JP2004172494A - 基板支持装置およびそれを備えた半導体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の静電破壊を防止するとともに、基板を清浄且つ高純度な状態でキズを付けずに保持することが可能な基板支持装置を提供する。
【解決手段】本発明において、基板1と接触する支持部4は、基板支持を目的とした内側の導電性支持部材の内部支持部6と、それを覆う筒形状で剥離帯電の防止及び内部支持部6からの発塵の拡散を防止した外側の筒状部材の外部支持部5との2重構造である。外部支持部5は支持本体2とバネなどの伸縮部3を介して接合されている。これにより、例えば、熱処理時およびその他の処理部間の搬送時及び処理部間での基板の受け渡し時に起こる基板1の帯電が防止されるのでスパークが発生しない。また、基板1と支持部4の接触による発塵の拡散を防止し、外部支持部5に格納することができる。この結果、基板1の静電破壊と発塵の防止が出来、製品の歩留まり向上に貢献できる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明において、基板1と接触する支持部4は、基板支持を目的とした内側の導電性支持部材の内部支持部6と、それを覆う筒形状で剥離帯電の防止及び内部支持部6からの発塵の拡散を防止した外側の筒状部材の外部支持部5との2重構造である。外部支持部5は支持本体2とバネなどの伸縮部3を介して接合されている。これにより、例えば、熱処理時およびその他の処理部間の搬送時及び処理部間での基板の受け渡し時に起こる基板1の帯電が防止されるのでスパークが発生しない。また、基板1と支持部4の接触による発塵の拡散を防止し、外部支持部5に格納することができる。この結果、基板1の静電破壊と発塵の防止が出来、製品の歩留まり向上に貢献できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板を支持する基板支持装置およびそれを備えた半導体製造装置に関し、特に基板の帯電を防止すると共に、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく基板の支持が可能な基板支持装置およびそれを備えた半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程においては、各工程において、基板を清浄に維持し、基板に損傷を与えないことが重要となる。また、各工程における基板の受け渡し時も同様に、基板に損傷を与えないことが重要となる。
【0003】
このため、清浄でキズのない基板を各製造工程の処理室に移動するには、静電気などによって基板の帯電を防止した基板支持装置が重要な役割を果たす。
【0004】
基板支持装置においては、基板支持部が導電性材料からなる場合の有効性は既知の通りである。すなわち、基板支持部は絶縁性材質で形成されていた場合、摩擦による静電気で基板に帯電し、空気中の埃等の微粒子を寄せ付け汚染させ、また電位差によるスパークで基板に損傷を与えるという問題点を有していた。
【0005】
そこで、この問題点を解決するための手段として、炭素を含有した導電性ポリイミド樹脂や導電性セラミックなどの導電性材料を使用することで、基板の電位差を無くしスパークの回避をしている(例えば、下記特許文献1〜6)。
【0006】
【特許文献1】特開平9−36207号公報(公開日1997年2月7日)
【0007】
【特許文献2】特許第2963210号(発行日1999年10月18日)
【0008】
【特許文献3】特開平9−36207号公報(公開日1997年2月7日)
【0009】
【特許文献4】特開平8−288190号公報(公開日1996年11月1日)
【0010】
【特許文献5】特開2000−77507号公報(公開日2000年3月14日)
【0011】
【特許文献6】特開2001−244243号公報(公開日2001年9月7日)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の方法は、以下の問題点を有している。
【0013】
すなわち、基板支持部に炭素、例えばグラファイトやカーボン繊維を樹脂に混ぜ込む工法において幾つかの成型方法があるが、いずれにしても表面抵抗、体積抵抗を安定した値に保つ事ができなかった。そのため、完全には基板の帯電を無くすことは出来ず、スパーク不良も散見されるという問題点を有している。これは成型体内で炭素成分の粒度や分散状態に均一性が確保できない為、基板支持部の導電状態が不安定になっていると考えられる。
【0014】
また、使用を重ねるにあたり、導電性樹脂、導電性セラミックなどからなる基板支持部は、基板との接触による磨耗が激しく、基板支持部からの発塵が回避できない。その結果、基板が汚染するという問題点も有している。
【0015】
また、基板支持部の磨耗が激しくなると、初期の状態と磨耗発生後の表面抵抗、体積抵抗にも変化が見られ、更に不安定な導電状態になってしまう。このため、基板の帯電を無くすことは非常に困難であるという問題点も有している。
【0016】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電気などによる基板の帯電を防止すると共に、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持し得る基板支持装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、基板を支持する基板支持手段を備え、基板と接触する部分が導電性材料からなる基板支持装置であって、上記基板支持手段は、上記基板支持手段を支持する支持本体と、基板と接触し実質的に基板を支持する支持手段と、上記支持本体と上記支持手段とを接続し、伸縮することにより上記支持本体と支持手段との距離を変化させる伸縮手段とを含んでいることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、基板を支持する基板支持手段が、支持本体と支持手段と伸縮手段とを含んでいる。このため、基板支持手段が基板方向に移動して基板と支持手段とが接触すると、次第に伸縮手段が収縮し、支持手段が基板を支持する。これにより、基板と基板支持手段との摩擦を軽減できるので、静電気などによる基板の帯電を防止することができる。さらに、基板の帯電による基板への埃などの付着も防止できるので、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができる。
【0019】
このように、上記の構成によれば、剥離帯電が発生しやすい基板支持手段は、伸縮手段を含んでいるので、剥離帯電が起こる急速な変化や磨耗を抑えることができる。なお、従来のように伸縮手段を備えない、導電性支持部のみからなる基板支持手段では、完全な剥離帯電を防止することはできない。
【0020】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、上記支持手段は、内部支持手段と外部支持手段とからなる2重構造で形成され、上記内部支持手段は、基板に接触する内部接触手段と、上記支持本体に接続される内部支持本体とを含み、上記外部支持手段は、上記内部支持手段を被覆する構成であってもよい。
【0021】
上記の構成によれば、支持手段が内部支持手段と外部支持手段とからなる2重構造である。すなわち、内部支持手段は外部支持手段に収容された構造であり、外部支持手段が、内部支持手段を被覆している。
【0022】
これにより、たとえ、内部支持手段と基板とが接触して、内部支持手段から磨耗発塵が発生したとしても、内部支持手段は外部支持手段によって被覆されているので、磨耗発塵は外部支持手段の内部に回収される。したがって、磨耗発塵を外部支持手段によって回収することができる。その結果、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができる。
【0023】
また、支持手段と基板とが接触すると、まず、外部支持手段と基板とが接触する。続いて、伸縮手段が収縮することにより、内部支持手段と基板との距離が近づき、やがて内部支持手段と基板とが接触する。これにより、基板は外部支持手段と内部支持手段とによって支持される。
