JP2004177556A - 着色インク組成物及びそれを用いた着色コンタクトレンズ - Google Patents

着色インク組成物及びそれを用いた着色コンタクトレンズ Download PDF

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Abstract

【課題】光触媒作用がなく、着色インク中での分散性が良好かつ隠蔽力にすぐれた隠蔽剤を含有した着色インク組成物及びそれを用いた着色コンタクトレンズを提供する。
【解決手段】少なくとも着色剤、着色層形成物質、屈折率が1.55以上かつ平均粒子径が0.1〜5μmである三次元網目構造の樹脂粉体からなる着色コンタクトレンズ用着色インク組成物。三次元網目構造の樹脂粉体が、熱硬化性樹脂粉体またはスチレン−ジビニルベンゼン樹脂粉体であることを特徴とする上記コンタクトレンズ用着色インク組成物。基材コンタクトレンズ表面に上記着色インク組成物からなる着色インク層を形成したことを特徴とする着色コンタクトレンズ。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光触媒作用がなく取り扱いが良好な隠蔽剤を用いた着色コンタクトレンズ用着色インク組成物及びそれを用いた着色コンタクトレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
不透明の着色層を付与した、いわゆる着色コンタクトレンズは、虹彩を覆う色調を適用することにより、眼の色を強調するか、あるいは眼の外観を変化させることを意図したものである。
【0003】
一般に、この種の着色コンタクトレンズは、基材となるコンタクトレンズ表面に着色インクを塗布して得られる。着色インクは、染料や顔料などの着色剤を着色層形成物質(レンズ基材と相互作用をして着色インク層を形成する化合物)等に溶解して用いている。例えば、染料や顔料等の着色剤と隠蔽剤としての酸化チタンを2−ヒドロキシエチルメタクリレートやイソシアネート化合物等の有機化合物に溶解した着色インクをレンズ基材に塗布して着色コンタクトレンズを得ている(特許文献1参照)。ここで、明瞭な色調を出し、かつ虹彩色を完全に被覆するために白色顔料を隠蔽剤として用いるが、効果的な隠蔽力を示す白色顔料としては、酸化チタンが一般的である。
【0004】
ところで、酸化チタンは隠蔽力に優れるが、光(紫外線)エネルギーを受けると活性を帯びて光触媒作用を示すことが知られている。したがって、酸化チタンを配合した着色インクを含水コンタクトレンズに用いた場合、表面にある吸着水から酸化力の強いヒドロキシラジカルが生成し、コンタクトレンズ基材や着色インク層に悪影響を与えることが指摘されている。
【0005】
このため、酸化チタン粒子を酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素等で表面被覆等を施した不活性な酸化チタンを用いる必要がある。
【0006】
一方、酸化チタンを用いないものとして、隠蔽剤として、ラテックス乳剤を反応させてレンズ表面にラテックス粒子を固定させる着色コンタクトレンズが開示されている(例えば、特許文献2参照)。該ラテックス粒子は寸法0.1〜5μmであり、乳化重合反応により調製したポリエチレン粒子やメチルメタクリレート、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリルを乳化重合したものを挙げている。
【0007】
【特許文献1】
特開平06−347728号公報
【特許文献2】
特開昭64−46726号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
酸化チタンは比重が高く、無機物であるため着色インクの成分と親和性に欠け、凝集等が起こり安定した着色インクの調製が困難であった。また、表面被覆という2次加工を施すと非常に高価なものとなり、その使用が制限される。
【0009】
