JP2004177680A - 画像形成方法及び画像形成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】通常の有色トナーを用いた電子写真法において、画像内容の種類別に最適な画質、あるいは画像の内容によらず平均的に好ましい画質、を得るための画像形成方法を提供する。
【解決手段】画像の種類に応じて好ましい光沢度範囲となるように、表面粗さの範囲を設定する。すなわち、複数または単一のトナー層を画像として転写体上に定着する画像形成方法において、定着された層におけるRMS(Root・Mean・Square)表面粗さ(Rq)を、60度光沢度の範囲(最小値Gmin[%]、最大値Gmax[%])において、5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]とする。
【選択図】 図6
【解決手段】画像の種類に応じて好ましい光沢度範囲となるように、表面粗さの範囲を設定する。すなわち、複数または単一のトナー層を画像として転写体上に定着する画像形成方法において、定着された層におけるRMS(Root・Mean・Square)表面粗さ(Rq)を、60度光沢度の範囲(最小値Gmin[%]、最大値Gmax[%])において、5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]とする。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等に用いられ、電子写真法、静電記録法によって、モノクロ画像またはフルカラー画像を形成する際の最適な条件を決定するための画像形成方法及び画像形成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像の光沢度は定着後の画像表面の3次元構造に依存するので、表面粗さの定着条件の目標値を設定し、表面粗さを制御する画像形成方法がいくつか提案されている。
例えば、比較的高い光沢度が望まれるという仮定のもとで、透明トナーを用いて定着された画像面の表面平均粗さ(Ra)を0<Ra<1.5μmとすることで、好ましい画質が得られるとしている技術がある(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0003】
また、フルカラー定着画像の標準定着温度−10〜+10℃の範囲で定着した時の定着画像の光沢度が10〜40%、表面粗さRzを10μmより小さくするフルカラートナー定着方式を用いることにより、オフセット発生までの余裕度の十分ある安定した中光沢の鮮明なフルカラー画像が得られるとしている技術がある(特許文献4)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−197858号公報
【特許文献2】
特開2001−305816号公報
【特許文献3】
特開2001−312166号公報
【特許文献4】
特開平11―219057号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら雑誌・書籍などの印刷物においては、高い光沢度は高級感をもたらすという意味で好まれることがあるが、電子写真法による複写機やプリンタにより出力される画像においては、必ずしも高い光沢度が好まれると限らないことが明らかになり、光沢を抑制する電子写真方法が提案されるようになった。
【0006】
実際、カラー複写機は、会議用プレゼンテーションなどで使用するような文字と図が混在したドキュメントを出力することが多く、文字の判読性から低光沢度が望まれる。また、上記従来技術で主張する表面平均粗さ(Ra)の範囲は下限が0であることから、限りなく鏡面に近い画像までも含まれてしまい、光沢度の上限を考慮した場合には適さないことは明らかである。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、通常の有色トナーを用いた電子写真法において、画像内容の種類別に最適な画質、あるいは画像の内容によらず平均的に好ましい画質、を得るための画像形成方法及び画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、複数または単一のトナー層を画像として転写体上に定着する画像形成方法において、定着された層における画像のRMS表面粗さ(Rq)を、60度鏡面光沢度の範囲(最小値をGmin[%]、最大値をGmax[%]とする)において、5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]とすることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、少なくとも200μm平方の高さ分布測定領域に対し、20μm平方以下に区分した各小領域で計測した2次元RMS表面粗さの相加平均値とすることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、人物が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.25μm<Rqとすることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、物品が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.2μm<Rq<1μmとすることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、背景色中に文字を含む画像とする場合に、0.2μm<Rqとすることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、文字や図を含む文書画像とする場合に、0.25μm<Rqとすることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1から6の