JP2004174584A - 砂型、該砂型の製造方法、並びに該砂型を用いた鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】極低圧での複合化が可能となり、安価で且つ形状自由度に優れる軽合金複合部材の製造方法の提供。
【解決手段】複合化用予備成形体7を外嵌・保持させた第1の砂型部11と第2の砂型部12とが低通気度層13を介して接着された砂中子6を上下型1,2におけるキャビティ3内にセットし、溶湯を砂型1,2内に注入すると共に複合化用予備成形体7中に存在するエアをパイプ部材14を介して排出しつつ、溶湯を複合化用予備成形体7内に含浸、充填させて複合化する。
【選択図】 図1
【解決手段】複合化用予備成形体7を外嵌・保持させた第1の砂型部11と第2の砂型部12とが低通気度層13を介して接着された砂中子6を上下型1,2におけるキャビティ3内にセットし、溶湯を砂型1,2内に注入すると共に複合化用予備成形体7中に存在するエアをパイプ部材14を介して排出しつつ、溶湯を複合化用予備成形体7内に含浸、充填させて複合化する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばアルミニウム合金製シリンダブロックのシリンダボア部に金属多孔体を複合化するための砂型、該砂型の製造方法、並びに該砂型を用いた鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金製シリンダブロックにおけるピストン及びピストンリングが摺動するシリンダボア部には、耐摩耗性を確保するために鋳鉄製のライナ部材が鋳包み或いは圧入されている。
【0003】
しかしながら、鋳鉄製のライナ部材を鋳包み或いは圧入する方法ではシリンダブロックの軽量化やアルミニウム合金の高い熱伝導性を生かすことができない。
【0004】
シリンダブロックの軽量化が十分達成されないのは、ライナ部材自体が鋳鉄製であることによる重量増に加え、シリンダブロック本体側にライナ部材を保持するための鋳包み代、或いは圧入代が必要となるためシリンダボア間に厚みが必要となり、シリンダボア間のピッチを縮小させることができず、シリンダブロックのコンパクト化を阻害するためである。
【0005】
また、高い熱伝導性を生かしきれないのは、鋳包みや圧入は冶金的な接合ではなく機械的嵌合であり、シリンダブロック本体とライナ部材との間に熱伝達上のギャップが生じるためである。
【0006】
そこで、シリンダブロックの軽量化を促進し、高い熱伝導性を生かしてエンジン性能を向上させるために、鋳鉄製ライナ部材を廃したアルミニウム合金製シリンダブロックが開発され実用化されている。
【0007】
特に、アルミニウム合金母材に予備成形体を複合化することによって材料特性(主に耐摩耗性)を向上させる手法における当該予備成形体の材料として、セラミック短繊維(アルミナ短繊維等)やカーボン短繊維等が知られている。
【0008】
従来の複合化方法は、複合性(強化材への溶湯の含浸性)確保の点から、高圧鋳造法(溶湯鍛造法)や層流ダイキャストが採用されているが、高圧(数百kgf/cm2)を要するため設備や金型が高価であるといった経済性の面に加え、鋳型に砂型が使用できず崩壊性中子の使用に制約があるため、鋳抜きを利用した軽量化が困難である等の形状自由度の面にも課題を残している。
【0009】
砂型を用いた鋳造法(重力鋳造、低圧鋳造)をベースとした複合化手法として、溶射等により砂中子の表面の少なくとも一部を被覆金属にて被覆し、かくして被覆された砂中子を用いて鋳造を行ない、被覆金属を実質的にそのままの状態にて製品鋳物の表面部に残留させる所謂転写法と呼ばれる鋳造法があり、この手法をシリンダブロックのウォータジャケット部の耐食性向上に適用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)が、上記により形成された強化層が薄いため機械加工を前提としたシリンダボア部には適用が困難である上、別途中子への溶射設備が必要となる点で不経済である。
【0010】
尚、高圧鋳造法へ適用可能な崩壊性中子は種々提案されているが(例えば、特許文献2参照)、本願発明のような”低通気度層”が介在されるものではなく、複合化に必要な部位のみの実質的な溶湯圧力を有効に上昇させるという効果を得ることはできない。また、高圧鋳造法を前提とするものであるため、砂中子表面部には溶湯の差し込みを防止する差し込み防止層(例えば、塗型層)を設ける必要があり、本願発明のように、予備成形体内に存在するエアを砂中子(砂型部)を介して排出することは困難である。従って、砂型を用いた極低圧での複合化は困難である。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−245615号公報
【特許文献2】
特開2002−96141号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、例えば、鋳鉄ライナを廃したアルミニウム合金製シリンダブロックを製造する際に、強化材複合化という手法を選択すると、鋳造方法が高圧鋳造法等の金型を用いた鋳造法に限定されてしまい、経済性や形状自由度に優れる砂型を用いた鋳造法が選択できないという課題がある。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、極低圧での複合化が可能となり、安価で且つ形状自由度に優れる砂型、該砂型の製造方法、並びに該砂型を用いた鋳造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明の砂型は、溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を保持し、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する第1の砂型部と、前記第1の砂型部に密着して配置される第2の砂型部とを備え、前記第1の砂型部と第2の砂型部とが密着する部分に、前記第2の砂型部よりも通気度が低い低通気度層を介在させた。
【0015】
また、好ましくは、前記低通気度層は、前記第1の砂型部と第2の砂型部とを接着させる。
【0016】
また、好ましくは、前記第1の砂型部の気孔の平均径を0.07mm以下とした。
【0017】
また、本発明は、溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を保持し、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する第1の砂型部と、前記第1の砂型部に密着して配置される第2の砂型部とを備え、前記第1の砂型部と第2の砂型部とが密着する部分に、前記第2の砂型部よりも通気度が低い低通気度層を介在させた砂型の製造方法であって、一端部が当該第1の砂型部内に連通し他端部が前記第2の砂型部側に延びるようにパイプ部材を設置して前記第1の砂型部を成形し、前記パイプ部材を挿入する孔部が形成されるように前記第2の砂型部を成形し、前記第2の砂型部に形成した孔部に前記パイプ部材を挿入することにより前記第1の砂型部と前記第2の砂型部とを位置決めする。
【0018】
