JP2004176979A - 冷凍装置用蒸発器及び冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換面への着霜を遅延させるとともに熱交換器に付着した霜又は氷の剥離を容易化して除霜運転時間を短縮化した冷凍装置用蒸発器を提供すること。
【解決手段】熱交換面に低熱容量の表面部分Aと霜又は氷との結合性又は付着性が低い表面部分Bとを分散配置するとともに、プレートフィンの熱交換面の温度が所定温度に低下したときにプレートフィンに付着している霜又は氷に切れ目を発生させる板状可動部材を設ける。なお、表面部分A及び表面部分Bは、除霜運転の場合に、表面部分Aに接触している霜又は氷が表面部分Bに接触している霜又は氷より早く融解し、表面部分Bに付着している霜又は氷が、表面部分Aに付着している霜又は氷と少なくとも互いに部分的に連なって自重により表面部分Bから剥離する特性を備えるようにする。
【選択図】 図31

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍装置用蒸発器及び冷凍装置に関し、特に熱交換器の表面構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、対空気用熱交換器を蒸発器としている冷凍装置では、対空気用熱交換器と熱交換する空気温度が低い場合や蒸発器の蒸発温度が低い場合に、この熱交換面に霜が発生する。そして、霜が発生するとこの蒸発器の熱交換器能力が低下し冷凍能力が低下する。
例えば、冷凍装置の一種であるヒートポンプ式空気調和機では、暖房運転時に外気温度が低下すると蒸発温度が低下し、対空気用熱交換器が使用されている室外側熱交換器に着霜する。また、着霜すると室外側熱交換器の蒸発能力が低下し暖房能力が低下する。このため付着した霜又は霜が氷結した氷(以下単に霜又は氷という)を取り除くための除霜運転が適宜行われる。しかしながら、除霜運転が行われると、除霜運転方式により異なることがあるが、暖房運転が休止されたり暖房能力が低下したりするため、暖房快感度が低下するという問題があった。
そこで、従来から冷凍装置用蒸発器における着霜を遅らせて冷凍運転(冷凍装置の代表例であるヒートポンプ式空気調和機の場合では特に暖房運転が対象となる)の延長を図ることや除霜運転時間の短縮を図ることが課題となっていた。
【0003】
このような課題に応えるものとして、着霜防止層を空気との熱交換面に設ける方法が考えられる。この着霜防止層を設ける方法は、主として蒸発器の熱交換面の撥水性を大きくして着霜を防止する方法である。
また、このような着霜防止層を設ける方法として、例えば、特許文献1に記載されている塗料、すなわち、分子量500〜20000の末端フッ素化されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を非フッ素系樹脂中に混入させた撥水性塗料を熱交表面に塗布する方法が考えられる。同様に、特許文献2に記載されている塗料、すなわち、分子量500〜20000の末端フッ素化されたPTFE粉末を液状樹脂(例えばフッ素樹脂やシリコーン系樹脂、ポリエステル樹脂)中に配合した着霜防止塗料を蒸発器の熱交表面に塗布する方法などが考えられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−3477号公報
【特許文献2】
特開平8−3479号公報
【特許文献3】
特開昭57−34107号公報
【特許文献4】
特開昭62−7767号公報
【特許文献5】
特開昭62−174213号公報
【特許文献6】
特開平2−265979号公報
【特許文献7】
特開平2−298645号公報
【特許文献8】
特開平4−279612号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の塗料ではPTFE粉末を樹脂中に均一に分散させることは困難であり、表面に撥水性の小さい部分が残ってしまい、着霜防止効果が損なわれることが分かった。また、着霜防止層を熱交換面に形成しても着霜を完全に避けることが困難であるので、熱交換器では除霜が必要となる。ところが上記従来公知の塗料では除霜運転時間を短くすることまで配慮したものではなかった。
このように、従来の着霜防止層を表面に設ける方法は、未だ充分とはいえない状況であった。
【0006】
なお、上記の着霜防止層を表面に設ける着霜防止方法を適用する方法以外に、熱エネルギーを蒸発器の外部から加える除霜方法を適用する方法が考えられる。しかし、この熱エネルギーを加える方法では、熱交換面に霜や氷が残ることは少ないが、熱交換面に接する全ての霜や氷を融解するには多大なエネルギーが必要になるほか温度も高くなり、熱に敏感な装置などには適用できないという問題がある。
また、そのほかに、着霜防止剤を表面に散布する方法も考えられるが、着霜防止剤によっても着霜が発生することがあるという問題がある。
また、冷凍装置用蒸発器に振動や衝撃などの機械的エネルギーを加える除霜方法を適用する方法も考えられるが、この方法を用いても従来の熱交換器の熱交換面は撥水性及び滑落性(熱交換面に付着した水滴の落下度合いを示す性質)が小さいため熱交換面に霜又は氷が残ってしまい、その後の着霜を容易にしてしまうという問題が残る。
このように、着霜防止層を表面に設ける着霜防止方法以外の除霜方法も、着霜した熱交換器の除霜運転時間を短縮することに繋がるものではない。
【0007】
本発明は、上記従来の技術に存在する問題点に着目してなされたもので、熱交換面への着霜を遅延させるとともに熱交換器に付着した霜又は氷の剥離を容易化して除霜運転時間を短縮化した冷凍装置用蒸発器を提供することを目的とし、更に、このような冷凍装置用蒸発器を用いた冷凍装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の冷凍装置用蒸発器は、空気との熱交換面を形成するプレートフィンと、このプレートフィンと熱伝導関係に配設され、内部に熱媒体を流通させる熱交換パイプと、プレートフィンに設けられた板状可動部材とを備え、前記プレートフィンの熱交換面は、低熱容量の表面部分Aと霜又は氷との結合性又は付着性が低い表面部分Bとが分散配置され、かつこれら表面部分Aと表面部分Bとは、下記の特性1と特性2を示し、さらに、前記板状可動部材は、プレートフィンの熱交換面の温度が所定温度を超える範囲では熱交換面に沿う形状を成し、プレートフィンの熱交換面の温度が所定温度に低下したときにはこの板状可動部材の一部がプレートフィンの熱交換面から離れる方向に変形するように形成されてなるものである。ここに、特性1とは、除霜運転の場合に、表面部分Aに接触している界面部分の霜又は氷が表面部分Bに接触している界面部分の霜又は氷より早く融解する特性をいい、特性2とは、除霜運転の場合に、表面部分Bに付着している霜又は氷が、表面部分Aに付着している霜又は氷が融解した場合に、この表面部分の霜又は氷と少なくとも部分的に連結して自重により表面部分Bから剥離する特性をいう。
【0009】
このように構成された冷凍装置用蒸発器によれば、低熱容量の表面部分Aと霜又は氷との結合性又は付着性が低い表面部分Bの2種類の表面部分が分散配置されていることにより、熱交換面が撥水性及び滑落性に優れたものとなる。このため、冷凍装置用蒸発器の表面で凝縮して付着した凝縮水は、球形状となって冷凍装置用蒸発器を通過する風圧で飛散されやすくなり、過冷却状態となり凍りにくくなる。したがって、熱交換面に付着した霜の成長速度が低下し除霜が必要となる着霜量までの冷凍運転(ヒートポンプ式空気調和機の場合は暖房運転)時間が延長される。
一方、除霜運転時においては、表面部分Aと接触する界面部分の霜又は氷を融解することにより、表面部分Aに付着する霜又は氷が剥離する。さらに、この剥離した霜又は氷と表面部分Bに付着する霜又は氷とが少なくとも部分的に結合し、自重により表面部分B上の霜又は氷が剥離される。したがって、この冷凍装置用蒸発器では、従来のように熱交換面に接触する界面部分の霜又は氷を全面的に融解する必要がなくなり、表面部分Aに接触する霜又は氷のみを融解すればよいので除霜運転時間が短縮される。
また、この冷凍運転において、着霜量が増加してくると蒸発器の温度が低下するが、予め設定された所定温度に低下すると、板状可動部材の少なくとも一部がプレートフィンの熱交換面から離れる方向に変形するので、付着している霜又は氷に切れ目が生じ、この切れ目に風圧が作用する。したがって、この霜又は氷の切れ目が熱交換面全体の霜又は氷を剥離するきっかけとなるので、前述の表面部分A及び表面部分Bの剥離作用と相俟って除霜が促進される。