何れか1項に記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、画像の種類において違和感を有する画像とする場合に、Rq<0.2μmとすることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1から7の何れか1項に記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、画像の種類を2種類以上含む画像とする、または、画像内容の種類に依存しないとする場合に、0.3μm<Rq<1μmとすることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、複数または単一のトナー層を画像として転写体上に定着する画像形成装置において実行させる画像形成プログラムであって、画像形成装置において、定着された層における画像のRMS表面粗さ(Rq)を、60度鏡面光沢度の範囲(最小値をGmin[%]、最大値をGmax[%]とする)において、5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]とする処理を実行させることを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、少なくとも200μm平方の高さ分布測定領域に対し、20μm平方以下に区分した各小領域で計測した2次元RMS表面粗さの相加平均値とする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項9または10記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、人物が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.25μm<Rqとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、請求項9から11の何れか1項に記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、物品が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.2μm<Rq<1μmとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0020】
請求項13記載の発明は、請求項9から12の何れか1項に記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、背景色中に文字を含む画像とする場合に、0.2μm<Rqとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0021】
請求項14記載の発明は、請求項9から13の何れか1項に記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、文字や図を含む文書画像とする場合に、0.25μm<Rqとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0022】
請求項15記載の発明は、請求項9から14の何れか1項に記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、画像の種類において違和感を有する画像とする場合に、Rq<0.2μmとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0023】
請求項16記載の発明は、請求項9から15の何れか1項に記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、画像の種類を2種類以上含む画像とする、または、画像内容の種類に依存しないとする場合に、0.3μm<Rq<1μmとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
(本発明の概要)
まず、本発明の概要について説明する。
本発明にかかる画像形成方法は、画像の種類に応じて好ましい光沢度範囲となるように、表面粗さの範囲を設定する。すなわち、複数または単一のトナー層を画像として転写体上に定着する画像形成方法において、定着された層におけるRMS(Root・Mean・Square)表面粗さ(Rq)を、60度光沢度の範囲(最小値Gmin[%]、最大値Gmax[%])において、
5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]・・・(式1)
とする。
【0025】
以下、添付図面を参照しながら本発明にかかる実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に適用されるRMS表面粗さRqの測定条件について説明する。まず、機種(トナー)、出力条件、紙種を様々変えて光沢を変えた(2%〜80%)、ブラック単色またはプロセスブラックのベタ画像サンプルを作製し、鏡面光沢度計GM−26D(村上色彩社製)を使用して60度鏡面光沢度を測定する。次に、該作製した各画像サンプルを、超深度形状測定顕微鏡(Keyence社製)を用いて、0.01μmの高さ分解能で、300μm×220μmの領域における3次元構造を測定する。
【0026】
図1〜図4は、上記測定した高さ分布データを、等高線で表示した図の例である。なお、等高線の間隔は0.5μmである。等高線の密集度合いは起伏の度合いを表し、例えば図1の光沢度5%のサンプルでは、他のサンプルよりも起伏が激しいことが読み取れる。図2〜図4では、等高線が同心円的に密集している個所が見られるが、それらは窪み(凹面)となっており、光沢度が高くなるに従い数が減少し、表面が滑らかになる傾向がある。
なお、図1〜図4に記した数値は高さデータを測定したポイントを含むように測定した60度鏡面光沢度である。