また、本発明は、溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を保持し、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する第1の砂型部と、前記第1の砂型部に密着して配置される第2の砂型部とを備え、前記第1の砂型部と第2の砂型部とが密着する部分に、前記第2の砂型部よりも通気度が低い低通気度層を介在させた砂型を用いた鋳造方法であって、前記予備成形体を保持した第1の砂型部と第2の砂型部とからなる砂型を型内にセットし、前記溶湯を前記型内に注入すると共に前記予備成形体中に存在するエアを前記第1の砂型部を介して排出しつつ、当該溶湯を当該予備成形体内に含浸、充填させて複合化する。
【0019】
また、好ましくは、前記予備成形体は前記第1の砂型部の外部に嵌合されて保持され、前記エアは前記第1の砂型部の内部に形成された通路を介して排出される。
【0020】
また、好ましくは、上記方法において、前記溶湯の含浸圧力を0.5kgf/cm2以下とした。
【0021】
また、好ましくは、上記方法において、前記予備成形体の体積率を8〜20%とした。
【0022】
また、好ましくは、上記方法において、前記予備成形体の気孔の平均径を0.25〜0.625mmとした。
【0023】
また、好ましくは、上記方法において、前記予備成形体を金属多孔体とした。
【0024】
尚、上記低通気度とは通気度が零の通気を遮断した状態も含んでいる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、第1の砂型部と第2の砂型部とを低通気度層を介して密着させることによって、第2の砂型部から第1の砂型部へのエアの侵入を防止できるので、複合化に必要な部位(第1の砂型部)のみの実質的な溶湯圧力を上昇させることができる。また、砂型を用いた極低圧での複合化が可能となる。
【0026】
請求項2の発明によれば、低通気度層は第1の砂型部と第2の砂型部とを接着させることにより、第1の砂型部と第2の砂型部とを個々に成形した後に接着できるため取り扱い性が向上する。
【0027】
請求項3の発明によれば、第1の砂型部の気孔の平均径を0.07mm以下としたことにより、予備成形体中のエア抜き性と溶湯の侵入を抑制する特性とを両立することができる。
【0028】
請求項4の発明によれば、第1の砂型部の成形時に一端部が第1の砂型部内に連通し他端部が第2の砂型部側に延びるようにパイプ部材を設置し、第2の砂型部に形成した孔部にパイプ部材を挿入することにより第1の砂型部と第2の砂型部とを位置決めすることにより、両砂型部がパイプ部材を介して位置決めできると共に、両砂型部のエアの排出に必要な通気性を確保することができる。
【0029】
請求項5の発明によれば、溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する砂型に保持させた状態で型内にセットし、溶湯を型内に注入すると共に予備成形体中に存在するエアを砂型を介して排出しつつ、当該溶湯を当該予備成形体内に含浸、充填させて複合化することにより、極低圧での複合化が可能となり、安価で且つ形状自由度に優れた軽合金複合部材の製造方法を実現できる。
【0030】
請求項6の発明によれば、予備成形体は第1の砂型部の外部に嵌合されて保持され、エアは第1の砂型部の内部に形成された通路を介して排出されることにより、予備成形体の保持を簡単な方法により安定化させ、エア抜きも容易化することができる。
【0031】
請求項7の発明によれば、溶湯の含浸圧力を0.5kgf/cm2以下としたことにより、砂型表面への溶湯の差し込み等を招くことなく、必要な溶湯の含浸性を確保することができる。
【0032】
請求項8の発明によれば、予備成形体の体積率を8〜20%としたことにより、必要な溶湯の含浸性確保と、必要な製品の複合化層の物性(例えば、耐摩耗性)を得ることとの両立を図ることができる。
【0033】
請求項9の発明によれば、予備成形体の気孔の平均径を0.25〜0.625mmとしたことにより、必要な溶湯の含浸性確保と、必要な製品の複合化層の物性(例えば、耐摩耗性)を得ることとの両立を図ることができる。
【0034】
請求項10の発明によれば、予備成形体を金属多孔体としたことにより、極低圧での複合化に最適なものとなる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。また、本発明の砂型には、溶湯を注入する鋳造用砂型のほか、この鋳造用砂型内部に設置される砂中子を含むものである。
【0037】
[鋳造用砂型]
図1は、本実施形態として例示する鋳造用砂中子が配置されたシリンダブロック鋳造用砂型の断面図である。図2は、本実施形態の鋳造用砂型により成形されたシリンダブロックの断面図である。
【0038】
図1に例示する鋳造用砂型は、自動車用エンジンにおけるアルミニウム合金製のシリンダブロックの低圧鋳造に用いられる。鋳造用砂型は、一対の上型1及び下型2とを有し、型内部に形成されたキャビティ3には砂中子6が配置される。下型2にはキャビティ3に連通して溶湯を充填するための湯口4と、この湯口4に連通する溶湯通路5とが設けられ、不図示の圧縮空気や電磁ポンプなどの低圧鋳造に用いられる装置を用いて溶湯を湯口4まで圧入させ、湯口4からキャビティ3内に導入する。
【0039】
図2に示すように、本実施形態の低圧鋳造法により製造されるシリンダブロック20は、シリンダボア内壁部に複合化層21が形成された、所謂ライナレスシリンダブロックであり、ライナを無くしたことでシリンダボア間が短縮され、シリンダボア径の拡大やシリンダブロックの軽量化、小型化を図ることができる。
【0040】
上型1及び下型2により形成されるキャビティ3はシリンダボア及びクランクケースの外壁部に対応する転写形状3aを有し、上型1がクランクケースとシリンダボアを画定し、下型2がシリンダボア上端部を画定するように実際のエンジンの配置とは上下が反対になってキャビティ3が形成されている。
【0041】
砂中子6は、シリンダボアの内壁部に対応する転写形状を有する円筒状の第1の砂型部(ボア中子)11と、クランクケースの内壁部に対応する転写形状を有し第1の砂型部11に密着して配置される第2の砂型部(クランク中子)12とが別体に構成されている。
【0042】
また、第1の砂型部11の上端部11aと第2の砂型部12の下端部12aとは、第2の砂型部12よりも通気度が低い低通気度層13を介して密着状態で接着されるように構成されている。尚、上記低通気度層13は通気度が零の通気を遮断した状態も含むものとする。
【0043】
上記低通気度層13は、例えば、無機系の鋳型用接着剤や離型剤や金属板などのいずれかからなり、第1の砂型部11の上端部11aと第2の砂型部12の下端部12aとを接着すると共に、第2の砂型部12から第1の砂型部11へのエアの侵入を抑制又は遮断する機能を持っている。
【0044】
第1の砂型部11は、溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体7を保持し、当該予備成形体7よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を持っている。
