JP2004174993A - ガスバリア性蒸着フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる蒸着薄膜層と、厚さ10〜500nmの有機化合物からなる蒸着薄膜層を順次積層して設ける。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品や非食品及び医薬品などの包装分野に用いられる包装材料、特に透明性とガスバリア性に優れる蒸着フィルムであって、しかもそれに対して施される後加工において種々のストレスが加えられたとしても、その蒸着薄膜にクラック等の損傷を生じることがなく、本来の透明性やガスバリア性が損われることがないようにしたガスバリア性蒸着フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、食品や非食品及び医薬品などの包装に用いられる包装材料は、収納される内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するため、酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体(ガス)による影響を阻止する機能を具備している必要があり、これらの気体を遮断するガスバリア性を備えていることが求められている。
【0003】
そのため、塩化ビニリデン樹脂をコートしたポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート(KPET)、或いはエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)など、一般的にガスバリア性が比較的高いと言われる高分子樹脂組成物をガスバリア材として用いた包装材料や、アルミニウムなどの金属からなる蒸着薄膜を有する蒸着フィルムやそれらの金属箔をガスバリア層として用いた包装材料が従来から一般的に用いられてきている。
【0004】
ところが、上述の高分子樹脂組成物をガスバリア材として用いた包装材料は、温度や湿度の影響を受けやすく、それらの変化によってガスバリア性が劣化することがあり問題があった。またアルミニウムなどの金属からなる金属箔をガスバリア層として用いた包装材料は、温度や湿度の影響を受けることが少なく、ガスバリア性には優れているが、不透明で、しかも使用後の廃棄の際には不燃物として処理しなければならず、また検査の際に金属探知器が使用できないなど、種々の欠点を有しており問題があった。
【0005】
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、例えば、特許文献1や特許文献2などに記載されているような、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの無機酸化物からなる蒸着薄膜を真空蒸着法やスパッタリング法などの薄膜形成手段により高分子フィルム上に設けた蒸着フィルムが開発されている。これらの蒸着フィルムは透明性及び酸素、水蒸気などに対するガスバリア性を有していることが知られ、金属箔を有するガスバリア性フィルムでは得ることのできない透明性とガスバリア性の両方を有する包装材料として好適とされている。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第3442686号明細書
【特許文献2】
特公昭63−28017号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、包装容器や包装袋などの一般的な包装体は、上述したような構成の蒸着フィルム単体で作製されることはほとんどなく、その表面に文字・絵柄等を印刷したり、他のフィルムなどを貼り合わせ、更には包装体の形状に成形したりと、種々の工程を経て作製されている。そのため、種々の包装体へ汎用的に利用できる構成とするためには、蒸着フィルム特有の透明性やガスバリア性を有していると共に、印刷やフィルムの貼り合わせなどの後加工に対する後加工適性をも有しているいることが必要とされている。
【0008】
ところが、透明性やガスバリア性を有する上述の蒸着フィルムを用いて包装体を作製すべく、蒸着フィルムの後工程としてその蒸着面に印刷インキにより直接絵柄を施してみたところ、印刷後の乾燥工程における印刷インキの収縮が蒸着薄膜に伝わり、蒸着薄膜にクラックなどの損傷を発生せしめ、その部分におけるガスバリア性が低下することが判明した。
【0009】
すなわち、上述したようなガスバリア性蒸着フィルムとしては、内容物自体を直視することが可能なだけの透明性と、内容物に対して影響を与える気体などを遮断する高いガスバリア性とを共に保持しているだけでなく、後加工時に物理的・機械的ストレスが加わった際にも上述したような特性を低下させないような特性も有することが強く求められているのである。しかし、現在のところこれら全てを満たす包装材料は見いだされていない。
【0010】
本発明は以上のような状況に鑑みなされたものであり、その課題とするところは、透明性に優れ、高いガスバリア性を有すると共に、後加工時に外部からストレスが加わった場合においてもその優れたガスバリア性を低下させることのないようにした、極めて実用性の高いガスバリア性蒸着フィルムの提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成すべくなされ、請求項1に記載の発明は、プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる蒸着薄膜層と、厚さ10〜500nmの有機化合物からなる蒸着薄膜層が順次積層されて設けられていることを特徴とするガスバリア性蒸着フィルムである。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載のガスバリア性蒸着フィルムにおいて、前記無機酸化物が、酸化珪素または酸化アルミニウム、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物であることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載のガスバリア性蒸着フィルムにおいて、前記有機化合物が、ポリ尿素、ポリイミド或いはそれらの混合物であることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のガスバリア性蒸着フィルムにおいて、前記有機化合物からなる蒸着薄膜層が、蒸着重合法により積層されたものであることを特徴とする。