また、前述のような表面部分Aと表面部分Bとが分散配置された熱交換面は易霜氷剥離性が付与される。なお、本明細書において易霜氷剥離性というときは、冷凍装置用蒸発器を除霜する場合に、この冷凍装置用蒸発器の熱交換面に着霜又は氷結した霜又は氷が自重により熱交換面から剥離(離脱)し、霜又は氷が融解又は剥離された後の熱交換面に残存する水滴又は霜の量が少なくなる性質をいう。なお、冷凍運転が再開された後除霜運転が繰り返される場合、除霜後の蒸発器の熱交換面に水滴、霜又は氷が残存していると、次の冷凍運転時に着霜や氷結の核になり、冷凍運転時間が短縮化される。しかし、本発明に係る冷凍装置用蒸発器では除霜後の蒸発器の熱交換面に残存する水滴又は霜の量が少なくなるので,冷凍運転時における着霜や氷結の核が少なくなり、冷凍運転時間の延長及び除霜運転時間の短縮を繰り返し発揮させることができる。このため、除霜に要する熱エネルギーが少なくて済むとともに、除霜運転時間が短縮される。
このように、本発明によれば、冷凍運転効果の低下(例えば、ヒートポンプ式空気調和機に応用した場合における暖房快感度の低下)、及びエネルギー効率の低下を抑制することができる。
【0010】
また、本発明の冷凍装置用蒸発器は、撥水性バインダー樹脂、ポリテトラフルオロエチレン粒子、分散剤、低熱容量の粒子及び溶媒からなる表面処理用組成物で形成された塗膜が空気との熱交換面に施されたプレートフィンと、このプレートフィンと熱伝導関係に配設された、内部に熱交換媒体を流通させる熱交換パイプとを備え、前記板状可動部材は、プレートフィンの熱交換面の温度が所定温度を超える範囲では熱交換面に沿う形状を成し、プレートフィンの熱交換面の温度が所定温度に低下したときにはこの板状可動部材の一部がプレートフィンの熱交換面から離れるように形成されてなるものとしてもよい。
このように構成すれば、低熱容量の表面部分Aと霜又は氷との結合性又は付着性が低い表面部分Bの2種類の表面部分が分散配置され、かつ表面部分A及び表面部分Bが前記特性1及び特性2を満たすような熱交換面に構成され、易霜氷剥離性を熱交換面に付与することが可能となる。したがって、暖房運転等の通常の冷凍運転時間の延長が可能となり、エネルギー効率の低下を抑制することができる。
【0011】
また、前記撥水性バインダー樹脂はフッ素樹脂であり、前記ポリテトラフルオロエチレン粒子は重量平均分子量が500〜200,000、平均粒子径が0.1μm以上であり、分散剤はフルオロアルキル基を有するビニルモノマーから誘導された繰り返し単位を含む重合体であり、低熱容量の無機粒子は、モル熱容量が6Ca/JK−1mol−1〜7Ca/JK−1mol−1であって導電性を有するものであり、溶媒は有機溶媒系であり、更に、これら組成物の配合割合は、撥水性バインダー樹脂100重量部に対してポリテトラフルオロエチレン粒子が100〜200重量部、分散剤が5〜30重量部、低熱容量の無機粒子が25〜200重量部、溶媒が400〜2,000重量部であるものとしてもよい。
このように構成すれば、冷凍装置用蒸発器の熱交換面に前記特性1及び特性2を満たすより好ましい表面部分A及び表面部分Bが分散配置され、かつより好ましい易霜氷剥離性を熱交換面に付与することが可能となる。したがって、暖房運転等の通常の冷凍運転時間がより一層延長され、除霜運転時間がより一層短縮され、エネルギー効率の低下がより一層抑制される。
【0012】
また、前記板状可動部材は、プレートフィンにおける空気流入側端部に取り付けられているものとすることが好ましい。
前記板状可動部材をこのように構成すると、着霜量が一番多くなるプレートフィンの空気流入側端部において、霜又は氷に切れ目をつけて熱交換面上の霜又は氷を剥離させるきっかけを作るので、霜又は氷の剥離がより一層促進される。
【0013】
また、前記板状可動部材を形状記憶合金から形成してもよい。
このように構成すると、板状可動部材を安価に、かつ容易に製作することができる。
【0014】
また、前記板状可動部材をバイメタルで形成してもよい。
この場合も、板状可動部材を安価に、かつ容易に製作することができる。
【0015】
また、本発明に係る冷凍装置は、上記冷凍装置用蒸発器を用いたものである。
このように構成された冷凍装置によれば、冷凍運転時間が延長され、除霜運転時間が短くなるので、冷凍運転効果が十分に発揮され、エネルギー効率が改善さされる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る実施の形態について説明する。まず、本発明に係る冷凍装置用蒸発器の熱交換面の表面構造について説明する。
本発明においては、冷凍装置用蒸発器の熱交換面は、下記特性1及び特性2を満たす表面部分A及び表面部分Bの2種類の表面部分が分散配置され、易霜氷剥離性に優れた表面構造に形成される。
【0017】
ここで、特性1及び特性2とは、前記に定義される特性をいう。これに関連して更に説明する。特性1は、表面部分Aと氷との密着結合関係をまず解くことにより、霜又は氷全体の離脱を容易にするための特性である。従来は、熱交換面に接触している界面部分の霜又は氷を、単に融解することにより熱交換面に付着する霜又は氷を離脱させようとしていたため、熱交換面の大きい部分で融解が生じなければ霜又は氷の離脱現象は生じなかったが、本発明に係る表面構造によれば表面部分Aに接触する界面部分の融解のみで霜又は氷全体の離脱が生ずる状態となる。
【0018】
また、霜又は氷の離脱を更に容易にするためには、表面部分Bが霜又は氷との結合性又は付着性が低い特性、例えば撥水性又は粗い表面などを有していることが好ましい。この場合、表面部分Aとの界面部分で霜又は氷の融解が生ずれば表面部分Bとの界面部分の融解の有無に関係なく特性2が生じ得る。
【0019】
特性2は、表面部分Bに付着する霜又は氷が必ずしも融解しなくても表面部分Bから剥離されることを示す特性である。この場合の特徴は、表面部分Aから先に離脱した霜又は氷の結晶と一体に表面部分Bの霜又は氷の結晶が剥離する点にある。従来通常のものでは、剥離する前に表面部分Bに接触する界面部分の霜又は氷も融解させなければならなかった。
【0020】
上記表面構造を熱交換面に付与すると、霜又は氷が付着している界面部分に対し少ない熱エネルギーを加えるだけで容易に霜又は氷を除去できる。
【0021】
熱交換面は表面部分A及び表面部分B以外の表面部分を有していてもよいが、表面部分A及び表面部分Bの上記特性1及び特性2を損なうものであってはならない。
【0022】
冷凍装置用蒸発器の除霜は、通常ホットガスや電気ヒータなどにより蒸発器自体を直接加熱するが、霜又は氷を外部から加熱してもよい(例えば熱線照射や太陽光)。何れの加熱方法によっても時間の長短はあるが、本発明の表面構造を有する冷凍装置用蒸発器では霜又は氷の剥離が生ずる。
【0023】
表面部分Aと表面部分Bの面積割合や平面形状、配置、表面部分の立体形状などは、上記特性1と特性2を満たす限り限定されないが、次のようなものが好ましい。
【0024】
表面部分Aと表面部分Bとの面積割合は、1/99〜99/1の広い範囲で選択できるが、エネルギー効率面から言えば特性2を発揮させることができる範囲内で表面部分Aの割合を少なくすることが望ましい。
【0025】
表面部分の平面形状と配置は、どのような形状や配置でもよい。具体例としては、表面部分Aと表面部分Bとが縞状に並んだもの、表面部分Aと表面部分Bとが海島状に配置されているもの、表面部分Aが表面部分B中に点状又は水玉状に分散しているもの(又はその逆)、表面部分Aが表面部分B上に格子状に配置されているもの(又はその逆)、表面部分Aが表面部分B上にリング状に配置されているもの(又はその逆)などを掲げ得る。
【0026】
表面部分の立体形状は、特に限定されず、平面状でも突起状でも異形でもよい。また、一方の表面が他方の表面より高いテラス状(角台状又は円台状など)であってもよい。
【0027】
次に本発明に係る表面構造の形成方法について説明する。
形成方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。例えば、(1)塗装による方法、(2)各種成形(モールディング)による方法、(3)各種化学的表面加工による方法、(4)各種物理的表面加工による方法、(5)積層体などの複合体とする方法などが揚げられる。
【0028】
以下塗装による方法について詳述する。
