JP2004169908A - アンカー - Google Patents
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Abstract
【課題】設計上単純であり、そして大きな製造費の削減を提供するアンカーを提供すること。
【解決手段】構造体に装置(この装置はファスナーを備える)を固定するための2区画アンカー。この2区画アンカーは、ファスナーとの機械的なインターロックを形成するために適合されたナットに類似する第1口径および第2のスレッド状口径を備える第1区画を備える。第2区画は、第1区画を構造体に固定する。第2区画は、第2口径との機械的なインターロックにより第1区画に固定可能である第1のスレッド状部分、および構造体に第2区画を固定するための第2のスレッド状部分を備える。第1および第2の口径は、それぞれ第1および第2の直径を有し得る。第1直径は第2直径よりも大きい。ねじは、タッピンねじである。
【選択図】 図1
【解決手段】構造体に装置(この装置はファスナーを備える)を固定するための2区画アンカー。この2区画アンカーは、ファスナーとの機械的なインターロックを形成するために適合されたナットに類似する第1口径および第2のスレッド状口径を備える第1区画を備える。第2区画は、第1区画を構造体に固定する。第2区画は、第2口径との機械的なインターロックにより第1区画に固定可能である第1のスレッド状部分、および構造体に第2区画を固定するための第2のスレッド状部分を備える。第1および第2の口径は、それぞれ第1および第2の直径を有し得る。第1直径は第2直径よりも大きい。ねじは、タッピンねじである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、建築物または他の構造体に備品を固定するためのアンカー(アンカー)、より詳細には、2区画アンカーアセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物などに構造体を取り付けるためのスクリューナットファスナーが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。これらの特許において、六角ナットがスクリューと一体的に形成されているか、または溶接もしくはスエージ加工した連結部によりスクリューに取り付けられている。他の設計において、固定システムは、建築物または他の型の構造体に備品(例えば、パイプハンガー)を取り付けるための3つ以上の部分のアセンブリを含む。このような多区画アンカーの例は、特許文献3および特許文献4に提供される。
【0003】
種々の構造体に備品を固定するために容易に適合されているが、設計上単純であり、そして大きな製造費の削減を提供するアンカーを有することが望ましい。
アンカー、備品へのアンカーの連結部、および/または構造体の組み立てのために規格化されたファスナーを用いて製造され得、そして組み立てられる部品が最小数でありかつ製造に効果的な費用であるアンカーアセンブリを提供することもまた、望ましい。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第5,697,746号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,518,351号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,295,647号明細書
【特許文献4】
米国特許第4,934,634号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、設計上単純であり、そして大きな製造費の削減を提供するアンカーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
1つの局面において、本発明は、構造体に装置を固定するための2区画アンカーを提供する。ここで、この装置はファスナーを備え、2区画アンカーは以下:ファスナーと機械的なインターロックを形成するために適合されたナットに類似する第1口径、および第2スレッド状口径を備える、第1区画;ならびに
第2口径との機械的なインターロックにより第1区画に固定可能である第1スレッド状部分、および構造体に第2区画を固定するための第2スレッド状部分を備える、構造体に第1区画を固定するための第2区画、
を備える。
【0007】
1つの実施形態において、上記第1口径および前記第2口径は、それぞれ第1直径および第2直径を有し、第1直径は、第2直径よりも大きい直径および第2直径よりも小さい直径のうちの一方である。
【0008】
好ましい実施形態において、連続的な穴が、上記第1口径および上記第2口径の両方を通って規定される。
【0009】
好ましい実施形態において、上記第1区画の中間部分は上記第1口径と上記第2口径との間に配置され、中間部分が上記構造体に上記第2区画を固定するためのツールを受け入れるために適合されている。
【0010】
好ましい実施形態において、上記第2区画は、ヘッドレスタッピンねじであり、これによって、第1末端がスレッドを示し、そして第2末端が第2末端上に形成されたドリル点を有する。ここで、第1部分はスレッドを備え、そして第2部分はドリル点を備える。
【0011】
さらに好ましい実施形態において、上記タッピンねじは、上記第1部分と上記第2部分との間に配置されたフランジをさらに備え、上記第1区画は下部表面を有する。ここで、第1区画は上記第2区画に固定されており、フランジは下部表面と対を成して接触している。
【0012】
なおさらに好ましい実施形態において、上記フランジおよび上記下部表面のうちの一方が、フランジが下部表面と対を成して接触する際に、上記第1区画に対する上記第2区画の回転による移動を阻止するために適合された食いつき端を備える。
【0013】
なおさらに好ましい実施形態において、上記下部表面は上記第1区画の凹部内に配置される。
【0014】
別の実施形態において、上記第1口径は上記第2口径に対して約90度で配置される。
【0015】
別の実施形態において、上記第1口径は上記第2口径と同軸である。
【0016】
別の局面において、本発明は、第1口径と取り外し可能に係合可能なスレッド状ロッドを備える、上記2区画アンカーアセンブリと組み合わせたファスナーを提供する。
【0017】
別の局面において、本発明は、アンカーであって、以下:
1区画コネクタであって、コネクタ上に第1部分および第2部分が形成されており、第1部分はスレッド状端を備え、そして第2部分は付着端を備える、コネクタ;ならびに
