JP2004173850A

JP2004173850A - 蒸気滅菌用運搬装置

Info

Publication number: JP2004173850A
Application number: JP2002342621A
Authority: JP
Inventors: Naoshi Kuroshima; 尚士黒島; Hidemichi Suzuki; 英理鈴木; Jun Hasegawa; 準長谷川; Toshiaki Noguchi; 利昭野口
Original assignee: Olympus Corp
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 2002-11-26
Filing date: 2002-11-26
Publication date: 2004-06-24
Also published as: US20040101456A1; EP1566185A1; CN100453120C; CN1717255A; WO2004047876A1; EP1566185A4

Abstract

【課題】高温蒸気で滅菌されたスコープ等の被滅菌物を収納している容器をユーザーが触れる事なく取り出し可能とした蒸気滅菌用運搬装置を提供する。
【解決手段】高温高圧蒸気滅菌装置で高温高圧の蒸気で滅菌されるスコープ６が収納されたトレイ７はスコープ６と共に、滅菌されて高温となるので、ステー部材４にスライド自在となるスライドユニット５に取り付けたハンガー部材８の後端側を操作してハンガー部材８の先端側でトレイ７の底面１５側を支え、クランプ機構１４の先端側でトレイ７の側面を上方から挟むようにして把持でき、そのまま移動する操作を行うことにより、キャスター２で高温高圧蒸気滅菌装置から離す方向に運搬移動でき、ユーザーはトレイ７に触れる事なく簡単に取り出せる構造にした。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温の蒸気で滅菌される被滅菌物を収納した収納容器を運搬可能とした蒸気滅菌用運搬装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年ランニングコストが安価な高温高圧の蒸気滅菌により、消毒滅菌の処理を行うものが主流になりつつある。
例えば、特開平５−２８５１０３号公報にはスコープの機能に悪影響を与えることなくスコープを高温高圧の蒸気で滅菌する高温高圧蒸気滅菌装置、いわゆるオートクレーブ装置が示されている。
この高温高圧蒸気滅菌装置は、高温高圧の蒸気を被滅菌物に接触させて滅菌するメカニズムである。その為、滅菌工程の終了後の被滅菌物としてのスコープは外表面が高温状態になっている。
【０００３】
【特許文献１】
特開平５−２８５１０３号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
スコープは体腔内の検査や治療の目的で頻繁に使用される為、高温高圧の蒸気滅菌処理がされたスコープは速やかに冷却する必要がある。この場合、冷却する為にスコープを高温高圧蒸気滅菌装置の外に出そうとする時は、ユーザーが高温のスコープまたはスコープを収納している容器を把持する必要があり、使い勝手が悪かった。
【０００５】
このように従来例では、高温高圧蒸気滅菌装置で滅菌された高温状態のスコープまたはスコープを収納する容器を装置から取り出す時は、ユーザーが耐熱手袋等をつけて手で取り出すしかなく、使い勝手が悪かった。
【０００６】
（発明の目的）
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、高温蒸気で滅菌されたスコープ等の被滅菌物を収納している容器を取り出す際に、ユーザーが容器に触れることなく取り出し可能とした蒸気滅菌用運搬装置を提供することを目的とする。
【０００７】
また、本発明は高温蒸気で滅菌されたスコープ等の被滅菌物または被滅菌物を収納している容器を蒸気滅菌装置から取り出す際に、ユーザーが容器に触れることなく取り出し、冷却する冷却装置等に簡単に運搬して設置可能とした蒸気滅菌用運搬装置を提供することも目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
高温の蒸気で滅菌される被滅菌物を収納してこの被滅菌物とともに高温の蒸気で滅菌可能に構成された有底の収納容器と、
滅菌された前記収納容器の底部から支えることで前記収納容器を保持するハンガー部材と、
