JP2004176902A - バルブ用アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】励磁作動型電磁ブレーキの回転軸に取り付けられるフライホイールの外周にインボリュート歯を形成することにより回転時に空気抵抗を加えて出力軸の回転速度を減衰させることができるバルブ用アクチュエータを提供すること。
【解決手段】モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、非常時に該ゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成し、且つ、通電時に該ゼンマイバネの巻き戻しを阻止し、非通電時にゼンマイバネの巻き戻しの阻止作用を解除する励磁作動型電磁ブレーキを設けたバルブ用アクチュエータにおいて、前記励磁作動型電磁ブレーキの回転軸に、外周にインボリュート歯を複数形成したフライホイールを取り付けたことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、非常時に該ゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成し、且つ、通電時に該ゼンマイバネの巻き戻しを阻止し、非通電時にゼンマイバネの巻き戻しの阻止作用を解除する励磁作動型電磁ブレーキを設けたバルブ用アクチュエータにおいて、前記励磁作動型電磁ブレーキの回転軸に、外周にインボリュート歯を複数形成したフライホイールを取り付けたことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、非常時に該ゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成したバルブ用アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、停電等の通電障害時にゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成し、通電時に該ゼンマイバネの巻き戻しを阻止し、非通電時にゼンマイバネの巻き戻しの阻止作用を解除する励磁作動型電磁ブレーキを設けたバルブ用アクチュエータはあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来型のバルブ用アクチュエータにあっては、バルブの開放時にゼンマイバネを巻き込んだ後、ゼンマイバネを巻き戻しを阻止する手段として、該ゼンマイバネの回転軸に連結されている励磁作動型電磁ブレーキに通電し、該ブレーキをロックさせる機構を採用し、停電等の通電障害が発生すると、自動的に励磁作動型電磁ブレーキへの通電が絶たれ、該ブレーキによるゼンマイバネの巻き戻し阻止作用が解除されてバルブは自動的に閉鎖するものであった。
【0004】
然しながら、ゼンマイバネの巻き戻し阻止作用が解除されてバルブは自動的に閉鎖するときに、ゼンマイバネは略定加速度運動をするため、バルブが全閉位置付近で出力軸の回転速度が高速となりがちであり、バルブが全閉位置になったときに出力軸の回転を停止させるストッパーに衝突する際の衝撃は極めて大きくアクチュエータに内蔵されるギヤ群やそれぞれのギヤを枢支するボールベアリングが損傷する問題点があった。
【0005】
そこでこの問題点を解消するため、電磁ブレーキの回転軸にフライホイールを取り付け、フライホイールのフライホイール効果によってゼンマイバネの力を減じることなく出力軸の90°作動間の加速度を小さくするようにしている。
【0006】
然しながら、フライホイールのフライホイール効果を高めるためにはフライホイールの径方向のサイズを大きくするか、フライホイールの厚みを大きくして重量増加を図る必要があるが、前者の場合、充分なフライホイール効果を得るためにはフライホイールの径を極めて大きなものとする必要があり、アクチュエータのケーシングを大きくしなければならないという問題点があり、また、後者の場合、フライホイールの自重の影響でゼンマイバネの加速力を減じたり、アクチュエータの重量が重くなるという問題点があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記問題点を解決するために、励磁作動型電磁ブレーキの回転軸に取り付けられるフライホイールの外周にインボリュート歯を形成することにより回転時に空気抵抗を加えて出力軸の回転速度を減衰させることができるバルブ用アクチュエータを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るバルブ用アクチュエータは、モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、非常時に該ゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成し、且つ、通電時に該ゼンマイバネの巻き戻しを阻止し、非通電時にゼンマイバネの巻き戻しの阻止作用を解除する励磁作動型電磁ブレーキを設けたバルブ用アクチュエータにおいて、前記励磁作動型電磁ブレーキの回転軸に、外周にインボリュート歯を複数形成したフライホイールを取り付けたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の作用】
