JP2007241233A - コンタクトレンズ - Google Patents

コンタクトレンズ Download PDF

Info

Publication number
JP2007241233A
JP2007241233A JP2006226147A JP2006226147A JP2007241233A JP 2007241233 A JP2007241233 A JP 2007241233A JP 2006226147 A JP2006226147 A JP 2006226147A JP 2006226147 A JP2006226147 A JP 2006226147A JP 2007241233 A JP2007241233 A JP 2007241233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
contact lens
contact
rear surface
cornea
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006226147A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4882600B2 (ja
Inventor
Takamasa Sakai
隆匡 酒井
Norihiro Tani
典浩 谷
Yasuyuki Arakawa
恭行 荒川
Masumi Seta
ますみ 瀬田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2006226147A priority Critical patent/JP4882600B2/ja
Publication of JP2007241233A publication Critical patent/JP2007241233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4882600B2 publication Critical patent/JP4882600B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Eyeglasses (AREA)

Abstract

【課題】コンタクトレンズにおいて、装用感を向上させると共に、涙液の交換を適切に行うこと。
【解決手段】平面図において略円形をなす光学部の周囲に環状の周辺部を有するコンタクトレンズであって、該周辺部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凸となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凸部を有し、前記光学部と前記周辺部の間に環状の中間部を有し、該中間部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凹となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凹部を有するコンタクトレンズとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学領域を形成する略円形の中央部の周囲に環状の周辺部が設けられて、眼球の表面に装着されるコンタクトレンズに係り、特に、装用感の向上が図られ得る、新規な形状のコンタクトレンズに関するものである。
従来から、近視や遠視、乱視、老視の矯正などの目的で、角膜の表面に重ね合わせて装着するコンタクトレンズが提供されているが、かかるコンタクトレンズでは、敏感な角膜表面や眼瞼に接して装着されることから、良好な装用感の実現が重要な課題である。
コンタクトレンズは、一般に、瞳孔に向かって外光を透過させる光学領域を形成する、平面図において略円形をなす光学部の外周側に、環状の周辺部が一体的に設けられており、かかる周辺部によって、コンタクトレンズが角膜上の所定位置に導かれると共に、コンタクトレンズと角膜の間の涙液交換が促されるようになっている。また、レンズ後面の光学部は、一般に、装用者の角膜形状に沿うように角膜表面と略同じ曲率をもつ。一般には、この曲率半径をベースカーブと呼ぶ。
ところが、従来構造のコンタクトレンズでは、個人差にもよるが装用時の異物感が残り、特にハードタイプのコンタクトレンズでは異物感が大きく、必ずしも良好な装用感を実現し得るものとは言えなかった。
また、特にハードタイプのコンタクトレンズでは、コンタクトレンズの装用状態下で、コンタクトレンズの一部が角膜に当接して局所的に応力が掛かかり、それによって大きな異物感が発生することから、場合によってはコンタクトレンズの装用を中断したり、苦痛や不快感を伴いながら装用をしなければならないという問題もあった。
さらに、コンタクトレンズは、視力補正を行うレンズであり、角膜表面に涙液を介して直接接触するが、角膜は無血管組織であり、角膜への酸素供給がほとんど涙液を介してなされていることから、角膜をコンタクトレンズが覆った場合、角膜への酸素供給は、レンズ材料中を酸素が透過することによるものと、瞬きによってコンタクトレンズが角膜上を移動したときにコンタクトレンズと角膜の間に介在する涙液が交換されることによるものとの2つの働きによってなされ、加えて、涙液の交換は、新たな酸素を供給するだけでなく、角膜の代謝物を排泄して角膜の機能を維持するはたらきもするため、極めて重要である。
上述のように従来のコンタクトレンズは、装用感や位置安定性に問題があり、この問題を解消するべく、周辺部の形状を工夫したハードコンタクトレンズがこれまでに開発されてきている。例えば、光学部から中間部、および周辺部にかけて、そのレンズ後面の曲率半径が順次大きくなるように変化させたコンタクトレンズが知られている(特許文献1参照)。
しかし、このコンタクトレンズは、レンズ装用時に涙液交換がスムーズに行われず、十分に快適な装用感が得られない。さらには、このコンタクトレンズは構造が複雑であり、製造コスト面においても不利であった。
また、例えば、円錐角膜の視力矯正のためのハードコンタクトレンズであって、角膜に接するレンズ後面の湾曲面の曲率を特定の割合で段階的に変化させたコンタクトレンズが知られている(特許文献2参照)。しかし、このコンタクトレンズは、通常の乱視眼の矯正に適用すると、レンズ装用時にがたつきを生じて患者が異物感を感じると共にレンズ位置が安定せず、よって、快適な装用感や適切な視力が得られなかった。
特開昭60―113208号公報 特開2003−15094号公報
本発明は、装用時における異物感が軽減されて装用感が飛躍的に向上され得ると共に、レンズと角膜の間に介在する涙液の交換が適切になされ得る、新規な形状のコンタクトレンズを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るコンタクトレンズは、平面図において略円形をなす光学部の周囲に環状の周辺部を有するコンタクトレンズであって、該周辺部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凸となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凸部を有し、前記光学部と前記周辺部の間に環状の中間部を有し、該中間部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凹となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凹部を有することを特徴とするコンタクトレンズである。
