JP2004168727A - ジエポキシシクロドデセンの製造方法 - Google Patents
ジエポキシシクロドデセンの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004168727A JP2004168727A JP2002338303A JP2002338303A JP2004168727A JP 2004168727 A JP2004168727 A JP 2004168727A JP 2002338303 A JP2002338303 A JP 2002338303A JP 2002338303 A JP2002338303 A JP 2002338303A JP 2004168727 A JP2004168727 A JP 2004168727A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diepoxycyclododecene
- epoxycyclododecadiene
- hydrogen peroxide
- reaction
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
- Catalysts (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
Abstract
【課題】ジエポキシシクロドデセンを工業的に安価に製造する方法を提供することである。
【解決手段】タングステン化合物、4級オニウム塩およびリン酸化合物を含む触媒の存在下に、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素によってエポキシ化してジエポキシシクロドデセンを製造する際に、
エポキシシクロドデカジエンに対する過酸化水素の使用モル比を0.8倍モル以下に制御して反応させることを特徴とするジエポキシシクロドデセンの製造方法により解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】タングステン化合物、4級オニウム塩およびリン酸化合物を含む触媒の存在下に、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素によってエポキシ化してジエポキシシクロドデセンを製造する際に、
エポキシシクロドデカジエンに対する過酸化水素の使用モル比を0.8倍モル以下に制御して反応させることを特徴とするジエポキシシクロドデセンの製造方法により解決される。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素によりエポキシ化してジエポキシシクロドデセンを製造する方法に関する。ジエポキシシクロドデセンは塗料、接着剤などのエポキシ樹脂成分として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジエポキシシクロドデセンはクロロホルムなどの溶媒中、0℃以下で過安息香酸によりシクロドデカトリエンをジエポキシ化して製造する方法が知られている。(例えば、米国特許文献1を参照)しかしながら、この方法は低温で長時間を要するため、生産性が悪く、また、酸化剤に高価な過安息香酸を使用するため、工業的な製法とは言いがたい。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第2978464号明細書、第2頁
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はタングステン化合物、4級オニウム塩およびリン酸化合物を含む触媒の存在下に、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素によってジエポキシシクロドデセンを製造する際に、ジエポキシシクロドデセンを工業的に安価に製造する方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、
タングステン化合物、4級オニウム塩およびリン酸化合物を含む触媒の存在下に、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素によってエポキシ化してジエポキシシクロドデセンを製造する際に、
エポキシシクロドデカジエンに対する過酸化水素の使用モル比を0.8倍モル以下に制御して反応させることを特徴とするジエポキシシクロドデセンの製造方法により解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の方法において、エポキシシクロドデカジエンのエポキシ化反応用触媒に含まれるタングステン化合物は、タングステン原子を含有する無機酸の塩および、ヘテロポリ酸およびその塩から選ばれることが望ましく、例えば、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸リチウム、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンタングステン酸ナトリウム、ケイタングステン酸ナトリウムを用いることが好ましい。これらタングステン化合物は単一種で用いても、二種以上を混合して使用しても良い。
【0007】
本発明の方法において、エポキシ化反応用触媒に使用されるタングステン化合物の量は、特に制限はないが、エポキシシクロドデカジエンの使用量に対して、好ましくは0.007〜5重量%、より好ましくは0.02〜3重量%である。
【0008】
