JP2004168502A - マスト装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定マスト2、移動マスト3、昇降体4、リフトシリンダ5、保持体6、第一案内車7、第二案内車8、第一索条9、第二索条10、案内手段11とで構成し、とりわけ固定マスト2と保持体6との間に、固定マスト2に対して保持体6を昇降可能に案内する案内手段11を介設する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフト等の荷役車両に適用され、例えば空コンテナ7段積み等の様な高揚高用のマスト装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のマスト装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
これは、何れも左右一対で一組のリフトシリンダと三組の案内車と二組の索条とを用いて、固定マストに対して移動マストを昇降させると共に、移動マストに対して昇降体を昇降させる様にしたものである。
ところが、この様なものは、リフトシリンダの全長及びストロークを短縮できて座屈強度を高める事ができるものの、リフトシリンダの可動側に設けられて案内車を保持する保持体がフリーで何ら案内支持されていなかったので、左右の保持体を安定して昇降させる事が難しかった。
ところで、高揚高用ではないセミフリーマスト装置にあっては、左右のリフトシリンダの可動側に案内車を保持する保持体を設けると共に、この保持体と移動マストとの間に保持体を昇降可能に案内する案内手段を設けたものが知られている(特許文献2参照)。
然しながら、この様なものは、左右の保持体どうしを連結する連結板を省略できるので、前方視野の向上を図る事ができるものの、案内手段を設ける一方の部材が固定マストに対して昇降可能で前後左右に振れ易い移動マストであったので、左右の保持体を安定して昇降させる事が難しかった。
【0003】
【特許文献1】
実公平7−9911号公報
【特許文献2】
特許第2742305号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
要するに、従来の何れのものも、左右の保持体を安定して昇降させる事が難しく、移動マスト及び昇降体を適正に昇降させる事が難しかった。とりわけ、空コンテナ7段積み等の様なマスト装置にあっては、高揚高を実現せねばならないので、極めて安定した適正な昇降が望まれていた。そうでないと、横転事故を招いたりして極めて危険であった。
本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その課題とする処は、左右の保持体を安定して昇降させ、移動マスト及び昇降体を適正に昇降させる様にしたマスト装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のマスト装置は、基本的には、固定マストと、固定マストに対して昇降可能な移動マストと、移動マストに対して昇降可能な昇降体と、固定マストの外側に設けられた左右のリフトシリンダと、リフトシリンダの可動側に設けられた左右の保持体と、保持体に回転可能に設けられた左右の第一案内車と、移動マストの上部に回転可能に設けられた左右の第二案内車と、固定マストと移動マストとの間に介設されて第一案内車に掛渡された左右の第一索条と、固定マストと昇降体との間に介設されて第二案内車に掛渡された左右の第二索条と、固定マストと保持体との間に介設されて固定マストに対して保持体を昇降可能に案内する左右の案内手段と、から構成した事に特徴が存する。
【0006】
リフトシリンダを伸長すると、保持体及び第一案内車が上昇し、第一案内車に掛渡された第一索条に依り固定マストに対して移動マストが上昇する。
移動マストが上昇すると、第二案内車とこれに掛渡された第二索条に依り移動マストに対して昇降体が上昇する。その結果、昇降体は、リフトシリンダのストロークの四倍の速度で上昇する。
この様な上昇状態から、リフトシリンダを短縮すると、前述の逆の要領に依り昇降体が降下する。
固定マストと保持体との間には、固定マストに対して保持体を昇降可能に案内する案内手段が設けられているので、左右の保持体は、リフトシリンダの伸縮に依り同期して安定良く昇降される。この為、移動マスト及び昇降体も、前後左右に動揺する事なく適正に昇降される。
【0007】
案内手段は、固定マストの外側に上下方向に沿って付設されたガイドレールと、保持体に設けられてガイドレールに対して上下方向のみに摺動可能に嵌合された摺動体とを備えているのが好ましい。この様にすれば、比較的長いガイドレールを固定マストに固定するので、前方視野の妨げにならないと共に、精度の高い案内を行なう事ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のマスト装置を示す略式側面図。図2は、案内手段付近を拡大して示す平面図。図3は、図1の分解斜視図である。
【0009】
マスト装置1は、固定マスト2、移動マスト3、昇降体4、リフトシリンダ5、保持体6、第一案内車7、第二案内車8、第一索条9、第二索条10、案内手段11とからその主要部が構成されて居り、フォークリフト等の荷役車両50の前側に装備されている。
【0010】
荷役車両50は、車体51と、これに回転可能に設けられた前後の車輪52と、車体51の前側にスタンド53を介して設けられた運転室54と、これの前側に設けられてマスト装置1を前後傾動させるティルトシリンダ55等を備えている。