装用感を向上させると共に、涙液の交換を適切に行うことができる。
発明者らは、角膜がその頂点から同芯円状に徐々に曲率が大きくなる形状であるという知見を基に、新たな技術思想をもってコンタクトレンズ各部位の形状の最適化を行った結果、従来のコンタクトレンズよりも装用感が大幅に改善され、全てのコンタクトレンズ装用者に対応できるデザインを有するコンタクトレンズを発明するに至った。
本発明は、平面図において略円形をなす光学部の周囲に環状の周辺部を有するコンタクトレンズにおいて、該周辺部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凸となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凸部を有し、前記光学部と前記周辺部の間に環状の中間部を有し、該中間部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凹となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凹部を形成したことを特徴としている。
本発明において、レンズ後面とは、装用状態でコンタクトレンズが眼球に接する側の面を指し、レンズ前面とはその反対面を指す。
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、模式的に記した図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1は本発明に係るコンタクトレンズの一実施形態を示す概略平面図である。また、図2は、図1に示したコンタクトレンズのA−A断面図である。 かかるコンタクトレンズは、全体として略球殻形状を有しており、眼球における角膜の表面に重ね合わせて使用されるようになっている。
なお、本実施形態のコンタクトレンズは、レンズ中心軸1が光軸とされており、このレンズ中心軸1回りの回転体形状とされていることから、図2においては、半径方向の縦断面だけを示しておく。
より詳細には、本発明に係るコンタクトレンズは、中央部分に平面図において略円形をなす光学部を有する。図1に示したコンタクトレンズにおいては、光学部2は、平面図において、レンズ中心軸1を中心とする円形状となっている。
また、レンズ後面の光学部2は、装着される角膜の表面に対して装用状態下で略相似形となるように、レンズ中心軸1上でレンズ後方(図2中の右方)に曲率中心が設定されて、角膜の曲率半径と略同一の曲率半径をもった円弧形の縦断面形状を有するベースカーブ面とされており、コンタクトレンズの装用状態下でレンズ後面と角膜の表面の間に形成される涙液層の層厚寸法が、全体に渡って略一定とされて、涙液層によるレンズ作用が可及的に回避されるようになっている。
なお、かかる光学部2は、装用者の眼に対する光学的効果が期待される領域であって、後述する中間部3との境界は、一般に、レンズ後面における曲率の変化点としてとらえることが出来るが、かかる境界が径方向に所定幅をもって形成されて、光学部2と中間部3を滑らかに繋ぐ接続部分等として形成される場合等、形状的に必ずしも明確である必要はない。
また、本発明のコンタクトレンズは、光学部の周囲に環状の周辺部を有し、該周辺部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凸となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凸部を有する。図1および図2に示した本発明に係るコンタクトレンズの例では、周辺部4は、平面図において、レンズ中心軸1を中心とする同心円で囲まれた環状となっている。かかる周辺部4のレンズ後面側は、装着される角膜の表面に対して外周側に行くに従って僅かに離隔して、コンタクトレンズの装用状態下でコンタクトレンズと角膜の間の涙液交換が促されるように、レンズ内方に凸となる湾曲凸部が形成されおり、レンズ前方に曲率中心が設定されて、曲率半径をもった円弧形の縦断面形状となっている。
なお、図1および図2に示した本発明に係るコンタクトレンズの例では、周辺部4の外周側に連接したコンタクトレンズの最外周部分に、縦断面形状において面取り状のレンズ後面を備えたエッジ部5が、平面図で円環形状をもって形成されており、縦断面形状において、略半円形状の外周端縁部でレンズ前面に接続されている。
また、本発明のコンタクトレンズは、前記光学部と前記周辺部の間に環状の中間部を有し、該中間部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凹となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凹部を有する。図1および図2に示した本発明に係るコンタクトレンズの例では、光学部2と周辺部4の間には、コンタクトレンズの径方向中間部分に位置して、中間部3が形成されている。この中間部3は、平面図において、レンズ中心軸1を中心とする円環形状となっており、この中間部3の内周側端縁部が光学部2の外周側端縁部に対して直接に連接されていると共に、その外周側端縁部が周辺部4の内周側端縁部に対して直接に連接されており、中間部3によって光学部2と周辺部4が一体的に接続されている。
さらに、中間部3には、レンズ後面側において、レンズ内方に凹となる湾曲凹部が形成されている。この湾曲凹部は、正面視において、レンズ中心軸を中心として同軸上に形成された円環形状とされており、この湾曲凹部のレンズ後面は、レンズ後方に曲率中心が設定され、角膜がその頂点から同芯円状に順次曲率が大ききなる形状であることに合わせて、コンタクトレンズの装用状態下でレンズ後面と角膜の表面の間に形成される涙液層の層厚寸法が、全体に渡って略一定となるように、光学部2のベースカーブを与える曲率半径よりも大きな曲率半径をもった円弧形の縦断面形状となっている。
さらに、中間部3の湾曲凹部の内周側端部は、光学部2の外周側端縁部に対して共通接線をもって接続されていると共に、中間部3の湾曲凹部の外周側端縁部は、周辺部4の湾曲凸部の内周側端縁部に対して共通接線をもって接続されている。これにより、光学部と中間部と周辺部の全体が、径方向縦断面において折れ点状部分等のない滑らかに連続した湾曲面として形成されているのである。
上述の如き形状を有する本実施形態のコンタクトレンズにおいては、角膜上への装用状態下で、周辺部4において、レンズと角膜の間の涙液交換が促されるように角膜表面に対する離隔を持ち、かつ、少なくとも光学部2と中間部3において、角膜がその頂点から同芯円状に順次曲率が大ききなる形状であることに合わせて近接し、レンズ後面と角膜の表面の間に形成される涙液層の層厚寸法が、全体に渡って略一定となる。
それ故、装着状態下で、コンタクトレンズが角膜上の有る一部分のみで接触することが無く、コンタクトレンズが涙液を介して角膜上の広範囲の面積で均等に近接した状態で装着されるため、異物感が大幅に軽減されて装用感が向上される。
また、装着状態下で眼瞼(図示せず)がコンタクトレンズの上下に被さったり、瞬きによってコンタクトレンズの全体に被さった場合には、眼瞼の押圧力がコンタクトレンズの前面側から及ぼされることにより、コンタクトレンズが角膜へ当接した場合であっても、少なくとも光学部2と中間部3に均等に分散され、コンタクトレンズの一部が角膜に当接して局所的に応力が掛かからず、異物感が軽減されることにより、装用感が向上され得るのである。