特許文献2で開示しているポリエチレン粒子の場合、着色インク成分である有機溶剤で膨潤してしまい、また、その他のアクリル系樹脂の場合、その屈折率がレンズ基材と近似するため十分な隠蔽力を発現するにはラテックス粒子の塗布量を増加しなければならず、その結果、レンズ表面に凹凸ができコンタクトレンズとしての装用感が劣ってしまう。
【0010】
本発明の目的は、光触媒作用がなく、着色インク中での分散性が良好かつ隠蔽力にすぐれた隠蔽剤を含有した着色インク組成物及びそれを用いた着色コンタクトレンズを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明は、少なくとも着色剤、着色層形成物質、屈折率が1.55以上かつ平均粒子径が0.1〜5μmである三次元網目構造の樹脂粉体からなる着色コンタクトレンズ用着色インク組成物である。
【0012】
(2) 本発明は、前記三次元網目構造の樹脂粉体が、熱硬化性樹脂粉体またはスチレン−ジビニルベンゼン樹脂粉体であることを特徴とする(1)記載の着色コンタクトレンズ用着色インク組成物である。
【0013】
(3) 本発明は、前記熱硬化性樹脂粉体がグアナミン樹脂粉体、メラミン樹脂粉体、グアナミン−メラミン樹脂粉体の少なくとも一種以上であることを特徴とする(2)記載の着色コンタクトレンズ用着色インク組成物である。
【0014】
(4) 本発明は、基材コンタクトレンズ表面に(1)、(2)または(3)記載の着色インク組成物からなる着色インク層を形成したことを特徴とする着色コンタクトレンズである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、着色コンタクトレンズの着色インクに用いることができる隠蔽剤について鋭意検討した結果得られた、屈折率が1.55以上かつ平均粒子径が0.1〜5μmで、有機溶剤に影響を受けない三次元網目構造の樹脂が利用できるという知見に基づく。
【0016】
ここで、顔料粒子群によって起こる光の反射、屈折は、粒子の界面で起こり、我々の目に色と感じるのは、目に向かう光の総和である。界面での反射、屈折のうち反射の割合はn/n(n:隠蔽剤の屈折率、n:分散媒の屈折率)の値が大きいほど大きくなる。隠蔽剤としての白色顔料の場合、可視光線をほとんど吸収しないため、n/nの値が大きいほど隠蔽力は大きくなる。
【0017】
また、隠蔽剤が一定量の場合、粒子径が小さいほど界面の総面積が広くなり、目に向かう光が増加して白さを増す。このように、隠蔽力は粒子径が小さくなるにつれて大きくなるが、それには限界がある。粒子径が光の波長の約1/10以下になると、反射と屈折が効率よく行われなくなり、結果として隠蔽力が減少するため、隠蔽剤は、(1)屈折率は分散媒の屈折率より高いこと、(2)粒子径が0.08μm(最大可視光線の約1/10)より大きいことが必要である。
【0018】
着色インク中に隠蔽剤を分散させる場合、他の着色インク成分と隠蔽剤の比重の差が小さいほど分散性が向上する。酸化チタンなどの無機化合物は比重が3以上であり、着色層形成物質となる他の着色インク成分や有機溶剤の比重が1前後であることを考慮すると、その差が大きく、均一な着色インクの調製に多大なる労力を要する。さらに、分散性を向上させるために分散剤を添加する場合、着色インク組成物の組成が複雑になる。これに対して、本発明に用いる三次元網目構造の樹脂粉体は、比重が1.0〜1.5であり、良好な分散性が得られる。
【0019】
隠蔽剤として樹脂粉体を選択する場合、上記(1),(2)の条件に加え、第3の条件として(3)有機溶剤に膨潤しないことが求められる。すなわち、隠蔽剤が有機溶剤により膨潤してしまうと、着色インク中で隠蔽剤が凝集したり、あるいは粒子径が大きくなり、レンズ上に塗布される隠蔽剤の絶対量が減少し、効果的な隠蔽力を発現できなくなる。
【0020】
本発明で用いる三次元網目構造を形成する樹脂は、一般的に耐有機溶剤性に優れている。具体的には、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂やスチレン−ジビニルベンゼン樹脂が挙げられる。
【0021】
本発明で隠蔽剤として用いられる三次元網目構造の樹脂は、屈折率が1.55以上であり、かつ平均粒子径が0.1〜5μmであり、有機溶剤で膨潤等の影響を受けないものが選択される。