【0045】
第1の砂型部11の外周面には、軽合金材料としてのアルミニウム合金からなる溶湯が含浸(溶浸)されて母材と複合化される円筒状の複合化用予備成形体7が嵌合保持されている。また、第1の砂型部11と第2の砂型部12の軸方向(上下方向)の略中央部分には、第1の砂型部11の内部から第2の砂型部12の内部を通って外部に連通する耐熱性を持つ(金属製やセラミック製)中空状で長軸状のパイプ部材14が同軸状に配設されている。
【0046】
本実施形態の鋳造では、上記複合化用予備成形体7を外嵌・保持させた第1の砂型部11と第2の砂型部12とが低通気度層13を介して接着された砂中子6を上下型1,2におけるキャビティ3内の所定位置に設置し、下記鋳造条件に従い、パイプ部材14の内部を不図示の真空ポンプにより減圧して負圧を発生させながら、溶湯を電磁ポンプにより0.1−0.5kgf/cm2に加圧・保持して複合化用予備成形体7に溶湯を含浸させると同時に、複合化用予備成形体7中で溶湯と置換されるエアや砂中子6中のレジンが燃焼して発生するガスをパイプ部材14から排出することで複合化及び鋳造が行われる。
【0047】
これにより、複合化用予備成形体7に複合性(溶湯含浸性)の良い金属多孔体を適用し、複合化用予備成形体中で溶湯と置換されるエアやレジンが燃焼して発生するガスをパイプ部材14から排出することができ、従来のダイキャスト法での溶湯の加圧力に対して1/1000程度の極低圧による複合化及び鋳造が可能となる。
【0048】
また、高価な設備や金型を用いずに、一般的で簡便な砂型重力鋳造法や低圧鋳造法を適用できるため、安価で且つ形状自由度に優れたアルミニウム合金製シリンダブロックの製造方法となる。
【0049】
また、第1の砂型部と第2の砂型部とを低通気度層を介して接合することによって、パイプ部材を介した減圧によって両砂型部間に圧力差が発生することにより第2の砂型部から第1の砂型部へのエアの侵入を防止できるので、複合化に必要な部位(第1の砂型部)のみの実質的な溶湯圧力を上昇させることができる。
【0050】
また、上記複合化用予備成形体7を第1の砂型部により外嵌・保持させているので、予備成形体保持の容易化及び安定化が図れると同時に、エア抜きの容易化及び確実化も図ることができる。
【0051】
尚、上記パイプ部材14の代りに、第1の砂型部11と第2の砂型部12の軸方向の略中央部分に第1の砂型部11の内部から第2の砂型部12の内部を通って外部に連通する空洞部を設け、この空洞部を減圧することによりエアを排出させてもよい。
【0052】
[鋳造条件]
鋳造法:砂型低圧鋳造(電磁ポンプにより加圧)
材質(母材):JISAC2B相当(Al−3Cu−6Si)のアルミニウム合金
鋳込み温度:750℃
シリンダボア部における溶湯の加圧力:0.07kgf/cm2
砂中子背面:真空ポンプにより減圧
減圧度:−0.97kgf/cm2
[複合化用予備成形体]
材質:金属多孔体(Fe−18Cr−8Ni)
セル径:0.38mm以上
尚、本実施形態では溶湯を加圧しているが、加圧は必ずしも必要ではない。
【0053】
また、図8に示すように、減圧度の値については、溶湯温度を650〜750℃以上に設定した場合には−0.97kgf/cm2程度に設定することで、予備成形体における母材の充填が不十分な気孔(ピンホール)が発生することなく、良好に複合化できることになる。
【0054】
[砂中子の製造方法]
上記砂中子6は下記▲1▼〜▲3▼の手順で製造される。即ち、
▲1▼不図示のボア中子型を用いて複合化用予備成形体7を外嵌・保持した状態で第1の砂型部11を成形する。また、成形時にパイプ部材14の一端部が第1の砂型部11内部に位置し他端部が第2の砂型部側に突出して延びるようにパイプ部材14と共に一体的に成形する(図3(a)参照)。
【0055】
▲2▼同様に、不図示のクランク中子型を用いて第2の砂型部12を成形するのであるが、その際にパイプ部材14を挿入するための連通孔部12bが軸方向(上下方向)の略中央部分に形成される(図3(b)参照)。
【0056】
▲3▼上記のように第1及び第2の砂型部11,12を造型後、第1の砂型部11の上端部11a(接合面)に鋳型用接着剤(低通気度層13)を塗布し、第2の砂型部12に形成した孔部12bに第1の砂型部11から突出するパイプ部材14を挿入することにより第1の砂型部11と第2の砂型部12とを位置決めしつつ接着させる(図3(c)参照)。
【0057】
上記砂中子の製造方法によれば、第1の砂型部と第2の砂型部とを個々に成形した後に鋳型用接着剤により接着できるため取り扱い性が向上する。
【0058】
また、両砂型部がパイプ部材を介して位置決めできると共に、両砂型部のエアの排出に必要な通気性を確保することができる。
【0059】
尚、上記第1及び第2の砂型部11,12の造型においては、上記不図示のボア中子型又はクランク中子型内にアミンガスに反応して硬化する硬化剤を混ぜ込んだ砂(中子砂)を圧入してアミンガスを吹き付けることにより硬化させる。
【0060】
また、上記第1の砂型部11の成形と同時に、当該第1の砂型部11の外周面であって予備成形体7を保持する部位にアルミニウム合金製のショット(粒)材を埋設したり、アルミニウム合金製の繊維材を被覆させることで、第1の砂型部11の外周面と予備成形体7の内周面との間にアルミニウム合金材が介在することになるので、中子造型時に気孔内に砂が混入するのを防止して後工程に使用される工具の寿命の低下を防ぐことができる。尚、上記ショット材や繊維材は予備成形体7への溶湯の含浸と同時に母材と一体化される。
【0061】
[変形例1]
図4(a)は第1及び第2の砂型部の変形例1を示す図であり、以下では上記実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0062】
図4(a)において、第1の砂型部11の軸方向の略中央部には、その上端部が開口して第2の砂型部12の連通孔部12bに通じる一方、その下端部が閉じられた空洞部11aが形成され、第2の砂型部12の下端部には連通孔部12bを閉塞するゴムパッキンなどの閉塞部材15が設置されている。
【0063】
上記空洞部11aと連通孔部12bとは中空ホースなどの連通部材16でのみ連通される。連通部材16は閉塞部材15に形成された孔部に挿通され、その一端部は空洞部11aに臨み、他端部は外部に延びている。そして、連通部材16の他端部から減圧することで空洞部11a内のエアは外部に排出される。
【0064】
尚、閉塞部材15は第2の砂型部12の成形時に同時に作り込まれるか、第2の砂型部12の成形後に嵌入することにより設置される。
【0065】
上記変形例の構成によれば、パイプ部材14の代りに閉塞部材15及び連通部材16を用いてエアを排出することができ、同時に低通気度層13が遮断層となって第2の砂型部から第1の砂型部へのエアの侵入を防止できる。
【0066】
[変形例2]
図4(b)は第1及び第2の砂型部の変形例2を示す図であり、以下では上記実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0067】