加えて、角膜の表面に対して僅かに離隔している周辺部4の湾曲凸部によって適量の涙液が効率的に取り込まれると共に、コンタクトレンズは角膜上に涙液を介して近接した状態で装着されているため、レンズ後面の光学部2および中間部3と角膜の表面の間に形成されている涙液は、コンタクトレンズによって遮られることなく移動をすることができ、これらによってレンズと角膜の間の涙液交換が適切に行われて角膜の機能維持をすると共に、装用感や使用性の向上も達成される。
次に、本発明のコンタクトレンズの好ましい第1の形態について説明する。
上記第1の形態は、レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上9.00mm未満、コンタクトレンズ外径が9.0mm以上10.0mm以下であることを特徴としている。
ここで、レンズ後面の光学部曲率とは、レンズ後面の光学部の曲率半径を意味し、コンタクトレンズ外径とは、平面図におけるレンズの最大直径(図1におけるコンタクトレンズ外径6)を指す。また、レンズ後面の光学部曲率は、ISO10338に示される試験方法により測定することができ、コンタクトレンズ外径は、ISO9338に示される試験方法により測定することができる。
レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上9.00mm未満であるコンタクトレンズに適する患者がコンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径を9.0mm以上10.0mm以下にすることにより、装用下において、角膜に対してレンズが可動できる範囲が過剰にならないように制限することができ、コンタクトレンズの角膜上での変位を抑えられて、かかる変位に起因する異物感が軽減されることにより、装用感が向上される。また、コンタクトレンズと上眼瞼および下眼瞼との間隔が狭くなることによって、開眼時において上眼瞼にレンズ上部が接触している機会が増加するため瞬目時に上眼瞼とレンズ上部とが接触する機会が減り、瞬目により上眼瞼とレンズ上部とが接触して刺激を生じることが減り、装用感が向上される。また、レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上9.00mm未満であるコンタクトレンズに適する患者がコンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径を9.0mm未満にすると、装用下において、角膜に対してレンズが可動できうる範囲が大きくなり、コンタクトレンズの角膜上での変位を抑えることができず、かかる変位に起因する異物感が増加する傾向にある。また、コンタクトレンズと上眼瞼および下眼瞼との間隔が広くなりすぎ、瞬目の度に上眼瞼とレンズ上部とが接触して刺激を生じ、装用感が悪化する傾向にある。
また、レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上9.00mm未満であるコンタクトレンズに適する患者らに対して、コンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径6が10.0mmを超えると、装用下において、角膜に対してレンズが可動できうる範囲が小さくなりすぎ、角膜とレンズ間の涙液交換性が悪化して老廃物が蓄積されやすく、また、これによって角膜にレンズが固着しやすくなり、異物感が増大する傾向にある。
また、レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上9.00mm未満であるコンタクトレンズに適する患者がコンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径を9.0mm以上10.0mm以下にすることにより、コンタクトレンズ外径が9.0mm未満である場合よりも、レンズの重心をより角膜や水晶体側に寄せることができ、これによってコンタクトレンズと角膜とを間に涙液を保ちながら、より近接させることができ、コンタクトレンズの角膜上での変位を抑えられて、かかる変位に起因する異物感を軽減させることができる。
さらに、上記第1の形態においては、レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.05mm〜0.15mmであり、径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置における光学部球面からの最大乖離量が0.010mm〜0.025mmであることが好ましい。
レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量とは、図2にレンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量7として示すとおり、レンズ端部における光学部のレンズ中心軸と平行な直線10とレンズのベースカーブの延長線11との交点と、前記直線10と周辺部の湾曲凹部の延長線との交点の2点間の直線距離を指す。
レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量は、表面形状測定器(フォームタリサーフ、ランクテーラーホブソン社製)や接触針で被測定物表面の形状を拡大トレースする方法などにより、測定することが出来る。
レンズ端部における光学部球面からの最大乖離量が0.05mm未満の場合は、角膜とレンズ端部の隙間量が少な過ぎるため、角膜の機能を維持するために十分な量の涙液を供給したり涙液を交換することができないことや、瞬目によりレンズが角膜上を移動した際に、レンズ端部が角膜と接触し易くなり、角膜へキズをつけてしまう可能性がある。また、レンズ端部が角膜と接触した際に、異物感を感じて装用感が悪くなる傾向にある。
また、レンズ端部における光学部球面からの最大乖離量7が0.15mmを超える場合は、角膜とレンズ端部の隙間量が多すぎるため、レンズ周辺に存在する涙液をコンタクトレンズと角膜の間に過剰に取り込んでしまい、レンズ周辺の角膜上の涙液が不足して乾燥状態となり、ステイニングと呼ばれる角膜キズ付き傷害などが生じやすく、更には、角膜とレンズ端部の乖離量が大きいため、瞬目時に眼瞼に接触した際に異物感を感じて装用感が悪くなる傾向にある。
また、径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量とは、の径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量9として図2に示すとおり、レンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mmの間の範囲において、光学部のレンズ中心軸と平行な線12とレンズのベースカーブの延長線との交点と、かかる線とレンズ後面との交点を求めて、この2点間の直線距離により現される。
径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置における光学部球面からの最大乖離量を0.010mm〜0.025mmとすることにより、レンズ装用状態下で、角膜がその頂点から同芯円状に順次曲率が大きくなる形状であることに合わせてレンズが近接するレンズ後面の形状となり、レンズ後面と角膜の表面の間に形成される涙液層の層厚寸法が、全体に渡って略一定となり、コンタクトレンズ装着状態下で、コンタクトレンズが角膜上の有る一部分のみで接触することが無く、コンタクトレンズが涙液を介して角膜上の広範囲の面積で均等に近接した状態で装着されるため、異物感が大幅に軽減されて装用感が向上され得る。