高さ分布のデータサイズは1,024×768で、分解能(ピッチ)は約0.3μmである。次に、図5に示すように、高さ分布データを32×24個の正方形ブロックに等分割(サイズ32×32(9.6μm□相当))して、ブロック毎に2次元RMS表面粗さ(高さの標準偏差)を算出してRq(i,j)を得て、その相加平均値を(式2)に示す。なお□は、一辺が9.6μm×9.6μmの分割ブロックを示す。
【0027】
【数1】
【0028】
本発明は、上記(式2)をRMS表面粗さ(Rq)とする。なお、この測定条件はJISやISOで規定されている測定条件とは異なる。さらに、各ブロックのRMS表面粗さにはばらつきがあるので、分割後のブロック数が多いほど平均値の精度がよくなることを考慮する。さらに、長周期のうねりを除去することも考慮する。また、分割ブロックのサイズは、20μm以下であることが望ましく、さらには、10μm以下であることが望ましい。以上述べたRMS表面粗さ(Rq)の測定条件を本発明において適用する。
【0029】
図6は、各画像サンプルのRMS表面粗さと、60度鏡面光沢度と、の関係を示すグラフである。べき乗に回帰させた(両対数目盛上で直線)結果、べき指数は−0.99、比例係数は約5.1となり、結局、RMS表面粗さ(Rq)との関係は概算で、
Gs[%]=5/Rq[μm]・・・(式3)
となり、表面粗さと60度鏡面光沢度とを結びつける関係式となる。
【0030】
RMS表面粗さ(Rq)の代わりに、高さ分布から算術平均粗さ(Ra)を算出した場合、
Ra=root(2/π)Rq・・・(式4)
という比例関係が導かれる(但し、高さ分布がガウス分布であるとする)。root(2/π)を約0.8として(式4)のRqを(式3)に代入することで、
Gs[%]=4/Ra・・・(式5)
が得られる。電子写真画像において高さ分布は、ほぼガウス分布となるため算術平均粗さ(Ra)を使用してもよい。なお、rootは平方根を示す。
【0031】
ここで、好ましい画像の範囲:最小光沢度(Gmin)および最大光沢度(Gmax)を指定すれば、対応するRMS表面粗さ(Rq)の範囲は、
5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]・・・(式6)
または、表面平均粗さ(Ra)の場合には、
4/Gmax[%]<Ra[μm]<4/Gmin[%]・・・(式7)
となる。
【0032】
従って、特許文献1の特開平9−197858号公報において主張する0.0<Ra[μm]<1.5は、(式5)または(式6)から60度鏡面光沢度に換算すると、2.7<Gs[%]<∞となって、ほぼ全範囲の光沢度に該当することになり、好ましい光沢を発現させるための条件ではないことがわかる。
【0033】
(実施例)
次に、本発明にかかる実施例について表1を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
【表1】
【0035】
表1は、リコー製カラー複写機を使用し、出力条件として実験的に定着温度を変えることで光沢度を6水準変化させて作製した4種類の画像サンプルに対し、特に光沢に起因する画質の好ましさや見やすさを順位付けする官能評価を行い、各光沢度の順位の平均を求めた結果から、良い○、普通△、悪い×の3水準にランクづけしたものである。官能評価は画像技術の専門家と非専門家をそれぞれ半数づつ含む22名に対して行われた。光沢度は定着温度を決定するために出力した赤のベタ画像を、村上色彩社製鏡面光沢度計GM−26Dを使用して60度鏡面光沢度を測定した値である。以上の結果から、画像の種類別に好ましい光沢度の範囲を判断し、そのときの画像のRMS表面粗さを(式5)により決定した。
【0036】
画像の種類は以下の4種類とする。
画像タイプ1:主に人物が主要な構成要素となる写真画像。
画像タイプ2:カタログなどに含まれる静物や物品が主要な構成要素となる写真画像。
画像タイプ3:背景色中に文字を含むような、地図、ポスター、イラストなどの画像。
画像タイプ4:文字や図を含むようなビジネス文書や技術報告書などの文書画像。
【0037】
画像表面の高さ分布データからRMS表面粗さ(Rq)を算出する際には、2箇所以上表面形状を測定してRMS表面粗さを求めて平均化することで、構造上の微視的あるいは巨視的なムラに起因する測定ばらつきを低減することができる。
【0038】
(1)画像タイプ1に対しては、Gs<20%が好まれ、画像表面のRMS表面粗さ(Rq)は、0.25μm<Rqであることが望ましい(Gsは60度鏡面光沢度)。また光沢度は、Gs<5%が最も好まれるので、画像表面のRMS表面粗さは、1μm<Rqであればさらに望ましい。
【0039】
(2)画像タイプ2に対しては、5%<Gs<25%が好まれ、画像表面のRMS表面粗さは、0.25μm<Rq<1μmであることが望ましい。また光沢度は、10%<Gs<20%が最も好まれるので、画像のRMS表面粗さは、0.25[μm]<Rq<0.5μmであればさらに望ましい。
【0040】
(3)画像タイプ3に対しては、Gs<20%が好まれ、画像表面のRMS表面粗さは、0.2μm<Rqであることが望ましい。また光沢度は、Gs<5%が最も好まれるので、画像表面のRMS表面粗さは、1μm<Rqであればさらに望ましい。
【0041】
(4)画像タイプ4に対しては、Gs<20%が好まれ、画像表面のRMS表面粗さは、0.25μm<Rqであることが望ましい。また、光沢度はGs<10%が最も好まれるので、画像表面のRMS表面粗さは、0.5μm<Rqであればさらに望ましい。
【0042】
(5)タイプ1からタイプ4までの画像、特にタイプ3またはタイプ4の画像に属し違和感のある画質とする必要がある場合は、光沢度が20%より大きい場合には好ましくないので、光沢度は25%<Gsが適当であるとして、画像表面のRMS表面粗さ(Rq)は、Rq<0.2μmであることが望ましい。また、30%<Gsであれば完全に違和感があるのでRq<1.7μmであることがさらに望ましい。
