JP2004173826A - 光学式センサ、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システム - Google Patents

光学式センサ、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】本人照合精度が高く、小型・薄型化が実現可能な光学式センサを提供する。
【解決手段】シート状基板11に発光素子51及び受光素子52が設けられる。発光素子51及び受光素子52の少なくともいずれか一方が半導体基板に形成され、且つフィルムに貼付された状態で半導体基板から切り離されてシート状基板11に接合された半導体素子からなる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式センサ、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本人照合のために、指紋検出センサを用いる技術が提案されている。特許文献1には抵抗感知型指紋検出センサが、特許文献2には光電式指紋検出センサが、特許文献3には圧電式指紋検出センサが、特許文献4には静電容量式指紋検出センサがそれぞれ開示されている。
【0003】
しかし、本人照合を指紋だけに頼ると、その本人が生存していない場合にも指紋を採取できるので、犯罪に悪用される懸念がある。そこで、特許文献5には、読み取りローラ上を走査される指の指紋を光学的に読み取ると共に、その近傍に設けた脈拍センサにより脈拍を検出する技術が開示されている。また、特許文献6には、圧力センサを用いて脈拍をモニターする技術や赤外線センサで生体から放出される熱(体温)をモニターする技術が開示されており、特許文献7には血液の酸素濃度や脈拍等の血液情報を光学的に検出する技術が開示されている。
【0004】
図▲1▼
特開平3−6791号公報
図▲2▼
特開平4−271477号公報
図▲3▼
特開平5−61965号公報
図▲4▼
特開平11−118415号公報
図▲5▼
特開2001−184490号公報
図▲6▼
特開平6−187430号公報
図▲7▼
特開平7−308308号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。上記特許文献で開示されている光学式センサには、ローラやプリズムが用いられているため、例えば携帯用カード等にセンサ機能を搭載させるための小型・薄型化を実現することが困難である。また、指紋照合以外の本人照合手段として、脈拍を検出する場合、脈拍はパルスであるので偽造がた易いという問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、本人照合精度が高く、小型・薄型化が実現可能な光学式センサ、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の光学式センサは、シート状基板に発光素子及び受光素子が設けられた光学式センサであって、前記発光素子及び受光素子の少なくともいずれか一方は、半導体基板に形成され、且つフィルムに貼付された状態で前記半導体基板から切り離されて前記シート状基板に接合された半導体素子からなることを特徴とするものである。
【0008】
従って、本発明では、発光素子から、例えば検知対象者の指に光を照射し、その反射光や透過光を受光素子で受光することで、検知対象者の脈波を検出することができる。脈波の形状は生存する人間固有のものであり、脈波から抽出される指標もまた、生存する人間固有のものである。この点、脈波自体でなく、その一成分である例えば脈拍等のパルスを直接検出しようとした場合、そのようなパルスは人為的に生成可能である。一方、脈波の波形を偽造することは極めて困難であり、かつ、その脈波中のいずれかの指標をも偽造することは不可能に近い。よって、本発明の一態様によれば、本人照合精度が極めて向上し、本人照合結果の信頼性が向上する。また、本発明では、半導体素子を微小タイル形状に切り離し、フィルムにマウントしてハンドリングできるので、ハンドリングできる半導体素子のサイズを従来の実装技術のものより小さくすることが可能になり、小型且つ薄型の光学式センサを得ることができる。
【0009】
また、本発明では、前記受光素子が化合物半導体デバイスであって、フォト・ダイオード、フォト・トランジスタ、MSM構造素子のうちの少なくとも一つを有することが好ましい。
【0010】
また、本発明では、前記発光素子が化合物半導体デバイスであって、面発光レーザを有することが好ましい。この場合、前記面発光レーザの出力値を検出する検出装置と、該検出装置の検出結果に基づいて前記レーザの出力を制御する制御装置とを有することが好ましい。これにより、本発明では、検知対象者に向けて出射されるレーザ光の強度を調整(抑制)することができるため、いわゆるアイセーフ対策として安全性を向上させることが可能になる。
【0011】
また、前記面発光レーザから出射されたレーザ光を拡散させる拡散装置を有する構成も採用可能である。この場合、検知対象者に向けて出射されたレーザ光を散乱させコヒーレンシーを低下させることができるため、アイセーフ対策として安全性を向上させることが可能になる。拡散装置としては、前記レーザ光の光路に配置された光拡散板や、屈折率の異なる材質の粒子が分散された前記シート状基板や、表面に凹凸が設けられた前記シート状基板を有することが好ましい。
【0012】
また、本発明では、前記シート状基板が前記発光素子の発光波長に対して透過性を有することが好ましい。この場合、検知対象者と対向する面と逆側に発光素子を接合することが可能になり、シート状基板を介して検知対象者の脈波を検出することができる。この構成においては、さらにシート状基板が可視光を遮光する光学特性を有することが好ましい。これにより、可視光に起因する受光性能の悪影響を排除して、脈波の検出精度を向上させることが可能になる。
【0013】
また、本発明では、前記シート状基板に指紋検出装置が設けられることが好ましい。これにより、本発明では検知対象者の指紋情報と脈波情報とを照合することで本人照合精度を一層向上させることが可能になる。
【0014】
一方、本発明のカード型情報記録媒体は、上記の光学式センサを有することを特徴としている。従って、本発明では本人照合精度が高く、小型・薄型化のカード型情報記録媒体を得ることができる。
【0015】
また、本発明の情報処理システムは、上記のカード型情報記録媒体と、前記カード型情報記録媒体の情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置とを有することを特徴としている。従って、本発明では、小型・薄型化のカード型情報記録媒体を用いた本人照合精度の高い情報処理システムを構築することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光学式センサ、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムの実施の形態を、図1ないし図32を参照して説明する。ここでは、本発明を、本人照合装置を内蔵したカード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムに適用した例を用いて説明する。
【0017】
(カード型情報記録媒体)
例えば集積回路(IC)を含むICカードとして、メモリカード、I/O(入出力回路)カード、ISO準拠のカードなどが知られている。本実施形態は、これらのクレジットカード、キャッシュカード等として用いられる各種カードに本人照合装置を内蔵させたものである。
【0018】