また、装着状態下で眼瞼(図示せず)がコンタクトレンズの上下に被さったり、瞬きによってコンタクトレンズの全体に被さった場合には、眼瞼の押圧力がコンタクトレンズの前面側から及ぼされることによりコンタクトレンズが角膜へ当接した場合であっても、応力が少なくとも光学部と中間部に均等に分散され、コンタクトレンズの一部が角膜に当接して局所的に応力がかかることがなく、異物感が軽減されることにより、特に装用感が向上される。
径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量は、レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量と同様、表面形状測定器(フォームタリサーフ、ランクテーラーホブソン社製)や接触針で被測定物表面の形状を拡大トレースする方法などにより、測定することが出来る。
次に、本発明のコンタクトレンズの好ましい第2の形態について説明する。
上記第2の形態は、レンズ後面の光学部曲率が7.75mm以上9.00mm未満、コンタクトレンズ外径が9.5mm以上10.0mm以下であることを特徴としている。
レンズ後面の光学部曲率が7.75mm以上9.00mm未満であるコンタクトレンズに適する患者がコンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径を9.5mm以上10.0mm以下にすることにより、装用下において、角膜に対してレンズが可動できる範囲が過剰にならないように制限することができ、コンタクトレンズの角膜上での変位を抑えられて、かかる変位に起因する異物感が軽減されることにより、装用感が向上される。また、コンタクトレンズと上眼瞼および下眼瞼との間隔が狭くなることによって、開眼時において上眼瞼にレンズ上部が接触している機会が増加するため瞬目時に上眼瞼とレンズ上部とが接触する機会が減り、瞬目により上眼瞼とレンズ上部とが接触して刺激を生じることが減り、装用感が向上される。
また、レンズ後面の光学部曲率が7.75mm以上9.00mm未満であるコンタクトレンズに適する患者がコンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径を9.5mm未満にすると、装用下において、角膜に対してレンズが可動できうる範囲が大きくなり、コンタクトレンズの角膜上での変位を抑えることができず、かかる変位に起因する異物感が増加する傾向にある。また、コンタクトレンズと上眼瞼および下眼瞼との間隔が広くなりすぎ、瞬目の度に上眼瞼とレンズ上部とが接触して刺激を生じ、装用感が悪化する傾向にある。
また、レンズ後面の光学部曲率が7.75mm以上9.00mm未満であるコンタクトレンズに適する患者らに対して、コンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径6が10.0mmを超えると、装用下において、角膜に対してレンズが可動できうる範囲が小さくなりすぎ、角膜とレンズ間の涙液交換性が悪化して老廃物が蓄積されやすく、また、これによって角膜にレンズが固着しやすくなり、異物感が増大する傾向にある。
また、レンズ後面の光学部曲率が7.75mm以上9.00mm未満であるコンタクトレンズに適する患者がコンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径を9.5mm以上10.0mm以下にすることにより、コンタクトレンズ外径が9.5mm未満である場合よりも、レンズの重心をより角膜や水晶体側に寄せることができ、これによってコンタクトレンズと角膜とを間に涙液を保ちながら、より近接させることができ、コンタクトレンズの角膜上での変位を抑えられて、かかる変位に起因する異物感を軽減させることができる。
さらに、上記第2の形態においては、レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.05mm〜0.15mmであり、径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置における光学部球面からの最大乖離量が0.015mm〜0.025mmであることが好ましい。
上述の第1の形態における場合と同様に、レンズ端部における光学部球面からの最大乖離量が0.05mm未満の場合は、角膜とレンズ端部の隙間量が少な過ぎるため、角膜の機能を維持するために十分な量の涙液を供給したり涙液を交換することができなくなったり、瞬目によりレンズが角膜上を移動した際に、レンズ端部が角膜と接触し易くなり、角膜へキズをつけてしまう可能性がある。また、レンズ端部が角膜と接触した際に、異物感を感じて装用感が悪くなる傾向にある。
また、レンズ端部における光学部球面からの最大乖離量7が0.15mmを超える場合は、角膜とレンズ端部の隙間量が多すぎるため、レンズ周辺に存在する涙液をコンタクトレンズと角膜の間に過剰に取り込んでしまい、レンズ周辺の角膜上の涙液が不足して乾燥状態となり、ステイニングと呼ばれる角膜キズ付き傷害などが生じやすく、更には、角膜とレンズ端部の乖離量が大きいため、瞬目時に眼瞼に接触した際に異物感を感じて装用感が悪くなる傾向にある。
また、径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置における光学部球面からの最大乖離量を0.015mm〜0.025mmとすることにより、レンズ装用状態下で、角膜がその頂点から同芯円状に順次曲率が大きくなる形状であることに合わせてレンズが近接するレンズ後面の形状となり、レンズ後面と角膜の表面の間に形成される涙液層の層厚寸法が、全体に渡って略一定となり、コンタクトレンズ装着状態下で、コンタクトレンズが角膜上の有る一部分のみで接触することが無く、コンタクトレンズが涙液を介して角膜上の広範囲の面積で均等に近接した状態で装着されるため、異物感が大幅に軽減されて装用感が向上され得る。
また、装着状態下で眼瞼(図示せず)がコンタクトレンズの上下に被さったり、瞬きによってコンタクトレンズの全体に被さった場合には、眼瞼の押圧力がコンタクトレンズの前面側から及ぼされることによりコンタクトレンズが角膜へ当接した場合であっても、応力が少なくとも光学部と中間部に均等に分散され、コンタクトレンズの一部が角膜に当接して局所的に応力がかかることがなく、異物感が軽減されることにより、特に装用感が向上される。
次に、本発明のコンタクトレンズの好ましい第3の形態について説明する。
上記第3の形態においては、レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上7.75mm未満、コンタクトレンズ外径が9.0mm以上9.5mm未満であることを特徴とする。
レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上7.75mm未満であるコンタクトレンズに適する患者がコンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径6を9.0mm以上9.5mm以下にすることにより、装用下において、角膜に対してレンズが可動できる範囲が過剰にならないように制限することができ、コンタクトレンズの角膜上での変位を抑えられて、かかる変位に起因する異物感が軽減されることにより、装用感が向上される。また、コンタクトレンズと上眼瞼および下眼瞼との間隔が狭くなることによって、開眼時において上眼瞼にレンズ上部が接触している機会が増加するため瞬目時に上眼瞼とレンズ上部とが接触する機会が減り、瞬目により上眼瞼とレンズ上部とが接触して刺激を生じることが減り、装用感が向上される。