【0015】
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のガスバリア性蒸着フィルムにおいて、前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層及び有機化合物からなる蒸着薄膜層が、同じ巻取り式蒸着機内にてインライン積層されたものであることを特徴とする。
【0016】
【作用】
本発明によれば、基材上に積層された無機酸化物からなる蒸着薄膜層上に更に寸法安定性と柔軟性に優れた有機化合物からなる蒸着薄膜層を積層した構成であるので、そこに印刷や製袋加工工程などの後加工において発生する種々のストレス、例えばインキ層乾燥に伴う収縮時のストレスや製袋シール時に加わる機械的ストレスなどを有機化合物からなる蒸着薄膜層で吸収・緩和することができ、無機酸化物からなる蒸着薄膜層にクラックなどの損傷を生じせしめることがなくなり、無機酸化物からなる蒸着薄膜層が発現するガスバリア性を低下させることがなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明のガスバリア性蒸着フィルムの概略の構成を示す断面説明図である。
【0018】
図1に示すガスバリア性蒸着フィルム10は、プラスチック材料からなる基材1の片面に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2と、有機化合物からなる蒸着薄膜層3が順次積層されて設けられている。
【0019】
基材1はプラスチック材料からなり、この上部に設けられる蒸着薄膜層の透明性を生かすために透明であることが好ましい。基材1の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどからなるポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどからなるポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、延伸されていても、未延伸であっても良いが、機械的強度や寸法安定性に優れるものが好ましい。この中で、二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましく用いられる。またこの基材1の無機酸化物からなる蒸着薄膜層2が設けられる面と反対側の表面には、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などを塗布して設けられる薄膜を形成しておいても良い。また、この薄膜との密着性を良くするために、基材の薄膜形成面側にコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などの前処理を施しておいても一向に構わない。
【0020】
基材1は、その厚さに特に制限はなく、また、包装材料としての適性を考慮して、その構成も単体フィルムのみからなる単層構成であっても、異なる性質の他のフィルムを積層した複層構成のものであっても良い。なお、厚さは、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2や有機化合物からなる蒸着薄膜層3を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましい。
【0021】
また、この基材1はシート状のものであっても巻き取り状のものであっても良いが、量産性を考慮すれば、連続的に前記各層を形成できる長尺の連続状フィルムとすることが望ましい。
【0022】
一方、この基材1の上に設けられる無機酸化物からなる蒸着薄膜層2は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化錫或いはそれらの混合物などからなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気などに対するガスバリア性を有するものであれば良い。その中では、ガスバリア性を考慮すると酸化アルミニウム及び酸化マグネシウム、酸化珪素からなる蒸着薄膜層がより好ましい。ただし、本発明に係る無機酸化物からなる蒸着薄膜層2の構成材料としては、上記した無機酸化物に限定されず、上記以外の無機酸化物であっても上記条件に適合するものであれば適宜選択可能である。
【0023】
無機酸化物からなる蒸着薄膜層2の厚さは、用いられる無機酸化物の種類・構成により最適条件が異なるが、5〜300nmの範囲内とし、この範囲内で適宜のものを選択すれば良い。
膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや所期のガスバリア性を発揮できない場合がある。また、膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的負荷が加わると薄膜に亀裂を生じる恐れがある。よって、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2の厚さは5〜300nmとする。その中でも、10〜100nmの範囲内の厚さが好適である。
【0024】
この無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を基材1上に形成する方法としては種々の方法が在るが、一般的には通常の真空蒸着法を採用すれば良い。その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを採用することもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかが好ましい。また、蒸着薄膜と基材の密着性及び蒸着薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着薄膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなどを吹き込んで行う反応蒸着を採用しても良い。