一例として、本実施形態のカード型情報記録媒体の例を、図1(A)〜図1(C)及び図2(A)(B)に示す。図1(A)に示すカードは基板10上にメモリ12を有し、図1(B)に示すカードはメモリ12に加えさらにCPU14を有し、図1(C)に示すカードはメモリ12及びCPU14に加えさらにI/O16を有する。図2(A)に示すカードは図1(C)に示すカードに表示部20及び表示駆動部22をさらに加えたものである。図2(B)に示すカードは図2(A)に示すカードにさらに電源例えば太陽電池24を付加したものである。この他、カードに内蔵される構成は種々変形でき、例えば図2(B)以外のカードにも電源例えば太陽電池24を内蔵させても良い。ここで、図1(A)〜図1(C)及び図2(A)(B)に示すいずれのカードにも本人照合装置30が内蔵されている。
【0019】
(情報処理システム)
図3は、カード型情報記録媒体100と情報処理装置150とから構成される情報処理システムを示している。本実施形態のカード型情報記録媒体100のセンシング領域に、カード所有者が指を触れると、カード型情報記録媒体100がカード所有者の指紋と脈波とを検出し、本人照合装置30にて本人照合が実施される。この照合動作は、カード型情報記録媒体100が電源を内蔵していれば、情報処理装置150から電力の供給を受けずに実施できる。カード型情報記録媒体100が電源を内蔵していなければ、情報処理装置150の給電部132から電力の供給を受けて実施できる。
【0020】
情報処理装置150は、カード型情報記録媒体100にてカード所有者が登録された本人であると認証された後に、カード型情報記録媒体100から、本人照合に用いた情報以外の各種情報を読み取って処理する。カード型情報記録媒体100からの認証結果の出力形態として、カード型情報記録媒体100が表示部20(図2(A)(B)参照)を有するのであれば、その表示部20に「カード使用可能」などの使用許可情報を表示すればよい。情報処理装置150を操作するオペレータは、その表示を確認した後に情報処理を開始できる。あるいは、カード型情報記録媒体100にて本人であると認証された後に、カード型情報記録媒体100からパスワード等が出力されて、情報処理装置150に入力されるようにしても良い。こうすると、オペレータを介在させずに情報処理装置150での処理が開始される。情報処理装置150は、カード発行会社のホスト機器120の端末機器として機能し、カード型情報記録媒体100からのパスワードを、ホスト機器120からの情報に基づいて照合する機能を有するものでも良い。
【0021】
いずれの場合も、カード型情報記録媒体100は真正なる本人以外は使用不能のとなるので、カードの紛失、盗難があっても、カードの盗用が防止される。しかも、指紋、脈波などの個人情報は、カード型情報記録媒体100から外部に読み出されることがないので、個人情報の流出も防止できる。
【0022】
図4は、カード型情報記録媒体100に内蔵される本人照合装置30のブロック図である。図4において、この本人照合装置30には、カード所有者の固有情報を検出する指紋検出センサ40と、カード所有者の脈波を検出する脈波検出センサ(光学式センサ)50とが設けられている。これらの各センサ40,50の詳細については後述する。指紋検出センサ40にカード所有者の指が接触されたことを感知して、本人照合装置30を起動させる起動スイッチ42を設けることもできる。特に、カード型情報記録媒体100が電源を内蔵している場合には、起動スイッチ42を設ける意義がある。また、本人照合装置30には、脈波検出センサ50にて検出された脈波を処理して、少なくとも一つの指標を抽出する指標抽出部60が設けられている。
【0023】
指紋検出センサ40からの指紋情報と、指標抽出部60からの抽出情報とは、照合部70に入力される。この照合部70は、比較情報記憶部80に記憶された比較情報と検出情報とを照合するものである。比較情報記憶部80は、指紋検出センサ40からの指紋情報と比較される第1の比較情報が記憶される第1の比較情報記憶部82と、指標抽出部60からの指標と比較されると第2の比較情報が記憶される第2の比較情報記憶部84とを有する。また、照合部70からの照合結果に基づいて、カード所有者が真正であるからカードの使用を許可する信号、例えばパスワードを出力するパスワード出力部90が設けられている。なお、照合部70からの信号は、カード型情報記録媒体100のCPU14にも入力され、例えば図2(A)(B)に示す表示部20にカードの使用を許可する旨の表示、例えば「カード使用可能」などのメッセージの表示、あるいはその旨の点灯または点滅表示などを制御する。
【0024】
次に、本人照合装置30を構成する指紋検出センサ40及び脈波検出センサ50について説明する。図5に、これら指紋検出センサ40及び脈波検出センサ50の構造例を示す。この図に示す本人照合装置30は、シート状基板としてのプラスチックシート11の一方の面(表面)に指紋検出センサ40が設けられ、他方の面(裏面)に脈波検出センサ50が設けられた構成となっている。プラスチックシート11は、後述する発光素子51の発光波長に対して透過性を有しており、例えばポリオレフィンやポリエチレンテレフタラート(PET)等で形成されている。なお、シート状基板としては、上記プラスチックに限られず、ガラスやSi等で形成してもよい。
【0025】
(指紋検出センサ)
図6に指紋検出センサ40の一例を示す。この指紋検出センサ40は、本出願人により出願された特願2002−58071号に開示されたものと同じである。図6において、M本(Mは2以上の整数)の電源線200と、N本(Nは2以上の整数)の出力線202とを有する。M本の電源線200とN本の出力線202の各交点には静電容量検出素子204が設けられている。図6に示す静電容量検出素子204は、指が接触した時の閉回路として図示されており、指の凹凸パターンに依存して変化する可変容量CFと、信号増幅素子例えば信号増幅MIS型薄膜半導体装置(以下信号増幅用TFTと略記する)206とを有する。静電容量検出素子204に指が接触していない時には、可変容量CFの接地端側はオープン状態である。なお、可変容量CFについては後述する。
【0026】
M本の電源線200の各々は、対応する行に沿って配列されたN個の信号増幅用TFT206のドレインDに接続されている。また、M本の電源線200の各々は、M個の電源用パスゲート210の各々を介して共通電源線212に接続されている。すなわち、電源用パスゲート210はMIS型薄膜半導体装置にて形成され、そのソースSは電源線200に接続され、そのドレインDは共通電源線212に接続されている。電源選択回路220内には、上述のM個の電源用パスゲート210及び共通電源線212に加えて、電源用シフトレジスタ222が設けられている。電源用シフトレジスタ222の電源選択用出力線224に、M個の電源用パスゲート210の各ゲートGが接続されている。
【0027】
N本の出力線202各々は、対応する列に沿って配列されたM個の信号増幅用TFT206のソースSに接続されている。また、N本の出力線202の各々は、N個の出力信号用パスゲート230の各々を介して共通出力線232に接続されている。すなわち、出力信号用パスゲート230はMIS型薄膜半導体装置にて形成され、そのドレインDは出力線202に接続され、そのソースSは共通出力線232に接続されている。出力信号選択回路240内には、上述のN個の出力信号用パスゲート230及び共通出力線232に加えて、出力信号用シフトレジスタ242が設けられている。出力信号用シフトレジスタ242の出力選択用出力線244に、出力信号用パスゲート230のゲートGが接続されている。
【0028】
図7は、図6に示す静電容量検出素子204の断面図であり、指が接触されていない状態が図示されている。この静電容量検出素子204は、上述の信号増幅素子である信号増幅用TFT206に加えて、信号検出素子208を有する。図7において、絶縁層250上には、ソース領域252A、ドレイン領域252B及びその間のチャネル領域252Cを有する半導体膜252が形成されている。半導体膜252上にはゲート絶縁膜254が形成され、このゲート絶縁膜254を挟んでチャネル領域252Cと対向する領域にゲート電極256が形成されている。この半導体膜252、ゲート絶縁膜254及びゲート電極256で、信号増幅用TFT206が構成される。なお、電源用パスゲート210及び出力信号用パスゲート230も、信号増幅用TFT206と同様にして形成される。この信号用TFT206は第一層間絶縁膜260により被われている。第一層間絶縁膜260上には、図6に示す出力線202に相当する第一配線層262が形成されている。この第一配線層262は信号用TFT206のソース領域252Aに接続されている。