【0024】
このように、支持手段と基板との接触時には、外部支持手段と基板とが接触した後、内部支持手段と基板とが接触して、基板を支持する。一方、支持した基板から支持手段が離れる時には、内部支持手段が基板から離れた後、外部支持手段が基板から離れる。
【0025】
したがって、内部支持手段が基板と接触する時には、外部支持手段によって内部支持手段と基板との間の空気の流れが遮断されている。これにより、静電気の発生を防止できるので、基板の帯電を防止できる。
【0026】
このように、外部支持手段および内部支持手段は基板を支持するものであり、外部支持手段は、さらに剥離帯電の防止および内部支持手段からの発塵の拡散を防止する役割も果たす。
【0027】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、上記内部支持手段は、導電性材料からなる構成であってもよい。
【0028】
上記の構成によれば、内部接触手段と内部支持本体とを含む内部支持手段が導電性材料で形成されている。すなわち、内部支持手段と支持本体とが電気的に接続される。これにより、例えば、基板が静電気により帯電している場合、それによる電荷を、内部支持手段を介して支持本体に確実に逃すことができる。
【0029】
さらに、内部支持手段として、例えば、従来は基板との磨耗が激しく基板を汚染させる原因となっている導電性樹脂を用いたとしても、外部支持手段によってその発塵を回収することができる。その結果、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができる。
【0030】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、上記伸縮手段は、上記外部支持手段と基板との非接触時には、当該外部支持手段が上記内部接触手段を被覆するように伸長し、上記外部支持手段と基板との接触時には、上記内部支持手段が基板に接触するまで収縮する構成であってもよい。
【0031】
換言すれば、上記伸縮手段は、常に上記外部支持手段の高さが、上記内部支持手段の高さ以上となるように伸縮する構成ということもできる。
【0032】
上記の構成によれば、外部支持手段と基板との非接触時には、外部支持手段が内部支持手段を被覆するように、伸縮手段は伸長した状態となる。一方、外部支持手段と基板との接触時には、内部支持手段が基板と接触するまで、伸縮手段は収縮する。
【0033】
すなわち、外部支持手段が基板に接触すると、伸縮手段が次第に収縮して、最終的に内部支持手段も基板に接触する。その結果、外部支持手段と内部支持手段とによって、基板が支持される。
【0034】
一方、外部支持手段と内部支持手段とが基板から離れる場合、伸長手段は上記接触する場合とは逆の動作を行う。すなわち、まず収縮した伸縮手段が伸長することにより、内部支持手段のみが基板から離れる。このとき、外部支持手段は、基板と接触している。続いて、伸長手段がさらに伸長することにより外部支持手段と基板とが離れる。
【0035】
ところで、静電気による基板の帯電は、基板を支持する支持手段の移動による空気の摩擦や、基板から支持手段が離れる際の剥離帯電が大半を占める。このため、内部支持手段が導電性樹脂などから形成されていると、導電性が不安定になり、静電気が発生しやすくなる。
【0036】
しかし、上記の構成によれば、支持手段が基板と接触する時には、外部支持手段が基板と接触した後、内部支持手段が基板に接触する。その結果、外部支持手段が先に基板と接触することにより、内部支持手段と基板との間の空気の流れを遮断することができ、空気との摩擦をなくすことができる。これにより、静電気の発生を抑制することができ、基板の帯電を防止することができる。
【0037】
さらに、上記の構成によれば、支持手段が基板から離れる時には、内部支持手段のみが基板から離れた後、外部支持手段が基板から離れる。その結果、内部支持手段のみが先に基板から離れることにより、内部支持手段と基板との間が瞬間的に真空状態を保つことができる。これにより、帯電の元となる空気層を無くすことができる。さらに、静電気の発生を抑制することができ、基板の帯電を防止することができる。
【0038】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、上記内部支持手段の内部接触手段が、絶縁物の表面を導電性膜によって被覆したものであって、当該導電性膜は、スパッタリング法、蒸着法または厚膜ディピング法によって形成されている構成であってもよい。
【0039】
上記の構成によれば、基板と接触する内部接触手段が、スパッタリング法、蒸着または厚膜ディピングによって形成された導電性薄膜である。
【0040】
これにより、基板の帯電による電荷を確実に逃し、剥離帯電を防止することができる。
【0041】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、上記外部支持手段は、導電性材料からなる構成であってもよい。
【0042】
上記の構成によれば、外部支持手段が導電性材料から形成されている。外部支持手段は伸縮手段を介して支持本体に接続されている。したがって、内部支持手段のみが基板から離れた場合に、弱い帯電が基板に残っていたとしても、外部支持手段は基板に接触しているので、外部支持手段から伸縮手段を経て支持本体に電荷を逃すことができる。
【0043】
本発明の基板支持装置は、さらに、上記伸縮手段と支持本体との間に、上記伸縮手段を収容する収容手段を備えている構成であってもよい。
【0044】
支持手段が導電性樹脂や導電性セラミックスからなる場合、基板との接触による磨耗が激しくなる。その結果、支持手段からの発塵を回避できなくなり、基板が汚染される。
【0045】
上記の構成によれば、収容手段が伸縮手段を収容する。収容手段は、伸縮手段と支持本体との間に備えられる。これにより、たとえ、支持手段と基板とが接触することにより支持手段から発塵が発生したとしても、その発塵を収容手段によって回収することができる。その結果、外部支持手段と収容手段とにより、発塵による基板の汚染を確実に回避することができる。
【0046】
本発明の半導体製造装置は、上記の課題を解決するために、上記いずれかの基板支持装置を複数備えていることを特徴としている。
【0047】
上記の構成によれば、上記半導体製造装置は、本発明の基板支持装置を複数備えている。これにより、静電気による基板の帯電を防止すると共に、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持し得る半導体製造装置を提供することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。以下では、一例として、本発明の基板支持装置を備えた半導体製造装置について説明することとする。
【0049】
本実施形態の半導体製造装置は、例えば、図2に示すようなスパッタリング装置において使用される。図2は、スパッタリング装置の各処理室の一例を示す平面図である。
【0050】
図2に示すスパッタリング装置は、中央部にTO/CH処理室と、その周囲に4つのS/CH処理室と、2つのL/CH処理室から構成されている。なお、TO/処理室およびS/CH処理室では、成膜の処理を行う。L/CH処理室は、図示しない加熱部と冷却部とを備え、基板1の加熱と冷却とを行う。
【0051】
図2の構成における一連の流れを説明すると、大気中の基板1は、まずL/CH処理室を経由してTO/CH処理室で基板移載が行われ、S/CH処理室で所定の処理が行われ、TO/CH処理室にて取り出され、L/CH処理室に運ばれる。
【0052】
具体的には、図2のスパッタリング装置の各処理室における処理は、図示しない基板1を大気中からL/CH処理室に移載して加熱処理を行い、図4に示す基板受け渡し用ロボットによりスパッタリング処理室S/CHに移載される。S/CH処理室でのスパッタリング処理終了後、再び基板受け渡し用ロボットによって処理済の基板1をS/CH処理室から取り出す。そして、TO/CH処理室を経由して基板1をL/CH処理室へ運び、基板1を冷却する。冷却後、基板1を大気中に出す。