ゼンマイバネの巻き戻しのとき励磁作動型電磁ブレーキの回転軸が回転し始め、徐々に回転速度が上昇するが、或る回転速度以上になるとフライホイール外周のインボリュート歯が空気抵抗を受けて回転速度が減衰する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面について具体的に説明する。
図1は、本発明アクチュエータをバルブに取り付けた状態を表わす側面図、図2は、アクチュエータの内部構造を表わす断面図、図3は、同要部の拡大断面図、図4は、出力軸の回転角度と角速度の関係を表わすグラフ、図5は、同アクチュエータの他の実施例を表わす概略説明図である。
【0011】
1は、本発明のバルブ用アクチュエータであって、駆動部を収納し、保護するケーシング11に適宜支持され、ケーシング11の下端から突出する出力軸2がバルブVのステムにカップリングを介して一直線上に接続されている。
【0012】
3は、上記出力軸2をバルブVが開閉する方向に回転させる可逆回転モータである。
【0013】
4は、前記モータ3のロータと直結のギヤに噛合するギヤで、上記出力軸2に出力軸2の回転とは無関係に枢支され、ギヤ4と一体の小径のギヤ41に後述するインターナルギヤの外歯が噛合している。
【0014】
5は、前記ギヤ41に噛合する外歯51…51と内歯52…52を有するインターナルギヤで、後述するゼンマイバネを巻くための回転軸6に枢支されている。
【0015】
7は、前記回転軸6に固定された第1制御ギヤで、後述する第2制御ギヤとで出力軸2の回転と回転軸6の回転を制御する。
【0016】
8…8は、前記インターナルギヤの内歯52…52と前記第1制御ギヤ7の外歯71…71に共通して噛合する遊星ギヤで、回転軸6の下方に枢支された第2制御ギヤ9のフランジ部にそれぞれピン81にて枢支されており、第2制御ギヤ9は前記出力軸2に固定されたギヤ91に噛合している。
【0017】
10は、内端が前記回転軸6に固定され、外端がケーシング11の一部に固定されるゼンマイバネで、回転軸6の回転により巻かれるようになっている。
【0018】
20は、前記回転軸6の回転を制御する励磁作動型電磁ブレーキで、回転軸6に固定のギヤを含む減速ギヤ群によって連結されている。
【0019】
30は、前記励磁作動型電磁ブレーキ20の回転軸201に取り付けられたフライホイールで、その外周にはインボリュート歯301が複数形成されている。
【0020】
図2において、2aは前記出力軸2に固定されたカムで、ケーシング11の一部に固定されたストッパー2bによって出力軸2の回転が規制されるようになっている。
【0021】
図中、LS1、LS2は、出力軸2に固定のカム(図示せず)によってトリガーが蹴られて接点がON、OFFするマイクロスイッチで、バルブVの開閉状態を検知してモータ3への通電制御を行う。
【0022】
また、LSRは、回転軸6に固定のカム(図示せず)によってトリガーが蹴られて接点がON、OFFするマイクロスイッチで、ゼンマイバネ10が巻かれているか否かを検知する作用をする。
【0023】
次に、本発明の上記構成に従い、図示する実施例について本発明アクチュエータの作用並びに効果について具体的に説明する。
【0024】
ゼンマイバネ10が巻かれている状態で、且つ、バルブVが閉鎖している非通電状態において、モータ3にバルブVが開放する方向に通電すると、リレーR1が励磁して接点R1−1がONとなってモータ3の回転を阻止している無励磁作動型電磁ブレーキの回転阻止作用が解除され、モータ3のロータの回転によりギヤ4が回転し、該ギヤ4に外歯51…51が噛合するインターナルギヤ5が回転軸6と無関係に回転する。
【0025】
このとき回転軸6は励磁作動型電磁ブレーキ10によって固定状態であるので、同回転軸6に固定された第1制御ギヤ7に噛合する遊星ギヤ8…8は自転できない状態になっているので、遊星ギヤ8…8は第1制御ギヤ7の周りを公転することになる。
【0026】
遊星ギヤ8…8の公転によって第2制御ギヤ9が回転してこの第2制御ギヤ9に噛合する前記出力軸2に固定される大径のギヤ91が回転し、出力軸2が回転してバルブは開放方向に回転する。