【0029】
第一配線層262は第二層間絶縁膜264により被われている。この第二層間絶縁膜264上には、図6に示す電源線200に相当する第二配線層266が形成されている。この第二配線層266は、信号増幅用TFT206のドレイン領域252Bに接続されている。なお、図7とは異なる構造として、第二配線層266を第一層間絶縁膜260上に形成し、第一配線層262を第二層間絶縁膜264上に形成してもよい。
【0030】
第二層間絶縁膜264上にはさらに、容量検出電極270が形成され、それを被って容量検出誘電体膜272が形成されている。容量検出誘電体膜272は、指紋検出センサ40の最表面に位置して保護膜としても機能し、この容量検出誘電体膜272に指が接触される。この容量検出電極270及び容量検出誘電体膜272により、信号検出素子208が構成される。
【0031】
(製造工程)
本実施形態のカード型情報記録媒体100は、図8に示すように、上述の指紋検出センサ40を含む薄膜ディバイス400が、柔軟性のあるプラスチックシート11上に形成されるが、薄膜ディバイス400を、直接にプラスチックシート11上に形成することは困難である。そこで、指紋検出センサ40は先ず、図8に示すように、例えば第1製造基板430上に形成される。その一例として、第1製造基板430をガラス基板とした時には、その上に形成したアモルファスシリコン層をレーザ結晶化して多結晶シリコン層とし、それにより図7に示した半導体膜252を形成できる。その後は、通常の薄膜半導体製造プロセスを実施することで、第1製造基板430上に、指紋検出センサ40を含む薄膜ディバイス400が形成される。
【0032】
ここで、薄膜ディバイス400は、その上下面の向きを維持した状態で、プラスチックシート11に転写される必要がある。そこで、第1製造基板430及び薄膜ディバイス400は一旦、第2製造基板450に接合され、その後第1製造基板430が剥離される。最後に、第2製造基板450及び薄膜ディバイス400がプラスチックシート11上に転写され、その後第2製造基板450が剥離される。こうして、プラスチックシート11上に薄膜ディバイス400が形成される。
【0033】
このとき、指紋検出センサ40と対向して脈波検出センサ50を配置することができる。こうすると、指紋検出センサ40の容量検出誘電体膜272に指をさせれば、その同一の指より指紋と脈波とを検出することができる。こうすると、指紋及び脈波の双方を偽造することが極めて困難となるので、本人照合の信頼性がより増大する。 このように、指紋検出センサ40と脈波検出センサ50とを対向配置する場合には、プラスチックシート11及び指紋検出センサ40の構成部材が、脈波検出センサ50からの発光波長に対して透明である(透過性を有する)必要がある。このために、図7に示す第1,第2配線層262,266及び容量検出電極270を透明電極(例えばITO)にて形成すればよい。
【0034】
なお、上記薄膜ディバイス400をプラスチックシート11に転写する技術の詳細は、本願出願人による転写技術(特開平10−125931、特開平10−177187、特開平11−20360、特開平11−26733、特開平11−26734、特開平11−74533、特開平11−312811)に詳述されているため、ここでは簡略化した。
【0035】
(指紋検出動作)
指紋検出は、図7に示す容量検出誘電体膜272に指を接触させることで実施される。このとき、指紋検出センサ40の起動スイッチ(例えば感圧スイッチ)42が作動し(図4参照)、カード型情報記録媒体100内の電源が作動して、自動的に、指紋検出センサ40に電源が供給される。あるいは、カード型情報記録媒体100を図2の情報処理装置150にセットし、情報処理装置150の給電部132より電源が供給されても良い。
【0036】
本実施形態では、図6に示すM本のうち選択された1本の電源線200に電源電圧を供給し、かつ、そのときの信号を、N本のうち選択された1本の出力線202から検出することで、M×N個の静電容量検出素子204から順次信号を取り出している。指紋検出動作は大別して、(1)指紋パターンの山(凸部)が容量検出誘電体膜272に接触する場合と、(2)指紋パターンの谷(凹部)が容量検出誘電体膜272に対向する場合とがある。
【0037】
(1)指紋パターンの山(凸部)が容量検出誘電体膜272に接触する場合
図9に、この場合の静電容量検出素子204の等価回路を示す。符号300は人体の指紋の山に相当し、図7の容量検出電極270と誘電体膜272を挟んで対向する接地電極300が形成されている。ここで、電源電圧Vddは共通電源線212より供給される。符号Cは、信号増幅用TFT206のトランジスタ容量であり、符号Cは検出電極270と接地電極(指)300との間の容量である。
【0038】
ここで、信号増幅用TFT206のゲート電極長をL(μm)、ゲート電極幅をW(μm)、ゲート絶縁膜の厚みをtox(μm)、ゲート絶縁膜の比誘電率をεox、真空の誘電率をεoとする。このとき、トランジスタ容量Cは、
=εo・εox・L・W/tox
となる。
【0039】
また、容量検出電極270の面瀬S(μm)、容量検出誘電体膜272の厚みをtd(μm)、容量検出誘電体膜の比誘電率をεdとする。このとき、容量Cは、
=εo・εd・S/td
となる。
【0040】
図9の等価回路において、信号増幅用TFT206のゲートに印加される電圧VGTは、
GT=Vdd/(1+C/C)…(1)
となる。
容量Cをトランジスタ容量Cよりも充分に大きく設定しておけば(例えばC>10×C)、(1)式の分母は無限大となり、
GT≒0…(2)
と近似される。
この結果、信号増幅用TFT206は、そのゲートにほとんど電圧がかからないためオフ状態となる。よって、信号増幅用TFT206のソース−ドレイン間に流れる電流Iは極めて小さくなる。この電流Iを測定することで、測定箇所が指紋パターンの山(凸部)であることが判定できる。
【0041】
(2)指紋パターンの谷(凹部)が容量検出誘電体膜272に対向する場合
図10に、この場合の静電容量検出素子204の等価回路を示す。符号302が人体の指紋の谷に相当する。この場合は、図9に示す容量Cに加えて、誘電体膜272と指紋の谷との間に、空気を誘電体とする新たな容量Cが形成される。
図10の等価回路において、信号増幅用TFT206のゲートに印加される電圧VGVは、
GV=Vdd/{[1+(1/C)]×1/[(1/C)+(1/C)]}…(3)
となる。
【0042】
容量Cをトランジスタ容量Cよりも充分に大きく設定しておけば(例えばC>10×C)、(3)式は、
GV≒Vdd/[1+(C/C)]…(4)
と近似される。
さらに、トランジスタ容量Cを、指紋の谷により形成される容量Cよりも充分に大きくしておけば(例えばC>10×C)、(4)式は、
GV≒Vdd…(5)
と近似される。
この結果、信号増幅用TFT206は、そのゲートに電源電圧Vddがかかるためオン状態となる。よって、信号増幅用TFT206のソース−ドレイン間に流れる電流Iは極めて大きくなる。この電流Iを測定することで、測定箇所が指紋パターンの谷(凹部)であることが判定できる。
【0043】
このように、図6に示す可変容量CFは、指紋の山が容量検出誘電体膜272に接触した時は容量Cとなり、指紋の谷が容量検出誘電体膜272に対向としたときは容量Cと容量Cとの和となり、指紋の凹凸に従って容量が変化する。この指紋の凹凸に従った容量変化に基づく電流を検出することで、指紋の山または谷を検出できる。
以上の動作を、M×N個の静電容量検出素子204にて時分割で実施することで、指紋パターンを検出することが可能となる。
【0044】
