JP2004166877A - 遊技機、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技バランスを向上させ、ギャンブル性を抑え、始動記憶の機能性を高める。
【解決手段】第1種パチンコ機において、遊技球が第1種始動口を通過すると、大当りフラグを確認し、大当りでない場合に、乱数値を図柄表示装置の始動契機として4個を基準値として記憶する。大当り乱数値の判定結果が大当り図柄を指定した場合は、それ以降、乱数値を取得しないことで、始動契機の記憶可能数を実質的に0に変更する。大当り遊技の終了後に、大当りフラグをリセットし、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す。
【選択図】 図6
【解決手段】第1種パチンコ機において、遊技球が第1種始動口を通過すると、大当りフラグを確認し、大当りでない場合に、乱数値を図柄表示装置の始動契機として4個を基準値として記憶する。大当り乱数値の判定結果が大当り図柄を指定した場合は、それ以降、乱数値を取得しないことで、始動契機の記憶可能数を実質的に0に変更する。大当り遊技の終了後に、大当りフラグをリセットし、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技盤の所定領域を通過した遊技球を図柄表示装置の始動契機として記憶する機能を備えた遊技機、この遊技機を制御するコンピュータプログラム、及び、そのプログラムが記録された記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の始動記憶機能を備えた遊技機として、第1種又は第3種パチンコ機が知られている。例えば第1種パチンコ機において、遊技球が遊技盤上の第1種始動口を通過すると、その始動口に設けられたスイッチが遊技球の通過を検知し、図柄表示装置が複数図柄の変動を開始する。このとき、主制御基板上のコンピュータは、カウンタの計数値を乱数値として取得し、乱数値を図柄表示装置の始動契機として記憶し、乱数値の判定結果に基づいて図柄表示装置を制御する。そして、図柄表示装置は、乱数値の判定結果により指定された停止図柄を、変動開始から所定時間が経過したのちに確定表示し、その停止図柄が、例えば「1・1・1」「2・2・2」等の大当り図柄であった場合に、変動入賞装置が、大入賞口を繰り返し開いて、遊技者に有利な大当り遊技を実施する。
【0003】
従来、始動契機を記憶可能な基準値は4個に設定されているが、乱数値が大当り図柄を指定した場合、図柄変動が開始し大当り遊技が終了するまでの期間は、長時間にわたり始動記憶を消化できないので、この期間中に第1種始動口の入賞球数が基準値を超えることがある。これらのオーバーフロー球は無効球として処理されるため、無効球を救済する観点から、下記の特許文献1,2では、所定の遊技状態で始動記憶可能数を通常時の基準値よりも増やす技術が提案されている。特許文献1の段落番号0044には、大当り遊技中に始動記憶可能数を4個から20個に増やす技術が記載されている。特許文献2の段落番号0153には、大当りがラッキーナンバーで発生した場合に、ミサイル発射可能数を5個から15個に増やす技術が記載されている。
【特許文献1】特開平11−216237号公報
【特許文献2】特開2000−288175号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術は、大当りの場合に始動契機の記憶可能数を一方的に増やす方法であるから、次のような問題点があった。
(1)全遊技に占める図柄変動及び大当り遊技の時間比率が高くなり、遊技の内容及び利益に関するバランスが崩れる。
(2)確率変動機能を備えた遊技機において、始動記憶可能数を高くすると、高確率の遊技状態で大当りが連発し(麻雀用語でいう連荘)、遊技の区切りが不明瞭となり、ギャンブル性が高じ、娯楽性が低下する。
(3)始動記憶の基準値を現在の4個から8個又は16個に増やした新機種を開発する場合に、大当り時の始動記憶可能数が基準値よりさらに増えるため、大当りが連発する可能性が一層高くなる。
(4)始動記憶可能数は大当りの場合にのみ変化し、ハズレの場合は変化しないため、始動記憶の機能性が限定的なものとなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、遊技バランスを向上させ、ギャンブル性を抑え、始動記憶の機能性を高めることができる遊技機、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、遊技球が遊技盤の所定領域を通過したときに、カウンタの計数値を取得し、計数値を図柄表示装置の始動契機として基準値まで記憶し、計数値の判定結果に基づいて図柄表示装置を制御し、図柄表示装置が所定の大当り図柄を表示したときに、遊技者に有利な大当り遊技を実施する遊技機において、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、始動契機の記憶可能数を基準値よりも小さな値に設定する設定手段と、大当り遊技が終了したときに、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す復帰手段とを備えをことを特徴とする。
【0007】
この発明において、始動契機の基準値は、特定の値に限定されず、現在の4個、又はそれ以上の8個、16個、20個等を例示できる。大当り図柄が指定されたときの始動契機の記憶可能数は、基準値未満であればよく、例えば、基準値が4個の場合に0個、基準値が8個の場合に4個、基準値が16個の場合に8個等、基準値に応じた任意の個数で実施できる。何れの場合も、この発明の構成によれば、大当り図柄が指定されたときに、始動契機の記憶可能数が基準値よりも小さな値に設定されるので、従来と比較し、図柄変動の回数が減り、それに応じ大当り遊技の発生率が低くなり、遊技全体に占める図柄変動及び大当り遊技の時間比率が低下し、遊技バランスが向上する。
【0008】
請求項2の発明は、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、設定手段が始動契機の記憶可能数を0に設定することを特徴とする。具体的には、大当り図柄が指定された以降の入賞球に係る計数値(乱数値)を大当りが終了するまで記憶しないことで、始動記憶可能数を実質的に0に設定することができる。こうすれば、大当り遊技が終了した時点で、図柄変動がいったん停止するので、遊技の区切りが明瞭となり、遊技者は心機一転した気分で遊技を引き続き楽しむことができる。
【0009】
請求項3の発明は、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、始動契機の記憶可能数を基準値と異なる値に設定する設定手段と、大当り遊技が終了したときに、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す復帰手段とを備え、設定手段が始動契機の記憶可能数を、大当り図柄を高い確率で発生させる高確率図柄よりも、大当り図柄を通常の確率で発生させる通常確率図柄の方が大きな値となるように、設定することを特徴とする。すなわち、大当り図柄を二種類に区別し、高確率図柄に対応する始動記憶可能数を相対的に小さくし、通常確率図柄に対応する始動記憶可能数を相対的に大きくする。どちらの図柄の場合も、大当り遊技が終了した時点で、始動契機の記憶可能数は基準値に戻る。なお、この発明は、始動記憶可能数を高確率図柄と通常確率図柄との関係において規定するが、両図柄の始動記憶可能数と基準値との関係を規定するものではない。
【0010】
この発明によれば、大当り図柄が指定されたときに、始動記憶可能数が高低2段階に設定されるため、遊技の内容及び利益に関するバランスを容易に調整することができる。また、高確率図柄の場合は、始動記憶可能数が相対的に小さく設定されるので、大当りが連発する可能性を低くし、ギャンブル性を抑え、娯楽性を高めることができる。逆に、通常確率図柄の場合には、始動記憶可能数が高確率図柄の場合よりも増え、次の大当りの可能性が高くなるため、遊技者は、高確率遊技に移行する権利を獲得できなかったとしても、さほど落胆することなく、遊技を意欲的に継続することができる。
【0011】
請求項4,5,6の発明は、通常確率図柄による始動契機の記憶可能数を高確率図柄による記憶可能数よりも大きな値に設定する遊技機において、両図柄の始動記憶可能数と基準値との関係を規定するもので、これによって、遊技機の機械仕様値や稼働実績、或いは、遊技者及び遊技店双方の利益配分等を考慮して、遊技バランスをより細かく調整することができる。すなわち、請求項4の発明は、設定手段が、高確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも大きな値に設定することを特徴とする。請求項5の発明は、設定手段が、高確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも小さな値に設定し、通常確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも大きな値に設定することを特徴とする。請求項6の発明は、設定手段が、通常確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも小さな値に設定することを特徴とする。