1区画カップリングであって、カップリング上に第1固定部分および第2固定部分が形成されており、第1部分は該第2端と付着端との間の機械的なインターロックによりコネクタと取り外し可能に係合されており、そして第2部分は取り付け表面にコネクタを固定するために適合されている、カップリング、
を備える、アンカーを提供する。
【0018】
1つの実施形態において、上記第2部分はタッピンねじであり、上記スレッド状端は六角ナットに類似する。
【0019】
好ましい実施形態において、上記カップリングは、上記第1部分と上記第2部分との間に形成されたフランジを備える。
【0020】
さらに好ましい実施形態において、上記コネクタは第1端および第2端を有し、上記第2端は、上記第1部分がコネクタと係合する際に、上記フランジと対を成すための環状凹部を備える。
【0021】
別の実施形態において、上記機械的インターロックが、上記付着端および上記第1部分のそれぞれに形成された、第1スレッドと第2スレッドとの間の係合を含む。
【0022】
別の局面において、本発明は、架台およびコネクタのスレッド状端と機械的に係合するスレッド状ボルトを含む、上記アンカーと組み合わせた備品を提供する。
【0023】
別の局面において、本発明は、2区画ナットおよびねじ固定アセンブリを用いてパイプハンガーを取り付ける方法を提供する。このパイプハンガーはスレッド状ロッドを有し、そしてこの方法は、以下:
ねじとナットとの間のスレッド状の係合を介してねじをナットに機械的に取り付ける工程;
ベース資材にねじの一部分を推進する工程;および
ナットにロッドを固定する工程、
を包含する。
【0024】
1つの実施形態において、上記方法は:
上記ナットにおいて同軸状に配置した第1および第2の口径を形成する工程であって、工程は、第1および第2の口径内に、それぞれ、第1および第2のスレッドを形成する工程を包含する、工程;および
上記ベース資材に上記ねじを推進するためのドリル点をねじの一端に、そして上記ナットと係合するためのスレッド状スタッドをねじの反対端に形成する工程、
をさらに包含する。
【0025】
別の実施形態において、上記方法は、上記推進工程が、推進ツールのソケットに上記ナットを配置する工程、および推進ツールを用いて上記ベース資材に上記ねじを推進する工程、をさらに包含する。
【0026】
別の実施形態において、上記方法は、上記ナットと前記ねじとの間の恒久的な接続を容易にするために、上記機械的な取り付け工程の前に、ナットおよびねじのうちの少なくとも一方に接着剤を適用する工程を包含する。
【0027】
別の局面において、本発明は、以下:
第1部分と一体的に形成されたスレッド状係合部分を備える第1区画;
第2部分および固定部分を備える第2区画;ならびに
第1部分および第2部分を機械的に係合するための手段、
を備えるアンカーアセンブリを提供する。
【0028】
1つの実施形態において、上記第2部分および第1部分を機械的に係合するための手段が、上記第1区画および上記第2区画のうちの一方におけるスタッドの形成を含み、そしてスタッドは第1区画および第2区画のうちの他方に形成されたスリーブおよび口径のうちの一方と取り外し可能に係合可能である。
【0029】
好ましい実施形態において、上記スタッドはスレッド状スタッドであり、上記スリーブおよび口径のうちの一方がその内側壁表面に形成されたスレッドを備える。
【0030】
別の実施形態において、上記機械的に係合するための手段は、恒久的な係合および取り外し可能な係合のうちの一方を含む。
【0031】
好ましい実施形態において、上記取り外し可能な係合は、スレッド、鍵穴、インターロック用歯、およびチャネルに受け入れられる歯のうちの1つの型の機械的係合を提供するために、上記第1部分および上記第2部分に形成された構造を含む。
【0032】
さらに好ましい実施形態において、上記機械的に係合するための手段は、上記第1部分および上記第2部分のうちの少なくとも一方への接着剤の適用を含む。
【0033】
別の実施形態において、上記固定部分はタッピンねじであり、そして上記係合部分はスレッド状口径を備える。
【0034】
本発明のアンカーアセンブリにより、上記の要求が満たされ、そして先行技術の欠点が克服される。1つの実施形態に従って、構造体に装置(この装置はファスナーを備える)を固定するために2区画アンカーが使用される。2区画アンカーは、ファスナーとの機械的なインターロックを形成するために適合されたナットに類似する第1口径および第2のスレッド状口径を備える第1区画を備える。
第2区画は、第1区画を構造体に固定する。第2区画は、第2口径との機械的なインターロックにより第1区画に固定可能である第1のスレッド状部分、および構造体に第2区画を固定するための第2のスレッド状部分を備える。第1および第2の口径は、それぞれ第1および第2の直径を有し得る。第1直径は第2直径よりも大きい。ねじは、タッピンねじであり得る。第2区画は、第1部分と第2部分との間に配置されたフランジを備え得、第2区画が第1区画に固定される場合、フランジは第2区画の下部表面と対を成して接触する。この下部表面は、第1区画と第2区画との間の固定保持を容易にする食いつき端を備え得る。この固定保持は、接着剤を使用することによりさらに確実にされ得る。第2区画は、一方の端に第1部分に対応するスレッドが形成され、他方の端にドリル点が形成されたヘッドレスタッピンねじに対応し得る。
【0035】
別の実施形態において、アンカーが提供される。このアンカーは、1区画コネクタであって、その上に第1および第2の部分が形成されており、第1部分がスレッド状端を備え、そして第2部分が付着端を備える、コネクタ、および1区画カップリングであって、その上に第1および第2の固定部分が形成されており、第1部分が第2端と付着端との間の機械的なインターロックによりコネクタと取り外し可能に係合しており、第2部分が取り付け表面にコネクタを固定するために適合されている、カップリングを備える。この実施形態において、第1端はスレッド状口径を形成し得、そして第2部分はタッピンねじを形成し得る。
【0036】
別の実施形態において、2部分ナットおよびねじ固定アセンブリを用いて装置を取り付ける方法が提供される。この装置は、パイプハンガー、ユーティリティトレイ、ダクト、照明システム、スプリンクラーシステム、電気システム、吊り天井、冷凍システムに対応し得る。この方法は、ねじとナットとの間のスレッド状係合を介してナットにねじを機械的に取り付ける工程、ねじの一部分をベース資材に推進する工程、およびナットに装置のロッドカップリングを固定する工程を包含する。推進工程はさらに、ナットを推進ツール(例えば、パワードリル)のソケットに挿入する工程、およびこの推進ツールを用いてベース資材にねじを推進する工程を包含し得る。
