JP2004176114A - 高耐食性燃料タンク用防錆鋼板 - Google Patents

高耐食性燃料タンク用防錆鋼板 Download PDF

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雅裕 布田
Hiroshi Kanai
洋 金井
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Abstract

【課題】自動車の燃料タンク用素材として優れた耐食性を有し、かつ良好な抵抗溶接性とプレス成形性を兼備する防錆鋼板を提供する。
【解決手段】鋼板の両面にSn又はSn系合金のめっき被覆層、該めっき被覆層の少なくとも片面に導電性顔料を含有する厚み1.0〜20μmの有機皮膜を少なくとも有することを特徴とする高耐食性燃料タンク用防錆鋼板である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の燃料タンク用素材として優れた耐食性を有し、かつ良好な抵抗溶接性とプレス成形性を兼備する防錆鋼板を提供する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃料タンクは複雑な形状を有する場合が多いことから優れた加工性(深絞り特性)が要求される。また、自動車の重要保安部品であるため、その使用材料には、フィルター目詰まりにつながるような腐食生成物が無く、穴あき腐食の懸念のない材料で、しかも容易に安定して溶接できる材料であることが重要である。
【0003】
これら様々な特性を有する材料として、Pb−Sn系合金めっき鋼板(特公昭57−61833号公報)が自動車燃料タンク素材として従来から幅広く使用されてきている。この材料はガソリンに対して安定な化学的性質を有し、かつめっきが潤滑性に優れるためプレス成形性に優れ、またスポット溶接やシーム溶接等の抵抗溶接性にも優れている。しかし、近年環境への負荷という意味からPbを使用しない材料が求められ、Sn系合金めっき鋼板(例えば特開平8−269733号公報)、Al系合金めっき鋼板(例えば特開平9−156027公報)、金属あるいは有機皮膜を被覆したZn系合金めっき鋼板(例えば特開平8−296834号公報)等の技術が開示されている。
【0004】
ところが、近年北米において15年穴明きなしという更なる防錆仕様の強化が求められるようになってきており、それに伴ってこれらの従来技術では耐食性が不足するといった問題が発生している。これに対し、成形加工、溶接を経てタンクを製造した後、何重もの塗装を施せば長期の防錆は達成できるが、その場合コストの大幅な増加を招くといった問題が生じていた。また、Al系合金めっき鋼板にさらに金属粉末を含有した有機皮膜を施した技術として、例えば特開平6−306637号公報があるが、プレス成形にて厳しい絞り加工や折曲げ加工を受けて成型された際に、皮膜が鋼板の変形に追随しきれないことによりめっき層あるいは皮膜の亀裂や剥離を生じ、加工部の耐食性が低下する懸念があった。また、金属顔料を含有した有機被覆を施したZn系合金めっき鋼板の技術として、特開2000−319790号公報が開示されているが、特に厳しい加工を受けた部位においてガソリン劣化時に発生する有機酸と凝結水に起因した腐食生成物発生によるフィルター目詰まりを生じる懸念があり、さらに開示されている皮膜の内容、付着量では、外面においても強化された防錆基準を達成することは困難なことが予想される。そのため、内面、外面共にさらに厚い有機被覆を必要とし、溶接の困難さが増して安定的製造が困難になると共にコスト面でも不利になる懸念がある、といった課題を有していた。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−269733号公報
【特許文献2】
特開平9−156027公報
【特許文献3】
特開平8−296834号公報
【特許文献4】
特開2000−319790号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、需要家での工程を減らし、低コストタンクの最終製品を得ることを可能とする防錆鋼板を提供することを目的とする。すなわち、高い外面側の耐食性を有し、かつ燃料タンクとしての内面耐食性、厳しい加工に耐える成形性、良好な溶接性を有する燃料タンク用防錆鋼板を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、耐食性に優れ、かつ溶接性、成形性に優れるタンク用防錆鋼板について種々検討した結果、鋼板の両面にSn又はSn系合金のめっき被覆層、該めっき被覆層の少なくとも片面に導電性顔料を含有する有機皮膜を形成することにより、前述した長期耐食性の課題を解決するとともに、燃料タンクとして優れた特性を発揮する事を見出した。Snは、ガソリンの酸化劣化によって生じる有機酸に対し非常に良好な耐食性を有し、また、厳しいプレス成形に対してもめっきの展延性が優れるため、鋼板変形に良く追従する。これと導電性顔料含有有機皮膜被覆による保護作用とが相俟って、非常に良好な耐食性、成形性を発揮するとともに良好な溶接性を確保できる。即ち、プレス成形におけるめっき層表面の疵発生を大幅に抑制すると共に、有機皮膜の潤滑効果、高伸び性による絞り性等が加わり、大幅に耐食性、成形性が向上する。Snめっきに犠牲防食作用を示す元素を合金化した系は、さらに良好な耐食性を得ることができる。特に、Sn又はSn系合金めっきは、内面の劣化ガソリン耐食性が良好なため塗装を省略することができ、コスト的にも有利である。
【0008】
また、有機皮膜を構成する樹脂がウレタン結合を有する樹脂を主成分とし、(イ)官能基数が少なくとも3のポリエステルポリオール、(ロ)有機ポリイソシアネートのブロック化物又は有機ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応により得られる末端にNCO基を有するプレポリマーのブロック化物、を含む成膜性樹脂原料、さらに上記(イ)、(ロ)に、(ハ)2級の水酸基を少なくとも1個有するエポキシ樹脂又はその付加物を加えた成膜性樹脂原料から得られた有機樹脂である皮膜であることによって、厳しい条件での加工による大きな変形を受けても加工部で十分な耐食性を確保できること、そして、有機皮膜と導電性粒子、防錆顔料を適正な配合比率で構成した皮膜ではさらに良好な特性が得られること、さらに、導電性粒子としてステンレス紛、Zn、Al、Ni、フェロシリコン、リン化鉄からなる1種以上の金属粉末を用いることで、更なる耐食性向上が得られることを見出した。
【0009】
具体的には、