また、レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上7.75mm未満であるコンタクトレンズに適する患者がコンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径を9.0mm未満にすると、装用下において、角膜に対してレンズが可動できうる範囲が大きくなり、コンタクトレンズの角膜上での変位を抑えることができず、かかる変位に起因する異物感が増加する傾向にある。また、コンタクトレンズと上眼瞼および下眼瞼との間隔が広くなりすぎ、瞬目の度に上眼瞼とレンズ上部とが接触して刺激を生じ、装用感が悪化する傾向にある。
また、レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上7.75mm未満コンタクトレンズに適する患者がコンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径6が9.5mmを超えると、装用下において、角膜に対してレンズが可動できうる範囲が小さくなりすぎ、角膜とレンズ間の涙液交換性が悪化して老廃物が蓄積されやすく、また、これによって角膜にレンズが固着しやすくなり、異物感が増加する傾向にある。
また、レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上7.75mm未満であるコンタクトレンズに適する患者がコンタクトレンズを装用する場合、コンタクトレンズ外径を9.0mm以上9.5mm以下にすることによりレンズの重心をより角膜や水晶体側に寄せることができ、これによってコンタクトレンズと角膜とを間に涙液を保ちながら、より近接させることができ、コンタクトレンズの角膜上での変位を抑えられて、かかる変位に起因する異物感を軽減させることができる。
また、レンズ後面の光学部曲率は、前述したように、装着される角膜の表面に対して略相似形となるように定めるが、レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上7.75mm未満である患者らは、レンズ後面の光学部曲率が7.75mm以上9.00mm未満である患者らに比べて角膜の曲率が小さいため、コンタクトレンズ外径が9.5mm以上のコンタクトレンズを装用すると装着や取り外しが困難となり、装用感や使用性が低下する傾向がある。
また、上記第3の形態においては、レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.05〜0.15mmであり、径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.010〜0.020mmであることが好ましい。
上述の第1の形態における場合と同様に、レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.05mm未満の場合は、角膜とレンズ端部の隙間量が少な過ぎるため、角膜の機能を維持するために十分な量の涙液を供給したり涙液を交換することができなくなったり、瞬目によりレンズが角膜上を移動した際に、レンズ端部が角膜と接触し易くなり、角膜へキズをつけてしまう可能性がある。また、レンズ端部が角膜と接触した際に、異物感を感じて装用感が悪くなる傾向にある。
また、角膜へのレンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.15mmを超える場合は、角膜とレンズ端部の隙間が大きすぎるため、レンズ周辺に存在する涙液をコンタクトレンズと角膜の間に過剰に取り込んでしまい、レンズ周辺の角膜上の涙液が不足して乾燥状態となり、ステイニングと呼ばれる角膜キズ付き傷害などが生じやすく、更には、角膜とレンズ端部の乖離量が大きいため、瞬目時に眼瞼に接触した際に異物感を感じて装用感が悪くなる傾向にある。
また、径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量を0.010mm〜0.020mmとすることにより、レンズ装用状態下で、角膜がその頂点から同芯円状に順次曲率が大きくなる形状であることに合わせてレンズが近接するレンズ後面の形状となり、レンズ後面と角膜の表面の間に形成される涙液層の層厚寸法が、全体に渡って略一定となり、コンタクトレンズ装着状態下で、コンタクトレンズが角膜上の有る一部分のみで接触することが無く、コンタクトレンズが涙液を介して角膜上の広範囲の面積で均等に近接した状態で装着されるため、異物感が大幅に軽減されて装用感が向上される。
さらに、装着状態下で眼瞼(図示せず)がコンタクトレンズの上下に被さったり、瞬きによってコンタクトレンズの全体に被さった場合には、眼瞼の押圧力がコンタクトレンズの前面側から及ぼされることにより、コンタクトレンズが角膜へ当接した場合であっても、少なくとも光学部と中間部に均等に分散され、コンタクトレンズの一部が角膜に当接して局所的に応力が掛かからず、異物感が軽減されることにより、装用感が向上され得るのである。
上記に述べた本発明のコンタクトレンズの構成により、装用感が良く、かつ、高い涙液交換性により角膜へ十分な酸素を供給されうるものであるが、本発明のコンタクトレンズにおいては、レンズの重量を軽量化して異物感を軽減して装用感を改善するために、また、角膜細胞の代謝活動を維持するために、コンタクトレンズ自体を透過して得る酸素の供給も不可欠であることから、コンタクトレンズの中心厚みは0.1mm〜0.2mmであることが好ましい。
レンズの中心厚みとは、図2でレンズの中心厚み13として示すように、レンズの光学部の中心部分(光学中心)の厚みを意味し、ISO9339−1示される試験方法などにより測定することができる。
レンズの中心厚みは、球面レンズの場合には、頂点屈折力(レンズの屈折度のことを意味する)の値が小さくなるに従って、レンズの前面と後面との曲率の差が大きくなってくるため、必然的にレンズの周辺部の厚みが大きくなる。したがって、レンズ全体の厚みを薄くするために、中心厚みを薄くしたとしても、周辺部の厚みによってレンズの強度は保持される。一方、頂点屈折力の値が大きくなるに従って、レンズの前面と後面との曲率の差が小さくなるため、レンズ全体の厚みを薄くするために中心厚みを薄くすると、周辺部の厚みも薄くなり、レンズの強度低下を生じる。したがって、中心厚みは、頂点屈折力の値やコンタクトレンズ素材の強度などを考慮して選択的に決定されるべきものであるが、コンタクトレンズの中心厚が0.1mm未満の場合には、使用に耐えうるレンズの強度を得られず、レンズが破損する場合がある。また、コンタクトレンズの中心厚が0.2mmを超える場合には、コンタクトレンズ自体を透過して得る酸素の供給が十分に得られず、角膜の機能を維持することが困難となる場合がある。
本発明のコンタクトレンズにおいては、光学部径は、コンタクトレンズ装用状態下において、レンズを広い範囲で角膜に近似させて安定性を高めることにより装用感を向上させ、かつ、コンタクトレンズの装用によって得られる視力矯正された視野が広く得られるように6.0mm〜8.5mmに設定されることが好ましい。