前記ハンガー部材が前記収納容器を保持した際に、前記ハンガー部材と協働して前記収納容器を把持することで前記収納容器を前記ハンガー部材に固定可能なクランプ機構と、
前記ハンガー部材と前記クランプ機構とを支持し、前記クランプ機構によって前記ハンガー部材に固定された前記収納容器を運搬可能に構成された運搬機構と、
を具備したことを特徴とし、
高温の蒸気で滅菌された被滅菌物を収納した収納容器をクランプ機構で把持し、ハンガー部材で保持した状態で運搬することで、ユーザーが高温になった収納容器に触れることなく蒸気滅菌室から取り出すことができるようにしている。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図１ないし図４は本発明の１実施の形態に係り、図１は１実施の形態のトレイ運搬装置を示し、図２は収納用の状態に設定したトレイ運搬装置を示し、図３はトレイ運搬装置と高温高圧蒸気滅菌装置及び冷却機能付き収納棚ユニットを組み合わせた場合の使用例を示し、図４は冷却機能付き収納棚ユニットの構成を示す。
【００１０】
図１に示す本発明の蒸気滅菌用運搬装置としての１実施の形態のトレイ運搬装置１は、底面には移動可能（運搬可能）としたキャスタ２を設けた運搬装置本体（以下、単に装置本体と略記）３を有し、この装置本体３にはステー部材（軸部材）４が立設されている。
そして、このステー部材４にはその長手方向にスライド自在のスライドユニット５が設置され、このスライドユニット５には、高温高圧蒸気で滅菌される被滅菌物としての内視鏡（以下、スコープと略記）６等を収納した収納容器としてのトレイ７をその底部側から支えるハンガー部材８が設けられ、このハンガー部材８と協働してトレイ７を把持（クランプ）したり、（クランプした状態を）解放したりするクランプ機構１４を形成した構成にしている。
【００１１】
装置本体３は、そのベース部分が水平面内で、例えば３方向に延出され、各底面にそれぞれ床面等を回転して円滑に移動可能とするキャスター２が設けられている。このベース部分の中央には長尺で棒状のステー部材４が上方に立設されるように下端が固定され、このステー部材４の側面には、スライドユニット５をステー部材４の長手方向にスライド自在に固定する為の凹凸を有するガイド９が刻設されている。
【００１２】
また、このステー部材４には、該ステー部材４を通す孔部を設けたスライドユニット５が取り外し可能に設置される。また、このスライドユニット５には高さ調整を行うハンドル１１が取りつけられており、このハンドル１１を回転することで、ステー部材４のガイド９と係合するスライドユニット５内部の図示しないギヤが回転してステー部材４の長手方向、つまり上下方向にスライドユニット５を移動させ、高さを調整することができる高さ調整機構が形成されている。
【００１３】
またスライドユニット５をステー部材４に固定させたい場合は、固定ネジ１２を回転させることで、スライドユニット５をステー部材４の適当な高さ位置に固定することができる。
【００１４】
このスライドユニット５にはスコープ６を収納し、高温高圧蒸気滅菌装置２１（図３参照）に投入して、スコープ６と共に高温高圧蒸気滅菌ができる耐性を備えたトレイ７を保持するハンガー部材８が接続されており、ハンガー部材８にはトレイ７を把持したり、解放できるクランプ機構１４が設けてある。
【００１５】
このトレイ７は上部側が開口し、高さが低い有底の箱形状であり、このトレイ７の底面１５上に被滅菌物としてのスコープ６等を載置するようにして収納され、この底面に接触する面積を小さくすると共に、通気性を良くして高温高圧蒸気による滅菌性を良好にするためにメッシュ状になっている。
このトレイ７は例えばステンレススチール又は耐熱樹脂等の部材でその全体が形成され、高温高圧の蒸気に対する十分な耐性を有すると共に、蒸気下での錆性に対しても十分な耐性を有する。
【００１６】
また、このトレイ７を把持したり、解放するこのクランプ機構１４は基端寄りの位置に設けた枢支部でハンガー部材８と協働して開閉するクランプ部材とで構成され、この場合ハンガー部材８の先端側は平板片状でトレイ７の底面１５を下側から支えるように保持し、これに対してクランプ部材はトレイ７の側面をその上部方向から挟み込むようにして把持できるようにＵ字状ないしはコ字状になっており、枢支部は図示しないバネにより、ハンガー部材８とクランプ部材との先端側が閉じる方向に付勢されている。
【００１７】
そして、枢支部の後方位置の例えばクランプ部材の後端で形成される開閉操作部１７をその上面を下方に押す操作を行うことにより、ハンガー部材８に対してクランプ部材の先端側が開き、トレイ７を把持したり、把持したトレイ７を解放したりすることができるようにしている。