【0025】
他方、有機化合物からなる蒸着薄膜層3は、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2上に積層されて設けられるものである。この有機化合物からなる蒸着薄膜層3は、所謂後加工において蒸着フィルムに加わるストレスを吸収・緩和し、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2にクラックなどの損傷が生じないようにするために設ける層である。すなわち具体的には、後加工の印刷工程において蒸着フィルム上に施されたインキ層が乾燥する時の引張りや収縮などのストレスを吸収・緩和する目的のために、更には後加工の製袋工程において外部から蒸着フィルムに加わる機械的ストレスを吸収・緩和する目的等のために設けられるものである。
この薄膜層は、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2の厚さが5〜50nmと比較的薄い時には特に有効的に機能する。
【0026】
本発明者らは鋭意検討の結果、上記目的を達成するためには、この有機化合物からなる蒸着薄膜層3は寸法安定性及び柔軟性などの特性を有することが必要で、それを満足させるためには、それを構成する有機化合物として用いることができるのは、ポリ尿素及びポリアミド、ポリイミド、ポリアゾメチン単体或いはそれらの混合物であることを見出した。
その中では、ポリ尿素、ポリアミドがより好ましい。これらの有機材料は、結晶性の高い高分子なので通常のコーティング方法においては積層ができない。これらを積層するには、真空蒸着法の中の一種である蒸着重合法を用いなければならない。
【0027】
蒸着重合法とは、真空中においてお互いに反応性の高い2種以上のモノマー(重合させるために、ジイソシアネート化合物とジアミン化合物が必要である)を加熱蒸発させ、蒸着薄膜層を形成しようとする基材上に衝突させ、モノマーの表面移動により重合反応を起こし、有機化合物からなる蒸着薄膜層を前記基材上に得る方法で、官能基の組み合わせ及び用いるモノマーの構造を変化させることにより、多種多様な高分子薄膜の成膜を可能とする方法である。この蒸着方法を用いることにより、これまで成膜が不可であった結晶の高い高分子薄膜、例えばポリ尿素、ポリアミド、ポリイミド、ポリアジメチンなどの樹脂の成膜が可能になる。このようにして得られた薄膜層は、寸法安定性に優れると共に柔軟性に優れるので、機械的ストレスを十分吸収・緩和することができるようになり、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2上に設けることでその損傷を防ぐことができる。蒸着に際して用いられる重合原料であるジイソシアネート化合物及びジアミン化合物は、要求品質や積層しようとする下層の蒸着薄膜層2の種類によって適宜選択され得る。
【0028】
この有機化合物からなる蒸着薄膜層3の厚さは、用いられる有機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、10〜500nmの範囲内とする。膜厚が10nm未満であると均一な膜が得られないことや、機械的なストレスに対する吸収・緩和の機能を十分発揮することがでず、下層に位置する無機酸化物からなる蒸着薄膜層2におけるクラックなどの損傷の発生を防止することができず、本来のガスバリア性が劣化することになる。また膜厚が500nmを越える場合は厚すぎるために生産性やコスト的に難がある。より好ましくは、蒸着薄層の厚さが10〜100nmの範囲内にあることである。
【0029】
また、蒸着重合の装置としては、真空釜の中にニクロム線やハロゲンランプなどを加熱源とする蒸発源がモノマーごとにあり(2種であれば2個)、そのモノマーを所定の温度に加熱した後、膜厚モニターによって所望の組成になるようにコントロールしながら基材上に成膜させるようにした簡単なものである。このような装置を使用した、無機酸化物からなる蒸着薄膜層と有機化合物からなる蒸着薄膜層の積層方法としては、無機酸化物からなる蒸着薄膜層を真空蒸着法にて成膜後、別機にて有機化合物からなる蒸着薄膜層を蒸着重合法により積層する方法、2キャン方式の巻き取り式蒸着装置を用いて1キャン目で無機酸化物からなる蒸着薄膜層を、2キャン目で有機化合物からなる蒸着薄膜層をインラインにて積層する方法、1キャンの巻き取り式蒸着装置を用いて巻き出し側にて無機酸化物からなる蒸着薄膜層を、巻き取り側にて有機化合物からなる蒸着薄膜層をそれぞれインラインにて積層する方法などを用いることができる。この中では、生産性や経済性を考慮すると両方の薄膜をインラインにて積層することがより好ましい。
【0030】
本発明のガスバリア性蒸着フィルムにおいては、有機化合物からなる蒸着薄膜層3上に更に他の層を積層することも可能である。他の層とは、例えば印刷層やヒートシール層などである。印刷層は包装袋や包装容器として供するために形成されるものである。例えば、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系などのインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層である。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法などの周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコート等の周知の塗布方式を用いることができる。印刷層の乾燥厚さは0.1〜2.0μmで良い。
【0031】
またヒートシール層は、包装袋や包装容器などを作製する際の接着層としての役割を担わせるために設けられるものである。このヒートシール層の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物などの樹脂が用いることができる。