【0037】
別の実施形態において、アンカーアセンブリは、第1部分と一体的に形成されたスレッド状係合部分を備える第1区画、第2部分および固定部分を備える第2区画、ならびに第1部分と第2部分とを機械的に係合する手段を備える。この係合手段は、第1部分および第2部分のうちの1つにおけるスタッドならびに第1部分および第2部分の他方における口径およびスリーブのうちの1つの形成を含み得る。第1部分および第2部分は、各々、第1区画と第2区画との間の機械的なインターロックを容易にするスレッドを備え得る。
【0038】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明から明らかである。本発明の特徴および利点は、記載された説明およびその特許請求の範囲ならびに添付の図面において特に指し示された構造および方法により、実現および達成される。
【0039】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は例示および説明であり、権利を請求する本発明の範囲を限定することなくさらなる説明を提供することが意図されることが理解される。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明のアンカーは、2区画構成のアンカーである。アンカーアセンブリの各区画は一体的な構築物、例えば、高強度の資材(例えば、スチール)の第1および第2の区画である。第1区画は、例えば、スレッドをインターロックすることにより備品と機械的に係合し得るナットとして形成され得る。第2区画は、建築物または他の構造と第1区画を連結するためのファスナー(例えば、ねじ部材)を備え得る。第1および第2の区画は、ひとつにインターロックされてアンカーを形成している。このアンカーは、パイプハンガー、フレーム、または他の構造体を、建築物の木材、スチール、またはコンクリート構造に取り付けるために使用され得る。
【0041】
本発明の1つの例を図1〜5に示す。この実施形態において、ファスナー10は、ナット12および固定構造60によりナット12に接続されたねじ部材14を備える。好ましくは、固定構造60は、ねじ14とナット12との間のスレッド状の係合により提供される。固定構造60は、ねじ14上に形成されたスレッド状のスリーブ(または口径)に受け取られるナット12上に形成されたスレッド状のスタッドにより代替的に提供され得る。示される実施形態において、固定構造60は、下部口径28のスレッド30と係合するスタッド50上のスレッド52を備える。図1、3、および5を参照すると、固定構造60はまた、好ましくは、ねじ部材14のフランジ48と係合するために下部26の下端に形成された、食いつき部様表面34を含む凹部32を備える。食いつき表面34を有する凹部32を備えることにより、ねじ部材14の凹部への回転およびねじ部材14の回転による表面34との対係合は、ねじ部材14とナット12との間の摩擦による保持を促進し、それによってねじまたはナットに適用されたトルクが、ねじとナットとの間で相対的に回転する機会を減少させる。ねじ部材14とナット12との間のこの機械的な接続はまた、例えば、スレッドに接着剤(例えば、Loctite)を適用することにより、恒久化され得る。
【0042】
図2、3、および5を参照すると、ナット12は、好ましくは、上部20に形成された、好ましくは六角ナットに類似する外側表面を有する第1口径22、およびナット12の下部26に形成された第2口径28を備える。示される実施形態において、第1口径22および第2口径28は、ナット12を通って延びる段差のついた直径の穴を規定する。代替の実施形態において、ナット12は、第1口径22と第2口径28との間に位置し、これらを分離する中実の中間セクションを有し得る。この中間セクションは、従来の直線スロットまたは凹部交差スロット、あるいはその表面上に形成された多角形の凸部(または凹部)を備え、ねじ回しを上部口径22に挿入することにより、ナット12とねじ回しとの係合を容易にし得る。スレッド24は、口径22の内側壁に沿って形成され、ベース資材に固定された備品の相補的なスレッド状スタッドまたはロッドとの機械的な係合を容易にし得る。口径22とスタッドとの間のインターロックによる係合の他の型(例えば、鍵穴、インターロック用歯またはL字型チャネルに受け入れられる歯)が使用され得る。図2、3、および5に見られ得るように、スレッド24のピッチは、口径28のスレッド30のピッチよりも大きく、口径22は、口径28よりも大きい直径を有し得る。上部口径22のスレッド24およびスレッド対30および52は、備品の対を成すロッドがナット12に固定される場合、適用されるトルクがスタッド50と下部26との間の係合を堅くするように向けられる。
【0043】
図4を参照すると、ねじ部材14は、下部40、スレッド52を有するスタッド50、およびスタッド50と下部40との間に形成されたフランジ48を備える。ねじ14は、図4に示されるように、ヘッドレスねじと類似し得る。ねじ部材14の端44は、ねじ部材14がタッピンねじとして使用され得るように、ドリル点46として形成され得る。例示の実施形態において、ドリル点46は、タップを有さない金属構造(例えば、I型梁)にねじ部材14を固定するために適合されているが、代替的に、タップを有さない木材構造にねじ部材14を固定する形状であり得る。当然、下部40は、代替的に、予め形成された穴(例えば、コンクリートベースの資材の場合)に固定可能であり得る。スタッド50のスレッド52のピッチは、用途に依存して、下部40のスレッド42と同じピッチであっても異なるピッチであってもよい。例えば、木材への適用において、スレッド42のピッチは、代表的に、スレッド52のピッチよりも大きい。同一のスレッド52は、1つのナット12の型が、種々のベース資材に使用され得るように、例えば、コンクリート、木材、またはスチールベースの資材に係合するために適合されたスレッドおよび/またはドリル点を有する下部40のために使用され得る。
【0044】
固定構造60の代替の実施形態において、ナット12の下部26は、例えば、120度の増分(インクレメント)で形成された歯を有する口径を有し得る。これらの歯は、スタッド50に形成された対応するL字型チャネルの垂直部分に垂直に挿入される(歯およびチャネルは、代替的に、それぞれ、スタッドおよびナットに形成され得る)。歯は、L字型チャネルの垂直部分に完全に挿入された後、このチャネルの水平部分と対峙する。次いで、ナット12は、歯が水平チャネルに進入し、(例えば、歯と水平チャネルとの間に形成された爪により)チャネル内に固定され合致するようにねじられる。鍵穴接続またはインターロック用歯のような、ナット12とねじ14との間の機械的なインターロックによる接続の他の実施形態が企図される。固定構造60のスタッドまたは口径部分(スタッドがねじ14に位置しようがナット12に位置しようが)はまた、ねじ14が口径28に挿入された場合に変形して、ナット12とねじ14との間の固定を容易にする可塑性部分(例えば、ライニング)を備え得る。