【0053】
L/CH、S/CHの各処理室には、図示しない基板載置部が存在する。前述のように、TO/CH処理室には図4に基板受け渡し用ロボットが存在する。S/CH処理室には、図3に示すような基板昇降支持機構(基板支持装置)がある。図3に示す基板支持装置は、複数の基板支持部(基板支持手段)10を備えている。S/CH処理室では、基板昇降支持機構が、TO/CH処理室の基板受け渡し用ロボットから基板を受け取る。その後、基板を支持した基板昇降支持機構から、S/CH処理室にある基板載置部に基板が移載される。なお、図3の基板昇降支持機構は、本発明の基板支持部10を複数備えた半導体製造装置ということもできる。
【0054】
本実施の形態にかかる基板支持部を備えた基板支持装置の説明を行う。図1の基板支持部は、図示しない昇降部の稼働によって基板1を保持し、基板1を図2に示すスパッタリング装置のL/CH処理室の加熱載置台(図示せず)に移す。またS/CHスパッタリング処理室でも同様に昇降部の稼働によって基板1を保持し処理台(図示せず)に移す。
【0055】
図1は、本発明にかかる基板支持装置に備えられる基板支持部10(図3参照)の構成と、基板支持部と基板とが接触する動作を示す平面図である。
【0056】
図1に示すように、本基板支持装置の基板支持部(基板支持手段)は、基板支持部の本体となり基板支持部を支持する支持本体2、伸縮部(伸縮手段)3、および支持部(支持手段)4から構成されている。
【0057】
支持本体2は、金属からなり基板支持部の本体となり基板支持部を支持する。伸縮部3は、例えば、バネなどからなり、基板1における基板支持部との接触面に対してほぼ鉛直方向に伸縮可能であり、支持本体2と支持部4との距離を変化させる。
【0058】
支持部4は、基板1と接触し、実質的に基板1を支持する。支持部4は、外部支持部(外部支持手段)5と内部支持部(内部支持手段)6とからなり、内部支持部6が外部支持部5に被覆された2重構造である。内部支持部6は、さらに基板1と接触し基板1を支持する内部接触部7と、支持本体2に接続される内部支持本体8とから構成される。なお、外部支持部5と内部支持部6とは、電気的に導通しており、導電位である。すなわち、支持本体2と外部支持部5と内部支持部6とが電気的に導通しており、導電位である。
【0059】
本発明の半導体製造装置は、このような基板支持部を複数備え、基板1を支持する。ここで、本発明の特徴部分である基板支持部と基板1とが接触する動作ついて、図1に基づいて説明する。
【0060】
図1の左図に示すように、基板支持部4と基板1とが接触していない定常状態では、伸縮部3が伸びた状態となっている。次に、図1の中央図に示すように、図示しない基板昇降部によって、基板支持部が基板1方向に上昇すると、まず、基板1と外部支持部5とが接触する。このとき、内部支持部6は、基板1と接触していない。
【0061】
外部支持部5が基板1に接触すると、伸縮部3が次第に収縮し、徐々に内部支持部6の内部接触部7と基板1との距離が近づく。この間、基板1は、外部基板支持部6に保持されながら徐々に上昇する。伸縮部3が収縮していくと、図1の右図に示すように、最終的には内部接触部7と基板1とが接触する。その結果、基板1は、外部基板支持部5と内部基板支持部6とによって保持されることになる。
【0062】
保持された基板1が、基板支持部と離れていく場合の状態は、上記接触する場合と逆の状態となる。すなわち、伸縮部3が次第に伸長することにより、まず、内部支持部6の内部接触部7と基板1とが離れる。このとき、外部基板支持部3は、基板1と接触している。
【0063】
さらに、伸縮部3が伸長していくと、次第に外部支持部5が離れていき、完全に基板1と離れた状態となり、定常状態に戻る。
【0064】
本実施形態では、内部接触部7の先端の高さは、常に外部支持部5の高さ以下となるように設定しているので、内部支持部6のみで基板1を保持することはない。すなわち、常に外部支持部5と内部支持部6とにより基板1を支持する。なお、外部支持部5と内部支持部6とにより基板を支持した後、さらに伸縮部3が収縮して内部支持部6のみで基板1を支持するようにすることもできる。
【0065】
ところで、静電気による帯電は、基板1を保持した基板支持部の移動による空気の摩擦や、基板1から基板支持部が離れる際の剥離帯電がある。しかし、本実施形態では、基板支持部は、外部支持部6を有しているので、基板1と内部基板支持部との間の空気の流れを遮断することができる。その結果、空気と基板1との摩擦を無くすことができる。
【0066】
また、基板1から基板支持部が離れる時(すなわち、リフトオフ時)には、基板1と内部基板支持部との間を、瞬間的に真空状態とする。これにより、帯電の元となる空気層がなくなるため、基板1の帯電を防止できる。なお、このとき、基板1に弱い帯電が残っていたとしても、外部支持部5と基板1とが接触を続けているので、外部支持部5を通じて、支持本体2に帯電による電荷を逃すことができる。
【0067】
なお、基板支持部の形状は、図1では、外部支持部5として円筒型の支持部を、内部支持部6として円柱型の支持部を使用したが、それらの形状は特に限定されるものではなく、角柱や多角形であってもよい。また、外部支持部5(例えば、円筒型の支持部を使用する場合など)は、長さも長い程支持本体2との密閉性が優れ、基板1の帯電防止に有効である。
【0068】
また、外部支持部5および内部支持部6は、導電性材料からなるものであればよい。ここで、上記導電性材料としては、例えば、金属、導電性ポリマー、導電性ポリマーと熱硬化性樹脂との混合剤、絶縁物の表面が導電性膜で被覆された構成、などを挙げることができる。
【0069】
例えば、内部支持部6を覆う外側の管などからなる外部支持部5として、ステンレス材の筒管、金属や樹脂、セラミックなどの導電性材料であれば特に限定されるものではない。
【0070】
同様に、内側の導電性支持部材からなる内部支持部6は、グラファイトを含有したポリイミド樹脂の成型品、絶縁物にスパッタリング法や蒸着法、ディッピング法等で導電性材料の薄膜を形成し、絶縁物の表面をコートして形成するようにしてもよい。
【0071】
なお、基板1にキズを付けずに導電性を確保するには、導電性材料として、金属製やセラミック製支持部材ではなく、例えば炭素を含有した樹脂材料などの導電性ポリマーやその混合物、導電性膜により絶縁物を被覆した構成であることが好ましい。
【0072】
したがって、2重構造から成る図1の支持部の構成は、例えば、グラファイトなどの炭素を含有した導電性ポリイミド樹脂からなり基板支持を目的とした内部支持部6と、それを覆う形でステンレスなどの金属から成る筒状の外部支持部5とから形成される。そして外部支持部5は、ばね(伸縮部)3を介して金属からなる支持本体2と接合している。内部支持本体3も支持本体2に接続されているので、支持本体2と外部支持部5および内部支持部6は電気的に導通しており、同電位となる。
【0073】
また、内部支持部6が導電性樹脂から形成されると、基板1との接触による磨耗は避けられない。しかしながら、内部支持部6は外部支持部5に覆われているので、磨耗発塵による汚染を回避することができる。この場合、磨耗発塵は、外部支持部5の内部に回収される。また、内部支持部6を、外部支持部5の外に出ることがないようにすれば、内部支持部6から発生する発塵や埃等を、確実に外部支持部5の内壁に格納させることができるのである。
【0074】
本発明の基板支持装置または半導体製造装置によって支持される基板1は、ガラスに限定されるものではなく、ICなどのウエハ基板やCD基板等の他の基板についても適用が可能である。
【0075】
また、本実施形態では、半導体製造装置として、スパッタリング処理を行う例について説明したが、その他にも、例えば、真空装置である真空蒸着、イオンプレーティング、プラズマエッチング、プラズマCVD、イオン注入装置等に限らず、大気中のフォトリソグラフィやベーク炉、加熱オーブン、洗浄装置及び基板搬送用カセットの支持部材にも適用可能である。
【0076】
また、本発明にかかる基板支持部は、図5に示すように、図1の基板支持部の構成に加えて、伸縮部3と支持本体2との間に、伸縮部3を収容する収容部9(収容手段)を備えている構成であってもよい。