【0022】
本発明では、前述の三次元網目構造を有する樹脂のうち、高屈折性への寄与及び耐有機溶剤性の観点から分子構造中に環構造を有する樹脂が好適に用いられる。具体的には、スチレン−ジビニルベンゼン樹脂やグアナミン樹脂、メラミン樹脂、グアナミン−メラミン樹脂が好ましく、下記一般式で示すベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン−メラミン樹脂が特に好ましい。
【0023】
【化1】
Figure 2004177556
【0024】
これら樹脂は屈折率が1.57〜1.59であり、分散媒であるハイドロゲル製コンタクトレンズの平均的な屈折率1.39〜1.43より高く、また平均粒子径が0.1〜5μmのものも比較的容易に入手できる。平均粒子径が0.1μm未満あるいは5μmより大きいと隠蔽力が弱く、また、5μmより大きい場合は、隠蔽力を向上させるために塗布量を多くしなければならず、結果としてコンタクトレンズの装用感が悪くなる。平均粒子径が0.1〜5μmの場合の配合量としては、着色インク組成物である着色剤、隠蔽剤、着色層形成物質の総量に対して、40〜75重量%が好ましい。これら樹脂は有機溶剤で膨潤せず、比重も1.0〜1.5と着色インク成分の比重と近いため良好な分散性を示す。
【0025】
着色インクに配合する着色剤としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化鉄(黄色、赤色、褐色)、酸化クロム単独あるいはこれらの混合物、バット染料(バットイエロー3、バットブラウン1、バットグリーン1、バットオレンジ1、バットオレンジ5)等が挙げられる。
【0026】
着色インク層は、着色インク組成物を各種有機溶剤と混合した着色インクをコンタクトレンズ基材に塗布して形成したものである。着色インク組成物は、前記隠蔽剤、着色剤及び着色層形成物質からなるが、この着色層形成物質は隠蔽剤や着色剤をコンタクトレンズ基材に良好に付着させるものである。
【0027】
着色層形成物質は、各種(メタ)アクリル酸や単官能または多官能のアルキル(メタ)アクリレート等をモノマー状態やプレポリマー化した濃厚溶液に重合開始剤を配合したものであり、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが主に用いられる。また、着色層形成物質にはレンズ基材との結合性を向上させるために、イソシアネート化合物を配合することも一般的に行われる。これらの配合量は着色層形成方法、使用化合物に応じて適宜決めることができる。イソシアネート化合物としてはイソシアネート基を二つ有するヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)メタン等が一般的であるが、レンズ基材との結合性を更に高めるために、イソシアネート基を三つ有する環状化合物であるヘキサメチレンジイソシアネートの環状三量体も好適に用いられる。
【0028】
着色インクには前記着色インク組成物の他に、印刷性を向上させるために各種有機溶剤を配合する。すなわち、有機溶剤として、低級アルコール、アセトン、シンナー等が挙げられる。また、ポリビニルピロリドンを印刷転写性調節剤として適宜配合することもできる。
【0029】
本発明の着色インク組成物の調製方法およびコンタクトレンズへの塗布方法は特に問わない。例えば、特開平06−347728号公報の顔料と隠蔽剤としての酸化チタンからなる着色剤を2−ヒドロキシエチルメタクリレートやイソシアネート化合物等の有機化合物に溶解した着色インクをレンズ基材に塗布する方法、特開平06−258605号公報のレンズ基材に着色剤及びポリヒドロキシエチルメタクリレートを含有するインク層と、該インク層上にポリヒドロキシエチルメタクリレートからなる無色クリアー層を形成する方法、特開平08−152582号公報のレンズ基材に白色顔料、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びヘキサメチレンジイソシアネート環状三量体を含有する白色インクを塗布した層を反応性染料で着色する方法等が挙げられる。