【0045】
本発明の第1の実施形態において、口径22および28は、図5に示されるように、互いに同軸である。第2の実施形態において、ファスナーアセンブリは、口径が、互いに軸からはずれた方向(例えば、互いに対して90度の方向)を向いているナットを備え得る。このような実施形態を図6に示す。ナット70は、水平方向に延びた第1口径74および垂直方向に延びた第2口径78を備える。
ナット70は、ねじ部材14に固定され得る。好ましくは、スレッド76および口径の直径78は、ナット12のスレッド30および口径28の直径と同一であり、その結果、2つのナットは容易に交換されて、取り付けロッドに付与され得る。
【0046】
好ましい実施形態において、ナット12の上部20は、パワードリルまたはファスナー10をベース資材へと推進するために使用される他のツールのチャックに取り付けるための従来のソケットに受け入れられ得る六角ねじに類似する形状である。あるいは、上部20は、正方形または多角形(例えば、八角形)の形状をとり得るか、または上部は、円柱形であり得る。後者の場合、ツール保持表面は、上記のような、口径22と28との間に配置された中間セクションにより提供され得る。
【0047】
ファスナーの第1および第2の実施形態の2つの可能性のある使用を、図7および8に示す。図7において、ナット12は、第1ベース資材94(建築物の天井であり得る)にパイプ92を取り付けるために使用される。ファスナーはベース資材94に固定され得、次いで、ロッド93はナット12に固定され得る。反対側の端において、ロッド93は、パイプ92を支持する架台90に係合し;図8において、ナット70は、第2ベース資材94(梁、トラス、または支柱であり得る)にケーブルトレイ96を取り付けるために使用される。ナット12と同一の口径およびスレッドを有するナット70のために、同一のロッド93が使用され得る。ファスナー10は、本発明の範囲から逸脱することなく、ベース資材に他の型の備品を取り付けるために容易に使用され得る。
【0048】
本発明により、建築物または他のベース資材に備品を固定するファスナーが提供される。このファスナーは、2区画間の機械的な係合により構築される。第1区画は第1および第2口径を備える。第1口径は、備品(例えば、パイプハンガー)に接続され得、そして第2口径は、タッピンねじを備え得る第2区画と機械的に係合される。
【0049】
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供することを意図し、本明細書に組み込まれその一部を構成する。添付の図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、そしてその説明と共に、本発明の原理を説明する働きをする。
【0050】
【発明の効果】
本発明により、設計上単純であり、そして大きな製造費の削減を提供するアンカーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の原理に従い作製されたナットおよびねじ部材を備える組み立てられたファスナーの第1の実施形態の平面図である。
【図2】図2は、図1の断面II−IIから見た図1のファスナーのナットの上面図である。
【図3】図3は、図1の断面III−IIIから見たナットの底面図である。
【図4】図4は、図1のファスナーのねじ部材の側面図である。
【図5】図5は、図1のナットの側面図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態に従うナットの側面図である。
【図7】図7は、ファスナーの第1の実施形態の可能性のある使用の斜視図である。
【図8】図8は、ファスナーの第2の実施形態の可能性のある使用の斜視図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、建築物または他の構造体に備品を固定するためのアンカー(アンカー)、より詳細には、2区画アンカーアセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物などに構造体を取り付けるためのスクリューナットファスナーが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。これらの特許において、六角ナットがスクリューと一体的に形成されているか、または溶接もしくはスエージ加工した連結部によりスクリューに取り付けられている。他の設計において、固定システムは、建築物または他の型の構造体に備品(例えば、パイプハンガー)を取り付けるための3つ以上の部分のアセンブリを含む。このような多区画アンカーの例は、特許文献3および特許文献4に提供される。
【0003】
種々の構造体に備品を固定するために容易に適合されているが、設計上単純であり、そして大きな製造費の削減を提供するアンカーを有することが望ましい。
アンカー、備品へのアンカーの連結部、および/または構造体の組み立てのために規格化されたファスナーを用いて製造され得、そして組み立てられる部品が最小数でありかつ製造に効果的な費用であるアンカーアセンブリを提供することもまた、望ましい。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第5,697,746号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,518,351号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,295,647号明細書
【特許文献4】
米国特許第4,934,634号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、設計上単純であり、そして大きな製造費の削減を提供するアンカーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
1つの局面において、本発明は、構造体に装置を固定するための2区画アンカーを提供する。ここで、この装置はファスナーを備え、2区画アンカーは以下:ファスナーと機械的なインターロックを形成するために適合されたナットに類似する第1口径、および第2スレッド状口径を備える、第1区画;ならびに