【0077】
すなわち、図5に示すように、基板1と外部支持手段5とが接触して伸縮部3が収縮すると、伸縮部3が収容部9に収容される構成である。前述のように、支持部4が導電性樹脂や導電性ポリマーであると、基板1との接触により、磨耗発塵が生じる。その結果、基板1が汚染されてしまう。しかし、収容部9を設けることにより、この発塵を回収できるので、一層基板1の汚染を確実に防止できる。
【0078】
以上のように、本発明にかかる基板支持部は、基板と接触しない時は、外周の筒管(外部支持部)5は、ばね(伸縮部)3が伸びきった状態で内側の導電性支持部材(内部支持部)6を覆っている。基板1との接触においては先に外周の筒管(外部支持部)5が接触し、ばね3が縮み基板1には弱い力で接触を続け、そして内側の支持部材6が基板1と接触し基板1を保持する。その際、外側の筒管5も基板1と弱い力で接触を続けている。基板1から基板支持部が離れる時は、先に内側の支持部材6が基板から離れ、後にばね3が伸びきった時に外側の筒管5が基板1から離れる仕組みである。
【0079】
それゆえ、導電性材料からなる内部支持部6の周りを導電性材料の筒などの外部支持部5で囲い込む形状とすることにより、従来よりも一層基板1の帯電を無くすことができる。さらに、外部支持部5によって、内部支持部5からの発生する発塵や埃などを回収できる。
【0080】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0081】
【発明の効果】
本発明の基板支持装置は、以上のように、基板を支持する基板支持手段を備え、基板と接触する部分が導電性材料からなる基板支持装置であって、上記基板支持手段は、上記基板支持手段を支持する支持本体と、基板と接触し実質的に基板を支持する支持手段と、上記支持本体と上記支持手段とを接続し、伸縮することにより上記支持本体と支持手段との距離を変化させる伸縮手段とを含んでいる構成である。
【0082】
それゆえ、基板と基板支持手段との摩擦を軽減できるので、静電気などによる基板および帯電を防止することができるという効果を奏する。さらに、基板の帯電による基板への埃などの付着も防止できるので、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができるという効果を奏する。
【0083】
本発明の基板支持装置は、以上のように、上記支持手段は、内部支持手段と外部支持手段とからなる2重構造で形成され、上記内部支持手段は、基板に接触する内部接触手段と、上記支持本体に接続される内部支持本体とを含み、上記外部支持手段は、上記内部支持手段を被覆する構成であってもよい。
【0084】
それゆえ、たとえ、内部支持手段と基板とが接触して、内部支持手段から磨耗発塵が発生したとしても、内部支持手段は外部支持手段によって被覆されているので、磨耗発塵は外部支持手段の内部に回収される。したがって、磨耗発塵を外部支持手段によって回収することができるという効果を奏する。また、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができるという効果を奏する。
【0085】
さらに、内部支持手段が基板と接触する時には、外部支持手段によって内部支持手段と基板との間の空気の流れが遮断されているので、静電気の発生を防止して、基板の帯電を防止できるという効果を奏する。
【0086】
本発明の基板支持装置は、以上のように、上記内部支持手段は、導電性材料からなる構成であってもよい。
【0087】
それゆえ、例えば、基板が静電気により帯電している場合、それによる電荷を、内部支持手段を介して支持本体に確実に逃すことができるという効果を奏する。
【0088】
さらに、内部支持手段として、例えば、従来は基板との磨耗が激しく基板を汚染させる原因となっている導電性樹脂を用いたとしても、外部支持手段によってその発塵を回収することができる。その結果、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができるという効果を奏する。
【0089】
本発明の基板支持装置は、以上のように、上記伸縮手段は、上記外部支持手段と基板との非接触時には、当該外部支持手段が上記内部接触手段を被覆するように伸長し、上記外部支持手段と基板との接触時には、上記内部支持手段が基板に接触するまで収縮する構成であってもよい。
【0090】
それゆえ、外部支持手段が先に基板と接触することにより、内部支持手段と基板との間の空気の流れを遮断することができ、空気との摩擦をなくすことができるという効果を奏する。これにより、静電気の発生を抑制することができ、基板の帯電を防止することができるという効果を奏する。
【0091】
さらに、内部支持手段のみが先に基板から離れることにより、内部支持手段と基板との間が瞬間的に真空状態を保つことができる。これにより、帯電の元となる空気層を無くすことができる。さらに、静電気の発生を抑制することができ、基板の帯電を防止することができるという効果を奏する。
【0092】
本発明の基板支持装置は、以上のように、上記内部支持手段の内部接触手段が、絶縁物の表面を導電性膜によって被覆したものである場合、当該導電性膜は、スパッタリング法、蒸着法または厚膜ディピング法によって形成されている構成であってもよい。
【0093】
それゆえ、基板の帯電による電荷を確実に逃し、剥離帯電を防止することができるという効果を奏する。
【0094】
本発明の基板支持装置は、以上のように、上記外部支持手段は、導電性材料からなる構成であってもよい。
【0095】
それゆえ、内部支持手段のみが基板から離れた場合に、弱い帯電が基板に残っていたとしても、外部支持手段は基板に接触しているので、外部支持手段から伸縮手段を経て支持本体に電荷を逃すことができるという効果を奏する。
【0096】
本発明の基板支持装置は、以上のように、さらに、上記伸縮手段と支持本体との間に、上記伸縮手段を収容する収容手段を備えている構成であってもよい。
【0097】
それゆえ、たとえ、支持手段と基板とが接触することにより支持手段から発塵が発生したとしても、その発塵を収容手段によって回収することができるという効果を奏する。その結果、外部支持手段と収容手段とにより、発塵による基板の汚染を確実に回避することができるという効果を奏する。
【0098】
本発明の半導体製造装置は、以上のように、上記いずれかの基板支持装置を複数備えていることを特徴としている。
【0099】
それゆえ、静電気による基板の帯電を防止すると共に、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持し得る半導体製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる基板支持部の構成を示す平面図である。
【図2】スパッタリング装置の処理室の一例を示す平面図である。
【図3】図1の基板支持部を備えた基板昇降支持機構の一例を示す構成図である。
【図4】図2のスパッタリング装置における基板の受け渡しを行う基板受け渡し装置を示した図である。
【図5】図1とは異なる基板支持部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 支持本体
3 伸縮部(伸縮手段)
4 支持部(支持手段)
5 外部支持部(外部支持手段)
6 内部支持部(内部支持手段)
7 内部接触部(内部接触手段)
8 内部支持本体
9 収容部(収容手段)
10 基板支持部(基板支持手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板を支持する基板支持装置およびそれを備えた半導体製造装置に関し、特に基板の帯電を防止すると共に、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく基板の支持が可能な基板支持装置およびそれを備えた半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程においては、各工程において、基板を清浄に維持し、基板に損傷を与えないことが重要となる。また、各工程における基板の受け渡し時も同様に、基板に損傷を与えないことが重要となる。