【0012】
以下に、請求項3〜6の発明による始動契機の記憶可能数を不等式で示す。
請求項3:高確率図柄の記憶可能数<通常確率図柄の記憶可能数
請求項4:基準値<高確率図柄の記憶可能数<通常確率図柄の記憶可能数
請求項5:高確率図柄の記憶可能数<基準値<通常確率図柄の記憶可能数
請求項6:高確率図柄の記憶可能数<通常確率図柄の記憶可能数<基準値
【0013】
請求項7の発明は、計数値の判定結果が、大当り図柄以外のハズレ図柄に、該図柄の一部を仮停止させた状態で残りを変動させるリーチ変動を組み合わせた特殊変動を指定したときに、始動契機の記憶可能数を基準値よりも大きな値に設定する設定手段と、特殊変動が終了したときに、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す復帰手段とを備えたことを特徴とする。この構成によれば、例えば、大当りを予期させる予告変動を伴う特殊変動が指定されたときに、始動記憶可能数が基準値よりも増えるため、リーチ変動を伴う比較的長い図柄変動期間中に、遊技者は始動記憶を増やす目的で遊技を継続できて、結果的にハズレとなることによる落胆を軽減することができる。従って、始動記憶の新規性及び機能性を高め、この機能との組み合わせにおいて、特殊変動を効果的に実施することが可能となる。なお、大当りの予告変動としては、リーチ変動中に特異なキャラクタを表示する、ランプの輝度を上げる、ランプの点滅速度を上げる、特定の音声を発生するなど、各種の演出形態を例示できる。
【0014】
請求項8,9,10の発明は、特殊変動による始動契機の記憶可能数を基準値よりも大きな値に設定した遊技機において、これらの設定値と大当り図柄による始動記憶可能数との関係を規定するもので、これによって、遊技機の機械仕様値や稼働実績、或いは、遊技者及び遊技店双方の利益配分等を考慮して、遊技バランスをより細かく調整することができる。すなわち、請求項8の発明は、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、設定手段が、大当り図柄に対応する始動契機の記憶可能数を、特殊変動に対応する始動契機の記憶可能数よりも大きな値に設定することを特徴とする。請求項9の発明は、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、設定手段が、大当り図柄に対応する始動契機の記憶可能数を、基準値よりも大きく、かつ特殊変動に対応する始動契機の記憶可能数よりも小さな値に設定することを特徴とする。請求項10の発明は、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、設定手段が、大当り図柄に対応する始動契機の記憶可能数を、基準値よりも小さな値に設定することを特徴とする。
【0015】
以下に、請求項7〜10の発明による始動記憶可能数を不等式で示す。
請求項7:基準値<特殊変動の記憶可能数
請求項8:基準値<特殊変動の記憶可能数<大当り図柄の記憶可能数
請求項9:基準値<大当り図柄の記憶可能数<特殊変動の記憶可能数
請求項10:大当り図柄の記憶可能数<基準値<特殊変動の記憶可能数
【0016】
請求項11の発明は、始動契機の記憶数を遊技盤の一部に表示する始動記憶表示手段を備えたことを特徴とする。始動記憶表示手段としては、例えば、始動記憶数の最大値と対応する個数のランプを用いた手段、図柄表示装置の表示領域の一部に数字やマークで始動記憶数を表示する手段、始動記憶数を音声で報知する手段など、適宜の表示手段を採用可能である。この発明によれば、計数値の判定結果に従って始動記憶数が増減し、それに応じて始動記憶の表示数も多様に変化するので、4個を固定値としていた従来と比較し、始動表示の機能性及び演出効果を高めることができる。しかも、始動記憶可能数は計数値を取得した時点で判定されるので、この記憶可能数を図柄変動の初期に表示するなどして、始動表示を来る確定図柄の巧妙な予告手段として活用することもできる。
【0017】
請求項12の発明は、上記遊技機において、コンピュータを設定手段及び復帰手段として機能させるためのコンピュータプログラムを特徴とする。また、請求項13の発明は、前記コンピュータが実行する前記コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を特徴とする。これらの発明によっても、上記遊技機と同様の作用効果を期待することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を第1種パチンコ機に具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、このパチンコ機の遊技盤1には、略中央に図柄表示装置2が設置され、3つの表示領域に数字や絵を用いたそれぞれ複数の特別図柄を液晶により変動(スクロール)表示する。図柄表示装置2の下側には、第1種始動口3を備えた普通電動役物4が設けられ、遊技球が第1種始動口3又は普通電動役物4の両翼から入賞したときに、図柄表示装置2が特別図柄の変動を開始する。普通電動役物4の下側には、扉部材5を備えた変動入賞装置6が設置され、図柄表示装置2に所定の大当り図柄が表示されたときに、扉部材5で大入賞口7を所定回数継続的に開いて、遊技者に有利な大当り遊技を実施する。
【0019】
図柄表示装置2の表示領域の上側には、4個のLEDを備えた始動記憶表示部8が設けられ、図柄表示装置2を始動させる始動契機の記憶数をLEDの点灯により最高4個まで表示する。図2に示す始動記憶表示部9は、図柄表示装置2の表示領域の下側に設けられ、始動契機の記憶数を「1」〜「8」の数字が付されたLEDの点灯により最高8個まで表示する。図3に示す始動記憶表示部10は、図柄表示装置2の表示領域の一部に設けられ、始動契機の記憶数を数字により表示する。図4に示す始動記憶表示部11は、図柄表示装置2の表示領域の一部において、始動契機の記憶数を「ひまわり」のマークにより表示する。
【0020】
図5に示すように、パチンコ機の電気制御システムには主制御基板13が設けられ、主制御基板13上にマイクロプロセッサ14が搭載されている。マイクロプロセッサ14には、パチンコ機各部の装置を制御するCPU15と、各種制御プログラムや制御データ等を記録するROM16と、CPU15による演算結果や設定データ等を一時的に記憶するRAM17とが設けられている。また、主制御基板13には、第1種始動口3を通過した遊技球を検出する第1種始動口スイッチ18と、図柄表示装置2を制御する図柄制御基板19と、変動入賞装置6と、発射制御基板20とが接続され、発射制御基板20に、発射ハンドルの操作を確認する発射スイッチ21と、発射槌を駆動する発射モータ22とが接続されている。
【0021】
上記構成のパチンコ機において、次に、始動契機の記憶方式を幾つかの実施例を挙げて説明する。
<第1実施例>
図6〜図9のフローチャートは始動記憶方式の第1実施例を示すもので、何れも記憶媒体としてのROM16に記録されたコンピュータプログラムであって、CPU15によって実行される。
【0022】
図6に示すように、第1種始動口処理にあたり、CPU15は、第1種始動口スイッチ18の信号に基づき、遊技球が第1種始動口3を通過したか否かを確認する(S11)。遊技球が第1種始動口3を通過すると、大当りの遊技状態を示す大当りフラグを確認し(S12)、このフラグがセットされていない場合は、その時点での始動契機の記憶数(始動記憶数U)が予め設定した基準値「4」未満であるか否かを確認する(S13)。基準値未満の場合には、始動記憶数Uに「1」を加算し(S14)、カウンタの計数値を乱数値として取得する(S15)。そして、乱数値を図柄表示装置2の始動契機としてRAM17に記憶したのち(S16)、次の図柄決定処理へ移行する。また、大当りフラグがセットされている場合には(S12:Yes)、乱数値を取得せず、今回の入賞球を始動契機として記憶することなく、無効化処理する。
【0023】
なお、遊技球が第1種始動口3を通過した時点で取得する乱数値には、大当りかハズレかを判定するための大当り乱数値、大当り図柄を決定するための大当り図柄乱数値、リーチ変動の有無を判定するためのリーチ乱数値、大当りの予告変動の有無を判定するための予告乱数値が含まれる。また、この実施例では、始動記憶数Uに「1」が加算される毎に、図1に示す始動記憶表示部8のLEDが点灯し、最高4個の点灯表示により遊技者に始動契機の記憶数を報知する。
【0024】
図7に示すように、図柄決定処理にあたり、CPU15は、乱数値をRAM17から読み出し(S101)、高確率の遊技状態を示す確率変動(確変)フラグを確認する(S102)。確変フラグがセットされている場合は、高確率テーブルを参照し(S103)、セットされていない場合は、通常確率テーブルを参照し(S104)、今回取得した大当り乱数値が大当りであるかハズレであるかを判定する(S105)。大当りを判定すると、大当りフラグをセットし(S106)、大当り図柄乱数値を用いて大当り図柄を決定し(S107)、決定した図柄が、大当り図柄を高い確率で発生させる高確率図柄であるか、大当り図柄を通常の確率で発生させる通常確率図柄であるかを判定する(S108)。そして、高確率図柄を判定した場合に、確変フラグをセットし(S109)、大当り図柄の変動パターンを決定したのち(S110)、これに対応する図柄制御コマンドをRAM17に格納する(S111)。