【0043】
従って、違和感のある光沢度とすることで明らかに実物とは異なるように見せかけ、誤使用を未然に防ぐ必要がある内容の画像に適用できる。なお、適用される画像としては、例えば証書や届け出書類の見本印刷、逆に違和感を持たせることで積極的に注目されることを狙う画像等が挙げられる。
【0044】
(6)通常の画像一般に対し光沢度は総合的に、5%<Gs<15%が好まれると判断されるので、画像表面のRMS表面粗さは、0.3μm<Rq<1μmであることが望ましい。
【0045】
画像形成装置としては、標準状態として上記(6)のケースでの最適条件の中央値として定着温度を165℃として、その他のケースの場合には、表1に○で示した最適条件の中央値に対応した定着温度に切り替えて画像を出力すればよい。すなわち、
(1)画像タイプ1 :140℃
(2)画像タイプ2 :160℃
(3)画像タイプ3 :140℃
(4)画像タイプ4 :155℃
(5)違和感のある画質:185℃(以上)
(6)標準状態 :165℃
【0046】
なお、温度設定は、紙幣等の偽造が禁じられた画像であるかを画像形成装置が自動認識して出力を強制的に中止または色を完全に変化させるなどの従来技術による不正コピー防止手段が設けられている上で、通常の画像に対しては、アプリケーションソフトやドライバソフトにおけるプリンタ出力設定メニュー、または画像形成装置本体の出力条件設定メニューで、ユーザに指定画像タイプ指定させるか、画像の種類を判別する手段を設けて自動的に画像タイプを特定して、定着温度を変更すればよい。画像に違和感を付与する場合には、手動以外にもあらかじめ設定された条件の画像を認識する手段を設けることにより、手動による設定に関係なく定着温度を強制的に変更する。
【0047】
また、定着温度制御による方法以外にも、トナーと接触する側の表面粗さの異なる定着ローラを複数備えておき、画像タイプに応じて切り替えるか、加圧ローラの圧力を画像タイプに応じて制御するようにしてもよい。
【0048】
また、上述した機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを画像形成装置に供給し、その画像形成装置がプログラムコードを読み出して実行することも可能である。
【0049】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更実施が可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明は以下のような効果を奏する。
定着温度などを画像タイプに応じて切り替え画像構造を制御することで、好ましい画質を得ることができるようになる。また、本発明により光沢度の範囲に対応した画像の表面粗さの範囲がわかるので、定着ローラの表面粗さ、定着温度や定着圧力、トナーの成分などのプロセス条件を決定するための目標仕様ないしは目安として利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像表面の高さ分布データを示す第1の図(光沢度(GS(60°)=5%)である。
【図2】画像表面の高さ分布データを示す第2の図(光沢度(GS(60°)=11%)である。
【図3】画像表面の高さ分布データを示す第3の図(光沢度(GS(60°)=23%)である。
【図4】画像表面の高さ分布データを示す第4の図(光沢度(GS(60°)=30%)である。
【図5】本発明にかかるRMS表面粗さ測定方法を示す模式図である。
【図6】本発明にかかる画像表面のRMS表面粗さ(Rq)と60度鏡面光沢度の関係とを示す両対数目盛のグラフ図である(およびベキ乗依存性を仮定した回帰式と寄与率)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等に用いられ、電子写真法、静電記録法によって、モノクロ画像またはフルカラー画像を形成する際の最適な条件を決定するための画像形成方法及び画像形成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像の光沢度は定着後の画像表面の3次元構造に依存するので、表面粗さの定着条件の目標値を設定し、表面粗さを制御する画像形成方法がいくつか提案されている。
例えば、比較的高い光沢度が望まれるという仮定のもとで、透明トナーを用いて定着された画像面の表面平均粗さ(Ra)を0<Ra<1.5μmとすることで、好ましい画質が得られるとしている技術がある(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0003】
また、フルカラー定着画像の標準定着温度−10〜+10℃の範囲で定着した時の定着画像の光沢度が10〜40%、表面粗さRzを10μmより小さくするフルカラートナー定着方式を用いることにより、オフセット発生までの余裕度の十分ある安定した中光沢の鮮明なフルカラー画像が得られるとしている技術がある(特許文献4)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−197858号公報
【特許文献2】
特開2001−305816号公報
【特許文献3】
特開2001−312166号公報
【特許文献4】
特開平11―219057号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら雑誌・書籍などの印刷物においては、高い光沢度は高級感をもたらすという意味で好まれることがあるが、電子写真法による複写機やプリンタにより出力される画像においては、必ずしも高い光沢度が好まれると限らないことが明らかになり、光沢を抑制する電子写真方法が提案されるようになった。
【0006】