光学部径とは、図1および図2に光学部径14として示すとおり、レンズ後面の光学部の直径を意味し、ISO9338に示される試験方法などにより測定することができる。
また、本発明のコンタクトレンズにおいては、レンズ前面は、光学部において、装用者に応じて要求される前記の頂点屈折力をコンタクトレンズに付与し得るように、例えば公知の光学計算式に基づいて、或いは光線追跡法等に基づいて決定されており、例えば実質的に全面に渡って曲率半径が一定とされた球面形状や、径方向に段階的に乃至は連続的に曲率半径が異なった非球面形状など、光学部のレンズ後面の形状や、必要に応じて角膜の表面形状を考慮して、曲率や光学部径などが決定されるものである。そのため、光学部のレンズ前面の形状は特に限定されるものではないが、コンタクトレンズの装用によって得られる視力矯正された視野が広く得られるようにする必要がある。特に、球面レンズの場合には、頂点屈折力の値が小さくなるに従って、レンズの前面と後面との曲率の差が大きくなり、必然的にレンズの周辺部の厚みが大きくなるため、周辺部の厚みが大きくなることを抑えてレンズ全体の厚みが薄くなるようすることと、レンズ全体の厚みにより得られるレンズの強度を考慮して、頂点屈折力とコンタクトレンズ素材の強度などに応じて決定する必要がある。
本発明のコンタクトレンズにおいては上述のように、光学部径は6.0mm〜8.5mmの範囲で定めることが好ましい。
光学部径を上記範囲とすることによる効果のうち、後面の寄与する効果については上述したが、前面の寄与する効果として、以下のようなものがある。
光学部径が6.0mm未満の場合には、コンタクトレンズの装用によって得られる視力矯正された視野が広く得られないことがある。
また、光学部径が8.5mmを超える場合には、レンズ前面におけるレンズ径方向の中間部と周辺部の幅が狭くなり、レンズ周辺部の厚みが厚くなることによって、レンズ中心部とレンズ周辺部に厚み差が生じて、装用感が悪くなる傾向にある。また、レンズ前面におけるレンズ径方向の中間部と周辺部の幅が狭くなることによって、レンズ前面の中間部とレンズ前面の光学部との間に急激な曲率変化点が生じ、瞬目時に眼瞼がかかる曲率変化点と接触した際に刺激を感じて装用感が悪くなるの曲率差が大きくなり、装用感が悪くなる傾向にある。
また、図2に示すようにコンタクトレンズの縦断面形状において略半円形状の外周端縁部でレンズ後面とレンズ前面を接続させるため、レンズ前面の中間部から周辺部にかけては全面に渡って曲率半径が一定とされた球面形状や、径方向に段階的にまたは連続的に曲率半径が異なった非球面形状によって形状をつくることが好ましい。この場合、後面のレンズ中央部の球面部分の平面投射径よりも前面のレンズ中央部の球面部分の平面投射径を小さくしても良く、この場合は前面のレンズ中央部の球面部分の平面投射径が光学径となる。
なお、本発明のコンタクトレンズの材質は特に限定されるものではないが、ガス透過性のもの(RGPL)を用いることが好ましく、より好ましくは、コンタクトレンズ材料の酸素透過性が136×10−11mLO・cm/cm・sec・mmHg〜164×10−11mLO・cm/cm・sec・mmHgであることが好ましい。
ここでいう酸素透過係数とは、重合体への酸素の溶解度係数と重合体中の酸素の拡散係数との積で表され、ISO9913−1、ISO9913−2に示される試験方法で測定することが出来るが、具体的には、電極法にて測定条件が印過電圧0.7V、37℃の蒸留水浸漬により測定された値を用いる。
コンタクトレンズ材料の酸素透過係数が136×10−11mLO・cm/cm・sec・mmHg未満の場合には、角膜に生理学的に充分な酸素を供給することが困難となり、角膜での酸素不足が生じ、眼障害に至る可能性がある。また、重合体の酸素透過係数が164×10−11mLO・cm/cm・sec・mmHgよりも高くなると、耐汚染性や耐久性が低下する傾向にある。
また、上記本発明のコンタクトレンズに用いる、ハードコンタクトレンズ、好ましくは酸素透過性に使用されている公知のものの中から適宜選択して用いればよいが、酸素透過係数を高くする観点から、フッ素系モノマーを含有するもの(例えば、東レ株式会社製”ブレスオーハード”(登録商標)に用いられるもの)が好ましい。
上記に述べたコンタクトレンズの具体的な製造方法としては、成形型を用いたモールド成形の他、切削研磨加工など公知の方法によって有利に製造され得る。
以下に本発明について実施例などにより具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の例において、装用感、装用時のレンズの動きおよび涙液交換性は次のようにして測定または評価した。
(1)コンタクトレンズの装用感:以下の例で得られたコンタクトレンズを、10名のモニター(コンタクトレンズの装用経験者)に装用してもらい、異物感や違和感および乾燥感の有無をそれぞれ判定してもらい、異物感や違和感がないとしたモニターの合計数および異物感や違和感があるとしたモニターの合計数、並びに乾燥感がないとしたモニターの合計数および乾燥感があるとしたモニターの合計数をそれぞれ求めた。
(2)コンタクトレンズの装用時のフィティング安定性:以下の例で得られたコンタクトレンズを、10名の被験者(コンタクトレンズの装用経験者)に装用してもらい、装用から30分後、瞬目後の角膜に対するコンタクトレンズの安定位置において、スリットランプを用いて角膜中心とコンタクトレンズ中心の距離を計測した。距離が0.5mm未満の場合は中心安定であり良好、0.5mm以上の場合を中心安定ではなく不良と判定した。
(3)コンタクトレンズの装用時の涙液交換性:以下の例で得られたコンタクトレンズを、10名の被験者(コンタクトレンズの装用経験者)に装用してもらい、装用から1ヶ月後、角膜の損傷やステイニングなど涙液交換不足に起因する合併症の有無を観察した。角膜の損傷およびまたはステイングなど涙液交換不足に起因する合併症が無い場合を良好、ある場合を不良と判定した。
実施例1〜3
(1)1リジントリイソシアネートの中に存在する2個のイソシアネートに2ヒドロキシエチルメタクリレートを、1個のイソシアネートにOH基含有変性ポリジメチルシロキサンを合成させた二重結合変性ポリジメチルシロキサン40g、トリフルオロエチルメタクリレート25gとメチルメタクリレート30gとトリメチロールプロパントリメタクリレート5gを調合し、さらに、トリフルオロエチルメタクリレートとメチルメタクリレートの重量に対して、1wt%の2、2−アゾビスイソブチロニトリルを添加して、ポリプロピレン製試験管(容量20ml)に入れて、窒素置換後に密封した。これを50℃の恒温水槽中に24時間浸漬した後、110℃の熱風循環式加熱装置に移して2時間保持して、重合を完結させた。冷却後に、試験管からフッ素含有メタクリレート・ケイ素含有メタクリレート系共重合体(ガス透過性コンタクトレンズ材料)を取り出した。
(2) 上記(1)で得られたガス透過性コンタクトレンズ材料を切削研磨加工して、図2に示す形状で、下記表1に示す各部寸法および度数を有するコンタクトレンズをそれぞれ製造した。
(3)上記(2)で得られたコンタクトレンズの酸素透過係数の算出並びに装用感(違和感、乾燥感)、装用時のフィティング安定性および涙液交換性の評価を上記した方法で行ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
比較例