【0025】
ここでは、例えば、大当り図柄が、「2・2・2」「6・6・6」などの偶数値で揃った場合に、通常確率図柄であると判定され、「3・3・3」「7・7・7」などの奇数値で揃った場合に、高確率図柄であると判定される。大当りの判定に際しては、通常確率図柄の場合に通常確率テーブルが用いられ、「7,277,293」の3個の乱数値が大当りと判定される。また、高確率図柄の場合には、高確率テーブルが用いられ、「7,53,86,137・・・」の16個の乱数値が大当りと判定される。従って、高確率の遊技状態では、大当り図柄の発生確率が通常の遊技状態よりも5倍以上高くなる。
【0026】
一方、大当りの判定結果がハズレであった場合(S105:No)、CPU15は、図柄表示装置2の表示領域数に対応する3種類のハズレ図柄乱数値を取得し、これらの乱数値を用いてハズレ図柄を決定する(S112)。続いて、リーチ乱数値を用いてリーチ変動を行うか否かを判定するとともに(S113)、大当りの予告変動を行うか否かを判定する(S114)。そして、これらの判定結果により、ハズレ図柄にリーチ変動と予告変動とを組み合わせた特殊変動が指定されると、特殊変動フラグをセットしたのち(S115)、ハズレ図柄の変動パターンを決定し(S110)、これに対応する図柄制御コマンドを格納し(S111)、次の図柄表示処理へ移行する。ここで、図柄表示装置2は、特殊変動に際し、例えば図4に示すように、ハズレ図柄のうち左右の図柄を仮停止させた状態で中図柄を変動させ、このリーチ変動中に、通常は滅多に出現しないキャラクタ(図に「ワニ」を例示)を登場させ、遊技者に大当りを強くアピールする。
【0027】
図8に示すように、図柄表示処理にあたり、CPU15は、図柄表示装置2の変動中又は停止中を判断し(S201)、停止中であれば、始動記憶数Uを確認する(S202)。始動契機が一つでも記憶されていれば、始動記憶数Uから「1」を減算し(S203)、始動記憶表示部8のLEDを一つ消灯する。そして、図柄制御コマンドを図柄制御基板19に送信し、図柄表示装置2を制御する(S204)。コマンド送信から所定の時間が経過し、図柄変動の終了を確認すると(S205)、特殊変動フラグをリセットし(S206)、次の大入賞口処理へ移行する。図9に示すように、大入賞口処理にあたり、CPU15は、大当りフラグを確認し(S301)、変動入賞装置6を制御する(S302)。そして、変動入賞装置6による大当り遊技の終了を確認し(S303)、大当りフラグをリセットし(S304)、確変フラグをリセットしたのち(S305)、次の処理へ移行する。
【0028】
この実施例の始動記憶方式によれば、図6に示す第1種始動口処理において、大当りフラグがセットされていない状態、つまり大当り乱数値の判定結果がハズレ図柄を指定した場合は、それ以降大当りが判定されるまでの期間中、始動契機が基準値である4個まで記憶される。また、大当りフラグがセットされている状態、つまり大当り乱数値の判定結果が大当り図柄を指定した場合は、それ以降大当り遊技が終了するまでの期間中、乱数値を取得しないことで、始動契機の記憶可能数が実質的に0に変更される。そして、図9に示す大入賞口処理において、大当り遊技の終了後に大当りフラグがリセットされると、始動契機の記憶可能数が4個の基準値に戻る。このため、従来とは異なり、図柄変動中及び大当り遊技中に複数の始動契機が成立するおそれがなく、大当り遊技の終了時点で図柄変動をいったん停止させて、遊技の区切りを明瞭につけることができる。
【0029】
<第2実施例>
図10のフローチャートは始動記憶方式の第2実施例を示す。この実施例では、図2に示す始動記憶表示部9が用いられ、始動契機の基準値が8個に設定され、大当り期間中の始動契機の記憶可能数が4個に減少する。
【0030】
すなわち、第1種始動口処理において、CPU15は、遊技球が第1種始動口3を通過したときに(S21:Yes)、大当りフラグを確認し(S22)、大当りフラグがセットされていない状態で、始動記憶数Uを8個まで許容し(S23)、大当りフラグがセットされている状態で、始動記憶数Uを4個に制限する(S24)。そして、大当り遊技の終了後に大当りフラグがリセットされると(図9:S304)、始動契機の記憶可能数を8個の基準値に戻す(S22→S23)。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、従来と比較し、大当り期間中の図柄変動の回数が減り、それに応じ大当り遊技の発生率も低くなり、遊技全体に占める図柄変動及び大当り遊技の時間比率が低下し、遊技バランスが向上する。
【0031】
<第3実施例>
図11のフローチャートは始動記憶方式の第3実施例を示す。この実施例では、図3に示す始動記憶表示部10又は図4に示す始動記憶表示部11が用いられ、始動契機の基準値が4個に設定され、大当り期間中の始動契機の記憶可能数は、通常確率時に20個、高確率時に10個に変更される。
【0032】
すなわち、第1種始動口処理において、CPU15は、遊技球が第1種始動口3を通過したときに(S31:Yes)、大当りフラグを確認し(S32)、大当りフラグがセットされていない状態で、始動記憶数Uを4個に制限し(S33)、大当りフラグがセットされている状態で、始動記憶数Uを20個まで許容する(S34)。そして、確変フラグを確認し(S35)、確変フラグがセットされていない通常確率時には、最高20個の始動契機を記憶可能とし、確変フラグがセットされている高確率時には、始動記憶数Uを10個に制限する(S36)。その後、大当り遊技の終了後に、大当りフラグ及び確変フラグをリセットし(図9:S304,S305)、始動契機の記憶可能数を4個の基準値に戻す(S32→S33)。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、大当り期間中の始動記憶可能数を、通常確率時に高く、高確率時に低く設定し、無効球を救済する一方で、大当りの連発を抑制し、遊技全体のバランスを適正に調整することができる。
【0033】
<第4実施例>
図12のフローチャートは始動記憶方式の第4実施例を示す。この実施例では、図3に示す始動記憶表示部10又は図4に示す始動記憶表示部11が用いられ、始動契機の基準値が8個に設定され、大当り期間中の始動契機の記憶可能数は、通常確率時に16個、高確率時に4個に変更される。
【0034】
すなわち、大当りフラグがセットされていない状態で(S42:No)、始動記憶数Uを8個に制限し(S43)、大当りフラグがセットされている状態で(S42:Yes)、始動記憶数Uを16個まで許容する(S44)。確変フラグがセットされていない通常確率時には(S45:No)、最高16個の始動契機を記憶可能とし、確変フラグがセットされている高確率時には(S45:Yes)、始動記憶数Uを4個に制限する(S46)。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、大当り期間中の始動記憶可能数を、通常確率時に基準値よりも高く、高確率時に基準値よりも低く設定し、特に、大当りの連発を抑制できる利点がある。
【0035】
<第5実施例>
図13のフローチャートは始動記憶方式の第5実施例を示す。この実施例では、図2に示す始動記憶表示部9が用いられ、始動契機の基準値が8個に設定され、大当り期間中の始動契機の記憶可能数は、通常確率時に4個、高確率時に0に変更される。
【0036】
すなわち、大当りフラグがセットされていない状態で(S52:No)、始動記憶数Uを8個まで許容し(S53)、大当りフラグがセットされている状態で(S52:Yes)、確変フラグを確認する(S54)。そして、確変フラグがセットされていない場合には(S54:No)、始動記憶数Uを4個に制限し(S55)、確変フラグがセットされている場合には(S54:Yes)、それ以降乱数値を記憶しないことで、始動契機の記憶可能数を実質的に0に制限する。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、大当り期間中の始動記憶可能数が基準値よりも低くなるため、特に、基準値を嵩上げしたパチンコ機において、ギャンブル性を抑制し、娯楽性を向上できる利点がある。
【0037】
<第6実施例>
図14のフローチャートは始動記憶方式の第6実施例を示す。この実施例では、図3に示す始動記憶表示部10又は図4に示す始動記憶表示部11が用いられ、始動契機の基準値が4個に設定され、特殊変動の期間中に始動契機の記憶可能数が8個に変更され、大当り期間中は16個に変更される。
【0038】
すなわち、第1種始動口処理において、CPU15は、遊技球が第1種始動口3を通過したときに(S61:Yes)、大当りフラグを確認し(S62)、大当りフラグがセットされていない状態、つまりハズレ図柄が指定されている場合には(S62:No)、始動契機を基準値である4個まで記憶する(S63:Yes)。始動記憶数Uが4個以上の場合は(S63:No)、特殊変動フラグを確認し(S64)、このフラグがセットされている場合、つまりリーチ変動と大当りの予告変動とを伴う特殊変動が指定されている場合には(S64:Yes)、始動記憶数Uを8個まで許容する(S65)。そして、図8に示す図柄表示処理において、特殊変動が終了し、特殊変動フラグがリセットされると(S206)、始動契機の記憶可能数が基準値に戻る。