本発明の方法において、エポキシ化反応用触媒に使用される4級オニウム塩は、4級アンモニウムハライド類、例えば、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリデシルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド、セチルピリジニウムクロライド等、4級アンモニウム硫酸水素塩類、例えば、硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウム等、4級アンモニウム リン酸二水素塩、例えば、リン酸二水素トリオクチルメチルアンモニウム等、4級アンモニウム過塩素酸塩、例えば、過塩素酸トリオクチルメチルアンモニウム等が挙げられるが、好ましくは4級アンモニウムハライド類が用いられ、より好ましくはトリオクチルメチルアンモニウムクロライド、およびトリデシルメチルアンモニウムクロライドが用いられる。これら4級オニウム塩は、単一種で用いられても良く、あるいは二種以上を混合して使用しても良い。
【0009】
本発明の方法において使用される4級オニウム塩の量は、特に制限はないが、エポキシシクロドデカジエンの使用量に対して、好ましくは0.005〜4重量%、より好ましくは0.03〜2.5重量%である。
【0010】
本発明の方法において、エポキシ化反応用触媒に使用されるリン酸化合物は、例えば、リン酸、無水リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられるが、好ましくはリン酸である。
これらリン酸化合物は、単一種で用いても、二種以上を混合して使用しても良い。
【0011】
リン酸化合物の使用量も、特に制限はないが、エポキシシクロドデカジエンの使用量に対して、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.03〜3重量%である。
【0012】
本発明の方法において使用されるエポキシシクロドデカジエンは、市販品をそのまま用いてもよく、あるいは蒸留精製したものを用いても良い。また、二重結合およびエポキシ基はそれぞれ、トランス、シス体のいずれであっても良く、あるいはこれら異性体の混合物であっても良い。
また、シクロドデカトリエンを有機過カルボン酸或いは過酸化水素で酸化して得られたエポキシシクロドデカジエンの合成品をそのまま、あるいは蒸留精製したものを用いることもできる。好ましくは、蒸留などで精製した合成品である。
【0013】
本発明であるエポキシシクロドデカジエンのエポキシ化反応において使用される過酸化水素はその水溶液として用いられ、この水溶液における過酸化水素の濃度については格別の制限はないが、一般に取り扱い上の安全性および経済性を考慮すると、10〜70重量%濃度の過酸化水素水溶液を使用することが好ましい。過酸化水素の使用量は、エポキシシクロドデカジエンの使用モル数に対して、0.8倍モル以下、好ましくは、0.1〜0.6倍モル、より好ましくは0.2〜0.5倍モルである。過酸化水素の使用量が、0.8倍モルより多いと逐次反応が進行しやすくなるためか、目的物の収量が減少する傾向が認められ、好ましくない。
【0014】
本発明のエポキシ化反応では、通常、反応溶媒は使用しないが、水と均一に混ざり合わず、かつ、反応を阻害しない有機溶媒を使用することもできる。この有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素などの脂肪族ハロゲン化炭素、シクロヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素を用いることができる。これらは単一種でもよく、二種以上混合して使用しても良い。
前記有機溶媒の使用量は、エポキシシクロドデカジエンの使用量に対し、好ましくは0〜30重量倍であり、より好ましくは0〜20重量倍である。
【0015】
本発明のエポキシ化反応は、エポキシシクロドデカジエンが酸素により酸化されて、有機過酸化物になり易いため、好ましくは、不活性ガス雰囲気下、例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素、炭酸ガスなどの雰囲気下において実施し、これらの不活性ガス雰囲気下に含まれる酸素濃度は、1容量%以下に制御するのがより好ましい。
反応圧力については、特に制限はないが、通常は常圧で行われる。反応温度は好ましくは20〜130℃、より好ましくは30〜120℃である。
【0016】
本発明において、エポキシ化反応混合物から目的のジエポキシシクロドデセンを得るには、水層を分離した後、有機層を不活性ガス雰囲気下で減圧蒸留し、未反応のエポキシシクロドデカジエンを分離した後、さらに減圧蒸留することにより得ることができる。蒸留装置としては、通常のスニーダー型蒸留装置、充填塔型蒸留装置、多孔板塔型蒸留装置、及び泡鐘塔型蒸留装置を用いることができる。
【0017】
【実施例】
本発明方法を下記実施例によりさらに詳細に説明する。
【0018】
実施例1
300mlのガラス製フラスコにトリオクチルメチルアンモニウムクロライド0.10gを溶解したトルエン80mlおよびエポキシシクロドデカジエン25g(140mmol)を仕込み、次に10wt%タングステン酸ソーダ水溶液1.0gと85%リン酸0.12gの混合物および60wt%過酸化水素2.3g(40.6mmol)を加えた。
この混合物を窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃で90分間反応した。
反応終了後、過酸化水素は99.5%転化しており、GC分析した結果、エポキシシクロドデカジエンの転化率は18.9%であり、ジエポキシシクロドデセンが24.6mmol生成していた。これは、エポキシシクロドデカジエンに対する選択率92.9mol%に相当する。
【0019】
実施例2
60wt%過酸化水素の量を3.8g(67mmol)にした以外は実施例1と同様に反応した。
過酸化水素転化率は99.3%、エポキシシクロドデカジエンの転化率は33.3%であり、、ジエポキシシクロドデセンが42.1mmol生成していた。これは、エポキシシクロドデカジエンに対する選択率90.3mol%に相当する。