【0003】
このため、清浄でキズのない基板を各製造工程の処理室に移動するには、静電気などによって基板の帯電を防止した基板支持装置が重要な役割を果たす。
【0004】
基板支持装置においては、基板支持部が導電性材料からなる場合の有効性は既知の通りである。すなわち、基板支持部は絶縁性材質で形成されていた場合、摩擦による静電気で基板に帯電し、空気中の埃等の微粒子を寄せ付け汚染させ、また電位差によるスパークで基板に損傷を与えるという問題点を有していた。
【0005】
そこで、この問題点を解決するための手段として、炭素を含有した導電性ポリイミド樹脂や導電性セラミックなどの導電性材料を使用することで、基板の電位差を無くしスパークの回避をしている(例えば、下記特許文献1〜6)。
【0006】
【特許文献1】特開平9−36207号公報(公開日1997年2月7日)
【0007】
【特許文献2】特許第2963210号(発行日1999年10月18日)
【0008】
【特許文献3】特開平9−36207号公報(公開日1997年2月7日)
【0009】
【特許文献4】特開平8−288190号公報(公開日1996年11月1日)
【0010】
【特許文献5】特開2000−77507号公報(公開日2000年3月14日)
【0011】
【特許文献6】特開2001−244243号公報(公開日2001年9月7日)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の方法は、以下の問題点を有している。
【0013】
すなわち、基板支持部に炭素、例えばグラファイトやカーボン繊維を樹脂に混ぜ込む工法において幾つかの成型方法があるが、いずれにしても表面抵抗、体積抵抗を安定した値に保つ事ができなかった。そのため、完全には基板の帯電を無くすことは出来ず、スパーク不良も散見されるという問題点を有している。これは成型体内で炭素成分の粒度や分散状態に均一性が確保できない為、基板支持部の導電状態が不安定になっていると考えられる。
【0014】
また、使用を重ねるにあたり、導電性樹脂、導電性セラミックなどからなる基板支持部は、基板との接触による磨耗が激しく、基板支持部からの発塵が回避できない。その結果、基板が汚染するという問題点も有している。
【0015】
また、基板支持部の磨耗が激しくなると、初期の状態と磨耗発生後の表面抵抗、体積抵抗にも変化が見られ、更に不安定な導電状態になってしまう。このため、基板の帯電を無くすことは非常に困難であるという問題点も有している。
【0016】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電気などによる基板の帯電を防止すると共に、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持し得る基板支持装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、基板を支持する基板支持手段を備え、基板と接触する部分が導電性材料からなる基板支持装置であって、上記基板支持手段は、上記基板支持手段を支持する支持本体と、基板と接触し実質的に基板を支持する支持手段と、上記支持本体と上記支持手段とを接続し、伸縮することにより上記支持本体と支持手段との距離を変化させる伸縮手段とを含んでいることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、基板を支持する基板支持手段が、支持本体と支持手段と伸縮手段とを含んでいる。このため、基板支持手段が基板方向に移動して基板と支持手段とが接触すると、次第に伸縮手段が収縮し、支持手段が基板を支持する。これにより、基板と基板支持手段との摩擦を軽減できるので、静電気などによる基板の帯電を防止することができる。さらに、基板の帯電による基板への埃などの付着も防止できるので、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができる。
【0019】
このように、上記の構成によれば、剥離帯電が発生しやすい基板支持手段は、伸縮手段を含んでいるので、剥離帯電が起こる急速な変化や磨耗を抑えることができる。なお、従来のように伸縮手段を備えない、導電性支持部のみからなる基板支持手段では、完全な剥離帯電を防止することはできない。
【0020】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、上記支持手段は、内部支持手段と外部支持手段とからなる2重構造で形成され、上記内部支持手段は、基板に接触する内部接触手段と、上記支持本体に接続される内部支持本体とを含み、上記外部支持手段は、上記内部支持手段を被覆する構成であってもよい。
【0021】
上記の構成によれば、支持手段が内部支持手段と外部支持手段とからなる2重構造である。すなわち、内部支持手段は外部支持手段に収容された構造であり、外部支持手段が、内部支持手段を被覆している。
【0022】
これにより、たとえ、内部支持手段と基板とが接触して、内部支持手段から磨耗発塵が発生したとしても、内部支持手段は外部支持手段によって被覆されているので、磨耗発塵は外部支持手段の内部に回収される。したがって、磨耗発塵を外部支持手段によって回収することができる。その結果、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができる。
【0023】
また、支持手段と基板とが接触すると、まず、外部支持手段と基板とが接触する。続いて、伸縮手段が収縮することにより、内部支持手段と基板との距離が近づき、やがて内部支持手段と基板とが接触する。これにより、基板は外部支持手段と内部支持手段とによって支持される。
【0024】
このように、支持手段と基板との接触時には、外部支持手段と基板とが接触した後、内部支持手段と基板とが接触して、基板を支持する。一方、支持した基板から支持手段が離れる時には、内部支持手段が基板から離れた後、外部支持手段が基板から離れる。
【0025】
したがって、内部支持手段が基板と接触する時には、外部支持手段によって内部支持手段と基板との間の空気の流れが遮断されている。これにより、静電気の発生を防止できるので、基板の帯電を防止できる。
【0026】
このように、外部支持手段および内部支持手段は基板を支持するものであり、外部支持手段は、さらに剥離帯電の防止および内部支持手段からの発塵の拡散を防止する役割も果たす。
【0027】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、上記内部支持手段は、導電性材料からなる構成であってもよい。
【0028】
上記の構成によれば、内部接触手段と内部支持本体とを含む内部支持手段が導電性材料で形成されている。すなわち、内部支持手段と支持本体とが電気的に接続される。これにより、例えば、基板が静電気により帯電している場合、それによる電荷を、内部支持手段を介して支持本体に確実に逃すことができる。
【0029】
さらに、内部支持手段として、例えば、従来は基板との磨耗が激しく基板を汚染させる原因となっている導電性樹脂を用いたとしても、外部支持手段によってその発塵を回収することができる。その結果、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができる。
【0030】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、上記伸縮手段は、上記外部支持手段と基板との非接触時には、当該外部支持手段が上記内部接触手段を被覆するように伸長し、上記外部支持手段と基板との接触時には、上記内部支持手段が基板に接触するまで収縮する構成であってもよい。
【0031】
換言すれば、上記伸縮手段は、常に上記外部支持手段の高さが、上記内部支持手段の高さ以上となるように伸縮する構成ということもできる。
【0032】
上記の構成によれば、外部支持手段と基板との非接触時には、外部支持手段が内部支持手段を被覆するように、伸縮手段は伸長した状態となる。一方、外部支持手段と基板との接触時には、内部支持手段が基板と接触するまで、伸縮手段は収縮する。