【0027】
バルブVが全開放したとき、マイクロスイッチLS1がこの状態を検知してモータ3への通電を遮断し、モータ3は回転を停止してバルブVは全開放状態を保持する。
【0028】
上述のようにゼンマイバネ10の蓄圧状態つまり回転軸6の固定状態にあっては、モータ3の回転力は全て遊星ギヤ8…8を介して第2制御ギヤ9に伝達されることになるので、バルブの開放状態においてスイッチを切り換えてモータ3を逆回転させると、全てのギヤが前述の回転方向とは逆方向に回転してバルブVは閉鎖し、バルブVが全閉鎖したとき、マイクロスイッチLS2がこの状態を検知してモータ3への通電を遮断し、モータ3は回転を停止してバルブVは全閉鎖状態を保持する。
【0029】
爾後、モータ3の正、逆回転によりバルブVはゼンマイバネ10の蓄圧状態の儘開閉動作するものである。
【0030】
バルブVの開放状態において、地震等の災害が発生してメイン電源が停電したときは全て非通電状態であるので、ゼンマイバネ10を制御する励磁型電磁ブレーキ20は回転軸6のロックを解除する。
【0031】
上記回転軸6のロック解除により、ゼンマイバネ10は巻き戻され回転軸6はその復元力によって回転し始めるが、非通電時には無励磁作動型電磁ブレーキ31がモータ3の回転を阻止しているので、上記インターナルギヤ5は回転が阻止されて固定状態にあるため、第1制御ギヤ7の回転により遊星ギヤ8…8はインターナルギヤ5の内歯52…52に噛み合いながら遊星回転し、第2制御ギヤ9が回転してバルブVは閉鎖する。
【0032】
ゼンマイバネ10の巻き戻しによって回転軸6が回転し始めるときには、図4のグラフのように出力軸2の角速度はフライホイール30がない状態J0の角速度よりもフライホイール効果によってJ1のように小さくなるが、フライホイール30の外周にインボリュート歯301が形成されているので、このインボリュート歯301が空気抵抗を受け、回転数が増える程空気抵抗が加速度的に増加して出力軸2の回転速度が減衰し、バルブVが90°回転即ち閉鎖する寸前にJ1Gの状態となって極めて大きな径のフライホイールを取り付けた場合と同じ減速効果が得られた。
【0033】
ゼンマイバネ10が巻き戻されると、マイクロスイッチLSRがOFFとなり、通電障害の解消後、電磁ブレーキ20に通電されて励磁作動型電磁ブレーキ20はロック解除状態となる。
【0034】
励磁作動型電磁ブレーキ20がロック解除状態となると、モータ3が通電され、バルブが閉鎖する方向に回転し始める。
【0035】
モータ3がバルブが閉鎖する方向に回転しようとするとき、出力軸2はカム2aがストッパー2aに当接してその方向への回転が阻止されており、ギヤ91に噛合する第2制御ギヤ9は固定状態となっている。
【0036】
従って、モータ3の回転はギヤ4、41からインターナルギヤ5に伝達され、内歯51…51に噛合する遊星ギヤ8…8が回転する。
【0037】
遊星ギヤ8…8が枢支される第2制御ギヤ9は前述のように固定状態となっているので、公転せず、自転して遊星ギヤ8…8が噛合するギヤ7が回転し、ギヤ7が固定される回転軸6がゼンマイバネ10を巻き込む方向に回転する。
【0038】
ゼンマイバネ10が充分巻き込まれると、マイクロスイッチLSRがゼンマイバネの巻き込み完了を検知してその接点をONとし、モータ3の回転が停止すると同時に励磁作動型電磁ブレーキ20がロック状態になって、ゼンマイバネ10が蓄圧状態に保持される。
【0039】
爾後、バルブの開閉動作毎に上記作動を反復するものである。
【0040】
上述の実施例は緊急時にバルブを閉鎖させることについての説明であったが、緊急時にバルブを開放させたい場合は、バルブ開放時にゼンマイバネが巻かれるようにアクチュエータの構造を変更しておけばよいものである。
【0041】
尚、本実施例にあっては、特公平3−14107号公報に記載されるバルブ用アクチュエータの構造のものを採用したが、励磁作動型ブレーキ付きのモータを使用し、図5に記載されるようなバルブを開放するときにゼンマイバネを同時に巻き込むようにしたバルブ用アクチュエータであっても同じ効果が得られるものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係るバルブ用アクチュエータによれば、モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、非常時に該ゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成し、且つ、通電時に該ゼンマイバネの巻き戻しを阻止し、非通電時にゼンマイバネの巻き戻しの阻止作用を解除する励磁作動型電磁ブレーキを設けたバルブ用アクチュエータにおいて、前記励磁作動型電磁ブレーキの回転軸に、外周にインボリュート歯を複数形成したフライホイールを取り付けたもので、フライホイールの回転時に空気抵抗を加えて出力軸の回転速度を減衰させることができるようになったもので、フライホイールの径を極めて大きなものとすることなく充分なフライホイール効果が得られ、径の小さなフライホイールであっても充分減速機能を果たせるという優れた効果を奏し得るものである。