次の表面処理用組成物を熱交換面に塗装し、本発明に係る表面構造を形成する。
使用する表面処理用組成物としては、例えば、
(a)撥水性のバインダー樹脂、
(b)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子、
(c)分散剤、
(d)低熱容量の無機粒子
及び
(e)溶媒
からなる表面処理用組成物が好ましい。
【0029】
この表面処理用組成物で形成された塗膜の表面構造において、表面部分Aは低熱容量の無機粒子(d)が形成し、表面部分Bは撥水性バインダー樹脂(a)とPTFE粒子(b)が形成しているものと推定される。
【0030】
撥水性バインダー樹脂(a)としては、撥水性であって、かつPTFE粒子(b)と低熱容量の無機粒子(d)を均一な分散状態で保持できるものであればよい。また、撥水性の程度としては対水接触角が大きいほうが望ましく、表面部分Bの対水接触角を140度以上とするものが好ましい。ただ、撥水性バインダー樹脂(a)の単独塗膜表面の対水接触角が140度以上である必要はないが、100度以上であるのが、目的とする撥水性を処理された表面に付与しやすい点から好ましい。
【0031】
このような撥水性バインダー樹脂(a)としては、例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などが揚げられるが、PTFE粒子の分散性などが優れる点からフッ素樹脂が好ましい。
【0032】
フッ素樹脂としては、従来公知のフッ素樹脂の中から選択できるが、耐候性、塗料化、溶剤溶解性などに有利なことから、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)を主体とする共重合体が好ましい。
【0033】
これらのフッ素樹脂としては、例えば特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8などに記載の含フッ素共重合体が好ましく揚げられ、特に特許文献8記載の
(1) 下記式Iで表されるフルオロオレフィン構造単位
−CF−CFX− (式I)
(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、水素原子又はトリフルオロメチル基である)
(2) 下記式IIで表されるβ−メチル置換α−オレフィン構造単位
−CH−CR(CH)− (式II)
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基である)
(3) 化学的硬化性反応性基を有する単量体に基づく構造単位
(4) エステル基を側鎖に有する単量体に基づく構造単位
及び
(5) 他の共重合可能な単量体に基づく構造単位
からなり、構造単位(1)が20〜60モル%、構造単位(2)が5〜25モル%、構造単位(3)が1〜45モル%、構造単位(4)が1〜45モル%及び構造単位(5)が0〜45モル%(ただし、構造単位(1)+(2)の合計が40〜90モル%である)含まれてなる数平均分子量1000〜500000の含フッ素共重合体が有用である。
【0034】
具体例としては、CTFE/イソブチレン(IB)/HBVE/プロピオン酸ビニル(VPi)共重合体、CTFE/IB/ヒドロキシエチルアリルエーテル(HEAE)/VAc共重合体、TFE/IB/HBVE/VPi共重合体、CTFE/IB/HBVE/ベオバ9(シェル化学社製。商品名)共重合体、TFE/IB/HBVE/VBz共重合体、CTFE/IB/HBVE/マレイン酸ジエチル(DEM)共重合体、TFE/IB/HBVE/ベオバ9/マレイン酸ジブチル(DBM)共重合体、CTFE/IB/HBVE/フマル酸ジエチル(DEF)共重合体、CTFE/IB/HEVE/フマル酸ジブチル(DBF)共重合体、HFP/IB/HBVE/VBz共重合体、TFE/2−メチル−1−ペンテン(MP)/HBVE/VPi共重合体、TFE/IB/HBVE/VPi/CH=CH(CFCF(p=1〜5)共重合体、TFE/IB/HBVE/VPi/VBz共重合体、CTFE/IB/HBVE/VAc共重合体、TFE/IB/HBVE/t−ブチル安息香酸ビニル(VtBz)共重合体、TFE/IB/HBVE/VPi/DEM共重合体、CTFE/IB/HBVE/VBz/DEF共重合体、CTFE/IB/HBVE/VPi/CH=CH(CFCF(p=1〜5)共重合体、CTFE/MP/HEVE/VPi共重合体、TFE/IB/HBVE/VPi/ビニル酢酸(VAA)共重合体、TFE/IB/HEVE/VAc/VAA共重合体、TFE/IB/HBVE/VPi/VBz/クロトン酸(CA)共重合体、TFE/IB/HBVE/ベオバ9/CA共重合体、TFE/IB/HBVE/ベオバ9/VBz/CA共重合体、TFE/IB/HBVE/ベオバ10/VtBz/CA共重合体、TFE/IB/HBVE/VtBz/CA共重合体、TFE/IB/HBVE/DEMTFE/IB/HBVE/DFM/CA共重合体、/CA共重合体、TFE/MP/HBVE/VPi/VAA共重合体などが揚げられる。
【0035】
以上のフッ素樹脂の市販の商品としては、例えばゼッフル(ダイキン工業(株)製、ルミフロン(旭硝子(株)製)、フルオネート(大日本インキ(株)製)、セフラルコート(セントラル硝子(株)製)などが揚げられる。
【0036】
PTFE粒子(b)としては、重量平均分子量が500以上で500,000以下のものが好ましい。通常PTFEは重量平均分子量が100万〜1000万のものであるが、この範囲のPTFEは剪断力が加わるとフィブリル化するので、本発明で用いるPTFEは上記の範囲の分子量のPTFEを使用することが好ましい。好ましい重量平均分子量は600以上、特に5,000以上であり、また500,000以下、好ましくは200,000以下、更に好ましくは12,000以下である。
【0037】
また、平均粒子径としては、0.05μm以上で10μm以下の範囲のものが好ましい。平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.2μm以上であり、また好ましくは7μm以下、更には5μm以下である。
【0038】
更にPTFEはテトラフルオロエチレン(TFE)の単独重合体であってもよいし、公知の変性剤で変性されている変性PTFEであってもよい。
【0039】
また、PTFE粒子は重合開始剤などに起因して分子末端に不安定基が存在するが、そうした末端基を完全にフッ素化して安定化したPTFE粒子が好ましい。特に好ましいPTFE粒子は、末端基が完全にフッ素化された重量平均分子量500〜20,000で平均粒子径が2〜10μmのものである。
【0040】
PTFE粒子(b)の市販品としては、例えばダイキン工業(株)製のルブロン、セントラル硝子(株)製のセフラルルーブなどが揚げられる。
【0041】
分散剤(c)はPTFE粒子(b)を撥水性バインダー(a)中に均一に分散させる作用を有する。ここで使用する分散剤は、例えば溶媒を使用する場合にPTFE粒子(b)を溶媒に分散させる作用だけでは足らず、塗膜中で撥水性バインダー樹脂に均一にPTFE粒子(b)を分散させる作用をもつことが必要である。したがって、好適な分散剤は、PTFE粒子(b)及び撥水性バインダー樹脂(a)の種類、更には溶媒(e)の種類を考慮して選択する。
【0042】
撥水性バインダー(a)としてフッ素樹脂を選択し、後述する溶媒(e)として有機溶媒を選択する場合、分散剤としては、フルオロアルキル基を有するビニルモノマーから誘導された繰返し単位を含む重合体(C1)が好ましい。
更に好ましくは、フルオロアルキル基を有するビニルモノマーと非フッ素系ビニルモノマーとの共重合体が揚げられる。
【0043】
フルオロアルキル基を有するビニルモノマーは、フルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートであってもよく、更にフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートは、次の一般式で表されるものであってもよい。
Rf−A−OC(=O)CB=CH
(式中、Rfは炭素数1〜21のフルオロアルキル基、Bは水素又はメチル基、Aは2価の有機基である。)
フルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば以下のものが例示できる。
【0044】
【化1】
Figure 2004176979
【0045】