【0033】
すなわち、外部支持手段が基板に接触すると、伸縮手段が次第に収縮して、最終的に内部支持手段も基板に接触する。その結果、外部支持手段と内部支持手段とによって、基板が支持される。
【0034】
一方、外部支持手段と内部支持手段とが基板から離れる場合、伸長手段は上記接触する場合とは逆の動作を行う。すなわち、まず収縮した伸縮手段が伸長することにより、内部支持手段のみが基板から離れる。このとき、外部支持手段は、基板と接触している。続いて、伸長手段がさらに伸長することにより外部支持手段と基板とが離れる。
【0035】
ところで、静電気による基板の帯電は、基板を支持する支持手段の移動による空気の摩擦や、基板から支持手段が離れる際の剥離帯電が大半を占める。このため、内部支持手段が導電性樹脂などから形成されていると、導電性が不安定になり、静電気が発生しやすくなる。
【0036】
しかし、上記の構成によれば、支持手段が基板と接触する時には、外部支持手段が基板と接触した後、内部支持手段が基板に接触する。その結果、外部支持手段が先に基板と接触することにより、内部支持手段と基板との間の空気の流れを遮断することができ、空気との摩擦をなくすことができる。これにより、静電気の発生を抑制することができ、基板の帯電を防止することができる。
【0037】
さらに、上記の構成によれば、支持手段が基板から離れる時には、内部支持手段のみが基板から離れた後、外部支持手段が基板から離れる。その結果、内部支持手段のみが先に基板から離れることにより、内部支持手段と基板との間が瞬間的に真空状態を保つことができる。これにより、帯電の元となる空気層を無くすことができる。さらに、静電気の発生を抑制することができ、基板の帯電を防止することができる。
【0038】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、上記内部支持手段の内部接触手段が、絶縁物の表面を導電性膜によって被覆したものであって、当該導電性膜は、スパッタリング法、蒸着法または厚膜ディピング法によって形成されている構成であってもよい。
【0039】
上記の構成によれば、基板と接触する内部接触手段が、スパッタリング法、蒸着または厚膜ディピングによって形成された導電性薄膜である。
【0040】
これにより、基板の帯電による電荷を確実に逃し、剥離帯電を防止することができる。
【0041】
本発明の基板支持装置は、上記の課題を解決するために、上記外部支持手段は、導電性材料からなる構成であってもよい。
【0042】
上記の構成によれば、外部支持手段が導電性材料から形成されている。外部支持手段は伸縮手段を介して支持本体に接続されている。したがって、内部支持手段のみが基板から離れた場合に、弱い帯電が基板に残っていたとしても、外部支持手段は基板に接触しているので、外部支持手段から伸縮手段を経て支持本体に電荷を逃すことができる。
【0043】
本発明の基板支持装置は、さらに、上記伸縮手段と支持本体との間に、上記伸縮手段を収容する収容手段を備えている構成であってもよい。
【0044】
支持手段が導電性樹脂や導電性セラミックスからなる場合、基板との接触による磨耗が激しくなる。その結果、支持手段からの発塵を回避できなくなり、基板が汚染される。
【0045】
上記の構成によれば、収容手段が伸縮手段を収容する。収容手段は、伸縮手段と支持本体との間に備えられる。これにより、たとえ、支持手段と基板とが接触することにより支持手段から発塵が発生したとしても、その発塵を収容手段によって回収することができる。その結果、外部支持手段と収容手段とにより、発塵による基板の汚染を確実に回避することができる。
【0046】
本発明の半導体製造装置は、上記の課題を解決するために、上記いずれかの基板支持装置を複数備えていることを特徴としている。
【0047】
上記の構成によれば、上記半導体製造装置は、本発明の基板支持装置を複数備えている。これにより、静電気による基板の帯電を防止すると共に、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持し得る半導体製造装置を提供することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。以下では、一例として、本発明の基板支持装置を備えた半導体製造装置について説明することとする。
【0049】
本実施形態の半導体製造装置は、例えば、図2に示すようなスパッタリング装置において使用される。図2は、スパッタリング装置の各処理室の一例を示す平面図である。
【0050】
図2に示すスパッタリング装置は、中央部にTO/CH処理室と、その周囲に4つのS/CH処理室と、2つのL/CH処理室から構成されている。なお、TO/処理室およびS/CH処理室では、成膜の処理を行う。L/CH処理室は、図示しない加熱部と冷却部とを備え、基板1の加熱と冷却とを行う。
【0051】
図2の構成における一連の流れを説明すると、大気中の基板1は、まずL/CH処理室を経由してTO/CH処理室で基板移載が行われ、S/CH処理室で所定の処理が行われ、TO/CH処理室にて取り出され、L/CH処理室に運ばれる。
【0052】
具体的には、図2のスパッタリング装置の各処理室における処理は、図示しない基板1を大気中からL/CH処理室に移載して加熱処理を行い、図4に示す基板受け渡し用ロボットによりスパッタリング処理室S/CHに移載される。S/CH処理室でのスパッタリング処理終了後、再び基板受け渡し用ロボットによって処理済の基板1をS/CH処理室から取り出す。そして、TO/CH処理室を経由して基板1をL/CH処理室へ運び、基板1を冷却する。冷却後、基板1を大気中に出す。
【0053】
L/CH、S/CHの各処理室には、図示しない基板載置部が存在する。前述のように、TO/CH処理室には図4に基板受け渡し用ロボットが存在する。S/CH処理室には、図3に示すような基板昇降支持機構(基板支持装置)がある。図3に示す基板支持装置は、複数の基板支持部(基板支持手段)10を備えている。S/CH処理室では、基板昇降支持機構が、TO/CH処理室の基板受け渡し用ロボットから基板を受け取る。その後、基板を支持した基板昇降支持機構から、S/CH処理室にある基板載置部に基板が移載される。なお、図3の基板昇降支持機構は、本発明の基板支持部10を複数備えた半導体製造装置ということもできる。
【0054】
本実施の形態にかかる基板支持部を備えた基板支持装置の説明を行う。図1の基板支持部は、図示しない昇降部の稼働によって基板1を保持し、基板1を図2に示すスパッタリング装置のL/CH処理室の加熱載置台(図示せず)に移す。またS/CHスパッタリング処理室でも同様に昇降部の稼働によって基板1を保持し処理台(図示せず)に移す。
【0055】
図1は、本発明にかかる基板支持装置に備えられる基板支持部10(図3参照)の構成と、基板支持部と基板とが接触する動作を示す平面図である。
【0056】
図1に示すように、本基板支持装置の基板支持部(基板支持手段)は、基板支持部の本体となり基板支持部を支持する支持本体2、伸縮部(伸縮手段)3、および支持部(支持手段)4から構成されている。
【0057】
支持本体2は、金属からなり基板支持部の本体となり基板支持部を支持する。伸縮部3は、例えば、バネなどからなり、基板1における基板支持部との接触面に対してほぼ鉛直方向に伸縮可能であり、支持本体2と支持部4との距離を変化させる。
【0058】
支持部4は、基板1と接触し、実質的に基板1を支持する。支持部4は、外部支持部(外部支持手段)5と内部支持部(内部支持手段)6とからなり、内部支持部6が外部支持部5に被覆された2重構造である。内部支持部6は、さらに基板1と接触し基板1を支持する内部接触部7と、支持本体2に接続される内部支持本体8とから構成される。なお、外部支持部5と内部支持部6とは、電気的に導通しており、導電位である。すなわち、支持本体2と外部支持部5と内部支持部6とが電気的に導通しており、導電位である。
【0059】
本発明の半導体製造装置は、このような基板支持部を複数備え、基板1を支持する。ここで、本発明の特徴部分である基板支持部と基板1とが接触する動作ついて、図1に基づいて説明する。