【図面の簡単な説明】
図2は、
【図1】本発明アクチュエータをバルブに取り付けた状態を表わす側面図である。
【図2】アクチュエータの内部構造を表わす断面図である。
【図3】同アクチュエータの要部の拡大断面図である。
【図4】出力軸の回転角度と角速度の関係を表わすグラフである。
【図5】同アクチュエータの他の実施例を表わす概略説明図である。
【符号の説明】
1 アクチュエータ
11 ケーシング
2 出力軸
3 モータ
4 ギヤ
5 インターナルギヤ
6 回転軸
7 第1制御ギヤ
8 遊星ギヤ
9 第2制御ギヤ
10 ゼンマイバネ
20 励磁作動型電磁ブレーキ
30 フライホイール
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、非常時に該ゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成したバルブ用アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、停電等の通電障害時にゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成し、通電時に該ゼンマイバネの巻き戻しを阻止し、非通電時にゼンマイバネの巻き戻しの阻止作用を解除する励磁作動型電磁ブレーキを設けたバルブ用アクチュエータはあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来型のバルブ用アクチュエータにあっては、バルブの開放時にゼンマイバネを巻き込んだ後、ゼンマイバネを巻き戻しを阻止する手段として、該ゼンマイバネの回転軸に連結されている励磁作動型電磁ブレーキに通電し、該ブレーキをロックさせる機構を採用し、停電等の通電障害が発生すると、自動的に励磁作動型電磁ブレーキへの通電が絶たれ、該ブレーキによるゼンマイバネの巻き戻し阻止作用が解除されてバルブは自動的に閉鎖するものであった。
【0004】
然しながら、ゼンマイバネの巻き戻し阻止作用が解除されてバルブは自動的に閉鎖するときに、ゼンマイバネは略定加速度運動をするため、バルブが全閉位置付近で出力軸の回転速度が高速となりがちであり、バルブが全閉位置になったときに出力軸の回転を停止させるストッパーに衝突する際の衝撃は極めて大きくアクチュエータに内蔵されるギヤ群やそれぞれのギヤを枢支するボールベアリングが損傷する問題点があった。
【0005】
そこでこの問題点を解消するため、電磁ブレーキの回転軸にフライホイールを取り付け、フライホイールのフライホイール効果によってゼンマイバネの力を減じることなく出力軸の90°作動間の加速度を小さくするようにしている。
【0006】
然しながら、フライホイールのフライホイール効果を高めるためにはフライホイールの径方向のサイズを大きくするか、フライホイールの厚みを大きくして重量増加を図る必要があるが、前者の場合、充分なフライホイール効果を得るためにはフライホイールの径を極めて大きなものとする必要があり、アクチュエータのケーシングを大きくしなければならないという問題点があり、また、後者の場合、フライホイールの自重の影響でゼンマイバネの加速力を減じたり、アクチュエータの重量が重くなるという問題点があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記問題点を解決するために、励磁作動型電磁ブレーキの回転軸に取り付けられるフライホイールの外周にインボリュート歯を形成することにより回転時に空気抵抗を加えて出力軸の回転速度を減衰させることができるバルブ用アクチュエータを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るバルブ用アクチュエータは、モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、非常時に該ゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成し、且つ、通電時に該ゼンマイバネの巻き戻しを阻止し、非通電時にゼンマイバネの巻き戻しの阻止作用を解除する励磁作動型電磁ブレーキを設けたバルブ用アクチュエータにおいて、前記励磁作動型電磁ブレーキの回転軸に、外周にインボリュート歯を複数形成したフライホイールを取り付けたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の作用】