ここで、電源電圧Vddに正電源を用いる場合には、ゲート電圧がゼロ近傍でドレイン電流が流れないエンハンスメント型N型トランジスタにて、信号増幅用TFT206を形成すればよい。C>10×Cを満たす場合には、信号増幅用TFT206の伝達特性におけるドレイン電流が最小値となるゲート電圧(最小ゲート電圧)をVminとしたとき、0<Vmin<0.1×Vddを満たせばよい。電源電圧Vddに負電源を用いる場合には、ゲート電圧がゼロ近傍でドレイン電流が流れないエンハンスメント型P型トランジスタにて、信号増幅用TFT206を形成すればよい。C>10×Cを満たす場合には、信号増幅用TFT206の伝達特性におけるドレイン電流が最小値となるゲート電圧(最小ゲート電圧)をVminとしたとき、0.1×Vdd<Vmin<0を満たせばよい。
【0045】
(脈波検出センサ及び指標抽出部)
脈波検出センサ50は発光素子51(発光ダイオード、面発光レーザ、有機ELなど)と受光素子52(フォトトランジスタ、フォトダイオード、有機フォトダイオードなど)とを用いて構成することができる(図5参照)。ここでは、発光素子51として面発光レーザ(VCSEL)を用い、受光素子52としてフォトダイオードを用いる場合の例で説明する。
発光素子51より放射された光は、プラスチックシート11と指紋検出センサ40を透過して、その上に接触している指へ進入する。指の中で光は吸収及び散乱され、その一部が指紋検出センサ40とプラスチックシート11とを透過して受光素子52へ到達する。指の中での光の吸収および散乱は、脈動によって変化する血液の量におおよそ比例して変化する。従って、発光素子51から放射する光量を一定にしておけば、受光素子52で検知する光量の変動から脈波を求めることが可能になる。
【0046】
発光素子からの発光波長は、血液中のヘモグロビンの吸収波長ピーク付近に選定されることが好ましい。受光レベルが血流量に応じて変化するので、脈波(例えば容積脈波)波形を検出することができる。このような発光素子としては、面発光レーザの他に、InGaN系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDなどを用いることができ、発光波長は350〜600nm(ピーク波長は450nm付近)である。受光素子としては、例えばGaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)のフォトトランジスタなどを用いることができ、主要感度領域は300〜600nmである。
この構成により、血液量の変動に対する受光レベルの変化が大きくなるため脳波の検出精度が高まる(すなわち、S/NのSを高めることができる)。
一方、プラスチックシート11に、外光(可視光)を吸収し赤外光を透過する光学特性を持たせ、発光素子の発光波長を赤外光にする構成も好適である。
この構成により、外光(可視光)は受光素子へ到達しないので、外光に起因するノイズ等の外乱を排除(遮断)することができる。すなわち、S/NのNを下げることで、S/Nを高めて脈波の検出精度を向上させることができる。
【0047】
発光素子51及び受光素子52は、共に微小タイル状素子であり、接着剤等によりプラスチックシート11の片面に接着されている。微小タイル状素子とは、微小なタイル形状(板形状)の半導体デバイスであり、例えば、厚さ1μmから20μm、縦横の大きさ数十μmから数百μmの四角形板状部材である。これらの微小タイル状素子の製造方法については後で説明する。なお、微小タイル状素子の形状は四角形に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
【0048】
図11(a)に示すように、微小タイル状素子1は、接着剤3を介してプラスチックシート11の片面に接着されている。なお、この図においては、図5に対して上下を逆にして図示している。そして、微小タイル状素子1のデバイスと基板11に設けられている電子回路とはメタル配線4で接続されている。接着剤3は、例えば、樹脂からなり、絶縁性及び透明性を有していることが好ましい。
【0049】
なお、メタル配線4(及び後述するメタル配線5)は、図示しないインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)から金属を含む液滴を吐出することで金属パターン等を形成する液滴吐出方式で形成することが好ましい。これにより、フォトリソグラフィ、エッチング等で金属パターンを形成する場合に比較して、構成材料の量を軽減でき、設計変更などにも容易に対応できるため、製造コストを低減することが可能になる。
【0050】
なお、発光素子51としては、上記図11(a)に示した構成の他に、自動出力制御(APC:Auto Power Control)回路付きの構成を採ることも可能である。以下、半導体集積回路を用いたAPC回路付き面発光レーザ(発光素子)の構成例について図11(b)乃至図13を参照して詳述する。図11(b)は、発光素子51の概略断面図である。なお、この図においても、図5に対して上下を逆にして図示している。
【0051】
この発光素子51は、プラスチックシート11上に微小タイル状素子1及び微小タイル状素子2とを有して構成されている。微小タイル状素子1及び微小タイル状素子2は、接着剤3を介して重ねられて貼り合わせられ、プラスチックシート11の片側面に接着剤3で接着されている。そして、微小タイル状素子2のデバイスと基板11に設けられている電子回路とはメタル配線5で接続されている。なお、接着剤3が絶縁性を持つものとすることで、メタル配線4、5におけるショートを確実に回避することができる。
【0052】
次に、図12を参照してより具体的に説明する。
すなわち、発光素子51は、透明なプラスチックシート11と、面発光レーザ21が形成されている微小タイル状素子1と、フォトダイオード(検出装置)23が形成されている微小タイル状素子2とを有して構成されている。プラスチックシート11と微小タイル状素子1及び微小タイル状素子2とを接着する接着剤3は、透明性及び絶縁性を有している。ここで、微小タイル状素子1と微小タイル状素子2とは、互いに逆の配置にしてもよい。
【0053】
微小タイル状素子1の面発光レーザ21からは、プラスチックシート11に向かってレーザ光(波長λ)が放射されるとともに、微小タイル状素子2に向かってもレーザ光(波長λ)が放射される。そして、微小タイル状素子2のフォトダイオード23は、面発光レーザ21の発光軸上に配置されている。したがって、微小タイル状素子2に向けて放射されたレーザ光(波長λ)はフォトダイオード23に入射し、面発光レーザ21から放射されたレーザ光(波長λ)の出力(発光量)がフォトダイオード23によって検出される。プラスチックシート11に向かって放射されたレーザ光(波長λ)は、脈波検出に用いられる。
【0054】
図13は自動出力制御回路付き面発光レーザの自動出力制御回路を示す回路図である。
微小タイル状素子1の面発光レーザ21から放射されたレーザ光の一部は、微小タイル状素子2のフォトダイオード23に入射する。そこで、フォトダイオード23には面発光レーザ21のレーザ出力に対応した電流が流れる。光モニター回路(制御装置)31は、フォトダイオード23を流れる電流の大きさに応じた出力制御信号をドライバ回路32へ出力する。ここで、光モニター回路31は、所定の基準値とフォトダイオード23を流れる電流の大きさとを比較して、その電流が所望の一定値となるように、即ち面発光レーザ21のレーザ出力が所望の一定値となるように、出力制御信号を生成する。この出力制御信号に応じたレーザ出力となるようにドライバ回路32は面発光レーザ21を駆動させる。
【0055】
これらにより、面発光レーザ21のレーザ出力は、周囲温度の変化及び経時変化などにかかわらず所望の一定値に保たれる。そして、光モニター回路31及びドライバ回路32をプラスチックシート11、微小タイル状素子1又は微小タイル状素子2に設けることで、1つの基板に面発光レーザと自動出力制御回路(APC)を設けることができるので、面発光レーザ装置を大幅に小型化することが可能となるとともに、製造工程が簡素となって製造コストを低減することが可能となる。