【0039】
一方、大当りフラグがセットされている状態では(S62:Yes)、始動契機を最高16個まで記憶し(S66〜S69)、大入賞口処理において、大当り遊技の終了後に大当りフラグがリセットされると(図9:S304)、始動契機の記憶可能数が基準値に戻る。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、大当りを強く予期させる特殊変動が指定されたときに、始動記憶可能数が基準値よりも増えるため、リーチ変動を伴う比較的長い変動期間中に、遊技者は始動記憶を増やす目的で遊技を継続できて、結果的にハズレとなることによる落胆を軽減することができる。なお、リーチ変動と予告変動の両方を伴う特殊変動の場合に、始動契機の記憶可能数を8個に設定し、予告変動を伴わない特殊変動の場合には、始動契機の記憶可能数を6個に設定するなど、特殊変動の種類に応じて始動記憶可能数を適宜に変更してもよい。
【0040】
<第7実施例>
図15のフローチャートは始動記憶方式の第7実施例を示す。この実施例では、図3に示す始動記憶表示部10又は図4に示す始動記憶表示部11が用いられ、始動契機の基準値が4個に設定され、特殊変動の期間中に始動契機の記憶可能数が10個に変更され、大当り期間中は8個に変更される。
【0041】
すなわち、大当りフラグがセットされていない状態、つまりハズレ図柄が指定されている場合には(S72:No)、始動契機を基準値である4個まで記憶する(S73:Yes)。始動記憶数Uが4個以上あり(S73:No)、特殊変動フラグがセットされている場合には(S74:Yes)、それ以降このフラグがリセットされるまでの期間中、始動契機を最高10個まで記憶する(S75:Yes)。また、大当りフラグがセットされている状態では(S72:Yes)、始動契機を8個まで記憶する(S76〜S79)。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、特殊変動が指定されたときに、始動記憶可能数が大当りの場合よりも増えるため、特に、大当りへの期待感の反動による遊技者の落胆を軽減することができる。
【0042】
<第8実施例>
図16のフローチャートは始動記憶方式の第8実施例を示す。この実施例では、図3に示す始動記憶表示部10又は図4に示す始動記憶表示部11が用いられ、始動契機の基準値が8個に設定され、特殊変動の期間中に始動契機の記憶可能数が16個に変更され、大当り期間中は0に変更される。
【0043】
すなわち、ハズレ図柄が指定されている場合には(S82:No)、始動契機を基準値である8個まで記憶する(S83:Yes)。始動記憶数Uが8個以上あり(S83:No)、特殊変動フラグがセットされている場合には(S84:Yes)、それ以降このフラグがリセットされるまでの期間中、始動契機を最高16個まで記憶する(S85:Yes)。また、大当りフラグがセットされている場合には(S82:Yes)、乱数値を記憶しないことで、始動契機の記憶可能数を実質的に0にする。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、特に、基準値を嵩上げしたパチンコ機において、大当りとハズレの利益バランスを程良く調整することができる。
【0044】
なお、本発明による始動記憶方式は上記実施例に限定されるものではなく、請求項に記載された発明の趣旨から逸脱しない範囲で、始動契機の基準値や記憶可能数を適宜に変更して実施することも可能である。
【0045】
<請求項と実施形態との対応関係>
請求項1の「遊技盤の所定領域」は、図1の第1種始動口3に対応する。「設定手段」及び「復帰手段」は、第1、第2実施例において、CPU15が図6のS12〜S16、図10のS22〜27で実行する処理に対応する。
請求項2の「設定手段」は、第1実施例において、CPU15が図6のS12〜S16で実行する処理に対応する。
請求項3の「設定手段」及び「復帰手段」は、第3、第4、第5実施例において、CPU15が図11のS32〜S39、図12のS42〜49、図13のS52〜58で実行する処理に対応する。
請求項4の「設定手段」は、第3実施例において、CPU15が図11のS32〜S39で実行する処理に対応する。
請求項5の「設定手段」は、第4実施例において、CPU15が図12のS42〜S49で実行する処理に対応する。
請求項6の「設定手段」は、第5実施例において、CPU15が図13のS52〜S59で実行する処理に対応する。
請求項7の「設定手段」及び「復帰手段」は、第6、第7、第8実施例において、CPU15が図14のS62〜S69、図15のS72〜79、図16のS82〜88で実行する処理に対応する。
請求項8の「設定手段」は、第6実施例において、CPU15が図14のS62〜S69で実行する処理に対応する。
請求項9の「設定手段」は、第7実施例において、CPU15が図15のS72〜S79で実行する処理に対応する。
請求項10の「設定手段」は、第8実施例において、CPU15が図16のS82〜S88で実行する処理に対応する。
請求項11の「始動記憶表示手段」は、図1の始動記憶表示部8、図2の始動記憶表示部9、図3の始動記憶表示部10、図4の始動記憶表示部11に対応する。
請求項12のコンピュータプログラムは、第1〜第8実施例において、CPU15が実行する図6〜図16のフローチャートに対応する。
請求項13の記録媒体は、上記コンピュータプログラムが記録されたROM16(図5参照)に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す第1種パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図2】図1とは異なる始動記憶表示部を示す図柄表示装置の正面図である。
【図3】始動記憶表示部の別の実施例を示す表示画面図である。
【図4】始動記憶表示部のさらに別の実施例を示す表示画面図である。
【図5】電気制御システムの主要部を示すブロック図である。
【図6】始動記憶方式の第1実施例を示すフローチャートである。
【図7】図柄決定処理を示すフローチャートである。
【図8】図柄表示処理を示すフローチャートである。
【図9】大入賞口処理を示すフローチャートである。
【図10】始動記憶方式の第2実施例を示すフローチャートである。
【図11】始動記憶方式の第3実施例を示すフローチャートである。
【図12】始動記憶方式の第4実施例を示すフローチャートである。
【図13】始動記憶方式の第5実施例を示すフローチャートである。
【図14】始動記憶方式の第6実施例を示すフローチャートである。
【図15】始動記憶方式の第7実施例を示すフローチャートである。
【図16】始動記憶方式の第8実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技盤
2 図柄表示装置
3 第1種始動口
4 普通電動役物
6 変動入賞装置
8〜11 始動記憶表示部
13 主制御基板
14 マイクロプロセッサ
15 CPU
16 ROM
17 RAM
18 第1種始動口スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技盤の所定領域を通過した遊技球を図柄表示装置の始動契機として記憶する機能を備えた遊技機、この遊技機を制御するコンピュータプログラム、及び、そのプログラムが記録された記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の始動記憶機能を備えた遊技機として、第1種又は第3種パチンコ機が知られている。例えば第1種パチンコ機において、遊技球が遊技盤上の第1種始動口を通過すると、その始動口に設けられたスイッチが遊技球の通過を検知し、図柄表示装置が複数図柄の変動を開始する。このとき、主制御基板上のコンピュータは、カウンタの計数値を乱数値として取得し、乱数値を図柄表示装置の始動契機として記憶し、乱数値の判定結果に基づいて図柄表示装置を制御する。そして、図柄表示装置は、乱数値の判定結果により指定された停止図柄を、変動開始から所定時間が経過したのちに確定表示し、その停止図柄が、例えば「1・1・1」「2・2・2」等の大当り図柄であった場合に、変動入賞装置が、大入賞口を繰り返し開いて、遊技者に有利な大当り遊技を実施する。
【0003】
従来、始動契機を記憶可能な基準値は4個に設定されているが、乱数値が大当り図柄を指定した場合、図柄変動が開始し大当り遊技が終了するまでの期間は、長時間にわたり始動記憶を消化できないので、この期間中に第1種始動口の入賞球数が基準値を超えることがある。これらのオーバーフロー球は無効球として処理されるため、無効球を救済する観点から、下記の特許文献1,2では、所定の遊技状態で始動記憶可能数を通常時の基準値よりも増やす技術が提案されている。特許文献1の段落番号0044には、大当り遊技中に始動記憶可能数を4個から20個に増やす技術が記載されている。特許文献2の段落番号0153には、大当りがラッキーナンバーで発生した場合に、ミサイル発射可能数を5個から15個に増やす技術が記載されている。
【特許文献1】特開平11−216237号公報