【0011】
固定マスト2は、マスト装置1の基本部分を為すもので、この例では、その下部が車体51の前側に前後傾動可能に支持されて居り、ティルトシリンダ55に依り前後傾動される様になっている。固定マスト2の上部には、移動マスト3の昇降を円滑にする為のローラ(エンドローラのみを記載してサイドローラは図略している。以下同様)12が回転可能に設けられている。
【0012】
移動マスト3は、固定マスト2に対して昇降可能なもので、この例では、固定マスト2と略同じ高さを備え、固定マスト2の内側に昇降可能に設けられている。移動マスト3の下側には、これの昇降を円滑にする為のローラ13が回転可能に設けられている。
【0013】
昇降体4は、移動マスト3に対して昇降可能なもので、この例では、移動マスト3の内側に昇降可能に設けられたリフトブラケット14と、これに架設されたフィンガバー15と、これに懸架された左右のフォーク16とを備えている。昇降体4のリフトブラケット14には、これの昇降を円滑にする為の上下のローラ17が回転可能に設けられている。
【0014】
リフトシリンダ5は、固定マスト2の外側に設けられた左右のもので、この例では、シリンダ本体18とこれに対して伸縮移動可能なピストンロッド19とを備え、シリンダ本体18のテール側を下にして、固定マスト2の下部に固定されている。リフトシリンダ5は、固定マスト2の全高の略半分の長さにしてあり、テール室が加圧側となる単動シリンダにしてある。
【0015】
保持体6は、リフトシリンダ5の可動側に設けられた左右のもので、この例では、下方が開放した箱状を呈し、下部中程がリフトシリンダ5のピストンロッド19の先端(上端)に取付けられている。
【0016】
第一案内車7は、保持体6に回転可能に設けられた左右のもので、この例では、シーブにしてあり、保持体6の内部に収納されて左右方向の横軸20に依り回転可能に軸設されている。
【0017】
第二案内車8は、移動マスト3の上部に回転可能に設けられた左右のもので、この例では、シーブにしてあり、移動マスト3の上部に左右方向の横軸21に依り回転可能に軸設されている。
【0018】
第一索条9は、固定マスト2と移動マスト3との間に介設されて第一案内車7に掛渡された左右のもので、この例では、チェーンにしてあり、一端が固定マスト2の中位に止結されていると共に、他端が移動マスト3の下位に止結されている。
【0019】
第二索条10は、固定マスト2と昇降体4との間に介設されて第二案内車8に掛渡された左右のもので、この例では、チェーンにしてあり、一端が固定マスト2の上位に止結されていると共に、他端が昇降体4のリフトブラケット5の上位に止結されている。
【0020】
案内手段11は、保持体6と固定マスト2との間に介設されて固定マスト2に対して保持体6を昇降可能に案内するもので、この例では、固定マスト2の外側に上下方向に沿って付設されたガイドレール22と、保持体6に設けられてガイドレール22に対して上下方向のみ摺動可能に嵌合される摺動体23とを備えている。ガイドレール22は、断面略I型を呈し、一方のフランジ部24が固定マスト2の左右方向の外側に溶接等に依り固定されている。摺動体23は、ガイドレール22のウェブ部25と他方のフランジ部26を囲繞する様に保持体6の一部とで断面略C型を呈している。而して、摺動体23及び保持体6の一部には、ガイドレール22のウェブ部25の前後両面と他方のフランジ部26の左右両面とに夫々摺接するスリッパ27が設けられている。
【0021】
次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
図1に示す状態から、リフトシリンダ5を伸長すると、保持体6及び第一案内車7が上昇し、第一案内車7に掛渡された第一索条9に依り固定マスト2に対して移動マスト3が上昇する。
移動マスト3が上昇すると、第二案内車8とこれに掛渡された第二索条10に依り移動マスト3に対して昇降体4が上昇する。その結果、昇降体4は、リフトシリンダ5のストロークの四倍の速度で上昇する。
この様な上昇状態から、リフトシリンダ5を短縮させると、前述の逆の要領に依り昇降体4が降下する。
固定マスト2と保持体6との間には、固定マスト2に対して保持体6を昇降可能に案内する案内手段11が設けられているので、左右の保持体6は、リフトシリンダ5の伸縮に依り同期して安定良く昇降される。この為、移動マスト3及び昇降体4も、前後左右に動揺する事なく適正に昇降される。
【0022】
リフトシリンダ5の伸長に依り移動マスト3及び昇降体4を上昇させる様にしたので、リフトシリンダ5の短縮に依り移動マスト3及び昇降体4を上昇させるものに比べて案内車の個数を削減する事ができ、製作の容易化とコストの低減を図る事ができる。
【0023】
左右の保持体6は、連結材で連結する必要がないので、前方視野を妨げる事がないと共に、固定マスト2の後方にブラケットを介してラダー(はしご)等を設置する事が可能となり、油圧配管や電気配線が行ない易くなる。
【0024】
尚、昇降体4は、先の例では、フォーク16を用いたが、これに限らず、例えばコンテナ用スプレッダやラム等でも良い。
リフトシリンダ5は、先の例では、ピストンロッド19側を上にして配設したが、これに限らず、例えばピストンロッド19側を下にして配設しても良い。この場合、第一案内車7は、シリンダ本体18のテール側に軸設する。
第一案内車7及び第二案内車8は、先の例では、シーブであったが、これに限らず、例えばプーリ等でも良い。