図4(b)において、第1の砂型部11の軸方向の略中央部には、その上端部が開口して第2の砂型部12の連通孔部12bに通じる一方、その下端部が閉じられた空洞部11aが形成され、第2の砂型部12の下端部には連通孔部12bを閉塞する金属板17が設置されている。
【0068】
第1の砂型部11の下端部と第2の砂型部12の上端部とは上記金属板17を介して連結される。
【0069】
上記空洞部11aと連通孔部12bとは中空ホースなどの連通部材16でのみ連通される。連通部材16は金属板17に形成された孔部に挿通され、その一端部は空洞部11aに臨み、他端部は外部に延びている。そして、連通部材16の他端部から減圧することで空洞部11a内のエアは外部に排出される。
【0070】
尚、金属部材17は第2の砂型部12の成形時に同時に作り込まれるか、第1の砂型部11と第2の砂型部12を連結する際に挿入して設置される。
【0071】
上記変形例の構成によれば、パイプ部材14の代りに金属部材17及び連通部材16を用いてエアを排出することができ、同時に金属部材17が遮断層となって第2の砂型部から第1の砂型部へのエアの侵入を防止できる。
【0072】
本実施形態及び変形例の第1及び第2の砂型部は下記造型条件に従って造型される。
【0073】
[造型条件]
造型法:コールドボックス(アミンガスにより硬化)
砂種:シリカサンド
粒度:AFS65〜73(平均径0.2〜0.3mm)
通気度:70〜100
尚、少なくとも第1の砂型部11の通気度は、下記式1で表されるJISに基づく試験により、複合化用予備成形体7の通気度より小さいことが要件とされる。第1の砂型部11の通気度が複合化用予備成形体7の通気度より大きいと、空気は抜けやすいが、溶湯が砂中子表面に差し込みやすくなる(溶湯非浸入性が低くなる)からである。
【0074】
P=V×h/p×A×t
但し、P:通気度,V:通過する空気量(ml),h:試験片の高さ(cm),p:空気圧(cmH2O),A:試験片の断面積(cm2),t:Vが通過する時間(min)
また、第1の砂型部11の気孔径は0.07mm以下、体積率60〜70%のものが適用できる。尚、砂中子の体積率とは、中子全体の体積に対する複合化部位の体積が占める割合を意味する。これにより、エア抜き性と溶湯の侵入を抑制する特性とを両立することができる。
【0075】
また、複合化用予備成形体7としての金属多孔体の体積率は8〜20%のものが適用できる。図5に示すように、体積率が上記数値より低いと耐摩耗性が悪化し、高いと複合性が悪化するからである。尚、金属多孔体の体積率とは、鋳造品全体の体積に対する複合化部位の体積が占める割合を意味する。
【0076】
また、金属多孔体の平均気孔径(セル径)は0.25〜0.63mmのものが適用できる。図6に示すように同じセル径では溶湯温度が高くなるにつれて必要含浸圧は低くなるものの、図7(a)に示すように平均気孔径が小さくなるにつれて必要含浸圧が大きくなって複合性が悪化するため平均気孔径の下限は0.25mmとしている。
【0077】
また、図7(b)に示すように、平均気孔径が大きくなるにつれてスカッフ限界荷重が低くなり、つまり、各気孔内の個々の母材の面積が大きくなって摩擦対象材との接触面積が大きくなり、耐摩耗性が悪化したり、焼き付きなどが発生しやすくなるため平均気孔径の上限は0.63mmとしている。
【0078】
また、金属多孔体の材質は、15%以上のCrを含むFe系のものが適用できる。Crの含有により鋳造中の多孔体表面の酸化による複合性の悪化を防止するためである。
【0079】
複合化用予備成形体としては、金属多孔体以外に、セラミック繊維、ステンレス等からなる金属繊維材等も適用できる。金属繊維材としてはステンレス以外に、タングステン、モリブデン、炭素鋼等もあるが、ステンレス繊維材が最も強度が高くしかも安価なので実用的である。
【0080】
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明により製造されるアルミニウム合金鋳物は、上述した実施形態のような低圧鋳造法によるシリンダブロックに限られず、他の耐摩耗性及び軽量化を必要とする部品にも適用できる。また、本発明によれば、アルミニウム合金以外に、例えばマグネシウム合金等の他の軽合金鋳物にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態として例示する鋳造用砂中子が配置されたシリンダブロック鋳造用砂型の断面図である。
【図2】本実施形態の鋳造用砂型により成形されたシリンダブロックの断面図である。
【図3】(a)は第1の砂型部の断面図、(b)は第2の砂型部の断面図、(c)は第1の砂型部と第2の砂型部とを接合する様子を示す断面図である。
【図4】(a)は第1及び第2の砂型部の変形例1を示す図、(b)は第1及び第2の砂型部の変形例2を示す図である。
【図5】本実施形態の低圧鋳造に適用される多孔体の体積率と耐摩耗性との関係を示す図である。
【図6】本実施形態の低圧鋳造に適用される多孔体のセル径を溶湯温度と必要含浸圧との関係で示す図である。
【図7】(a)は金属多孔体の平均気孔径と必要含浸圧との関係を示す図、(b)は金属多孔体の平均気孔径とスカッフ限界荷重との関係を示す図である。
【図8】本実施形態の低圧鋳造に適用される減圧度と溶湯温度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 上型
2 下型
3 キャビティ
4 湯口
6 砂中子
7 複合化用予備成形体
11 第1の砂型部(ボア中子)
12 第2の砂型部(クランク中子)
13 低通気度層
14 パイプ部材
20 シリンダブロック
21 複合化層
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばアルミニウム合金製シリンダブロックのシリンダボア部に金属多孔体を複合化するための砂型、該砂型の製造方法、並びに該砂型を用いた鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金製シリンダブロックにおけるピストン及びピストンリングが摺動するシリンダボア部には、耐摩耗性を確保するために鋳鉄製のライナ部材が鋳包み或いは圧入されている。
【0003】
しかしながら、鋳鉄製のライナ部材を鋳包み或いは圧入する方法ではシリンダブロックの軽量化やアルミニウム合金の高い熱伝導性を生かすことができない。
【0004】
シリンダブロックの軽量化が十分達成されないのは、ライナ部材自体が鋳鉄製であることによる重量増に加え、シリンダブロック本体側にライナ部材を保持するための鋳包み代、或いは圧入代が必要となるためシリンダボア間に厚みが必要となり、シリンダボア間のピッチを縮小させることができず、シリンダブロックのコンパクト化を阻害するためである。
【0005】
また、高い熱伝導性を生かしきれないのは、鋳包みや圧入は冶金的な接合ではなく機械的嵌合であり、シリンダブロック本体とライナ部材との間に熱伝達上のギャップが生じるためである。
【0006】
そこで、シリンダブロックの軽量化を促進し、高い熱伝導性を生かしてエンジン性能を向上させるために、鋳鉄製ライナ部材を廃したアルミニウム合金製シリンダブロックが開発され実用化されている。
【0007】
特に、アルミニウム合金母材に予備成形体を複合化することによって材料特性(主に耐摩耗性)を向上させる手法における当該予備成形体の材料として、セラミック短繊維(アルミナ短繊維等)やカーボン短繊維等が知られている。
