JP2004177361A - 車両用計器の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】美観を損なうことなく、より多くの配設バリエーションに対応することができる車両用計器の駆動装置を提供する。
【解決手段】車両の複数の被測定対象からの車両情報を入力可能とし、各車両情報に応じた計測データを求め、この各計測データを転送ケーブルを介して転送する車両用計器の駆動装置であって、車両情報を入力するための入力部41と、入力部41からの前記車両情報を複数に分岐する分岐部42と、入力部41からの前記車両情報に基づいて表示部47を駆動するための第2の制御部46と、分岐部42によって分岐された前記車両情報を第1,第2のメータ群2,3に出力するための複数の出力部14,15と、を備えてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】車両の複数の被測定対象からの車両情報を入力可能とし、各車両情報に応じた計測データを求め、この各計測データを転送ケーブルを介して転送する車両用計器の駆動装置であって、車両情報を入力するための入力部41と、入力部41からの前記車両情報を複数に分岐する分岐部42と、入力部41からの前記車両情報に基づいて表示部47を駆動するための第2の制御部46と、分岐部42によって分岐された前記車両情報を第1,第2のメータ群2,3に出力するための複数の出力部14,15と、を備えてなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定対象からの車両情報を入力し、各車両情報に応じた計測データを求め、この各計測データをに基づいて表示部を駆動させる車両用計器の駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用計器としては、速度計や回転計(TACHOメータ),水温計,燃圧計がケース体に収納されたコンビネーションメータとは別に、例えば、表示板である文字板上に形成された目盛りや数字等の表示指標を指針によって指示してなる単一のアナログ式表示部をケース内に収納し、車両の単一の車両状態(例えば、走行状態)を監視する補助用計器がある。このような補助用計器は、サーキットレース場等を走行する競技車両等や、スーパーチャージャあるいはターボ付き車両等に搭載されることが多く、このような補助用計器には、エンジンの回転数を監視する回転計やエンジンの過給圧を監視する吸気圧計(ブースト計)、排気ガスの排気温度を監視する排気温度計、エンジンオイルの温度を監視する油温計、エンジンオイルの圧力を監視する油圧計等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記補助用計器は、既存の車両用計器(コンビネーションメータ)とは別に、ダッシュボードやインストルメントパネル等に取り付けられることが一般的である。このような補助用計器の駆動装置としては、車両状態を検出するセンサと、前記センサからの検出信号を所定周期によりサンプリングし、このサンプリングデータを演算処理することによって計測データを求める制御部を備えたコントロールユニットと、前記コントロールユニットから出力される前記計測データに応じた駆動信号によって動作する計器本体とから構成されるものである。
【0004】
競技車両やスーパーチャージャあるいはターボ付き車両等では、回転計,吸気圧計,排気温度計,油温計及び油圧計といった複数の補助用計器を取り付けることによって多くの情報を得られるようにすることが望まれている。この場合、取り付ける補助用計器分だけ前記各コントロールユニットを必要とし、前記補助用計器と前記コントロールユニットとの間の配線及び、各コントロールユニットへの電源ラインの引き回し等が必要となり、取付作業が非常に煩雑になったり、配線を行うための電気コードの本数も増えるため、ダッシュボードやインパネ回りにおける美観を損ねてしまうといった問題点も有している。そこで本願出願人は、前述した問題点に着目し、特許文献1に示される車両用計器の駆動装置を提案している。
【0005】
かかる車両用計器の駆動装置は、車両のエンジン回転数や過給圧(吸気圧),排気温度等の車両状態に応じた複数の状態信号を入力可能とする入力ポートを備え、複数の前記状態信号に応じた各計測データを求める単一のコントロールユニットを設け、このコントロールユニットと前記各補助用計器との間を前記コントロールユニットにより生成されるシリアルデータによって通信してなるもので、前記コントロールユニットから一つのの補助用計器へ、そして前記一つの補助用計器から、次なる補助用計器へと順次数珠繋ぎ上に前記シリアルデータを転送するシリアル転送ケーブルで接続することにより、補助用計器を複数配設する場合がある。