(1)1リジントリイソシアネートの中に存在する2個のイソシアネートに2ヒドロキシエチルメタクリレートを、1個のイソシアネートにOH基含有変性ポリジメチルシロキサンを合成させた二重結合変性ポリジメチルシロキサン35g、トリフルオロエチルメタクリレート28gとメチルメタクリレート32gとトリメチロールプロパントリメタクリレート5gを調合し、さらに、トリフルオロエチルメタクリレートとメチルメタクリレートの重量に対して、1wt%の2、2−アゾビスイソブチロニトリルを添加して、ポリプロピレン製試験管(容量20ml)に入れて、窒素置換後に密封した。これを50℃の恒温水槽中に24時間浸漬した後、110℃の熱風循環式加熱装置に移して2時間保持して、重合を完結させた。冷却後に、試験管からフッ素含有メタクリレート・ケイ素含有メタクリレート系共重合体(ガス透過性コンタクトレンズ材料)を取り出した。
(2) 上記(1)で得られたガス透過性コンタクトレンズ材料を切削研磨加工して、図3に示すように、平面図において略円形をなす光学部の周囲に環状の周辺部を有するコンタクトレンズであって、該周辺部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凸となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凸部を有し、前記光学部と前記周辺部の間に環状の中間部を有し、該中間部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凸となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凸部を有し、下記の表1に示す各部寸法および度数を有するコンタクトレンズを製造した。
(3)上記(2)で得られたコンタクトレンズの酸素透過係数の算出並びに装用感(違和感、乾燥感)、装用時のフィティング安定性および涙液交換性の評価を上記した方法で行ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
表1および表2の結果から、実施例1〜3のコンタクトレンズは装用感に優れており、装用したときに異物感・違和感および乾燥感がないことがわかる。また、コンタクトレンズ装用時の視力の安定性に密接に関与するフィティング安定性も、距離が0.5mm未満と良好である。さらに角膜への酸素の供給に密接に関与する涙液交換性に関しても、合併症の発生無く、良好であった。
これに対して、表1および表2の結果から、比較例のコンタクトレンズでは、レンズの異物感・違和感および乾燥感を訴えるモニターが増加して装用感が低下するとともに、フィティング安定性も不良であり、さらに涙液交換不足に起因する合併症も観察され、不良であった。
Figure 2007241233
Figure 2007241233
本発明に係るコンタクトレンズの一実施形態を示す概略平面図である。 図1に示したコンタクトレンズのA−A断面図である。 比較例のコンタクトレンズの形状を示す概略断面図である。
符号の説明
1 レンズ中心軸
2 光学部
3 中間部
4 周辺部
5 エッジ部
6 コンタクトレンズ外径
7 レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量
8 レンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置
9 レンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量
10 レンズ中心軸と平行な線
11 ベースカーブの延長線
12 レンズ中心軸と平行な線
13 レンズ中心厚み
14 光学部径

Claims (10)

  1. 平面図において略円形をなす光学部の周囲に環状の周辺部を有するコンタクトレンズであって、該周辺部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凸となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凸部を有し、前記光学部と前記周辺部の間に環状の中間部を有し、該中間部のレンズ後面における径方向の少なくとも一部に、径方向断面でレンズ内方に凹となる湾曲面をもって周方向に延びる湾曲凹部を有することを特徴とするコンタクトレンズ。
  2. レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上9.00mm未満、コンタクトレンズ外径が9.0mm以上10.0mm以下である請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  3. レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.05〜0.15mmであり、径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.010mm〜0.025mmである請求項2に記載のコンタクトレンズ。
  4. レンズ後面の光学部曲率が7.75mm以上9.00mm未満、コンタクトレンズ外径が9.5mm以上10.0mm以下である請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  5. レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.05〜0.15mmであり、径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.015mm〜0.025mmである請求項4に記載のコンタクトレンズ。
  6. レンズ後面の光学部曲率が6.50mm以上7.75mm未満、コンタクトレンズ外径が9.0mm以上9.5mm未満である請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  7. レンズ端部におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.05〜0.15mmであり、径方向断面でレンズ端部からレンズの中心方向に0.4mm〜0.5mm内側である位置におけるレンズ後面の光学部球面からの最大乖離量が0.010mm〜0.020mmである請求項6に記載のコンタクトレンズ。
  8. レンズの中心厚みが0.1mm〜0.2mmであることを特徴と請求項1〜7のいづれかに記載のコンタクトレンズ。
  9. 光学部径が6.0mm〜8.5mmであることを特徴と請求項1〜8のいずれかに記載のコンタクトレンズ。
  10. コンタクトレンズ材料の酸素透過性が136×10−11mLO・cm/cm・sec・mmHg〜164×10−11mLO・cm/cm・sec・mmHgである、請求項1〜9のいずれかに記載のコンタクトレンズ。
JP2006226147A 2006-02-08 2006-08-23 コンタクトレンズ Active JP4882600B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006226147A JP4882600B2 (ja) 2006-02-08 2006-08-23 コンタクトレンズ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006030555 2006-02-08
JP2006030555 2006-02-08