【００１８】
このハンガー部材８及びクランプ機構１４は例えばステンレススチール等の部材でも良いが、耐熱性が良好でかつ熱伝導率が低いセラミック部材で形成しても良いし、セラミックのコート膜等を形成したものでも良い。
或いは、少なくともクランプ部材の後端部分等、開閉操作を行う開閉操作部１７は熱が伝わりにくい部材で形成することが望ましい。
【００１９】
ハンガー部材８とスライドユニット５との間は、ハンガー部材８をステー部材４に対して直角に起上させる方向に稼働可能となっており、トレイ７を保持する時は、ハンガー部材８をあらかじめ机上させておき、上下方向に延びるステー部材４に対して直角方向、この場合には水平方向に起上した状態等で固定することができるようにしてある。
【００２０】
このため、ハンガー部材８側を固定する為に、ハンガー部材８の基端を固定ネジ１６を回転させてスライドユニット５に固定できるようにしている。さらに補足説明すると、ハンガー部材８の基端には板状の突出片が形成され、この突出片はスライドユニット５に設けたすり割り溝に係入され、固定ネジ１６により回動自在となっており、この固定ネジ１６を締め付けることでハンガー部材８を固定できるようにしている。
【００２１】
トレイ運搬装置１を収納するような場合、ハンガー部材８を起上させたままにしているとコンパクトに収納しにくくなるような場合には、固定ネジ１６を緩めることにより、図２のようにハンガー部材８は自重で下方側に垂れ下がり、ステー部材４と略平行な状態にしてコンパクトに収納することができるようにしている。
【００２２】
このように本実施の形態のトレイ運搬装置１は装置本体３のステー部材４に取り付けられたスライドユニット５にトレイ７を把持／解放するクランプ機構１４を設けたハンガー部材８と連結し、また装置本体３の底面にはキャスター２を設けて、トレイ７を（把持しない状態はもちろんのこと、）把持した状態で運搬する運搬機構を形成して、高温状態のトレイ７を高温高圧蒸気滅菌装置２１から取り出して所望とする位置に運搬できるようにしている。
【００２３】
次にトレイ運搬装置１と高温高圧蒸気滅菌装置２１及び冷却機能付き収納棚ユニット２２を組み合わせた場合の構成を図３を参照して説明する。
高温高圧蒸気滅菌装置２１は扉２３の内側に高温高圧蒸気滅菌を行う高温高圧蒸気滅菌室（以下、単に蒸気滅菌室）２４が形成されており、この蒸気滅菌室２４内にはトレイ７をスコープ６が収納された状態で載置する金網状等の棚２５等が設けてある。
【００２４】
そして、この蒸気滅菌室２４内の棚２５に被滅菌物としてのスコープ６を収納した状態のトレイ７を配置し、扉２３を閉じて電源スイッチをＯＮすると、蒸気滅菌室２４内を高温高圧蒸気で充満する等して、トレイ７と共にスコープ６を高温高圧の蒸気で滅菌処理することができるようにしている。
【００２５】
高温高圧蒸気滅菌は、１２１〜１３５℃程度の高温の蒸気を被滅菌物に接触させ（例えば、米国規格ＡＮＳＩ／ＡＡＭＩＳＴ３７−１９９２には滅菌行程において約２気圧の高圧で、１３２℃で４分間さらすように規定されている。）被滅菌物等に付着した菌を高温高圧蒸気中に曝させて殺菌することにより蒸気滅菌処理するようにしている。その為、高温高圧蒸気滅菌終了直後のスコープ６は、外表面が高温（例えば９０〜１００℃）になっている。
【００２６】
このため、以下のようにして本実施の形態のトレイ運搬装置１により、高温高圧蒸気滅菌終了直後のスコープ６を載置したトレイ７をユーザーが耐熱手袋等を使用することなく、取り出すことができ、かつ冷却機能付き収納棚ユニット２２に収納して短時間でユーザがスコープ６を使用できる状態にすることができるようにしている。
【００２７】
高温高圧蒸気滅菌装置２１により高温高圧蒸気滅菌が終了した場合には、図３に示すように扉２３を開け、トレイ運搬装置１のハンガー部材８を高温高圧蒸気滅菌装置２１の蒸気滅菌室２４内の棚２５に載置したトレイ７に近づけ、クランプ機構１４の先端側を開くように操作してトレイ７をしっかりハンガー部材８で把持する。
この場合、ハンガー部材８（クランプ機構１４）の後端付近の開閉操作部１７を上方から押したり、摘む等の操作でクランプ機構１４の先端側を開いてトレイ７の側面部分をクランプ機構１４で把持することができる。つまり、クランプ機構１４の後端側を操作することにより、トレイ７に直接手を触れないで、クランプ機構１４の先端側でトレイ７をしっかりハンガー部材８で把持することができる。
