JP2004169461A - 構造物解体用自動散水方法とその装置 - Google Patents

構造物解体用自動散水方法とその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、構造物の解体時において発生する粉塵等の飛散を防止する構造物解体用自動散水方法に関し、散水の均一性と作業員の安全性を確保し、更に、騒音を解消させることが課題である。
【解決手段】解体対象の構造物の周囲に足場15を設け、該足場の上部に放水用で平板状のパネル3を設け、解体作業機で前記構造物を解体すると共に、給水装置2からホース4を介して前記パネル3に水を供給し前記構造物に散布して、解体作業における防塵対策及び防音対策とする構造物解体用自動散水方法である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の解体時において発生する粉塵等の飛散を防止する構造物解体用自動散水方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、構造物の解体作業において、粉塵が周囲に飛散しないようにするため、例えば、放水装置を構成して、解体作業車により構造物をクラブで解体すると共に、前記放水装置から放水ホースにより高圧放水するものが知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、解体作業車や破砕機のアーム先端部に散水装置のホース端部を取り付けて、解体作業を行うと共に、前記アーム先端部のホース端部から解体対象物に向けて噴霧状に散水させて防塵するものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−288902号公報(第2〜5頁、第1図乃至第2図)
【特許文献2】
特開平9−72109号公報(第2〜7頁、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記防塵方法はいずれも比較的小規模な構造物の解体作業に適しているものの、比較的大きな構造物の周囲に足場を組んで行う解体工事においては、高圧放水をしても水の届く範囲に限界があり、横風等の影響を受ける。また、解体作業車のクラブ先端にホース端部を取り付けるのでは、移動する解体作業車に従って散水用ホースを移動させなければならず、広範囲で移動して、高所で行う作業に不向きである。
【0006】
そこで、構造物の周囲に足場を組んで解体する解体工事においては、図6乃至図7に示すように、足場15の上から、作業員16がホース17を手に持って、解体作業車18のクラブ付近を狙って放水する方法が知られている。しかし、この方法も、局所的な散水にならざるを得ず、飛散する塵埃を包括的に防ぐことができない。また、構造物19の外周部を解体する際には、前記足場15の繋ぎが無い状態となるので、放水作業員16にとっては危険な状態となる。更に、人による散水であるので、均一に散水させることが困難である。本発明に係る構造物解体用自動散水方法とその装置は、このような課題を解決するために提案されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る構造物解体用自動散水方法の要旨は、解体対象の構造物の周囲に足場を設け、該足場の上部に放水用で平板状のパネルを設け、解体作業機で前記構造物を解体すると共に、給水装置からホースを介して前記パネルに水を供給し前記構造物に散布して、解体作業における防塵対策及び防音対策とすることである。
【0008】
前記パネルには、散布用の水を直進噴射する直噴ノズルと、霧状に水を拡散させる噴霧ノズルとが設けられ、該直噴ノズルと噴霧ノズルとには、給水装置から別々の給水経路が設けられていること、;
前記足場には、パネル用の昇降ガイドレールが設けられ、パネルが前記足場に昇降自在に装着されていて、解体工事の進捗に合わせて当該パネルが降下されることを含むものである。
【0009】
本発明に係る構造物解体用自動散水装置の要旨は、給水装置と、解体対象の構造物の周囲に設けられた足場の上部に設けられ平板状で噴射口を有するパネルと、前記給水装置と前記パネルとに連結されたホースとで構成されていることである。
【0010】