【0060】
図1の左図に示すように、基板支持部4と基板1とが接触していない定常状態では、伸縮部3が伸びた状態となっている。次に、図1の中央図に示すように、図示しない基板昇降部によって、基板支持部が基板1方向に上昇すると、まず、基板1と外部支持部5とが接触する。このとき、内部支持部6は、基板1と接触していない。
【0061】
外部支持部5が基板1に接触すると、伸縮部3が次第に収縮し、徐々に内部支持部6の内部接触部7と基板1との距離が近づく。この間、基板1は、外部基板支持部6に保持されながら徐々に上昇する。伸縮部3が収縮していくと、図1の右図に示すように、最終的には内部接触部7と基板1とが接触する。その結果、基板1は、外部基板支持部5と内部基板支持部6とによって保持されることになる。
【0062】
保持された基板1が、基板支持部と離れていく場合の状態は、上記接触する場合と逆の状態となる。すなわち、伸縮部3が次第に伸長することにより、まず、内部支持部6の内部接触部7と基板1とが離れる。このとき、外部基板支持部3は、基板1と接触している。
【0063】
さらに、伸縮部3が伸長していくと、次第に外部支持部5が離れていき、完全に基板1と離れた状態となり、定常状態に戻る。
【0064】
本実施形態では、内部接触部7の先端の高さは、常に外部支持部5の高さ以下となるように設定しているので、内部支持部6のみで基板1を保持することはない。すなわち、常に外部支持部5と内部支持部6とにより基板1を支持する。なお、外部支持部5と内部支持部6とにより基板を支持した後、さらに伸縮部3が収縮して内部支持部6のみで基板1を支持するようにすることもできる。
【0065】
ところで、静電気による帯電は、基板1を保持した基板支持部の移動による空気の摩擦や、基板1から基板支持部が離れる際の剥離帯電がある。しかし、本実施形態では、基板支持部は、外部支持部6を有しているので、基板1と内部基板支持部との間の空気の流れを遮断することができる。その結果、空気と基板1との摩擦を無くすことができる。
【0066】
また、基板1から基板支持部が離れる時(すなわち、リフトオフ時)には、基板1と内部基板支持部との間を、瞬間的に真空状態とする。これにより、帯電の元となる空気層がなくなるため、基板1の帯電を防止できる。なお、このとき、基板1に弱い帯電が残っていたとしても、外部支持部5と基板1とが接触を続けているので、外部支持部5を通じて、支持本体2に帯電による電荷を逃すことができる。
【0067】
なお、基板支持部の形状は、図1では、外部支持部5として円筒型の支持部を、内部支持部6として円柱型の支持部を使用したが、それらの形状は特に限定されるものではなく、角柱や多角形であってもよい。また、外部支持部5(例えば、円筒型の支持部を使用する場合など)は、長さも長い程支持本体2との密閉性が優れ、基板1の帯電防止に有効である。
【0068】
また、外部支持部5および内部支持部6は、導電性材料からなるものであればよい。ここで、上記導電性材料としては、例えば、金属、導電性ポリマー、導電性ポリマーと熱硬化性樹脂との混合剤、絶縁物の表面が導電性膜で被覆された構成、などを挙げることができる。
【0069】
例えば、内部支持部6を覆う外側の管などからなる外部支持部5として、ステンレス材の筒管、金属や樹脂、セラミックなどの導電性材料であれば特に限定されるものではない。
【0070】
同様に、内側の導電性支持部材からなる内部支持部6は、グラファイトを含有したポリイミド樹脂の成型品、絶縁物にスパッタリング法や蒸着法、ディッピング法等で導電性材料の薄膜を形成し、絶縁物の表面をコートして形成するようにしてもよい。
【0071】
なお、基板1にキズを付けずに導電性を確保するには、導電性材料として、金属製やセラミック製支持部材ではなく、例えば炭素を含有した樹脂材料などの導電性ポリマーやその混合物、導電性膜により絶縁物を被覆した構成であることが好ましい。
【0072】
したがって、2重構造から成る図1の支持部の構成は、例えば、グラファイトなどの炭素を含有した導電性ポリイミド樹脂からなり基板支持を目的とした内部支持部6と、それを覆う形でステンレスなどの金属から成る筒状の外部支持部5とから形成される。そして外部支持部5は、ばね(伸縮部)3を介して金属からなる支持本体2と接合している。内部支持本体3も支持本体2に接続されているので、支持本体2と外部支持部5および内部支持部6は電気的に導通しており、同電位となる。
【0073】
また、内部支持部6が導電性樹脂から形成されると、基板1との接触による磨耗は避けられない。しかしながら、内部支持部6は外部支持部5に覆われているので、磨耗発塵による汚染を回避することができる。この場合、磨耗発塵は、外部支持部5の内部に回収される。また、内部支持部6を、外部支持部5の外に出ることがないようにすれば、内部支持部6から発生する発塵や埃等を、確実に外部支持部5の内壁に格納させることができるのである。
【0074】
本発明の基板支持装置または半導体製造装置によって支持される基板1は、ガラスに限定されるものではなく、ICなどのウエハ基板やCD基板等の他の基板についても適用が可能である。
【0075】
また、本実施形態では、半導体製造装置として、スパッタリング処理を行う例について説明したが、その他にも、例えば、真空装置である真空蒸着、イオンプレーティング、プラズマエッチング、プラズマCVD、イオン注入装置等に限らず、大気中のフォトリソグラフィやベーク炉、加熱オーブン、洗浄装置及び基板搬送用カセットの支持部材にも適用可能である。
【0076】
また、本発明にかかる基板支持部は、図5に示すように、図1の基板支持部の構成に加えて、伸縮部3と支持本体2との間に、伸縮部3を収容する収容部9(収容手段)を備えている構成であってもよい。
【0077】
すなわち、図5に示すように、基板1と外部支持手段5とが接触して伸縮部3が収縮すると、伸縮部3が収容部9に収容される構成である。前述のように、支持部4が導電性樹脂や導電性ポリマーであると、基板1との接触により、磨耗発塵が生じる。その結果、基板1が汚染されてしまう。しかし、収容部9を設けることにより、この発塵を回収できるので、一層基板1の汚染を確実に防止できる。
【0078】
以上のように、本発明にかかる基板支持部は、基板と接触しない時は、外周の筒管(外部支持部)5は、ばね(伸縮部)3が伸びきった状態で内側の導電性支持部材(内部支持部)6を覆っている。基板1との接触においては先に外周の筒管(外部支持部)5が接触し、ばね3が縮み基板1には弱い力で接触を続け、そして内側の支持部材6が基板1と接触し基板1を保持する。その際、外側の筒管5も基板1と弱い力で接触を続けている。基板1から基板支持部が離れる時は、先に内側の支持部材6が基板から離れ、後にばね3が伸びきった時に外側の筒管5が基板1から離れる仕組みである。
【0079】
それゆえ、導電性材料からなる内部支持部6の周りを導電性材料の筒などの外部支持部5で囲い込む形状とすることにより、従来よりも一層基板1の帯電を無くすことができる。さらに、外部支持部5によって、内部支持部5からの発生する発塵や埃などを回収できる。
【0080】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0081】
【発明の効果】
本発明の基板支持装置は、以上のように、基板を支持する基板支持手段を備え、基板と接触する部分が導電性材料からなる基板支持装置であって、上記基板支持手段は、上記基板支持手段を支持する支持本体と、基板と接触し実質的に基板を支持する支持手段と、上記支持本体と上記支持手段とを接続し、伸縮することにより上記支持本体と支持手段との距離を変化させる伸縮手段とを含んでいる構成である。
【0082】
それゆえ、基板と基板支持手段との摩擦を軽減できるので、静電気などによる基板および帯電を防止することができるという効果を奏する。さらに、基板の帯電による基板への埃などの付着も防止できるので、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができるという効果を奏する。
【0083】