実際、カラー複写機は、会議用プレゼンテーションなどで使用するような文字と図が混在したドキュメントを出力することが多く、文字の判読性から低光沢度が望まれる。また、上記従来技術で主張する表面平均粗さ(Ra)の範囲は下限が0であることから、限りなく鏡面に近い画像までも含まれてしまい、光沢度の上限を考慮した場合には適さないことは明らかである。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、通常の有色トナーを用いた電子写真法において、画像内容の種類別に最適な画質、あるいは画像の内容によらず平均的に好ましい画質、を得るための画像形成方法及び画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、複数または単一のトナー層を画像として転写体上に定着する画像形成方法において、定着された層における画像のRMS表面粗さ(Rq)を、60度鏡面光沢度の範囲(最小値をGmin[%]、最大値をGmax[%]とする)において、5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]とすることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、少なくとも200μm平方の高さ分布測定領域に対し、20μm平方以下に区分した各小領域で計測した2次元RMS表面粗さの相加平均値とすることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、人物が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.25μm<Rqとすることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、物品が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.2μm<Rq<1μmとすることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、背景色中に文字を含む画像とする場合に、0.2μm<Rqとすることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、文字や図を含む文書画像とする場合に、0.25μm<Rqとすることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1から6の何れか1項に記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、画像の種類において違和感を有する画像とする場合に、Rq<0.2μmとすることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1から7の何れか1項に記載の画像形成方法において、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、画像の種類を2種類以上含む画像とする、または、画像内容の種類に依存しないとする場合に、0.3μm<Rq<1μmとすることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、複数または単一のトナー層を画像として転写体上に定着する画像形成装置において実行させる画像形成プログラムであって、画像形成装置において、定着された層における画像のRMS表面粗さ(Rq)を、60度鏡面光沢度の範囲(最小値をGmin[%]、最大値をGmax[%]とする)において、5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]とする処理を実行させることを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、少なくとも200μm平方の高さ分布測定領域に対し、20μm平方以下に区分した各小領域で計測した2次元RMS表面粗さの相加平均値とする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項9または10記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、人物が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.25μm<Rqとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、請求項9から11の何れか1項に記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、物品が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.2μm<Rq<1μmとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0020】
請求項13記載の発明は、請求項9から12の何れか1項に記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、背景色中に文字を含む画像とする場合に、0.2μm<Rqとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0021】
請求項14記載の発明は、請求項9から13の何れか1項に記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、文字や図を含む文書画像とする場合に、0.25μm<Rqとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0022】
請求項15記載の発明は、請求項9から14の何れか1項に記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、画像の種類において違和感を有する画像とする場合に、Rq<0.2μmとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0023】