前記パネルには、散布用の水を直進噴射する直噴ノズルと、パネル片面において霧状に水を拡散させる複数個の噴霧ノズルとが設けられ、該直噴ノズル用の直噴連結管と噴霧ノズル用の噴霧連結管とには、給水装置から別々のホースが連結されること、;
前記足場には、パネル用の昇降ガイドレールが設けられ、パネルが前記足場に昇降自在に装着されていること、;
前記昇降ガイドレールは、足場を構成する建枠毎に設けられ、上下方向において当該ガイドレールが首尾連接されるものであること、;
前記昇降ガイドレールに、ホースが固着されていて、上下方向において当該ホースが首尾連接されるものであることを含むものである。
【0011】
本発明に係る構造物解体用自動散水方法とその装置によれば、解体対象の構造物に、均一に水を散布することができて、広範囲に防塵効果が発揮される。また、足場の上に人が乗って放水する必要が無くなるので、安全性が確保される。更に、平板状のパネルにより、構造物の周囲を囲うように配設されるので、足場の解体工事に伴う騒音の防止対策となる。
【0012】
前記パネルには、直噴ノズルと噴霧ノズルとがあって、それぞれに給水装置から別々のホースが連結されて、ノズルからの噴射圧力が高圧力に維持されるものである。足場を構成する建枠にはパネル用の昇降ガイドが設けられているので、これの組み立てと同時に、昇降ガイドが上部までできあがることになる。また、ホースも予め建枠に設けておくことで、ホースが上部まで配設されることになる。よって、昇降ガイドとホースとの配設作業が効率よく行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る構造物解体用自動散水装置について、図面を参照して説明する。なお、発明の理解を容易にするため、従来例に対応する部分には従来例と同一の符号を付けて説明する。
【0014】
本発明の構造物解体用自動散水装置1の構成について説明する。当該自動散水装置1は、図1に示すように、給水装置2と、解体対象の構造物19の周囲に設けられた足場の15上部に設けられ平板状で噴射口を有するパネル3と、前記給水装置2と前記パネル3とに連結されたホース4とで構成されている。
【0015】
前記パネル3は、図2に示すように、構造物19を囲むように、足場15の上部で、前後左右に配設されて、隣接するパネル3と互いに連結されている。また、パネル3は、足場15の建枠15aと、鋼棒等の剛性な棒材15cで、倒れないように、且つ、風で反対方向に煽られないように支持されている。
【0016】
また、図3に示すように、前記パネル3には、散布用の水を直進噴射する直噴ノズル3aと、パネル片面において霧状に水を拡散させる複数個の噴霧ノズル3bとが設けられ、該直噴ノズル3a用の直噴連結管3cと噴霧ノズル3b用の噴霧連結管3dとには、給水装置2から別々のホース4a,4bが連結されている。更に、パネル3の側面には、隣接するパネル3との連結を図る公知の連結部材が設けられている(図示せず)。
【0017】
一方、足場15には、この足場15を構成する建枠15aに、パネル用の昇降ガイドレール5が設けられている。これにより、前記パネル3が前記足場15に昇降自在に装着されることになる。
【0018】
前記昇降ガイドレール5は、図4乃至図5に示すように、上下方向に長く、平面視で矩形状の箱型であり、上下方向の一面に、スリット5aが上下方向に貫通して設けられている。また、前記スリット5aと反対の外面に、前記ホース4a,4bが取付金具6で上下方向に併設して取り付けられている。
【0019】
更に、昇降ガイドレール5の上下方向の一面に、固定用クランプ7が固定されている。前記建枠15aの上下方向のパイプ15bに、前記固定用クランプ7をボルト7a・ナット7bで締結し、このガイドレール5を建枠15aに位置固定するためである。そして、ガイドレール5の上部には、位置固定ピン8を水平方向に挿通させるための、貫通孔5bと、止め具5cが設けられている。
【0020】
前記昇降ガイドレール5は、足場15を構成する建枠15a毎に設けられ、上下方向において当該ガイドレール5が首尾連接されるものである。また、前記ホース4a,4bが固着されていて、上下方向において当該ホース4a,4bが各々首尾連接されるものである。これにより、前記パネル3の直噴用の給水経路と、噴霧用の給水経路とが別々に形成される。
【0021】