したがって取付作業を簡素化し、かつダッシュボードやインパネ回りの美観を損ねることなく、前記各補助用計器を取り付けることが可能となるものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平12−18974号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した補助用計器は、運転者が視認性を考慮して自由な箇所に配設するものであって、例えば、ダッシュボード箇所及び車両のピラー箇所に配設するなど、複数の離れた箇所に配設する場合があり、従来の構造では、各種補助用計器間において、ダッシュボード箇所からピラー箇所までの長い配線が必要となってしまう問題点があった。また、この配線によってダッシュボードやインパネ回りの美観を損ねてしまうという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に着目してなされたものであり、美観を損なうことなく、より多くの配設バリエーションに対応することができる車両用計器の駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用計器の駆動装置は、前記課題を解決するため、請求項1に記載したように、車両情報を入力するための入力部と、前記入力部からの前記車両情報を複数に分岐する分岐部と、前記入力部からの前記車両情報に基づいて表示部を駆動するための制御部と、前記分岐部によって分岐された前記車両情報を他の制御機器に出力するための複数の出力部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2に記載したように、請求項1に記載の車両用計器の駆動装置において、前記出力部は、シリアル転送ケーブルを介して他の制御機器と接続されてなることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3に記載したように、請求項1または請求項2に記載の車両用計器の駆動装置において、前記表示部の各種表示機能を操作するための操作部を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を表示装置に適応したものを添付図面を用いて説明する。なお、図1に示すように、コントロールユニット1と、第1のメータ群(他の制御機器)2と,第2のメータ群(他の制御機器)3と、表示装置4と、を車両内に備えたものについて例に挙げて説明する。
【0013】
コントロールユニット1は、第1の操作部11と、第1の制御部12とを単一のパッケージに備えてなるものであり、車両情報を表示するための各情報を入出力するとともに、第1,第2のメータ群2,3の各メータの表示機能について設定または切り替え操作するためのものである。また、コントロールユニット1は、バッテリー電源からの電圧を表示装置4や第1,第2のメータ群2,3の各メータの駆動電圧として供給することもできる。
【0014】
第1の操作部11は、各機能を設定及び切り換えるための複数の押しボタンスイッチが用いられ、例えば、第1,第2のメータ群2,3の各メータにおける調光設定,警告値設定,ピーク値設定など、各種機能を設定または切り替えるための入力インターフェイスである。また、第1の操作部11による操作は操作信号として第1の制御部12に出力される。
【0015】
第1の制御部12は、所謂マイクロコンピュータからなり、車両の吸気圧,エンジン回転数,水温及び油温等の複数の被測定対象から各種センサを介して各状態信号(車両情報)を入力するA/D変換部と、前記各状態信号を所定の周期によりサンプリングし、各計測データを求めたり、また第1の操作部11からの操作信号に応じて各メータの各種機能の設定及び切り換えを行うなどの処理動作を行うCPUと、このCPUによる前述の処理動作プログラム等が記憶されたROMと、前記CPUにより処理されたデータ等を一時的に記憶するRAMと、前述の処理動作後の情報をシリアルデータに変換するパラレル・シリアル変換部(P/S変換部)と、第1の操作部11の操作による設定値を不揮発的に記憶するバックアップRAMと、前記シリアルデータを所定の周期により送信する送信部とから構成されており、前述のCPU、ROM、RAM、バックアップRAMは、バスにより電気的に接続されている。なお、前記送信部によって送信されるシリアルデータは、電源ラインやデータ転送ラインを有するシリアル転送ケーブル13,14,15によって、表示装置4及び第1,第2のメータ群2,3に出力されるものである。
【0016】
第1のメータ群2は、文字やメモリ等の指標を有する文字板21と、前記指標を回転指示する指針22とからなる複数の交差コイル式メータ23にて構成され、車両におけるダッシュボード上に載置台24を介して固定配設されるものである。第1のメータ群2は、例えば、ターボ計,油圧計,水温計の3つにメータ23が連なるように配設され、それぞれのメータ23がシリアル転送ケーブル25を介して電気的に接続される。また、各メータ23は、図示しない駆動回路(制御機器)によって制御されるものであり、シリアル転送ケーブル14,25を介して配信されるシリアルデータの各メータ23に対応する車両情報に応じて指針22を回転駆動させるものである。