【0030】
コンタクトレンズの材質としては、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(P−HEMA)系のソフトコンタクトレンズが好ましいが、アクリル酸、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のアクリルモノマーやN−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合させた系及びポリビニルアルコール系にも適応できる。
【0031】
着色層は虹彩模様状に形成することが好ましいが、目的に応じて部分的に均一層を形成することもできるし、例えば、義眼などを目的として瞳孔部に着色層を形成することもできる。
【0032】
【実施例】
以下本発明の好ましい実施例を説明する。しかし、この実施例は本発明の理解のために提供されるものであって、本発明の範囲が後述する実施例に限定されるものではない。
【0033】
[被着色コンタクトレンズの作製]
被着色コンタクトレンズ(被着色CL)は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート99.95重量%及びエチレングリコールジメタクリレート0.05重量%の混合モノマー溶液をコンタクトレンズ型中に流し込み、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤とした熱重合により得た。
【0034】
[評価方法]
(1) 分散性試験
ボールミルで3時間混合して得た着色インクをサンプル瓶に一定量取り、肉眼及びルーペ(×20倍)で観察した。均一な着色インクであるものは○、隠蔽剤の凝集による沈殿が見られたものは×とした。
【0035】
(2) 印刷転写性
着色処理後のレンズを膨潤処理ケースに一枚ずつ入れ、生理食塩水で3時間処理し、コンタクトレンズ洗浄用パフに専用の洗浄液を滴下して人差し指でこすり洗い試験を行い、印刷した虹彩模様を肉眼及びルーペ(×20倍)で観察した。ほとんど脱落のないものを○、部分的に脱落しているものを×とした。
【0036】
(3) 隠蔽性試験
(2)の処理済みレンズをポリメチルメタクリレート製の黒色板の上に置き、目視にて着色状態を観察した。色調が鮮明のものを○、色調が不明瞭のものを×とした。
【0037】
(4) レンズ強度試験
(2)の処理済みレンズを、フロント面を上にして純水をはったガラス製のシャーレに置き、常にレンズが膨潤している状態にし、水銀ランプ(日本文化精工製)を用いて紫外線を2.8mW/cmで48時間照射した。照射後のレンズを、引っ張り試験機(島津製作所社製AGS−5A)を用いて破断強度を下記式より求めた。紫外線照射前後の破断強度の差を照射前の破断強度で割った百分率、すなわち破断強度減少率が10%未満ならば○、以上ならば×とした。なお、引っ張り試験用試料は、中心厚み0.2mmの平行球面レンズから幅2mmの短冊状片を切り抜き、作製した。
【0038】
破断強度[×10−5Pa]=(破断点荷重/サンプル断面積)×重力加速度
破断強度減少率[%]=(照射前破断強度−照射後破断強度)÷照射前破断強度×100
(実施例1)
[着色インクの調製]
隠蔽剤として、屈折率1.57、平均粒子径1〜2μmのメラミン樹脂1(商品名エポスターS12、日本触媒社製)80重量部(着色インク組成物に対して48重量%)、着色剤としてフタロシアニンブルー8重量部、印刷調整剤としてポリビニルピロリドン(PVP)20重量部を、均一に混合し「混合物1」を得た。次に、着色層形成物質として2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)70重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート環状三量体(商品名デュラネートTPA−100、旭化成工業製、以下TPA)10重量部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を「混合物1」に加え「混合物2」を得た。「混合物2」にシンナー170重量部を加えボールミルで3時間混合して青色インクを得た。