【0008】
従来の複合化方法は、複合性(強化材への溶湯の含浸性)確保の点から、高圧鋳造法(溶湯鍛造法)や層流ダイキャストが採用されているが、高圧(数百kgf/cm2)を要するため設備や金型が高価であるといった経済性の面に加え、鋳型に砂型が使用できず崩壊性中子の使用に制約があるため、鋳抜きを利用した軽量化が困難である等の形状自由度の面にも課題を残している。
【0009】
砂型を用いた鋳造法(重力鋳造、低圧鋳造)をベースとした複合化手法として、溶射等により砂中子の表面の少なくとも一部を被覆金属にて被覆し、かくして被覆された砂中子を用いて鋳造を行ない、被覆金属を実質的にそのままの状態にて製品鋳物の表面部に残留させる所謂転写法と呼ばれる鋳造法があり、この手法をシリンダブロックのウォータジャケット部の耐食性向上に適用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)が、上記により形成された強化層が薄いため機械加工を前提としたシリンダボア部には適用が困難である上、別途中子への溶射設備が必要となる点で不経済である。
【0010】
尚、高圧鋳造法へ適用可能な崩壊性中子は種々提案されているが(例えば、特許文献2参照)、本願発明のような”低通気度層”が介在されるものではなく、複合化に必要な部位のみの実質的な溶湯圧力を有効に上昇させるという効果を得ることはできない。また、高圧鋳造法を前提とするものであるため、砂中子表面部には溶湯の差し込みを防止する差し込み防止層(例えば、塗型層)を設ける必要があり、本願発明のように、予備成形体内に存在するエアを砂中子(砂型部)を介して排出することは困難である。従って、砂型を用いた極低圧での複合化は困難である。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−245615号公報
【特許文献2】
特開2002−96141号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、例えば、鋳鉄ライナを廃したアルミニウム合金製シリンダブロックを製造する際に、強化材複合化という手法を選択すると、鋳造方法が高圧鋳造法等の金型を用いた鋳造法に限定されてしまい、経済性や形状自由度に優れる砂型を用いた鋳造法が選択できないという課題がある。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、極低圧での複合化が可能となり、安価で且つ形状自由度に優れる砂型、該砂型の製造方法、並びに該砂型を用いた鋳造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明の砂型は、溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を保持し、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する第1の砂型部と、前記第1の砂型部に密着して配置される第2の砂型部とを備え、前記第1の砂型部と第2の砂型部とが密着する部分に、前記第2の砂型部よりも通気度が低い低通気度層を介在させた。
【0015】
また、好ましくは、前記低通気度層は、前記第1の砂型部と第2の砂型部とを接着させる。
【0016】
また、好ましくは、前記第1の砂型部の気孔の平均径を0.07mm以下とした。
【0017】
また、本発明は、溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を保持し、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する第1の砂型部と、前記第1の砂型部に密着して配置される第2の砂型部とを備え、前記第1の砂型部と第2の砂型部とが密着する部分に、前記第2の砂型部よりも通気度が低い低通気度層を介在させた砂型の製造方法であって、一端部が当該第1の砂型部内に連通し他端部が前記第2の砂型部側に延びるようにパイプ部材を設置して前記第1の砂型部を成形し、前記パイプ部材を挿入する孔部が形成されるように前記第2の砂型部を成形し、前記第2の砂型部に形成した孔部に前記パイプ部材を挿入することにより前記第1の砂型部と前記第2の砂型部とを位置決めする。
【0018】
また、本発明は、溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を保持し、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する第1の砂型部と、前記第1の砂型部に密着して配置される第2の砂型部とを備え、前記第1の砂型部と第2の砂型部とが密着する部分に、前記第2の砂型部よりも通気度が低い低通気度層を介在させた砂型を用いた鋳造方法であって、前記予備成形体を保持した第1の砂型部と第2の砂型部とからなる砂型を型内にセットし、前記溶湯を前記型内に注入すると共に前記予備成形体中に存在するエアを前記第1の砂型部を介して排出しつつ、当該溶湯を当該予備成形体内に含浸、充填させて複合化する。
【0019】
また、好ましくは、前記予備成形体は前記第1の砂型部の外部に嵌合されて保持され、前記エアは前記第1の砂型部の内部に形成された通路を介して排出される。
【0020】
また、好ましくは、上記方法において、前記溶湯の含浸圧力を0.5kgf/cm2以下とした。
【0021】
また、好ましくは、上記方法において、前記予備成形体の体積率を8〜20%とした。
【0022】
また、好ましくは、上記方法において、前記予備成形体の気孔の平均径を0.25〜0.625mmとした。
【0023】
また、好ましくは、上記方法において、前記予備成形体を金属多孔体とした。
【0024】
尚、上記低通気度とは通気度が零の通気を遮断した状態も含んでいる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、第1の砂型部と第2の砂型部とを低通気度層を介して密着させることによって、第2の砂型部から第1の砂型部へのエアの侵入を防止できるので、複合化に必要な部位(第1の砂型部)のみの実質的な溶湯圧力を上昇させることができる。また、砂型を用いた極低圧での複合化が可能となる。
【0026】
請求項2の発明によれば、低通気度層は第1の砂型部と第2の砂型部とを接着させることにより、第1の砂型部と第2の砂型部とを個々に成形した後に接着できるため取り扱い性が向上する。
【0027】
請求項3の発明によれば、第1の砂型部の気孔の平均径を0.07mm以下としたことにより、予備成形体中のエア抜き性と溶湯の侵入を抑制する特性とを両立することができる。
【0028】
請求項4の発明によれば、第1の砂型部の成形時に一端部が第1の砂型部内に連通し他端部が第2の砂型部側に延びるようにパイプ部材を設置し、第2の砂型部に形成した孔部にパイプ部材を挿入することにより第1の砂型部と第2の砂型部とを位置決めすることにより、両砂型部がパイプ部材を介して位置決めできると共に、両砂型部のエアの排出に必要な通気性を確保することができる。
【0029】