【００２８】
なお、蒸気滅菌室２４内の棚２５に載置したトレイ７にクランプ機構１４を近づけた場合、その高さが低すぎたり高すぎたりした場合には、ハンドル１１を回転することにより、クランプ機構１４を設けたハンガー部材８の高さを調整して、トレイ７をつかみ易い高さに簡単に調整設定できる。
また、トレイ７をハンガー部材８で把持したら、トレイ運搬装置１を高温高圧蒸気滅菌装置２１から引き離す方向に移動することにより、キャスタ２により移動でき、容易に高温高圧蒸気滅菌されたトレイ７を高温状態のまま取り出す操作を行える。
【００２９】
本実施の形態では、さらに高温状態のまま取り出したトレイ７を冷却機能付き収納棚ユニット２２に収納することにより、スコープ６を短時間に内視鏡検査に使用ができる状態にまで冷却することができるようにしている。
上記トレイ７を把持した状態でトレイ運搬装置１の装置本体３を押す等してその底面のキャスター２を回転させて移動して、冷却機能付き収納棚ユニット２２の付近にまでトレイ７を運搬移動したら収納棚ユニット２２内にトレイ７毎、収納する。
【００３０】
図４に示すように冷却機能付き収納棚ユニット２２には、扉２５を開くとその内部に収納棚２６が設けてあり、トレイ７を置くことができるようになっている。そして、トレイ７を収納棚２６にしっかり置いたら、クランプ機構１４を解除し、トレイ７をハンガー部材８から解放する。
【００３１】
この冷却機能付き収納棚ユニット２２には、その上部の内側にゴミ取りフィルター２７が設置されたエアーダクト２８が設けられており、下部には大型のシロッコファン２９が上方に風を送風できるように設置された構造となっており、シロッコファン２９の上方に配置され、それぞれ多数の孔を設けた各収納棚２６に向けて風を吹き付けることができる機能を持っている。
【００３２】
トレイ７を収納した後、収納棚２６の扉２５を閉め、スイッチ３０を押すと収納棚２６内のトレイ７等に風が送風され、スコープ６をトレイ７毎、風冷できるようになっている。一定時間経過後、収納棚２６の扉２５を開け、トレイ７を取り出すと、トレイ７及びスコープ６はユーザーが素手で扱えるレベルにまで冷却されている。
【００３３】
このように本実施の形態のトレイ運搬装置１によれば、高温高圧蒸気滅菌され、高温状態のスコープ６が収納されたトレイ７を、ユーザーがトレイ７に直接触れることなく、簡単に取り出すことができる。また、冷却機能付き収納棚ユニット２２を用いる場合には、この冷却機能付き収納棚ユニット２２に高温状態のスコープ６を収納したトレイ７を収納することにより、簡単かつ短時間に内視鏡検査に使用できる状態までスコープ６を冷却することができる。
【００３４】
なお、上述の説明ではトレイ運搬装置１により高温状態のスコープ６が収納されたトレイ７を蒸気滅菌室２４から簡単に取り出すことができると説明したが、被滅菌物としてのスコープ６を直接、把持して取り出すようにすることもできる。
この場合には、例えばハンガー部材８とクランプ機構とはスコープ６の操作部等を把持／解放する形状にすると良い。また、この場合には、ステー部材４の長さ（及びスライドユニット５を固定する高さ）は少なくともスコープ６の挿入部の長さ及びユニバーサルケーブルの長さ以上とし、操作部を把持した場合、挿入部の先端とユニバーサルケーブルの端部のコネクタが床面に接触しないようにできるようにすると良い。
【００３５】
なお、スコープ６以外の処置具等の被滅菌物をを直接把持して取り出す場合にも、その処置具などを把持し、また解放し易い形状のハンガー部材及びクランプ機構を形成しても良い。
【００３６】
また、図１に示すようにトレイ運搬装置１において、固定ネジ１６を緩めることにより、クランプ機構１４が設けられたハンガー部材８側を取り替え、高温になった処置具等の被滅菌物を蒸気滅菌室２４から取り出し易い形状にされた図示しないクランプ機構が設けられたハンガー部材により被滅菌物を取り出せるようにしても良い。
【００３７】
つまり、スライドユニット５にハンガー部材側を交換可能に取り付けられるようにし、トレイ７の形状が異なる場合や、被滅菌物を直接把持して取り出せるようにしても良い。
【００３８】
次に収納ユニットを図５を参照して説明する。なお、図５（Ａ）は収納ユニットの概略の全体構成を示し、図５（Ｂ）はスコープの配置例を示し、図５（Ｃ）はトレイに収納されたスコープを示し、図５（Ｄ）は金網台に設けた窪みを示す。
上述した実施の形態では冷却機能付き収納棚ユニット２２を用いていたが、本実施の形態ではその代わりに以下に説明する収納ユニットを使用する。