(式中、Rfは炭素数1〜21のフルオロアルキル基、Rは水素又は炭素数1〜10のアルキル基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、Rは水素又はメチル基、Arは置換基を有することもあるアリーレン基、nは1〜10の整数である。)
限定されないフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートの具体例を次に示す。
CF(CH)OCOCH=CH
CFCF(CH)OCOCH=CH
CF(CF(CH)OCOCH=CH
CF(CF(CH)OCOCH=CH
CF(CF(CH)OCOCH=CH
CF(CF(CH)OCOCH=CH
CF(CF(CH)OCOCH=CH
CF(CHOCOCH=CH
CFCF(CHOCOCH=CH
CF(CF(CHOCOCH=CH
CF(CF(CHOCOCH=CH
CF(CF(CHOCOCH=CH
CF(CF(CHOCOCH=CH
CF(CF(CHOCOCH=CH
CF(CHOCOCH=CH
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CF(CF(CHOCOC(CH)=CH
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(CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH
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(CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH
(CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH
(CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH
【0046】
【化2】
Figure 2004176979
【0047】
上記のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートは2種以上を混合して用いることももちろん可能である。
【0048】
非フッ素系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレートエステルが挙げられる。(メタ)アクリレートエステルは、(メタ)アクリル酸と、脂肪族アルコール、例えば、一価アルコール又は多価アルコール(例えば、2価アルコール)とのエステルであってもよい。
【0049】
非フッ素系モノマーとしては、例えば以下のものを例示できる。
【0050】
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートグリシジルメタクリレート、ヒドロキシプロピルモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールモノメタクリレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、グルコシルエチルメタクリレート、メタクリルアミド、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート等の(メタ)アクリレート類;スチレン、p−イソプロピルスチレン等のスチレン類;(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の(メタ)アクリルアミド類;ビニルアルキルエーテル等のビニルエーテル類。
【0051】
更に、エチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、クロロプレン、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルアルキルケトン、無水マレイン酸、N−ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
【0052】
また、非フッ素系モノマーは、ケイ素系モノマー(例えば、(メタ)アクリロイル基含有アルキルシラン、(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシラン、(メタ)アクリロイル基含有ポリシロキサン)であってよい。
【0053】
含フッ素重合体(c(1))は、ラジカル重合法で製造できる。
【0054】
重合体(c(1))の重量平均分子量は比較的小さいものであり、3,000以上、更には5,000以上、特に7,000以上であり、また30,000以下、更には20,000以下、特に15,000以下であるが好ましい。
【0055】
低熱容量の無機粒子(d)としては、多くの金属単体又は非金属単体、更には一部の金属化合物の粒子が該当する。具体例としては、例えば金、銀、アルミニウム、鉄、銅などの金属;炭素、ホウ素などの非金属;その他金属化合物などを掲げることができる。
また、低熱容量の無機粒子(d)は、別の観点からは、導電性であることが望ましい。撥水性バインダーの多くは帯電性であり、塗膜表面に氷結の核となる塵を付着させやすいので、塗膜表面の帯電を防止することにより着氷(雪)を更に防止できる。
なお、耐候性を損なわないためには低熱容量の無機粒子も耐候性や耐食性、耐溶剤性に富むものが望ましい。
低熱容量の無機粒子(d)の熱容量としては、モル熱容量で7Ca/JK−1mol−1以下が好ましい。下限は通常6Ca/JK−1mol−1である。
低熱容量の無機粒子(d)の1次平均粒子径としては、分散性の点から2μm以上、12μm以下が好ましい。
【0056】
かかる低熱容量の無機粒子(d)としては、特に炭素の単体であるカーボンブラック、とりわけ結晶性のカーボンブラックが好ましい。
【0057】
なお、低熱容量の無機粒子(d)を配合するときは、その理由は不明であるが、撥水性の有無にかかわらず、滑落性が更に向上する。また、着霜してしまった場合の除霜を容易にする作用も期待できる。
【0058】
溶媒(e)は、表面処理組成物の各成分の均一な混合を容易にし、塗膜の形成を容易にし、更に各種成分を撥水性バインダー樹脂(a)中に均一分散させる観点から有用である。したがって、溶媒(e)は他の成分(a)、(b)、(c)及び(d)を考慮して選択される。
【0059】
溶媒(e)としては水などの無機溶媒系でもよいが、上記観点から有機溶媒系が好ましい。有機溶媒系としては単一の溶媒でも2種以上の混合溶媒系でもよい。2種以上使用する場合は、極性有機溶媒と非極性有機溶媒を含むことが他の各成分をより一層均一に分散させ得る点から望ましい。
【0060】
極性有機溶媒としては、例えば酢酸ブチル、酢酸エチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテルなどが揚げられる。
【0061】
非極性有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンのほか、石油スピリッツであるターペンなどが揚げられる。
【0062】
特に酢酸ブチルと石油系溶剤(トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ターペンなど)とを混合使用することにより、得られる塗膜の滑水性を調節できる。混合割合は組み合わせる溶剤の種類によって異なり任意であるが、同じ重量か酢酸ブチルが多いほうが滑水性が良好な点から好ましい。
【0063】
本発明の表面処理組成物における好ましい配合割合は、撥水性のバインダー樹脂(a)100重量部に対して(以下、特に断らない限り同じ)、PTFE粒子(b)は100重量部以上で200重量部以下であり、分散剤(c)は5重量部以上で30重量部以下である。低熱容量の無機粒子(d)は25重量部以上で200重量部以下、また溶媒(e)は400重量部以上で2000重量部以下とすることが好ましい。
【0064】
かかる表面処理組成物は、塗膜を形成できる形態であれば種々の形態に調製できるが、塗膜の形成が容易な点から溶媒型塗料に調製するのが好ましく、塗装性や分散性の点から固形分濃度を5〜40重量%、特に15〜30重量%とするのが好ましい。また、本発明の目的を損なわない限り、顔料、他の樹脂類、流動調整剤、色分かれ防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を配合してもよい。
【0065】