ゼンマイバネの巻き戻しのとき励磁作動型電磁ブレーキの回転軸が回転し始め、徐々に回転速度が上昇するが、或る回転速度以上になるとフライホイール外周のインボリュート歯が空気抵抗を受けて回転速度が減衰する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面について具体的に説明する。
図1は、本発明アクチュエータをバルブに取り付けた状態を表わす側面図、図2は、アクチュエータの内部構造を表わす断面図、図3は、同要部の拡大断面図、図4は、出力軸の回転角度と角速度の関係を表わすグラフ、図5は、同アクチュエータの他の実施例を表わす概略説明図である。
【0011】
1は、本発明のバルブ用アクチュエータであって、駆動部を収納し、保護するケーシング11に適宜支持され、ケーシング11の下端から突出する出力軸2がバルブVのステムにカップリングを介して一直線上に接続されている。
【0012】
3は、上記出力軸2をバルブVが開閉する方向に回転させる可逆回転モータである。
【0013】
4は、前記モータ3のロータと直結のギヤに噛合するギヤで、上記出力軸2に出力軸2の回転とは無関係に枢支され、ギヤ4と一体の小径のギヤ41に後述するインターナルギヤの外歯が噛合している。
【0014】
5は、前記ギヤ41に噛合する外歯51…51と内歯52…52を有するインターナルギヤで、後述するゼンマイバネを巻くための回転軸6に枢支されている。
【0015】
7は、前記回転軸6に固定された第1制御ギヤで、後述する第2制御ギヤとで出力軸2の回転と回転軸6の回転を制御する。
【0016】
8…8は、前記インターナルギヤの内歯52…52と前記第1制御ギヤ7の外歯71…71に共通して噛合する遊星ギヤで、回転軸6の下方に枢支された第2制御ギヤ9のフランジ部にそれぞれピン81にて枢支されており、第2制御ギヤ9は前記出力軸2に固定されたギヤ91に噛合している。
【0017】
10は、内端が前記回転軸6に固定され、外端がケーシング11の一部に固定されるゼンマイバネで、回転軸6の回転により巻かれるようになっている。
【0018】
20は、前記回転軸6の回転を制御する励磁作動型電磁ブレーキで、回転軸6に固定のギヤを含む減速ギヤ群によって連結されている。
【0019】
30は、前記励磁作動型電磁ブレーキ20の回転軸201に取り付けられたフライホイールで、その外周にはインボリュート歯301が複数形成されている。
【0020】
図2において、2aは前記出力軸2に固定されたカムで、ケーシング11の一部に固定されたストッパー2bによって出力軸2の回転が規制されるようになっている。
【0021】
図中、LS1、LS2は、出力軸2に固定のカム(図示せず)によってトリガーが蹴られて接点がON、OFFするマイクロスイッチで、バルブVの開閉状態を検知してモータ3への通電制御を行う。
【0022】
また、LSRは、回転軸6に固定のカム(図示せず)によってトリガーが蹴られて接点がON、OFFするマイクロスイッチで、ゼンマイバネ10が巻かれているか否かを検知する作用をする。
【0023】
次に、本発明の上記構成に従い、図示する実施例について本発明アクチュエータの作用並びに効果について具体的に説明する。
【0024】
ゼンマイバネ10が巻かれている状態で、且つ、バルブVが閉鎖している非通電状態において、モータ3にバルブVが開放する方向に通電すると、リレーR1が励磁して接点R1−1がONとなってモータ3の回転を阻止している無励磁作動型電磁ブレーキの回転阻止作用が解除され、モータ3のロータの回転によりギヤ4が回転し、該ギヤ4に外歯51…51が噛合するインターナルギヤ5が回転軸6と無関係に回転する。
【0025】
このとき回転軸6は励磁作動型電磁ブレーキ10によって固定状態であるので、同回転軸6に固定された第1制御ギヤ7に噛合する遊星ギヤ8…8は自転できない状態になっているので、遊星ギヤ8…8は第1制御ギヤ7の周りを公転することになる。
【0026】
遊星ギヤ8…8の公転によって第2制御ギヤ9が回転してこの第2制御ギヤ9に噛合する前記出力軸2に固定される大径のギヤ91が回転し、出力軸2が回転してバルブは開放方向に回転する。
【0027】
バルブVが全開放したとき、マイクロスイッチLS1がこの状態を検知してモータ3への通電を遮断し、モータ3は回転を停止してバルブVは全開放状態を保持する。
【0028】