第2口径との機械的なインターロックにより第1区画に固定可能である第1スレッド状部分、および構造体に第2区画を固定するための第2スレッド状部分を備える、構造体に第1区画を固定するための第2区画、
を備える。
【0007】
1つの実施形態において、上記第1口径および前記第2口径は、それぞれ第1直径および第2直径を有し、第1直径は、第2直径よりも大きい直径および第2直径よりも小さい直径のうちの一方である。
【0008】
好ましい実施形態において、連続的な穴が、上記第1口径および上記第2口径の両方を通って規定される。
【0009】
好ましい実施形態において、上記第1区画の中間部分は上記第1口径と上記第2口径との間に配置され、中間部分が上記構造体に上記第2区画を固定するためのツールを受け入れるために適合されている。
【0010】
好ましい実施形態において、上記第2区画は、ヘッドレスタッピンねじであり、これによって、第1末端がスレッドを示し、そして第2末端が第2末端上に形成されたドリル点を有する。ここで、第1部分はスレッドを備え、そして第2部分はドリル点を備える。
【0011】
さらに好ましい実施形態において、上記タッピンねじは、上記第1部分と上記第2部分との間に配置されたフランジをさらに備え、上記第1区画は下部表面を有する。ここで、第1区画は上記第2区画に固定されており、フランジは下部表面と対を成して接触している。
【0012】
なおさらに好ましい実施形態において、上記フランジおよび上記下部表面のうちの一方が、フランジが下部表面と対を成して接触する際に、上記第1区画に対する上記第2区画の回転による移動を阻止するために適合された食いつき端を備える。
【0013】
なおさらに好ましい実施形態において、上記下部表面は上記第1区画の凹部内に配置される。
【0014】
別の実施形態において、上記第1口径は上記第2口径に対して約90度で配置される。
【0015】
別の実施形態において、上記第1口径は上記第2口径と同軸である。
【0016】
別の局面において、本発明は、第1口径と取り外し可能に係合可能なスレッド状ロッドを備える、上記2区画アンカーアセンブリと組み合わせたファスナーを提供する。
【0017】
別の局面において、本発明は、アンカーであって、以下:
1区画コネクタであって、コネクタ上に第1部分および第2部分が形成されており、第1部分はスレッド状端を備え、そして第2部分は付着端を備える、コネクタ;ならびに
1区画カップリングであって、カップリング上に第1固定部分および第2固定部分が形成されており、第1部分は該第2端と付着端との間の機械的なインターロックによりコネクタと取り外し可能に係合されており、そして第2部分は取り付け表面にコネクタを固定するために適合されている、カップリング、
を備える、アンカーを提供する。
【0018】
1つの実施形態において、上記第2部分はタッピンねじであり、上記スレッド状端は六角ナットに類似する。
【0019】
好ましい実施形態において、上記カップリングは、上記第1部分と上記第2部分との間に形成されたフランジを備える。
【0020】
さらに好ましい実施形態において、上記コネクタは第1端および第2端を有し、上記第2端は、上記第1部分がコネクタと係合する際に、上記フランジと対を成すための環状凹部を備える。
【0021】
別の実施形態において、上記機械的インターロックが、上記付着端および上記第1部分のそれぞれに形成された、第1スレッドと第2スレッドとの間の係合を含む。
【0022】
別の局面において、本発明は、架台およびコネクタのスレッド状端と機械的に係合するスレッド状ボルトを含む、上記アンカーと組み合わせた備品を提供する。
【0023】
別の局面において、本発明は、2区画ナットおよびねじ固定アセンブリを用いてパイプハンガーを取り付ける方法を提供する。このパイプハンガーはスレッド状ロッドを有し、そしてこの方法は、以下:
ねじとナットとの間のスレッド状の係合を介してねじをナットに機械的に取り付ける工程;
ベース資材にねじの一部分を推進する工程;および
ナットにロッドを固定する工程、
を包含する。
【0024】
1つの実施形態において、上記方法は:
上記ナットにおいて同軸状に配置した第1および第2の口径を形成する工程であって、工程は、第1および第2の口径内に、それぞれ、第1および第2のスレッドを形成する工程を包含する、工程;および
上記ベース資材に上記ねじを推進するためのドリル点をねじの一端に、そして上記ナットと係合するためのスレッド状スタッドをねじの反対端に形成する工程、
をさらに包含する。
【0025】
別の実施形態において、上記方法は、上記推進工程が、推進ツールのソケットに上記ナットを配置する工程、および推進ツールを用いて上記ベース資材に上記ねじを推進する工程、をさらに包含する。
【0026】
別の実施形態において、上記方法は、上記ナットと前記ねじとの間の恒久的な接続を容易にするために、上記機械的な取り付け工程の前に、ナットおよびねじのうちの少なくとも一方に接着剤を適用する工程を包含する。
【0027】
別の局面において、本発明は、以下:
第1部分と一体的に形成されたスレッド状係合部分を備える第1区画;
第2部分および固定部分を備える第2区画;ならびに
第1部分および第2部分を機械的に係合するための手段、
を備えるアンカーアセンブリを提供する。
【0028】
1つの実施形態において、上記第2部分および第1部分を機械的に係合するための手段が、上記第1区画および上記第2区画のうちの一方におけるスタッドの形成を含み、そしてスタッドは第1区画および第2区画のうちの他方に形成されたスリーブおよび口径のうちの一方と取り外し可能に係合可能である。
【0029】
好ましい実施形態において、上記スタッドはスレッド状スタッドであり、上記スリーブおよび口径のうちの一方がその内側壁表面に形成されたスレッドを備える。
【0030】
別の実施形態において、上記機械的に係合するための手段は、恒久的な係合および取り外し可能な係合のうちの一方を含む。
【0031】
好ましい実施形態において、上記取り外し可能な係合は、スレッド、鍵穴、インターロック用歯、およびチャネルに受け入れられる歯のうちの1つの型の機械的係合を提供するために、上記第1部分および上記第2部分に形成された構造を含む。
【0032】
さらに好ましい実施形態において、上記機械的に係合するための手段は、上記第1部分および上記第2部分のうちの少なくとも一方への接着剤の適用を含む。
【0033】
別の実施形態において、上記固定部分はタッピンねじであり、そして上記係合部分はスレッド状口径を備える。
【0034】