溶媒型塗料としての表面処理用組成物の調製は、溶剤(e)に各成分を投入し、充分攪拌して行う。攪拌方法としては特に限定されないが、超音波攪拌法や強制攪拌法などがPTFE粒子(b)や低熱容量の無機粒子(d)などの粒子成分を容易に均一に分散できる点から好ましい。
【0066】
塗装方法としては特に限定されず、例えばディップコート法、バーコート法、ロールコート法、スプレー法などの方法が採用できる。塗布後、室温で乾燥するか、必要に応じて加熱乾燥させて硬化被膜を形成する。
【0067】
塗膜の膜厚は適用部分によって適宜選定すればよいが、通常10μm以上、更には30μm以上、また0.2mm以下、更には0.1mm以下が好ましい。
【0068】
塗布する基材は特に限定されず、着霜が問題となる熱交換器によって決まる。例えばアルミニウム、ステンレススチール、銅、各種合金、セラミックスなどが揚げられる。
【0069】
かくして得られる塗膜(熱交換面を形成する表面構造)は、熱交換面に表面部分Aと表面部分Bを与え、易霜氷剥離性を有するものである。
更にこの塗膜は、熱交換面の滑落角(4μリットル水滴)を10度以下、更に好ましくは5度以下にすることができ、また、塗膜表面の対水接触角を140度以上、更には145度以上、特に150度以上にし、撥水性表面に形成された微小な水滴も容易に滑落し、着霜の核を形成させず、着霜を防止する効果を向上させるものである。
【0070】
(試験例)
次に、上記塗膜により表面構造を形成した試験例について説明する。なお、本発明に係る塗膜形成方法は下記の試験例に用いた形成方法に限定されるものではない。
【0071】
比較試験例1
撥水性バインダー樹脂(a)としてダイキン工業(株)製のゼッフルGK−510、PTFE粒子(b)としてセントラル硝子(株)製のセフラルルーブ(商品名。平均一次粒子径5〜10μmの変性PTFE。重量平均分子量1500〜20000)、分散剤(c)としてダイキン工業(株)製のユニダインTG−656を用い、表1に記載の量を表1に示す有機溶剤(e)に投入し、超音波攪拌法により攪拌混合して表面処理用組成物を調製した。
【0072】
得られた表面処理用組成物をアルミニウム板(JISH4000のA1200系。100mm×100mm)上にスプレー法で塗装し、室温で1日間放置して硬化させた後、塗膜表面を洗浄せずに乾燥して試験用の塗板(塗膜の膜厚20μm)を作製した。
【0073】
この塗板について以下の方法により、対水接触角及び滑落角(4μリットル)を調べた。結果を表1に示す。
【0074】
なお、対水接触角は次のようにして測定した。
JISR3257に準じ、協和界面科学(株)製の接触角計(CA−VP、商品名)により、温度15〜20℃、相対湿度50〜70%で測定した。対水接触角の角度は大きいほうが撥水性が高い。
【0075】
また、滑落角は次のようにして測定した。
塗板を協和界面科学(株)製の接触角計(CA−VP、商品名)に水平に固定し、温度17±1℃で相対湿度60±2%の環境下に水平に載置された試料板上に蒸留水を4μリットル滴下して水滴を形成し、次いで試料板を角度0.1度ずつ傾斜させていき、水滴が転がり始めたときの試料板の角度を測定した。表に示す測定値は初回の滑落角である。滑落角の角度は小さいほうが水滴滑落性(滑水性)がよい。
【0076】
【表1】
Figure 2004176979
【0077】
試験例1
上記の比較試験例1において、成分(a)、(b)、(c)及び(e)の配合割合を表2に示す割合とし、更に低熱容量の無機粒子(d)として表2に示す粒子を同表に示す量加えたほかは試験例1と同様にして表面処理用組成物を調製し塗装して試験用の塗板を作製した。攪拌方法は超音波攪拌法を採用した。
【0078】
この塗板について、対水接触角及び転落角を比較試験例1と同様にして調べた。結果を表2に示す。この結果から、低熱容量の無機粒子(d)を加えることにより滑落性を改善し得ることが分かる。
【0079】
なお、表2中の低熱容量の無機粒子(d)は次のものである。
CB:カーボンブラック(シグマ・アルドリッチ製。一次平均粒子径2〜12μm)
GF:天然黒鉛(一次平均粒子径約3μm)
【0080】
【表2】
Figure 2004176979
【0081】
試験例2
試験例1の実験番号2−2(カーボンブラック粒子)及び実験番号2−8(天然黒鉛粒子)において、得られた塗膜を120℃で10時間加熱硬化させ、試験用の塗板を作製した。
【0082】
この加熱硬化塗板について、対水接触角及び転落角を比較試験例1と同様に調べた。その結果を表3に示す。この試験例2においても比較試験例1のものに比し滑落性を改善し得ることが分かる。
【0083】
【表3】
Figure 2004176979
【0084】
試験例3
撥水性バインダー樹脂(a)としてダイキン工業(株)製のゼッフルGK−510を4.0g、PTFE粒子(b)としてセントラル硝子(株)製のセフラルルーブ(商品名。平均一次粒子径5〜10μmの変性PTFE。重量平均分子量1500〜20000)を4.0g、分散剤(c)としてダイキン工業(株)製のユニダインTG−656を4.0g、低熱容量の無機粒子(d)としてカーボンブラック(シグマ・アルドリッチ製。平均粒子径2〜12μm)を2.0g用い、酢酸ブチル20gとヘプタン20gの混合溶媒に投入し、超音波攪拌により攪拌混合して表面処理用組成物を調製した。
【0085】
得られた表面処理用組成物をアルミニウム板(JIS H4000のA1200系。100mm×100mm)上にスプレー法で塗装し、室温で1日間放置して硬化させた後、塗膜表面を洗浄しないで乾燥して試験用の塗板(塗膜の膜厚20〜30μm)を作製した。
【0086】
この塗板をついて対水接触角及び滑落角(4μリットル)を前述の比較試験例1と同様の方法で測定したところ、対水接触角は152.1度であり、滑落角は4.6度であった。
【0087】
次に、着霜(フロスト)−除霜(デフロスト)試験を次の要領で行った。
まず、風洞内に試料板を鉛直に固定し、試料板の表面温度を−7±2℃に維持する。この風洞内に相対湿度87±3%の湿気を含んだ空気(温度7±0.2℃)を試料板の表面に平行に風速1m/秒で流し、試料板表面に強制的に着霜させる。このフロスト運転は20分間続ける。
フロスト運転後直ちに試料板表面温度を5℃に加熱しデフロスト運転を開始する。空気はフロスト運転時と同じものを同じ条件で流す。デフロスト運転は2分間続ける。
このようなフロスト運転−デフロスト運転を1サイクルとし、これを連続して2サイクル行う。
以上が着霜(フロスト)−除霜(デフロスト)試験の要領である。
【0088】
上記着霜(フロスト)−除霜(デフロスト)試験により次の結果が得られた。
(1) 第1サイクルのフロスト運転開始10分後に着霜が始まった。この着霜開始時の試料板表面の状態をCCDカメラ(ELMO社製のCN401。商品名)で撮影した写真を図1(全体)及び図2(拡大。倍率1.2倍。以下同様)に示す。
また、フロスト運転開始から20分後の、フロスト運転終了時の試料板表面の着霜状態をCCDカメラで撮影した写真を図3(全体)及び図4(拡大)に示す。この写真から分かるように、試料板表面に形成された霜又は氷は綿状(針状結晶の集合体)であった。
【0089】
(2) 第1サイクルのデフロスト運転では、デフロスト運転開始後直後から着霜している霜又は氷が剥離し始めた。この霜又は氷の剥離開始時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図5(全体)及び図6(拡大)に示す。これら写真から分かるように、この試験例3では、氷は塊のままでずれ落ちている。なお、従来の熱交換器では、氷が略解けていた、また、氷が略解ける前に氷の塊がずれ落ちるようなことはなかった。
また、第1サイクルのデフロスト運転開始2分後のデフロスト運転終了時には完全に霜又は氷が試料板表面から剥がれ落ちてしまっていた。このデフロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図7(全体)及び図8(拡大)に示す。これら写真から分かるように、デフロスト運転終了時の試料板表面には肉眼で観察できる水滴は認められなかった。
【0090】
(3) 引き続く第2サイクルでは、フロスト運転開始6分後に着霜が始まった。
そして、第2サイクルのフロスト運転開始20分後の、フロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図9(全体)及び図10(拡大)に示す。これら写真から分かるように、第1回目のフロスト運転の状態と比較し変化がない。
