JP2004176648A - 吸気装置 - Google Patents

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Hitoshi Kino
等 木野
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Abstract

【課題】簡単な構造で吸気装置の輸送効率やスペース効率を向上させる。
【解決手段】吸気装置において吸気ダクトの少なくとも一部をエアクリーナケースの内部に収納可能とし、車両組付け時にこの吸気ダクトを引出して吸気装置を完成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンへ空気を供給する通路としての吸気装置に関し、詳しくは簡単な構造でスペース効率を向上した吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジンの吸気系において、吸気ダクトからエアクリーナケース、エアクリーナホース、スロットルバルブ、インテークマニホールド、エンジンへと空気を導くように各吸気部品が配設されている。図6に示すようにこれらの構成の中で箱状であるエアクリーナ200は、上流側に配置されるダーティ側の吸気ダクト100および下流側に配置されるクリーン側のエアクリーナホース300が車両搭載時にエアクリーナから突出された形態で取付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の吸気装置では、吸気ダクトおよびエアクリーナホース、エアクリーナを組付けた状態で製造メーカーからカーメーカーへ搬送する場合や、カーメーカーへの納入後の車両取付前にその部品を仮置きする場合、配置スペースが膨大になる場合があった。この場合、輸送効率やスペース効率が悪いため輸送管理コストが膨大なものとなる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で輸送効率やスペース効率を向上させることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の吸気装置の特徴は、自動車の外気取り入れ口とエンジンのインテークマニホールドとの間に配置され、吸気上流側から吸気ダクトと、エアクリーナケースと、エアクリーナホースと、をこの順に配置してなる吸気装置において、吸気ダクトの少なくとも一部をエアクリーナケースの内部に収納可能としたことにある。
【0005】
吸気ダクトとエアクリーナケースの引出し開口部には、吸気ダクト収納時に互いに係合する係合部が夫々形成されていることが望ましい。また吸気ダクトは、少なくともその一部が蛇腹形状であることが望ましい。また、吸気ダクトとエアクリーナケースの接続部は、シール部材が配置されていることが望ましい。また吸気ダクトおよびエアクリーナケースの接続部の一方に嵌合溝、他方に嵌合突起を設けることが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の吸気装置では、吸気ダクトの少なくとも一部をエアクリーナケースの内部に収納可能としている。そして吸気ダクトを引出して吸気ダクトを完成させ、車両に組付けることができる。したがって製造メーカーからカーメーカーへ搬送する場合には、吸気ダクトをエアクリーナケースの内部に収納しておくことにより輸送効率を向上することができる。またカーメーカーへの納入後の車両取付前にその部品を仮置きする場合には、同様に仮置きスペースの効率を向上することができる。
【0007】
吸気ダクトおよびエアクリーナケースのダクト引出し開口部にはダクト収納時に互いに係合する係合部が設けられていることが望ましい。これにより吸気装置の搬送時などに吸気ダクトがエアクリーナケースの内部からから出てくる等の不具合を防止することができる。
【0008】
係合部は吸気ダクトおよびエアクリーナケースのダクト引出し開口部の双方に係合用の穴を設けて係合ピンを差込んで固定する構造でもよいが、引出し方向に所定の荷重が加わった時に、係合部の一部が変形して着脱可能な構造とすることが望ましい。こうすることにより、部品点数を低減することができる。また、吸気ダクト側の係合部を貫通穴を設けた係合片とすることにより、吸気ダクトを車両へ組付ける取付穴と兼用することも可能である。
【0009】
吸気ダクトは直管形状であってもよいが、少なくともその一部が蛇腹形状であることが望ましい。蛇腹形状とすることにより収納時にはエアクリーナケースの中で屈曲することができ、より長い吸気ダクトをエアクリーナケースの中に収納することができる。また、蛇腹形状により屈曲性があることで吸気ダクトの経路が自在となり、多車種に適用することができる。