【0039】
[レンズの着色処理法]
被着色CLを、フロント面を上にして印刷用治具に固定した。次に、虹彩模様付きステンレス製版の虹彩模様部分に、調製したインクを塗布した。次に、パット印刷用プリンティングマシーンのシリコーン製転写体(ナビタス製)を用いて、レンズに虹彩模様を印刷した。印刷後、直ちに(5分以内に)80℃のオーブンに入れて10時間加熱処理して虹彩模様付き着色コンタクトレンズを得た。
【0040】
(実施例2)
隠蔽剤として、屈折率1.57、平均粒子径1〜3μmのベンゾグアナミン樹脂1(商品名エポスターMS、日本触媒社製)80重量部に代えた他は実施例1と同様に着色インクを調製し、着色コンタクトレンズを作製した。
【0041】
(実施例3)
隠蔽剤として、屈折率1.57、平均粒子径0.1〜0.3μmのメラミン樹脂2(商品名エポスターS、日本触媒社製)80重量部に代えた他は実施例1と同様に着色インクを調製し、着色コンタクトレンズを作製した。
【0042】
(実施例4)
隠蔽剤として、屈折率1.57、平均粒子径2.5〜4.0μmのベンゾグアナミン−メラミン樹脂(商品名エポスターM30、日本触媒社製)80重量部に代えた他は実施例1と同様に着色インクを調製し、着色コンタクトレンズを作製した。
【0043】
(実施例5)
隠蔽剤として、屈折率1.59、平均粒子径4μmのスチレン−ジビニルベンゼン樹脂(商品名ガンツパールGS−0407、ガンツ化成社製)80重量部に代えた他は実施例1と同様に着色インクを調製し、着色コンタクトレンズを作製した。
【0044】
(実施例6)
隠蔽剤として、屈折率1.57、平均粒子径1〜2μmのメラミン樹脂1(商品名エポスターS12、日本触媒社製)40重量部及び屈折率1.57、平均粒子径1〜3μmのベンゾグアナミン樹脂1(商品名エポスターMS、日本触媒社製)40重量部を混合したものに代えた他は実施例1と同様に着色インクを調製し、着色コンタクトレンズを作製した。
【0045】
(実施例7)
着色層形成物質のイソシアネート化合物として、実施例1で用いたTPA10重量部をヘキサメチレンジイソシアネート10重量部に代えた他は、実施例1と同様に着色インクを調製し、着色コンタクトレンズを作製した。
【0046】
(実施例8)
特開平06−258605号公報に従い着色コンタクトレンズを作製した。
【0047】
[非架橋性P−HEMAの調製]
2−HEMA20重量部、メルカプト酢酸(連鎖移動剤)0.05重量部、水100重量部を混合し、25℃で30分間撹拌後、過硫酸カリウム(重合開始剤)を0.5部加えて、低重合率で非架橋性P−HEMA水溶液を得た。この非架橋性P−HEMA水溶液を大量の水に滴下して精製した。この精製物を40℃で24時間真空乾燥処理して非架橋性P−HEMAを得た。
【0048】
[着色インクの調製]
隠蔽剤として、屈折率1.57、平均粒子径1〜2μmのメラミン樹脂1(商品名エポスターS12、日本触媒社製)80重量部(着色インク組成物に対して51重量%)、着色剤としてフタロシアニンブルー8重量部、印刷調整剤としてPVP20重量部を、均一に混合し「混合物3」を得た。次に、着色層形成物質として2−HEMA70重量部、AIBN0.3重量部を「混合物3」に加え、更にメチルアルコール100重量部を加えボールミルで3時間混合して青色インクを得た。
【0049】
[無色クリアー層用インクの調製]
非架橋性P−HEMA50重量部、2−HEMA45重量部、エチレングリコールジメタクリレート5重量部、AIBN0.3重量部を均一に混合し、更にメチルアルコール100重量部加え無色クリアー層インクを得た。
【0050】
[レンズへの着色処理法]
被着色CLを、実施例1と同様にして虹彩模様の着色層を形成した後に、虹彩模様部分に無色クリアー層用インクを塗布した。塗布後、直ちに80℃で16時間加熱処理して虹彩模様付き着色コンタクトレンズを得た。
【0051】
(実施例9)
特開平08−152582号公報に従い着色コンタクトレンズを作製した。
【0052】