請求項16記載の発明は、請求項9から15の何れか1項に記載の画像形成プログラムにおいて、定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、画像の種類を2種類以上含む画像とする、または、画像内容の種類に依存しないとする場合に、0.3μm<Rq<1μmとする処理を画像形成装置において実行させることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
(本発明の概要)
まず、本発明の概要について説明する。
本発明にかかる画像形成方法は、画像の種類に応じて好ましい光沢度範囲となるように、表面粗さの範囲を設定する。すなわち、複数または単一のトナー層を画像として転写体上に定着する画像形成方法において、定着された層におけるRMS(Root・Mean・Square)表面粗さ(Rq)を、60度光沢度の範囲(最小値Gmin[%]、最大値Gmax[%])において、
5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]・・・(式1)
とする。
【0025】
以下、添付図面を参照しながら本発明にかかる実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に適用されるRMS表面粗さRqの測定条件について説明する。まず、機種(トナー)、出力条件、紙種を様々変えて光沢を変えた(2%〜80%)、ブラック単色またはプロセスブラックのベタ画像サンプルを作製し、鏡面光沢度計GM−26D(村上色彩社製)を使用して60度鏡面光沢度を測定する。次に、該作製した各画像サンプルを、超深度形状測定顕微鏡(Keyence社製)を用いて、0.01μmの高さ分解能で、300μm×220μmの領域における3次元構造を測定する。
【0026】
図1〜図4は、上記測定した高さ分布データを、等高線で表示した図の例である。なお、等高線の間隔は0.5μmである。等高線の密集度合いは起伏の度合いを表し、例えば図1の光沢度5%のサンプルでは、他のサンプルよりも起伏が激しいことが読み取れる。図2〜図4では、等高線が同心円的に密集している個所が見られるが、それらは窪み(凹面)となっており、光沢度が高くなるに従い数が減少し、表面が滑らかになる傾向がある。
なお、図1〜図4に記した数値は高さデータを測定したポイントを含むように測定した60度鏡面光沢度である。
高さ分布のデータサイズは1,024×768で、分解能(ピッチ)は約0.3μmである。次に、図5に示すように、高さ分布データを32×24個の正方形ブロックに等分割(サイズ32×32(9.6μm□相当))して、ブロック毎に2次元RMS表面粗さ(高さの標準偏差)を算出してRq(i,j)を得て、その相加平均値を(式2)に示す。なお□は、一辺が9.6μm×9.6μmの分割ブロックを示す。
【0027】
【数1】
【0028】
本発明は、上記(式2)をRMS表面粗さ(Rq)とする。なお、この測定条件はJISやISOで規定されている測定条件とは異なる。さらに、各ブロックのRMS表面粗さにはばらつきがあるので、分割後のブロック数が多いほど平均値の精度がよくなることを考慮する。さらに、長周期のうねりを除去することも考慮する。また、分割ブロックのサイズは、20μm以下であることが望ましく、さらには、10μm以下であることが望ましい。以上述べたRMS表面粗さ(Rq)の測定条件を本発明において適用する。
【0029】
図6は、各画像サンプルのRMS表面粗さと、60度鏡面光沢度と、の関係を示すグラフである。べき乗に回帰させた(両対数目盛上で直線)結果、べき指数は−0.99、比例係数は約5.1となり、結局、RMS表面粗さ(Rq)との関係は概算で、
Gs[%]=5/Rq[μm]・・・(式3)
となり、表面粗さと60度鏡面光沢度とを結びつける関係式となる。
【0030】
RMS表面粗さ(Rq)の代わりに、高さ分布から算術平均粗さ(Ra)を算出した場合、
Ra=root(2/π)Rq・・・(式4)
という比例関係が導かれる(但し、高さ分布がガウス分布であるとする)。root(2/π)を約0.8として(式4)のRqを(式3)に代入することで、
Gs[%]=4/Ra・・・(式5)
が得られる。電子写真画像において高さ分布は、ほぼガウス分布となるため算術平均粗さ(Ra)を使用してもよい。なお、rootは平方根を示す。
【0031】
ここで、好ましい画像の範囲:最小光沢度(Gmin)および最大光沢度(Gmax)を指定すれば、対応するRMS表面粗さ(Rq)の範囲は、
5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]・・・(式6)
または、表面平均粗さ(Ra)の場合には、
4/Gmax[%]<Ra[μm]<4/Gmin[%]・・・(式7)
となる。
【0032】
従って、特許文献1の特開平9−197858号公報において主張する0.0<Ra[μm]<1.5は、(式5)または(式6)から60度鏡面光沢度に換算すると、2.7<Gs[%]<∞となって、ほぼ全範囲の光沢度に該当することになり、好ましい光沢を発現させるための条件ではないことがわかる。
【0033】
(実施例)
次に、本発明にかかる実施例について表1を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
【表1】
【0035】
表1は、リコー製カラー複写機を使用し、出力条件として実験的に定着温度を変えることで光沢度を6水準変化させて作製した4種類の画像サンプルに対し、特に光沢に起因する画質の好ましさや見やすさを順位付けする官能評価を行い、各光沢度の順位の平均を求めた結果から、良い○、普通△、悪い×の3水準にランクづけしたものである。官能評価は画像技術の専門家と非専門家をそれぞれ半数づつ含む22名に対して行われた。光沢度は定着温度を決定するために出力した赤のベタ画像を、村上色彩社製鏡面光沢度計GM−26Dを使用して60度鏡面光沢度を測定した値である。以上の結果から、画像の種類別に好ましい光沢度の範囲を判断し、そのときの画像のRMS表面粗さを(式5)により決定した。