【0017】
第2のメータ群3は、第1のメータ群2と同様に図示しない駆動回路(制御機器)によって制御されるものであり、シリアル転送ケーブル31を介して電気的に接続される複数の交差コイル式メータ32なる制御機器にて構成され、車両における運転席側のAピラーに取り付け台33を介して固定配設されるものである。第2のメータ群3は、例えば、油温計,燃圧計,排気温度計の3つのメータ32が連なるように配設される。
【0018】
図2に示すように、表示装置4は、入力部41と、分岐部42と、出力部43,44と、第2の操作部45と、第2の制御部46と、表示部47と、によって主に構成され、コントロールユニット1によって生成されたシリアルデータ(車両情報)に基づいて、車速,エンジン回転数などの種々の車両情報を表示部47を用いて出力するものである。また、第1,第2のメータ群2,3のそれぞれにシリアルデータを分岐出力するものである。
【0019】
入力部41は、コントロールユニット1にて生成されたシリアルデータを入力するためのシリアル転送ケーブル13のコネクタ差し込み部であり、シリアル転送ケーブル13の各ライン(電源ラインやデータ転送ライン等)が分岐部に電気的に接続されるように構成される。また、シリアル転送ケーブル13は入力部においてコネクタによって着脱可能に設けられる。
【0020】
分岐部42は、シリアル転送ケーブル13の各ラインに対応して各々を分岐するための回路であり、入力部41を介して入力されたものと同様のシリアルデータを2つの出力部43,44と第2の制御部46とに分岐して出力するものである。分岐部42は、表示装置4の電気回路を構成する回路基板における回路配線によって構成される。
【0021】
出力部43,44は、分岐部42から出力されるシリアルデータ(車両情報)を出力するためのシリアル転送ケーブル14,15のコネクタ差し込み部であり、入力部41と同様の構造にて少なくとも2つ設けられる。
【0022】
第2の操作部45は、表示部47における表示形態の各種表示機能を設定または切り替え操作するための複数の押しボタンスイッチが用いられ、例えば、表示部47の照明色を設定したり、車速表示とエンジン回転数表示とを切り替えるなどの操作を行うことができる入力インターフェイスである。また、第2の操作部45による操作は操作信号として第2の制御部46に出力される。
【0023】
第2の制御部46は、所謂マイクロコンピュータからなり、コントロールユニット1からのシリアルデータを分岐部42を介して入力するための入力ポートと、前記シリアルデータに基づいて表示部47への駆動信号を生成したり、第2の操作部45からの操作信号に応じて表示部47の各種機能の設定または切り換えを行うなどの処理動作を行うCPUと、このCPUによる前述の処理動作プログラム等が記憶されたROMと、前記CPUにより処理されたデータ等を一時的に記憶するRAMと、第2の操作部45の操作による設定値を不揮発的に記憶するバックアップRAMと、前記CPUによって生成された駆動信号を表示部47に出力するための出力ポートとから構成されており、前述のCPU、ROM、RAM、バックアップRAMは、バスにより電気的に接続されている。
【0024】
また、表示装置において、前述の入力部41と、分岐部42と、出力部43,44と、第2の操作部45と、第2の制御部46とは、駆動部48として単一のパッケージにて備えられ、第2の操作部45の配設面が運転者にとって操作し易く、かつ運転の妨げにならない箇所に配設されることが望まれる。また、入力部41及び出力部43,44は、接続されるシリアル転送ケーブル13,14,15が第2の操作部45の操作の邪魔にならないように、第2の操作部45の配設面以外のパッケージ面側に設けられることが望まれる。
【0025】
表示部47は、駆動部48を備えるパッケージと別体にして設けられ、第2の制御部46の出力ポートから電気コードを介して電気的に接続される。また、表示部47は、車両のダッシュボードの上部に配設され、第2の制御部46からの駆動信号に基づいて、車両のフロントガラス面またはコンバイナ(反射部材)に表示像を照射する所謂ヘッドアップディスプレイからなり、図示しない光源によって照明された透過型液晶表示素子の透過光を表示像として照射出力するものである。表示部47は、運転者に対して、車速またはエンジン回転数を数値としてデジタル表示することができる。
【0026】