(1) 鋼板の両面にSn又はSn系合金のめっき被覆層、該めっき被覆層の少なくとも片面に導電性顔料を含有する厚み1.0〜20μmの有機皮膜を少なくとも有することを特徴とする高耐食性燃料タンク用防錆鋼板、
(2) 前記有機皮膜中の導電性顔料の含有率が固形分換算で5〜50容量%である(1)記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板、
(3) 前記有機皮膜中に、さらに防錆顔料を固形分換算で1〜40容量%含有し、かつ、導電性顔料と防錆顔料の含有量の和が固形分換算で5〜70容量%である(2)記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板、
(4) 前記導電性顔料が、ステンレス粉末、Zn、Al、Ni、フェロシリコン、リン化鉄の内の1種以上である(1)〜(3)のいずれかに記載の高耐食性燃料タンク防錆鋼鈑、
(5) 前記有機皮膜を構成する有機樹脂が、ウレタン結合を有する樹脂を主成分とし、該樹脂が、(イ)官能基数が少なくとも3のポリエステルポリオール、(ロ)有機ポリイソシアネートのブロック化物又は有機ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応により得られる末端にNCO基を有するプレポリマーのブロック化物、を含む成膜性樹脂原料から得られた有機樹脂である(1)記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板、
(6) 前記有機樹脂が、さらに(ハ)2級の水酸基を少なくとも1個有するエポキシ樹脂又はその付加物、を含む成膜性樹脂原料から得られた有機樹脂である(5)記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板、
(7) 前記有機皮膜と前記めっき被覆層の間に、下地処理皮膜を有する(1)記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板、
(8) 前記下地処理皮膜の付着量が10〜1000mg/mである(7)記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板、
である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明は、前述したようにSn又はSn系合金めっき上に導電性顔料を含有する有機皮膜を施すことを特徴とする。それにより、Snの耐食性と導電性顔料含有有機皮膜被覆による保護作用とが相俟って、非常に良好な耐食性、成形性を発揮するとともに良好な溶接性を確保できる。
【0012】
Sn又はSn系合金めっきとしては、Sn単独又はSnとZn、Al、Mg、Siの1種以上との合金めっきであって、Snが全体の50質量%以上を占める組成のものとする。SnにZnを合金化しためっきは、Znの犠牲防食作用が付加されるため、Sn単独に比べ好ましい。その際のZn添加量は、犠牲坊食作用を発揮する量として1質量%以上の添加が好ましい。また、Sn又はSn−ZnめっきにAl、Mgを添加すると、耐食性の点からさらに好ましい。Mgは単独でも耐食性向上効果を発揮するが、例えば溶融めっき製造プロセスにおいてMgSn又はMgSiといった化合物を形成し、この化合物が腐食環境中で優先溶解して、Mg系皮膜がめっき層、地鉄を覆って防食効果を発揮する。Mgの効果を発揮する量としては0.5質量%以上の添加が好ましい。また、Mgは極めて酸素との親和性の強い元素であり、例えば溶融めっき法で製造する場合、その酸化抑制には同時にAl添加が有効である。Mg量の1/10程度のAlを添加することで操業性が改善される。Alは、Sn,Zn自体の酸化抑制にも有効で、Mgを添加しないときにもAlを添加することでめっき外観が改善される。さらに、必要に応じ、Ca、Li、ミッシュメタル、Sb等の元素を耐食性向上又は酸化抑制の目的で添加してもかまわない。
【0013】
本発明においては、めっき付着量は特に限定するものではない。ただし、タンク材用途に使用する際には、高度な抵抗溶接性(スポット溶接、シーム溶接等)が要求される。このとき、電極のCuとめっき層のSnとは、化合物を形成しやすいために、めっきの付着量が溶接性へ大きく影響する。また、めっき付着量は当然耐食性への影響も大きい。めっき付着量が大きいほど、耐食性という点では有利に、また、溶接性という点では不利に働くため、付着量としては、片面20〜50g/mとすることが好ましい。
【0014】
また、燃料タンクは高度な加工性を要求されるため、加工性に優れたIF鋼(Interstitial Free鋼)の適用が望ましく、さらには溶接後の溶接気密性、二次加工性等を確保するために、Bを0.0002質量%以上0.003質量%以下添加した鋼板が望ましい。
【0015】
めっき方法に際しては、電気めっき、溶融めっき、気相めっき等、従来の製造方法で製造可能である。鋼板に直接めっきすることも当然可能であるし、また、めっき前にプレめっき処理を施すことも可能である。プレめっきは、溶融めっきにおいてめっき性を向上させるために施すもので、Ni、Co、Fe、Cr、Sn、Zn、Cu、又はこれらを含有する合金が有りうる。厚みは通常0.1μm程度であるが、特別に限定するものではない。
【0016】
次に、導電性顔料を含有した有機皮膜について述べる。
【0017】
前述したように、Sn又はSn系合金めっき鋼板に導電性顔料を含有した有機皮膜を施すことで良好な外面耐食性を発揮する。有機皮膜を構成する有機樹脂としては、エポキシ樹脂、エポキシ−ウレタン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル−メラミン系樹脂、アクリル樹脂等、が挙げられ、1種もしくは2種以上を複合して適用可能である。これらにおいても十分な実用性能を有するが、さらに好ましくは、有機皮膜を構成する有機樹脂がウレタン結合を有する樹脂であって、(イ)官能基数が少なくとも3のポリエステルポリオール、(ロ)有機ポリイソシアネートのブロック化物又は有機ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応により得られる末端にNCO基を有するプレポリマーのブロック化物、を含む成膜性樹脂原料から得られた有機樹脂を用いることで、プレス加工に伴う折り曲げ変形や絞り変形への追随性が良く、しかも、硬度が高くて耐ガソリン性も高い、優れた皮膜が得られることを見出した。さらに、前記有機樹脂に、(ハ)2級の水酸基を少なくとも1個有するエポキシ樹脂、又は、エポキシ樹脂にラクトン化合物又はアルキレンオキサイドを付加させたものを複合させると、さらに良好な特性が得られることも見出した。