【0056】
次に、上記発光素子51におけるフォトダイオード23を有する微小タイル状素子2からの反射光(戻り光)による雑音を低減する構成例について図14乃び図15を参照して説明する。図14は図12に示す発光素子51における微小タイル状素子2の変形例を示す概略断面図である。
微小タイル状素子2は、タイル状部材における一方面側(上面側)に設けられたフォトダイオード受光部23aと、フォトダイオード受光部23aの上面の周端部に設けられた第1電極23bと、タイル状部材におけるフォトダイオード受光部23aと同一面に設けられた第2電極23cと、タイル状部材における他方面側(下面側)に設けらた回折格子型反射層(DBR :Distributed Bragg Reflector)23dとで構成されている。
【0057】
回折格子型反射層23dは、回折格子を反射器として集積したものであり、波長選択性があり、微小タイル状素子1の面発光レーザ21から放射されたレーザ光(波長λ)に対する反射率が10パーセント以下であり、そのレーザ光(波長λ)に対して非反射(Anti Reflection)層として作用する。したがって、微小タイル状素子2に回折格子型反射層23dを設けることにより、微小タイル状素子2からのレーザ光(波長λ)の反射が抑えられ、雑音を低減することができる。なお、回折格子型反射層23dは、タイル状部材における下面側ではなく上面側に設けてもよい。
【0058】
図15は図14に示す微小タイル状素子2を改良した概略断面図である。これらの微小タイル状素子2の相違点は、回折格子型反射層23eが設けられている点である。回折格子型反射層23eは、フォトダイオード受光部23aの上面に設けられている。この構成により、微小タイル状素子2は、微小タイル状素子1から放射されたレーザ光(波長λ)に対して、下面のみならず上面でも反射を抑えることができ、さらに雑音を低減することができる。
【0059】
(微小タイル状素子の製造方法)
次に、上記微小タイル状素子の製造方法について図16乃至図24を参照して説明する。本製造方法では、微小タイル状素子としての化合物半導体デバイス(化合物半導体素子)をシート状基板となるプラスチックシート11上に接合する場合について説明するが、半導体デバイスの種類及びシート状基板の種類に関係なく本方法を適用することができる。なお、本実施形態における「半導体基板」とは、半導体物資から成る物体をいうが、板形状の基板に限らず、どのような形状であっても半導体物資であれば「半導体基板」に含まれる。
【0060】
<第1工程>
図16は、微小タイル状素子の製造方法の第1工程を示す概略断面図である。図16において、基板110は、半導体基板であり、例えばガリウム・ヒ素化合物半導体基板とする。基板110における最下位層には、犠牲層111を設けておく。犠牲層111は、アルミニウム・ヒ素(AlAs)からなり、厚さが例えば数百nmの層である。
例えば、犠牲層111の上層には機能層112を設ける。機能層112の厚さは、例えば1μmから10(20)μm程度とする。そして、機能層112において半導体デバイス(半導体素子)113を作成する。半導体デバイス113としては、例えば上述した発光ダイオード(LED)、面発光レーザ(VCSEL)、フォトダイオード(PD)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)などが挙げられる。これらの半導体デバイス113は、何れも基板110上に多層のエピタキシャル層を積層して素子が形成されたものである。また、各半導体デバイス113には、電極も形成し、動作テストも行う。
【0061】
<第2工程>
図17は、微小タイル状素子の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。本工程においては、各半導体デバイス113を分割するように分離溝121を形成する。分離溝121は、少なくとも犠牲層111に到達する深さをもつ溝とする。例えば、分離溝121の幅及び深さともに、10μmから数百μmとする。また、分離溝121は、後述するところの選択エッチング液が当該分離溝121を流れるように、行き止まりなく繋がっている溝とする。さらに、分離溝121は、碁盤のごとく格子状に形成することが好ましい。
また、分離溝121相互の間隔を数十μmから数百μmとすることで、分離溝121によって分割・形成される各半導体デバイス113のサイズを、数十μmから数百μm四方の面積をもつものとする。分離溝121の形成方法としては、フォトリソグラフィとウェットエッチングによる方法、またはドライエッチングによる方法を用いる。また、クラックが基板に生じない範囲でU字形溝のダイシングで分離溝121を形成してもよい。
【0062】
<第3工程>
図18は、微小タイル状素子の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。本工程においては、中間転写フィルム131を基板110の表面(半導体デバイス113側)に貼り付ける。中間転写フィルム131は、表面に粘着剤が塗られたフレキシブルな帯形状のフィルムである。
【0063】
<第4工程>
図19は、微小タイル状素子の製造方法の第4工程を示す概略断面図である。本工程においては、分離溝121に選択エッチング液141を注入する。本工程では、犠牲層111のみを選択的にエッチングするために、選択エッチング液141として、アルミニウム・ヒ素に対して選択性が高い低濃度の塩酸を用いる。
【0064】
<第5工程>
図20は、微小タイル状素子の製造方法の第5工程を示す概略断面図である。本工程においては、第4工程での分離溝121への選択エッチング液141の注入後、所定時間の経過により、犠牲層111のすべてを選択的にエッチングして基板110から取り除く。
【0065】
<第6工程>
図21は、微小タイル状素子の製造方法の第6工程を示す概略断面図である。第5工程で犠牲層111が全てエッチングされると、基板110から機能層112が切り離される。そして、本工程において、中間転写フィルム131を基板110から引き離すことにより、中間転写フィルム131に貼り付けられている機能層112を基板110から引き離す。
これらにより、半導体デバイス113が形成された機能層112は、分離溝121の形成及び犠牲層111のエッチングによって分割されて、所定の形状(例えば、微小タイル形状)の半導体素子(上記実施形態の「微小タイル状素子」)とされ、中間転写フィルム131に貼り付け保持されることとなる。ここで、機能層の厚さが例えば1μmから8μm、大きさ(縦横)が例えば数十μmから数百μmであるのが好ましい。
【0066】
<第7工程>
図22は、微小タイル状素子の製造方法の第7工程を示す概略断面図である。本工程においては、(微小タイル状素子161が貼り付けられた)中間転写フィルム131を移動させることで、プラスチックシート11の所望の位置に微小タイル状素子161をアライメントする。ここで、最終基板171の所望の位置には、微小タイル状素子161を接着するための接着剤173を塗布しておく。
【0067】
<第8工程>
図23は、微小タイル状素子の製造方法の第8工程を示す概略断面図である。本工程においては、プラスチックシート11の所望の位置にアライメントされた微小タイル状素子161を、中間転写フィルム131越しに裏押しピン181で押しつけてプラスチックシート11に接合する。ここで、所望の位置には接着剤173が塗布されているので、そのプラスチックシート11の所望の位置に微小タイル状素子161が接着される。
【0068】
<第9工程>
図24は、微小タイル状素子の製造方法の第9工程を示す概略断面図である。本工程においては、中間転写フィルム131の粘着力を消失させて、微小タイル状素子161から中間転写フィルム131を剥がす。
