 複数の略四角形状のセラミック絶縁層を積層した絶縁基板の内部に複数の配線導体層が形成され、前記絶縁基板の中央部に配線基板領域および外周部に枠状のダミー領域を有するとともに、該ダミー領域に、長辺の方向が前記ダミー領域の外辺に平行な長方形状の前記セラミック絶縁層を貫通する開口を上側の前記セラミック絶縁層から順に前記長辺を短くするとともに短辺の外側に帯状のダミーの配線導体層を被着して積層した、両方の短辺側に略等間隔の上面に前記ダミーの配線導体層を露出させた階段状の段差部がそれぞれ形成された凹部を設けたことを特徴とする配線基板。
  2. 前記絶縁基板の直交する2辺に位置する前記ダミー領域のそれぞれに、前記凹部をその長辺を直交させて設けたことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 中央部に配線基板領域および外周部に枠状のダミー領域を有する略四角形状のセラミックグリーンシートを複数準備する工程と、
    前記ダミー領域に、長辺の方向が前記ダミー領域の外辺に平行な長方形状の前記セラミックグリーンシートを貫通する開口を上層となるものから下層となるものにかけて順に長辺の寸法が短くなるように形成する工程と、
    前記配線基板領域に配線導体層となる導体ペーストを印刷塗布するとともに、前記ダミー領域の前記開口の短辺の外側に帯状のダミーの配線導体層となる導体ペーストを印刷塗布する工程と、
    前記開口が上下に重なるようにして前記複数のセラミックグリーンシートを積層し、両方の短辺側に略等間隔の上面に前記ダミーの配線導体層となる導体ペーストを露出させた階段状の段差部がそれぞれ形成された凹部を設けた積層体を形成した後、該積層体を焼成する工程と
    を具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
  4. 前記セラミックグリ−ンシートの直交する2辺に位置する前記ダミー領域のそれぞれに、前記凹部をその長辺を直交させて設けたことを特徴とする請求項3記載の配線基板の製造方法。
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