(4)次いで行った第2サイクルのデフロスト運転では、デフロスト運転開始直後から霜又は氷が剥離し始めた。この霜又は氷の剥離開始時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図11(全体)に示す。
また、第2サイクルのデフロスト運転開始から30秒後には、試料板表面に付着した霜又は氷が略完全に剥離した。この霜又は氷が略完全に剥離したときの試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図12(全体)に示す。これら写真から分かるように、第2サイクルのデフロスト運転時においても、霜又は氷が塊のままでずれ落ちている。
また、第2サイクルのデフロスト運転開始から2分後の、デフロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図13(全体)及び図14(拡大)に示す。これら写真から分かるように、第2サイクルのデフロスト運転終了後にも試料板表面には肉眼で観察できる水滴は認められなかった。
【0091】
比較試験例2
試験例3において、低熱容量の無機粒子(d)を配合しなかったほかは同様にして調製した表面処理用組成物を用いて試料板を作製し、同様にして着霜(フロスト)−除霜(デフロスト)試験を行った。その結果は次のようであった。
【0092】
(1) 第1サイクルのフロスト運転開始約5分後に着霜が始まり、第1サイクルのフロスト運転開始から約10分後にはほぼ全面が氷結した。このフロスト運転開始約10分後の、全面フロスト状態の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図15(全体)及び図16(拡大)に示す。
また、第1サイクルのフロスト運転開始20分後の、フロスト運転終了時の試料板表面における着霜状態をCCDカメラで撮影した写真を図17(全体)及び図18(拡大)に示す。
前述の試験例3と比較すると、フロスト運転終了時において着霜量の多いことが分かる。これは試験例3のものでは、試料板表面で結露した水滴が風圧で川下に流されたり、容易に下方に落下したりするため、フロスト運転により氷結する水滴が試料板表面に少ないことを示しているものと解釈できる。
【0093】
(2) 第1サイクルのデフロスト運転では、デフロスト運転開始直後から着霜している霜又は氷が融解し始めた。この霜又は氷の融解開始時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図19(全体)及び図20(拡大)に示す。これら写真から分かるように、氷が剥離しているところでは水玉模様の水滴が付着して霜又は氷が完全に融解した状態となっており、前述の試験例3のように氷の塊がずれ落ちる状況とは異なっている。
また、第1サイクルのデフロスト運転開始2分後のデフロスト運転終了時には完全に霜又は氷が融解した。このデフロスト運転終了時の試料板表面の状態を撮影した写真を図21(全体)及び図22(拡大)に示す。これら写真から分かるように、前述の試験例3とは異なり、デフロスト運転終了後の試料板表面には肉眼で観察できる大小の水滴が多数認められた。
【0094】
(3) 引き続く第2サイクルでは、運転開始6分後に着霜が始まった。
第2サイクルのフロスト運転開始20分後の、フロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図23(全体)及び図24(拡大)に示す。これら写真から大きな水滴が氷結した状態であることが分かる。この点で第1回目のフロスト運転時の状態と比較し大きな変化のあることが分かる。これは、第1回目のデフロスト運転終了後の試料板表面に付着していた大きな水滴が氷結したものと思われる。
(4)次いで行った第2サイクルのデフロスト運転では、デフロスト運転開始直後から霜又は氷が融解し始めた。デフロスト運転開始直後の霜又は氷が融解開始時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図25(全体)に示す。また、デフロスト運転開始1分後には霜又は氷が略完全に融解した。このときの試料板表面の状態を撮影した写真を図26(全体)に示す。これら写真から分かるように、付着した霜又は氷は塊のままでずれ落ちることなく融解している。
また、第2サイクルにおけるデフロスト運転開始2分後の、デフロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真を図27(全体)及び図28(拡大)に示す。これら写真から分かるように、前述の第1回目のデフロスト運転終了時より更に多くの大小の水滴が表面に残存していた。
【0095】
上記のように、本発明に係る表面構造を熱交換面に施すと、熱交換面が撥水性、滑水性及び易霜氷剥離性に優れたものとなる。
【0096】
次に、上記表面構造を冷凍装置用蒸発器に適用した実施の形態について説明する。
【0097】
(実施の形態1)
実施の形態1を図29及び図30に基づき説明する。なお、図29は実施の形態1に係る冷凍装置の冷媒回路図である。図30は同冷凍装置の室外側熱交換器の斜視図である。図31は実施の形態1に係る室外側熱交換器の板状可動部材周りの拡大斜視図である。図32は同板状可動部材周りの断面図であって、プレートフィンの温度が所定温度を超える状態での着霜状態を示す。図33は同板状可動部材周りの断面図であって、プレートフィンの温度が所定温度に低下したときの着霜状態を示す。図34は実施の形態1に係る冷凍装置における室外側熱交換器の、暖房運転時間に対する着霜量の変化の一例を示す。図35は同冷凍装置における室外側熱交換器におけるプレートフィン15の、暖房運転時間に対する空気流入側端部の温度変化の一例を示す。図36は同冷凍装置の暖房運転時間に対する暖房能力の変化の一例を示す。
【0098】
実施の形態1に係る冷凍装置は、図29に示されるように、セパレート型のヒートポンプ式空気調和機であって、圧縮機1の吐出側及び吸入側が四路切換弁2の吐出ポート2a及び吸入ポート2bに接続され、この四路切換弁2の切換ポート2c、2d間に室外側熱交換器3、膨張機構4、室内側熱交換器5が接続されている。また、圧縮機1、四路切換弁2、室外側熱交換器3は室外ユニット11に収納されており、室内側熱交換器5は室内ユニット12に収納されている。そして、四路切換弁2を切り換えることにより、冷房時には図29に示す実線矢印のように冷媒を流して室内側熱交換器5を蒸発器として作用させ、室外側熱交換器3を凝縮器として作用させる。また、暖房時には図29に示す破線矢印のように冷媒を流して室内側熱交換器5を凝縮器として作用させ、室外側熱交換器3を蒸発器として作用させている。なお、暖房時には外気温度が低く、蒸発温度が0℃以下となっているので、冷凍運転を継続していると室外側熱交換器3が着霜する。
【0099】
また、このようなヒートポンプ式空気調和機では、暖房運転が継続されていると、着霜量が増加するとともに(図34参照)、蒸発温度が低下することによりプレートフィン15の空気流入側端部の温度が低下する(図35参照)。そして、所定温度toに達するとこれ以上暖房運転を継続すると暖房能力の低下が顕著になってくることから(図36参照)、除霜運転が行われる。除霜運転は、この実施の形態においては、冷房時のサイクルで冷媒を循環させることにより、室外側熱交換器3にホットガスを流通させて行っている。
【0100】
室外側熱交換器3は、図30に示すように、平板型プレートフィン(フラットフィン)15と、この平板型プレートフィン15と熱伝導的に連結された、具体的には平板型プレートフィン15の熱交換パイプ孔に嵌挿された熱交換パイプ16とを有する熱交換器である。そして、熱交換面、すなわち平板型プレートフィン15の表面には、前述の表面処理物を塗装してなる表面構造が形成されている。また、各プレートフィンの空気流入端部には、図31に示すようにそれぞれ板状可動部材20が取り付けられている。
【0101】
各板状可動部材20は、図31乃至図33に示すように、2枚の平板状の形状記憶合金製の構成部材21、22がプレートフィン15の空気側端部に両面に分散して熱伝導可能に装着されたものである。なお、構成部材21、22の端部とプレートフィン15の端部とは揃えられている。なお、構成部材21、22の端部がプレートフィン15の端部からはみだしていると、持ち運び時に引っ掛ける恐れが生ずるためである。
【0102】