また、その厚さは目的・要求品質などに応じて異なるが、一般的には15〜200μmの範囲である。そして、このヒートシール層は、上記樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法や、上記樹脂を加熱溶融させカーテン上に押出し貼り合わせるエキストルーションラミネート法などの公知の方法により積層、形成することが可能である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明のガスバリア性蒸着フィルムを具体的な実施例を挙げて更に説明する。
【0033】
〈実施例1〉
まず基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。次に、電子線加熱方式による真空蒸着装置内に、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、前記基材の片面に、厚さ15nmの酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層を形成し、蒸着薄膜積層フィルムを得た。続いて、この蒸着薄膜積層フィルムの酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層上に、別機の蒸着重合装置により 厚さ20nmのポリ尿素からなる蒸着薄膜層3を更に積層し、実施例1に係るガスバリア性蒸着性フィルムを得た。
【0034】
〈実施例2〉
有機化合物からなる蒸着薄膜層を、ポリ尿素からなる蒸着薄膜の代わりに、厚さ40nmのポリアミド層とした以外は、実施例1と同様の条件にて、実施例2に係るガスバリア性蒸着フィルムを得た。
【0035】
〈実施例3〉
酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層とポリ尿素からなる蒸着薄膜層を、同じ蒸着機内にてインラインで積層した以外は、実施例1と同様の条件にて、実施例3に係るガスバリア性蒸着フィルムを得た。
【0036】
〈比較例1〉
有機化合物からなる蒸着薄膜層であるポリ尿素からなる蒸着薄膜を形成しなかった以外は、実施例1と同様の条件にて、比較例1に係る蒸着フィルムを得た。
【0037】
〈テスト〉
このようにして作製した実施例1〜3に係るガスバリア性蒸着フィルム及び比較例1に係る蒸着フィルムの蒸着薄膜層上にウレタン系印刷インキ4色(墨、紅、黄、白)を用いてグラビア印刷を行い、それぞれについて積層体を得た。評価として、各々について印刷前後の酸素透過率を酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、OXTRAN−10/50A)を用いて30℃−70%RHの雰囲気下で測定した(測定単位:cm3/m2/day)。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
各実施例に係るガスバリア性フィルムは、収納された内容物を直視することが可能なだけの透明性と、内容物の品質に対して悪影響を与える気体などを遮断する高いガスバリア性と、後加工時の物理的・機械的ストレスに対してガスバリアフィルムとしての機能を低下させることのない機械的強度を共に満足するものであった。
これに対し、比較例に係る蒸着フイルムは、包装材料として保持すべきとした上述の条件の全てを満足するものではなかった。
【0040】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のガスバリア性蒸着フィルムは、透明性及びガスバリア性に優れ、且つ後加工の印刷における印刷インキの収縮やヒートシール加工における機械的ストレスなどに対して、薄膜にクラック等の損傷が生じることがなく、無機酸化物からなる蒸着薄膜層が奏する透明性及びガスバリア性を十分に保持し続けることのできる実用性の高いガスバリア性蒸着フィルムである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリア性蒸着フィルムの概略の構成を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1・・プラスチック材料からなる基材
2・・無機酸化物からなる蒸着薄膜層
3・・有機化合物からなる蒸着薄膜層
10・ガスバリア性蒸着フィルム
Claims (5)
- プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる蒸着薄膜層と、厚さ10〜500nmの有機化合物からなる蒸着薄膜層が順次積層されて設けられていることを特徴とするガスバリア性蒸着フィルム。
- 前記無機酸化物が、酸化珪素または酸化アルミニウム、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性蒸着フィルム。
- 前記有機化合物が、ポリ尿素、ポリイミド或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2記載のガスバリア性蒸着フィルム。
- 前記有機化合物からなる蒸着薄膜層が、蒸着重合法により積層されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
- 前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層及び有機化合物からなる蒸着薄膜層が、同じ巻取り式蒸着機内にてインライン積層されてなるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
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Cited By (3)
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2002
- 2002-11-28 JP JP2002345573A patent/JP2004174993A/ja active Pending
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