本発明のアンカーアセンブリにより、上記の要求が満たされ、そして先行技術の欠点が克服される。1つの実施形態に従って、構造体に装置(この装置はファスナーを備える)を固定するために2区画アンカーが使用される。2区画アンカーは、ファスナーとの機械的なインターロックを形成するために適合されたナットに類似する第1口径および第2のスレッド状口径を備える第1区画を備える。
第2区画は、第1区画を構造体に固定する。第2区画は、第2口径との機械的なインターロックにより第1区画に固定可能である第1のスレッド状部分、および構造体に第2区画を固定するための第2のスレッド状部分を備える。第1および第2の口径は、それぞれ第1および第2の直径を有し得る。第1直径は第2直径よりも大きい。ねじは、タッピンねじであり得る。第2区画は、第1部分と第2部分との間に配置されたフランジを備え得、第2区画が第1区画に固定される場合、フランジは第2区画の下部表面と対を成して接触する。この下部表面は、第1区画と第2区画との間の固定保持を容易にする食いつき端を備え得る。この固定保持は、接着剤を使用することによりさらに確実にされ得る。第2区画は、一方の端に第1部分に対応するスレッドが形成され、他方の端にドリル点が形成されたヘッドレスタッピンねじに対応し得る。
【0035】
別の実施形態において、アンカーが提供される。このアンカーは、1区画コネクタであって、その上に第1および第2の部分が形成されており、第1部分がスレッド状端を備え、そして第2部分が付着端を備える、コネクタ、および1区画カップリングであって、その上に第1および第2の固定部分が形成されており、第1部分が第2端と付着端との間の機械的なインターロックによりコネクタと取り外し可能に係合しており、第2部分が取り付け表面にコネクタを固定するために適合されている、カップリングを備える。この実施形態において、第1端はスレッド状口径を形成し得、そして第2部分はタッピンねじを形成し得る。
【0036】
別の実施形態において、2部分ナットおよびねじ固定アセンブリを用いて装置を取り付ける方法が提供される。この装置は、パイプハンガー、ユーティリティトレイ、ダクト、照明システム、スプリンクラーシステム、電気システム、吊り天井、冷凍システムに対応し得る。この方法は、ねじとナットとの間のスレッド状係合を介してナットにねじを機械的に取り付ける工程、ねじの一部分をベース資材に推進する工程、およびナットに装置のロッドカップリングを固定する工程を包含する。推進工程はさらに、ナットを推進ツール(例えば、パワードリル)のソケットに挿入する工程、およびこの推進ツールを用いてベース資材にねじを推進する工程を包含し得る。
【0037】
別の実施形態において、アンカーアセンブリは、第1部分と一体的に形成されたスレッド状係合部分を備える第1区画、第2部分および固定部分を備える第2区画、ならびに第1部分と第2部分とを機械的に係合する手段を備える。この係合手段は、第1部分および第2部分のうちの1つにおけるスタッドならびに第1部分および第2部分の他方における口径およびスリーブのうちの1つの形成を含み得る。第1部分および第2部分は、各々、第1区画と第2区画との間の機械的なインターロックを容易にするスレッドを備え得る。
【0038】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明から明らかである。本発明の特徴および利点は、記載された説明およびその特許請求の範囲ならびに添付の図面において特に指し示された構造および方法により、実現および達成される。
【0039】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は例示および説明であり、権利を請求する本発明の範囲を限定することなくさらなる説明を提供することが意図されることが理解される。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明のアンカーは、2区画構成のアンカーである。アンカーアセンブリの各区画は一体的な構築物、例えば、高強度の資材(例えば、スチール)の第1および第2の区画である。第1区画は、例えば、スレッドをインターロックすることにより備品と機械的に係合し得るナットとして形成され得る。第2区画は、建築物または他の構造と第1区画を連結するためのファスナー(例えば、ねじ部材)を備え得る。第1および第2の区画は、ひとつにインターロックされてアンカーを形成している。このアンカーは、パイプハンガー、フレーム、または他の構造体を、建築物の木材、スチール、またはコンクリート構造に取り付けるために使用され得る。
【0041】
本発明の1つの例を図1〜5に示す。この実施形態において、ファスナー10は、ナット12および固定構造60によりナット12に接続されたねじ部材14を備える。好ましくは、固定構造60は、ねじ14とナット12との間のスレッド状の係合により提供される。固定構造60は、ねじ14上に形成されたスレッド状のスリーブ(または口径)に受け取られるナット12上に形成されたスレッド状のスタッドにより代替的に提供され得る。示される実施形態において、固定構造60は、下部口径28のスレッド30と係合するスタッド50上のスレッド52を備える。図1、3、および5を参照すると、固定構造60はまた、好ましくは、ねじ部材14のフランジ48と係合するために下部26の下端に形成された、食いつき部様表面34を含む凹部32を備える。食いつき表面34を有する凹部32を備えることにより、ねじ部材14の凹部への回転およびねじ部材14の回転による表面34との対係合は、ねじ部材14とナット12との間の摩擦による保持を促進し、それによってねじまたはナットに適用されたトルクが、ねじとナットとの間で相対的に回転する機会を減少させる。ねじ部材14とナット12との間のこの機械的な接続はまた、例えば、スレッドに接着剤(例えば、Loctite)を適用することにより、恒久化され得る。
【0042】
図2、3、および5を参照すると、ナット12は、好ましくは、上部20に形成された、好ましくは六角ナットに類似する外側表面を有する第1口径22、およびナット12の下部26に形成された第2口径28を備える。示される実施形態において、第1口径22および第2口径28は、ナット12を通って延びる段差のついた直径の穴を規定する。代替の実施形態において、ナット12は、第1口径22と第2口径28との間に位置し、これらを分離する中実の中間セクションを有し得る。この中間セクションは、従来の直線スロットまたは凹部交差スロット、あるいはその表面上に形成された多角形の凸部(または凹部)を備え、ねじ回しを上部口径22に挿入することにより、ナット12とねじ回しとの係合を容易にし得る。スレッド24は、口径22の内側壁に沿って形成され、ベース資材に固定された備品の相補的なスレッド状スタッドまたはロッドとの機械的な係合を容易にし得る。口径22とスタッドとの間のインターロックによる係合の他の型(例えば、鍵穴、インターロック用歯またはL字型チャネルに受け入れられる歯)が使用され得る。図2、3、および5に見られ得るように、スレッド24のピッチは、口径28のスレッド30のピッチよりも大きく、口径22は、口径28よりも大きい直径を有し得る。上部口径22のスレッド24およびスレッド対30および52は、備品の対を成すロッドがナット12に固定される場合、適用されるトルクがスタッド50と下部26との間の係合を堅くするように向けられる。