【特許文献2】特開2000−288175号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術は、大当りの場合に始動契機の記憶可能数を一方的に増やす方法であるから、次のような問題点があった。
(1)全遊技に占める図柄変動及び大当り遊技の時間比率が高くなり、遊技の内容及び利益に関するバランスが崩れる。
(2)確率変動機能を備えた遊技機において、始動記憶可能数を高くすると、高確率の遊技状態で大当りが連発し(麻雀用語でいう連荘)、遊技の区切りが不明瞭となり、ギャンブル性が高じ、娯楽性が低下する。
(3)始動記憶の基準値を現在の4個から8個又は16個に増やした新機種を開発する場合に、大当り時の始動記憶可能数が基準値よりさらに増えるため、大当りが連発する可能性が一層高くなる。
(4)始動記憶可能数は大当りの場合にのみ変化し、ハズレの場合は変化しないため、始動記憶の機能性が限定的なものとなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、遊技バランスを向上させ、ギャンブル性を抑え、始動記憶の機能性を高めることができる遊技機、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、遊技球が遊技盤の所定領域を通過したときに、カウンタの計数値を取得し、計数値を図柄表示装置の始動契機として基準値まで記憶し、計数値の判定結果に基づいて図柄表示装置を制御し、図柄表示装置が所定の大当り図柄を表示したときに、遊技者に有利な大当り遊技を実施する遊技機において、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、始動契機の記憶可能数を基準値よりも小さな値に設定する設定手段と、大当り遊技が終了したときに、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す復帰手段とを備えをことを特徴とする。
【0007】
この発明において、始動契機の基準値は、特定の値に限定されず、現在の4個、又はそれ以上の8個、16個、20個等を例示できる。大当り図柄が指定されたときの始動契機の記憶可能数は、基準値未満であればよく、例えば、基準値が4個の場合に0個、基準値が8個の場合に4個、基準値が16個の場合に8個等、基準値に応じた任意の個数で実施できる。何れの場合も、この発明の構成によれば、大当り図柄が指定されたときに、始動契機の記憶可能数が基準値よりも小さな値に設定されるので、従来と比較し、図柄変動の回数が減り、それに応じ大当り遊技の発生率が低くなり、遊技全体に占める図柄変動及び大当り遊技の時間比率が低下し、遊技バランスが向上する。
【0008】
請求項2の発明は、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、設定手段が始動契機の記憶可能数を0に設定することを特徴とする。具体的には、大当り図柄が指定された以降の入賞球に係る計数値(乱数値)を大当りが終了するまで記憶しないことで、始動記憶可能数を実質的に0に設定することができる。こうすれば、大当り遊技が終了した時点で、図柄変動がいったん停止するので、遊技の区切りが明瞭となり、遊技者は心機一転した気分で遊技を引き続き楽しむことができる。
【0009】
請求項3の発明は、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、始動契機の記憶可能数を基準値と異なる値に設定する設定手段と、大当り遊技が終了したときに、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す復帰手段とを備え、設定手段が始動契機の記憶可能数を、大当り図柄を高い確率で発生させる高確率図柄よりも、大当り図柄を通常の確率で発生させる通常確率図柄の方が大きな値となるように、設定することを特徴とする。すなわち、大当り図柄を二種類に区別し、高確率図柄に対応する始動記憶可能数を相対的に小さくし、通常確率図柄に対応する始動記憶可能数を相対的に大きくする。どちらの図柄の場合も、大当り遊技が終了した時点で、始動契機の記憶可能数は基準値に戻る。なお、この発明は、始動記憶可能数を高確率図柄と通常確率図柄との関係において規定するが、両図柄の始動記憶可能数と基準値との関係を規定するものではない。
【0010】
この発明によれば、大当り図柄が指定されたときに、始動記憶可能数が高低2段階に設定されるため、遊技の内容及び利益に関するバランスを容易に調整することができる。また、高確率図柄の場合は、始動記憶可能数が相対的に小さく設定されるので、大当りが連発する可能性を低くし、ギャンブル性を抑え、娯楽性を高めることができる。逆に、通常確率図柄の場合には、始動記憶可能数が高確率図柄の場合よりも増え、次の大当りの可能性が高くなるため、遊技者は、高確率遊技に移行する権利を獲得できなかったとしても、さほど落胆することなく、遊技を意欲的に継続することができる。
【0011】
請求項4,5,6の発明は、通常確率図柄による始動契機の記憶可能数を高確率図柄による記憶可能数よりも大きな値に設定する遊技機において、両図柄の始動記憶可能数と基準値との関係を規定するもので、これによって、遊技機の機械仕様値や稼働実績、或いは、遊技者及び遊技店双方の利益配分等を考慮して、遊技バランスをより細かく調整することができる。すなわち、請求項4の発明は、設定手段が、高確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも大きな値に設定することを特徴とする。請求項5の発明は、設定手段が、高確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも小さな値に設定し、通常確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも大きな値に設定することを特徴とする。請求項6の発明は、設定手段が、通常確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも小さな値に設定することを特徴とする。
【0012】
以下に、請求項3〜6の発明による始動契機の記憶可能数を不等式で示す。
請求項3:高確率図柄の記憶可能数<通常確率図柄の記憶可能数
請求項4:基準値<高確率図柄の記憶可能数<通常確率図柄の記憶可能数
請求項5:高確率図柄の記憶可能数<基準値<通常確率図柄の記憶可能数
請求項6:高確率図柄の記憶可能数<通常確率図柄の記憶可能数<基準値
【0013】
請求項7の発明は、計数値の判定結果が、大当り図柄以外のハズレ図柄に、該図柄の一部を仮停止させた状態で残りを変動させるリーチ変動を組み合わせた特殊変動を指定したときに、始動契機の記憶可能数を基準値よりも大きな値に設定する設定手段と、特殊変動が終了したときに、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す復帰手段とを備えたことを特徴とする。この構成によれば、例えば、大当りを予期させる予告変動を伴う特殊変動が指定されたときに、始動記憶可能数が基準値よりも増えるため、リーチ変動を伴う比較的長い図柄変動期間中に、遊技者は始動記憶を増やす目的で遊技を継続できて、結果的にハズレとなることによる落胆を軽減することができる。従って、始動記憶の新規性及び機能性を高め、この機能との組み合わせにおいて、特殊変動を効果的に実施することが可能となる。なお、大当りの予告変動としては、リーチ変動中に特異なキャラクタを表示する、ランプの輝度を上げる、ランプの点滅速度を上げる、特定の音声を発生するなど、各種の演出形態を例示できる。
【0014】
請求項8,9,10の発明は、特殊変動による始動契機の記憶可能数を基準値よりも大きな値に設定した遊技機において、これらの設定値と大当り図柄による始動記憶可能数との関係を規定するもので、これによって、遊技機の機械仕様値や稼働実績、或いは、遊技者及び遊技店双方の利益配分等を考慮して、遊技バランスをより細かく調整することができる。すなわち、請求項8の発明は、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、設定手段が、大当り図柄に対応する始動契機の記憶可能数を、特殊変動に対応する始動契機の記憶可能数よりも大きな値に設定することを特徴とする。請求項9の発明は、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、設定手段が、大当り図柄に対応する始動契機の記憶可能数を、基準値よりも大きく、かつ特殊変動に対応する始動契機の記憶可能数よりも小さな値に設定することを特徴とする。請求項10の発明は、計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、設定手段が、大当り図柄に対応する始動契機の記憶可能数を、基準値よりも小さな値に設定することを特徴とする。
【0015】
以下に、請求項7〜10の発明による始動記憶可能数を不等式で示す。
請求項7:基準値<特殊変動の記憶可能数
請求項8:基準値<特殊変動の記憶可能数<大当り図柄の記憶可能数
請求項9:基準値<大当り図柄の記憶可能数<特殊変動の記憶可能数
請求項10:大当り図柄の記憶可能数<基準値<特殊変動の記憶可能数
【0016】