【0010】
吸気ダクトとエアクリーナケースの接続部にはシール材を配設することが望ましい。これによりエアクリーナケースへの泥水の侵入を防止することができる。また、ガタツキによる異音の発生や内部からの音漏れを防止することができる。
【0011】
吸気ダクトとエアクリーナケースの接続部双方に嵌合溝および嵌合突起を設けることが望ましい。この嵌合部の節度感により所定長さまで引出したことを知ることができ、確実な引出し操作が可能になる。また嵌合溝および嵌合突起が互いに嵌合することにより、ダクト引出し後の状態を確実に維持することができる。嵌合溝は周方向に環状に設けることが好ましい。環状に設けた嵌合溝は周方向で複数の部分に分かれていても好い。これにより嵌合突起のダクト回転方向における位置的自由が得られる。
【0012】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0013】
図1に本発明の第一実施例の自動車の吸気装置の概略説明図を示す。この吸気装置は、吸気ダクト1と、エアクリーナケース2と、エアクリーナホース3と、から構成されている。そしてエンジンが駆動されると、吸気は吸気ダクト1からエアクリーナケース2のエアクリーナロアケース20からフィルタエレメント28を通過してエアクリーナアッパケース29に入り、エアクリーナホース3を通ってエンジンに供給される。
【0014】
吸気ダクト1はダクト両端部を除き蛇腹部で構成された略筒状に形成され、エアクリーナケース2のエアクリーナロアケース20に形成された吸気ダクト連結部21にシールスポンジ4を介して装着されるようになっている。またダクト先端部、端末部には各々収納時、引出し時に吸気ダクト連結部21の嵌合溝22に係合する嵌合突起14a、14bが形成されている。またエアクリーナホース3はエアクリーナケース2のエアクリーナアッパケース29に嵌合保持されている。
【0015】
吸気ダクト1はポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の押出成形品やポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ゴム入りPP等のブロー成形品が使用可能である。また蛇腹形状の替わりにバルジ加工を施しても好い。
【0016】
次に吸気ダクト1の収納時の形態について説明する。
図2に示すように、吸気ダクト1は蛇腹部11で屈曲されてエアクリーナロアケース20内に収納され、吸気側先端部だけが引出し開口27から外部に突出している。吸気ダクト1先端部にはダクト側係合部である嵌合突起14aが配設されており、エアクリーナロアケース20から突設する吸気ダクト連結部21に配設されたエアクリーナ側係合部である嵌合溝22と係合することにより、吸気ダクト1が引出し開口27から抜け出てくることを防止する。
【0017】
吸気ダクト1は比較的柔軟な材質で形成されており加えて蛇腹部を有していることにより屈曲性に優れ、コンパクトにエアクリーナケース内に収納することができ、エアクリーナロアケース20の内側から引出し開口27を通って吸気ダクト先端部を外部に引出す。この時、吸気ダクト1の先端側に配設された嵌合突起14aが吸気ダクト連結部21の内壁面を乗り越え、吸気ダクト連結部21に配設された嵌合溝22に嵌合する。この嵌合により節度感が得られ、嵌合が完了したことを知ることができる。
【0018】
次に吸気ダクト1の引出し時の形態について説明する。
図3および図4に示すように、吸気ダクト1をエアクリーナロアケース20の引出し開口27から引出してくると、吸気ダクト1のエアクリーナケース2側端末部に配設された嵌合突起14bが吸気ダクト連結部21の内壁面を乗り越え、吸気ダクト連結部21に配設された嵌合溝22に嵌合する。この嵌合により節度感が得られ、嵌合が完了したことを知ることができる。さらに、吸気ダクト1の最端末に設けられたストッパフランジ15により、引出し過ぎによる抜けを防止している。また、吸気ダクト1のストッパフランジ15とエアクリーナロアケース20の内壁との間にはシールスポンジ4が介在しており、これにより引出し開口27からの水、泥、埃等の侵入およびガタツキによる異音の発生、音漏れの防止をしている。
【0019】
次に本発明の第二実施例について説明する。第二実施例と第一実施例は収納時の係合部構造が異なるのみであるため、収納時の係合部構造についてのみ説明する。