【００３９】
図５（Ａ）に示すように収納ユニット３３は、冷却格納庫３４と乾燥格納庫３５と保管庫３６からなる。
冷却格納庫３４には被滅菌物として、例えばスコープ３７が収納された時に図５（Ｂ）に示すスコープ操作部３８及びコネクタ部３９を挟み込むような位置となる天井面及び底面に小型ファン４０ａ、４０ｂが設置されている。
【００４０】
天井面に設置された小型ファン４０ａはゴミとりフィルター４１と連通する管路４２につながっており、この小型ファン４０ａは下部に配置されるスコープ３７に噴き付けるような形で空気が流れるように作動する。
底面に設置された小型ファン４０ｂは収納ユニット３３の排気ダクト４３に連通する管路４４に繋がっており、この小型ファン４０ｂはスコープ３７が配置されているエリアからの空気を吸い取る方向に空気が流れるように作動する。
【００４１】
つまり空気の流れは冷却格納庫３４の天井面から底面に向けて流れるようになっており、スコープ３７に噴き付ける空気はゴミが混入していない清潔なものとなっている。
冷却格納庫３４には扉４５を開けた時に引き出せる図５（Ｄ）に示す金網台４６が設置されており、この金網台４６のうち小型ファン４０ａ、４０ｂで挟み込まれる位置には窪み部４７ａ、４７ｂが形成されており、窪んでいる。
【００４２】
また、金網台４６に配置されるトレイ５３は図５（Ｃ）に示すようにスコープ３７を収納配置する場合の概略のレイアウトが決定されるようになっている。つまり、スコープ３７の形状に合わせてスコープ３７を配置する形状に沿ってピンが多数突設されており、ピンにより挟まれるようにしてスコープ３７が配置される。この場合、少なくとも、スコープ操作部３８とコネクタ部３９の位置は、挿入部等の長さが異なるスコープ３７の場合にも同じ位置となるように設定されている。
【００４３】
そして、このトレイ５３を金網台４６に載置すると、スコープ操作部３８とコネクタ部３９の位置は、図５（Ｄ）に示すようにそれぞれ窪み部４７ａ、４７ｂの位置となる。そして、冷却格納庫３４内に収納すると、小型ファン４０ａ、４０ｂに挟まれる位置となり、効率良く冷却できるようにしている。
【００４４】
乾燥格納庫３５には上記冷却格納庫３４の天井側に設置された小型ファン４０ａに連通する管路４２とシロッコファン４８及びヒーター４９を介して連通する開口部５０と、上記冷却格納庫３４の底面に設置された小型ファン４０ｂと連通する管路４４に繋がる開口部５１が設置されている。乾燥格納庫３５には扉５２を開けた時に引き出せる金網台５３が設置されている。
保管庫３６は冷却格納庫３４で冷却されたスコープ３７を取り出した後に収納しておく引出し式の収納エリアであり、スコープ３７を簡単に収納できるようになっている。また、スコープ３７以外のもの５５を収納することもできる。
【００４５】
次に、上記収納ユニット３３の使用例を説明する。
症例に使われたスコープ３７は、マニュアルまたは洗滌装置により洗滌される。その後、滅菌する為に例えば図３に示す高温高圧蒸気滅菌装置２１に入れられるが、この時、スコープ３７が濡れたままだと、高温高圧蒸気滅菌装置２１にかけてもその滅菌性が低下する可能性があるので、スコープ３７の管路及び外表面を十分乾燥させる必要がある。
【００４６】
ここで、収納ユニット３３の乾燥格納庫３５にスコープ３７を投入し、開口部５０から噴き出る温風によりスコープ３７を乾燥させる。開口部５０、５１の面積は十分大きく、常に乾燥した高温の空気が格納庫３５に入り、開口部５１から排気ダクト４３から出て行くので、効率良くスコープ３７を乾燥させることができる。乾燥されたスコープ３７は、トレイ５３に設置され、ピールパックされるか、または、そのまま高温高圧蒸気滅菌装置２１に投入される。
【００４７】
高温高圧蒸気で滅菌されたスコープ３７は装置から取り出され、再度、収納ユニット３３まで運ばれる。ここで、冷却格納庫３４の扉４５を開き、金網台４６を引き出しその上に置く。
【００４８】
この時スコープ３７の操作部３８とコネクター部３９が金網台４６の窪み部４７ａ、４７ｂに来るように配置すれば、金網台４６を格納庫３４に収納した時に操作部３８とコネクタ部３９が確実に天井面及び底面に設置された小型ファン４０ａ、４０ｂの間にくるように設置できる。
【００４９】
ここで操作部３８とコネクタ部３９を小型ファン４０ａ、４０部の間に置くのは、この部分を集中的に風冷することで、スコープ３７の冷却効率が良くなる為である。つまり、スコープ３７を冷却する場合、スコープ３７内部の空間に熱がこもっているので、この空間が大きく、冷却し難い樹脂及び金属部材で構成された操作部３８及びコネクタ部３９を積極的に冷却することで、スコープ３７全体の冷却効率を上げることができる。図５（Ｂ）に示す蛇管部５４は自然放置でも比較的早く冷却できるので積極的に風冷する必要はない。