請求項5の発明によれば、溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する砂型に保持させた状態で型内にセットし、溶湯を型内に注入すると共に予備成形体中に存在するエアを砂型を介して排出しつつ、当該溶湯を当該予備成形体内に含浸、充填させて複合化することにより、極低圧での複合化が可能となり、安価で且つ形状自由度に優れた軽合金複合部材の製造方法を実現できる。
【0030】
請求項6の発明によれば、予備成形体は第1の砂型部の外部に嵌合されて保持され、エアは第1の砂型部の内部に形成された通路を介して排出されることにより、予備成形体の保持を簡単な方法により安定化させ、エア抜きも容易化することができる。
【0031】
請求項7の発明によれば、溶湯の含浸圧力を0.5kgf/cm2以下としたことにより、砂型表面への溶湯の差し込み等を招くことなく、必要な溶湯の含浸性を確保することができる。
【0032】
請求項8の発明によれば、予備成形体の体積率を8〜20%としたことにより、必要な溶湯の含浸性確保と、必要な製品の複合化層の物性(例えば、耐摩耗性)を得ることとの両立を図ることができる。
【0033】
請求項9の発明によれば、予備成形体の気孔の平均径を0.25〜0.625mmとしたことにより、必要な溶湯の含浸性確保と、必要な製品の複合化層の物性(例えば、耐摩耗性)を得ることとの両立を図ることができる。
【0034】
請求項10の発明によれば、予備成形体を金属多孔体としたことにより、極低圧での複合化に最適なものとなる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。また、本発明の砂型には、溶湯を注入する鋳造用砂型のほか、この鋳造用砂型内部に設置される砂中子を含むものである。
【0037】
[鋳造用砂型]
図1は、本実施形態として例示する鋳造用砂中子が配置されたシリンダブロック鋳造用砂型の断面図である。図2は、本実施形態の鋳造用砂型により成形されたシリンダブロックの断面図である。
【0038】
図1に例示する鋳造用砂型は、自動車用エンジンにおけるアルミニウム合金製のシリンダブロックの低圧鋳造に用いられる。鋳造用砂型は、一対の上型1及び下型2とを有し、型内部に形成されたキャビティ3には砂中子6が配置される。下型2にはキャビティ3に連通して溶湯を充填するための湯口4と、この湯口4に連通する溶湯通路5とが設けられ、不図示の圧縮空気や電磁ポンプなどの低圧鋳造に用いられる装置を用いて溶湯を湯口4まで圧入させ、湯口4からキャビティ3内に導入する。
【0039】
図2に示すように、本実施形態の低圧鋳造法により製造されるシリンダブロック20は、シリンダボア内壁部に複合化層21が形成された、所謂ライナレスシリンダブロックであり、ライナを無くしたことでシリンダボア間が短縮され、シリンダボア径の拡大やシリンダブロックの軽量化、小型化を図ることができる。
【0040】
上型1及び下型2により形成されるキャビティ3はシリンダボア及びクランクケースの外壁部に対応する転写形状3aを有し、上型1がクランクケースとシリンダボアを画定し、下型2がシリンダボア上端部を画定するように実際のエンジンの配置とは上下が反対になってキャビティ3が形成されている。
【0041】
砂中子6は、シリンダボアの内壁部に対応する転写形状を有する円筒状の第1の砂型部(ボア中子)11と、クランクケースの内壁部に対応する転写形状を有し第1の砂型部11に密着して配置される第2の砂型部(クランク中子)12とが別体に構成されている。
【0042】
また、第1の砂型部11の上端部11aと第2の砂型部12の下端部12aとは、第2の砂型部12よりも通気度が低い低通気度層13を介して密着状態で接着されるように構成されている。尚、上記低通気度層13は通気度が零の通気を遮断した状態も含むものとする。
【0043】
上記低通気度層13は、例えば、無機系の鋳型用接着剤や離型剤や金属板などのいずれかからなり、第1の砂型部11の上端部11aと第2の砂型部12の下端部12aとを接着すると共に、第2の砂型部12から第1の砂型部11へのエアの侵入を抑制又は遮断する機能を持っている。
【0044】
第1の砂型部11は、溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体7を保持し、当該予備成形体7よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を持っている。
【0045】
第1の砂型部11の外周面には、軽合金材料としてのアルミニウム合金からなる溶湯が含浸(溶浸)されて母材と複合化される円筒状の複合化用予備成形体7が嵌合保持されている。また、第1の砂型部11と第2の砂型部12の軸方向(上下方向)の略中央部分には、第1の砂型部11の内部から第2の砂型部12の内部を通って外部に連通する耐熱性を持つ(金属製やセラミック製)中空状で長軸状のパイプ部材14が同軸状に配設されている。
【0046】
本実施形態の鋳造では、上記複合化用予備成形体7を外嵌・保持させた第1の砂型部11と第2の砂型部12とが低通気度層13を介して接着された砂中子6を上下型1,2におけるキャビティ3内の所定位置に設置し、下記鋳造条件に従い、パイプ部材14の内部を不図示の真空ポンプにより減圧して負圧を発生させながら、溶湯を電磁ポンプにより0.1−0.5kgf/cm2に加圧・保持して複合化用予備成形体7に溶湯を含浸させると同時に、複合化用予備成形体7中で溶湯と置換されるエアや砂中子6中のレジンが燃焼して発生するガスをパイプ部材14から排出することで複合化及び鋳造が行われる。
【0047】
これにより、複合化用予備成形体7に複合性(溶湯含浸性)の良い金属多孔体を適用し、複合化用予備成形体中で溶湯と置換されるエアやレジンが燃焼して発生するガスをパイプ部材14から排出することができ、従来のダイキャスト法での溶湯の加圧力に対して1/1000程度の極低圧による複合化及び鋳造が可能となる。
【0048】
また、高価な設備や金型を用いずに、一般的で簡便な砂型重力鋳造法や低圧鋳造法を適用できるため、安価で且つ形状自由度に優れたアルミニウム合金製シリンダブロックの製造方法となる。
【0049】
また、第1の砂型部と第2の砂型部とを低通気度層を介して接合することによって、パイプ部材を介した減圧によって両砂型部間に圧力差が発生することにより第2の砂型部から第1の砂型部へのエアの侵入を防止できるので、複合化に必要な部位(第1の砂型部)のみの実質的な溶湯圧力を上昇させることができる。
【0050】
また、上記複合化用予備成形体7を第1の砂型部により外嵌・保持させているので、予備成形体保持の容易化及び安定化が図れると同時に、エア抜きの容易化及び確実化も図ることができる。
【0051】
尚、上記パイプ部材14の代りに、第1の砂型部11と第2の砂型部12の軸方向の略中央部分に第1の砂型部11の内部から第2の砂型部12の内部を通って外部に連通する空洞部を設け、この空洞部を減圧することによりエアを排出させてもよい。
【0052】
[鋳造条件]
鋳造法:砂型低圧鋳造(電磁ポンプにより加圧)
材質(母材):JISAC2B相当(Al−3Cu−6Si)のアルミニウム合金
鋳込み温度:750℃
シリンダボア部における溶湯の加圧力:0.07kgf/cm2