かかる表示装置は、車両情報を入力するための入力部41と、入力部41からの前記車両情報を複数に分岐する分岐部42と、入力部41からの前記車両情報に基づいて表示部47を駆動するための第2の制御部46と、分岐部42によって分岐された前記車両情報を第1,第2のメータ群2,3に出力するための複数の出力部14,15と、を備えてなることによって、第1のメータ群2から第2のメータ群3までの間をケーブル接続する必要が無いため、ダッシュボード上からピラー周辺(各メータ周辺)までの引き回し配線を行う必要が無いため複雑な配線作業が無くなり、また、余剰配線によって美観を損なうことが無い車両用計器の駆動装置を提供できる。また、ダッシュボード上とAピラーのように離れた場所であっても、簡単な配線でありながら、より多くのメータ23,32の配設バリエーションに対応することができる車両用計器の駆動装置となる。
【0027】
また、出力部43,44は、シリアル転送ケーブル14,15を介して第1のメータ群2及び第2のメータ群3と接続されてなることによって、使用者にとって簡単な接続作業によって、各メータを駆動することができるだけでなく、すっきりとした見栄えのよい配線によって複数のメータを駆動することができる車両用計器の駆動装置となる。
【0028】
また、表示装置4は、ヘッドアップディスプレイの表示部47を備えることによって、第1,第2のメータ群2,3の各メータとは別の表示形態にて表示することによって、運転者にとって、いろいろな視点から情報を得ることができるものとなる。また、表示部47によって、様々な情報確認を可能とすることができる。また、表示部47の各種表示機能を操作するための操作部45を備えてなることによって、表示部47において、表示内容を切り替えるなど、多数の表示機能に対応することが可能となる。
【0029】
また、コントロールユニット1からのシリアルデータに対して、分岐が必要な箇所(第1の制御部46近傍箇所)にて第1の制御部46用と、第1,第2のメータ群2,3用との分岐を単一のパッケージ内で行う、所謂ハブ機能を持たせることによって、シリアル転送ケーブルの分岐用回路を専用に設けて複雑な回路構成になることが無いため、美観の優れた車両用計器の駆動装置となる。
【0030】
なお、複数のメータ群についての接続を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、離れた場所にメータを配設する際に好適であり、例えば、ダッシュボード上に燃圧計を配設し、Aピラーに油温計を配設するような場合であっても、各メータ周辺の配線を簡単にすることができるため、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0031】
また、本発明の実施の形態では、既存のコントロールユニット1からのシリアルデータに基づいて表示部47に車両情報を表示させるとともに、他の制御機器へ出力することができるもの、すなわち、各メータ23,32の駆動用の第1の制御部12と、表示部47の駆動用の第2の制御部46とを別体にして設けたものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらを兼用して単一の制御部にて行うものであってもよい。また、表示装置4は、コントロールユニット1からのシリアルデータだけでなく、車両に搭載される各種センサからの信号を直接入力して表示部47を駆動制御することもできる。
【0032】
また、本発明の実施の形態における表示装置4は、2つの出力部43,44を備えるものを例に挙げて説明したが、それ以上の出力部を備えるものであってもよい。また、他の構成においても、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、車両の複数の被測定対象からの車両情報を入力可能とし、各車両情報に応じた計測データを求め、この各計測データを転送ケーブルを介して転送する車両用計器の駆動装置であって、美観を損なうことなく、より多くの配設バリエーションに対応することができる車両用計器の駆動装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の車両用計器の駆動装置における回路構成を示すブロック図。
【図2】同上実施の形態の車両用計器の駆動装置の表示装置における回路構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 コントロールユニット
13 シリアル転送ケーブル
14,15 シリアル転送ケーブル
2 第1のメータ群(他の制御機器)
3 第3のメータ群(他の制御機器)
4 表示装置
41 入力部
42 分岐部
43,44 出力部
45 第2の操作部
46 第2の制御部