【0036】
画像の種類は以下の4種類とする。
画像タイプ1:主に人物が主要な構成要素となる写真画像。
画像タイプ2:カタログなどに含まれる静物や物品が主要な構成要素となる写真画像。
画像タイプ3:背景色中に文字を含むような、地図、ポスター、イラストなどの画像。
画像タイプ4:文字や図を含むようなビジネス文書や技術報告書などの文書画像。
【0037】
画像表面の高さ分布データからRMS表面粗さ(Rq)を算出する際には、2箇所以上表面形状を測定してRMS表面粗さを求めて平均化することで、構造上の微視的あるいは巨視的なムラに起因する測定ばらつきを低減することができる。
【0038】
(1)画像タイプ1に対しては、Gs<20%が好まれ、画像表面のRMS表面粗さ(Rq)は、0.25μm<Rqであることが望ましい(Gsは60度鏡面光沢度)。また光沢度は、Gs<5%が最も好まれるので、画像表面のRMS表面粗さは、1μm<Rqであればさらに望ましい。
【0039】
(2)画像タイプ2に対しては、5%<Gs<25%が好まれ、画像表面のRMS表面粗さは、0.25μm<Rq<1μmであることが望ましい。また光沢度は、10%<Gs<20%が最も好まれるので、画像のRMS表面粗さは、0.25[μm]<Rq<0.5μmであればさらに望ましい。
【0040】
(3)画像タイプ3に対しては、Gs<20%が好まれ、画像表面のRMS表面粗さは、0.2μm<Rqであることが望ましい。また光沢度は、Gs<5%が最も好まれるので、画像表面のRMS表面粗さは、1μm<Rqであればさらに望ましい。
【0041】
(4)画像タイプ4に対しては、Gs<20%が好まれ、画像表面のRMS表面粗さは、0.25μm<Rqであることが望ましい。また、光沢度はGs<10%が最も好まれるので、画像表面のRMS表面粗さは、0.5μm<Rqであればさらに望ましい。
【0042】
(5)タイプ1からタイプ4までの画像、特にタイプ3またはタイプ4の画像に属し違和感のある画質とする必要がある場合は、光沢度が20%より大きい場合には好ましくないので、光沢度は25%<Gsが適当であるとして、画像表面のRMS表面粗さ(Rq)は、Rq<0.2μmであることが望ましい。また、30%<Gsであれば完全に違和感があるのでRq<1.7μmであることがさらに望ましい。
【0043】
従って、違和感のある光沢度とすることで明らかに実物とは異なるように見せかけ、誤使用を未然に防ぐ必要がある内容の画像に適用できる。なお、適用される画像としては、例えば証書や届け出書類の見本印刷、逆に違和感を持たせることで積極的に注目されることを狙う画像等が挙げられる。
【0044】
(6)通常の画像一般に対し光沢度は総合的に、5%<Gs<15%が好まれると判断されるので、画像表面のRMS表面粗さは、0.3μm<Rq<1μmであることが望ましい。
【0045】
画像形成装置としては、標準状態として上記(6)のケースでの最適条件の中央値として定着温度を165℃として、その他のケースの場合には、表1に○で示した最適条件の中央値に対応した定着温度に切り替えて画像を出力すればよい。すなわち、
(1)画像タイプ1 :140℃
(2)画像タイプ2 :160℃
(3)画像タイプ3 :140℃
(4)画像タイプ4 :155℃
(5)違和感のある画質:185℃(以上)
(6)標準状態 :165℃
【0046】
なお、温度設定は、紙幣等の偽造が禁じられた画像であるかを画像形成装置が自動認識して出力を強制的に中止または色を完全に変化させるなどの従来技術による不正コピー防止手段が設けられている上で、通常の画像に対しては、アプリケーションソフトやドライバソフトにおけるプリンタ出力設定メニュー、または画像形成装置本体の出力条件設定メニューで、ユーザに指定画像タイプ指定させるか、画像の種類を判別する手段を設けて自動的に画像タイプを特定して、定着温度を変更すればよい。画像に違和感を付与する場合には、手動以外にもあらかじめ設定された条件の画像を認識する手段を設けることにより、手動による設定に関係なく定着温度を強制的に変更する。
【0047】
また、定着温度制御による方法以外にも、トナーと接触する側の表面粗さの異なる定着ローラを複数備えておき、画像タイプに応じて切り替えるか、加圧ローラの圧力を画像タイプに応じて制御するようにしてもよい。
【0048】
また、上述した機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを画像形成装置に供給し、その画像形成装置がプログラムコードを読み出して実行することも可能である。
【0049】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更実施が可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明は以下のような効果を奏する。
定着温度などを画像タイプに応じて切り替え画像構造を制御することで、好ましい画質を得ることができるようになる。また、本発明により光沢度の範囲に対応した画像の表面粗さの範囲がわかるので、定着ローラの表面粗さ、定着温度や定着圧力、トナーの成分などのプロセス条件を決定するための目標仕様ないしは目安として利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像表面の高さ分布データを示す第1の図(光沢度(GS(60°)=5%)である。
【図2】画像表面の高さ分布データを示す第2の図(光沢度(GS(60°)=11%)である。
【図3】画像表面の高さ分布データを示す第3の図(光沢度(GS(60°)=23%)である。
【図4】画像表面の高さ分布データを示す第4の図(光沢度(GS(60°)=30%)である。
【図5】本発明にかかるRMS表面粗さ測定方法を示す模式図である。
【図6】本発明にかかる画像表面のRMS表面粗さ(Rq)と60度鏡面光沢度の関係とを示す両対数目盛のグラフ図である(およびベキ乗依存性を仮定した回帰式と寄与率)。