前記昇降ガイドレール5の内部には、上下方向にガイドされると共に、前記位置固定ピン8と該ピン8に上下方向に差し込まれる止めピン8aによって、所定の位置に固定される矩形状の被ガイド部材9が配設される。この被ガイド部材9から水平方向に突出して前記スリット5aから外部に傾斜して突出する支持部材9aが設けられている。この支持部材9aが前記パネル3下部の両端部に、例えば、溶接等の固着手段で固着される。これにより、パネル3は、前記被ガイド部材9と支持部材9aとにより、上下方向において、斜めに傾斜して支持されるものである。
【0022】
以上のような構成の構造物解体用自動散水装置1は、解体対象の構造物19の周囲に建枠15aを組立てて足場15を組むことで、昇降ガイドレール5が上下方向に首尾連接されて構成され、且つ、ホース4a,4bが上下方向に首尾連結されて2つの給水経路が構成される。更に、前記昇降ガイドレール5の上部に、被ガイド部材9と支持部材9aと、及び棒材15cにより、平板状のパネル3を構造物19側に向けて傾斜させて取り付け、それを前後左右方向に連結する。前記各ホース4a,4bと、直噴連結管3cと噴霧連結管3dとを接続する。
【0023】
更に、前記ホース4a,4bの最下部に、給水装置2からのホースを各々連結する。こうして、解体対象の構造物19の周囲に設けられた足場15の上部に、放水用のパネル3が設けられ、構造物解体用自動散水装置1の取付け工事が完了する。
【0024】
構造物解体用自動散水装置1の使用においては、解体作業機18で前記構造物19を解体してダンプカー等で廃棄物を運び出すと共に、給水装置2からホース4a,4bを介して、前記パネル3に水を供給し前記構造物19に散布するものである。
【0025】
前記パネル3から、構造物19に向けて、直噴ノズル3aから勢い良く水が略直進して噴射され、且つ、噴霧ノズル3bから霧状の水が広範囲に噴射される。こうして、構造物19に均一に水が散布されて、解体中にコンクリート等の粉塵が舞い上がって広く飛散するのを防止する。なお、給水装置2は、水の揚程と必要な水圧を考慮して、例えば、パネル3の2枚毎に設けるようにする。また、解体作業に伴う破砕音・落下音等の騒音が、構造物19側に向け傾斜させて周囲を囲ったパネル3により抑制される。
【0026】
前記構造物19の解体が進行するにつれて、上部の建枠15aを解体して行くことになるが、先に、パネル3を、位置固定ピン8と止めピン8aを外して、昇降ガイドレール5にガイドさせて降下させる。そして、所要の位置にて、前記位置固定ピン8と止めピン8aとでパネル3を位置固定する。このように、解体工事の進捗に合わせて当該パネル3が適切な位置に降下されるものである。
【0027】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明に係る構造物解体用自動散水方法は、解体対象の構造物の周囲に足場を設け、該足場の上部に放水用で平板状のパネルを設け、解体作業機で前記構造物を解体すると共に、給水装置からホースを介して前記パネルに水を供給し前記構造物に散布して、解体作業における防塵対策及び防音対策とするので、足場の上部に人が乗って放水する必要が無く、作業員の安全性が確保され、均一に水が散布されて効率的な防塵対策となる。また、構造物周囲に配設したパネルにより防音対策となる。
【0028】
前記パネルには、散布用の水を直進噴射する直噴ノズルと、霧状に水を拡散させる噴霧ノズルとが設けられ、該直噴ノズルと噴霧ノズルとには、給水装置から別々の給水経路が設けられているので、コンクリート破砕片の飛散を広範囲に亘って防止することができるとともに、別経路の給水により直噴と噴霧とを勢い良く散布させることができる。
【0029】
前記足場には、パネル用の昇降ガイドレールが設けられ、パネルが前記足場に昇降自在に装着されていて、解体工事の進捗に合わせて当該パネルが降下されるので、解体工事の進捗状況に合わせて適切な位置にパネルを設定して均一に水を散布することができる。
【0030】
本発明に係る構造物解体用自動散水装置は、給水装置と、解体対象の構造物の周囲に設けられた足場の上部に設けられ平板状で噴射口を有するパネルと、前記給水装置と前記パネルとに連結されたホースとで構成されているので、解体対象の構造物に均一に水を散布することができるようになり、作業員の安全性も確保される。
【0031】