請求項11の発明は、始動契機の記憶数を遊技盤の一部に表示する始動記憶表示手段を備えたことを特徴とする。始動記憶表示手段としては、例えば、始動記憶数の最大値と対応する個数のランプを用いた手段、図柄表示装置の表示領域の一部に数字やマークで始動記憶数を表示する手段、始動記憶数を音声で報知する手段など、適宜の表示手段を採用可能である。この発明によれば、計数値の判定結果に従って始動記憶数が増減し、それに応じて始動記憶の表示数も多様に変化するので、4個を固定値としていた従来と比較し、始動表示の機能性及び演出効果を高めることができる。しかも、始動記憶可能数は計数値を取得した時点で判定されるので、この記憶可能数を図柄変動の初期に表示するなどして、始動表示を来る確定図柄の巧妙な予告手段として活用することもできる。
【0017】
請求項12の発明は、上記遊技機において、コンピュータを設定手段及び復帰手段として機能させるためのコンピュータプログラムを特徴とする。また、請求項13の発明は、前記コンピュータが実行する前記コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を特徴とする。これらの発明によっても、上記遊技機と同様の作用効果を期待することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を第1種パチンコ機に具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、このパチンコ機の遊技盤1には、略中央に図柄表示装置2が設置され、3つの表示領域に数字や絵を用いたそれぞれ複数の特別図柄を液晶により変動(スクロール)表示する。図柄表示装置2の下側には、第1種始動口3を備えた普通電動役物4が設けられ、遊技球が第1種始動口3又は普通電動役物4の両翼から入賞したときに、図柄表示装置2が特別図柄の変動を開始する。普通電動役物4の下側には、扉部材5を備えた変動入賞装置6が設置され、図柄表示装置2に所定の大当り図柄が表示されたときに、扉部材5で大入賞口7を所定回数継続的に開いて、遊技者に有利な大当り遊技を実施する。
【0019】
図柄表示装置2の表示領域の上側には、4個のLEDを備えた始動記憶表示部8が設けられ、図柄表示装置2を始動させる始動契機の記憶数をLEDの点灯により最高4個まで表示する。図2に示す始動記憶表示部9は、図柄表示装置2の表示領域の下側に設けられ、始動契機の記憶数を「1」〜「8」の数字が付されたLEDの点灯により最高8個まで表示する。図3に示す始動記憶表示部10は、図柄表示装置2の表示領域の一部に設けられ、始動契機の記憶数を数字により表示する。図4に示す始動記憶表示部11は、図柄表示装置2の表示領域の一部において、始動契機の記憶数を「ひまわり」のマークにより表示する。
【0020】
図5に示すように、パチンコ機の電気制御システムには主制御基板13が設けられ、主制御基板13上にマイクロプロセッサ14が搭載されている。マイクロプロセッサ14には、パチンコ機各部の装置を制御するCPU15と、各種制御プログラムや制御データ等を記録するROM16と、CPU15による演算結果や設定データ等を一時的に記憶するRAM17とが設けられている。また、主制御基板13には、第1種始動口3を通過した遊技球を検出する第1種始動口スイッチ18と、図柄表示装置2を制御する図柄制御基板19と、変動入賞装置6と、発射制御基板20とが接続され、発射制御基板20に、発射ハンドルの操作を確認する発射スイッチ21と、発射槌を駆動する発射モータ22とが接続されている。
【0021】
上記構成のパチンコ機において、次に、始動契機の記憶方式を幾つかの実施例を挙げて説明する。
<第1実施例>
図6〜図9のフローチャートは始動記憶方式の第1実施例を示すもので、何れも記憶媒体としてのROM16に記録されたコンピュータプログラムであって、CPU15によって実行される。
【0022】
図6に示すように、第1種始動口処理にあたり、CPU15は、第1種始動口スイッチ18の信号に基づき、遊技球が第1種始動口3を通過したか否かを確認する(S11)。遊技球が第1種始動口3を通過すると、大当りの遊技状態を示す大当りフラグを確認し(S12)、このフラグがセットされていない場合は、その時点での始動契機の記憶数(始動記憶数U)が予め設定した基準値「4」未満であるか否かを確認する(S13)。基準値未満の場合には、始動記憶数Uに「1」を加算し(S14)、カウンタの計数値を乱数値として取得する(S15)。そして、乱数値を図柄表示装置2の始動契機としてRAM17に記憶したのち(S16)、次の図柄決定処理へ移行する。また、大当りフラグがセットされている場合には(S12:Yes)、乱数値を取得せず、今回の入賞球を始動契機として記憶することなく、無効化処理する。
【0023】
なお、遊技球が第1種始動口3を通過した時点で取得する乱数値には、大当りかハズレかを判定するための大当り乱数値、大当り図柄を決定するための大当り図柄乱数値、リーチ変動の有無を判定するためのリーチ乱数値、大当りの予告変動の有無を判定するための予告乱数値が含まれる。また、この実施例では、始動記憶数Uに「1」が加算される毎に、図1に示す始動記憶表示部8のLEDが点灯し、最高4個の点灯表示により遊技者に始動契機の記憶数を報知する。
【0024】
図7に示すように、図柄決定処理にあたり、CPU15は、乱数値をRAM17から読み出し(S101)、高確率の遊技状態を示す確率変動(確変)フラグを確認する(S102)。確変フラグがセットされている場合は、高確率テーブルを参照し(S103)、セットされていない場合は、通常確率テーブルを参照し(S104)、今回取得した大当り乱数値が大当りであるかハズレであるかを判定する(S105)。大当りを判定すると、大当りフラグをセットし(S106)、大当り図柄乱数値を用いて大当り図柄を決定し(S107)、決定した図柄が、大当り図柄を高い確率で発生させる高確率図柄であるか、大当り図柄を通常の確率で発生させる通常確率図柄であるかを判定する(S108)。そして、高確率図柄を判定した場合に、確変フラグをセットし(S109)、大当り図柄の変動パターンを決定したのち(S110)、これに対応する図柄制御コマンドをRAM17に格納する(S111)。
【0025】
ここでは、例えば、大当り図柄が、「2・2・2」「6・6・6」などの偶数値で揃った場合に、通常確率図柄であると判定され、「3・3・3」「7・7・7」などの奇数値で揃った場合に、高確率図柄であると判定される。大当りの判定に際しては、通常確率図柄の場合に通常確率テーブルが用いられ、「7,277,293」の3個の乱数値が大当りと判定される。また、高確率図柄の場合には、高確率テーブルが用いられ、「7,53,86,137・・・」の16個の乱数値が大当りと判定される。従って、高確率の遊技状態では、大当り図柄の発生確率が通常の遊技状態よりも5倍以上高くなる。
【0026】
一方、大当りの判定結果がハズレであった場合(S105:No)、CPU15は、図柄表示装置2の表示領域数に対応する3種類のハズレ図柄乱数値を取得し、これらの乱数値を用いてハズレ図柄を決定する(S112)。続いて、リーチ乱数値を用いてリーチ変動を行うか否かを判定するとともに(S113)、大当りの予告変動を行うか否かを判定する(S114)。そして、これらの判定結果により、ハズレ図柄にリーチ変動と予告変動とを組み合わせた特殊変動が指定されると、特殊変動フラグをセットしたのち(S115)、ハズレ図柄の変動パターンを決定し(S110)、これに対応する図柄制御コマンドを格納し(S111)、次の図柄表示処理へ移行する。ここで、図柄表示装置2は、特殊変動に際し、例えば図4に示すように、ハズレ図柄のうち左右の図柄を仮停止させた状態で中図柄を変動させ、このリーチ変動中に、通常は滅多に出現しないキャラクタ(図に「ワニ」を例示)を登場させ、遊技者に大当りを強くアピールする。
【0027】
図8に示すように、図柄表示処理にあたり、CPU15は、図柄表示装置2の変動中又は停止中を判断し(S201)、停止中であれば、始動記憶数Uを確認する(S202)。始動契機が一つでも記憶されていれば、始動記憶数Uから「1」を減算し(S203)、始動記憶表示部8のLEDを一つ消灯する。そして、図柄制御コマンドを図柄制御基板19に送信し、図柄表示装置2を制御する(S204)。コマンド送信から所定の時間が経過し、図柄変動の終了を確認すると(S205)、特殊変動フラグをリセットし(S206)、次の大入賞口処理へ移行する。図9に示すように、大入賞口処理にあたり、CPU15は、大当りフラグを確認し(S301)、変動入賞装置6を制御する(S302)。そして、変動入賞装置6による大当り遊技の終了を確認し(S303)、大当りフラグをリセットし(S304)、確変フラグをリセットしたのち(S305)、次の処理へ移行する。
【0028】
この実施例の始動記憶方式によれば、図6に示す第1種始動口処理において、大当りフラグがセットされていない状態、つまり大当り乱数値の判定結果がハズレ図柄を指定した場合は、それ以降大当りが判定されるまでの期間中、始動契機が基準値である4個まで記憶される。また、大当りフラグがセットされている状態、つまり大当り乱数値の判定結果が大当り図柄を指定した場合は、それ以降大当り遊技が終了するまでの期間中、乱数値を取得しないことで、始動契機の記憶可能数が実質的に0に変更される。そして、図9に示す大入賞口処理において、大当り遊技の終了後に大当りフラグがリセットされると、始動契機の記憶可能数が4個の基準値に戻る。このため、従来とは異なり、図柄変動中及び大当り遊技中に複数の始動契機が成立するおそれがなく、大当り遊技の終了時点で図柄変動をいったん停止させて、遊技の区切りを明瞭につけることができる。