【００５０】
図６に示すように処置具や洗滌具類等のスコープ３７以外のもの５５を、この収納ユニット３３に使う場合でも、この窪み部４７ａ、４７ｂにそれを置く事で、効率よく風冷できる。
なお、図６に示すように保管庫３６に被滅菌物として処置具や洗滌具類等のスコープ３７以外のもの５５を保管（収納）するような場合には、その保管するもの５５のサイズに応じたエリアが形成されるように仕切り部材６６で仕切るようにして、保管されるもの５５をコンパクトに収納できるようにしても良い。
【００５１】
冷却格納庫３４に収納されたスコープ３７は、図示しない収納ユニット３３前面のパネルを操作することで小型ファン４０ａ、４０ｂやヒーター４９、シロッコファン４８を作動制御することができる。
【００５２】
風冷開始後、裸状態であれば５分強、ピールパック状態であれば２０分強でユーザーが取り扱える温度まで冷却できるので、その時間が経過したらユーザーに告知できるようにファン４８作動後、タイマーが作動し、その時間が来るとブザーが鳴るようになっている。またタイマーはユーザーの作業フローに合わせた時間で設定できるようにもなっている。
【００５３】
冷却されたスコープ３７は、その後、症例に使われる場合は内視鏡室に運ばれるが、すぐに使われない場合は保管庫３６内のスコープ３７を収納するエリアに置く。処置具や洗滌具類等のスコープ以外のもの５５を、この保管庫３６に入れる場合も、それらの部材を置くエリアに入れておくことで、使い回し易くなる。これは、症例→リプロセス→症例→のフローで常に一体で流れるものなので、セットで保管されていることは非常に有効である。
【００５４】
次に高温高圧滅菌装置により滅菌されたスコープを収納すると共に、滅菌されたスコープを効率良く冷却する手段を備えた蓋付きの収納ユニットの実施の形態を図７を参照して説明する。
図７に示すようにスコープ５６を高温高圧蒸気滅菌装置に投入する際にスコープ５６を収納する上部側の天井が開口するトレイ５７に、その天井を覆うように設置できる蓋５８を設けて収納ユニット６５が形成されている。
【００５５】
この蓋５８にはトレイ５７に設置した時にスコープ５６の操作部５６ａとコネクター部５６ｂの真上から風が当たる位置に小型ファン５８ａ、５８ｂが設けられている。
【００５６】
またトレイ５７底面のスコープ５６の操作部５６ａとコネクター部５６ｂが配置される位置はメッシュ状５９となっており、真上からのファン５８ａ、５８ｂの風を通過させることができるようになっている。蓋５８には小型ファン５８ａ、５８ｂへの供給電源として電源ケーブル６０が接続できるようになっている。供給電源は蓋５８を移動させる場合の自由度を考えて、蓋５８にバッテリー６１が内蔵されており充電できるようになっていても良い。
【００５７】
また、トレイ５７に蓋５８を設置させる場合には、小型ファン５８ａ、５８ｂが必ず操作部５６ａとコネクター部５６ｂの真上に来るように、トレイ５７側に突起６２、蓋５８側に切り欠き５３を設けて（逆でも良い。）、逆付けできないようになっている。
【００５８】
次にこの収納ユニット６５の作用を使用例と共に説明する。
トレイ５７ごと高温高圧蒸気滅菌されたスコープ５６は例えば図３に示す高温高圧蒸気滅菌装置２１からトレイ運搬装置１により取り出される。この後、このトレイ５７に蓋５８をして、蓋５８に付いている図示しないスイッチを押すことで小型ファン５８ａ、５８ｂが作動する。
【００５９】
これによりスコープ５６の操作部５６ａ及びコネクター部５６ｂが積極的に風冷され、スコープ５６が効率良く冷却される。この蓋５８付きトレイ５７、つまり収納ユニット６５は風冷されながら、例えば図５（Ｂ）或いは図６に示した保管庫３６内に置いておけば、収納されたまま冷却される。
風冷して良い蓋５８付きのトレイ５７は保管庫３６や内視鏡リプロセス室の他のスペースに放置される場合が多いので、一定時間経過したら小型ファン５８ａ、５８ｂが停止するように図示しないタイマーが取り付けられている。
【００６０】
そして、そのタイマーで設定された時間後には、内視鏡検査に使用できるように体温或いは室温程度にまで冷やされており、短時間に内視鏡検査に使用できる。
【００６１】
なお、上述の説明では高温高圧の蒸気で滅菌する場合で説明したが、（高圧でなくても）少なくとも高温の蒸気を用いて滅菌する場合に広く適用できる。