上述のようにゼンマイバネ10の蓄圧状態つまり回転軸6の固定状態にあっては、モータ3の回転力は全て遊星ギヤ8…8を介して第2制御ギヤ9に伝達されることになるので、バルブの開放状態においてスイッチを切り換えてモータ3を逆回転させると、全てのギヤが前述の回転方向とは逆方向に回転してバルブVは閉鎖し、バルブVが全閉鎖したとき、マイクロスイッチLS2がこの状態を検知してモータ3への通電を遮断し、モータ3は回転を停止してバルブVは全閉鎖状態を保持する。
【0029】
爾後、モータ3の正、逆回転によりバルブVはゼンマイバネ10の蓄圧状態の儘開閉動作するものである。
【0030】
バルブVの開放状態において、地震等の災害が発生してメイン電源が停電したときは全て非通電状態であるので、ゼンマイバネ10を制御する励磁型電磁ブレーキ20は回転軸6のロックを解除する。
【0031】
上記回転軸6のロック解除により、ゼンマイバネ10は巻き戻され回転軸6はその復元力によって回転し始めるが、非通電時には無励磁作動型電磁ブレーキ31がモータ3の回転を阻止しているので、上記インターナルギヤ5は回転が阻止されて固定状態にあるため、第1制御ギヤ7の回転により遊星ギヤ8…8はインターナルギヤ5の内歯52…52に噛み合いながら遊星回転し、第2制御ギヤ9が回転してバルブVは閉鎖する。
【0032】
ゼンマイバネ10の巻き戻しによって回転軸6が回転し始めるときには、図4のグラフのように出力軸2の角速度はフライホイール30がない状態J0の角速度よりもフライホイール効果によってJ1のように小さくなるが、フライホイール30の外周にインボリュート歯301が形成されているので、このインボリュート歯301が空気抵抗を受け、回転数が増える程空気抵抗が加速度的に増加して出力軸2の回転速度が減衰し、バルブVが90°回転即ち閉鎖する寸前にJ1Gの状態となって極めて大きな径のフライホイールを取り付けた場合と同じ減速効果が得られた。
【0033】
ゼンマイバネ10が巻き戻されると、マイクロスイッチLSRがOFFとなり、通電障害の解消後、電磁ブレーキ20に通電されて励磁作動型電磁ブレーキ20はロック解除状態となる。
【0034】
励磁作動型電磁ブレーキ20がロック解除状態となると、モータ3が通電され、バルブが閉鎖する方向に回転し始める。
【0035】
モータ3がバルブが閉鎖する方向に回転しようとするとき、出力軸2はカム2aがストッパー2aに当接してその方向への回転が阻止されており、ギヤ91に噛合する第2制御ギヤ9は固定状態となっている。
【0036】
従って、モータ3の回転はギヤ4、41からインターナルギヤ5に伝達され、内歯51…51に噛合する遊星ギヤ8…8が回転する。
【0037】
遊星ギヤ8…8が枢支される第2制御ギヤ9は前述のように固定状態となっているので、公転せず、自転して遊星ギヤ8…8が噛合するギヤ7が回転し、ギヤ7が固定される回転軸6がゼンマイバネ10を巻き込む方向に回転する。
【0038】
ゼンマイバネ10が充分巻き込まれると、マイクロスイッチLSRがゼンマイバネの巻き込み完了を検知してその接点をONとし、モータ3の回転が停止すると同時に励磁作動型電磁ブレーキ20がロック状態になって、ゼンマイバネ10が蓄圧状態に保持される。
【0039】
爾後、バルブの開閉動作毎に上記作動を反復するものである。
【0040】
上述の実施例は緊急時にバルブを閉鎖させることについての説明であったが、緊急時にバルブを開放させたい場合は、バルブ開放時にゼンマイバネが巻かれるようにアクチュエータの構造を変更しておけばよいものである。
【0041】
尚、本実施例にあっては、特公平3−14107号公報に記載されるバルブ用アクチュエータの構造のものを採用したが、励磁作動型ブレーキ付きのモータを使用し、図5に記載されるようなバルブを開放するときにゼンマイバネを同時に巻き込むようにしたバルブ用アクチュエータであっても同じ効果が得られるものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係るバルブ用アクチュエータによれば、モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、非常時に該ゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成し、且つ、通電時に該ゼンマイバネの巻き戻しを阻止し、非通電時にゼンマイバネの巻き戻しの阻止作用を解除する励磁作動型電磁ブレーキを設けたバルブ用アクチュエータにおいて、前記励磁作動型電磁ブレーキの回転軸に、外周にインボリュート歯を複数形成したフライホイールを取り付けたもので、フライホイールの回転時に空気抵抗を加えて出力軸の回転速度を減衰させることができるようになったもので、フライホイールの径を極めて大きなものとすることなく充分なフライホイール効果が得られ、径の小さなフライホイールであっても充分減速機能を果たせるという優れた効果を奏し得るものである。