本発明の基板支持装置は、以上のように、上記支持手段は、内部支持手段と外部支持手段とからなる2重構造で形成され、上記内部支持手段は、基板に接触する内部接触手段と、上記支持本体に接続される内部支持本体とを含み、上記外部支持手段は、上記内部支持手段を被覆する構成であってもよい。
【0084】
それゆえ、たとえ、内部支持手段と基板とが接触して、内部支持手段から磨耗発塵が発生したとしても、内部支持手段は外部支持手段によって被覆されているので、磨耗発塵は外部支持手段の内部に回収される。したがって、磨耗発塵を外部支持手段によって回収することができるという効果を奏する。また、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができるという効果を奏する。
【0085】
さらに、内部支持手段が基板と接触する時には、外部支持手段によって内部支持手段と基板との間の空気の流れが遮断されているので、静電気の発生を防止して、基板の帯電を防止できるという効果を奏する。
【0086】
本発明の基板支持装置は、以上のように、上記内部支持手段は、導電性材料からなる構成であってもよい。
【0087】
それゆえ、例えば、基板が静電気により帯電している場合、それによる電荷を、内部支持手段を介して支持本体に確実に逃すことができるという効果を奏する。
【0088】
さらに、内部支持手段として、例えば、従来は基板との磨耗が激しく基板を汚染させる原因となっている導電性樹脂を用いたとしても、外部支持手段によってその発塵を回収することができる。その結果、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持することができるという効果を奏する。
【0089】
本発明の基板支持装置は、以上のように、上記伸縮手段は、上記外部支持手段と基板との非接触時には、当該外部支持手段が上記内部接触手段を被覆するように伸長し、上記外部支持手段と基板との接触時には、上記内部支持手段が基板に接触するまで収縮する構成であってもよい。
【0090】
それゆえ、外部支持手段が先に基板と接触することにより、内部支持手段と基板との間の空気の流れを遮断することができ、空気との摩擦をなくすことができるという効果を奏する。これにより、静電気の発生を抑制することができ、基板の帯電を防止することができるという効果を奏する。
【0091】
さらに、内部支持手段のみが先に基板から離れることにより、内部支持手段と基板との間が瞬間的に真空状態を保つことができる。これにより、帯電の元となる空気層を無くすことができる。さらに、静電気の発生を抑制することができ、基板の帯電を防止することができるという効果を奏する。
【0092】
本発明の基板支持装置は、以上のように、上記内部支持手段の内部接触手段が、絶縁物の表面を導電性膜によって被覆したものである場合、当該導電性膜は、スパッタリング法、蒸着法または厚膜ディピング法によって形成されている構成であってもよい。
【0093】
それゆえ、基板の帯電による電荷を確実に逃し、剥離帯電を防止することができるという効果を奏する。
【0094】
本発明の基板支持装置は、以上のように、上記外部支持手段は、導電性材料からなる構成であってもよい。
【0095】
それゆえ、内部支持手段のみが基板から離れた場合に、弱い帯電が基板に残っていたとしても、外部支持手段は基板に接触しているので、外部支持手段から伸縮手段を経て支持本体に電荷を逃すことができるという効果を奏する。
【0096】
本発明の基板支持装置は、以上のように、さらに、上記伸縮手段と支持本体との間に、上記伸縮手段を収容する収容手段を備えている構成であってもよい。
【0097】
それゆえ、たとえ、支持手段と基板とが接触することにより支持手段から発塵が発生したとしても、その発塵を収容手段によって回収することができるという効果を奏する。その結果、外部支持手段と収容手段とにより、発塵による基板の汚染を確実に回避することができるという効果を奏する。
【0098】
本発明の半導体製造装置は、以上のように、上記いずれかの基板支持装置を複数備えていることを特徴としている。
【0099】
それゆえ、静電気による基板の帯電を防止すると共に、基板を清浄かつ高純度な状態でキズをつけることなく支持し得る半導体製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる基板支持部の構成を示す平面図である。
【図2】スパッタリング装置の処理室の一例を示す平面図である。
【図3】図1の基板支持部を備えた基板昇降支持機構の一例を示す構成図である。
【図4】図2のスパッタリング装置における基板の受け渡しを行う基板受け渡し装置を示した図である。
【図5】図1とは異なる基板支持部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 支持本体
3 伸縮部(伸縮手段)
4 支持部(支持手段)
5 外部支持部(外部支持手段)
6 内部支持部(内部支持手段)
7 内部接触部(内部接触手段)
8 内部支持本体
9 収容部(収容手段)
10 基板支持部(基板支持手段)
Claims (8)
- 基板を支持する基板支持手段を備え、基板と接触する部分が導電性材料からなる基板支持装置であって、
上記基板支持手段は、
上記基板支持手段を支持する支持本体と、
基板と接触し実質的に基板を支持する支持手段と、
上記支持本体と上記支持手段とを接続し、伸縮することにより上記支持本体と支持手段との距離を変化させる伸縮手段とを含んでいることを特徴とする基板支持装置。 - 上記支持手段は、内部支持手段と外部支持手段とからなる2重構造で形成され、
上記内部支持手段は、基板に接触する内部接触手段と、上記支持本体に接続される内部支持本体とを含み、
上記外部支持手段は、上記内部支持手段を被覆することを特徴とする請求項1に記載の基板支持装置。 - 上記内部支持手段は、導電性材料からなることを特徴とする請求項2に記載の基板支持装置。
- 上記伸縮手段は、
上記外部支持手段と基板との非接触時には、当該外部支持手段が上記内部接触手段を被覆するように伸長し、
上記外部支持手段と基板との接触時には、上記内部支持手段が基板に接触するまで収縮することを特徴とする請求項2または3に記載の基板支持装置。 - 上記内部支持手段の内部接触手段が、絶縁物の表面を導電性膜によって被覆したものであって、当該導電性膜は、スパッタリング法、蒸着法または厚膜ディピング法によって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の基板支持装置。
- 上記外部支持手段は、導電性材料からなることを特徴とする請求項2に記載の基板支持装置。
- さらに、上記伸縮手段と支持本体との間に、上記収縮手段を収容する収容手段を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板支持装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の基板支持装置を複数備えていることを特徴とする半導体製造装置。
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---|---|---|---|
JP2002338496A JP2004172494A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 基板支持装置およびそれを備えた半導体製造装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103552739A (zh) * | 2013-11-11 | 2014-02-05 | 京东方科技集团股份有限公司 | 一种支撑部件和支撑装置 |
CN103730321A (zh) * | 2013-12-24 | 2014-04-16 | 苏州市奥普斯等离子体科技有限公司 | 一种芯片等离子体表面处理装置 |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002338496A patent/JP2004172494A/ja not_active Withdrawn
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