屈折率1.57、平均粒子径1〜2μmのメラミン樹脂1(商品名エポスターS12、日本触媒社製)120重量部(着色インク組成物に対して60重量%)とPVP20重量部を混合後、TPA10重量部、2−HEMA70重量部、AIBN0.3重量部を加えて均一に混練し、さらにシンナー150重量部を加えボールミルで3時間混合して白色インクを得た。
【0053】
被着色CLを、実施例1と同様にして前記白色インクによる虹彩模様の白色インク層を形成し、このレンズを生理食塩水で膨潤させた。
【0054】
次いで、白色インク層を形成する虹彩部分のみを残してマスクするために、専用の治具に配置する。
【0055】
シー アイ リアクティブ ブルー 77(C.I.Reactive Blue 77)16gを800mLの精製水に溶解して、助剤としての硫酸ナトリウム8gを加えて青色の着色染料液を調製した。該着色染料液に、専用の治具でマスクした膨潤レンズを治具ごと浸漬し、55℃にて60分間保持し染色処理をして虹彩部が青色の着色コンタクトレンズを得た。
【0056】
(比較例1)
隠蔽剤として、実施例1で用いたメラミン樹脂1 80重量部を酸化チタン80重量部に代えた他は実施例1と同様にして着色インクを調製し、着色コンタクトレンズを作製した。得られた着色コンタクトレンズについて上記評価を行った。
【0057】
(比較例2)
隠蔽剤として、平均粒子径10〜15μm、屈折率1.57のベンゾグアナミン樹脂2(商品名エポスターL15、日本触媒社製)に代えた他は実施例1と同様にして着色インクを調製し、着色コンタクトレンズを作製した。
【0058】
(比較例3)
隠蔽剤として、平均粒子径3μm、屈折率1.49のポリメチルメタクリレート粒子に代えた他は実施例1と同様にして着色インクを調製し、着色コンタクトレンズを作製した。
【0059】
表1に実施例1〜9及び比較例1〜3で使用した隠蔽剤の物性、表2に上記評価の結果を示す。
【0060】
実施例1〜9では、隠蔽剤の分散性が良好な着色インクが調製でき、また、着色層の形成方法に関わらず、印刷転写性、隠蔽性が良好な着色コンタクトレンズが得られた。比較例1では、酸化チタンの着色インク中での分散性不良による凝集が観察された。比較例2では隠蔽剤の粒子径が大きいため隠蔽性が乏しく、良好な着色コンタクトレンズが得られなかった。また、こすり洗い試験により、印刷した虹彩模様の部分的脱落が確認された。比較例3では、ポリメチルメタクリレート粒子がシンナーに溶解し、着色インク全体が固化し、着色インクが得られなかった。レンズ強度試験において、実施例1〜9と比較例2では破断強度減少率が10%未満であったのに対して、酸化チタンを用いた比較例1のみ破断強度減少率が10%以上であり、レンズ基材や着色インク層への影響が確認された。
【0061】
【表1】
Figure 2004177556
【0062】
【表2】
Figure 2004177556
【0063】
【発明の効果】
本発明の着色インク組成物は、隠蔽剤の着色インク中での分散性が良いため調製が簡便である。また、隠蔽剤に光触媒作用のない有機粉体を用いるためレンズ基材に影響を及ぼさない着色コンタクトレンズを提供できる。

Claims (4)

  1. 少なくとも着色剤、着色層形成物質、屈折率が1.55以上かつ平均粒子径が0.1〜5μmである三次元網目構造の樹脂粉体からなる着色コンタクトレンズ用着色インク組成物。
  2. 前記三次元網目構造の樹脂粉体が、熱硬化性樹脂粉体またはスチレン−ジビニルベンゼン樹脂粉体であることを特徴とする請求項1記載の着色コンタクトレンズ用着色インク組成物。
  3. 前記熱硬化性樹脂粉体がグアナミン樹脂粉体、メラミン樹脂粉体、グアナミン−メラミン樹脂粉体の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項2記載の着色コンタクトレンズ用着色インク組成物。
  4. 基材コンタクトレンズ表面に請求項1、2または3記載の着色インク組成物からなる着色インク層を形成したことを特徴とする着色コンタクトレンズ。
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