【0018】
本発明に使用する樹脂に用いる、(イ)の官能基数が少なくとも3のポリエステルポリオールは、ジカルボン酸、グリコール及び少なくとも3個のOH基を有するポリオールをエステル化する事により得ることができる。
【0019】
ポリエステルポリオールの製造に用いられるジカルボン酸としては、例えば、コハク散、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン2酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、ダイマー酸、等の脂肪族系、例えば、フタール酸、無水フタール酸、イソフタール酸、イソフタール酸ジメチルエステル、テレフタール酸、テレフタール酸ジメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロ無水フタール酸、テトラヒドロ無水フタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル、メチルヘキサヒドロ無水フタール酸、無水ハイミック酸、無水メチルハイミック酸等の芳香族又は脂環族系のものが挙げられる。
【0020】
グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシジバリン酸のネオペンチルグリコールエステル、トリエチレングリコール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカーボネートジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族系のもの、例えば、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、1,4−ビス (2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体等の脂環族系又は芳香族系のものが挙げられる。
【0021】
少なくとも3個のOH基を有するポリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、又は、これらのポリオールを開始剤としたエチレンオキサイド付加体、プロピオンオキサイド付加物又はε−カプロラクタン付加体等が挙げられる。
【0022】
本発明に使用する樹脂に用いられる(ロ)のブロック化物としては、少なくとも2個のNCO基を有する化合物、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネートや、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート等のシクロアルキレン系ジイソシアネートや、例えば、m−キシレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルメタキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネートや、例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、ω−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエート等のトリイソシアネートや、例えば、4,4’−ジフェニルメチルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等のテトライソシアネートのブロック化物や、ダイマー、トリマー、ビュウレット、アロファネート、カルボジイミド、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、c−MDI、ポリメリックMDI)、クルードTDI、等のイソシアネート化合物からの誘導体のブロック化物や、あるいはこれらと活性水素化合物との反応により得られる末端にNCO基を有するプレポリマーのブロック化物が挙げられる。
【0023】
有機皮膜に耐候性が要求される場合、前述のNCO基を有する化合物の中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、α,α,α’,α’−テトラメチルメタキシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
【0024】
これらのイソシアネート化合物と活性水素化合物との反応により得られる末端にNCO基を有するプレポリマーは、前記イソシアネート単量体と活性水素化合物とをイソシアネート基が過剰の状態で反応させることにより得られる。このプレポリマーを製造するのに用いられる活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシジバリン酸エステル、トリエチレングリコール、水添ビスフェノールA、キシリレングリコール、1,4−ブチレングリコール等の2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価アルコール、例えば、ペンタエリスリトール等の4価アルコール等の低分子量ポリオールや、上記ポリオールのプロピレンオキサイドあるいはエチレンオキサイド付加物等のポリエーテルポリオールや、前述の低分子量ポリオールとジカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールやポリエステルポリオールを製造する際に脂肪族変性したもの等の高分子量ポリオールが挙げられる。これらのポリオールは単独あるいは混合して使用しても良い。
【0025】
プレポリマーは、一般にはNCO基/OH基の当量比が約2.0〜15、好ましくは約4.0〜8.0で、通常40〜140℃、好ましくは70〜100℃で反応をおこなった後、必要ならば未反応のイソシアネート単量体を通常行われている薄膜蒸留法又は抽出法等で取り除くことにより得ることができる。この反応には、Sn系、Pb系、Zn系、Fe系等の有機金属触媒を用いても良い。
【0026】
前述のイソシアネート単量体又はこれらのプレポリマーのブロック化物は、イソシアネート単量体又はこれらのプレポリマーを公知の方法によりブロック剤と反応させることにより得られる。この反応に用いられるブロック剤としては、例えば、フェノール系、ラクタム系、活性メチレン系、活性メチレン系、アルコール系、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系、カルバミン酸塩系、イミン系、オキシム系、あるいは亜硫酸塩系等のブロック剤がいずれも使用されうるが、とりわけ、フェノール系、オキシム系、ラクタム系、イミン系等のブロック剤が有利に使用される。ブロック剤の具体例としては、次のものが挙げられる。