中間転写フィルム131の粘着剤は、UV硬化性又は熱硬化性のものにしておく。UV硬化性の粘着剤とした場合は、裏押しピン181を透明な材質にしておき、裏押しピン181の先端から紫外線(UV)を照射することで中間転写フィルム131の粘着力を消失させる。熱硬化性の接着剤とした場合は、裏押しピン181を加熱すればよい。あるいは第6工程の後で、中間転写フィルム131を全面紫外線照射するなどして粘着力を全面消失させておいてもよい。粘着力が消失したとはいえ実際には僅かに粘着性が残っており、微小タイル状素子161は非常に薄く軽いので中間転写フィルム131に保持される。
【0069】
<第10工程>
本工程は、図示していない。本工程においては、加熱処理などを施して、微小タイル状素子161をプラスチックシート11に本接合する。
【0070】
<第11工程>
本工程においては、図11に示すように、微小タイル状素子161の電極とプラスチックシート11上の回路を配線191により電気的に繋ぎ、一つのLSIチップなどの半導体集積回路を完成させる。なお、プラスチックシート11上には、図5に示すように、指紋検出センサ40、脈波検出センサ50に接続されるドライバー、受光アンプやCPU等の素子40a、50aを、TFTやSi−ICで設けることも可能である。この場合、各センサ40、50と各素子40a、50aとを接続する配線を、上述したインクジェットヘッドから金属を含む液滴を吐出して形成することで、構成材料の量を軽減でき、設計変更などにも容易に対応できるため、製造コストを低減することが可能になる。また、配線191もインクジェット方式で形成することが好ましい。
なお、シート状基板としては、プラスチックシートのみならず、シリコン半導体、または石英基板を適用してもよい。
【0071】
<第12工程>
本工程においては、図24に示すように上記工程によってプラスチックシート11の上に形成された微小タイル状素子161の上面に、図11に示すようにさらに微小タイル状素子を重ねて貼り付ける。この微小タイル状素子の更なる貼付は、上記第1工程から第11工程を繰り返すことで行う。これらにより、簡易かつ迅速に、所定の基板上に複数枚の微小タイル状素子を重ねて貼り付けることができる。この後、各素子が接合されたプラスチックシート11の表面に絶縁コーティングを施す。
【0072】
図25は、上記の製造方法で製造された脈波検出センサ50にて検出された脈波の1拍分の波形を示している。図25に示すように、この脈波には下記の特徴がある。
(1)1拍分の脈波に順次変極点P1〜P5が現われる。
(2)変極点P1〜P5は、波高y1〜y5を有する。
(3)脈波開始時刻t0を基準として、各変極点P1〜P5が出現するまでの時間はT1〜T5であり、次の1拍の脈波が開始するまでの経過時間(周期)はT6である。
本実施形態では、このような変極点P1〜P5の波高y1〜y5の少なくとも一つか、あるいは時刻t0から変極点P1〜P5のいずれかが生ずるまでの時間T1〜T5または周期T6の少なくとも一つを、指標抽出部60が抽出することができる。
【0073】
このような脈波は、生体から発せられる生体信号であり、それを処理して抽出した指標も生体独自のものである。よって、このような指標を抽出できれば、偽造された指型などをモニタしたものでなく、確かに生存するカード所有者の指をモニタしたものであることが判明する。この点、脈波自体でなく、その一成分である例えば脈拍等のパルスを直接検出しようとした場合、そのようなパルスは人為的に生成可能である。本実施形態では、人為的に偽造が困難な脈波を検出し、それを処理して抽出される指標を比較しているので、カードの盗用は確実に防止される。
【0074】
上述した指標は、図26に示す指標抽出部60にて抽出できる。低域遮断フィルタ61は、脈波検出センサ50にて検出された脈波のうち、所定のカットオフ周波数よりも低域の周波数を遮断し、高域周波数のみを取り出す。遮断された低周波数帯域には、副交感神経系機能である例えば呼吸性の変動(例えば0.15Hz)や、交感神経系機能である例えば筋ポンプ作用のマイヤーウェーブ(例えば0.1Hz)など、自律神経機能を反映する成分が含まれている。さらにこの低周波数帯域には、体動に伴う周波数成分も含まれている。低域遮断フィルタ61は、心臓の拍動に基づく脈波波形を阻害する不要な低周波数帯域を除去できる。
低域遮断フィルタ61は、低域遮断周波数を0.4〜0.5Hzの範囲中の値とすることが好ましい。0.4〜0.5Hzを越える周波数を遮断すると、心臓の拍動に基づく脈波波形の特徴が失われてしまうからである。
【0075】
RAM62はワーキングメモリとして機能し、低域遮断フィルタ61の出力が記憶される。微分回路63は、低域遮断フィルタ61の出力波形を時間微分する。微分値として0が出力された点が変極点P1〜P5となる。波高抽出部64Aは、RAM62内の波形の中から、微分回路63からの微分値0に対応する変極点P1〜P5の波高y1〜y5の少なくとも一つを、指標として抽出する。時間抽出部64Bは、時刻t0から変極点P1〜P5に至るまでの時間T1〜T5の少なくとも一つを、指標として抽出する。なお、波高抽出部64A及び時間抽出部64Bのいずれか一方のみを設けるものでも良い。
【0076】
また、図26に代えて、図27に示す指標抽出部60を用いても良い。図27では、波高抽出部64Aに代えて波高比率抽出部65Aが、時間抽出部64Bに代えて時間比率抽出部65Bが設けられている。波高比率抽出部65Aは、波高y1〜y5のうちの任意の2つの波高比率、例えばy2/y1,y3/y1,y4/y1,y5/y1などのうち少なくとも一つの波高比率を指標として求める。時間比率抽出部65Bは、時間T1〜T6のうちの任意の2つの時間比率、例えばT1/T6,T2/T6,T3/T6,T4/T6,T5/T6などのうち少なくとも一つの時間比率を指標として求める。特に、時間T2あるいは時間T4は駆出時間と称されるもので、時間比率T2/T6またはT4/T6が生体を現す指標として好適である。なお、本来の駆出時間T2に相当するピークP2は個人差または同一人でも体調によって現れない場合があり、その場合にはピークP4が早めに現われるので、ピークP4に達する時間T4を駆出時間としても差し支えない。また、波高比率抽出部65A及び時間抽出部65Bのいずれか一方のみを設けるものでも良い。このような比率を指標とすれば、波高そのもの、あるいは時間そのものを指標とする場合と比較して、脈波波形中の相対値が求められるので、精度が高まる。
【0077】
図28(A)は検出された脈波の原波形、図28(B)は図28(A)の速度波形(一次微分波形)、図28(C)は図28(A)の加速度波形(二次微分波形)をそれぞれ示す波形図である。図28(C)の加速度波形は、図29に示すように、より明確な変極点a〜eを有する。そこで、加速度波形の変極点a〜eのうちの任意の2つの変極点の波高比率もまた、指標として利用することができる。
【0078】
このような波高比率として、例えばb/a,c/a,d/a,e/aなどは、年齢に依存して変化する指標である。この中でも特に、波高比率b/a,d/aが年齢依存率が顕著であるので、各種年齢のカード所有者の生体指標として好適であり、照合精度が高まる。また、これらの指標の中には男女の性別を反映するものもあり、性別チェックにも利用できる。
【0079】
このような波高比率は、図30に示す指標抽出部60にて抽出可能である。図30に示すように、脈波検出センサ50にて検出された脈波は低域遮断フィルタ61を通過し、一次微分回路66で一次微分され、さらに二次微分回路67にて二次微分され、RAM62に記憶される。波高比率抽出部68は、RAM62に記憶された二次微分波形(図29に示す加速度波形)から、例えば波高比率b/aを抽出する。
【0080】
他の指標の例として、下記のものを挙げることができる。すなわち、脈波検出センサ50の発光素子と受光素子との間の光伝達経路には、カード所有者の皮膚内の血管床が存在する。このため、脈波検出センサ50の出力信号を増幅する必要がある。例えばA/D変換器のダイナミックレンジの範囲内で、AGC(オート・ゲイン・コントロール)機能により、一定以上の振幅レベルが得られるように信号増幅することができる。AGC機能により設定された増幅倍率は、血管年齢と同等の個人指標となり得る。