図5、図6に示すように吸気ダクト1先端部にはダクト側係合部12が配設されておりエアクリーナロアケース20から突設する吸気ダクト連結部21に配設されたエアクリーナ側係合部23と係合することにより、吸気ダクト1が引出し開口27から抜け出てくることを防止する。
【0020】
吸気ダクト連結部21に配設されたエアクリーナ側係合部23は図7に示すように、エアクリーナ側係合部基部23aから係合アーム24が突設しており、その係合アーム24の先端にはエアクリーナ側係合部基部23aとの隙間を狭くするように係合突起部25が突設している。また吸気ダクト1の先端部の径方向に突出する平板状の係合片12aには、エアクリーナ側係合部23の係合突起部25と係合するための係合穴13が配設されている。
【0021】
ダクト側係合部12の係合片12aをエアクリーナ側係合部23の基部23aと係合アーム24との隙間に押し込んでいくと、係合片12aの先端が係合突起部25の第1テーパ面25aに当接し、所定の荷重以上になると係合アーム24を弾性変形させる。そして、ダクト側係合部12の係合穴13が係合突起部25の第2テーパ面25bに達すると係合が完了する。また、係合状態からダクト側係合部12を係合脱離方向へ移動させ所定以上の荷重になると、第2テーパ面25bの作用により係合アーム24が弾性変形して係合が解除される。この第二実施例の係合部構造は第一実施例と同様の抜け防止機能を有している他、係合穴13を有する係合片12aをダクト先端部から径方向に突出形成しているので組付け作業中のダクト先端部の仮置き用フックとしても利用可能である。
【0022】
【発明の効果】
すなわち本発明の吸気装置によれば、吸気ダクトをエアクリーナケース内に収納可能としたことで、車両取付前に必要な吸気系システムの配置スペースを低減できるため生産性の向上が図れ、さらに搬送に必要な輸送コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の吸気装置の構成を示す模式的分解図である。
【図2】本発明の第一実施例の吸気装置の吸気ダクト収納時を示す要部斜視図である。
【図3】本発明の第一実施例の吸気装置の吸気ダクト引出し時を示す要部斜視図である。
【図4】本発明の一実施例の吸気装置の吸気ダクト引出し時の嵌合部拡大図である。
【図5】本発明の第二実施例の吸気装置の吸気ダクト収納時を示す要部斜視図である。
【図6】本発明の第二実施例の吸気装置の吸気ダクト引出し時を示す要部斜視図である。
【図7】本発明の第二実施例の吸気装置の吸気ダクト収納時の係合部拡大図である。
【図8】従来の吸気装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…吸気ダクト
2…エアクリーナケース
3…エアクリーナホース
4…シールスポンジ
11…蛇腹部
12…ダクト側係合部
12a…ダクト側係合部の係合片
13…係合穴
14a…嵌合突起
14b…嵌合突起
15…ストッパフランジ
20…エアクリーナロアケース
21…吸気ダクト連結部
22…嵌合溝
23…エアクリーナ側係合部
23a…エアクリーナ側係合部基部
24…係合アーム
25…係合突起部
25a…第1テーパ面
25b…第2テーパ面
27…引出し開口
28…フィルタエレメント
29…エアクリーナアッパケース

Claims (5)

  1. 吸気流路に配置されるエアクリーナケースとその上流側に配置される吸気ダクトと、下流側に配置されるエアクリーナホースを配置してなる吸気装置において、
    前記吸気ダクトの少なくとも一部を前記エアクリーナケースの内部に収納可能としたことを特徴とする吸気装置。
  2. 前記吸気ダクトと前記エアクリーナケースの引出し開口部には、該吸気ダクトの収納時に互いに係合する係合部が夫々形成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸気装置。
  3. 前記吸気ダクトは少なくともその一部が蛇腹形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の吸気装置。
  4. 前記吸気ダクトと前記エアクリーナケースの接続部はシール部材でシールされていることを特徴とする請求項1ないし3に記載の吸気装置。
  5. 前記吸気ダクトと前記エアクリーナケースの接続部の一方に嵌合溝を、他方に嵌合突起を設けたことを特徴とする請求項1ないし4に記載の吸気装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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