【0027】
フェノール系ブロック剤:フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、p−ヒドロキシジフェニル、t−ブチルエーテル、o−イソプロピルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−t−オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸エステル等。
【0028】
ラクタム系ブロック剤:ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロスオラクタム等。
【0029】
活性メチレン系ブロック剤:マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン等。
【0030】
アルコール系ブロック剤:メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジスチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、メトキシメタノール、グリコール酸、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル等のグリコール酸エステル、乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、エチレンクロルヒドリン、エチレンブロムヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、ω−ハイドロパーフルオロアルコール、アセトシアンヒドリン等。
【0031】
メルカプタン系ブロック剤:ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等。
【0032】
酸アミド系ブロック剤:アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミド等。
【0033】
イミド系ブロック剤:コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミド等。
【0034】
アミン系ブロック剤:ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、n−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミン等。
【0035】
イミダゾール系ブロック剤:イミダゾール、2−イミダゾール等。
【0036】
尿素系ブロック剤:尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニル尿素等。
【0037】
カルバミン酸塩系ブロック剤:n−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドン等。
【0038】
イミン系ブロック剤:エチレンイミン、プロピレンイミン等。
【0039】
オキシム系ブロック剤:ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシム等。
【0040】
亜硫酸塩系ブロック剤:重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリ等。
【0041】
本発明では、ポリオール成分に、さらに(ハ)2級の水酸基を少なくとも1個有するエポキシ樹脂又はその付加物を加えることで、さらに良好な特性が得られる。2級の水酸基を少なくとも1個有するエポキシ樹脂にラクトン化合物又はアルキレンオキサイドを付加させたものとしては、下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂にラクトン化合物又はアルキレンオキサイドを公知の手段により付加させたものが挙げられる。
【0042】
【化1】
Figure 2004176114
【0043】
(式中、Xはハロゲンで置換されていてもよいフェニレン基又はシクロヘキシレン基をあらわし、nは0.5〜12である)
ラクトン化合物又はアルキレンオキサイドの付加量は、該エポキシ樹脂約95〜60質量部に対して約5〜40質量部程度である。特に、該エポキシ樹脂約90〜70質量部に対してラクトン化合物またはアルキレンオキサイドは約10〜30質量部が好ましい。
【0044】
上記一般式で表されるエポキシ樹脂の中で、Xがp−フェニレン基のもので、nは2〜9のものが好ましい。ハロゲンとしては、例えば、臭素、塩素等が挙げられる。この置換基の数は通常、1〜3程度で、その位置はフェニレン基もしくはシクロヘキシレン基のいずれの位置でもよい。
【0045】
ラクトン化合物としては、例えば、β−プロピオンラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられるが、これらのなかで、特にε−カプロラクトンが好ましい。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、グリシジルメタクリレート、エピクロルヒドリン等が挙げられるが、特にエチレンオキサイドが好ましい。
【0046】
2級の水酸基を少なくとも1個有するエポキシ樹脂もしくはエポキシ樹脂にラクトン化合物又はアルキレンオキサイドを付加させた物の配合割合は、ポリオール成分中、約10〜70質量%の割合であるが、特に約10〜60質量%の範囲で用いるのが好ましい。配合割合が10質量%未満では耐薬品性が悪くなることがある。また、70質量%を超えると硬度が非常に低下し、プレス成型時に傷つきやすくなることがある。
【0047】
本発明に用いられる成膜性樹脂原料は、前述のポリオール(イ)、(ハ)とブロック化物(ロ)であり、ポリオールとブロック化物の配合割合はOH基/再生NCO基の当量比が約1/2〜2/1、特に1/1.2〜1/0.8が好ましい。
【0048】
次に、導電性顔料について述べる。
【0049】
有機皮膜中に金属、金属元素の合金又は金属元素の導電性化合物の導電性顔料を添加することで、有機皮膜被覆鋼板に電気抵抗溶接性や耐食性の向上等の機能を付与することができる。含有量としては、有機皮膜層の全固形分100容量%に対して、1〜50容量%、好ましくは3〜40容量%である。1容量%未満では十分な溶接性が得られず、50容量%超では加工時における皮膜の追従性が低下する恐れがある。