【0029】
<第2実施例>
図10のフローチャートは始動記憶方式の第2実施例を示す。この実施例では、図2に示す始動記憶表示部9が用いられ、始動契機の基準値が8個に設定され、大当り期間中の始動契機の記憶可能数が4個に減少する。
【0030】
すなわち、第1種始動口処理において、CPU15は、遊技球が第1種始動口3を通過したときに(S21:Yes)、大当りフラグを確認し(S22)、大当りフラグがセットされていない状態で、始動記憶数Uを8個まで許容し(S23)、大当りフラグがセットされている状態で、始動記憶数Uを4個に制限する(S24)。そして、大当り遊技の終了後に大当りフラグがリセットされると(図9:S304)、始動契機の記憶可能数を8個の基準値に戻す(S22→S23)。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、従来と比較し、大当り期間中の図柄変動の回数が減り、それに応じ大当り遊技の発生率も低くなり、遊技全体に占める図柄変動及び大当り遊技の時間比率が低下し、遊技バランスが向上する。
【0031】
<第3実施例>
図11のフローチャートは始動記憶方式の第3実施例を示す。この実施例では、図3に示す始動記憶表示部10又は図4に示す始動記憶表示部11が用いられ、始動契機の基準値が4個に設定され、大当り期間中の始動契機の記憶可能数は、通常確率時に20個、高確率時に10個に変更される。
【0032】
すなわち、第1種始動口処理において、CPU15は、遊技球が第1種始動口3を通過したときに(S31:Yes)、大当りフラグを確認し(S32)、大当りフラグがセットされていない状態で、始動記憶数Uを4個に制限し(S33)、大当りフラグがセットされている状態で、始動記憶数Uを20個まで許容する(S34)。そして、確変フラグを確認し(S35)、確変フラグがセットされていない通常確率時には、最高20個の始動契機を記憶可能とし、確変フラグがセットされている高確率時には、始動記憶数Uを10個に制限する(S36)。その後、大当り遊技の終了後に、大当りフラグ及び確変フラグをリセットし(図9:S304,S305)、始動契機の記憶可能数を4個の基準値に戻す(S32→S33)。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、大当り期間中の始動記憶可能数を、通常確率時に高く、高確率時に低く設定し、無効球を救済する一方で、大当りの連発を抑制し、遊技全体のバランスを適正に調整することができる。
【0033】
<第4実施例>
図12のフローチャートは始動記憶方式の第4実施例を示す。この実施例では、図3に示す始動記憶表示部10又は図4に示す始動記憶表示部11が用いられ、始動契機の基準値が8個に設定され、大当り期間中の始動契機の記憶可能数は、通常確率時に16個、高確率時に4個に変更される。
【0034】
すなわち、大当りフラグがセットされていない状態で(S42:No)、始動記憶数Uを8個に制限し(S43)、大当りフラグがセットされている状態で(S42:Yes)、始動記憶数Uを16個まで許容する(S44)。確変フラグがセットされていない通常確率時には(S45:No)、最高16個の始動契機を記憶可能とし、確変フラグがセットされている高確率時には(S45:Yes)、始動記憶数Uを4個に制限する(S46)。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、大当り期間中の始動記憶可能数を、通常確率時に基準値よりも高く、高確率時に基準値よりも低く設定し、特に、大当りの連発を抑制できる利点がある。
【0035】
<第5実施例>
図13のフローチャートは始動記憶方式の第5実施例を示す。この実施例では、図2に示す始動記憶表示部9が用いられ、始動契機の基準値が8個に設定され、大当り期間中の始動契機の記憶可能数は、通常確率時に4個、高確率時に0に変更される。
【0036】
すなわち、大当りフラグがセットされていない状態で(S52:No)、始動記憶数Uを8個まで許容し(S53)、大当りフラグがセットされている状態で(S52:Yes)、確変フラグを確認する(S54)。そして、確変フラグがセットされていない場合には(S54:No)、始動記憶数Uを4個に制限し(S55)、確変フラグがセットされている場合には(S54:Yes)、それ以降乱数値を記憶しないことで、始動契機の記憶可能数を実質的に0に制限する。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、大当り期間中の始動記憶可能数が基準値よりも低くなるため、特に、基準値を嵩上げしたパチンコ機において、ギャンブル性を抑制し、娯楽性を向上できる利点がある。
【0037】
<第6実施例>
図14のフローチャートは始動記憶方式の第6実施例を示す。この実施例では、図3に示す始動記憶表示部10又は図4に示す始動記憶表示部11が用いられ、始動契機の基準値が4個に設定され、特殊変動の期間中に始動契機の記憶可能数が8個に変更され、大当り期間中は16個に変更される。
【0038】
すなわち、第1種始動口処理において、CPU15は、遊技球が第1種始動口3を通過したときに(S61:Yes)、大当りフラグを確認し(S62)、大当りフラグがセットされていない状態、つまりハズレ図柄が指定されている場合には(S62:No)、始動契機を基準値である4個まで記憶する(S63:Yes)。始動記憶数Uが4個以上の場合は(S63:No)、特殊変動フラグを確認し(S64)、このフラグがセットされている場合、つまりリーチ変動と大当りの予告変動とを伴う特殊変動が指定されている場合には(S64:Yes)、始動記憶数Uを8個まで許容する(S65)。そして、図8に示す図柄表示処理において、特殊変動が終了し、特殊変動フラグがリセットされると(S206)、始動契機の記憶可能数が基準値に戻る。
【0039】
一方、大当りフラグがセットされている状態では(S62:Yes)、始動契機を最高16個まで記憶し(S66〜S69)、大入賞口処理において、大当り遊技の終了後に大当りフラグがリセットされると(図9:S304)、始動契機の記憶可能数が基準値に戻る。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、大当りを強く予期させる特殊変動が指定されたときに、始動記憶可能数が基準値よりも増えるため、リーチ変動を伴う比較的長い変動期間中に、遊技者は始動記憶を増やす目的で遊技を継続できて、結果的にハズレとなることによる落胆を軽減することができる。なお、リーチ変動と予告変動の両方を伴う特殊変動の場合に、始動契機の記憶可能数を8個に設定し、予告変動を伴わない特殊変動の場合には、始動契機の記憶可能数を6個に設定するなど、特殊変動の種類に応じて始動記憶可能数を適宜に変更してもよい。
【0040】
<第7実施例>
図15のフローチャートは始動記憶方式の第7実施例を示す。この実施例では、図3に示す始動記憶表示部10又は図4に示す始動記憶表示部11が用いられ、始動契機の基準値が4個に設定され、特殊変動の期間中に始動契機の記憶可能数が10個に変更され、大当り期間中は8個に変更される。
【0041】
すなわち、大当りフラグがセットされていない状態、つまりハズレ図柄が指定されている場合には(S72:No)、始動契機を基準値である4個まで記憶する(S73:Yes)。始動記憶数Uが4個以上あり(S73:No)、特殊変動フラグがセットされている場合には(S74:Yes)、それ以降このフラグがリセットされるまでの期間中、始動契機を最高10個まで記憶する(S75:Yes)。また、大当りフラグがセットされている状態では(S72:Yes)、始動契機を8個まで記憶する(S76〜S79)。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、特殊変動が指定されたときに、始動記憶可能数が大当りの場合よりも増えるため、特に、大当りへの期待感の反動による遊技者の落胆を軽減することができる。
【0042】
<第8実施例>
図16のフローチャートは始動記憶方式の第8実施例を示す。この実施例では、図3に示す始動記憶表示部10又は図4に示す始動記憶表示部11が用いられ、始動契機の基準値が8個に設定され、特殊変動の期間中に始動契機の記憶可能数が16個に変更され、大当り期間中は0に変更される。
【0043】
すなわち、ハズレ図柄が指定されている場合には(S82:No)、始動契機を基準値である8個まで記憶する(S83:Yes)。始動記憶数Uが8個以上あり(S83:No)、特殊変動フラグがセットされている場合には(S84:Yes)、それ以降このフラグがリセットされるまでの期間中、始動契機を最高16個まで記憶する(S85:Yes)。また、大当りフラグがセットされている場合には(S82:Yes)、乱数値を記憶しないことで、始動契機の記憶可能数を実質的に0にする。従って、この実施例の始動記憶方式によれば、特に、基準値を嵩上げしたパチンコ機において、大当りとハズレの利益バランスを程良く調整することができる。
【0044】
なお、本発明による始動記憶方式は上記実施例に限定されるものではなく、請求項に記載された発明の趣旨から逸脱しない範囲で、始動契機の基準値や記憶可能数を適宜に変更して実施することも可能である。