【0020】
実施例3
60wt%過酸化水素の量を4.2g(74.1mmol)にした以外は実施例1と同様に反応した。
過酸化水素転化率は99.3%、エポキシシクロドデカジエンの転化率は36.3%であり、ジエポキシシクロドデセンが42.8mmol生成していた。これは、エポキシシクロドデカジエンに対する選択率84.2mol%に相当する。
【0021】
実施例4
空気雰囲気下で反応した以外は実施例1と同様に反応した。
過酸化水素転化率は98.4%、エポキシシクロドデカジエンの転化率は19.5%であり、、ジエポキシシクロドデセンが23.7mmol生成していた。これは、エポキシシクロドデカジエンに対する選択率86.8mol%に相当する。
【0022】
比較例1
60wt%過酸化水素の量を8.0g(141mmol)にした以外は実施例1と同様に反応した。
過酸化水素転化率は98.4%、エポキシシクロドデカジエンの転化率は65.7%であり、、ジエポキシシクロドデセンが59.3mmol生成していた。これは、エポキシシクロドデカジエンに対する選択率65.1mol%に相当する。
【0023】
実施例1〜4および比較例1の反応条件と反応結果をまとめて表1に示した。
【表1】
【発明の効果】
本発明により、タングステン化合物、4級オニウム塩およびリン酸化合物を含む触媒存在下に、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素でエポキシ化する際に、エポキシシクロドデカジエンに対する過酸化水素の使用モル比を0.8倍モル以下に制御することにより、高収率でジエポキシシクロドデセンを製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素によりエポキシ化してジエポキシシクロドデセンを製造する方法に関する。ジエポキシシクロドデセンは塗料、接着剤などのエポキシ樹脂成分として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジエポキシシクロドデセンはクロロホルムなどの溶媒中、0℃以下で過安息香酸によりシクロドデカトリエンをジエポキシ化して製造する方法が知られている。(例えば、米国特許文献1を参照)しかしながら、この方法は低温で長時間を要するため、生産性が悪く、また、酸化剤に高価な過安息香酸を使用するため、工業的な製法とは言いがたい。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第2978464号明細書、第2頁
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はタングステン化合物、4級オニウム塩およびリン酸化合物を含む触媒の存在下に、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素によってジエポキシシクロドデセンを製造する際に、ジエポキシシクロドデセンを工業的に安価に製造する方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、
タングステン化合物、4級オニウム塩およびリン酸化合物を含む触媒の存在下に、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素によってエポキシ化してジエポキシシクロドデセンを製造する際に、
エポキシシクロドデカジエンに対する過酸化水素の使用モル比を0.8倍モル以下に制御して反応させることを特徴とするジエポキシシクロドデセンの製造方法により解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の方法において、エポキシシクロドデカジエンのエポキシ化反応用触媒に含まれるタングステン化合物は、タングステン原子を含有する無機酸の塩および、ヘテロポリ酸およびその塩から選ばれることが望ましく、例えば、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸リチウム、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンタングステン酸ナトリウム、ケイタングステン酸ナトリウムを用いることが好ましい。これらタングステン化合物は単一種で用いても、二種以上を混合して使用しても良い。
【0007】
本発明の方法において、エポキシ化反応用触媒に使用されるタングステン化合物の量は、特に制限はないが、エポキシシクロドデカジエンの使用量に対して、好ましくは0.007〜5重量%、より好ましくは0.02〜3重量%である。
【0008】
本発明の方法において、エポキシ化反応用触媒に使用される4級オニウム塩は、4級アンモニウムハライド類、例えば、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリデシルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド、セチルピリジニウムクロライド等、4級アンモニウム硫酸水素塩類、例えば、硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウム等、4級アンモニウム リン酸二水素塩、例えば、リン酸二水素トリオクチルメチルアンモニウム等、4級アンモニウム過塩素酸塩、例えば、過塩素酸トリオクチルメチルアンモニウム等が挙げられるが、好ましくは4級アンモニウムハライド類が用いられ、より好ましくはトリオクチルメチルアンモニウムクロライド、およびトリデシルメチルアンモニウムクロライドが用いられる。これら4級オニウム塩は、単一種で用いられても良く、あるいは二種以上を混合して使用しても良い。
【0009】