【0050】
導電性顔料を構成する金属、金属元素の合金又は金属間化合物の粒子は、例えば、固体の粉砕や、溶融物を気相や水相に噴出する等の公知の方法で粒子化したものを用いて良い。粒子は、例えば、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Ir、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn等の金属や、Mg、Al、Si、P、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te等の合金または金属間化合物を用いることができる。
【0051】
前述の金属、金属元素の合金又は金属間化合物の粒子のうち、工業的に比較的安価かつ安定的に入手できるものとして、Mg、Al、Si、Cr、Fe、Ni、Zn、Sn、Zn−Al合金、Zn−Al−Mg合金、Zn−Al−Mg−Si合金、Zn−Fe合金、Zn−Cr合金、Zn−Ni合金、Fe−Ni合金、Fe−Cr合金、ステンレス鋼、フェロシリコン、リン化鉄等が挙げられる。特に、ステンレス鋼、Zn、Al、Ni、フェロシリコン、リン化鉄の1種以上を用いることで好ましい結果が得られる。
【0052】
前述の粒子には、その粒径が有機皮膜の平均膜厚に対して5倍以下のもの含まれることが好ましい。さらに好ましくは粒径が有機皮膜の平均膜厚に対して2倍以下のものが良い。塗工時に、有機皮膜に粒子を有効に転写するため、及び有機皮膜の原料塗料中における粒子の沈降・分離を防止するためである。
【0053】
塗装鋼板のさらなる高耐食性を実現するには、前述の粒子において、フェロシリコンを必須成分とするのが望ましい。その効果は、腐食環境においてSiを含有する保護皮膜が形成される為と考えられる。本発明においては、特にSiが40質量%以上のフェロシリコンを用いることが好ましい。具体的にはSiが75質量%〜80質量%のJIS2号フェロシリコン、Siが45質量%〜50質量%のJIS3号フェロシリコン等を導電性粒子として用いることで導電性を確保できると同時に、飛躍的に耐食性が向上する。
【0054】
有機皮膜中に防錆顔料を添加することで、さらに耐食性を向上させることができる。添加量としては、有機皮膜層の全固形分100容量%に対して、1〜40容量%、好ましくは3〜30容量%である。1容量%未満では十分な防錆力が得られず、40容量%超では、皮膜形成有機樹脂の比率が下がり、皮膜の凝集力が低下する恐れがある。
【0055】
防錆顔料は、例えば、ストロンチウムクロメート、カルシウムクロメートのような6価Cr酸塩等の公知の防錆顔料を用いることができる。防錆顔料として、6価Cr化合物の使用を回避したい場合は、ケイ酸イオン、リン酸イオン、バナジン酸イオンのうち一種類以上を放出するもの等を用いることができる。有機皮膜の防錆力を発揮させるためには、有機皮膜層中にリン酸イオンとバナジン酸イオンが共存することが好ましく、リン酸イオン及びバナジン酸イオンがそのまま存在しても、水及び酸素の存在する環境下でリン酸イオンとバナジン酸イオンを放出する物質を含んでもよい。
【0056】
リン酸イオンは水溶液中において単独で存在することが少なく、種々の形態、例えば縮合体として存在する。防錆顔料に用いられるリン化物は、オルトリン酸、縮合リン酸、種々の金属のオルトリン酸塩又は縮合リン酸塩、五酸化リン、リン酸塩鉱物、市販の複合リン酸塩顔料、又はこれらの混合物が挙げられる。ここで言うオルトリン酸塩の中には、その一水素塩(HPO 2−)の塩、二水素塩(HPO )も含むものとする。また、縮合リン酸塩の中にも水素塩を含むものとする。さらに、縮合リン酸塩にはメタリン酸塩も含み、通常のポリリン酸塩、ポリメタリン酸塩も含むものとする。リン化合物の具体例としては、モネタイト、トルフィル石、ウィトロック石、ゼノタイム、スターコライト、ストルーブ石、ラン鉄鉱石等のリン酸塩鉱物や、ポリリン酸シリカ等の市販の複合リン酸塩顔料や、ピロリン酸、メタリン酸等の複合リン酸や、メタリン酸塩、テトラメタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩、酸性ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩等の複合リン酸塩、あるいは、これらの混合物が挙げられる。
【0057】
リン酸塩を形成する金属種は、特に限定するものでなく、アルカリ金属、アルカリ土類金属、その他の典型元素の金属種及び遷移金属が挙げられる。好ましい金属種の例としては、Mg、Ca、Sr、V、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Pb、Sn等が挙げられる。この他にバナジル、チタニル、ジルコニル等、オキソカチオンも含まれる。これらの中で、特に好ましいのは、Ca、Mgである。アルカリ金属の多量の使用は好ましくない。アルカリ金属のリン酸塩を用いた場合、焼成生成物が水に溶解しすぎる傾向にある。しかしながら、アルカリ金属のリン酸塩を用いた場合において、水への溶解性の制御を防錆剤製造時あるいはその他の時点で実施できれば使用しても良い。そのような制御は、例えば、水への溶解性の防止の為のマトリクス材(特に、ガラス状物質)の使用、あるいはコーティング等種々の態様が挙げられる。
【0058】
防錆顔料に用いるバナジウム化合物は、バナジウムの原子価が0、2、3、4又は5のいずれか、又はこれらの2種以上の原子価を有する化合物であり、これらの酸化物、水酸化物、種々の金属の酸素酸塩、バナジル化合物、ハロゲン化物、硫酸塩、金属粉等が挙げられる。これらは、加熱時又は水の存在下で分解して、酸素と反応し高級化する。例えば、バナジウムの金属粉又は2価の化合物は、最終的に3、4、5価のいずれかの化合物に変化する。5価のバナジウム化合物を1つの成分として含むものが好ましい。0価のバナジウム金属粉は、上記の理由で使用可能であるが、酸化反応が不十分等の問題があるので実用上好ましくない。5価のバナジウム化合物は、バナジン酸イオンを有し、リン酸イオンと加熱反応し、ヘテロポリマーを作りやすい。バナジウム化合物の具体例としては、酸化バナジウム(II)、水酸化バナジウム(II)等のバナジウム(II)化合物、酸化バナジウム等のバナジウム(III)化合物、酸化バナジウム(IV)、ハロゲン化バナジル等のバナジウム(IV)化合物、酸化バナジウム(V)等のバナジウム(V)化合物、バナジン酸塩種々の金属のオルトバナジン酸塩、メタバナジン酸塩又はピロバナジン酸塩等のバナジウム(V)化合物、ハロゲン化バナジル等、又はこれらの混合物が挙げられる。バナジン酸塩の金属種は、リン酸塩で示したものと同じ物が挙げられる。これはバナジウムの酸化物と種々の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩等とを600℃以上に焼成して作っても良い。この場合もアルカリ金属は溶解性の故にあまり好ましくないが、リン酸塩において説明した適当な処理をして溶解性を制御すれば、これらの使用も差し支えない。また、ハロゲン化物、硫酸塩も同様である。配合するリン酸イオン源とバナジン酸イオン源との比は、PとVのモル比に換算して1:3〜100:1とするのが好ましい。