よって、この場合は、脈波検出センサ50の出力を増幅する増幅器が、脈波を増幅処理して、そのときの増幅倍率を指標として抽出する指標抽出手段として機能する。
【0081】
(本人照合装置での動作)
図31は、本人照合装置30の動作フローチャートである。本実施形態では、まず指紋検出センサ40にて指紋情報を検出している(ステップ1)。この指紋情報の検出動作は、カード型情報記録媒体100が電源を内蔵している場合には、図3の情報処理装置150とは非接続で、カード型情報記録媒体100単体で実施してもよい。カード型情報記録媒体100が電源を内蔵しているかいないかに拘わらず、カード型情報記録媒体100を図3の情報処理装置150にセットして、情報処理装置150内の給電部132よりカード型情報記録媒体100に電源を供給して、指紋検出を行っても良い。
【0082】
検出された指紋情報は照合部70に入力される。この照合部70には、指紋情報と比較される第1の比較情報が、比較情報記憶部80の第1の比較情報記憶部82より入力される。そして、照合部70にて指紋情報と第1の比較情報とが比較される。第1の比較情報は、登録された本人固有の指紋情報である。よって、カード所有者がカードに登録された本人であれば、照合部70にて両者が一致した判断できる(ステップ2がYES)。
【0083】
ここで、ステップ2の判断がNOであれば、真正なるカード所有者が操作していないことになる。そこで、照合部70は不一致信号を出力する。カード型情報記録媒体100が表示部20(図2(A)(B)参照)を備えている場合には、この不一致信号は図2(A)(B)に示すCPU14に入力される。CPU14は、表示駆動部22を制御して、表示部20にカードが使用できない旨の表示、例えば「使用不能」の文字などを表示する(ステップ3)。この不一致信号はパスワード出力部90にも入力され、パスワード出力部90はパスワードに代えて、カード所有者が真正でないのでカードが使用不能である旨の信号を出力する(ステップ4)。これにより、カード型情報記録媒体100の使用が禁止される。
【0084】
また、指紋情報が不一致であると、以降の照合動作は実施されない。ここで、指紋検出は、後述の通り例えば静電容量の検出原理を用いると消費電力が少なくて済む一方で、脈波を上述の通り光学的に検出すると比較的多くの電力を消費する。よって、指紋が不一致である時には、消費電力が多い脈波検出動作を実施しないようにしている。
【0085】
ステップ2の判断がYESであると、照合部70からの一致信号に基づいて、脈波検出センサ50でのセンシングが開始され、脈波が検出される(ステップ5)。次に、指標抽出部60にて、上述した各種指標のうちの少なくとも一つが抽出される(ステップ6)。この照合部70には、抽出された指標と、比較情報記憶部80の第2の比較情報記憶部84からの第2の比較情報とが入力される。そして、照合部70にて指標と第2の比較情報とが比較される(ステップ7)。第2の比較情報は、登録された本人の脈波の指標である。よって、抽出された指標が登録された本人のものであれば、照合部70にて両者が一致した判断できる(ステップ7がYES)。なお、第2の比較情報は許容幅をもって記憶されており、抽出された指標がその許容幅内であれば一致と判断される。
【0086】
このように、脈波は生体から発せられる生体信号であり、それを処理して抽出した指標も生体独自のものである。よって、このような指標が記憶情報と一致していれば、確かに生存するカード所有者の指をモニタしたものであることが判明する。また、指標によっては、登録された本人の年齢、性別などを反映するため、年齢チェック及び/または性別チェックも実施することができる。
【0087】
ステップ7の判断がNOであれば、ステップ3及び/またはステップ4が実施されるので、カードの盗用が防止される。
ステップ7の判断がYESであれば、真正でかつ生存しているカード所有者が操作したことになる。そこで、照合部70は一致信号を出力する。カード型情報記録媒体100が表示部20を備えている場合には、この一致信号は図2(A)(B)に示すCPU14に入力される。CPU14は、表示駆動部22を制御して、表示部20にカードが使用できる旨の表示、例えば「使用可能」の文字などを表示する(ステップ8)。この一致信号はパスワード出力部90にも入力され、パスワード出力部90はパスワードを出力する(ステップ9)。これにより、カード型情報記録媒体100での照合動作が完了する。
【0088】
(履歴情報記憶部及び情報更新部)
図4に示すように、本人照合装置30には、指標抽出部60にて抽出された指標の履歴情報を記憶する履歴情報記憶部130と、その履歴情報に基づいて、比較情報記憶部80の第2の比較情報記憶部82に記憶されている第2の比較情報を更新する情報更新部140とをさらに設けることができる。
【0089】
脈波から抽出される指標の中には、上述した通り、年齢依存性などのように経時的に変化する指標がある。このため、常に一定の指標を第2の比較情報として記憶していると、時の経過により本人の指標とは異なるものとなってしまう。そこで、脈波検出センサ50にて脈波を検出する度に、抽出された指標を履歴情報として履歴情報記憶部130に記憶させる。この履歴情報記憶部130には、例えば過去複数回に検出された複数の指標が履歴情報として記憶される。情報更新部140は、その履歴情報に基づいて、例えば過去複数回に検出された指標の移動平均を演算し、その移動平均値を第2の比較情報として更新する。こうして、指標と比較される第2の比較情報は最新の情報に更新される。よって、照合エラーを低減できる。
【0090】
このように本実施の形態では、指紋検出センサ40のみならず、脈波検出センサ50により本人照合を実施しているので、より本人照合精度を高くすることができることに加えて、半導体基板から切り離された微小タイル状素子をプラスチックシート11上に接合して脈波検出センサ50を形成しているので、ハンドリング性が向上してプラスチックシート11上に容易、且つ迅速に半導体素子を実装できるとともに、小型で薄型の脈波検出センサ50及びカード型情報記録媒体を得ることが可能になる。
【0091】
また、本実施の形態では、自動出力制御により面発光レーザの出力を制御しているので、本人照合対象である検知対象者に向けて出射されるレーザ光の強度を調整(抑制)することができるため、いわゆるアイセーフ対策として安全性を向上させることが可能になる。
【0092】
図32(A)〜(C)は、別のアイセーフ対策を採った本発明の光学式センサの実施形態をそれぞれ示す図である。これらの図において、図11及び図12に示した第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。なお、本実施形態では、発光素子51のみを図示し、受光素子52については図示を省略する。
【0093】
図32においては、アイセーフ対策として、発光素子51における面発光レーザ21から出射されたレーザ光を拡散させる拡散装置を設けている。図32(A)に示す脈波検出センサ50では、プラスチックシート11と面発光レーザ21との間に拡散装置としての光拡散板53がレーザ光の光路に位置して設けられている。この光拡散板53としては、例えばシリカ樹脂顔料を分散させたアクリル等の透明な板体を用いることができる。
【0094】
図32(B)に示す脈波検出センサ50においては、基材と屈折率の異なる材質の粒子が分散されたプラスチックシート11が拡散装置として用いられている。また、図32(C)に示す脈波検出センサ50においては、レーザ光の光路上の表面に凹凸11aが形成されたプラスチックシート11が拡散装置として用いられている。なお、プラスチックシート11ではなく、上記図32(A)で示した拡散板53の代わりに、表面に凹凸を形成した透明な板体を設置してもよい。これらの拡散装置を設けることにより、検知対象者に向けて出射されたレーザ光を散乱させコヒーレンシーを低下させることができるため、アイセーフ対策として安全性を一層向上させることが可能になる。
【0095】
なお、上記実施の形態では、発光素子51及び受光素子52をプラスチックシート11の裏面側(指紋検出センサ40の配置面と逆側)に設ける構成としたが、同じ側(面)に設ける構成であってもよい。