なお、上述した各実施の形態等を部分的等で組み合わせて構成される実施の形態等も本発明に属する。
【００６２】
［付記］
１．請求項２において、前記ステー部材には前記ハンガー部材を、ステー部材の長手方向にスライド自在で、ハンガー部材の固定位置を調整可能とするスライド機構が設けてある。
２．付記１において、前記スライド機構は前記ハンガー部材の基端を回動自在に固定する固定手段が設けてある。
３ａ．高温の蒸気で滅菌される被滅菌物を収納してこの被滅菌物とともに高温の蒸気で滅菌された有底の収納容器を支えることで前記収納容器を保持するハンガー部材と、
前記ハンガー部材が前記収納容器を保持した際に、前記ハンガー部材と協働して前記収納容器を把持することで前記収納容器を前記ハンガー部材にクランプ可能なクランプ機構と、
前記ハンガー部材を支持し、前記クランプ機構によって前記ハンガー部材にクランプされた前記収納容器を運搬可能に構成された運搬機構と、
を具備したことを特徴とする蒸気滅菌用容器運搬装置。
【００６３】
４ａ．付記３ａにおいて、前記クランプ機構を設けたハンガー部材は前記運搬機構から取り外し可能である。
５ａ．付記４ａにおいて、前記ハンガー部材及びクランプ機構の他に、さらに前記被滅菌物をクランプ可能とする第２のハンガー部材及び第２のクランプ機構を前記運搬機構に取り付け可能である。
３ｂ．高温の蒸気で滅菌される被滅菌物を保持するハンガー部材と、
前記ハンガー部材が前記被滅菌物を保持した際に、前記ハンガー部材と協働して前記被滅菌物を把持することで前記被滅菌物を前記ハンガー部材にクランプ可能なクランプ機構と、
前記ハンガー部材を支持し、前記クランプ機構によって前記ハンガー部材にクランプされた前記被滅菌物を運搬可能に構成された運搬機構と、
を具備したことを特徴とする蒸気滅菌物運搬装置。
【００６４】
６．高温高圧蒸気滅菌される被滅菌物が収納された容器を収納する収納ユニットにおいて、
被滅菌物を容器ごと冷却／乾燥／保管する格納庫をそれぞれ別体に設けたことを特徴とする収納ユニット。
７．付記６において、被滅菌物を容器ごと冷却する格納庫には、容器を設置する金網台と、被滅菌物が冷却し易い位置に小型のファンを具備したことを特徴とする。
８．付記７において、ファンは格納庫に被滅菌物が設置された時に、被滅菌物を挟み込むように天井面と底面に配置されることを特徴とする。
９．付記７において、金網台の、少なくとも上記ファンによって挟まれる位置は窪んだ形で形成されていることを特徴とする。
１０．付記６において、被滅菌物を保管する収納庫は、部材の大きさに応じたエリアで仕切られていることを特徴とする。
【００６５】
（付記６〜１０の背景）
従来技術
被滅菌物としてのスコープは洗滌後に高温高圧蒸気滅菌するが、スコープ外表面及び管路を十分に乾燥させておかないと、滅菌レベルを低下させる可能性があった。また、トレイに収納された滅菌されたスコープを保管する収納ユニットはなかった。
（付記６〜１０に対する従来技術の問題点）
高温高圧蒸気滅菌されたスコープまたはスコープを収納している容器を冷却する場合、風冷による手段と水冷による手段がある。風冷の場合は、冷却速度が遅く効率が悪い。水冷の場合は、スコープ外表面を濡らしてしまい、再度拭き取る必要があるので、手間を増やしてしまう。従って、効率良くスコープを冷却できる手段はなかった。
【００６６】
また、スコープは高温高圧蒸気滅菌する前に洗滌／乾燥されるが、十分に乾燥させないと滅菌が不十分になる可能性があるが、スコープに付着した水滴を拭き取ったり、エアーガンで吹き飛ばしたりするしかなかった。
また、トレイに収納された滅菌されたスコープを保管する保管ユニットはなかった。
従って、上記スコープの冷却／乾燥／収納をすべて行える収納ユニットは存在しなかった。
【００６７】
（付記６〜１０の目的）
高温高圧蒸気滅菌されるスコープを冷却／乾燥／保管可能な収納ユニットを提供することを目的とし、このため付記６〜１０の構成にすることによりスコープリプロセスを効率的に行うことができる。
（課題を解決するための手段）
（手段）
高温高圧蒸気滅菌されたスコープをトレイごと収納できる格納庫を具備した収納ユニットを提供する。格納庫は、それぞれ冷却／乾燥／保管できるよう独立している。
【００６８】
（作用）
高温高圧蒸気滅菌されたトレイに収納されたスコープを小型のファンがついた格納庫にいれることで効率的に冷却できる。
高温高圧蒸気滅菌される前に洗滌されたスコープは、高温乾燥空気を供給できる格納庫に入れることで、効率良く乾燥させることができる。