【0059】
本発明の有機皮膜層における膜厚は、1μm以上20μm以下が好ましい。1μm未満では、いかに下地処理皮膜と組み合わせても防錆効果に対する寄与が十分ではなく、20μm以上では効果が飽和し不経済となるし、溶接性にも悪影響を及ぼし始める。安定した耐食性、加工性、溶接性を得るためにより好ましくは5μm以上15μm以下である。
【0060】
また、有機皮膜層における導電性顔料及び/又は防錆顔料の配合量は、有機皮膜層の全固形分100容量%に対して、あわせて5〜70容量%、好ましくは20〜60容量%である。5容量%未満だと、先に述べた添加効果が十分発現されず、70容量%を超えると、硬化後の皮膜の凝集力が低下し、十分な皮膜強度が得られない恐れがある。
本発明では、Sn又はSn系合金めっき被覆層と導電性顔料を含有する有機皮膜との間に、さらに下地処理皮膜を施しても良い。これにより、良好な密着性を得ると共にさらに良好な耐食性を得ることができる。下地処理皮膜としては、例えば、クロメート皮膜等があり、耐食性、溶接性、塗装後耐食性等の特性に影響する。クロメート皮膜は、耐食性と塗装性に優れたものでこれまで多用されてきたが、6価Crは環境への負荷が大きいため、近年はこれを代替する後処理皮膜も多く提案されている。本発明においては、これらの後処理皮膜を適用することも可能である。後処理皮膜としては、3価Cr皮膜やノンクロメート皮膜が好ましく、例えば電解により形成する方法、反応を利用して形成する方法、塗布により形成する方法等がある。
【0061】
下地処理層としては、公知の6価クロム酸を主成分とし、微粒シリカやシランカップリング剤等を必要に応じて添加した水溶液の塗布・乾燥で得られる皮膜、6価クロム酸を主成分とし、微粒シリカやシランカップリング剤等を必要に応じて添加した水溶液とめっき表面とを接触して下地処理層を成膜した上で洗浄・乾燥して得られる皮膜、3価クロム酸を主成分として6価クロム酸を含有しない水溶液に、必要に応じて微粒シリカやシランカップリング剤等を添加した水溶液の塗布・乾燥で得られる皮膜、クロム酸水溶液中での電解によりめっき表面に3価クロムを主成分とする皮膜を析出後に洗浄・乾燥して得られる皮膜、Zn、Ni、Fe等のリン酸塩をめっき面に析出して得られる皮膜、等の内、いずれかひとつ又は複数の方法の組合せにて形成する皮膜を用いて良い。さらに、水性樹脂を主成分とし、微粒シリカ、シランカップリング剤、リン酸、タンニン、タンニン酸のうち少なくとも1種類を含有する水溶液をめっき表面に塗布・乾燥して形成する皮膜を用いても良い。6価Crの使用を回避したい場合には、3価Cr、各種金属のリン酸塩、又は水性樹脂により形成される皮膜を下地処理層として用いればよい。
【0062】
下地処理層の水性樹脂としては、水溶性樹脂のほか、本来水不溶性でありながらエマルジョンやサスペンジョンのように水中に微分散された状態になりうる樹脂を含めて言う。このような水性樹脂として使用できるものは、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリルオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、その他の熱硬化型樹脂が挙げられ、架橋可能な樹脂が望ましい。特に好ましい樹脂は、アクリルオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール樹脂、およびそれらの混合樹脂である。これらの水性樹脂の2種類以上を混合あるいは重合して使用しても良い。
【0063】
シランカップリング剤は、有機樹脂の存在下で、Sn又はSn系合金めっき層と有機皮膜の両者と強固に結合し、皮膜の密着性を飛躍的に向上させ、ひいては耐食性を向上させる。シランカップリング剤としては、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等を挙げることができる。
【0064】
シランカップリング剤を水性樹脂による下地処理層に用いる際の含有量は固形分換算で、水性樹脂100質量部に対して、0.1〜3000質量部であることが望ましい。0.1質量部未満ではシランカップリング剤の量が不十分であるため、加工時に十分な密着性が得られず耐食性が劣る。3000質量部を越えると密着性向上効果が飽和するため不経済である。
【0065】
また、表面をエッチングして密着性をさらに良好化するため、及びシランカップリング剤の安定化のために、リン酸を適量添加するのが好ましい。添加量は、固形分換算で、水性樹脂100質量部に対して、0.1〜3000質量部であることが望ましい。0.1質量部未満ではリン酸の量が不十分であるため、加工時に十分な密着性が得られず耐食性が劣る。3000質量部を越えると密着性向上効果が飽和するため不経済である。
【0066】
水性樹脂による下地処理層のタンニン又はタンニン酸の役割は、Sn又はSn系合金めっき層と強固に反応して密着することと、一方で水性樹脂とも密着することにある。タンニン又はタンニン酸と密着した水性樹脂は、その上に塗装される樹脂と強固に密着し、その結果として、めっき層と皮膜が従来から使用されてきたクロメート処理を使用せずとも強固に密着するようになるものと考えられる。また、タンニンやタンニン酸そのものが水性樹脂を仲立ちとせずにめっき鋼板と皮膜の結合に関与している部分も存在するものと考えられる。
【0067】
タンニンやタンニン酸は、水性樹脂の存在下で、Sn又はSn系合金めっき層と皮膜の両者と強固に結合し、皮膜の密着性を飛躍的に向上させ、ひいては耐食性を向上させる。タンニン又はタンニン酸としては、加水分解できるタンニンでも縮合タンニンでもよく、これらの一部が分解されたものでも良い。タンニンやタンニン酸としては、ハマメタタンニン、五倍子タンニン、没食子タンニン、ミロバロンのタンニン、ジビジビのタンニン、アルガロビラのタンニン、バロニアのタンニン、カテキン等が挙げられるが、特に限定するものではなく、市販のもの、例えば「タンニン酸:AL」(富士化学工業製)等を使用することができる。