47 表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定対象からの車両情報を入力し、各車両情報に応じた計測データを求め、この各計測データをに基づいて表示部を駆動させる車両用計器の駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用計器としては、速度計や回転計(TACHOメータ),水温計,燃圧計がケース体に収納されたコンビネーションメータとは別に、例えば、表示板である文字板上に形成された目盛りや数字等の表示指標を指針によって指示してなる単一のアナログ式表示部をケース内に収納し、車両の単一の車両状態(例えば、走行状態)を監視する補助用計器がある。このような補助用計器は、サーキットレース場等を走行する競技車両等や、スーパーチャージャあるいはターボ付き車両等に搭載されることが多く、このような補助用計器には、エンジンの回転数を監視する回転計やエンジンの過給圧を監視する吸気圧計(ブースト計)、排気ガスの排気温度を監視する排気温度計、エンジンオイルの温度を監視する油温計、エンジンオイルの圧力を監視する油圧計等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記補助用計器は、既存の車両用計器(コンビネーションメータ)とは別に、ダッシュボードやインストルメントパネル等に取り付けられることが一般的である。このような補助用計器の駆動装置としては、車両状態を検出するセンサと、前記センサからの検出信号を所定周期によりサンプリングし、このサンプリングデータを演算処理することによって計測データを求める制御部を備えたコントロールユニットと、前記コントロールユニットから出力される前記計測データに応じた駆動信号によって動作する計器本体とから構成されるものである。
【0004】
競技車両やスーパーチャージャあるいはターボ付き車両等では、回転計,吸気圧計,排気温度計,油温計及び油圧計といった複数の補助用計器を取り付けることによって多くの情報を得られるようにすることが望まれている。この場合、取り付ける補助用計器分だけ前記各コントロールユニットを必要とし、前記補助用計器と前記コントロールユニットとの間の配線及び、各コントロールユニットへの電源ラインの引き回し等が必要となり、取付作業が非常に煩雑になったり、配線を行うための電気コードの本数も増えるため、ダッシュボードやインパネ回りにおける美観を損ねてしまうといった問題点も有している。そこで本願出願人は、前述した問題点に着目し、特許文献1に示される車両用計器の駆動装置を提案している。
【0005】
かかる車両用計器の駆動装置は、車両のエンジン回転数や過給圧(吸気圧),排気温度等の車両状態に応じた複数の状態信号を入力可能とする入力ポートを備え、複数の前記状態信号に応じた各計測データを求める単一のコントロールユニットを設け、このコントロールユニットと前記各補助用計器との間を前記コントロールユニットにより生成されるシリアルデータによって通信してなるもので、前記コントロールユニットから一つのの補助用計器へ、そして前記一つの補助用計器から、次なる補助用計器へと順次数珠繋ぎ上に前記シリアルデータを転送するシリアル転送ケーブルで接続することにより、補助用計器を複数配設する場合がある。したがって取付作業を簡素化し、かつダッシュボードやインパネ回りの美観を損ねることなく、前記各補助用計器を取り付けることが可能となるものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平12−18974号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した補助用計器は、運転者が視認性を考慮して自由な箇所に配設するものであって、例えば、ダッシュボード箇所及び車両のピラー箇所に配設するなど、複数の離れた箇所に配設する場合があり、従来の構造では、各種補助用計器間において、ダッシュボード箇所からピラー箇所までの長い配線が必要となってしまう問題点があった。また、この配線によってダッシュボードやインパネ回りの美観を損ねてしまうという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に着目してなされたものであり、美観を損なうことなく、より多くの配設バリエーションに対応することができる車両用計器の駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用計器の駆動装置は、前記課題を解決するため、請求項1に記載したように、車両情報を入力するための入力部と、前記入力部からの前記車両情報を複数に分岐する分岐部と、前記入力部からの前記車両情報に基づいて表示部を駆動するための制御部と、前記分岐部によって分岐された前記車両情報を他の制御機器に出力するための複数の出力部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2に記載したように、請求項1に記載の車両用計器の駆動装置において、前記出力部は、シリアル転送ケーブルを介して他の制御機器と接続されてなることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3に記載したように、請求項1または請求項2に記載の車両用計器の駆動装置において、前記表示部の各種表示機能を操作するための操作部を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を表示装置に適応したものを添付図面を用いて説明する。なお、図1に示すように、コントロールユニット1と、第1のメータ群(他の制御機器)2と,第2のメータ群(他の制御機器)3と、表示装置4と、を車両内に備えたものについて例に挙げて説明する。