JP2006226147A JP4882600B2 (ja) 2006-02-08 2006-08-23 コンタクトレンズ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007241233A true JP2007241233A (ja) 2007-09-20
JP4882600B2 JP4882600B2 (ja) 2012-02-22

Family

ID=38586789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006226147A Active JP4882600B2 (ja) 2006-02-08 2006-08-23 コンタクトレンズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4882600B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0545614A (ja) * 1991-08-13 1993-02-26 Seed:Kk 酸素透過性硬質コンタクトレンズ
JPH0829741A (ja) * 1994-07-15 1996-02-02 Hoya Corp ハードコンタクトレンズ材料およびハードコンタクトレンズ
JP2001188101A (ja) * 1999-12-27 2001-07-10 Asahi Kasei Aimii Kk 耐汚れ性ソフトコンタクトレンズ材料
JP2002303831A (ja) * 2001-01-30 2002-10-18 Menicon Co Ltd コンタクトレンズ
WO2003032051A1 (fr) * 2001-10-09 2003-04-17 Kuraray Co., Ltd. Lentille de contact dure permeable a l'oxygene
JP2004517360A (ja) * 2001-01-05 2004-06-10 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 色付けされた高Dk眼科用成形品及び同成形品の製造方法
JP2004177556A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Seed Co Ltd 着色インク組成物及びそれを用いた着色コンタクトレンズ
JP2005313452A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Kuraray Medical Inc ソフトコンタクトレンズの製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0545614A (ja) * 1991-08-13 1993-02-26 Seed:Kk 酸素透過性硬質コンタクトレンズ
JPH0829741A (ja) * 1994-07-15 1996-02-02 Hoya Corp ハードコンタクトレンズ材料およびハードコンタクトレンズ
JP2001188101A (ja) * 1999-12-27 2001-07-10 Asahi Kasei Aimii Kk 耐汚れ性ソフトコンタクトレンズ材料
JP2004517360A (ja) * 2001-01-05 2004-06-10 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 色付けされた高Dk眼科用成形品及び同成形品の製造方法
JP2002303831A (ja) * 2001-01-30 2002-10-18 Menicon Co Ltd コンタクトレンズ
WO2003032051A1 (fr) * 2001-10-09 2003-04-17 Kuraray Co., Ltd. Lentille de contact dure permeable a l'oxygene
JP2004177556A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Seed Co Ltd 着色インク組成物及びそれを用いた着色コンタクトレンズ
JP2005313452A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Kuraray Medical Inc ソフトコンタクトレンズの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4882600B2 (ja) 2012-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8950859B2 (en) Multi-focal optical lenses
US8388130B2 (en) Non-deforming contact lens
EP2294475B1 (en) Soft contact lenses for treating ametropia
US7377637B2 (en) Hybrid contact lens system and method of fitting
JP4618596B2 (ja) 角膜矯正用2焦点コンタクトレンズ
US7537339B2 (en) Hybrid contact lens system and method of fitting
RU2580195C2 (ru) Способ конструирования некруглой мягкой контактной линзы
US7543936B2 (en) Hybrid contact lens system and method of fitting
EP2902839A1 (en) Contact lens having myopia progression suppression capability, and contact lens set having myopia progression suppression capability
US20060268225A1 (en) Contact lens with shaped periphery
RU2567594C2 (ru) Контактная линза с улучшенными характеристиками посадки
TW201411225A (zh) 眼睛孔口增大輔具及方法
CN211293489U (zh) 多焦点角膜接触镜
CN216772131U (zh) 巩膜镜
CN211293490U (zh) 角膜接触镜
JP4882600B2 (ja) コンタクトレンズ
T BARR High ametropia
CN214098004U (zh) 具有象限特异性的角膜塑形镜
CN214098005U (zh) 角膜塑形镜
JP3243627U (ja) コンタクトレンズ
CN116880085A (zh) 一种接触镜
CN115793279A (zh) 角膜塑形镜
JP2010224091A (ja) 老視用コンタクトレンズ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111108

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111121

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4882600

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3