【0043】
図4を参照すると、ねじ部材14は、下部40、スレッド52を有するスタッド50、およびスタッド50と下部40との間に形成されたフランジ48を備える。ねじ14は、図4に示されるように、ヘッドレスねじと類似し得る。ねじ部材14の端44は、ねじ部材14がタッピンねじとして使用され得るように、ドリル点46として形成され得る。例示の実施形態において、ドリル点46は、タップを有さない金属構造(例えば、I型梁)にねじ部材14を固定するために適合されているが、代替的に、タップを有さない木材構造にねじ部材14を固定する形状であり得る。当然、下部40は、代替的に、予め形成された穴(例えば、コンクリートベースの資材の場合)に固定可能であり得る。スタッド50のスレッド52のピッチは、用途に依存して、下部40のスレッド42と同じピッチであっても異なるピッチであってもよい。例えば、木材への適用において、スレッド42のピッチは、代表的に、スレッド52のピッチよりも大きい。同一のスレッド52は、1つのナット12の型が、種々のベース資材に使用され得るように、例えば、コンクリート、木材、またはスチールベースの資材に係合するために適合されたスレッドおよび/またはドリル点を有する下部40のために使用され得る。
【0044】
固定構造60の代替の実施形態において、ナット12の下部26は、例えば、120度の増分(インクレメント)で形成された歯を有する口径を有し得る。これらの歯は、スタッド50に形成された対応するL字型チャネルの垂直部分に垂直に挿入される(歯およびチャネルは、代替的に、それぞれ、スタッドおよびナットに形成され得る)。歯は、L字型チャネルの垂直部分に完全に挿入された後、このチャネルの水平部分と対峙する。次いで、ナット12は、歯が水平チャネルに進入し、(例えば、歯と水平チャネルとの間に形成された爪により)チャネル内に固定され合致するようにねじられる。鍵穴接続またはインターロック用歯のような、ナット12とねじ14との間の機械的なインターロックによる接続の他の実施形態が企図される。固定構造60のスタッドまたは口径部分(スタッドがねじ14に位置しようがナット12に位置しようが)はまた、ねじ14が口径28に挿入された場合に変形して、ナット12とねじ14との間の固定を容易にする可塑性部分(例えば、ライニング)を備え得る。
【0045】
本発明の第1の実施形態において、口径22および28は、図5に示されるように、互いに同軸である。第2の実施形態において、ファスナーアセンブリは、口径が、互いに軸からはずれた方向(例えば、互いに対して90度の方向)を向いているナットを備え得る。このような実施形態を図6に示す。ナット70は、水平方向に延びた第1口径74および垂直方向に延びた第2口径78を備える。
ナット70は、ねじ部材14に固定され得る。好ましくは、スレッド76および口径の直径78は、ナット12のスレッド30および口径28の直径と同一であり、その結果、2つのナットは容易に交換されて、取り付けロッドに付与され得る。
【0046】
好ましい実施形態において、ナット12の上部20は、パワードリルまたはファスナー10をベース資材へと推進するために使用される他のツールのチャックに取り付けるための従来のソケットに受け入れられ得る六角ねじに類似する形状である。あるいは、上部20は、正方形または多角形(例えば、八角形)の形状をとり得るか、または上部は、円柱形であり得る。後者の場合、ツール保持表面は、上記のような、口径22と28との間に配置された中間セクションにより提供され得る。
【0047】
ファスナーの第1および第2の実施形態の2つの可能性のある使用を、図7および8に示す。図7において、ナット12は、第1ベース資材94(建築物の天井であり得る)にパイプ92を取り付けるために使用される。ファスナーはベース資材94に固定され得、次いで、ロッド93はナット12に固定され得る。反対側の端において、ロッド93は、パイプ92を支持する架台90に係合し;図8において、ナット70は、第2ベース資材94(梁、トラス、または支柱であり得る)にケーブルトレイ96を取り付けるために使用される。ナット12と同一の口径およびスレッドを有するナット70のために、同一のロッド93が使用され得る。ファスナー10は、本発明の範囲から逸脱することなく、ベース資材に他の型の備品を取り付けるために容易に使用され得る。
【0048】
本発明により、建築物または他のベース資材に備品を固定するファスナーが提供される。このファスナーは、2区画間の機械的な係合により構築される。第1区画は第1および第2口径を備える。第1口径は、備品(例えば、パイプハンガー)に接続され得、そして第2口径は、タッピンねじを備え得る第2区画と機械的に係合される。
【0049】
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供することを意図し、本明細書に組み込まれその一部を構成する。添付の図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、そしてその説明と共に、本発明の原理を説明する働きをする。
【0050】
【発明の効果】
本発明により、設計上単純であり、そして大きな製造費の削減を提供するアンカーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の原理に従い作製されたナットおよびねじ部材を備える組み立てられたファスナーの第1の実施形態の平面図である。
【図2】図2は、図1の断面II−IIから見た図1のファスナーのナットの上面図である。
【図3】図3は、図1の断面III−IIIから見たナットの底面図である。
【図4】図4は、図1のファスナーのねじ部材の側面図である。
【図5】図5は、図1のナットの側面図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態に従うナットの側面図である。
【図7】図7は、ファスナーの第1の実施形態の可能性のある使用の斜視図である。
【図8】図8は、ファスナーの第2の実施形態の可能性のある使用の斜視図である。
Claims (28)
- 構造体に装置を固定するための2区画アンカーであって、該装置はファスナーを備え、該2区画アンカーは以下:
該ファスナーと機械的なインターロックを形成するために適合されたナットに類似する第1口径、および第2スレッド状口径を備える、第1区画;ならびに
該第2口径との機械的なインターロックにより該第1区画に固定可能である第1スレッド状部分、および該構造体に該第2区画を固定するための第2スレッド状部分を備える、該構造体に該第1区画を固定するための第2区画、
を備える、2区画アンカー。 - 前記第1口径および前記第2口径が、それぞれ第1直径および第2直径を有し、該第1直径が該第2直径よりも大きい直径および該第2直径よりも小さい直径のうちの一方である、請求項1に記載の2区画アンカーアセンブリ。
- 前記第2区画が、ヘッドレスタッピンねじであり、これによって、第1末端がスレッドを示し、そして第2末端が該第2末端上に形成されたドリル点を有し、ここで、該第1部分は該スレッドを備え、そして該第2部分は該ドリル点を備える、請求項2に記載の2区画アンカーアセンブリ。
- 前記タッピンねじが、前記第1部分と前記第2部分との間に配置されたフランジをさらに備え、前記第1区画は下部表面を有し、ここで、該第1区画は前記第2区画に固定されており、該フランジは該下部表面と対を成して接触している、請求項3に記載の2区画アンカーアセンブリ。
- 前記フランジおよび前記下部表面のうちの一方が、該フランジが該下部表面と対を成して接触する際に、前記第1区画に対する前記第2区画の回転による移動を阻止するために適合された食いつき端を備える、請求項4に記載の2区画アンカーアセンブリ。
- 前記下部表面が前記第1区画の凹部内に配置される、請求項5に記載の2区画アンカーアセンブリ。
- 前記第1口径が前記第2口径に対して約90度で配置される、請求項1に記載の2区画アンカーアセンブリ。
- 前記第1口径が前記第2口径と同軸である、請求項1に記載の2区画アンカーアセンブリ。
- 連続的な穴が、前記第1口径および前記第2口径の両方を通って規定される、請求項2に記載の2区画アンカーアセンブリ。
- 前記第1区画の中間部分が前記第1口径と前記第2口径との間に配置され、該中間部分が前記構造体に前記第2区画を固定するためのツールを受け入れるために適合されている、請求項2に記載の2区画アンカーアセンブリ。
- 請求項1に記載の2区画アンカーアセンブリと組み合わせたファスナーであって、第1口径と取り外し可能に係合可能なスレッド状ロッドを備える、ファスナー。
- アンカーであって、以下:
1区画コネクタであって、該コネクタ上に第1部分および第2部分が形成されており、該第1部分はスレッド状端を備え、そして該第2部分は付着端を備える、コネクタ;ならびに
1区画カップリングであって、該カップリング上に第1固定部分および第2固定部分が形成されており、該第1部分は該第2端と付着端との間の機械的なインターロックにより該コネクタと取り外し可能に係合されており、そして該第2部分は取り付け表面に該コネクタを固定するために適合されている、カップリング、
を備える、アンカー。 - 前記第2部分がタッピンねじであり、前記スレッド状端が六角ナットに類似する、請求項12に記載のアンカー。
- 前記カップリングが、前記第1部分と前記第2部分との間に形成されたフランジを備える、請求項13に記載のアンカー。
- 前記コネクタが第1端および第2端を有し、該第2端が、前記第1部分が該コネクタと係合する際に、前記フランジと対を成すための環状凹部を備える、請求項14に記載のアンカー。
- 前記機械的インターロックが、前記付着端および前記第1部分のそれぞれに形成された、第1スレッドと第2スレッドとの間の係合を含む、請求項12に記載のアンカー。
- 請求項12に記載のアンカーと組み合わせた備品であって、架台およびコネクタのスレッド状端と機械的に係合するスレッド状ボルトを含む、備品。
- 2区画ナットおよびねじ固定アセンブリを用いてパイプハンガーを取り付ける方法であって、該パイプハンガーはスレッド状ロッドを有し、該方法は、以下:
ねじとナットとの間のスレッド状の係合を介して該ねじを該ナットに機械的に取り付ける工程;
ベース資材に該ねじの一部分を推進する工程;および
該ナットに該ロッドを固定する工程、
を包含する、方法。 - 請求項18に記載の方法であって、以下:
前記ナットにおいて同軸状に配置した第1および第2の口径を形成する工程であって、該工程は、該第1および第2の口径内に、それぞれ、第1および第2のスレッドを形成する工程を包含する、工程;および
前記ベース資材に前記ねじを推進するためのドリル点を該ねじの一端に、そして前記ナットと係合するためのスレッド状スタッドを該ねじの反対端に形成する工程、
をさらに包含する、方法。 - 前記推進工程が、推進ツールのソケットに前記ナットを配置する工程、および該推進ツールを用いて前記ベース資材に前記ねじを推進する工程、をさらに包含する、請求項18に記載の方法。
- 前記ナットと前記ねじとの間の恒久的な接続を容易にするために、前記機械的な取り付け工程の前に、該ナットおよび該ねじのうちの少なくとも一方に接着剤を適用する工程を包含する、請求項18に記載の方法。
- アンカーアセンブリであって:
第1部分と一体的に形成されたスレッド状係合部分を備える第1区画;
第2部分および固定部分を備える第2区画;ならびに
該第1部分および該第2部分を機械的に係合するための手段、
を備える、アンカーアセンブリ。 - 前記第2部分および第1部分を機械的に係合するための手段が、前記第1区画および前記第2区画のうちの一方におけるスタッドの形成を含み、該スタッドは該第1区画および該第2区画のうちの他方に形成されたスリーブおよび口径のうちの一方と取り外し可能に係合可能である、請求項22に記載のアンカー。
- 前記スタッドがスレッド状スタッドであり、前記スリーブおよび口径のうちの一方がその内側壁表面に形成されたスレッドを備える、請求項23に記載のアンカー。
- 前記機械的に係合するための手段が、恒久的な係合および取り外し可能な係合のうちの一方を含む、請求項22に記載のアンカー。
- 前記取り外し可能な係合が、スレッド、鍵穴、インターロック用歯、およびチャネルに受け入れられる歯のうちの1つの型の機械的係合を提供するために、前記第1部分および前記第2部分に形成された構造を含む、請求項25に記載のアンカー。
- 前記機械的に係合するための手段が、前記第1部分および前記第2部分のうちの少なくとも一方への接着剤の適用を含む、請求項26に記載のアンカー。
- 前記固定部分がタッピンねじであり、そして前記係合部分がスレッド状口径を備える、請求項22に記載のアンカー。
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