また、構成部材21、22は、プレートフィン15の空気流入側端部の温度が所定温度toを超えるとき、つまり、室外側熱交換器3の着霜量が除霜運転開始に至る前の比較的少ない状態においては、図32に示されるようにプレートフィン15の表面に沿うような形状を成している。したがって、この状態においては、プレートフィン15上の霜又は氷23は構成部材21、22を覆い、かつプレートフィン15の空気流入側端部を回って連続するように形成されている。
【0103】
また、この板状可動部材20は、室外側熱交換器3の着霜量が増加してプレートフィン15の空気流入側端部の温度が所定温度toに低下したときには、図33に示されるように、各構成部材21、22がそれぞれプレートフィン15の空気流入側端部から離れるように反り返って変形するように設定されている。したがって、この状態においては、構成部材21、22を覆っていたプレートフィン15の空気流入側端部上の霜又は氷23が切り崩される。
【0104】
なお、上記所定温度は、上記のように除霜運転開始時のプレートフィン15の空気流入側端部の温度toに合わせるのが好ましい。もし前述の所定温度toより以上に設定すると、実際に除霜が開始されるときに霜又は氷23の切れ目が再び連結されてしまう可能性がある。また、前述の所定温度toより低く設定した場合には、実際に除霜が開始されるときに霜又は氷23に切れ目が生じていない可能性がある。
【0105】
実施の形態1は以上のように構成されているので、低熱容量の表面部分Aと霜又は氷との結合性又は付着性が低い表面部分Bの2種類の表面部分が分散配置されていることにより、室外側熱交換器3の熱交換面が撥水性及び滑落性に優れたものとなる。このため、室外側熱交換器3の表面で凝縮して付着した凝縮水が球形状となって室外側熱交換器3を通過する風圧で飛散されやすくなる。また、熱交換面に付着した凝縮水は過冷却状態となり凍りにくくなる。したがって、室外側熱交換器3の熱交換面に付着した霜の成長速度が低下し除霜が必要となる着霜量までの暖房運転時間が延長される。
また、この冷凍運転において、着霜量が増加してくると室外側熱交換器3の温度が低下するが、予め設定された所定温度に低下すると、板状可動部材20を構成する平板状の構成部材21、22の一部がプレートフィン15の熱交換面から離れる方向に変形するので、付着している霜又は氷23に切れ目が生じ、この切れ目に風圧が作用する。
一方、除霜運転時においては、表面部分Aと接触する界面部分の霜又は氷23を融解することにより、表面部分B上の霜又は氷23が剥離される。このため表面部分B上の霜又は氷23は、表面部分Aから剥離された霜又は氷23と少なくとも部分的に連結して自重により熱交換面から剥離される。したがって、板状可動部材20により形成された霜又は氷23の切れ目が、熱交換面全体の霜又は氷23を剥離するきっかけとなって除霜が促進される。このため、除霜に要する熱エネルギーが少なくて済み、除霜運転時間が短縮される。
【0106】
また、この実施の形態によれば、室外側熱交換器3の熱交換面は易霜氷剥離性を有するので、除霜運転時、熱交換面の霜又は氷23が自重により表面から塊のまま剥離(離脱)し、霜又は氷23が融解又は剥離された後の熱交換面に水滴が残存しなくなる。このため、冷凍運転再開後の着霜量又は氷結量が減少し、冷凍運転時間の延長と除霜運転時間の短縮を継続して発揮させることができる。
【0107】
また、この実施の形態によれば、板状可動部材20は、プレートフィン15における空気流入側端部に取り付けられているので、着霜量が一番多くなるプレートフィンの空気流入側端部において、霜又は氷23に切れ目をつけて熱交換面上の霜又は氷23を剥離させるきっかけを作るので、霜又は氷23の剥離がより一層促進される。
【0108】
また、この実施の形態によれば、板状可動部材20を形状記憶合金製の平板状の構成部材21、22から形成しているので、板状可動部材20を安価に、かつ容易に製作することができる。
【0109】
このように、この実施の形態に係る冷凍装置によれば、冷凍運転時間が延長され、除霜運転時間が短くなるので、冷凍運転効果が十分に発揮され、エネルギー効率が改善さされる。
【0110】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1における板状可動部材を異なる形態のもとしたものであって、他の構成は実施の形態1と同一であるとする。なお、図37は実施の形態2に係る板状可動部材周りの断面図であって、プレートフィンの温度が所定温度を超える状態での着霜状態を示す。図38は同板状可動部材周りの断面図であって、プレートフィンの温度が所定温度に低下したときの着霜状態を示す。
【0111】
実施の形態2に係る板状可動部材30は、図37及び図38に示されるように、実施の形態1の場合と同様に室外側熱交換器3の各プレートフィン15の空気流入側端部に取り付けられている。また、各プレートフィン15の空気流入側端部に取り付けられた各板状可動部材30は、1枚の平面板状の形状記憶合金製の構成部材からなる。また、この板状可動部材30のプレートフィン15の空気流入側端部の温度が所定温度toを超えるときの状態は、図37に示すように、この板状可動部材30の一端部30aがプレートフィン15の端部から突出し、この一端部30aがやや反対面側に丸くなる曲線形状に形成されている。したがって、この状態においては、プレートフィン15上の霜又は氷23は板状可動部材を覆い、かつプレートフィン15の空気流入側端部を回って連続するように形成されている。
【0112】
また、この板状可動部材30は、室外側熱交換器3の着霜量が増加してプレートフィン15の空気流入側端部の温度が所定温度toに低下したときには、図38に示されるように、板状可動部材30の一端部30aがプレートフィン15の空気流入側端部から離れる方向に反り返って変形するように設定されている。したがって、この状態においては、板状可動部材30を覆っていたプレートフィン15の空気流入側端部上の霜又は氷23が切り崩される。
【0113】
実施の形態2は以上のように構成されているので、一枚の平板状の構成部材で構成されていながら、実施の形態1の場合と同様の効果を奏することができる。
【0114】
(実施の形態の変更例)
(1) 実施の形態1及び2において、板状可動部材20、30を構成する素材を形状記憶合金でなくバイメタルで構成してもよい。
【0115】
(2) 実施の形態1では、構成部材21、22はプレートフィン15の端部からはみ出さないように形成されているが、この実施の形態においても実施の形態2の場合と同様にプレートフィン15からはみ出すように形成してもよい。
【0116】
【発明の効果】
本発明の冷凍装置用蒸発器によれば、熱交換面が撥水性及び滑落性に優れたものとなり、熱交換面に付着する水滴が球形状となって冷凍装置用蒸発器を通過する風圧で飛散されやすくなる。また、熱交換面が撥水性に優れたものとなるため、熱交換面に付着した凝縮水は過冷却状態となり凍りにくくなる。この結果、熱交換面に付着した水滴は、冷凍装置用蒸発器を通過する風圧で飛散されやすくなる。したがって、熱交換面に付着する霜の成長速度が低下し除霜が必要となる着霜量までの時間が延長され、冷凍運転時間(暖房運転時間)が延長される。
また、冷凍装置用蒸発器の着霜量が増加すると、板状可動部材の少なくとも一部がプレートフィンの熱交換面から離れる方向に変形するので、プレートフィンの温度が低下し、付着している霜又は氷に切れ目が生じる。また、この冷凍装置用蒸発器では、表面部分Aと接する霜又は氷が融解することにより、表面部分Bに付着する霜又は氷の剥離を生じさせる特性を有するため、前述の板状可動部材の作動により生ずる霜又は氷のこの切れ目がきっかけとなって、熱交換面に付着する霜又は氷の剥離が促進され、除霜運転時間の短縮が図られる。
また、本発明の冷凍装置用蒸発器では、除霜運転時、熱交換面の霜又は氷が自重により表面から塊のまま剥離(離脱)し、霜又は氷が融解又は剥離された後の熱交換面に水滴、霜又は氷が残存しなくなるため、冷凍運転再開後の霜又は氷の付着量が減少し、冷凍運転時間の延長と除霜運転時間の短縮を繰り返し発揮させることができる。このため、除霜に要する熱エネルギーが少なくて済むとともに、除霜運転時間が短縮される。
このように、本発明によれば、冷凍運転効果の低下(例えば、ヒートポンプ式空気調和機に応用した場合における暖房快感度の低下)、及びエネルギー効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例3における第1サイクルのフロスト運転開始10分後の、着霜開始時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した写真である。