本発明の方法において使用される4級オニウム塩の量は、特に制限はないが、エポキシシクロドデカジエンの使用量に対して、好ましくは0.005〜4重量%、より好ましくは0.03〜2.5重量%である。
【0010】
本発明の方法において、エポキシ化反応用触媒に使用されるリン酸化合物は、例えば、リン酸、無水リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられるが、好ましくはリン酸である。
これらリン酸化合物は、単一種で用いても、二種以上を混合して使用しても良い。
【0011】
リン酸化合物の使用量も、特に制限はないが、エポキシシクロドデカジエンの使用量に対して、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.03〜3重量%である。
【0012】
本発明の方法において使用されるエポキシシクロドデカジエンは、市販品をそのまま用いてもよく、あるいは蒸留精製したものを用いても良い。また、二重結合およびエポキシ基はそれぞれ、トランス、シス体のいずれであっても良く、あるいはこれら異性体の混合物であっても良い。
また、シクロドデカトリエンを有機過カルボン酸或いは過酸化水素で酸化して得られたエポキシシクロドデカジエンの合成品をそのまま、あるいは蒸留精製したものを用いることもできる。好ましくは、蒸留などで精製した合成品である。
【0013】
本発明であるエポキシシクロドデカジエンのエポキシ化反応において使用される過酸化水素はその水溶液として用いられ、この水溶液における過酸化水素の濃度については格別の制限はないが、一般に取り扱い上の安全性および経済性を考慮すると、10〜70重量%濃度の過酸化水素水溶液を使用することが好ましい。過酸化水素の使用量は、エポキシシクロドデカジエンの使用モル数に対して、0.8倍モル以下、好ましくは、0.1〜0.6倍モル、より好ましくは0.2〜0.5倍モルである。過酸化水素の使用量が、0.8倍モルより多いと逐次反応が進行しやすくなるためか、目的物の収量が減少する傾向が認められ、好ましくない。
【0014】
本発明のエポキシ化反応では、通常、反応溶媒は使用しないが、水と均一に混ざり合わず、かつ、反応を阻害しない有機溶媒を使用することもできる。この有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素などの脂肪族ハロゲン化炭素、シクロヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素を用いることができる。これらは単一種でもよく、二種以上混合して使用しても良い。
前記有機溶媒の使用量は、エポキシシクロドデカジエンの使用量に対し、好ましくは0〜30重量倍であり、より好ましくは0〜20重量倍である。
【0015】
本発明のエポキシ化反応は、エポキシシクロドデカジエンが酸素により酸化されて、有機過酸化物になり易いため、好ましくは、不活性ガス雰囲気下、例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素、炭酸ガスなどの雰囲気下において実施し、これらの不活性ガス雰囲気下に含まれる酸素濃度は、1容量%以下に制御するのがより好ましい。
反応圧力については、特に制限はないが、通常は常圧で行われる。反応温度は好ましくは20〜130℃、より好ましくは30〜120℃である。
【0016】
本発明において、エポキシ化反応混合物から目的のジエポキシシクロドデセンを得るには、水層を分離した後、有機層を不活性ガス雰囲気下で減圧蒸留し、未反応のエポキシシクロドデカジエンを分離した後、さらに減圧蒸留することにより得ることができる。蒸留装置としては、通常のスニーダー型蒸留装置、充填塔型蒸留装置、多孔板塔型蒸留装置、及び泡鐘塔型蒸留装置を用いることができる。
【0017】
【実施例】
本発明方法を下記実施例によりさらに詳細に説明する。
【0018】
実施例1
300mlのガラス製フラスコにトリオクチルメチルアンモニウムクロライド0.10gを溶解したトルエン80mlおよびエポキシシクロドデカジエン25g(140mmol)を仕込み、次に10wt%タングステン酸ソーダ水溶液1.0gと85%リン酸0.12gの混合物および60wt%過酸化水素2.3g(40.6mmol)を加えた。
この混合物を窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃で90分間反応した。
反応終了後、過酸化水素は99.5%転化しており、GC分析した結果、エポキシシクロドデカジエンの転化率は18.9%であり、ジエポキシシクロドデセンが24.6mmol生成していた。これは、エポキシシクロドデカジエンに対する選択率92.9mol%に相当する。
【0019】
実施例2
60wt%過酸化水素の量を3.8g(67mmol)にした以外は実施例1と同様に反応した。
過酸化水素転化率は99.3%、エポキシシクロドデカジエンの転化率は33.3%であり、、ジエポキシシクロドデセンが42.1mmol生成していた。これは、エポキシシクロドデカジエンに対する選択率90.3mol%に相当する。
【0020】
実施例3
60wt%過酸化水素の量を4.2g(74.1mmol)にした以外は実施例1と同様に反応した。
過酸化水素転化率は99.3%、エポキシシクロドデカジエンの転化率は36.3%であり、ジエポキシシクロドデセンが42.8mmol生成していた。これは、エポキシシクロドデカジエンに対する選択率84.2mol%に相当する。
【0021】
実施例4
空気雰囲気下で反応した以外は実施例1と同様に反応した。
過酸化水素転化率は98.4%、エポキシシクロドデカジエンの転化率は19.5%であり、、ジエポキシシクロドデセンが23.7mmol生成していた。これは、エポキシシクロドデカジエンに対する選択率86.8mol%に相当する。
【0022】