【0013】
コントロールユニット1は、第1の操作部11と、第1の制御部12とを単一のパッケージに備えてなるものであり、車両情報を表示するための各情報を入出力するとともに、第1,第2のメータ群2,3の各メータの表示機能について設定または切り替え操作するためのものである。また、コントロールユニット1は、バッテリー電源からの電圧を表示装置4や第1,第2のメータ群2,3の各メータの駆動電圧として供給することもできる。
【0014】
第1の操作部11は、各機能を設定及び切り換えるための複数の押しボタンスイッチが用いられ、例えば、第1,第2のメータ群2,3の各メータにおける調光設定,警告値設定,ピーク値設定など、各種機能を設定または切り替えるための入力インターフェイスである。また、第1の操作部11による操作は操作信号として第1の制御部12に出力される。
【0015】
第1の制御部12は、所謂マイクロコンピュータからなり、車両の吸気圧,エンジン回転数,水温及び油温等の複数の被測定対象から各種センサを介して各状態信号(車両情報)を入力するA/D変換部と、前記各状態信号を所定の周期によりサンプリングし、各計測データを求めたり、また第1の操作部11からの操作信号に応じて各メータの各種機能の設定及び切り換えを行うなどの処理動作を行うCPUと、このCPUによる前述の処理動作プログラム等が記憶されたROMと、前記CPUにより処理されたデータ等を一時的に記憶するRAMと、前述の処理動作後の情報をシリアルデータに変換するパラレル・シリアル変換部(P/S変換部)と、第1の操作部11の操作による設定値を不揮発的に記憶するバックアップRAMと、前記シリアルデータを所定の周期により送信する送信部とから構成されており、前述のCPU、ROM、RAM、バックアップRAMは、バスにより電気的に接続されている。なお、前記送信部によって送信されるシリアルデータは、電源ラインやデータ転送ラインを有するシリアル転送ケーブル13,14,15によって、表示装置4及び第1,第2のメータ群2,3に出力されるものである。
【0016】
第1のメータ群2は、文字やメモリ等の指標を有する文字板21と、前記指標を回転指示する指針22とからなる複数の交差コイル式メータ23にて構成され、車両におけるダッシュボード上に載置台24を介して固定配設されるものである。第1のメータ群2は、例えば、ターボ計,油圧計,水温計の3つにメータ23が連なるように配設され、それぞれのメータ23がシリアル転送ケーブル25を介して電気的に接続される。また、各メータ23は、図示しない駆動回路(制御機器)によって制御されるものであり、シリアル転送ケーブル14,25を介して配信されるシリアルデータの各メータ23に対応する車両情報に応じて指針22を回転駆動させるものである。
【0017】
第2のメータ群3は、第1のメータ群2と同様に図示しない駆動回路(制御機器)によって制御されるものであり、シリアル転送ケーブル31を介して電気的に接続される複数の交差コイル式メータ32なる制御機器にて構成され、車両における運転席側のAピラーに取り付け台33を介して固定配設されるものである。第2のメータ群3は、例えば、油温計,燃圧計,排気温度計の3つのメータ32が連なるように配設される。
【0018】
図2に示すように、表示装置4は、入力部41と、分岐部42と、出力部43,44と、第2の操作部45と、第2の制御部46と、表示部47と、によって主に構成され、コントロールユニット1によって生成されたシリアルデータ(車両情報)に基づいて、車速,エンジン回転数などの種々の車両情報を表示部47を用いて出力するものである。また、第1,第2のメータ群2,3のそれぞれにシリアルデータを分岐出力するものである。
【0019】
入力部41は、コントロールユニット1にて生成されたシリアルデータを入力するためのシリアル転送ケーブル13のコネクタ差し込み部であり、シリアル転送ケーブル13の各ライン(電源ラインやデータ転送ライン等)が分岐部に電気的に接続されるように構成される。また、シリアル転送ケーブル13は入力部においてコネクタによって着脱可能に設けられる。
【0020】