第一索条9は、先の例では、一端を固定マスト2に止結したが、これに限らず、例えばリフトシリンダ5のシリンダ本体18等に止結しても良い。
第一索条9及び第二索条10は、先の例では、チェーンであったが、これに限らず、例えばワイヤ等でも良い。
案内手段11は、先の例では、摺動体23を用いたが、これに限らず、例えば特許文献2に記載されている如く、ガイドレール22に沿って転動するガイドローラを用いても良い。
【0025】
【発明の効果】
以上、既述した如く、本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
(1) 固定マスト、移動マスト、昇降体、リフトシリンダ、保持体、第一案内車、第二案内車、第一索条、第二索条、案内手段とで構成し、とりわけ固定マストと保持体との間に、固定マストに対して保持体を昇降可能に案内する案内手段を介設したので、保持体を円滑に安定良く昇降させる事ができ、移動マスト及び昇降体を適正に昇降させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスト装置を示す略式側面図。
【図2】案内手段付近を拡大して示す平面図。
【図3】図1の分解斜視図。
【符号の説明】
1…マスト装置、2…固定マスト、3…移動マスト、4…昇降体、5…リフトシリンダ、6…保持体、7…第一案内車、8…第二案内車、9…第一索条、10…第二索条、11…案内手段、12,13,17…ローラ、14…リフトブラケット、15…フィンガバー、16…フォーク、18…シリンダ本体、19…ピストンロッド、20,21…横軸、22…ガイドレール、23…摺動体、24,26…フランジ部、25…ウェブ部、27…スリッパ、50…荷役車両、51…車体、52…車輪、53…スタンド、54…運転室、55…ティルトシリンダ。
Claims (2)
- 固定マストと、固定マストに対して昇降可能な移動マストと、移動マストに対して昇降可能な昇降体と、固定マストの外側に設けられた左右のリフトシリンダと、リフトシリンダの可動側に設けられた左右の保持体と、保持体に回転可能に設けられた左右の第一案内車と、移動マストの上部に回転可能に設けられた左右の第二案内車と、固定マストと移動マストとの間に介設されて第一案内車に掛渡された左右の第一索条と、固定マストと昇降体との間に介設されて第二案内車に掛渡された左右の第二索条と、固定マストと保持体との間に介設されて固定マストに対して保持体を昇降可能に案内する左右の案内手段と、から構成した事を特徴とするマスト装置。
- 案内手段は、固定マストの外側に上下方向に沿って付設されたガイドレールと、保持体に設けられてガイドレールに対して上下方向のみに摺動可能に嵌合された摺動体とを備えている請求項1に記載のマスト装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002337384A JP2004168502A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | マスト装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002337384A JP2004168502A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | マスト装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004168502A true JP2004168502A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32700908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002337384A Pending JP2004168502A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | マスト装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004168502A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1752996A2 (en) | 2005-08-12 | 2007-02-14 | Fujitsu Limited | Magnetic film for a magnetic device, magnetic head for a hard disk drive, and solid-state device |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002337384A patent/JP2004168502A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1752996A2 (en) | 2005-08-12 | 2007-02-14 | Fujitsu Limited | Magnetic film for a magnetic device, magnetic head for a hard disk drive, and solid-state device |
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