【0068】
タンニンやタンニン酸の含有量は、樹脂100質量部に対して、0.2〜50質量部がよい。タンニンやタンニン酸の含有量が、0.2質量部未満ではこれらを添加した効果がみられず、皮膜密着性や加工部の耐食性が不十分である。一方、50質量部を越えると逆に耐食性が低下したり、処理液を長期間貯蔵しておくとゲル化したりして、問題がある。
【0069】
さらに、微粒シリカを添加すると耐擦り傷性、皮膜密着性、耐食性が向上する。本発明において、微粒シリカとは、微細な粒径をもつために水中に分散させた場合に安定に水分散状態を維持でき、半永久的に沈降が認められないような特色を有するシリカを総称していうものである。このような微粒シリカとしては、ナトリウム等の不純物が少なく、弱アルカリ系のものであれば、特に限定されない。例えば、「スノーテックスN」(日産化学工業社製)、「アデライトAT−20N」(旭電化工業社製)等の市販のシリカ等を用いることができる。
【0070】
微粒シリカの含有量は、固形分換算で、水性樹脂100質量部に対して1〜2000質量部、さらに好ましくは10〜400質量部である。1質量部未満では添加した効果が少なく、2000質量部を越えると耐食性向上の効果が飽和して不経済である。
【0071】
また、エッチング性フッ化物を添加すると皮膜密着性が向上される。ここで、エッチング性フッ化物としては、フッ化亜鉛四水和物、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛六水和物等を使用することができる。エッチング性フッ化物の含有量は、固形分換算で、水性樹脂100質量部に対して1〜1000質量部であることが好ましい。1質量部未満では添加の効果が少なく、1000質量部を越えるとエッチングの効果が飽和して皮膜密着性が改善されないので不経済である。
【0072】
また、必要に応じて界面活性剤、防錆抑制剤、発泡剤等を添加しても良い。
【0073】
下地処理層の乾燥後の付着量は、10〜1000mg/mが好適である。10mg/m未満では、密着性が劣り、加工部の耐食性が不十分となる恐れがある。一方、1000mg/mを越えると、不経済であるばかりか、溶接性の低下が生じる恐れがある。
【0074】
下地処理皮膜や導電性顔料を含有する有機皮膜の塗布方法は、特別限定するものではなく、一般に公知の塗装方法、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、エアースプレー、エアーレススプレー、静電塗装、浸漬等が適用できる。塗布後の乾燥・焼き付けは熱風炉、誘導加熱炉、近赤外線炉、等公知の方法あるいはこれらを組み合わせた方法で行えばよい。また、使用する水性樹脂の種類によっては紫外線や電子線等によって硬化させることもできる。あるいは強制乾燥を用いずに自然乾燥してもよいし、めっき鋼板を予め加熱しておいて、その上に塗布して自然乾燥してもよい。
【0075】
さらに、本発明の鋼板を実際に使用する際、通常の製造プロセスにおいては、成形後、シーム、スポット等の抵抗溶接を行った後使用されるため、溶接後補修塗装を施すことにより高い信頼性を得ることができる。使用する補修塗料は市販のもので良く、有機皮膜との密着性が良く水分等の腐食因子の浸透を抑制できるものであれば良い。本発明の鋼板はこのような補修塗装を行っても従来技術に後塗装を施した場合に比べ十分に低いコストで製造することが可能である。
【0076】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0077】
表1に示す成分の鋼を通常の転炉−真空脱ガス処理により溶製し、鋼片とした後、通常の条件で熱間圧延、冷延を行い、冷延鋼板(板厚0.8mm)を得た。これを材料として、溶融Snめっき又はSn系合金めっきを行った。溶融めっきは、ゼンジマー方式もしくはフラックス方式のラインを使用して実施した。ゼンジマー方式の場合焼鈍はライン内で行った。焼鈍温度は800〜850℃とした。めっき後ガスワイピング法でめっき付着量を調節した。この際のめっき温度は、めっき組成によって異なり、めっき組成の融点+40℃とした。
【0078】
【表1】
Figure 2004176114
【0079】
こうして製造したSn又はSn系合金めっき鋼板に、表8に示す組成の下地処理皮膜をロールコーターにより両面に所定の付着量塗布し、200℃の温風にて焼付乾燥を行った。そして、更に表2〜7に示す組成の導電性顔料を含有する有機皮膜をロールコーターにより両面もしくは片面(外面側)に所定の付着量塗布し、250℃の温風にて焼き付け乾燥を行った。表9〜12に防錆鋼板の仕様を示す。
【0080】
【表2】
Figure 2004176114
【0081】
【表3】
Figure 2004176114
【0082】
【表4】
Figure 2004176114
【0083】
【表5】
Figure 2004176114
【0084】
【表6】
Figure 2004176114
【0085】
【表7】
Figure 2004176114
【0086】
【表8】
Figure 2004176114
【0087】
こうして製造した鋼板の燃料タンクとしての適性を下記に示す方法により評価した。
(1) 耐食性評価
(a) 外面耐食性
塗装後の鋼板を塗装面が外側になるように円筒カップ絞り成形した後にサイクル腐食試験を行った。円筒カップ絞りは、ポンチ径50mm、しわ抑え圧9.8kNで、防錆油を塗布後に1時間〜1時間30分立てかけ静置した後、絞り比2.0で絞り成型した。
【0088】
サイクル腐食試験は、塩水噴霧2時間、乾燥4時間、湿潤2時間の合計8時間を1サイクルとして実施した。塩水噴霧の条件は、JIS−K5400にしたがった。乾燥条件は、温度50℃、湿度30%RH以下、湿潤条件は、温度35℃、湿度95%RH以上である。
【0089】
耐食性の評価は以下である。
【0090】
評点4+:300サイクル後も、鋼板の板厚減少を示す赤錆が発生せず、めっき層の腐食を示す白錆がサンプルを覆う面積率が全体の5%未満の場合
評点4:300サイクル後も、鋼板の板厚減少を示す赤錆が発生せず、めっき層の腐食を示す白錆がサンプルを覆う面積率が全体の5%以上50%未満の場合
評点3:300サイクル後も鋼板の板厚減少を示す赤錆が発生しない場合
評点2:100サイクル後には赤錆が見られず300サイクルで赤錆が見られる場合
評点1:100サイクルで赤錆が見られる場合
(b) 内面耐食性
ガソリンに対する耐食性を評価した。方法は油圧成型試験機によりフランジ幅20mm、直径50mm、深さ25mmの平底円筒深絞りした試料に、試験液を入れて、シリコンゴム製リングを介してガラスで蓋をした。この試験後の腐食状況を目視観察した。