Claims (16)
- 複数または単一のトナー層を画像として転写体上に定着する画像形成方法において、
定着された層における画像のRMS表面粗さ(Rq)を、60度鏡面光沢度の範囲(最小値をGmin[%]、最大値をGmax[%]とする)において、5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]とすることを特徴とする画像形成方法。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
少なくとも200μm平方の高さ分布測定領域に対し、20μm平方以下に区分した各小領域で計測した2次元RMS表面粗さの相加平均値とすることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
人物が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.25μm<Rqとすることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成方法。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
物品が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.2μm<Rq<1μmとすることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成方法。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
背景色中に文字を含む画像とする場合に、0.2μm<Rqとすることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の画像形成方法。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
文字や図を含む文書画像とする場合に、0.25μm<Rqとすることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の画像形成方法。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
画像の種類において違和感を有する画像とする場合に、Rq<0.2μmとすることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の画像形成方法。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
画像の種類を2種類以上含む画像とする、または、画像内容の種類に依存しないとする場合に、0.3μm<Rq<1μmとすることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の画像形成方法。 - 複数または単一のトナー層を画像として転写体上に定着する画像形成装置において実行させる画像形成プログラムであって、
前記画像形成装置において、
定着された層における画像のRMS表面粗さ(Rq)を、60度鏡面光沢度の範囲(最小値をGmin[%]、最大値をGmax[%]とする)において、5/Gmax[%]<Rq[μm]<5/Gmin[%]とする処理を実行させることを特徴とする画像形成プログラム。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
少なくとも200μm平方の高さ分布測定領域に対し、20μm平方以下に区分した各小領域で計測した2次元RMS表面粗さの相加平均値とする処理を前記画像形成装置において実行させることを特徴とする請求項9記載の画像形成プログラム。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
人物が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.25μm<Rqとする処理を前記画像形成装置において実行させることを特徴とする請求項9または10記載の画像形成プログラム。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
物品が主要な構成要素となる写真画像とする場合に、0.2μm<Rq<1μmとする処理を前記画像形成装置において実行させることを特徴とする請求項9から11の何れか1項に記載の画像形成プログラム。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
背景色中に文字を含む画像とする場合に、0.2μm<Rqとする処理を前記画像形成装置において実行させることを特徴とする請求項9から12の何れか1項に記載の画像形成プログラム。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
文字や図を含む文書画像とする場合に、0.25μm<Rqとする処理を前記画像形成装置において実行させることを特徴とする請求項9から13の何れか1項に記載の画像形成プログラム。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
画像の種類において違和感を有する画像とする場合に、Rq<0.2μmとする処理を前記画像形成装置において実行させることを特徴とする請求項9から14の何れか1項に記載の画像形成プログラム。 - 前記定着された画像のRMS表面粗さ(Rq)は、
画像の種類を2種類以上含む画像とする、または、画像内容の種類に依存しないとする場合に、0.3μm<Rq<1μmとする処理を前記画像形成装置において実行させることを特徴とする請求項9から15の何れか1項に記載の画像形成プログラム。
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