【0096】
また、上記実施の形態では、発光素子51及び受光素子52のいずれもを、第1〜第12工程で形成された微小タイル状素子で構成するものとして説明したが、いずれか一方のみを微小タイル状素子で構成し、他方を他の素子で構成することも可能である。例えば、微小タイル状素子で構成された発光素子51としては、上記面発光レーザの他に発光ダイオード(LED)を用いることができ、他の素子で構成された発光素子51としては、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)装置を用いることができる。有機EL装置は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。
【0097】
一方、第1〜第12工程で形成された微小タイル状素子で構成された受光素子52としては、上記フォトダイオードの他にフォトトランジスタ、MSM(Metal Semiconductor Metal;金属−半導体−金属)構造素子を用いることができる。MSM構造素子は、半導体上に櫛形電極を配列した構造を有しており、例えばフォトダイオードとして用いることができる。また、他の素子で構成された受光素子52としては、上記指紋検出センサ40と同様の製造方法で製造される薄膜Si−PD(フォトダイオード)、薄膜Si−PTr(フォトトランジスタ)、薄膜Si−MSM構造素子を用いることができ、これらはアモルファスシリコン(a−Si成膜)か多結晶シリコン(p−Si転写)で形成することが可能である。
【0098】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明の光学式センサは本人照合装置以外にも、発光素子及び受光素子を備えた各種検出装置に適用可能である。また、本発明の光学式センサは必ずしもカード型情報記録媒体に限らず、他の携帯型電子機器、設置型電子機器などに搭載しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体の概略説明図である。
【図2】(A)及び(B)は、図1とは異なる本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体の概略説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体及び情報処理装置から構成される情報処理システムのブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体に内蔵される本人照合装置のブロック図である。
【図5】指紋検出センサ、脈波検出センサが形成されたプラスチックシートの正面図である。
【図6】指紋検出センサの概略説明図である。
【図7】図6に示す容量検出素子の断面図である。
【図8】カード型情報記録媒体の製造工程を示す概略説明図である。
【図9】指紋の山を接触させた時の静電容量検出素子の等価回路図である。
【図10】指紋の谷を接触させた時の静電容量検出素子の等価回路図である。
【図11】(a)、(b)はそれぞれ発光素子の概略断面図である。
【図12】発光素子の具体例を示す概略断面図である。
【図13】面発光レーザの自動出力制御回路を示す回路図である。
【図14】微小タイル状素子の変形例を示す概略断面図である。
【図15】微小タイル状素子の変形例を示す概略断面図である。
【図16】微小タイル状素子の製造方法の第1工程を示す図である。
【図17】微小タイル状素子の製造方法の第2工程を示す図である。
【図18】微小タイル状素子の製造方法の第3工程を示す図である。
【図19】微小タイル状素子の製造方法の第4工程を示す図である。
【図20】微小タイル状素子の製造方法の第5工程を示す図である。
【図21】微小タイル状素子の製造方法の第6工程を示す図である。
【図22】微小タイル状素子の製造方法の第7工程を示す図である。
【図23】微小タイル状素子の製造方法の第8工程を示す図である。
【図24】微小タイル状素子の製造方法の第9工程を示す図である。
【図25】脈波の波形の特徴を説明するための波形図である。
【図26】指標を抽出する指標抽出部の一例を示すブロック図である。
【図27】指標を抽出する指標抽出部の他の例を示すブロック図である。
【図28】(A)〜(C)は検出された脈波の波形図である。
【図29】加速度波形の特徴を説明するための概略説明図である。
【図30】波高比率を抽出する指標抽出部のブロック図である。
【図31】図3に示す本人照合装置の動作タイミングチャートである。
【図32】(A)〜(C)は、拡散装置を有する脈波検出センサ50を示す図である。
【符号の説明】
10 基板、11 プラスチックシート(シート状基板、拡散装置)、11a凹凸、23 フォトダイオード(検出装置)、31 光モニター回路(制御装置)、50 脈波検出センサ(光学式センサ)、51 発光素子、52 受光素子、53 光拡散板(拡散装置)、110 半導体基板

Claims (13)

  1. シート状基板に発光素子及び受光素子が設けられた光学式センサであって、
    前記発光素子及び受光素子の少なくともいずれか一方は、半導体基板に形成され、且つフィルムに貼付された状態で前記半導体基板から切り離されて前記シート状基板に接合された半導体素子からなることを特徴とする光学式センサ。
  2. 請求項1記載の光学式センサにおいて、
    前記受光素子は、化合物半導体デバイスであって、フォト・ダイオード、フォト・トランジスタ、MSM構造素子のうちの少なくとも一つを有することを特徴とする光学式センサ。
  3. 請求項1または2記載の光学式センサにおいて、
    前記発光素子は、化合物半導体デバイスであって、面発光レーザを有することを特徴とする光学式センサ。
  4. 請求項3記載の光学式センサにおいて、
    前記面発光レーザの出力値を検出する検出装置と、
    該検出装置の検出結果に基づいて前記レーザの出力を制御する制御装置とを有することを特徴とする光学式センサ。
  5. 請求項3記載の光学式センサにおいて、
    前記面発光レーザから出射されたレーザ光を拡散させる拡散装置を有することを特徴とする光学式センサ。
  6. 請求項5記載の光学式センサにおいて、
    前記拡散装置は、前記レーザ光の光路に配置された光拡散板を有することを特徴とする光学式センサ。
  7. 請求項5記載の光学式センサにおいて、
    前記拡散装置は、屈折率の異なる材質の粒子が分散された前記シート状基板を有することを特徴とする光学式センサ。
  8. 請求項5記載の光学式センサにおいて、
    前記拡散装置は、表面に凹凸が設けられた前記シート状基板を有することを特徴とする光学式センサ。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の光学式センサにおいて、
    前記シート状基板は、前記発光素子の発光波長に対して透過性を有することを特徴とする光学式センサ。
  10. 請求項9記載の光学式センサにおいて、
    前記シート状基板は、可視光を遮光する光学特性を有することを特徴とする光学式センサ。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の光学式センサにおいて、
    前記シート状基板に指紋検出装置が設けられることを特徴とする光学式センサ。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光学式センサを有することを特徴とするカード型情報記録媒体。
  13. 請求項12に記載のカード型情報記録媒体と、
    前記カード型情報記録媒体の情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置とを有することを特徴とする情報処理システム。
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