砂中子背面:真空ポンプにより減圧
減圧度:−0.97kgf/cm2
[複合化用予備成形体]
材質:金属多孔体(Fe−18Cr−8Ni)
セル径:0.38mm以上
尚、本実施形態では溶湯を加圧しているが、加圧は必ずしも必要ではない。
【0053】
また、図8に示すように、減圧度の値については、溶湯温度を650〜750℃以上に設定した場合には−0.97kgf/cm2程度に設定することで、予備成形体における母材の充填が不十分な気孔(ピンホール)が発生することなく、良好に複合化できることになる。
【0054】
[砂中子の製造方法]
上記砂中子6は下記▲1▼〜▲3▼の手順で製造される。即ち、
▲1▼不図示のボア中子型を用いて複合化用予備成形体7を外嵌・保持した状態で第1の砂型部11を成形する。また、成形時にパイプ部材14の一端部が第1の砂型部11内部に位置し他端部が第2の砂型部側に突出して延びるようにパイプ部材14と共に一体的に成形する(図3(a)参照)。
【0055】
▲2▼同様に、不図示のクランク中子型を用いて第2の砂型部12を成形するのであるが、その際にパイプ部材14を挿入するための連通孔部12bが軸方向(上下方向)の略中央部分に形成される(図3(b)参照)。
【0056】
▲3▼上記のように第1及び第2の砂型部11,12を造型後、第1の砂型部11の上端部11a(接合面)に鋳型用接着剤(低通気度層13)を塗布し、第2の砂型部12に形成した孔部12bに第1の砂型部11から突出するパイプ部材14を挿入することにより第1の砂型部11と第2の砂型部12とを位置決めしつつ接着させる(図3(c)参照)。
【0057】
上記砂中子の製造方法によれば、第1の砂型部と第2の砂型部とを個々に成形した後に鋳型用接着剤により接着できるため取り扱い性が向上する。
【0058】
また、両砂型部がパイプ部材を介して位置決めできると共に、両砂型部のエアの排出に必要な通気性を確保することができる。
【0059】
尚、上記第1及び第2の砂型部11,12の造型においては、上記不図示のボア中子型又はクランク中子型内にアミンガスに反応して硬化する硬化剤を混ぜ込んだ砂(中子砂)を圧入してアミンガスを吹き付けることにより硬化させる。
【0060】
また、上記第1の砂型部11の成形と同時に、当該第1の砂型部11の外周面であって予備成形体7を保持する部位にアルミニウム合金製のショット(粒)材を埋設したり、アルミニウム合金製の繊維材を被覆させることで、第1の砂型部11の外周面と予備成形体7の内周面との間にアルミニウム合金材が介在することになるので、中子造型時に気孔内に砂が混入するのを防止して後工程に使用される工具の寿命の低下を防ぐことができる。尚、上記ショット材や繊維材は予備成形体7への溶湯の含浸と同時に母材と一体化される。
【0061】
[変形例1]
図4(a)は第1及び第2の砂型部の変形例1を示す図であり、以下では上記実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0062】
図4(a)において、第1の砂型部11の軸方向の略中央部には、その上端部が開口して第2の砂型部12の連通孔部12bに通じる一方、その下端部が閉じられた空洞部11aが形成され、第2の砂型部12の下端部には連通孔部12bを閉塞するゴムパッキンなどの閉塞部材15が設置されている。
【0063】
上記空洞部11aと連通孔部12bとは中空ホースなどの連通部材16でのみ連通される。連通部材16は閉塞部材15に形成された孔部に挿通され、その一端部は空洞部11aに臨み、他端部は外部に延びている。そして、連通部材16の他端部から減圧することで空洞部11a内のエアは外部に排出される。
【0064】
尚、閉塞部材15は第2の砂型部12の成形時に同時に作り込まれるか、第2の砂型部12の成形後に嵌入することにより設置される。
【0065】
上記変形例の構成によれば、パイプ部材14の代りに閉塞部材15及び連通部材16を用いてエアを排出することができ、同時に低通気度層13が遮断層となって第2の砂型部から第1の砂型部へのエアの侵入を防止できる。
【0066】
[変形例2]
図4(b)は第1及び第2の砂型部の変形例2を示す図であり、以下では上記実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0067】
図4(b)において、第1の砂型部11の軸方向の略中央部には、その上端部が開口して第2の砂型部12の連通孔部12bに通じる一方、その下端部が閉じられた空洞部11aが形成され、第2の砂型部12の下端部には連通孔部12bを閉塞する金属板17が設置されている。
【0068】
第1の砂型部11の下端部と第2の砂型部12の上端部とは上記金属板17を介して連結される。
【0069】
上記空洞部11aと連通孔部12bとは中空ホースなどの連通部材16でのみ連通される。連通部材16は金属板17に形成された孔部に挿通され、その一端部は空洞部11aに臨み、他端部は外部に延びている。そして、連通部材16の他端部から減圧することで空洞部11a内のエアは外部に排出される。
【0070】
尚、金属部材17は第2の砂型部12の成形時に同時に作り込まれるか、第1の砂型部11と第2の砂型部12を連結する際に挿入して設置される。
【0071】
上記変形例の構成によれば、パイプ部材14の代りに金属部材17及び連通部材16を用いてエアを排出することができ、同時に金属部材17が遮断層となって第2の砂型部から第1の砂型部へのエアの侵入を防止できる。
【0072】
本実施形態及び変形例の第1及び第2の砂型部は下記造型条件に従って造型される。
【0073】
[造型条件]
造型法:コールドボックス(アミンガスにより硬化)
砂種:シリカサンド
粒度:AFS65〜73(平均径0.2〜0.3mm)
通気度:70〜100
尚、少なくとも第1の砂型部11の通気度は、下記式1で表されるJISに基づく試験により、複合化用予備成形体7の通気度より小さいことが要件とされる。第1の砂型部11の通気度が複合化用予備成形体7の通気度より大きいと、空気は抜けやすいが、溶湯が砂中子表面に差し込みやすくなる(溶湯非浸入性が低くなる)からである。
【0074】
P=V×h/p×A×t
但し、P:通気度,V:通過する空気量(ml),h:試験片の高さ(cm),p:空気圧(cmH2O),A:試験片の断面積(cm2),t:Vが通過する時間(min)
また、第1の砂型部11の気孔径は0.07mm以下、体積率60〜70%のものが適用できる。尚、砂中子の体積率とは、中子全体の体積に対する複合化部位の体積が占める割合を意味する。これにより、エア抜き性と溶湯の侵入を抑制する特性とを両立することができる。
【0075】
また、複合化用予備成形体7としての金属多孔体の体積率は8〜20%のものが適用できる。図5に示すように、体積率が上記数値より低いと耐摩耗性が悪化し、高いと複合性が悪化するからである。尚、金属多孔体の体積率とは、鋳造品全体の体積に対する複合化部位の体積が占める割合を意味する。
【0076】
また、金属多孔体の平均気孔径(セル径)は0.25〜0.63mmのものが適用できる。図6に示すように同じセル径では溶湯温度が高くなるにつれて必要含浸圧は低くなるものの、図7(a)に示すように平均気孔径が小さくなるにつれて必要含浸圧が大きくなって複合性が悪化するため平均気孔径の下限は0.25mmとしている。