比較例1
60wt%過酸化水素の量を8.0g(141mmol)にした以外は実施例1と同様に反応した。
過酸化水素転化率は98.4%、エポキシシクロドデカジエンの転化率は65.7%であり、、ジエポキシシクロドデセンが59.3mmol生成していた。これは、エポキシシクロドデカジエンに対する選択率65.1mol%に相当する。
【0023】
実施例1〜4および比較例1の反応条件と反応結果をまとめて表1に示した。
【表1】
【発明の効果】
本発明により、タングステン化合物、4級オニウム塩およびリン酸化合物を含む触媒存在下に、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素でエポキシ化する際に、エポキシシクロドデカジエンに対する過酸化水素の使用モル比を0.8倍モル以下に制御することにより、高収率でジエポキシシクロドデセンを製造することができる。
Claims (2)
- タングステン化合物、4級オニウム塩およびリン酸化合物を含む触媒の存在下に、エポキシシクロドデカジエンを過酸化水素によってエポキシ化してジエポキシシクロドデセンを製造する際に、
エポキシシクロドデカジエンに対する過酸化水素の使用モル比を0.8倍モル以下に制御して反応させることを特徴とするジエポキシシクロドデセンの製造方法。 - 不活性ガス雰囲気下で反応を行う請求項1記載のジエポキシシクロドデセンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002338303A JP2004168727A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | ジエポキシシクロドデセンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002338303A JP2004168727A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | ジエポキシシクロドデセンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004168727A true JP2004168727A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32701568
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002338303A Pending JP2004168727A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | ジエポキシシクロドデセンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004168727A (ja) |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002338303A patent/JP2004168727A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20100103711A (ko) | 에폭시 화합물의 제조 방법 | |
US20110021795A1 (en) | Producion method of propylene oxide | |
JP4118642B2 (ja) | 環状オレフィンのエポキシ化方法 | |
JP4067823B2 (ja) | 環状モノオレフィンのエポキシ化方法 | |
JP2004168727A (ja) | ジエポキシシクロドデセンの製造方法 | |
JP3405125B2 (ja) | オレフィン類のエポキシ化物の製造方法 | |
JP4052778B2 (ja) | シクロドデカノン化合物の製造方法 | |
JPS62142136A (ja) | フエニルプロパノンの製造法 | |
JPH07145157A (ja) | 光学活性エポキシドの製造法 | |
SG184067A1 (en) | Process for preparing divinylarene dioxides | |
JP4079880B2 (ja) | シクロドデカノンの製造方法 | |
JP2004051552A (ja) | シクロドデカトリエンのエポキシ化方法 | |
JP3626520B2 (ja) | 3−置換−3−メチルブタナールの製造方法 | |
JP3282357B2 (ja) | ピペロナールの製造法 | |
CN109704943B (zh) | 一种制备光学纯l-薄荷酮的方法及用于该方法的催化剂 | |
JP2003238546A (ja) | プロピレンオキサイドの回収方法 | |
JP5215003B2 (ja) | 表面銀固定化ハイドロキシアパタイトを使用したシランの酸化反応 | |
JP2000026441A (ja) | 1,2―エポキシ―5,9―シクロドデカジエンを製造する方法 | |
JPH02200653A (ja) | 1級アルコールからアルデヒドの製造法 | |
JP4759177B2 (ja) | メバロラクトンの製造方法 | |
JP4023255B2 (ja) | ジカルボン酸の製造方法とそれに用いる触媒の製造方法 | |
JP3068900B2 (ja) | エポキシ基含有化合物の製造方法 | |
JP2000256340A (ja) | 1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンを製造する方法 | |
JPS5984831A (ja) | 1,4−ジヒドロキシブテン−2の製造法 | |
JPS6048982A (ja) | イソサフロ−ルハロヒドリンおよび/またはイソサフロ−ルエポキシドの製造方法 |