【図面の簡単な説明】
図2は、
【図1】本発明アクチュエータをバルブに取り付けた状態を表わす側面図である。
【図2】アクチュエータの内部構造を表わす断面図である。
【図3】同アクチュエータの要部の拡大断面図である。
【図4】出力軸の回転角度と角速度の関係を表わすグラフである。
【図5】同アクチュエータの他の実施例を表わす概略説明図である。
【符号の説明】
1 アクチュエータ
11 ケーシング
2 出力軸
3 モータ
4 ギヤ
5 インターナルギヤ
6 回転軸
7 第1制御ギヤ
8 遊星ギヤ
9 第2制御ギヤ
10 ゼンマイバネ
20 励磁作動型電磁ブレーキ
30 フライホイール
Claims (2)
- モータの駆動によりバルブを開放する際にゼンマイバネを巻き込んでおき、非常時に該ゼンマイバネの復元力によってバルブを閉鎖するように構成し、且つ、通電時に該ゼンマイバネの巻き戻しを阻止し、非通電時にゼンマイバネの巻き戻しの阻止作用を解除する励磁作動型電磁ブレーキを設けたバルブ用アクチュエータにおいて、前記励磁作動型電磁ブレーキの回転軸に、外周にインボリュート歯を複数形成したフライホイールを取り付けたことを特徴とするバルブ用アクチュエータ。
- 駆動部を収納するケーシング11から突出するバルブVのステムに連結される出力軸2を励磁作動型電磁ブレーキ付きの可逆回転モータ3の駆動により正、逆90度回転させてバルブを開閉するようにしたバルブ用アクチュエータ1であって、前記モータ3の駆動により出力軸2と無関係に回転するインターナルギヤ5を回転軸6に枢支し、同インターナルギヤの内歯52…52と該回転軸6に固定された第1制御ギヤ7の外歯71…71とに共通して噛合する複数の遊星ギヤ8…8を回転軸6に枢支された第2制御ギヤ9にそれぞれピン81にて枢支し、該ギヤ9に噛合する大径のギヤ91を前記出力軸2に固定すると共に、前記回転軸6には回転軸6の回転により巻かれるゼンマイバネ10を設け、通電時に該ゼンマイバネの回転軸5の回転を阻止し、非通電時に前記ゼンマイバネ10の回転軸6の回転阻止作用を解除する励磁作動型電磁ブレーキ20を前記ゼンマイバネ10の回転軸6に直接的乃至間接的に設けたアクチュエータにおいて、該励磁作動型電磁ブレーキ20の回転軸に、外周にインボリュート歯301を複数形成したフライホイール30を取り付けたことを特徴とするバルブ用アクチュエータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002382731A JP2004176902A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | バルブ用アクチュエータ |
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JP2002382731A JP2004176902A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | バルブ用アクチュエータ |
Publications (1)
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JP2004176902A true JP2004176902A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32708685
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004176902A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008519953A (ja) * | 2004-11-12 | 2008-06-12 | メグテック・システムズ・インコーポレーテッド | 弁切替用電動ギヤモーター駆動装置 |
US7752933B2 (en) | 2007-05-18 | 2010-07-13 | Tac, Llc | Speed controlled spring return actuator |
JP2010242959A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Techno Batsugu:Kk | 電動バルブ用アクチュエータ |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002382731A patent/JP2004176902A/ja active Pending
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