【0091】
(試験条件)
試験液:ガソリン+蒸留水10%+ギ酸200ppm
試験期間:40℃で3ヶ月放置
(評価基準)
評点4:変化無し
評点3:白錆発生1%以下
評点2:赤錆発生5%以下、又は白錆発生1%〜50%
評点1:赤錆発生5%超又は白錆顕著
(2)プレス加工性評価
油圧成型試験機により、直径50mmの円筒ポンチを用いて、絞り比2.3で成形試験を行った。このときのしわ抑え圧4.9kNで行い、成形性の評価は次の指標によった。
【0092】
評点4:成形可能で、めっき層の欠陥なし。有機皮膜の状態は加工部にツヤひけ等みられず全く正常。
【0093】
評点3:成形可能で、めっき層にわずかに疵発生。有機皮膜の加工部に色調変化見られるものの亀裂や剥離は見られない。
【0094】
評点2:成形可能で、めっき層に大きな疵発生、有機皮膜に割れが認められるもの。
【0095】
評点1:成形不可。
(3)溶接性評価
溶接性は、スポット溶接連続打点性とシーム溶接性により評価した。
【0096】
(a) スポット溶接
先端径6mm−R40のCr−Cu電極を用い、溶接電流10kA、加圧力1.96kN、溶接時間12サイクルでスポット溶接を行い、ナゲット径が4√tを切った時点までの連続打点数を評価した。
【0097】
評点4:連続打点500点超
評点3:連続打点300〜500点未満
評点2:連続打点100〜300点未満
評点1:連続打点100点未満
(b) シーム溶接
先端R6mm−φ250mmの電極輪を用い、溶接電流11kA、加圧力4.9kN、通電2on−1offで10mのシーム溶接を行った後、JIS−Z−3141に示す試験片を作製し、漏れ試験を実施した。
【0098】
評点4:漏れ無し
評点3:漏れ無いが、溶接部表面がやや荒れているもの
評点2:漏れ無いが、溶接部表面に割れ等の欠陥が発生しているもの
評点1:漏れ発生
【0099】
【表9】
Figure 2004176114
【0100】
【表10】
Figure 2004176114
【0101】
【表11】
Figure 2004176114
【0102】
【表12】
Figure 2004176114
【0103】
【表13】
Figure 2004176114
【0104】
【表14】
Figure 2004176114
【0105】
評価結果は表13〜14に示すとおりで、本発明の実施例は、耐食性試験、加工性試験、溶接性試験のいずれにおいても評点3以上を示した。また、実施例の構成によっては、評点4とより良好な性能を示している。特に、有機皮膜として(イ)官能基数が少なくとも3のポリエステルポリオール、(ロ)有機ポリイソシアネートのブロック化物又は有機ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応により得られる末端にNCO基を有するプレポリマーのブロック化物に、さらに(ハ)2級の水酸基を少なくとも1個有するエポキシ樹脂又はその付加物を加えた成膜性樹脂原料を用いた系、及び、導電性顔料としてフェロシリコンを用いた系では、良好な外面耐食性を示した。また、内面側に導電性顔料を含有した有機皮膜が無く下地処理皮膜のみでも良好な特性を示した。
【0106】
表14の比較例1〜12は、本発明の範囲を外れた塗装鋼板の例を記した。比較例1,2は、導電性顔料と防清剤の量が多すぎるため、加工性が低下し、それに伴って耐食性が低下している。比較例3は、皮膜厚みが厚すぎるため溶接性が悪い。比較例4は、皮膜厚みが薄すぎるため加工性、耐食性が悪い。比較例5,6,7,8,9は、皮膜中に導電性顔料が無いため溶接性が悪い。比較例10は、Zn系のめっきを使用しており、内面耐食性がやや悪い。比較例11,12は、Zn系のめっきを使用しており、しかも下地処理皮膜が無いため、加工性が悪く、それに伴って耐食性も低下している。
【0107】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の構成によって、自動車の燃料タンク用素材として優れた耐食性を有し、かつ良好な抵抗溶接性とプレス成形性を兼備する防錆鋼板を提供できる。

Claims (8)

  1. 鋼板の両面にSn又はSn系合金のめっき被覆層、該めっき被覆層の少なくとも片面に導電性顔料を含有する厚み1.0〜20μmの有機皮膜を少なくとも有することを特徴とする高耐食性燃料タンク用防錆鋼板。
  2. 前記有機皮膜中の導電性顔料の含有率が固形分換算で5〜50容量%である請求項1記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板。
  3. 前記有機皮膜中に、さらに防錆顔料を固形分換算で1〜40容量%含有し、かつ、導電性顔料と防錆顔料の含有量の和が固形分換算で5〜70容量%である請求項2記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板。
  4. 前記導電性顔料が、ステンレス粉末、Zn、Al、Ni、フェロシリコン、リン化鉄の内の1種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の高耐食性燃料タンク防錆鋼鈑。
  5. 前記有機皮膜を構成する有機樹脂が、ウレタン結合を有する樹脂を主成分とし、該樹脂が、(イ)官能基数が少なくとも3のポリエステルポリオール、(ロ)有機ポリイソシアネートのブロック化物又は有機ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応により得られる末端にNCO基を有するプレポリマーのブロック化物、を含む成膜性樹脂原料から得られた有機樹脂である請求項1記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板。
  6. 前記有機樹脂が、さらに(ハ)2級の水酸基を少なくとも1個有するエポキシ樹脂又はその付加物、を含む成膜性樹脂原料から得られた有機樹脂である請求項5記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板。
  7. 前記有機皮膜と前記めっき被覆層の間に、下地処理皮膜を有する請求項1記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板。
  8. 前記下地処理皮膜の付着量が10〜1000mg/mである請求項7記載の高耐食性燃料タンク用防錆鋼板。
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