【図2】図1の部分拡大写真である。
【図3】試験例3における第1サイクルのフロスト運転開始20分後の、フロスト運転終了時の試料板表面の着霜状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図4】図3の部分拡大写真である。
【図5】試験例3における第1サイクルのデフロスト運転開始直後の、霜又は氷の剥離開始時の試料板表面の剥離状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図6】図5の部分拡大写真である。
【図7】試験例3における第1サイクルのデフロスト運転開始2分後の、デフロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図8】図7の部分拡大写真である。
【図9】試験例3における第2サイクルのフロスト運転開始20分後の、フロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図10】図9の部分拡大写真である。
【図11】試験例3における第2サイクルのデフロスト運転開始直後の、霜又は氷の剥離開始時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図12】試験例3における第2サイクルのデフロスト運転開始30秒後の、剥離略完了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図13】試験例3における第2サイクルのデフロスト運転開始2分後の、デフロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図14】図13の部分拡大写真である。
【図15】比較試験例2における第1サイクルのフロスト運転開始約10分後の、全面フロスト状態の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図16】図15の部分拡大写真である。
【図17】比較試験例2における第1サイクルのフロスト運転開始20分後の、フロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図18】図17の部分拡大写真である。
【図19】比較試験例2におけるで第1サイクルのデフロスト運転開始直後の、霜又は氷の融解開始時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図20】図19の部分拡大写真である。
【図21】比較試験例2の第1サイクルにおけるデフロスト運転開始2分後の、デフロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図22】図21の部分拡大写真である。
【図23】比較試験例2の第2サイクルにおけるフロスト運転開始20分後の、フロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図24】図23の部分拡大写真である。
【図25】比較試験例2の第2サイクルにおけるデフロスト運転開始直後の、霜又は氷の融解開始時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図26】比較試験例2の第2サイクルにおけるデフロスト運転開始1分後の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真である。
【図27】比較試験例2の第2サイクルにおけるデフロスト運転開始2分後の、デフロスト運転終了時の試料板表面の状態をCCDカメラで撮影した全体写真
【図28】図27の部分拡大写真である。
【図29】実施の形態1に係る冷凍装置の冷媒回路図である。
【図30】同冷凍装置における室外側熱交換器の斜視図である。
【図31】実施の形態1に係る室外側熱交換器の板状可動部材周りの拡大斜視図である。
【図32】同板状可動部材周りの断面図であって、プレートフィンの温度が所定温度を超える状態での着霜状態を示す。
【図33】同板状可動部材周りの断面図であって、プレートフィンの温度が所定温度に低下したときの着霜状態を示す。
【図34】実施の形態1に係る冷凍装置における室外側熱交換器の、暖房運転時間に対する着霜量の変化の一例を示す。
【図35】同冷凍装置における室外側熱交換器におけるプレートフィン15の、暖房運転時間に対する空気流入側端部の温度変化の一例を示す。
【図36】同冷凍装置の暖房運転時間に対する暖房能力の変化の一例を示す。
【図37】実施の形態2に係る板状可動部材周りの断面図であって、プレートフィンの温度が所定温度を超える状態での着霜状態を示す。
【図38】同板状可動部材周りの断面図であって、プレートフィンの温度が所定温度に低下したときの着霜状態を示す。
【符号の説明】
3 室外側熱交換器(冷凍装置用蒸発器)
15 プレートフィン
16 熱交換パイプ
20 板状可動部材
21 (平板状の)構成部材
23 霜又は氷
30 板状可動部材

Claims (7)

  1. 空気との熱交換面を形成するプレートフィンと、このプレートフィンと熱伝導関係に配設され、内部に熱媒体を流通させる熱交換パイプと、プレートフィンに設けられた板状可動部材とを備え、
    前記プレートフィンの熱交換面は、低熱容量の表面部分Aと霜又は氷との結合性又は付着性が低い表面部分Bとが分散配置され、かつこれら表面部分Aと表面部分Bとは、下記の特性1と特性2
    特性1;除霜運転の場合に、表面部分Aに接触している界面部分の霜又は氷が表面部分Bに接触している界面部分の霜又は氷より早く融解する特性
    特性2;除霜運転の場合に、表面部分Bに付着している霜又は氷が、表面部分Aに付着している霜又は氷が融解した場合に、この表面部分の霜又は氷と少なくとも部分的に連結して自重により表面部分Bから剥離する特性
    を示し、
    さらに、前記板状可動部材は、プレートフィンの熱交換面の温度が所定温度を超える範囲では熱交換面に沿う形状を成し、プレートフィンの熱交換面の温度が所定温度に低下したときにはこの板状可動部材の一部がプレートフィンの熱交換面から離れる方向に変形するように形成されてなる
    冷凍装置用蒸発器。
  2. 撥水性バインダー樹脂、ポリテトラフルオロエチレン粒子、分散剤、低熱容量の粒子及び溶媒からなる表面処理用組成物で形成された塗膜が空気との熱交換面に施されたプレートフィンと、このプレートフィンと熱伝導関係に配設された、内部に熱交換媒体を流通させる熱交換パイプとを備え、
    前記板状可動部材は、プレートフィンの熱交換面の温度が所定温度を超える範囲では熱交換面に沿う形状を成し、プレートフィンの熱交換面の温度が所定温度に低下したときにはこの板状可動部材の一部がプレートフィンの熱交換面から離れるように形成されてなる冷凍装置用蒸発器。
  3. 前記撥水性バインダー樹脂はフッ素樹脂であり、前記ポリテトラフルオロエチレン粒子は重量平均分子量が500〜200,000、平均粒子径が0.1μm以上であり、分散剤はフルオロアルキル基を有するビニルモノマーから誘導された繰り返し単位を含む重合体であり、低熱容量の粒子は、モル熱容量が6Ca/JK−1mol−1〜7Ca/JK−1mol−1であって導電性を有するものであり、溶媒は有機溶媒系であり、更に、これら組成物の配合割合は、撥水性バインダー樹脂100重量部に対してポリテトラフルオロエチレン粒子が100〜200重量部、分散剤が5〜30重量部、低熱容量の粒子が25〜200重量部、溶媒が400〜2,000重量部である請求項2記載の冷凍装置用蒸発器。
  4. 前記板状可動部材は、プレートフィンにおける空気流入側端部に取り付けられている請求項1〜3の何れか1項記載の冷凍装置用蒸発器。
  5. 前記板状可動部材は、形状記憶合金からなる請求項1〜4の何れか1項記載の冷凍装置用蒸発器。
  6. 前記板状可動部材は、バイメタルからなる請求項1〜4の何れか1項記載の冷凍装置用蒸発器。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載された冷凍装置用蒸発器が蒸発器として使用されている冷凍装置。
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