冷却されたスコープは、保管用の格納庫に入れておくことで、効率良く収納できる。
【００６９】
１１．高温高圧蒸気滅菌後の被滅菌物が収納された容器に取り付け可能で、定位置に配置された小型ファンを具備したことを特徴とする容器蓋形状の収納ユニット。
（付記１１の背景）
従来技術
スコープを冷却する場合、送風機を使った風冷手段や滅菌水を掛ける水冷手段等があるが、風冷手段の場合は冷却速度が遅く効率が悪い。また水冷はスコープ外表面を濡らしてしまい、再度拭き取る必要があるので、手間を増やしてしまう。
【００７０】
（付記１１に対する従来技術の問題点）
高温高圧蒸気滅菌されたスコープまたはスコープを収納している容器を冷却する場合、風冷による手段と水冷による手段がある。風冷の場合は、冷却速度が遅く効率が悪い。水冷の場合は、スコープ外表面を濡らしてしまい、再度拭き取る必要があるので、手間を増やしてしまう。従って、効率良くスコープを冷却できる手段はなかった。
（付記１１の目的）
高温高圧蒸気滅菌装置で滅菌されたスコープを効率良くかつ簡単に冷却する手段を備えた収納ユニットを提供する。
【００７１】
（課題を解決するための手段）
（手段）
高温高圧蒸気滅菌される被滅菌物としてのスコープを収納する容器としてのトレイに取り付けるトレイ用の蓋の定位置に小型のファンを配置する。スコープが収納されたトレイが高温高圧蒸気滅菌装置から取り出された時に、この蓋をして、ファンを作動させる。
（作用）
高温高圧蒸気滅菌後のスコープを効率よく冷却させることができる。
【００７２】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高温の蒸気で滅菌される被滅菌物を収納してこの被滅菌物とともに高温の蒸気で滅菌可能に構成された有底の収納容器と、
滅菌された前記収納容器の底部から支えることで前記収納容器を保持するハンガー部材と、
前記ハンガー部材が前記収納容器を保持した際に、前記ハンガー部材と協働して前記収納容器を把持することで前記収納容器を前記ハンガー部材に固定可能なクランプ機構と、
前記ハンガー部材と前記クランプ機構とを支持し、前記クランプ機構によって前記ハンガー部材に固定された前記収納容器を運搬可能に構成された運搬機構と、
を具備しているので、
高温の蒸気で滅菌された被滅菌物を収納した収納容器をクランプ機構で把持し、ハンガー部材で保持した状態で運搬することで、ユーザーが高温になった収納容器に触れることなく蒸気滅菌室から取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の１実施の形態のトレイ運搬装置を内視鏡を収納したトレイを保持した状態で示す斜視図。
【図２】収納用の状態に設定したトレイ運搬装置を示す斜視図。
【図３】トレイ運搬装置と高温高圧蒸気滅菌装置及び冷却機能付き収納棚ユニットを組み合わせた場合の使用例を示す斜視図。
【図４】冷却機能付き収納棚ユニットの構成を一部を切り欠いて示す斜視図。
【図５】冷却／乾燥／保管可能な収納ユニット等の構成を示す図。
【図６】収納ユニットの一部を示す斜視図。
【図７】冷却手段を備えた収納ユニットの構成を示す図。
【符号の説明】
１…トレイ運搬装置
２…キャスタ
３…装置本体
４…ステー部材
５…スライドユニット
６…内視鏡（スコープ）
７…トレイ
８…ハンガー部材
９…ガイド
１１…ハンドル
１２…固定ネジ
１４…クランプ機構
１５…底面
１６…固定ネジ
１７…開閉操作部
２１…高温高圧滅菌装置
２２…収納棚ユニット

Claims

高温の蒸気で滅菌される被滅菌物を収納してこの被滅菌物とともに高温の蒸気で滅菌可能に構成された有底の収納容器と、
滅菌された前記収納容器の底部から支えることで前記収納容器を保持するハンガー部材と、
前記ハンガー部材が前記収納容器を保持した際に、前記ハンガー部材と協働して前記収納容器を把持することで前記収納容器を前記ハンガー部材に固定可能なクランプ機構と、
前記ハンガー部材と前記クランプ機構とを支持し、前記クランプ機構によって前記ハンガー部材に固定された前記収納容器を運搬可能に構成された運搬機構と、
を具備したことを特徴とする蒸気滅菌用容器運搬装置。
前記運搬機構は、前記ハンガー部材と前記クランプ機構とをその外周方向で支持する長尺の棒状に形成されたステー部材と、
前記ステー部材が固定されるとともにキャスター部材によって床面上を移動可能に構成されたキャスター部と、
を具備したことを特徴とする請求項１に記載の蒸気滅菌用容器運搬装置。