【0045】
<請求項と実施形態との対応関係>
請求項1の「遊技盤の所定領域」は、図1の第1種始動口3に対応する。「設定手段」及び「復帰手段」は、第1、第2実施例において、CPU15が図6のS12〜S16、図10のS22〜27で実行する処理に対応する。
請求項2の「設定手段」は、第1実施例において、CPU15が図6のS12〜S16で実行する処理に対応する。
請求項3の「設定手段」及び「復帰手段」は、第3、第4、第5実施例において、CPU15が図11のS32〜S39、図12のS42〜49、図13のS52〜58で実行する処理に対応する。
請求項4の「設定手段」は、第3実施例において、CPU15が図11のS32〜S39で実行する処理に対応する。
請求項5の「設定手段」は、第4実施例において、CPU15が図12のS42〜S49で実行する処理に対応する。
請求項6の「設定手段」は、第5実施例において、CPU15が図13のS52〜S59で実行する処理に対応する。
請求項7の「設定手段」及び「復帰手段」は、第6、第7、第8実施例において、CPU15が図14のS62〜S69、図15のS72〜79、図16のS82〜88で実行する処理に対応する。
請求項8の「設定手段」は、第6実施例において、CPU15が図14のS62〜S69で実行する処理に対応する。
請求項9の「設定手段」は、第7実施例において、CPU15が図15のS72〜S79で実行する処理に対応する。
請求項10の「設定手段」は、第8実施例において、CPU15が図16のS82〜S88で実行する処理に対応する。
請求項11の「始動記憶表示手段」は、図1の始動記憶表示部8、図2の始動記憶表示部9、図3の始動記憶表示部10、図4の始動記憶表示部11に対応する。
請求項12のコンピュータプログラムは、第1〜第8実施例において、CPU15が実行する図6〜図16のフローチャートに対応する。
請求項13の記録媒体は、上記コンピュータプログラムが記録されたROM16(図5参照)に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す第1種パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図2】図1とは異なる始動記憶表示部を示す図柄表示装置の正面図である。
【図3】始動記憶表示部の別の実施例を示す表示画面図である。
【図4】始動記憶表示部のさらに別の実施例を示す表示画面図である。
【図5】電気制御システムの主要部を示すブロック図である。
【図6】始動記憶方式の第1実施例を示すフローチャートである。
【図7】図柄決定処理を示すフローチャートである。
【図8】図柄表示処理を示すフローチャートである。
【図9】大入賞口処理を示すフローチャートである。
【図10】始動記憶方式の第2実施例を示すフローチャートである。
【図11】始動記憶方式の第3実施例を示すフローチャートである。
【図12】始動記憶方式の第4実施例を示すフローチャートである。
【図13】始動記憶方式の第5実施例を示すフローチャートである。
【図14】始動記憶方式の第6実施例を示すフローチャートである。
【図15】始動記憶方式の第7実施例を示すフローチャートである。
【図16】始動記憶方式の第8実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技盤
2 図柄表示装置
3 第1種始動口
4 普通電動役物
6 変動入賞装置
8〜11 始動記憶表示部
13 主制御基板
14 マイクロプロセッサ
15 CPU
16 ROM
17 RAM
18 第1種始動口スイッチ
Claims (13)
- 遊技球が遊技盤の所定領域を通過したときに、カウンタの計数値を取得し、計数値を図柄表示装置の始動契機として基準値まで記憶し、計数値の判定結果に基づいて図柄表示装置を制御し、図柄表示装置が所定の大当り図柄を表示したときに、遊技者に有利な大当り遊技を実施する遊技機において、
前記計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、始動契機の記憶可能数を前記基準値よりも小さな値に設定する設定手段と、
前記大当り遊技が終了したときに、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す復帰手段とを備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、前記設定手段が始動契機の記憶可能数を0に設定する請求項1に記載の遊技機。
- 遊技球が遊技盤の所定領域を通過したときに、カウンタの計数値を取得し、計数値を図柄表示装置の始動契機として基準値まで記憶し、計数値の判定結果に基づいて図柄表示装置を制御し、図柄表示装置が所定の大当り図柄を表示したときに、遊技者に有利な大当り遊技を実施する遊技機において、
前記計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、始動契機の記憶可能数を前記基準値と異なる値に設定する設定手段と、
前記大当り遊技が終了したときに、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す復帰手段とを備え、
前記設定手段が始動契機の記憶可能数を、大当り図柄を高い確率で発生させる高確率図柄よりも、大当り図柄を通常の確率で発生させる通常確率図柄の方が大きな値となるように、設定することを特徴とする遊技機。 - 前記設定手段が、高確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも大きな値に設定する請求項3に記載の遊技機。
- 前記設定手段が、高確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも小さな値に設定し、通常確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも大きな値に設定する請求項3に記載の遊技機。
- 前記設定手段が、通常確率図柄に対応する始動契機の記憶可能数を基準値よりも小さな値に設定する請求項3に記載の遊技機。
- 遊技球が遊技盤の所定領域を通過したときに、カウンタの計数値を取得し、計数値を図柄表示装置の始動契機として基準値まで記憶し、計数値の判定結果に基づいて図柄表示装置を制御し、図柄表示装置が所定の大当り図柄を表示したときに、遊技者に有利な大当り遊技を実施する遊技機において、
前記計数値の判定結果が、大当り図柄以外のハズレ図柄に、該図柄の一部を仮停止させた状態で残りを変動させるリーチ変動を組み合わせた特殊変動を指定したときに、始動契機の記憶可能数を前記基準値よりも大きな値に設定する設定手段と、
前記特殊変動が終了したときに、始動契機の記憶可能数を基準値に戻す復帰手段とを備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、前記設定手段が、大当り図柄に対応する始動契機の記憶可能数を、特殊変動に対応する始動契機の記憶可能数よりも大きな値に設定する請求項7に記載の遊技機。
- 前記計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、前記設定手段が、大当り図柄に対応する始動契機の記憶可能数を、前記基準値よりも大きく、かつ特殊変動に対応する始動契機の記憶可能数よりも小さな値に設定する請求項7に記載の遊技機。
- 前記計数値の判定結果が大当り図柄を指定したときに、前記設定手段が、大当り図柄に対応する始動契機の記憶可能数を、前記基準値よりも小さな値に設定する請求項7に記載の遊技機。
- 前記始動契機の記憶数を遊技盤の一部に表示する始動記憶表示手段を備えた請求項1〜10の何れか一項に記載の遊技機。
- 請求項1〜11の何れか一項に記載の遊技機において、コンピュータを前記設定手段及び復帰手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
- 請求項12に記載の前記コンピュータが実行する前記コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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Cited By (2)
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JP2011115410A (ja) * | 2009-12-04 | 2011-06-16 | Toyomaru Industry Co Ltd | 遊技機 |
US9747746B2 (en) | 2012-08-09 | 2017-08-29 | Aristocrat Technologies Australia Pty Limited | Gaming system and a method of gaming |
-
2002
- 2002-11-19 JP JP2002335005A patent/JP2004166877A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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