前記パネルには、散布用の水を直進噴射する直噴ノズルと、パネル片面において霧状に水を拡散させる複数個の噴霧ノズルとが設けられ、該直噴ノズル用の直噴連結管と噴霧ノズル用の噴霧連結管とには、給水装置から別々のホースが連結されて、散布する水の勢いを消勢させず均一に散布される。また、前記足場には、パネル用の昇降ガイドレールが設けられ、パネルが前記足場に昇降自在に装着されているので、解体工事の進捗状況に合わせて、パネルを適切な位置に設定することができる。前記昇降ガイドレールは、足場を構成する建枠毎に設けられ、上下方向において当該ガイドレールが首尾連接されるものであり、前記昇降ガイドレールに、ホースが固着されていて、上下方向において当該ホースが首尾連接されるものであるので、足場工事と共に散水装置の一部が構成される。よって、足場工事後にガイドレールやホースを建枠に取り付けるという面倒な作業が省略されて、効率的な設置作業となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造物解体用自動散水装置1の使用状態における一部斜視図である。
【図2】同本発明に係る構造物解体用自動散水装置1の使用状態における平面図である。
【図3】同本発明に係る構造物解体用自動散水装置1のパネル3の正面図(A)と、側面図(B)である。
【図4】建枠15aにガイドレール5を取り付けた、 構造物解体用自動散水装置1の一部を示す正面図である。
【図5】同構造物解体用自動散水装置1の一部を示す平面図である。
【図6】従来例に係る散水方法を示す平面図である。
【図7】同従来例に係る散水方法を示す一部正面図である。
【符号の説明】
1 構造物解体用自動散水装置、 2 給水装置、
3 パネル、 3a 直噴ノズル、
3b 噴霧ノズル、 3c 直噴連結管、
3d 噴霧連結管、
4,4a,4b ホース、
5 ガイドレール、 5a スリット、
5b 貫通孔、 5c 止め具、
6 取付金具、 7 固定用クランプ、
7a ボルト、 7b ナット、
8 位置固定ピン、 8a 止めピン、
9 被ガイド部材、 9a 支持部材、
15 足場、 15a 建枠、
15b パイプ、 15c 棒材、
19 構造物。

Claims (8)

  1. 解体対象の構造物の周囲に足場を設け、該足場の上部に放水用で平板状のパネルを設け、解体作業機で前記構造物を解体すると共に、給水装置からホースを介して前記パネルに水を供給し前記構造物に散布して、解体作業における防塵対策及び防音対策とすること、
    を特徴とする構造物解体用自動散水方法。
  2. パネルには、散布用の水を直進噴射する直噴ノズルと、霧状に水を拡散させる噴霧ノズルとが設けられ、該直噴ノズルと噴霧ノズルとには、給水装置から別々の給水経路が設けられていること、
    を特徴とする請求項1に記載の構造物解体用自動散水方法。
  3. 足場には、パネル用の昇降ガイドレールが設けられ、パネルが前記足場に昇降自在に装着されていて、解体工事の進捗に合わせて当該パネルが降下されること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の構造物解体用自動散水方法。
  4. 給水装置と、解体対象の構造物の周囲に設けられた足場の上部に設けられ平板状で噴射口を有するパネルと、前記給水装置と前記パネルとに連結されたホースとで構成されていること、
    を特徴とする構造物解体用自動散水装置。
  5. パネルには、散布用の水を直進噴射する直噴ノズルと、パネル片面において霧状に水を拡散させる複数個の噴霧ノズルとが設けられ、該直噴ノズル用の直噴連結管と噴霧ノズル用の噴霧連結管とには、給水装置から別々のホースが連結されること、
    を特徴とする請求項4に記載の構造物解体用自動散水装置。
  6. 足場には、パネル用の昇降ガイドレールが設けられ、パネルが前記足場に昇降自在に装着されていること、
    を特徴とする請求項4または5に記載の構造物解体用自動散水装置。
  7. 昇降ガイドレールは、足場を構成する建枠毎に設けられ、上下方向において当該ガイドレールが首尾連接されるものであること、
    を特徴とする請求項4,5または6に記載の構造物解体用自動散水装置。
  8. 昇降ガイドレールに、ホースが固着されていて、上下方向において当該ホースが首尾連接されるものであること、
    を特徴とする請求項7に記載の構造物解体用自動散水装置。
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