【0077】
また、図7(b)に示すように、平均気孔径が大きくなるにつれてスカッフ限界荷重が低くなり、つまり、各気孔内の個々の母材の面積が大きくなって摩擦対象材との接触面積が大きくなり、耐摩耗性が悪化したり、焼き付きなどが発生しやすくなるため平均気孔径の上限は0.63mmとしている。
【0078】
また、金属多孔体の材質は、15%以上のCrを含むFe系のものが適用できる。Crの含有により鋳造中の多孔体表面の酸化による複合性の悪化を防止するためである。
【0079】
複合化用予備成形体としては、金属多孔体以外に、セラミック繊維、ステンレス等からなる金属繊維材等も適用できる。金属繊維材としてはステンレス以外に、タングステン、モリブデン、炭素鋼等もあるが、ステンレス繊維材が最も強度が高くしかも安価なので実用的である。
【0080】
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明により製造されるアルミニウム合金鋳物は、上述した実施形態のような低圧鋳造法によるシリンダブロックに限られず、他の耐摩耗性及び軽量化を必要とする部品にも適用できる。また、本発明によれば、アルミニウム合金以外に、例えばマグネシウム合金等の他の軽合金鋳物にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態として例示する鋳造用砂中子が配置されたシリンダブロック鋳造用砂型の断面図である。
【図2】本実施形態の鋳造用砂型により成形されたシリンダブロックの断面図である。
【図3】(a)は第1の砂型部の断面図、(b)は第2の砂型部の断面図、(c)は第1の砂型部と第2の砂型部とを接合する様子を示す断面図である。
【図4】(a)は第1及び第2の砂型部の変形例1を示す図、(b)は第1及び第2の砂型部の変形例2を示す図である。
【図5】本実施形態の低圧鋳造に適用される多孔体の体積率と耐摩耗性との関係を示す図である。
【図6】本実施形態の低圧鋳造に適用される多孔体のセル径を溶湯温度と必要含浸圧との関係で示す図である。
【図7】(a)は金属多孔体の平均気孔径と必要含浸圧との関係を示す図、(b)は金属多孔体の平均気孔径とスカッフ限界荷重との関係を示す図である。
【図8】本実施形態の低圧鋳造に適用される減圧度と溶湯温度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 上型
2 下型
3 キャビティ
4 湯口
6 砂中子
7 複合化用予備成形体
11 第1の砂型部(ボア中子)
12 第2の砂型部(クランク中子)
13 低通気度層
14 パイプ部材
20 シリンダブロック
21 複合化層
Claims (10)
- 溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を保持し、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する第1の砂型部と、前記第1の砂型部に密着して配置される第2の砂型部とを備え、
前記第1の砂型部と第2の砂型部とが密着する部分に、前記第2の砂型部よりも通気度が低い低通気度層を介在させたことを特徴とする砂型。 - 前記低通気度層は、前記第1の砂型部と第2の砂型部とを接着させることを特徴とする請求項1に記載の砂型。
- 前記第1の砂型部の気孔の平均径を0.07mm以下としたことを特徴とする請求項1に記載の砂型。
- 溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を保持し、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する第1の砂型部と、前記第1の砂型部に密着して配置される第2の砂型部とを備え、前記第1の砂型部と第2の砂型部とが密着する部分に、前記第2の砂型部よりも通気度が低い低通気度層を介在させた砂型の製造方法であって、
一端部が当該第1の砂型部内に連通し他端部が前記第2の砂型部側に延びるようにパイプ部材を設置して前記第1の砂型部を成形し、
前記パイプ部材を挿入する孔部が形成されるように前記第2の砂型部を成形し、
前記第2の砂型部に形成した孔部に前記パイプ部材を挿入することにより前記第1の砂型部と前記第2の砂型部とを位置決めすることを特徴とする砂型の製造方法。 - 溶湯が含浸されて母材と複合化される予備成形体を保持し、当該予備成形体よりも通気度が低く、且つ溶湯の侵入を抑制する特性を有する第1の砂型部と、前記第1の砂型部に密着して配置される第2の砂型部とを備え、前記第1の砂型部と第2の砂型部とが密着する部分に、前記第2の砂型部よりも通気度が低い低通気度層を介在させた砂型を用いた鋳造方法であって、
前記予備成形体を保持した第1の砂型部と第2の砂型部とを備えた砂型を型内にセットし、
前記溶湯を前記型内に注入すると共に前記予備成形体中に存在するエアを前記第1の砂型部を介して排出しつつ、当該溶湯を当該予備成形体内に含浸、充填させて複合化することを特徴とする鋳造方法。 - 前記予備成形体は前記第1の砂型部の外部に嵌合されて保持され、前記エアは前記第1の砂型部の内部に形成された通路を介して排出されることを特徴とする請求項5に記載の鋳造方法。
- 前記溶湯の含浸圧力を0.5kgf/cm2以下としたことを特徴とする請求項5又は6に記載の鋳造方法。
- 前記予備成形体の体積率を8〜20%としたことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の鋳造方法。
- 前記予備成形体の気孔の平均径を0.25〜0.63mmとしたことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の鋳造方法。
- 前記予備成形体を金属多孔体としたことを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載の鋳造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2007061891A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-15 | Yanmar Co Ltd | 鋳鉄の鋳造方法及びその方法を使用した内燃機関用シリンダヘッドの製造方法 |
CN102343418A (zh) * | 2011-08-29 | 2012-02-08 | 西安西工大超晶科技发展有限责任公司 | 一种三元流铝合金叶轮铸件的铸造方法 |
WO2021179606A1 (zh) * | 2020-03-10 | 2021-09-16 | 中信戴卡股份有限公司 | 一种异形泡沫铝填充铝合金空腔铸件的制备方法 |
JP7453936B2 (ja) | 2021-03-31 | 2024-03-21 | 三菱重工業株式会社 | 砂型中子および砂型中子の製造方法 |
-
2002
- 2002-11-28 JP JP2002345845A patent/JP2004174584A/ja not_active Abandoned
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