分岐部42は、シリアル転送ケーブル13の各ラインに対応して各々を分岐するための回路であり、入力部41を介して入力されたものと同様のシリアルデータを2つの出力部43,44と第2の制御部46とに分岐して出力するものである。分岐部42は、表示装置4の電気回路を構成する回路基板における回路配線によって構成される。
【0021】
出力部43,44は、分岐部42から出力されるシリアルデータ(車両情報)を出力するためのシリアル転送ケーブル14,15のコネクタ差し込み部であり、入力部41と同様の構造にて少なくとも2つ設けられる。
【0022】
第2の操作部45は、表示部47における表示形態の各種表示機能を設定または切り替え操作するための複数の押しボタンスイッチが用いられ、例えば、表示部47の照明色を設定したり、車速表示とエンジン回転数表示とを切り替えるなどの操作を行うことができる入力インターフェイスである。また、第2の操作部45による操作は操作信号として第2の制御部46に出力される。
【0023】
第2の制御部46は、所謂マイクロコンピュータからなり、コントロールユニット1からのシリアルデータを分岐部42を介して入力するための入力ポートと、前記シリアルデータに基づいて表示部47への駆動信号を生成したり、第2の操作部45からの操作信号に応じて表示部47の各種機能の設定または切り換えを行うなどの処理動作を行うCPUと、このCPUによる前述の処理動作プログラム等が記憶されたROMと、前記CPUにより処理されたデータ等を一時的に記憶するRAMと、第2の操作部45の操作による設定値を不揮発的に記憶するバックアップRAMと、前記CPUによって生成された駆動信号を表示部47に出力するための出力ポートとから構成されており、前述のCPU、ROM、RAM、バックアップRAMは、バスにより電気的に接続されている。
【0024】
また、表示装置において、前述の入力部41と、分岐部42と、出力部43,44と、第2の操作部45と、第2の制御部46とは、駆動部48として単一のパッケージにて備えられ、第2の操作部45の配設面が運転者にとって操作し易く、かつ運転の妨げにならない箇所に配設されることが望まれる。また、入力部41及び出力部43,44は、接続されるシリアル転送ケーブル13,14,15が第2の操作部45の操作の邪魔にならないように、第2の操作部45の配設面以外のパッケージ面側に設けられることが望まれる。
【0025】
表示部47は、駆動部48を備えるパッケージと別体にして設けられ、第2の制御部46の出力ポートから電気コードを介して電気的に接続される。また、表示部47は、車両のダッシュボードの上部に配設され、第2の制御部46からの駆動信号に基づいて、車両のフロントガラス面またはコンバイナ(反射部材)に表示像を照射する所謂ヘッドアップディスプレイからなり、図示しない光源によって照明された透過型液晶表示素子の透過光を表示像として照射出力するものである。表示部47は、運転者に対して、車速またはエンジン回転数を数値としてデジタル表示することができる。
【0026】
かかる表示装置は、車両情報を入力するための入力部41と、入力部41からの前記車両情報を複数に分岐する分岐部42と、入力部41からの前記車両情報に基づいて表示部47を駆動するための第2の制御部46と、分岐部42によって分岐された前記車両情報を第1,第2のメータ群2,3に出力するための複数の出力部14,15と、を備えてなることによって、第1のメータ群2から第2のメータ群3までの間をケーブル接続する必要が無いため、ダッシュボード上からピラー周辺(各メータ周辺)までの引き回し配線を行う必要が無いため複雑な配線作業が無くなり、また、余剰配線によって美観を損なうことが無い車両用計器の駆動装置を提供できる。また、ダッシュボード上とAピラーのように離れた場所であっても、簡単な配線でありながら、より多くのメータ23,32の配設バリエーションに対応することができる車両用計器の駆動装置となる。
【0027】
また、出力部43,44は、シリアル転送ケーブル14,15を介して第1のメータ群2及び第2のメータ群3と接続されてなることによって、使用者にとって簡単な接続作業によって、各メータを駆動することができるだけでなく、すっきりとした見栄えのよい配線によって複数のメータを駆動することができる車両用計器の駆動装置となる。
【0028】
また、表示装置4は、ヘッドアップディスプレイの表示部47を備えることによって、第1,第2のメータ群2,3の各メータとは別の表示形態にて表示することによって、運転者にとって、いろいろな視点から情報を得ることができるものとなる。また、表示部47によって、様々な情報確認を可能とすることができる。また、表示部47の各種表示機能を操作するための操作部45を備えてなることによって、表示部47において、表示内容を切り替えるなど、多数の表示機能に対応することが可能となる。
【0029】
また、コントロールユニット1からのシリアルデータに対して、分岐が必要な箇所(第1の制御部46近傍箇所)にて第1の制御部46用と、第1,第2のメータ群2,3用との分岐を単一のパッケージ内で行う、所謂ハブ機能を持たせることによって、シリアル転送ケーブルの分岐用回路を専用に設けて複雑な回路構成になることが無いため、美観の優れた車両用計器の駆動装置となる。
【0030】
なお、複数のメータ群についての接続を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、離れた場所にメータを配設する際に好適であり、例えば、ダッシュボード上に燃圧計を配設し、Aピラーに油温計を配設するような場合であっても、各メータ周辺の配線を簡単にすることができるため、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0031】
また、本発明の実施の形態では、既存のコントロールユニット1からのシリアルデータに基づいて表示部47に車両情報を表示させるとともに、他の制御機器へ出力することができるもの、すなわち、各メータ23,32の駆動用の第1の制御部12と、表示部47の駆動用の第2の制御部46とを別体にして設けたものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらを兼用して単一の制御部にて行うものであってもよい。また、表示装置4は、コントロールユニット1からのシリアルデータだけでなく、車両に搭載される各種センサからの信号を直接入力して表示部47を駆動制御することもできる。
【0032】
また、本発明の実施の形態における表示装置4は、2つの出力部43,44を備えるものを例に挙げて説明したが、それ以上の出力部を備えるものであってもよい。また、他の構成においても、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、車両の複数の被測定対象からの車両情報を入力可能とし、各車両情報に応じた計測データを求め、この各計測データを転送ケーブルを介して転送する車両用計器の駆動装置であって、美観を損なうことなく、より多くの配設バリエーションに対応することができる車両用計器の駆動装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の車両用計器の駆動装置における回路構成を示すブロック図。
【図2】同上実施の形態の車両用計器の駆動装置の表示装置における回路構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 コントロールユニット
13 シリアル転送ケーブル
14,15 シリアル転送ケーブル
2 第1のメータ群(他の制御機器)
3 第3のメータ群(他の制御機器)
4 表示装置
41 入力部
42 分岐部
43,44 出力部
45 第2の操作部
46 第2の制御部
47 表示部
Claims (3)
- 車両情報を入力するための入力部と、前記入力部からの前記車両情報を複数に分岐する分岐部と、前記入力部からの前記車両情報に基づいて表示部を駆動するための制御部と、前記分岐部によって分岐された前記車両情報を他の制御機器に出力するための複数の出力部と、を備えてなることを特徴とする車両用計器の駆動装置。
- 前記出力部は、シリアル転送ケーブルを介して他の制御機器と接続されてなることを特徴とする請求項1に記載の車両用計器の駆動装置。
- 前記表示部の各種表示機能を操作するための操作部を備えてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用計器の駆動装置。
Priority Applications (1)
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JP2002346738A JP2004177361A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 車両用計器の駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2004177361A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007093425A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Nippon Seiki Co Ltd | 車両用表示器の制御装置 |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002346738A patent/JP2004177361A/ja active Pending
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